JP2004328448A - 半導体集積回路装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レイアウト面積を縮小し、消費電力を大幅に低減しながら、疑似ロックを防止し、かつ高精度に遅延時間が調整された遅延クロックを生成する。
【解決手段】セレクタ6,7によって、たとえば、遅延回路2のN段目、および2N段目から出力される遅延クロックrise、遅延クロックfallをライズフリップフロップ8、およびフォールフリップフロップ9によってそれぞれ1/2分周し、排他的論理和回路10により該1/2分周された2つのクロックの排他的論理和をとって出力する。それにより、デューティ比50%で位相のみが基本クロックと異なるサンプリングクロックを高精度に生成することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】セレクタ6,7によって、たとえば、遅延回路2のN段目、および2N段目から出力される遅延クロックrise、遅延クロックfallをライズフリップフロップ8、およびフォールフリップフロップ9によってそれぞれ1/2分周し、排他的論理和回路10により該1/2分周された2つのクロックの排他的論理和をとって出力する。それにより、デューティ比50%で位相のみが基本クロックと異なるサンプリングクロックを高精度に生成することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DLL回路におけるクロックの生成技術に関し、特に、DLL回路の疑似ロック防止、および高精度なクロックタイミングの調整に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルビデオカメラなどのA/D変換器を含む前処理用LSIでは、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子から取り込まれた信号を相関二重サンプリング回路(CDS)などによって色レベルのサンプリングを行うことが広く知られている。CDSは、外部から印加されるサンプリングクロックに同期して色レベルのサンプリングを行っている。
【0003】
また、サンプリングクロックの調整は、インバータなど複数段に直列接続した遅延回路が一般的に用いられている。このディレイ回路の場合、プロセスばらつき、電源電圧、および温度などに対して遅延時間が依存性を有することや、サンプリングクロックの周波数を変えるたびに遅延回路を調整する必要があり、サンプリングクロックの信頼性や利便性などに問題があった。
【0004】
そこで、本発明者は、デジタルビデオカメラなどにおけるサンプリングクロックの生成技術について検討した。
【0005】
この場合、デジタルビデオカメラなどにおけるサンプリングクロックの調整用として、DLL(Delay Locked Loop)回路を用いるものである。
【0006】
DLL回路は、ロック用遅延回路、出力用遅延回路、1/2分周器、位相比較器、チャージポンプ、およびループフィルタなどから構成され、クロックの遅延時間をプロセスばらつき、電源電圧および温度などによらず、外部クロックの1周期分遅らせるように働くフィードバックループである。
【0007】
このようなDLL回路において、外部入力される基本クロックは、1/2分周器に入力される。この1/2分周器では、基本クロックに対して周期が2倍となるクロックをロック用遅延回路に出力するとともに、インバータを介して位相比較器に出力する。
【0008】
1/2分周器、およびインバータは、正常ロック範囲を拡大する役割を持つ。すなわち、直接位相比較器に基本クロックを入力させた場合、正常ロック範囲は0.5T〜1.5T(Tは基本クロック周期)であるのに対し、位相比較器に入力するクロックの周期を基本クロックの2倍にし、一方の入力をインバータで反転した場合、正常ロック範囲が0〜2T(Tは基本クロック周期)に拡大することになり、1周期遅れ以外でのロックである擬似ロックを防止している。
【0009】
さらに、1/2分周器をパルス幅固定分周器に置換することで、正常ロック範囲を拡大し、擬似ロックを防止できる。ここで、パルス幅固定分周器とは、パルス幅を基本クロック1周期に固定し、周期のみ分周比に応じて拡大したクロック波形を生成する機能を持つ分周器と定義する。
【0010】
ロック用遅延回路は、チャージポンプ出力の制御電圧端子に与えられた電圧(以下、制御電圧という)で所定の時間だけ遅延したクロック(以下、遅延クロックという)を出力する。
【0011】
このロック用遅延回路においては、疑似ロック防止のために遅延回路の遅延時間に上限を持たせた構成となっている。この場合、電源電圧側にはPMOSトランジスタ、グランド側にはNMOSトランジスタがそれぞれ接続されており、インバータには、PMOSトランジスタ、ならびにNMOSトランジスタを介して電源電圧が供給される。遅延回路は、この基本構造のインバータを複数段直列接続して形成する。
【0012】
グランド側トランジスタは、制御電圧で制御する。電源電圧側トランジスタのゲート電圧は、制御電圧を入力とするカレントミラー回路で生成した制御電圧で制御する。制御信号によって、インバータの電流を変化させて遅延時間を制御する。
【0013】
しかし、このままでは、グランド側トランジスタの制御電圧が0Vになるとインバータの電流は0となり、遅延時間は無限大となる。これを防止するため、電源電圧側トランジスタ、およびグランド側トランジスタにそれぞれPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタを並列接続し、定電流源として働くようそれらのゲート電圧を設定する。その結果、グランド側トランジスタの制御電圧が0Vでもインバータには電流が流れるため、遅延時間の上限を持たせることができる。
【0014】
位相比較器は、基本クロックに対してロックした遅延時間より遅延クロックが遅い場合、UPパルスを、また、その逆の場合にはDOWNパルスをチャージポンプに与える。
【0015】
チャージポンプは、位相比較器の出力であるUP、およびDOWNパルスに応じて、充電電流、または放電電流をパルス状に発生させる。このチャージポンプの充放電電流は、ループフィルタによって時間積分され、制御電圧を作り出す。
【0016】
UP、およびDOWNパルスのいずれも出なくなる状態が、遅延クロックが基本クロックの1周期分遅延した状態であり、この状態でループは安定する。
【0017】
ここで、ロック用遅延回路は、1/2分周されたクロックで動作するために、該クロックを直接取り出すだけでは、基本クロックの周期を持つクロックをタイミング調整したことにはならない。
【0018】
また、位相比較の回数が基本クロックを直接入力した場合の1/2になるために、比較間隔が延びてジッタ増大の一因でもある。そこで、ロック用遅延回路を構成する基本単位で直列接続構成された出力用遅延回路を別途設け、該出力用遅延回路にDLLループで生成した制御電圧を印加し、基本クロックと同じロックを入力し、該出力用遅延回路の段数を選択して取り出すことにより、タイミング調整したクロックを得ている。
【0019】
また、高速MPUなどに用いられる内部クロックを生成するクロック逓倍回路には、外部クロック、およびDLL(Delay Locked Loop)から出力され、該外部クロックから均等な遅延時間のある3つのクロック信号の立ち上がり波形、または立ち下がり波形のいずれか一方を2つのR・SフリップフロップのS端子、R端子にそれぞれ入力し、これら2つのR・Sフリップフロップによって生成されたパルス波形をNAND(否定的論理積)回路によって合成して供給するものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0020】
【特許文献1】
特開平10−215153号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようなDLL回路によるサンプリングクロックの生成技術では、次のような問題点があることが本発明者により見い出された。
【0022】
まず、基本クロックを1/2分周してロック用遅延回路にクロックを入力させる場合、複数の出力用遅延回路が必要となってしまうので、レイアウト面積が大きくなり、半導体集積回路装置の小型化が困難となってしまうとともに、該半導体集積回路装置の消費電力が増加してしまうという問題がある。
【0023】
その対策として、本発明者は、図9に示すように、排他的論理和を用いてロック用遅延回路からクロックを取り出すDLL回路50について先に検討した。
【0024】
この場合、DLL回路50は、ロック用遅延回路(遅延回路)51、1/2分周器(パルス幅固定分周器)52、位相比較器53、チャージポンプ(電流生成部)54、インバータ55、およびループフィルタ(制御電流生成部)56からなる一般的なDLLの構成に、スイッチ(セレクタ部)571 〜57n 、ならびに排他的論理和回路(遅延クロック生成部)58が設けられた構成からなる。
【0025】
ロック用遅延回路51に設けられた基本単位511 〜51n の出力部には、スイッチ571 〜57n を介して排他的論理和回路58の入力部にそれぞれ接続されている。
【0026】
図10は、図9のDLL回路50が正常ロックとなった状態でのクロック波形を示したタイミングチャートである。
【0027】
図においては、上方から下方にかけて、基本クロック、1/2分周器52の出力クロック、ならびに1/2分周器52の出力の反転クロックにおける信号タイミングをそれぞれ示している。
【0028】
また、反転クロックの下方には、遅延回路の最終段を2Nとし、理想的な内部ノードクロック波形の例として、2N段目、およびN段目の出力クロックにおけるそれぞれの信号タイミングを示している。
【0029】
これらの遅延時間差は、基本クロックの1/2周期に相当する。そこで、これら2クロックの排他的論理和をとれば、基本クロックと同じ周波数のクロックが再現でき、段数を2N−1とN−1、2N−2とN−2、…というように段数差がNになるように選択すればデューティ比50%を保ちつつ、位相を細かく調整することができる。また、デューティ比を変えたい場合、段数差を変えてやれば調整できると考えられる。
【0030】
しかし、実際には、図10の最下方に示すように、図9のDLL回路50では、排他的論理和回路58の出力パルス幅が交互に変化してしまうという問題が発生する。
【0031】
その原因は、遅延回路の基本単位の遅延時間が、ライズエッジが入力した場合とフォールエッジが入力した場合とで異なることによる。そのため、DLL回路50では、段数設定が大きいほどライズエッジの遅延時間とフォールエッジの遅延時間とがずれ、高精度のタイミング調整が要求される用途には不充分となる。
【0032】
また、特許文献1のR・Sフリップフロップを用いる場合、2つのR・Sフリップフロップを用い、その反転出力のNANDを取る構成であるため、1つのクロックを得るために4つの遅延回路の段数を選択する必要があり、スイッチやレジスタなどレイアウト面積が増大する問題がある。また、この構成は、第一のR・Sフリップフロップで発生するパルスと第二のR・Sフリップフロップで発生するパルスとの論理和ORを取るという動作をする。そのため、NANDから出力されるクロックのパルスは、厳密には奇数番目と偶数番目で起源が異なり、高精度のタイミング調整を必要とするシステムには不向きである。
【0033】
本発明の目的は、レイアウト面積を縮小させるとともに消費電力を大幅に低減しながら、疑似ロックを防止し、かつ高精度に遅延時間が調整された遅延クロックを生成することのできる半導体集積回路装置を提供することにある。
【0034】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
(1)複数の基本単位が直列接続された構成からなり、制御電圧に基づいて、入力された基本クロックをある時間だけ遅延させた遅延クロックを出力する遅延回路と、基本クロックと遅延回路から出力された遅延クロックとを比較し、基本クロックに対する遅延クロックの遅延時間が基本クロック1周期より大きい場合UPパルス信号を、小さい場合DOWNパルス信号を出力する位相比較器と、該位相比較器より出力されるUP、およびDOWNパルス信号に対応して、充放電電流を生成する電流生成部と、該電流生成部が生成した充放電電流を電圧に変換し、制御電圧を生成する制御電圧生成部と、遅延回路における第1の任意の出力部から出力される第1遅延クロックを分周し、ライズエッジ用クロックを出力する第1の分周部と、遅延回路における第2の任意の出力部から出力される第2遅延クロックを分周し、フォールエッジ用クロックを出力する第2の分周部と、該第1、および第2の分周部から出力されるライズエッジ用クロックとフォールエッジ用クロックとに基づいて遅延クロックを生成する遅延クロック生成部と、該遅延クロック生成部から出力される遅延クロックに応じて信号処理を行う信号処理部とを備えたものである。
【0036】
また、本願におけるその他の発明の概要を簡単に示す。
(2)基本クロックを分周し、パルス幅を基本クロックの1周期に固定し周期のみを変えた分周器出力クロックを出力するパルス幅固定分周器と、複数の基本単位が直列接続された構成からなり、制御電圧に基づいて、分周器出力クロックをある時間だけ遅延させた遅延クロックを出力する遅延回路と、分周器出力クロックと遅延回路から出力された遅延クロックとを比較し、分周器出力クロックに対する遅延クロックの遅延時間が分周器出力クロック1周期より大きい場合UPパルス信号を、小さい場合DOWNパルス信号を出力する位相比較器と、該位相比較器より出力されるUP、およびDOWNパルス信号に対応して、充放電電流を生成する電流生成部と、該電流生成部が生成した充放電電流を電圧に変換し、制御電圧を生成する制御電圧生成部と、遅延回路における任意の出力部からそれぞれ出力される第1,および第2の遅延クロックとに基づいて遅延クロックを生成する遅延クロック生成部と、該遅延クロック生成部から出力される遅延クロックに応じて信号処理を行う信号処理部とを備えたものである。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0038】
図1は、本発明の一実施の形態によるDLL回路のブロック図、図2は、図1のDLL回路に設けられた遅延回路を構成する基本単位の回路図、図3は、図1のDLL回路におけるタイミングチャート、図4は、図1のDLL回路を用いて構成されたデジタルカメラシステムのブロック図、図5は、図4におけるデジタルカメラシステムのクロック、および信号タイミングチャート、図6は、図1のDLL回路に設けられたセレクタの回路図、図7は、図6のセレクタを制御するライズ用の段数設定レジスタに設定される設定データの一例を示した説明図である。
【0039】
本実施の形態において、半導体集積回路装置に設けられたDLL回路1は、図1に示すように、遅延回路2、位相比較器3、チャージポンプ(電流生成部)4、ループフィルタ(制御電圧生成部)5、セレクタ(セレクタ部)6,7、ライズフリップフロップ(第1の分周部)8、フォールフリップフロップ(第2の分周部)9、および排他的論理和回路(遅延クロック生成部)10から構成される。
【0040】
遅延回路2の入力部、ならびに位相比較器3の一方の入力部には、基本クロックがそれぞれ入力され、該遅延回路2の出力部には、位相比較器3の他方の入力部が接続されている。
【0041】
位相比較器3は、基本クロックと遅延回路2から出力された遅延クロックとの位相差からUPパルス、DOWNパルスを生成する。この位相比較器3から出力されるUPパルス、DOWNパルスは、チャージポンプ4に接続される。
【0042】
チャージポンプ4は、UPパルス、またはDOWNパルスに応じて、充電電流、あるいは放電電流をパルス状にそれぞれ発生させる。ループフィルタ5、チャージポンプ4が発生した充電電流、放電電流を時間積分して制御電圧CNTLを生成する。
【0043】
位相比較器3からUPパルス、DOWNパルスが出なくなると、遅延クロックが基本クロックの1周期分遅延した状態となり、ループは安定し、ロック状態となる。
【0044】
遅延回路2は、制御電圧CNTLに基づいて分周器出力クロックをある時間だけ遅延した遅延クロックを出力する。この遅延回路2は、複数の基本単位21 〜2n が直列接続された構成からなる。
【0045】
セレクタ6,7は、複数のスイッチから構成されている。そして、基本単位21 〜2n の出力部には、複数の該スイッチの一方の接続部がそれぞれ接続されている。
【0046】
セレクタ6におけるスイッチの他方の接続部には、ライズフリップフロップ8のクロック入力端子CKが共通接続されており、セレクタ7のスイッチの他方の接続部には、フォールフリップフロップ9のクロック入力端子CKが共通接続されている。
【0047】
ライズフリップフロップ8のデータ入力端子Dには、フォールフリップフロップ9の反転出力端子QBが接続されており、該ライズフリップフロップ8の非反転出力端子Qは、排他的論理和回路10の一方の入力部、およびフォールフリップフロップ9のデータ入力端子Dに接続されている。フォールフリップフロップ9の非反転出力端子Qは、排他的論理和回路10の他方の入力部に接続されている。これらライズフリップフロップ8、およびフォールフリップフロップ9は、いずれも同期式フリップフロップからなる。
【0048】
さらに、セレクタ6,7のスイッチは、たとえば、段数設定レジスタなどによって任意のスイッチがONするように設定され、排他的論理和回路10の出力クロックのライズエッジ、およびフォールエッジを決める2つのクロックを、ライズフリップフロップ8、ならびにフォールフリップフロップ9のクロック入力端子CKにそれぞれ入力する。
【0049】
また、排他的論理和回路10は、ライズフリップフロップ8の非反転出力端子Qから出力される非反転出力信号(ライズエッジ用クロック)、およびフォールフリップフロップの非反転出力端子Qから出力される非反転出力信号(フォールエッジ用クロック)の排他的論理和をとる。
【0050】
ここで、遅延回路2の回路構成について説明する。
【0051】
遅延回路2は、図2に示す基本単位からなる回路が直列に複数個接続された構成となっている。基本単位21 (〜2n )は、インバータIv1,Iv2、PチャネルMOSのトランジスタT1〜T4、ならびにNチャネルMOSのトランジスタT5〜T8から構成されている。
【0052】
インバータIv1,Iv2は直列接続されている。インバータIv1は、並列接続されたトランジスタT1,T2、および並列接続されたトランジスタT5,T6を介して電源電圧、および基準電位であるグランドにそれぞれ接続されている。
【0053】
インバータIv2は、並列接続されたトランジスタT3,T4、および並列接続されたトランジスタT7,T8を介して電源電圧、およびグランドにそれぞれ接続されている。
【0054】
トランジスタT5,T7のゲートには、ループフィルタ5から出力される制御電圧CNTLが入力されている。トランジスタT1,T3のゲートには、制御電圧CNTLBが入力される。
【0055】
制御電圧CNTLBは、カレントミラー回路で制御電圧CNTLから生成し、トランジスタT5,T7のドレインソース電流とトランジスタT1,T3のドレインソース電流とを常に等しくする。
【0056】
また、トランジスタT2,T4のゲートには、バイアス電圧BIASPが、トランジスタT6,T8のゲートには、バイアス電圧BIASNがそれぞれ入力される。
【0057】
バイアス電圧BIASP、およびバイアス電圧BIASNは、別途生成した定電流およびカレントミラー回路により生成し、トランジスタT2,T4のドレインソース電流とトランジスタT6,T8のドレインソース電流とを常に等しく、かつ一定とする。
【0058】
そして、遅延回路2は、トランジスタT1,T3,T5,T7の制御電圧CNTL,CNTLBによってインバータIv1,Iv2の電流を変化させて遅延時間を制御する。
【0059】
トランジスタT2,T4,T6,T8は、定電流源として働き、制御電圧CNTLが0Vの場合でもインバータIv1,Iv2に定電流成分があるため、遅延時間に上限をもたせることができる。
【0060】
次に、本実施の形態におけるDLL回路1の動作について、図1、図2、および図3のタイミングチャートを用いて説明する。
【0061】
ここで、図3においては、上方から下方にかけて、遅延回路2に入力される基本クロック、遅延回路2から出力される遅延クロック、遅延回路2のN段目の基本単位から取り出した遅延クロックrise、遅延回路2の2N段目の基本単位から取り出した遅延クロックfall、フォールフリップフロップ9の反転出力端子QB、ライズフリップフロップ8の非反転出力端子Qの出力信号(ライズエッジ用クロック)、フォールフリップフロップ9の非反転出力端子Qの出力信号(フォールエッジ用クロック)、および排他的論理和回路10から出力されるサンプリングクロック(遅延クロック)の信号タイミングをそれぞれ示している。
【0062】
始めに、図3の左側に示すフォールフリップフロップ9における反転出力端子QBの初期値がHi信号の場合について説明する。
【0063】
まず、基本クロックが入力されると、遅延回路2のN段目の基本単位から取り出された遅延クロックriseがライズフリップフロップ8のクロック入力端子CKに入力される。
【0064】
遅延クロックriseがライズフリップフロップ8に入力されると、該ライズフリップフロップ8の非反転出力端子QからはHi信号が出力され、同時にフォールフリップフロップ9の非反転出力端子QもHi信号となる。
【0065】
その後、遅延クロックfallがフォールフリップフロップ9のクロック入力端子CKに入力されると、該フォールフリップフロップ9の非反転出力端子QがHi信号となり、フォールフリップフロップ9の反転出力端子QBがLo信号となる。
【0066】
続いて、2発目の遅延クロックriseがライズフリップフロップ8に入力されると、該ライズフリップフロップ8の非反転出力端子QはLo信号となる。その後、2発目の遅延クロックfallがフォールフリップフロップ9に入力されると、該フォールフリップフロップ9の非反転出力端子QはLo信号、反転出力端子QBはHi信号となる。
【0067】
以上の動作を繰り返し行うことにより、ライズフリップフロップ8、ならびにフォールフリップフロップ9の非反転出力端子Qから出力される信号は、基本クロックが1/2分周され、デューティ比が50%のクロックがそれぞれ出力され、これらクロック信号の排他的論理和を排他的論理和回路10によってとる。
【0068】
次に、図3の右側に示すフォールフリップフロップ9における反転出力端子QBの初期値がLo信号の場合について説明する。
【0069】
まず、基本クロックが入力されると、遅延回路2のN段目の基本単位から取り出された遅延クロックriseがライズフリップフロップ8のクロック入力端子CKに入力される。
【0070】
遅延クロックriseがライズフリップフロップ8に入力されると、該ライズフリップフロップ8の非反転出力端子QはLo信号となる。その後、遅延クロックfallがフォールフリップフロップ9のクロック入力端子CKに入力されると、該フォールフリップフロップ9の反転出力端子QB、非反転出力端子QがそれぞれLo信号、Hi信号になる。
【0071】
続いて、2発目の遅延クロックriseがライズフリップフロップ8に入力されると、該ライズフリップフロップ8の非反転出力端子QはHi信号となる。そして、2発目の遅延クロックfallがフォールフリップフロップ9に入力されると、該フォールフリップフロップ9の非反転出力端子QはHi信号、反転出力端子QBはLo信号となる。
【0072】
以上の動作を繰り返し行うことにより、ライズフリップフロップ8、ならびにフォールフリップフロップ9の非反転出力端子Qから出力される信号は、基本クロックが1/2分周され、デューティ比が50%のクロックがそれぞれ出力され、これらクロック信号の排他的論理和を排他的論理和回路10によってとる。
【0073】
この場合、ライズフリップフロップ8、およびフォールフリップフロップ9の非反転出力端子Q、反転出力端子QBの出力信号は、フォールフリップフロップ9における反転出力端子QBの初期値がHi信号のときの反転信号となるが、最終出力である排他的論理和回路10の出力は同じ結果が得られることになるので、出力されるクロックのパルス幅やタイミングが、該フォールフリップフロップ9の反転出力端子QBの初期値によって異なるという問題は生じないことになる。
【0074】
また、図3においては、デューティ比50%のクロック信号を得る場合について記載したが、たとえば、遅延クロックfallを遅延回路2の2N段目の基本単位から取り出し、遅延クロックriseを遅延回路2のN+1段目などから取り出すことにより、デューティ比を任意に変えることができる。
【0075】
同様に、遅延回路2において、遅延クロックrise,fallの取り出す段数を、N−1と2N−2、N−2と2N−2などといったように段数差がNとなるように選択すればデューティ比を50%に保ちながら位相を任意に調整することが可能となる。
【0076】
それによって、基本クロックと同じ周波数で、デューティ比、および位相を任意に制御することができる。
【0077】
図4は、DLL回路1を用いて構成されたデジタルカメラシステムにおける画像前処理部のブロックである。
【0078】
この画像処理部は、各画素から取り込んだ信号レベルと基準となる黒レベルとをそれぞれ交互にサンプリングし、それらを比較することにより信号レベルを決定する。
【0079】
画像前処理部は、撮像素子11、CDS(信号処理部)12、PGA(差電圧増幅部)13、A/D変換器14、ロジック回路15、タイミング発生器16、DSP17、ならびにDLL回路1などから構成される。
【0080】
これらCDS12、PGA13、A/D変換器14、ロジック回路15、およびDLL回路1などは、1チップ化した半導体集積回路装置などによって構成するようにしてもよい。
【0081】
撮像素子11は、たとえばCCDなどからなり、レンズによって結像した映像を電圧信号に変換する。この撮像素子11は、基準となる黒レベルと取り込んだ信号レベルとを交互に出力する。
【0082】
撮像素子11には、CDS12が接続されている。CDS12は、相関二重サンプリング回路であり、撮像素子11から出力される黒レベルと信号レベルとをDLL回路1から出力される黒レベルサンプリングクロックSPBLK、信号サンプリングクロックSPSIGに同期してサンプリングし、その差信号を出力する。
【0083】
CDS12が検出した差信号は、PGA13で増幅し、A/D変換器14でデジタル値に変換して出力される。このA/D変換器14には、DSP17が接続されている。DSP17は、A/D変換器14から出力されたデジタルデータを処理する。
【0084】
ロジック回路15には、DLL回路1が接続されている。このロジック回路15には、段数設定レジスタが設けられており、外部から入力された設定データに基づいてセレクタ6,7に入力するセレクトデータを段数設定レジスタなどに設定する。
【0085】
タイミング発生器16には、DLL回路1が接続されている。このタイミング発生器16は、外部入力された外部クロックから、DLL回路1に供給する基本クロックを生成して出力する。
【0086】
DLL回路1は、入力された基本クロックから信号サンプリングクロックSPSIG、および黒レベルサンプリングクロックSPBLKを生成する。この場合、セレクタ6,7、ライズフリップフロップ8、フォールフリップフロップ9、ならびに排他的論理和回路10をそれぞれ2つ設けることにより、信号サンプリングクロックSPSIG、黒レベルサンプリングクロックSPBLKが生成される。
【0087】
さらに、DLL回路1は、信号サンプリングクロックSPSIG、黒レベルサンプリングクロックSPBLKとは異なる遅延時間の遅延クロックもそれぞれ生成しており、これら遅延クロックは、サンプリングクロックとしてPGA13、A/D変換器14、および撮像素子11などに供給されている。
【0088】
また、DLL回路1を用いたデジタルカメラシステムの画像前処理部の動作について、図5のタイミングチャートを用いて説明する。
【0089】
図5においては、上方から下方にかけて、撮像素子11から出力される出力信号、タイミング発生器16から出力される基本クロック、DLL回路1から出力される黒レベルサンプリングクロックSPBLK、およびDLL回路1から出力される信号サンプリングクロックSPSIGにおける信号およびクロックタイミングをそれぞれ示している。
【0090】
撮像素子11は、リセットゲートパルスを出力した後、黒レベルと信号レベルを順次出力する。CDS12には、サンプリングクロックとして信号サンプリングクロックSPSIG、黒レベルサンプリングクロックSPBLKがそれぞれ入力される。
【0091】
そして、CDS12は、入力された黒レベルを、DLL回路1によって生成された黒レベルサンプリングクロックSPBLKのフォーリングエッジに同期してサンプリングする。
【0092】
ここで、前述したように、撮像素子11からは、リセットゲートパルスが出力された後、続けて黒レベルの電気信号が出力されるため、十分に整定しない期間にサンプリングした場合、正しい黒レベルが得られないことになる。
【0093】
その後、CDS12は、入力された信号レベルの電気信号をDLL回路1から出力された信号サンプリングクロックSPSIGのフォーリングエッジに同期してサンプリングする。
【0094】
この場合においても、撮像素子11からは、黒レベルが出力された後、続けて信号レベルが出力されるので十分に整定しない期間にサンプリングした場合、正しい信号レベルが得られないことになる。
【0095】
CDS12によってサンプリングされた黒レベルと色レベルとの差信号は、PGA13によって増幅され、A/D変換器14に出力されてデジタルデータに変換された後、DSP17によって処理される。
【0096】
ここで、DLL回路1におけるセレクタ6,7の構成について、図6を用いて詳しく説明する。
【0097】
セレクタ6,7は、ツリー状に接続された複数のトランジスタT、およびインバータVによってマルチプレクサが構成されている。トランジスタTは、NチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)、またはPチャネルMOSのいずれであってもよい。
【0098】
たとえば、セレクタ6においては、ツリー状に接続された複数のトランジスタTのゲートにライズ用の段数設定レジスタの設定データr1〜rn、ならびにインバータVを介したその反転信号を入力することによって遅延クロックを任意に取り出し、ライズフリップフロップ8のクロック入力端子CKに入力する。
【0099】
同様に、セレクタ7では、ツリー状に接続された複数のトランジスタTのゲートにフォール用の段数設定レジスタの設定データf1〜fn、ならびにインバータVを介したその反転信号を入力することによって遅延クロックを任意に取り出し、ライズフリップフロップ9のクロック入力端子CKに入力する。
【0100】
図7は、ライズ用の段数設定レジスタに設定される設定データr1〜rnの一例を示した説明図である。この図7では、ライズ用の段数設定レジスタに設定される設定データr1〜rnの例について示したが、フォール用の段数設定レジスタの設定データf1〜fnについても同様である。
【0101】
この場合、段数設定レジスタは、4ビットの2進数表示であり、遅延回路2の基本単位が16個からなる。たとえば、段数設定レジスタから出力される設定データr4〜r1が、’Hi’、’Lo’、’Hi’、’Lo’の場合には、10段目の基本単位から出力される遅延クロックriseが取り出されることになる。
【0102】
それにより、本実施の形態によれば、デューティ比、および位相をそれぞれ任意に変化させたサンプリングクロックを高精度に生成することができる。
【0103】
また、複数のサンプリングクロックを生成する場合であっても、ロック用の遅延回路2のみでよいので、半導体チップのレイアウト面積を小さくすることができるとともに、消費電力を削減することができる。
【0104】
さらに、広範囲の動作周波数に高精度に対応することができるので、デジタルカメラシステムなどの性能を向上することができる。
【0105】
また、本実施の形態では、ライズフリップフロップ8、およびフォールフリップフロップ9のクロック入力端子CKに入力される遅延クロックのライズエッジをセンスする場合について記載したが、これらライズフリップフロップ8、およびフォールフリップフロップ9の極性を考慮することによってフォールエッジでのセンス動作も実現することができる。
【0106】
さらに、本実施の形態においては、セレクタ6,7(図6)のスイッチをトランジスタTにより構成した例について記載したが、たとえば、これらセレクタ6,7は、CMOSスイッチによって構成したり、あるいは、図8に示すように、段数を選択するスイッチはクロックトインバータCVを用いて構成するようにしてもよい。なお、クロックトインバータを用いる場合には、出力クロックの極性に注意することはいうまでもない。
【0107】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0108】
たとえば、前記実施の形態では、段数設定レジスタから出力される2進数の設定データによって直接セレクタのトランジスタがON/OFF制御される構成としたが、たとえば、該段数設定レジスタの設定データをデコーダなどによって10進数に変換してトランジスタをON/OFF制御するようにしてもよい。
【0109】
【発明の効果】
本願によって開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0110】
(1)疑似ロックを防止するとともに、入力される基本クロックのデューティ、および位相を任意にかつ高精度に調整することができる。
【0111】
(2)また、複数のサンプリングクロックを生成する際でも遅延回路が1つでよいので、半導体チップのレイアウト面積を小さくすることができるとともに、消費電力を削減することができる。
【0112】
(3)さらに、上記(1)、(2)により、高精度なサンプリングクロックを生成することができるので、デジタルカメラシステムなどの性能を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるDLL回路のブロック図である。
【図2】図1のDLL回路に設けられた遅延回路を構成する基本単位の回路図である。
【図3】図1のDLL回路における各部のタイミングチャートである。
【図4】図1のDLL回路を用いて構成されたデジタルカメラシステムのブロック図である。
【図5】図4におけるデジタルカメラシステムのクロック、および信号タイミングチャートである。
【図6】図1のDLL回路に設けられたセレクタの回路図である。
【図7】図6のセレクタを制御するライズ用の段数設定レジスタに設定される設定データの一例を示した説明図である。
【図8】本発明における他の実施の形態によるDLL回路に設けられたセレクタの回路図である。
【図9】本発明者が検討した排他的論理和を用いてロック用遅延回路からクロックを取り出すDLL回路のブロック図である。
【図10】図9のDLL回路における各部のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 DLL回路
2 遅延回路
21 〜2n 基本単位
3 位相比較器
4 チャージポンプ(電流生成部)
5 ループフィルタ(制御電圧生成部)
6,7 セレクタ(セレクタ部)
8 ライズフリップフロップ(第1の分周部)
9 フォールフリップフロップ(第2の分周部)
10 排他的論理和回路(遅延クロック生成部)
11 撮像素子
12 CDS(信号処理部)
13 PGA
14 A/D変換器
15 ロジック回路
16 タイミング発生器
17 DSP
Iv1,Iv2 インバータ
T1〜T8 トランジスタ
T トランジスタ
V インバータ
CK クロック入力端子
CV クロックトインバータ
D データ入力端子
QB 反転出力端子
Q 非反転出力端子
SPBLK 黒レベルサンプリングクロック
SPSIG 信号サンプリングクロック
設定データr1〜rn
設定データf1〜fn
50 DLL回路
51 ロック用遅延回路(遅延回路)
52 1/2分周器(パルス幅固定分周器)
53 位相比較器
54 チャージポンプ(電流生成部)
55 インバータ
56 ループフィルタ(制御電流生成部)
571 〜57n スイッチ(セレクタ部)
58 排他的論理和回路(遅延クロック生成部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、DLL回路におけるクロックの生成技術に関し、特に、DLL回路の疑似ロック防止、および高精度なクロックタイミングの調整に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルビデオカメラなどのA/D変換器を含む前処理用LSIでは、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子から取り込まれた信号を相関二重サンプリング回路(CDS)などによって色レベルのサンプリングを行うことが広く知られている。CDSは、外部から印加されるサンプリングクロックに同期して色レベルのサンプリングを行っている。
【0003】
また、サンプリングクロックの調整は、インバータなど複数段に直列接続した遅延回路が一般的に用いられている。このディレイ回路の場合、プロセスばらつき、電源電圧、および温度などに対して遅延時間が依存性を有することや、サンプリングクロックの周波数を変えるたびに遅延回路を調整する必要があり、サンプリングクロックの信頼性や利便性などに問題があった。
【0004】
そこで、本発明者は、デジタルビデオカメラなどにおけるサンプリングクロックの生成技術について検討した。
【0005】
この場合、デジタルビデオカメラなどにおけるサンプリングクロックの調整用として、DLL(Delay Locked Loop)回路を用いるものである。
【0006】
DLL回路は、ロック用遅延回路、出力用遅延回路、1/2分周器、位相比較器、チャージポンプ、およびループフィルタなどから構成され、クロックの遅延時間をプロセスばらつき、電源電圧および温度などによらず、外部クロックの1周期分遅らせるように働くフィードバックループである。
【0007】
このようなDLL回路において、外部入力される基本クロックは、1/2分周器に入力される。この1/2分周器では、基本クロックに対して周期が2倍となるクロックをロック用遅延回路に出力するとともに、インバータを介して位相比較器に出力する。
【0008】
1/2分周器、およびインバータは、正常ロック範囲を拡大する役割を持つ。すなわち、直接位相比較器に基本クロックを入力させた場合、正常ロック範囲は0.5T〜1.5T(Tは基本クロック周期)であるのに対し、位相比較器に入力するクロックの周期を基本クロックの2倍にし、一方の入力をインバータで反転した場合、正常ロック範囲が0〜2T(Tは基本クロック周期)に拡大することになり、1周期遅れ以外でのロックである擬似ロックを防止している。
【0009】
さらに、1/2分周器をパルス幅固定分周器に置換することで、正常ロック範囲を拡大し、擬似ロックを防止できる。ここで、パルス幅固定分周器とは、パルス幅を基本クロック1周期に固定し、周期のみ分周比に応じて拡大したクロック波形を生成する機能を持つ分周器と定義する。
【0010】
ロック用遅延回路は、チャージポンプ出力の制御電圧端子に与えられた電圧(以下、制御電圧という)で所定の時間だけ遅延したクロック(以下、遅延クロックという)を出力する。
【0011】
このロック用遅延回路においては、疑似ロック防止のために遅延回路の遅延時間に上限を持たせた構成となっている。この場合、電源電圧側にはPMOSトランジスタ、グランド側にはNMOSトランジスタがそれぞれ接続されており、インバータには、PMOSトランジスタ、ならびにNMOSトランジスタを介して電源電圧が供給される。遅延回路は、この基本構造のインバータを複数段直列接続して形成する。
【0012】
グランド側トランジスタは、制御電圧で制御する。電源電圧側トランジスタのゲート電圧は、制御電圧を入力とするカレントミラー回路で生成した制御電圧で制御する。制御信号によって、インバータの電流を変化させて遅延時間を制御する。
【0013】
しかし、このままでは、グランド側トランジスタの制御電圧が0Vになるとインバータの電流は0となり、遅延時間は無限大となる。これを防止するため、電源電圧側トランジスタ、およびグランド側トランジスタにそれぞれPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタを並列接続し、定電流源として働くようそれらのゲート電圧を設定する。その結果、グランド側トランジスタの制御電圧が0Vでもインバータには電流が流れるため、遅延時間の上限を持たせることができる。
【0014】
位相比較器は、基本クロックに対してロックした遅延時間より遅延クロックが遅い場合、UPパルスを、また、その逆の場合にはDOWNパルスをチャージポンプに与える。
【0015】
チャージポンプは、位相比較器の出力であるUP、およびDOWNパルスに応じて、充電電流、または放電電流をパルス状に発生させる。このチャージポンプの充放電電流は、ループフィルタによって時間積分され、制御電圧を作り出す。
【0016】
UP、およびDOWNパルスのいずれも出なくなる状態が、遅延クロックが基本クロックの1周期分遅延した状態であり、この状態でループは安定する。
【0017】
ここで、ロック用遅延回路は、1/2分周されたクロックで動作するために、該クロックを直接取り出すだけでは、基本クロックの周期を持つクロックをタイミング調整したことにはならない。
【0018】
また、位相比較の回数が基本クロックを直接入力した場合の1/2になるために、比較間隔が延びてジッタ増大の一因でもある。そこで、ロック用遅延回路を構成する基本単位で直列接続構成された出力用遅延回路を別途設け、該出力用遅延回路にDLLループで生成した制御電圧を印加し、基本クロックと同じロックを入力し、該出力用遅延回路の段数を選択して取り出すことにより、タイミング調整したクロックを得ている。
【0019】
また、高速MPUなどに用いられる内部クロックを生成するクロック逓倍回路には、外部クロック、およびDLL(Delay Locked Loop)から出力され、該外部クロックから均等な遅延時間のある3つのクロック信号の立ち上がり波形、または立ち下がり波形のいずれか一方を2つのR・SフリップフロップのS端子、R端子にそれぞれ入力し、これら2つのR・Sフリップフロップによって生成されたパルス波形をNAND(否定的論理積)回路によって合成して供給するものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0020】
【特許文献1】
特開平10−215153号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようなDLL回路によるサンプリングクロックの生成技術では、次のような問題点があることが本発明者により見い出された。
【0022】
まず、基本クロックを1/2分周してロック用遅延回路にクロックを入力させる場合、複数の出力用遅延回路が必要となってしまうので、レイアウト面積が大きくなり、半導体集積回路装置の小型化が困難となってしまうとともに、該半導体集積回路装置の消費電力が増加してしまうという問題がある。
【0023】
その対策として、本発明者は、図9に示すように、排他的論理和を用いてロック用遅延回路からクロックを取り出すDLL回路50について先に検討した。
【0024】
この場合、DLL回路50は、ロック用遅延回路(遅延回路)51、1/2分周器(パルス幅固定分周器)52、位相比較器53、チャージポンプ(電流生成部)54、インバータ55、およびループフィルタ(制御電流生成部)56からなる一般的なDLLの構成に、スイッチ(セレクタ部)571 〜57n 、ならびに排他的論理和回路(遅延クロック生成部)58が設けられた構成からなる。
【0025】
ロック用遅延回路51に設けられた基本単位511 〜51n の出力部には、スイッチ571 〜57n を介して排他的論理和回路58の入力部にそれぞれ接続されている。
【0026】
図10は、図9のDLL回路50が正常ロックとなった状態でのクロック波形を示したタイミングチャートである。
【0027】
図においては、上方から下方にかけて、基本クロック、1/2分周器52の出力クロック、ならびに1/2分周器52の出力の反転クロックにおける信号タイミングをそれぞれ示している。
【0028】
また、反転クロックの下方には、遅延回路の最終段を2Nとし、理想的な内部ノードクロック波形の例として、2N段目、およびN段目の出力クロックにおけるそれぞれの信号タイミングを示している。
【0029】
これらの遅延時間差は、基本クロックの1/2周期に相当する。そこで、これら2クロックの排他的論理和をとれば、基本クロックと同じ周波数のクロックが再現でき、段数を2N−1とN−1、2N−2とN−2、…というように段数差がNになるように選択すればデューティ比50%を保ちつつ、位相を細かく調整することができる。また、デューティ比を変えたい場合、段数差を変えてやれば調整できると考えられる。
【0030】
しかし、実際には、図10の最下方に示すように、図9のDLL回路50では、排他的論理和回路58の出力パルス幅が交互に変化してしまうという問題が発生する。
【0031】
その原因は、遅延回路の基本単位の遅延時間が、ライズエッジが入力した場合とフォールエッジが入力した場合とで異なることによる。そのため、DLL回路50では、段数設定が大きいほどライズエッジの遅延時間とフォールエッジの遅延時間とがずれ、高精度のタイミング調整が要求される用途には不充分となる。
【0032】
また、特許文献1のR・Sフリップフロップを用いる場合、2つのR・Sフリップフロップを用い、その反転出力のNANDを取る構成であるため、1つのクロックを得るために4つの遅延回路の段数を選択する必要があり、スイッチやレジスタなどレイアウト面積が増大する問題がある。また、この構成は、第一のR・Sフリップフロップで発生するパルスと第二のR・Sフリップフロップで発生するパルスとの論理和ORを取るという動作をする。そのため、NANDから出力されるクロックのパルスは、厳密には奇数番目と偶数番目で起源が異なり、高精度のタイミング調整を必要とするシステムには不向きである。
【0033】
本発明の目的は、レイアウト面積を縮小させるとともに消費電力を大幅に低減しながら、疑似ロックを防止し、かつ高精度に遅延時間が調整された遅延クロックを生成することのできる半導体集積回路装置を提供することにある。
【0034】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
(1)複数の基本単位が直列接続された構成からなり、制御電圧に基づいて、入力された基本クロックをある時間だけ遅延させた遅延クロックを出力する遅延回路と、基本クロックと遅延回路から出力された遅延クロックとを比較し、基本クロックに対する遅延クロックの遅延時間が基本クロック1周期より大きい場合UPパルス信号を、小さい場合DOWNパルス信号を出力する位相比較器と、該位相比較器より出力されるUP、およびDOWNパルス信号に対応して、充放電電流を生成する電流生成部と、該電流生成部が生成した充放電電流を電圧に変換し、制御電圧を生成する制御電圧生成部と、遅延回路における第1の任意の出力部から出力される第1遅延クロックを分周し、ライズエッジ用クロックを出力する第1の分周部と、遅延回路における第2の任意の出力部から出力される第2遅延クロックを分周し、フォールエッジ用クロックを出力する第2の分周部と、該第1、および第2の分周部から出力されるライズエッジ用クロックとフォールエッジ用クロックとに基づいて遅延クロックを生成する遅延クロック生成部と、該遅延クロック生成部から出力される遅延クロックに応じて信号処理を行う信号処理部とを備えたものである。
【0036】
また、本願におけるその他の発明の概要を簡単に示す。
(2)基本クロックを分周し、パルス幅を基本クロックの1周期に固定し周期のみを変えた分周器出力クロックを出力するパルス幅固定分周器と、複数の基本単位が直列接続された構成からなり、制御電圧に基づいて、分周器出力クロックをある時間だけ遅延させた遅延クロックを出力する遅延回路と、分周器出力クロックと遅延回路から出力された遅延クロックとを比較し、分周器出力クロックに対する遅延クロックの遅延時間が分周器出力クロック1周期より大きい場合UPパルス信号を、小さい場合DOWNパルス信号を出力する位相比較器と、該位相比較器より出力されるUP、およびDOWNパルス信号に対応して、充放電電流を生成する電流生成部と、該電流生成部が生成した充放電電流を電圧に変換し、制御電圧を生成する制御電圧生成部と、遅延回路における任意の出力部からそれぞれ出力される第1,および第2の遅延クロックとに基づいて遅延クロックを生成する遅延クロック生成部と、該遅延クロック生成部から出力される遅延クロックに応じて信号処理を行う信号処理部とを備えたものである。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0038】
図1は、本発明の一実施の形態によるDLL回路のブロック図、図2は、図1のDLL回路に設けられた遅延回路を構成する基本単位の回路図、図3は、図1のDLL回路におけるタイミングチャート、図4は、図1のDLL回路を用いて構成されたデジタルカメラシステムのブロック図、図5は、図4におけるデジタルカメラシステムのクロック、および信号タイミングチャート、図6は、図1のDLL回路に設けられたセレクタの回路図、図7は、図6のセレクタを制御するライズ用の段数設定レジスタに設定される設定データの一例を示した説明図である。
【0039】
本実施の形態において、半導体集積回路装置に設けられたDLL回路1は、図1に示すように、遅延回路2、位相比較器3、チャージポンプ(電流生成部)4、ループフィルタ(制御電圧生成部)5、セレクタ(セレクタ部)6,7、ライズフリップフロップ(第1の分周部)8、フォールフリップフロップ(第2の分周部)9、および排他的論理和回路(遅延クロック生成部)10から構成される。
【0040】
遅延回路2の入力部、ならびに位相比較器3の一方の入力部には、基本クロックがそれぞれ入力され、該遅延回路2の出力部には、位相比較器3の他方の入力部が接続されている。
【0041】
位相比較器3は、基本クロックと遅延回路2から出力された遅延クロックとの位相差からUPパルス、DOWNパルスを生成する。この位相比較器3から出力されるUPパルス、DOWNパルスは、チャージポンプ4に接続される。
【0042】
チャージポンプ4は、UPパルス、またはDOWNパルスに応じて、充電電流、あるいは放電電流をパルス状にそれぞれ発生させる。ループフィルタ5、チャージポンプ4が発生した充電電流、放電電流を時間積分して制御電圧CNTLを生成する。
【0043】
位相比較器3からUPパルス、DOWNパルスが出なくなると、遅延クロックが基本クロックの1周期分遅延した状態となり、ループは安定し、ロック状態となる。
【0044】
遅延回路2は、制御電圧CNTLに基づいて分周器出力クロックをある時間だけ遅延した遅延クロックを出力する。この遅延回路2は、複数の基本単位21 〜2n が直列接続された構成からなる。
【0045】
セレクタ6,7は、複数のスイッチから構成されている。そして、基本単位21 〜2n の出力部には、複数の該スイッチの一方の接続部がそれぞれ接続されている。
【0046】
セレクタ6におけるスイッチの他方の接続部には、ライズフリップフロップ8のクロック入力端子CKが共通接続されており、セレクタ7のスイッチの他方の接続部には、フォールフリップフロップ9のクロック入力端子CKが共通接続されている。
【0047】
ライズフリップフロップ8のデータ入力端子Dには、フォールフリップフロップ9の反転出力端子QBが接続されており、該ライズフリップフロップ8の非反転出力端子Qは、排他的論理和回路10の一方の入力部、およびフォールフリップフロップ9のデータ入力端子Dに接続されている。フォールフリップフロップ9の非反転出力端子Qは、排他的論理和回路10の他方の入力部に接続されている。これらライズフリップフロップ8、およびフォールフリップフロップ9は、いずれも同期式フリップフロップからなる。
【0048】
さらに、セレクタ6,7のスイッチは、たとえば、段数設定レジスタなどによって任意のスイッチがONするように設定され、排他的論理和回路10の出力クロックのライズエッジ、およびフォールエッジを決める2つのクロックを、ライズフリップフロップ8、ならびにフォールフリップフロップ9のクロック入力端子CKにそれぞれ入力する。
【0049】
また、排他的論理和回路10は、ライズフリップフロップ8の非反転出力端子Qから出力される非反転出力信号(ライズエッジ用クロック)、およびフォールフリップフロップの非反転出力端子Qから出力される非反転出力信号(フォールエッジ用クロック)の排他的論理和をとる。
【0050】
ここで、遅延回路2の回路構成について説明する。
【0051】
遅延回路2は、図2に示す基本単位からなる回路が直列に複数個接続された構成となっている。基本単位21 (〜2n )は、インバータIv1,Iv2、PチャネルMOSのトランジスタT1〜T4、ならびにNチャネルMOSのトランジスタT5〜T8から構成されている。
【0052】
インバータIv1,Iv2は直列接続されている。インバータIv1は、並列接続されたトランジスタT1,T2、および並列接続されたトランジスタT5,T6を介して電源電圧、および基準電位であるグランドにそれぞれ接続されている。
【0053】
インバータIv2は、並列接続されたトランジスタT3,T4、および並列接続されたトランジスタT7,T8を介して電源電圧、およびグランドにそれぞれ接続されている。
【0054】
トランジスタT5,T7のゲートには、ループフィルタ5から出力される制御電圧CNTLが入力されている。トランジスタT1,T3のゲートには、制御電圧CNTLBが入力される。
【0055】
制御電圧CNTLBは、カレントミラー回路で制御電圧CNTLから生成し、トランジスタT5,T7のドレインソース電流とトランジスタT1,T3のドレインソース電流とを常に等しくする。
【0056】
また、トランジスタT2,T4のゲートには、バイアス電圧BIASPが、トランジスタT6,T8のゲートには、バイアス電圧BIASNがそれぞれ入力される。
【0057】
バイアス電圧BIASP、およびバイアス電圧BIASNは、別途生成した定電流およびカレントミラー回路により生成し、トランジスタT2,T4のドレインソース電流とトランジスタT6,T8のドレインソース電流とを常に等しく、かつ一定とする。
【0058】
そして、遅延回路2は、トランジスタT1,T3,T5,T7の制御電圧CNTL,CNTLBによってインバータIv1,Iv2の電流を変化させて遅延時間を制御する。
【0059】
トランジスタT2,T4,T6,T8は、定電流源として働き、制御電圧CNTLが0Vの場合でもインバータIv1,Iv2に定電流成分があるため、遅延時間に上限をもたせることができる。
【0060】
次に、本実施の形態におけるDLL回路1の動作について、図1、図2、および図3のタイミングチャートを用いて説明する。
【0061】
ここで、図3においては、上方から下方にかけて、遅延回路2に入力される基本クロック、遅延回路2から出力される遅延クロック、遅延回路2のN段目の基本単位から取り出した遅延クロックrise、遅延回路2の2N段目の基本単位から取り出した遅延クロックfall、フォールフリップフロップ9の反転出力端子QB、ライズフリップフロップ8の非反転出力端子Qの出力信号(ライズエッジ用クロック)、フォールフリップフロップ9の非反転出力端子Qの出力信号(フォールエッジ用クロック)、および排他的論理和回路10から出力されるサンプリングクロック(遅延クロック)の信号タイミングをそれぞれ示している。
【0062】
始めに、図3の左側に示すフォールフリップフロップ9における反転出力端子QBの初期値がHi信号の場合について説明する。
【0063】
まず、基本クロックが入力されると、遅延回路2のN段目の基本単位から取り出された遅延クロックriseがライズフリップフロップ8のクロック入力端子CKに入力される。
【0064】
遅延クロックriseがライズフリップフロップ8に入力されると、該ライズフリップフロップ8の非反転出力端子QからはHi信号が出力され、同時にフォールフリップフロップ9の非反転出力端子QもHi信号となる。
【0065】
その後、遅延クロックfallがフォールフリップフロップ9のクロック入力端子CKに入力されると、該フォールフリップフロップ9の非反転出力端子QがHi信号となり、フォールフリップフロップ9の反転出力端子QBがLo信号となる。
【0066】
続いて、2発目の遅延クロックriseがライズフリップフロップ8に入力されると、該ライズフリップフロップ8の非反転出力端子QはLo信号となる。その後、2発目の遅延クロックfallがフォールフリップフロップ9に入力されると、該フォールフリップフロップ9の非反転出力端子QはLo信号、反転出力端子QBはHi信号となる。
【0067】
以上の動作を繰り返し行うことにより、ライズフリップフロップ8、ならびにフォールフリップフロップ9の非反転出力端子Qから出力される信号は、基本クロックが1/2分周され、デューティ比が50%のクロックがそれぞれ出力され、これらクロック信号の排他的論理和を排他的論理和回路10によってとる。
【0068】
次に、図3の右側に示すフォールフリップフロップ9における反転出力端子QBの初期値がLo信号の場合について説明する。
【0069】
まず、基本クロックが入力されると、遅延回路2のN段目の基本単位から取り出された遅延クロックriseがライズフリップフロップ8のクロック入力端子CKに入力される。
【0070】
遅延クロックriseがライズフリップフロップ8に入力されると、該ライズフリップフロップ8の非反転出力端子QはLo信号となる。その後、遅延クロックfallがフォールフリップフロップ9のクロック入力端子CKに入力されると、該フォールフリップフロップ9の反転出力端子QB、非反転出力端子QがそれぞれLo信号、Hi信号になる。
【0071】
続いて、2発目の遅延クロックriseがライズフリップフロップ8に入力されると、該ライズフリップフロップ8の非反転出力端子QはHi信号となる。そして、2発目の遅延クロックfallがフォールフリップフロップ9に入力されると、該フォールフリップフロップ9の非反転出力端子QはHi信号、反転出力端子QBはLo信号となる。
【0072】
以上の動作を繰り返し行うことにより、ライズフリップフロップ8、ならびにフォールフリップフロップ9の非反転出力端子Qから出力される信号は、基本クロックが1/2分周され、デューティ比が50%のクロックがそれぞれ出力され、これらクロック信号の排他的論理和を排他的論理和回路10によってとる。
【0073】
この場合、ライズフリップフロップ8、およびフォールフリップフロップ9の非反転出力端子Q、反転出力端子QBの出力信号は、フォールフリップフロップ9における反転出力端子QBの初期値がHi信号のときの反転信号となるが、最終出力である排他的論理和回路10の出力は同じ結果が得られることになるので、出力されるクロックのパルス幅やタイミングが、該フォールフリップフロップ9の反転出力端子QBの初期値によって異なるという問題は生じないことになる。
【0074】
また、図3においては、デューティ比50%のクロック信号を得る場合について記載したが、たとえば、遅延クロックfallを遅延回路2の2N段目の基本単位から取り出し、遅延クロックriseを遅延回路2のN+1段目などから取り出すことにより、デューティ比を任意に変えることができる。
【0075】
同様に、遅延回路2において、遅延クロックrise,fallの取り出す段数を、N−1と2N−2、N−2と2N−2などといったように段数差がNとなるように選択すればデューティ比を50%に保ちながら位相を任意に調整することが可能となる。
【0076】
それによって、基本クロックと同じ周波数で、デューティ比、および位相を任意に制御することができる。
【0077】
図4は、DLL回路1を用いて構成されたデジタルカメラシステムにおける画像前処理部のブロックである。
【0078】
この画像処理部は、各画素から取り込んだ信号レベルと基準となる黒レベルとをそれぞれ交互にサンプリングし、それらを比較することにより信号レベルを決定する。
【0079】
画像前処理部は、撮像素子11、CDS(信号処理部)12、PGA(差電圧増幅部)13、A/D変換器14、ロジック回路15、タイミング発生器16、DSP17、ならびにDLL回路1などから構成される。
【0080】
これらCDS12、PGA13、A/D変換器14、ロジック回路15、およびDLL回路1などは、1チップ化した半導体集積回路装置などによって構成するようにしてもよい。
【0081】
撮像素子11は、たとえばCCDなどからなり、レンズによって結像した映像を電圧信号に変換する。この撮像素子11は、基準となる黒レベルと取り込んだ信号レベルとを交互に出力する。
【0082】
撮像素子11には、CDS12が接続されている。CDS12は、相関二重サンプリング回路であり、撮像素子11から出力される黒レベルと信号レベルとをDLL回路1から出力される黒レベルサンプリングクロックSPBLK、信号サンプリングクロックSPSIGに同期してサンプリングし、その差信号を出力する。
【0083】
CDS12が検出した差信号は、PGA13で増幅し、A/D変換器14でデジタル値に変換して出力される。このA/D変換器14には、DSP17が接続されている。DSP17は、A/D変換器14から出力されたデジタルデータを処理する。
【0084】
ロジック回路15には、DLL回路1が接続されている。このロジック回路15には、段数設定レジスタが設けられており、外部から入力された設定データに基づいてセレクタ6,7に入力するセレクトデータを段数設定レジスタなどに設定する。
【0085】
タイミング発生器16には、DLL回路1が接続されている。このタイミング発生器16は、外部入力された外部クロックから、DLL回路1に供給する基本クロックを生成して出力する。
【0086】
DLL回路1は、入力された基本クロックから信号サンプリングクロックSPSIG、および黒レベルサンプリングクロックSPBLKを生成する。この場合、セレクタ6,7、ライズフリップフロップ8、フォールフリップフロップ9、ならびに排他的論理和回路10をそれぞれ2つ設けることにより、信号サンプリングクロックSPSIG、黒レベルサンプリングクロックSPBLKが生成される。
【0087】
さらに、DLL回路1は、信号サンプリングクロックSPSIG、黒レベルサンプリングクロックSPBLKとは異なる遅延時間の遅延クロックもそれぞれ生成しており、これら遅延クロックは、サンプリングクロックとしてPGA13、A/D変換器14、および撮像素子11などに供給されている。
【0088】
また、DLL回路1を用いたデジタルカメラシステムの画像前処理部の動作について、図5のタイミングチャートを用いて説明する。
【0089】
図5においては、上方から下方にかけて、撮像素子11から出力される出力信号、タイミング発生器16から出力される基本クロック、DLL回路1から出力される黒レベルサンプリングクロックSPBLK、およびDLL回路1から出力される信号サンプリングクロックSPSIGにおける信号およびクロックタイミングをそれぞれ示している。
【0090】
撮像素子11は、リセットゲートパルスを出力した後、黒レベルと信号レベルを順次出力する。CDS12には、サンプリングクロックとして信号サンプリングクロックSPSIG、黒レベルサンプリングクロックSPBLKがそれぞれ入力される。
【0091】
そして、CDS12は、入力された黒レベルを、DLL回路1によって生成された黒レベルサンプリングクロックSPBLKのフォーリングエッジに同期してサンプリングする。
【0092】
ここで、前述したように、撮像素子11からは、リセットゲートパルスが出力された後、続けて黒レベルの電気信号が出力されるため、十分に整定しない期間にサンプリングした場合、正しい黒レベルが得られないことになる。
【0093】
その後、CDS12は、入力された信号レベルの電気信号をDLL回路1から出力された信号サンプリングクロックSPSIGのフォーリングエッジに同期してサンプリングする。
【0094】
この場合においても、撮像素子11からは、黒レベルが出力された後、続けて信号レベルが出力されるので十分に整定しない期間にサンプリングした場合、正しい信号レベルが得られないことになる。
【0095】
CDS12によってサンプリングされた黒レベルと色レベルとの差信号は、PGA13によって増幅され、A/D変換器14に出力されてデジタルデータに変換された後、DSP17によって処理される。
【0096】
ここで、DLL回路1におけるセレクタ6,7の構成について、図6を用いて詳しく説明する。
【0097】
セレクタ6,7は、ツリー状に接続された複数のトランジスタT、およびインバータVによってマルチプレクサが構成されている。トランジスタTは、NチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)、またはPチャネルMOSのいずれであってもよい。
【0098】
たとえば、セレクタ6においては、ツリー状に接続された複数のトランジスタTのゲートにライズ用の段数設定レジスタの設定データr1〜rn、ならびにインバータVを介したその反転信号を入力することによって遅延クロックを任意に取り出し、ライズフリップフロップ8のクロック入力端子CKに入力する。
【0099】
同様に、セレクタ7では、ツリー状に接続された複数のトランジスタTのゲートにフォール用の段数設定レジスタの設定データf1〜fn、ならびにインバータVを介したその反転信号を入力することによって遅延クロックを任意に取り出し、ライズフリップフロップ9のクロック入力端子CKに入力する。
【0100】
図7は、ライズ用の段数設定レジスタに設定される設定データr1〜rnの一例を示した説明図である。この図7では、ライズ用の段数設定レジスタに設定される設定データr1〜rnの例について示したが、フォール用の段数設定レジスタの設定データf1〜fnについても同様である。
【0101】
この場合、段数設定レジスタは、4ビットの2進数表示であり、遅延回路2の基本単位が16個からなる。たとえば、段数設定レジスタから出力される設定データr4〜r1が、’Hi’、’Lo’、’Hi’、’Lo’の場合には、10段目の基本単位から出力される遅延クロックriseが取り出されることになる。
【0102】
それにより、本実施の形態によれば、デューティ比、および位相をそれぞれ任意に変化させたサンプリングクロックを高精度に生成することができる。
【0103】
また、複数のサンプリングクロックを生成する場合であっても、ロック用の遅延回路2のみでよいので、半導体チップのレイアウト面積を小さくすることができるとともに、消費電力を削減することができる。
【0104】
さらに、広範囲の動作周波数に高精度に対応することができるので、デジタルカメラシステムなどの性能を向上することができる。
【0105】
また、本実施の形態では、ライズフリップフロップ8、およびフォールフリップフロップ9のクロック入力端子CKに入力される遅延クロックのライズエッジをセンスする場合について記載したが、これらライズフリップフロップ8、およびフォールフリップフロップ9の極性を考慮することによってフォールエッジでのセンス動作も実現することができる。
【0106】
さらに、本実施の形態においては、セレクタ6,7(図6)のスイッチをトランジスタTにより構成した例について記載したが、たとえば、これらセレクタ6,7は、CMOSスイッチによって構成したり、あるいは、図8に示すように、段数を選択するスイッチはクロックトインバータCVを用いて構成するようにしてもよい。なお、クロックトインバータを用いる場合には、出力クロックの極性に注意することはいうまでもない。
【0107】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0108】
たとえば、前記実施の形態では、段数設定レジスタから出力される2進数の設定データによって直接セレクタのトランジスタがON/OFF制御される構成としたが、たとえば、該段数設定レジスタの設定データをデコーダなどによって10進数に変換してトランジスタをON/OFF制御するようにしてもよい。
【0109】
【発明の効果】
本願によって開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0110】
(1)疑似ロックを防止するとともに、入力される基本クロックのデューティ、および位相を任意にかつ高精度に調整することができる。
【0111】
(2)また、複数のサンプリングクロックを生成する際でも遅延回路が1つでよいので、半導体チップのレイアウト面積を小さくすることができるとともに、消費電力を削減することができる。
【0112】
(3)さらに、上記(1)、(2)により、高精度なサンプリングクロックを生成することができるので、デジタルカメラシステムなどの性能を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるDLL回路のブロック図である。
【図2】図1のDLL回路に設けられた遅延回路を構成する基本単位の回路図である。
【図3】図1のDLL回路における各部のタイミングチャートである。
【図4】図1のDLL回路を用いて構成されたデジタルカメラシステムのブロック図である。
【図5】図4におけるデジタルカメラシステムのクロック、および信号タイミングチャートである。
【図6】図1のDLL回路に設けられたセレクタの回路図である。
【図7】図6のセレクタを制御するライズ用の段数設定レジスタに設定される設定データの一例を示した説明図である。
【図8】本発明における他の実施の形態によるDLL回路に設けられたセレクタの回路図である。
【図9】本発明者が検討した排他的論理和を用いてロック用遅延回路からクロックを取り出すDLL回路のブロック図である。
【図10】図9のDLL回路における各部のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 DLL回路
2 遅延回路
21 〜2n 基本単位
3 位相比較器
4 チャージポンプ(電流生成部)
5 ループフィルタ(制御電圧生成部)
6,7 セレクタ(セレクタ部)
8 ライズフリップフロップ(第1の分周部)
9 フォールフリップフロップ(第2の分周部)
10 排他的論理和回路(遅延クロック生成部)
11 撮像素子
12 CDS(信号処理部)
13 PGA
14 A/D変換器
15 ロジック回路
16 タイミング発生器
17 DSP
Iv1,Iv2 インバータ
T1〜T8 トランジスタ
T トランジスタ
V インバータ
CK クロック入力端子
CV クロックトインバータ
D データ入力端子
QB 反転出力端子
Q 非反転出力端子
SPBLK 黒レベルサンプリングクロック
SPSIG 信号サンプリングクロック
設定データr1〜rn
設定データf1〜fn
50 DLL回路
51 ロック用遅延回路(遅延回路)
52 1/2分周器(パルス幅固定分周器)
53 位相比較器
54 チャージポンプ(電流生成部)
55 インバータ
56 ループフィルタ(制御電流生成部)
571 〜57n スイッチ(セレクタ部)
58 排他的論理和回路(遅延クロック生成部)
Claims (9)
- 直列接続された複数の基本単位を有し、制御電圧に基づいて、入力された基本クロックをある時間だけ遅延させた遅延クロックを出力する遅延回路と、
前記基本クロックと前記遅延回路から出力された遅延クロックとを比較し、前記基本クロックに対する前記遅延クロックの遅延時間が前記基本クロック1周期より大きい場合UPパルス信号を、小さい場合DOWNパルス信号を出力する位相比較器と、
前記位相比較器より出力されるUP、DOWNパルス信号に応じて、前記制御電圧を生成する制御部と、
前記遅延回路における第1の任意の出力部から出力される第1遅延クロックを分周し、ライズエッジ用クロックを出力する第1の分周部と、
前記遅延回路における第2の任意の出力部から出力される第2遅延クロックを分周し、フォールエッジ用クロックを出力する第2の分周部と、
前記第1、および第2の分周部から出力されるライズエッジ用クロックとフォールエッジ用クロックとに基づいて遅延クロックを生成する遅延クロック生成部と、
前記遅延クロック生成部から出力される遅延クロックに応じて信号処理を行う信号処理部とを備えたことを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項1記載の半導体集積回路装置において、前記遅延クロック生成部が、排他的論理和回路からなり、前記排他的論理和回路は、前記第1、および第2の分周部から出力されるライズエッジ用クロックとフォールエッジ用クロックとの排他的論理和をとり、前記遅延クロックとして出力することを特徴とする半導体集積回路装置。
- 請求項1または2記載の半導体集積回路装置において、セレクトデータに基づいて、前記遅延回路から出力される任意の2つの遅延クロックを選択し、前記第1、および第2分周部にそれぞれ出力するセレクタ部を備えたことを特徴とする半導体集積回路装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置において、前記第1、および第2の分周部が、同期式フリップフロップからそれぞれ構成され、
前記2つの同期式フリップフロップは、前記ライズエッジ用クロック、ならびに前記フォールエッジ用クロックが前記同期式フリップフロップのクロック入力端子にそれぞれ入力され、前記第1の分周部となる同期式フリップフロップのデータ入力端子に前記第2の分周部となる同期式フリップフロップの反転出力端子が接続され、前記第1の分周部となる同期式フリップフロップの非反転出力端子に前記第2の分周部となる同期式フリップフロップのデータ入力端子が接続され、前記2つの同期式フリップフロップの非反転出力端子から出力される信号を、第1遅延クロック、および第2遅延クロックとして出力することを特徴とする半導体集積回路装置。 - 基本クロックを分周し、そのパルス幅を前記基本クロックの1周期に応じた値に固定した分周器出力クロックを出力するパルス幅固定分周器と、
直列接続された複数の基本単位を有し、制御電圧に基づいて、前記分周器出力クロックをある時間だけ遅延させた遅延クロックを出力する遅延回路と、
前記分周器出力クロックと前記遅延回路から出力された遅延クロックとを比較し、前記分周器出力クロックに対する前記遅延クロックの遅延時間が前記分周器出力クロック1周期より大きい場合UPパルス信号を、小さい場合DOWNパルス信号を出力する位相比較器と、
前記位相比較器より出力されるUP、DOWNパルス信号に応じて、前記制御電圧を生成する制御部と、
前記遅延回路における任意の出力部からそれぞれ出力される第1,および第2の遅延クロックとに基づいて遅延クロックを生成する遅延クロック生成部と、
前記遅延クロック生成部から出力される遅延クロックに応じて信号処理を行う信号処理部とを備えたことを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項5記載の半導体集積回路装置において、前記遅延クロック生成部が、排他的論理和回路からなり、前記排他的論理和回路は、前記第1、および第2の遅延クロックの排他的論理和をとり、前記遅延クロックとして出力することを特徴とする半導体集積回路装置。
- 請求項5または6記載の半導体集積回路装置において、セレクトデータに基づいて、前記遅延回路から出力される第1、および第2の遅延クロックを選択し、前記遅延クロック生成部にそれぞれ出力するセレクタ部を備えたことを特徴とする半導体集積回路装置。
- 請求項5〜7のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置において、前記制御部は、前記位相比較器より出力されるUP、およびDOWNパルス信号に対応して、充放電電流を生成する電流生成部と、前記電流生成部が生成した充放電電流を電圧に変換し、前記制御電圧を生成する制御電圧生成部とを備えたことを特徴とする半導体集積回路装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置において、前記制御部は、前記位相比較器より出力されるUP、およびDOWNパルス信号に対応して、充放電電流を生成する電流生成部と、前記電流生成部が生成した充放電電流を電圧に変換し、前記制御電圧を生成する制御電圧生成部とを備えたことを特徴とする半導体集積回路装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003121524A JP2004328448A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | 半導体集積回路装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003121524A JP2004328448A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | 半導体集積回路装置 |
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JP (1) | JP2004328448A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100824790B1 (ko) | 2006-08-21 | 2008-04-24 | 삼성전자주식회사 | 클록 체배기 및 이를 포함하는 클록 생성기 |
US8829961B2 (en) | 2012-06-14 | 2014-09-09 | Fujitsu Limited | Clock generator |
KR101615711B1 (ko) * | 2014-09-12 | 2016-05-12 | 주식회사 넥시아 디바이스 | 지연고정루프상의 다중딜레이라인 클럭생성기 |
-
2003
- 2003-04-25 JP JP2003121524A patent/JP2004328448A/ja active Pending
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