JP2004328819A - 埋込磁石型モータ - Google Patents

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Yoshiyuki Shibata
柴田由之
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Toyoda Koki KK
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Abstract

【課題】大きな駆動力が得られるとともにリップルを小さくすることができる埋込磁石型モータを提供する。
【解決手段】ロータ1が等間隔に複数個の磁石穴3が配置された磁性材料製のロータ本体2と、ロータ本体2の各磁石穴3に挿入された永久磁石4とを有して構成されたIPMモータ10において、各磁石穴3は軸方向に垂直な断面が長方形をなし、各磁石穴3には断面が台形をなす一対の永久磁石4が挿入されている。また、磁束φの通過する面において、永久磁石4間及び磁石穴3と永久磁石4との間の隙間を小さくする方向に付勢する板バネ5が挿入されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石を埋め込んだロータ等の可動子を備えた埋込磁石型モータに関する。この埋込磁石型モータは、電動パワーステアリング装置、電気自動車、エアコン等に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、非特許文献1に図9に示す埋込磁石型モータ(以下「IPMモータ」という。)が開示されている。このIPMモータは、電機子巻線87をもつ固定子としてのステータ85と、このステータ85との間に間隙Gを有して対面し、ステータ85に対して相対回転可能な可動子としてのロータ81とを備えている。ロータ81は、軸心回りで等ピッチに複数個の磁石穴83が配置された磁性材料製の可動子本体としてのロータ本体82と、このロータ本体82の各磁石穴83に挿入された永久磁石84とを有している。
【0003】
このIPMモータによれば、ロータ本体82に永久磁石84が埋め込まれているため、高速回転でも永久磁石84の飛散を防止でき、安全性において優れている。また、図10に示すように、永久磁石84による磁石トルクTmに加え、逆突極性に起因するリラクタンストルクTrも有効に利用できることから、高いモータトルクTが得られる。つまり、磁石トルクTmを効率的に発生させる電流進み角(0°)とリラクタンストルクTrを効率的に発生させる電流進み角(45°)との間の電流進み角(α°)で運転することにより、高いモータトルクTが得られる。さらには、電流と電流進み角との調整による弱め界磁制御を採用することにより、高速領域での運転が可能となる。
【0004】
しかしながら、このIPMモータでは、図11に示すように、磁石穴83及び永久磁石84の公差により、磁石穴83と永久磁石84との間にエアギャップA1、A2が生じ得る。製造コストを考慮すれば、一般に、磁石穴83の公差は±0.03mm程度であり、永久磁石84の公差は±0.05mm程度である。ここで、永久磁石84を確実に磁石穴83に挿入可能とするため、永久磁石84は磁石穴83より両公差の合計分の0.08mmだけ小さく設計される。そのため、組付け段階においては、エアギャップA1、A2は最大で0.16mmになってしまう。
【0005】
こうして、磁石穴83と永久磁石84との間にエアギャップA1、A2が生じると、動作中において、磁石穴83内で永久磁石84の位置がずれる虞がある。この場合には、ステータ85とロータ81との間に生じる磁気回路の磁気抵抗がばらつくことになるため、磁石トルクTmが変動し、トルクリップルが大きくなる。
【0006】
特に、これら磁石穴83と永久磁石84との間のエアギャップA1、A2のうち、磁束φの通過する方向、つまりステータ85とロータ81との間に存在する間隙Gの方向のエアギャップA1が存在すると、ステータ85とロータ81との間に生じる磁気回路の磁気抵抗が大きくなり、磁石トルクTmが低下し、モータトルクTも低下する。また、各磁石穴83でエアギャップA1がばらつくことにより、トルクリップルが大きくなる。
【0007】
このため、特許文献1記載のIPMモータも提案されている。このIPMモータでは、磁石穴83の永久磁石84をバネで一方向に押圧している。このIPMモータによれば、永久磁石84がバネで径外方向に押圧されているため、動作中であっても、磁石穴83内において永久磁石84の位置がずれることはない。このため、特許文献1記載のIPMモータによれば、トルクリップルを小さくすることができる。
【0008】
【非特許文献1】
電気学会論文誌、2001年vol.121、no.7、p448〜p449
【特許文献1】
特開2000−175388号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1記載のIPMモータであっても、磁石穴83と永久磁石84との間の径方向のエアギャップA1は依然として存在している。そのため、磁気回路の磁気抵抗は依然として大きく、駆動力の向上を期待できない。
【0010】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、大きな駆動力が得られるとともにリップルを小さくすることができる埋込磁石型モータを提供することを解決すべき課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1発明の埋込磁石型モータは、巻線をもつ固定子と、該固定子との間に間隙を有して対面し、該固定子に対して相対移動可能な可動子とを備え、該可動子は、等間隔に複数個の磁石穴が配置された磁性材料製の可動子本体と、該可動子本体の各該磁石穴に挿入された永久磁石とを有して構成された埋込磁石型モータにおいて、
各前記磁石穴は軸方向に垂直な断面が長方形をなし、各該磁石穴には該断面が台形をなす一対の前記永久磁石が挿入されていることを特徴とする。
【0012】
第1発明のIPMモータでは、軸方向に垂直な断面が長方形をなす磁石穴には、断面が台形をなす一対の永久磁石が挿入されている。この一対の永久磁石の接触面をずらせば、永久磁石を磁石穴の径方向に垂直な面に容易に当接させることができ、間隙の方向にエアギャップが生じない。このため、このIPMモータでは、固定子と可動子との間に生じる磁気回路の磁気抵抗を抑えられ、駆動力を大きく維持することができる。また、前記エアギャップが生じない以上、前記エアギャップのばらつきは生じず、トルクリップルを小さくできる。
【0013】
したがって、第1発明のIPMモータによれば、大きな駆動力が得られるとともにリップルを小さくすることができる。
【0014】
このIPMモータでは、各前記磁石穴に挿入される一対の前記永久磁石は、同一形状をしていることが好ましい。これにより、部品点数を減少させることができ、製造コストを削減することができる。
【0015】
このIPMモータでは、前記各永久磁石は、軸直角の断面が台形の上底を構成する上底面と、該台形の下底を構成する下底面と、該台形の該下底に略垂直な脚を構成する第1脚面と、該台形の該下底と鋭角をなす脚を構成する第2脚面とからなる四角柱状に形成され、前記各磁石穴内に該上底面及び該下底面を互い違いにされつつ該第2脚面同士を当接させて該各永久磁石が挿入されていることが好ましい。これにより、各磁石穴内に一対の永久磁石を容易に挿入することができる。
【0016】
第2発明の埋込磁石型モータは、巻線をもつ固定子と、該固定子との間に間隙を有して対面し、該固定子に対して相対移動可能な可動子とを備え、該可動子は、等間隔に複数個の磁石穴が配置された磁性材料製の可動子本体と、該可動子本体の各該磁石穴に挿入された永久磁石とを有して構成された埋込磁石型モータにおいて、
各前記磁石穴は軸方向に垂直な断面が一組の互いに向かい合う円弧と、両円弧の両端を接続する一組の辺とからなり、各該磁石穴には該断面が一組の互いに向かい合う円弧と、両円弧の両端を接続する一組の辺とからなる一対の前記永久磁石が挿入されていることを特徴とする。
【0017】
第2発明のIPMモータでは、磁石穴は軸方向に垂直な断面が一組の互いに向かい合う円弧と、両円弧の両端を接続する一組の辺とからなる。また、各磁石穴には断面が一組の互いに向かい合う円弧と、両円弧の両端を接続する一組の辺とからなる一対の永久磁石が挿入されている。この一対の永久磁石の接触面をずらせば、永久磁石を磁石穴の断面が円弧からなる面に容易に当接させることができ、間隙の方向にエアギャップが生じない。このため、このIPMモータでは、固定子と可動子との間に生じる磁気回路の磁気抵抗を抑えられ、駆動力を大きく維持することができる。また、前記エアギャップが生じない以上、前記エアギャップのばらつきは生じず、トルクリップルを小さくできる。
【0018】
したがって、第2発明のIPMモータによっても、大きな駆動力が得られるとともにリップルを小さくすることができる。
【0019】
このIPMモータでは、前記各永久磁石は、軸方向に垂直な断面が扇形の半径の小さい円弧を構成する第1円弧面と、該扇形の該第1円弧面と向かい合って半径の大きい円弧を構成する第2円弧面と、該扇形の該両円弧の一端を接続する第1辺を構成する第1平面と、該扇形の該両円弧の他端を接続する第2辺を構成する第2平面とからなり、該第1円弧面と該第2円弧面との間の厚さが該第2平面から該第1平面に向けて漸減する円弧柱状に形成され、前記各磁石穴内に該第1平面及び該第2平面を互い違いにされつつ該第1円弧面と該第2平面とを当接させて該各永久磁石が挿入されていることが好ましい。これにより、各磁石穴内に一対の永久磁石を容易に挿入することができる。
【0020】
第1発明及び第2発明のIPMモータでは、各前記磁石穴に挿入される一対の前記永久磁石は、磁束の通過する面において、一対の該永久磁石間及び該磁石穴と該永久磁石との間の隙間を小さくする方向に付勢手段によって付勢されていることが好ましく、この付勢手段として板バネを採用することができる。これにより、動作中において、磁石穴内で永久磁石の位置がずれることがない。そのため、磁気回路の磁気抵抗の変動を防止することができ、リップルが小さくなる。また、付勢手段としては、コイルバネ、ゴム等を採用することができるが、板バネは小型で比較的大きな付勢力を付与できることから、磁石穴と永久磁石との間に容易に組付けることができるとともに、確実に永久磁石間及び磁石穴と永久磁石との間の隙間を小さくする方向に付勢することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態1、2を図面を参照しつつ説明する。
【0022】
(実施形態1)
実施形態1のIPMモータ10は、図9に示す電機子巻線87をもつ固定子としてのステータ85と、このステータ85との間に間隙Gを有して対面し、ステータ85に対して相対回転可能な可動子としての図1に示すロータ1とを備えている。
【0023】
ロータ1は、軸心回りで等ピッチに複数個の磁石穴3が配置されたロータ本体2と、このロータ本体2の各磁石穴3に挿入された一対の永久磁石4とを有している。ロータ本体2は積層したケイ素鋼板からなる。ロータ本体2の各磁石穴3は、図2に示すように、軸方向に垂直な断面が長方形をなし、軸方向に高さを有する四角柱状に形成されている。この各磁石穴3は、間隙G側に第1平面3aと、第1平面3aに対面する第2平面3bとを有している。
【0024】
他方、各永久磁石4はネオジム−鉄−ボロン系のものである。各永久磁石4は同一形状をしており、軸方向に垂直な断面が台形をなし、軸方向に高さを有する四角柱状に形成されている。各永久磁石4は、台形の上底を構成する上底面4cと、台形の下底を構成する下底面4dと、台形の下底に垂直な脚を構成する第1脚面4aと、台形の下底と鋭角をなす脚を構成する第2脚面4bとにより構成される。また、各磁石穴3内には、上底面4c及び下底面4dを互い違いにされつつ第2脚面4b同士を当接させて各永久磁石4が挿入されている。
【0025】
さらに、磁石穴3と永久磁石4の下底面4dとの間に付勢手段としての板バネ5が挿入されており、永久磁石4は板バネ5により上底面4cが磁石穴3に近づく方向に付勢されている。言い換えると、各磁石穴3内において、一対の永久磁石4の各第1脚面4aが磁石穴3の第1、2平面3a、3bと必ず当接し、各第2脚面4b同士が必ず当接するように付勢されている。
【0026】
また、図1に示すように、隣り合う2個の磁石穴3内の一対の永久磁石4同士は向き合っている。つまり、隣り合う2個の磁石穴3の第1平面3a側において、2個の永久磁石4の上底面4c及び下底面4dの一方が向き合っている。また、第2平面3b側において、他の2個の永久磁石4の上底面4c及び下底面4dの他方が向き合っている。そして、各磁石穴3内の一対の永久磁石4は間隙G側が交互にS極、N極となるように配置されている。
【0027】
以上のように構成されたロータ1は以下のようにして製造される。まず、ケイ素鋼板を用意し、このケイ素鋼板をダイ及びパンチにより打ち抜く。これにより、図3に示すように、複数の打抜穴8と複数のダボ9とを有する打抜板7を得る。そして、打抜板7を打ち抜きつつ積層する。積層の際、ダボ9を使用して各打抜板7を固定し、図1に示すロータ本体2を得る。こうして、積層された打抜板7の各打抜穴8により、ロータ本体2の各磁石穴3が形成される。
【0028】
次に、各磁石穴3に一対の各永久磁石4を挿入する。この際、各磁石穴3に挿入される一対の永久磁石4が同一形状をしているため、部品点数を減少させることができ、製造コストを削減することができる。
【0029】
そして、各磁石穴3と一対の永久磁石4の下底面4dとの間に板バネ5を挿入して、永久磁石4の上底面4cが磁石穴3に近づく方向、つまり磁束φの通過する面において、永久磁石4間及び磁石穴3と永久磁石4との間の隙間を小さくする方向に付勢する。これにより、動作中において、各磁石穴3内で一対の永久磁石4の位置がずれることがないため、磁気抵抗の変動を防止することができ、リップルが小さくなる。また、板バネ5は小型で比較的大きな付勢力を付与できることから、各磁石穴3と永久磁石4との間に容易に組付けることができるとともに、確実に永久磁石4間及び磁石穴3と永久磁石4との間の隙間を小さくする方向に付勢することができる。
【0030】
最後に、一対の永久磁石4の間隙G側が交互にS極、N極となるように着磁して、ロータ1が得られる。
【0031】
このIPMモータ10は、図4に示す電動パワーステアリング装置に用いられる。この電動パワーステアリング装置では、ステアリングホイール90と接続されたステアリングシャフト91の先端にピニオン92が設けられ、このピニオン92はステアリングシャフト91とともに回転するようになっている。ピニオン92にはラックバー93が噛合されており、このラックバー93はステアリングシャフト91の回転運動を長手方向の直線運動に変換してタイヤ94の操舵角を変更させるようになっている。これらピニオン92及びラックバー93はハウジング95によって収容されている。また、ハウジング95内にIPMモータ10も収容されており、ステアリングシャフト91に作用するトルク等の検出により、ラックバー93をアシストできるようになっている。
【0032】
図5に示すように、ラックバー93の一端は円筒面93aを有し、円筒面93aにはネジ溝93bが形成されている。そして、円筒面93aはボールネジ88を介してIPMモータ10のロータ1と接続されている。また、IPMモータ10のステータ85はハウジング95に固定されている。
【0033】
以上のように構成された電動パワーステアリング装置では、IPMモータ10のロータ1が回転すると、ボールネジ88により回転運動が直線運動に変換され、ラックバー93がアシストされる。
【0034】
この際、IPMモータ10では、一対の永久磁石4の第1脚面4aが各磁石穴3の第1平面3aと必ず当接し、一対の永久磁石4の第2脚面4b同士が必ず当接しているため、磁束φの通過する方向、つまり間隙Gの方向にエアギャップが生じない。このため、このIPMモータ10では、ステータ85とロータ1との間に生じる磁気回路の磁気抵抗を抑えられ、駆動力を大きく維持することができる。また、前記エアギャップが生じない以上、前記エアギャップのばらつきは生じず、トルクリップルを小さくできる。
【0035】
したがって、実施形態1のIPMモータ10によれば、大きな駆動力が得られるとともにリップルを小さくすることができる。このため、電動パワーステアリング装置において、優れた車両搭載性と、優れた操舵アシストとを実現することができる。
【0036】
また、このIPMモータ10では、隣り合う2個の磁石穴3内の一対の永久磁石4同士は向き合っている。これにより、ロータ1の回転方向の相違による磁束密度の差を防止でき、ロータ1が両方向に滑らかに回転できる。このため、やはり電動パワーステアリング装置において、優れた操舵アシストを発揮することができる。
【0037】
なお、上記実施形態1のIPMモータ10は固定子に対して可動子が相対回転するものであるが、本発明は固定子に対して可動子が相対直線運動するIPMモータにも具体化可能であることはいうまでもない。
【0038】
(実施形態2)
実施形態2のIPMモータ30は、図9に示す電機子巻線87をもつ固定子としてのステータ85と、このステータ85との間に間隙Gを有して対面し、ステータ85に対して相対回転可能な可動子としての図6に示すロータ21とを備えている。
【0039】
ロータ21は、軸心回りで等ピッチに複数個の磁石穴23が配置されたロータ本体22と、このロータ本体22の各磁石穴23に挿入された一対の永久磁石24、25とを有している。ロータ本体22は積層したケイ素鋼板からなる。ロータ本体22の各磁石穴23は、図7に示すように、軸方向に垂直な断面が一組の互いに向かい合う円弧と、両円弧の両端を接続する一組の辺とからなり、軸方向に高さを有する柱状に形成されている。この各磁石穴23の側面は、間隙G側が第1曲面23a、第1曲面23aに対面する側が第2曲面23bとなっている。
【0040】
他方、各永久磁石24、25はネオジム−鉄−ボロン系のものである。各永久磁石24、25は軸方向に垂直な断面が一組の互いに向かい合う円弧と、両円弧の両端を接続する一組の辺とからなり、軸方向に高さを有する柱状に形成されている。また、永久磁石24は永久磁石25よりも軸方向に垂直な断面の面積が小さくなっている。各永久磁石24、25は、軸方向に垂直な断面が扇形の半径の小さい円弧を構成する第1円弧面24a、25aと、扇形の第1円弧面24a、25aと向かい合って半径の大きい円弧を構成する第2円弧面24b、25bと、扇形の両円弧の一端を接続する第1辺を構成する第1平面24c、25cと、扇形の両円弧の他端を接続する第2辺を構成する第2平面24d、25dとにより構成されている。ただし、第1円弧面24a、25aと第2円弧面24d、25dとの間の厚さは第2平面24d、25dから第1平面24c、25cに向けて漸減している。また、各磁石穴23内には、第1平面24c、25c及び第2平面24d、25dの方向を互い違いにされつつ第2円弧面24bと第1円弧面25aとを当接させて各永久磁石24、25が挿入されている。ここで、磁石穴23の第2曲面23bと永久磁石25の第2円弧面25b、磁石穴23の第1曲面23aと永久磁石24の第1円弧面24a及び永久磁石25の第1円弧面25aと永久磁石24の第2円弧面24bは同一半径の円弧面である。
【0041】
さらに、磁石穴23と永久磁石24、25の第2平面24d、25dとの間に付勢手段としての板バネ26が挿入されており、永久磁石24、25は板バネ26により第1平面24c、25cが磁石穴23に近づく方向に付勢されている。言い換えると、各磁石穴23内において、永久磁石24の第1円弧面24a、永久磁石25の第2円弧面25bが磁石穴23の第1、2曲面23a、23bと必ず当接し、永久磁石24の第2円弧面24bと永久磁石25の第1円弧面25aとが必ず当接するように付勢されている。
【0042】
また、図6に示すように、隣り合う2個の磁石穴23内の一対の永久磁石24、25同士は向き合っている。つまり、隣り合う2個の磁石穴23の第1曲面23a側において、2個の永久磁石24の第1平面24c及び第2平面24dの一方が向き合っている。また、第2曲面23b側において、2個の永久磁石25の第2平面25d及び第1平面25cの一方が向き合っている。そして、各磁石穴23内の一対の永久磁石24、25は間隙G側が交互にS極、N極となるように配置されている。
【0043】
以上のように構成されたロータ21は以下のようにして製造される。まず、ケイ素鋼板を用意し、このケイ素鋼板をダイ及びパンチにより打ち抜く。これにより、図8に示すように、複数の打抜穴28と複数のダボ29とを有する打抜板27を得る。そして、打抜板27を打ち抜きつつ積層する。積層の際、ダボ29を使用して各打抜板27を固定し、図6に示すロータ本体22を得る。こうして、積層された打抜板27の各打抜穴28により、ロータ本体22の各磁石穴23が形成される。
【0044】
次に、各磁石穴23に一対の各永久磁石24、25を挿入する。そして、各磁石穴23と一対の永久磁石24、25の第2平面24d、25dとの間に板バネ26を挿入して、永久磁石24、25の第1平面24c、25cが磁石穴23に近づく方向、つまり磁束φの通過する面において、永久磁石24、25間及び磁石穴3と永久磁石24、25との間の隙間を小さくする方向に付勢する。これにより、動作中において、各磁石穴23内で一対の永久磁石24、25の位置がずれることがないため、磁気抵抗の変動を防止することができ、リップルが小さくなる。また、板バネ26は小型で比較的大きな付勢力を付与できることから、各磁石穴23と永久磁石24、25との間に容易に組付けることができるとともに、確実に永久磁石24、25間及び磁石穴23と永久磁石24、25との間の隙間を小さくする方向に付勢することができる。
【0045】
最後に、一対の永久磁石24、25の間隙G側が交互にS極、N極となるように着磁して、ロータ21が得られる。
【0046】
このIPMモータ30は、実施形態1と同様の作用及び効果を発揮する。また、このIPMモータ30は、図4及び図5に示す電動パワーステアリング装置に用いられる。この電動パワーステアリング装置の構成及び動作も実施形態1と同様である。
【0047】
したがって、実施形態2のIPMモータ30によっても、大きな駆動力が得られるとともにリップルを小さくすることができる。このため、電動パワーステアリング装置において、優れた車両搭載性と、優れた操舵アシストとを実現することができる。
【0048】
なお、実施形態2において、ロータ本体22の各磁石穴23の側面は、間隙G側を第1曲面23aとしたが、これと反対に、間隙G側を第2曲面23bとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のIPMモータに係り、ロータの一部断面図である。
【図2】実施形態1のIPMモータに係り、ロータの一部拡大断面図である。
【図3】実施形態1のIPMモータに係り、打抜板の拡大平面図である。
【図4】実施形態1、2のIPMモータに係り、電動パワーステアリング装置の模式図である。
【図5】実施形態1、2のIPMモータに係り、電動パワーステアリング装置の一部拡大断面図である。
【図6】実施形態2のIPMモータに係り、ロータの一部断面図である。
【図7】実施形態2のIPMモータに係り、ロータの一部拡大断面図である。
【図8】実施形態2のIPMモータに係り、打抜板の拡大平面図である。
【図9】従来のIPMモータの断面図である。
【図10】IPMモータの電流進み角とトルクとの関係を表す図である。
【図11】従来のIPMモータのロータの一部断面図である。
【符号の説明】
87…電機子巻線
85…固定子(ステータ)
G…間隙
1、21…可動子(ロータ)
3、23…磁石穴
2、22…可動子本体(ロータ本体)
4、24、25…永久磁石
10、30…埋込磁石型モータ(IPMモータ)
3a…第1平面
3b…第2平面
4a…第1脚面
4b…第2脚面
φ…磁束
23a…第1曲面
23b…第2曲面
24a、25a…第1円弧面
24b、25b…第2円弧面
5、26…付勢手段(板バネ)

Claims (7)

  1. 巻線をもつ固定子と、該固定子との間に間隙を有して対面し、該固定子に対して相対移動可能な可動子とを備え、該可動子は、等間隔に複数個の磁石穴が配置された磁性材料製の可動子本体と、該可動子本体の各該磁石穴に挿入された永久磁石とを有して構成された埋込磁石型モータにおいて、
    各前記磁石穴は軸方向に垂直な断面が長方形をなし、各該磁石穴には該断面が台形をなす一対の前記永久磁石が挿入されていることを特徴とする埋込磁石型モータ。
  2. 各前記磁石穴に挿入される一対の前記永久磁石は、同一形状をしていることを特徴とする請求項1記載の埋込磁石型モータ。
  3. 前記各永久磁石は、軸方向に垂直な断面が台形の上底を構成する上底面と、該台形の下底を構成する下底面と、該台形の該下底に略垂直な脚を構成する第1脚面と、該台形の該下底と鋭角をなす脚を構成する第2脚面とからなる四角柱状に形成され、
    前記各磁石穴内に該上底面及び該下底面を互い違いにされつつ該第2脚面同士を当接させて該各永久磁石が挿入されていることを特徴とする請求項2記載の埋込磁石型モータ。
  4. 巻線をもつ固定子と、該固定子との間に間隙を有して対面し、該固定子に対して相対移動可能な可動子とを備え、該可動子は、等間隔に複数個の磁石穴が配置された磁性材料製の可動子本体と、該可動子本体の各該磁石穴に挿入された永久磁石とを有して構成された埋込磁石型モータにおいて、
    各前記磁石穴は軸方向に垂直な断面が一組の互いに向かい合う円弧と、両円弧の両端を接続する一組の辺とからなり、各該磁石穴には該断面が一組の互いに向かい合う円弧と、両円弧の両端を接続する一組の辺とからなる一対の前記永久磁石が挿入されていることを特徴とする埋込磁石型モータ。
  5. 前記各永久磁石は、軸方向に垂直な断面が扇形の半径の小さい円弧を構成する第1円弧面と、該扇形の該第1円弧面と向かい合って半径の大きい円弧を構成する第2円弧面と、該扇形の該両円弧の一端を接続する第1辺を構成する第1平面と、該扇形の該両円弧の他端を接続する第2辺を構成する第2平面とからなり、該第1円弧面と該第2円弧面との間の厚さが該第2平面から該第1平面に向けて漸減する円弧柱状に形成され、
    前記各磁石穴内に該第1平面及び該第2平面を互い違いにされつつ該第1円弧面と該第2平面とを当接させて該各永久磁石が挿入されていることを特徴とする請求項4記載の埋込磁石型モータ。
  6. 各前記磁石穴に挿入される一対の前記永久磁石は、磁束の通過する面において、一対の該永久磁石間及び該磁石穴と該永久磁石との間の隙間を小さくする方向に付勢手段によって付勢されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の埋込磁石型モータ。
  7. 付勢手段は板バネであることを特徴とする請求項6記載の埋込磁石型モータ。
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