JP2004327599A - 薄膜トランジスタと、その製造方法およびフラットパネルディスプレイ - Google Patents

薄膜トランジスタと、その製造方法およびフラットパネルディスプレイ Download PDF

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秀彦 薮原
Yoshiyuki Kitahara
義之 北原
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    • H01L29/772Field effect transistors
    • H01L29/78Field effect transistors with field effect produced by an insulated gate
    • H01L29/786Thin film transistors, i.e. transistors with a channel being at least partly a thin film
    • H01L29/78642Vertical transistors

Abstract

【課題】高密度化で必要な小面積としたCMOS構造で低消費電力化を実現できる薄膜トランジスタおよびその製造方法と、このCMOS薄膜トランジスタを使用したフラットパネルディスプレイを提供する。
【解決手段】本発明の薄膜トランジスタは、N型薄膜トランジスタ21とP型薄膜トランジスタ22で1つのゲート電極23を共有し、上記N型薄膜トランジスタとP型薄膜トランジスタはチャンネル領域を基板2に対して垂直な縦型構造をなす。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタ(TFT)の構造改良と、この薄膜トランジスタを製造するための製造方法および、この薄膜トランジスタを用いたフラットパネルディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
図8に模式的に示すように、いわゆるMOS(金属酸化物薄膜半導体素子)構造のトランジスタである薄膜トランジスタ(TFT)1は、ガラス基板2の上にソース領域3とドレイン領域4で挟まれたチャンネル領域5があり、このチャンネル領域5に酸化シリコン膜を介してゲート電極6が構成される。
【0003】
このようなMOSトランジスタ1では、ゲート電極6にかかるゲート電圧によってチャンネル領域5が蓄積状態、空乏状態、反転状態と変化し、それぞれに応じた電気抵抗となり、ソース領域3からドレン領域4へ流れるキャリアが制御される。
【0004】
すなわち、ゲート電極6が半導体層7と直流的に絶縁されているので、入力インピーダンスが高く、消費電力を少なくできる。ただし、絶縁膜は極めて薄いので、電極を指で触ったりすると静電気で破壊されることがある。
【0005】
そこで、近年は、より消費電力が小さいCMOS(相補型金属酸化膜半導体)タイプの薄膜トランジスタを用いることが主流となっている。これは、正孔が多いpMOSトランジスタと、電子が多いnMOSトランジスタとを組み合わせたてなる。
【0006】
上記pMOSトランジスタは、ソースとドレインをp型半導体とし、ゲート電極下部をn型半導体またはi型半導体(真性半導体)としたMOS型FET(電界効果トランジタ)であって、ゲート電極下部にP型のチャンネル(電流の通路)ができることに特徴があるP型薄膜トランジスタである。
【0007】
上記nMOSトランジスタは、ソースとドレインをn型半導体とし、ゲート電極下部をp型半導体またはi型半導体(真性半導体)としたMOS型FETであって、ゲート電極下部にn型のチャンネル(電流の通路)ができることに特徴があるN型薄膜トランジスタである。
【0008】
図7(A)は、CMOS構造の薄膜トランジスタ10の構成を説明する断面図であり、図7(B)はその平面図であって、何れも模式的に示している。
【0009】
すなわち、N型薄膜トランジスタ11とP型薄膜トランジスタ12で1つのゲート電極13を共有するCMOS構造の薄膜トランジスタ(TFT)は、基板2に対して半導体層が平行に形成される。ゲート電極13は一部が共通であり、各半導体層11,12上の一面に対して対峙するよう分岐する。
【0010】
このように、従来のCMOSタイプの薄膜トランジスタ10は、N型薄膜トランジスタ11と、P型薄膜トランジスタ12をゲート電極13を介して相補的に用いたデバイスであって、ポリシリコン成膜もしくはアモルファス成膜を施すことにより完成する。
【0011】
なお、[特許文献1]には、メモリ・デバイスに用いるために、アクセス・デバイスおよびキャパシタの高密度集積に適するよう改良されたFET/キャパシタ構造をなす半導体回路が開示されている。
【0012】
【特許文献1】
特開平10−326879号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図7(A)(B)で示す上述のCMOSタイプの薄膜トランジスタ10は、N型薄膜トランジスタ11とP型薄膜トランジスタ12およびゲート電極13の基板2上に占める面積が大になり、それにともないゲート電極13が抵抗成分として顕著であり消費電力が大となってしまう。
【0014】
近年、たとえば携帯電話等の携帯用情報機器の普及が大であって、ここに用いられる薄膜トランジスタとしては、よりサイズが小さく、かつより消費電力の小さいものが求められているにも係らず、それらの要望を満たせないでいる。
【0015】
先に述べた[特許文献1]は、少なくとも2つのセルを備える半導体回路で、各セルは、ソース、ドレイン、ゲートを有する縦形電界効果形トランジスタと、第1および第2の電極を有し、トランジスタの上部に第1の電極がドレインに接続されるキャパシタが設けられ、セルノンソースは相互接続されている。
【0016】
しかしながら、この種の半導体回路およびメモリデバイスは、たとえばP型薄膜トランジスタ単独の構成であって、いわゆるCMOSタイプではないので、消費電力が大になってしまい、その使用目的が限定されてしまう。
【0017】
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、高密度化で必要な小面積としたCMOS構造で低消費電力化を実現できる薄膜トランジスタおよびその製造方法と、このCMOS薄膜トランジスタを使用したフラットパネルディスプレイを提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために、本発明の薄膜トランジスタは、N型薄膜トランジスタとP型薄膜トランジスタで1つのゲート電極を共有し、上記N型薄膜トランジスタとP型薄膜トランジスタはチャンネル領域を基板に対して垂直な縦型構造をなす。
【0019】
上記課題を解決し目的を達成するために、本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、第1の工程としてガラスからなる基板を下地絶縁膜で覆い、さらにこの下地絶縁膜上をゲートメタルで覆い、第2の工程としてゲートメタル表面をマスクで覆い、露光−現像−エッチング−レジスト除去工程等を経て断面が凸状をなす下地絶縁膜とこの下地絶縁膜突出部上にゲートメタルを形成し、第3の工程として下地絶縁膜とゲートメタルとの上にゲート絶縁膜を成膜して、このゲート絶縁膜の上に半導体層を成膜し、第4の工程として基板に対して垂直方向にイオン注入をなしゲートメタルの左右にN型の半導体層とP型の半導体層をそれぞれ形成し、第5の工程として第4の工程で形成されたN型の半導体層とP型の半導体層を絶縁膜で覆い、第6の工程として絶縁膜の所定の部位に孔を設けそれぞれの孔に電極を形成して1つのゲート電極の側面に沿ってN型薄膜トランジスタとP型薄膜トランジスタを縦型に構成する。
【0020】
上記課題を解決し目的を達成するために、本発明のフラットパネルディスプレイは、上記構造の薄膜トランジスタをフラットパネル装置を構成する周辺駆動回路のトランジスタとして用いた。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
【0022】
図1(A)は、本発明の薄膜トランジスタの基本構造を模式的に説明する縦断面図であり、図1(B)はその横断平面図である。
【0023】
このCMOS薄膜トランジスタ20は、N型薄膜トランジスタ21とP型薄膜トランジスタ22で1つのゲート電極23を共有し、かつN型薄膜トランジスタ21とP型薄膜トランジスタ22は、そのチャンネル領域を基板2に対して垂直な縦型構造をなしている。なお、24はゲート絶縁膜である。
【0024】
このようなCMOS薄膜トランジスタ20であって、1つのゲート電極23を共有するため、従来(図7に示す)のCMOS薄膜トランジスタのように2つのゲート電極を用いる構造と比較して、ゲート電極が半減することとなり、小型化および消費電力の低減化を図れる。
【0025】
また、従来の薄膜トランジスタ製造工程では、大気開放した状態で半導体層(ポリシリコン膜)に対して酸化膜を成膜するために、ゲート電極との界面が良好ではない。
【0026】
従来CMOS構造の薄膜トランジスタは高密度化には適切でないという問題がある。さらに、半導体層の一面のみをチャンネルとして使用しているだけであり、高消費電力に繋がっている。
【0027】
これに対して、本発明では縦型構造の薄膜トランジスタ(TFT)となることで、大幅な小面積化が可能となり、たとえば携帯電話等のモバイル用情報機器への採用が最適となる。
【0028】
そして、本発明では図2以下で示す半導体層35〜40に対してゲート酸化膜34を真空条件下で連続形成することを特徴の一つとしている。したがって、半導体層35〜40とゲート酸化膜34との界面が良好となり、薄膜トランジスタ30としての処理速度の向上化を得られる。
【0029】
図2(A)は、本発明のより具体的な実施の形態に係る一部を省略したCMOS薄膜トランジスタの斜視図、図2(B)は図2(A)のB−B線に沿う断面図である。
【0030】
ガラスからなる基板31上は下地絶縁膜32によって覆われており、この下地絶縁膜32にゲートメタル33がフォトレジストをマスクとして加工されている。
【0031】
さらに、ゲートメタル33と下地絶縁膜32上にゲート絶縁膜34が成膜され、これらの上に半導体層35,36,37,38,39、40が形成される。上記半導体層35〜40は、多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンが用いられる。
【0032】
上記多結晶シリコンの場合は直接成膜するか、アモルファスシリコンを成膜したのち熱工程により多結晶化する。上記半導体層35〜40は、この時点では同一の真性半導体または真性半導体に近いドーピングされていない高抵抗体である。
【0033】
後述するようにN型不純物もしくはP型不純物が所定の半導体層に注入される。そして、高抵抗半導体層36を介してN型低抵抗半導体層35と37が図の左側部分に形成され、高抵抗半導体層39を介してP型低抵抗半導体層38と40が図の右側部分に形成される。
【0034】
このようにして、1つのゲート電極33の側面に沿って半導体層35〜37からなるN型薄膜トランジスタ41と、半導体層38〜40からなるP型薄膜トランジスタ42が縦型に構成されている。
【0035】
図3(A)は、CMOS縦型構造の薄膜トランジスタ30の概略の平面図、図3(B)は同薄膜トランジスタ30の概略の横断平面図である。
【0036】
具体的には、ゲート電極33は平面視で、その左右両側部が凹状に形成されていて、これらの凹状部分にN型薄膜トランジスタ41とP型薄膜トランジスタ42がそれぞれ挿設される構成となっている。
【0037】
したがって、上記ゲート電極33においては、N型の半導体層36とP型の半導体層39のそれぞれを3方向から、かつそれぞれの面と平行となるように囲んでいる。換言すれば、半導体層のチャンネル部に対してゲート電極33が三面を覆うように構成される。
【0038】
このことにより、半導体層36,39の一面ばかりでなく、側面に流れる電流を利用することができる。すなわち、従来と同じ電流を得るには、従来よりも低電圧で駆動することが可能であり、低消費電力化を得られる。
【0039】
さらに、N型、P型半導体層35〜40の全てに絶縁膜43を成膜し、所定の部位に孔明け加工をなして電極44,45,46を成膜加工すれば、薄膜トランジスタ30として完成する。
【0040】
つぎに、上記縦型構造の薄膜トランジスタ30の製造工程につき、図4(A)〜(G)にもとづいて説明する。
【0041】
図4(A)は第1の工程を示していて、ガラスからなる基板31上を、下地絶縁膜32である窒化膜もしくは酸化膜あるいはこれら窒化膜と酸化膜との積層膜で覆い、さらにこの上をゲートメタル33で覆う。
【0042】
図4(B)は第2の工程を示していて、ゲートメタル33表面にレジストと呼ばれる感光性高分子材料を有機溶剤に溶かしたものを塗布し、プリベークで余分な有機溶剤を蒸発させレジスト膜を形成する。
【0043】
そして、レジスト膜50に対して露光−現像−エッチング−レジスト除去などの工程を経ることにより、図に示すような断面凸状となった下地絶縁膜32が得られるとともに、この下地絶縁膜32の凸部上にゲートメタル33が載る状態が得られる。
【0044】
図4(C)は第3の工程を示していて、第2の工程で得られた下地絶縁膜32とゲートメタル33上にゲート絶縁膜34を成膜するとともに、このゲート絶縁膜34上に多結晶シリコンもしくはアモルファスシリコンからなる半導体層50を成膜する。なお、アモルファスシリコンよりも多結晶シリコンを用いた方が、完成した薄膜トランジスタとして処理速度が速いことは知られている。
【0045】
図4(D)は第4の工程を示していて、上記ゲートメタル33の中心軸を境界として、この右半分をフォトレジスト51等で被覆し、被覆していない左半分に対してN型不純物(リンや砒素など)をイオンドーピングまたはイオン注入をなす。
【0046】
イオンに晒される半導体層35,37部分にイオン注入がなされ、N型の低抵抗半導体領域(不純物濃度が少なくとも1e19cm−3)が形成される。イオン注入は基板31に対して垂直方向に不純物を入射しているので、残りの垂直部分にはN型不純物がドーピングされずに高抵抗半導体層36となる。
【0047】
図4(E)は第5の工程を示していて、右半分を覆っていたフォトレジスト51を除去したうえで、上記ゲートメタル33の中心軸を境界として、この左半分をフォトレジスト等52で被覆し、被覆していない右半分に対してP型不純物(ボロンなど)をイオンドーピングまたはイオン注入をなす。
【0048】
イオンに晒される半導体層38、40部分にイオン注入がなされ、P型の低抵抗半導体領域(不純物濃度が少なくとも1e19cm−3)が形成される。イオン注入は基板31に対して垂直方向に不純物を入射しているので、残りの垂直部分にP型不純物がドーピングされずに高抵抗半導体層39となる。
【0049】
図4(F)は第6の工程を示していて、左半分を覆っていたフォトレジスト52を除去し、さらに第4の工程と第5の工程で形成された全ての半導体層35〜40を絶縁膜43で覆う。そして、絶縁膜43の所定部位に孔を設ける。
【0050】
図4(G)は第7の工程を示していて、先の工程で設けた孔にそれぞれ電極44〜46を成膜加工する。その結果、ゲート電極33と、このゲート電極33に対してN型薄膜トランジスタ41とP型薄膜トランジスタ42が縦型に構成され、かつこれらトランジスタの合せ面に出力電極45が得られる。
【0051】
なお、本発明では上述した第3の工程で、下地絶縁膜32とゲートメタル33上に、ゲート絶縁膜34と半導体層50との二層を成膜するが、このとき絶縁膜34をなすゲート酸化膜と半導体層50をなすポリシリコン膜(もしくはアモルファス膜)を真空中で連続形成することを特徴の一つとしている。
【0052】
これに対して従来の薄膜トランジスタ製造工程においては、ポリシリコン膜(もしくはアモルファス膜)を成膜したあと、大気開放状態を経てゲート酸化膜を形成していた。その結果、ポリシリコン膜とゲート酸化膜との界面が不良であって消費電力に悪影響がある。
【0053】
上述した本発明のように、絶縁膜34をなすゲート酸化膜と半導体層をなすポリシリコン膜を真空中で連続形成すると、これらの界面が良好となって、消費電力に影響が少なくてすむ。
【0054】
さらに、本発明においては、N型薄膜トランジスタ41とP型薄膜トランジスタ42をともにゲート電極33が3方向から囲む構造としたが、これに限定されるものではなく、P型薄膜トランジスタのみ3方向から囲む構造とし、N型薄膜トランジスタは従来とおり1方向のみとする構造であってもよい。
【0055】
なお、上記半導体層35および半導体層38がゲート絶縁膜34を挟んで向かい合う構造であるため、その部分に寄生寄量を形成し処理速度の低下をきたす要因となっている。したがって、トランジスタとしての処理速度の向上を図る必要がある。
【0056】
図5(A)は、第2工程で示した通常(従来)のゲートメタル加工方法を順に示している。
すなわち、ゲートメタルa上にフォトレジストbをマスクとして用いて、そのあとエッチングをなす。フォトレジストbはエッチング後、除去してゲートメタルaは所定の形状を得られる。
【0057】
最終的に出力電極cをコンタクトした状態で、出力電極cとゲート電極dとの間の距離が、半導体層eとゲート絶縁膜fとの厚みの合計Laとなり、比較的狭く上述したように電荷が溜り易い構成となる。
【0058】
本発明においては、上述したようにゲート電極33が低抵抗半導体層35および38が互いに向かい合う構成になっているので、キャパシタが形成され電荷が溜まり易い。
【0059】
そこで、本発明では図5(B)に示すようなゲートメタルの加工方法を採用するとよい。
【0060】
すなわち、ゲートメタル33表面に酸化膜などの絶縁膜(ハードマスク)Mを成膜し、その絶縁膜Mをマスクとして用いてゲートメタル33を加工する。上記マスクとして使用した絶縁膜Mは、薄膜トランジスタ製造の最終工程が終了して完成に至った状態でもそのまま残す。
【0061】
この場合、ゲート電極33と出力電極45(もしくは高ドーズ半導体領域35と38)との間に絶縁膜Mがそのまま残って、両電極33,45間の距離が絶縁物Mの厚さ分だけ離れる(合計距離:Lb)。したがって、両電極33,45間に生じる寄生容量を低減することができる。
【0062】
図6(A)に示すように、従来の薄膜トランジスタの製造工程において、特にアモルファスシリコンを半導体層Sとして成膜する際に、この表面に、たとえばエキシマレーザーを照射して多結晶化をなす。
【0063】
このとき、レーザー照射による熱集中により半導体層Sを構成するアモルファスシリコンから成長した微結晶粒が体積膨張をなして、その粒界表面に多数の突起tが生じることがある。
【0064】
この工程のあと、半導体層Sの表面をゲート酸化膜Gで覆う工程があるが、これら半導体層Sとゲート酸化膜Gとの界面が凸状となり、そのままでは信頼性の低下をきたす。
【0065】
本発明において、半導体層50として多結晶シリコンもしくはアモルファスシリコンのいずれかを用いることは上述したとおりであるが、多結晶シリコンを成膜する方法を採用した場合には、後述するようなレーザーアニール工程は不要である。
【0066】
ただし、半導体層50としてアモルファスシリコンを成膜する方法を採用した場合には、レーザー等によるアニール工程をなす。
図6(B)は本発明の製造工程の途中を示していて、ここでは第3の工程の後で第4の工程の前に、エキシマレーザーをアモルファスシリコンからなる半導体層50表面に照射する、いわゆるレーザーアニール工程を取り入れている。
【0067】
すなわち、第3の工程でゲート酸化膜34に半導体層50を形成するアモルファスシリコンを成膜するが、そのあとレーザー光を照射して表面のアニール処理をなす。その結果、半導体層表面には先に述べた突起が存在するが、半導体層50とゲート酸化膜34との界面は平坦であるので信頼性の向上を得る。
【0068】
なお、半導体層41,42の厚さが半導体層の幅と比較して薄過ぎると、ゲート電極33を3方から囲んで低消費電力化する効果が薄くなる。レーザアニール等により後から多結晶化する場合は、半導体層の厚さを厚くすることは困難であるが、直接多結晶を成膜する場合はある程度厚くできる。ただし、厚くし過ぎると段差が大きくなり、それより上層膜の断線が生じ易いので注意を要する。
【0069】
以上説明したCMOS縦型構造の薄膜トランジスタを表示装置としてのフラットパネルディスプレイを構成する周辺駆動回路のトランジスタとして用いることにより、処理速度がより速くなり、かつ信頼性の向上を図れる。
【0070】
すなわち、フラットパネルディスプレイとして、パネル本体を構成する基板上に、複数本の走査線配線がX−X方向に亘って互いに並行して設けられ、基板上に信号線配線がY−Y方向に亘って互いに並行して設けられる。
【0071】
走査線配線と信号線配線の各交点に、一つの画素に対応するトランジスタと画素電極が設けられる。上記基板には上記面積に加えて信号線/走査線の駆動回路が形成されている。
【0072】
このようにして、特に駆動回路において上述したCMOS縦型構造の薄膜トランジスタを用いることにより、フラットパネルディスプレイのサイズの縮小化と、消費電力のより低減化を図れるので、たとえば携帯電話のバッテリー駆動などのモバイル情報機器に最適である。
【0073】
なお、本発明の実施の形態は上述のものに限定されることなく、本発明の要旨を越えない範囲内で種々、変形実施が可能であることは勿論である。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、高密度化に必要な小面積化をなすとともに、半導体層の側面を利用することで低消費電力化を実現できるCMOS構造の薄膜トランジスタを提供でき、さらにこのCMOS薄膜トランジスタはフラットパネルディスプレイを駆動する周辺駆動回路に最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る、CMOS縦型構造の薄膜トランジスタの基本的な構成を示す縦断面図と横断平面図。
【図2】同実施の形態に係る、より具体的なCMOS縦型構造の薄膜トランジスタの斜視図と縦断面図。
【図3】同実施の形態に係る、薄膜トランジスタの平面図と横断平面図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る、CMOS縦型構造の薄膜トランジスタの製造工程を順に説明する図。
【図5】通常工程と、本発明の一実施の形態の工程を比較して説明する図。
【図6】従来工程による現象の説明と、本発明の一実施の形態の工程を比較して説明する図。
【図7】従来のCMOS薄膜トランジスタの断面図と平面図。
【図8】さらに異なる従来のMOS薄膜トランジスタの断面図。
【符号の説明】
21,41…N型薄膜トランジスタ、22,42…P型薄膜トランジスタ、23,33…ゲート電極、2,31…基板、32…下地絶縁膜、34…ゲート絶縁膜、35〜40…半導体層、36…N型半導体層、39…P型半導体層、44〜46…電極。

Claims (8)

  1. N型薄膜トランジスタとP型薄膜トランジスタで1つのゲート電極を共有するCMOS構造で、かつ上記N型薄膜トランジスタとP型薄膜トランジスタは、そのチャンネル領域を基板に対して垂直な縦型構造をなすことを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 上記ゲート電極は、半導体層チャンネル部の三面を覆うように構成されることを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタ。
  3. 上記半導体層は、多結晶シリコンから構成されることを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタ。
  4. ガラスからなる基板を下地絶縁膜で覆い、さらにこの下地絶縁膜上をゲートメタルで覆う第1の工程と、
    上記ゲートメタル表面をマスクで覆い、露光−現像−エッチング−レジスト除去工程等を経て、断面が凸状をなす下地絶縁膜および、この下地絶縁膜突出部上にゲートメタルを形成する第2の工程と、
    これら下地絶縁膜とゲートメタルとの上にゲート絶縁膜を成膜するとともに、このゲート絶縁膜の上に半導体層を成膜する第3の工程と、
    上記基板に対して垂直方向にイオン注入をなし上記ゲートメタルの左右にN型の半導体層とP型の半導体層をそれぞれ形成する第4の工程と、
    第4の工程で形成されたN型の半導体層とP型の半導体層を絶縁膜で覆う第5の工程と、
    上記絶縁膜の所定の部位に孔を設け、それぞれの孔に電極を成膜後にパターニングして、1つのゲート電極の側面に沿ってN型薄膜トランジスタとP型薄膜トランジスタを縦型に構成する第6の工程と
    を具備することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 上記第2の工程において、ゲートメタル表面を絶縁材からなるハードマスクで覆い、そのままの状態で除去することなく最終工程を終了することを特徴とする請求項4記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 上記半導体層はアモルファスシリコンからなり、第3の工程のあと第4の工程の前に、ゲート絶縁膜の上に成膜される上記半導体層に対してレーザーアニールによる多結晶化をなすことを特徴とする請求項4および請求項5のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 上記第3の工程は、上記ゲートメタルの中心軸を境にして一方の半分を被覆し、被覆していない半分を対象として基板に対し垂直方向にN型、P型のいずれか一方の不純物をイオン注入し、N型、P型のいずれか一方の低抵抗半導体領域およびイオン注入されない高抵抗半導体層を形成し、
    そのあと、上記ゲートメタルの中心軸を境にして他方の半分を被覆し、被覆していない半分を対象として基板に対し垂直方向にN型、P型のいずれか他方の不純物をイオン注入し、N型、P型のいずれか他方の低抵抗半導体領域およびイオン注入されない高抵抗半導体層を形成することを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  8. 上記請求項1と請求項2の構造の薄膜トランジスタを、フラットパネル装置を構成する周辺駆動回路のトランジスタとして用いることを特徴とするフラットパネルディスプレイ。
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