JP2004327271A - 高分子ゲル電解質、およびそれを用いた光電変換素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、従来の剛直な架橋構造を有するゲル電解質とは異なり、高い機械的強度とイオン伝導度を両立する高分子ゲル電解質を提供するものである。
【解決手段】数平均分子量200〜1,000,000のポリアルキレングリコール(A)、反応性官能基を一つ以上有する数平均分子量が500〜10,000の環状包接化合物(B)、および、環状包接化合物(B)と反応可能な官能基を一分子内に2つ以上有する多官能化合物(C)からなる高分子ゲル電解質。さらに、ヨウ素、ヨウ化物イオン、またはリチウムイオンを含浸させてなる上記高分子ゲル電解質。
【選択図】なし
【解決手段】数平均分子量200〜1,000,000のポリアルキレングリコール(A)、反応性官能基を一つ以上有する数平均分子量が500〜10,000の環状包接化合物(B)、および、環状包接化合物(B)と反応可能な官能基を一分子内に2つ以上有する多官能化合物(C)からなる高分子ゲル電解質。さらに、ヨウ素、ヨウ化物イオン、またはリチウムイオンを含浸させてなる上記高分子ゲル電解質。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電気化学素子に有用な、特異な架橋を有する高分子ゲル電解質に関する。さらにはこのゲルにイオンを含浸させてなる電解質、さらにはこれを用いた光電変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば電池、光電変換素子等の電気化学素子の小型化、および信頼性の向上を目指した高分子電解質の検討が盛んである。従来の電解質溶液では、例えばプロピレンカーボネート等の低分子量カーボネート類、もしくはテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類が用いられている(特許文献1〜9参照)。これらを用いた素子の場合、素子外部への電解液の漏洩、電極活物質の溶出等による長期信頼性に問題があった。特に光電変換素子(いわゆる太陽電池)等に用いる場合には、屋外における長時間曝露に対する耐久性が要求される。即ち、高温下における耐久性が大きな問題となり、低分子量の化合物を用いることは困難であった。このため、現在固体電解質と称される電解質の検討が盛んに行われている。
【0003】
この問題に対し、特に高分子化合物を主成分とした高分子ゲル電解質の検討が行われている。これら高分子ゲル電解質からなる電気化学素子は、電解液の漏洩や枯渇といった問題を解決するだけではなく、素子の柔軟性付与や、種々の形状に加工できる等の利点もある。しかしながら高分子ゲル電解質の機械的強度を持たせるために多くのゲル化剤を導入するとイオン伝導度が低下し、逆にイオン伝導度を向上させるためにゲル化剤を減量すると、機械的強度が保てないという本質的な問題を抱えていた。
【0004】
例えば、直鎖状エーテル化合物を高分子電解質として用いる方法(特許文献1)では、架橋点を持たないため機械的強度が不足していた。
【0005】
そこで、いくつかのゲル化方法についての試みがなされている。例えば、ポリエチレングリコールアクリレートを用いる方法(特許文献2または3)、多官能アルキレングリコールアクリレートを用いる方法(特許文献4)、イソシアナート化合物で架橋させる方法(特許文献5または6)、多官能アクリレートを架橋剤に用いる方法(特許文献7または8)、シラン化合物を用いる方法(特許文献9)が挙げられているが、いずれも機械的強度とイオン伝導度のバランスを満足させるものではなかった。
【0006】
さらに、環状エーテル化合物を用いて高分子電解質を得ようとする試みもある(特許文献10)が、これは環状エーテルを特異な架橋構造を構成するために用いる訳ではないので、本質的に本発明とは異なるものである。
【0007】
一方、ポリエチレングリコールとシクロデキストリン等の包接化合物が、特異な包接挙動を示し、さらにこれらゲル化させた「ロタキサンゲル」もしくは「トポロジカルゲル」と称する高分子ゲルの報告がある。(非特許文献1〜3)これらのゲルは、架橋点が自在に動くことができるために、高い膨潤能を有している。しかしながらこれらには高分子ゲル電解質に関する適用については言及されてはいない。
【0008】
【特許文献1】特開平5−120912号公報
【特許文献2】特開平9−27352号公報
【特許文献3】特開平8−236165号公報
【特許文献4】特開2001−210390号公報
【特許文献5】特開2002−216845号公報
【特許文献6】特開2002−289272号公報
【特許文献7】特開2003−68137号公報
【特許文献8】特開2003−68138号公報
【特許文献9】特開2000−150006号公報
【特許文献10】特開2001−338700号公報
【非特許文献1】Y.Okumura, Adv. Mater. 2001年, 第13巻, 485ページ
【非特許文献2】伊藤 耕三ら, 現代化学, 2001年, 9月号, 55ページ
【非特許文献3】伊藤 耕三ら, 機能材料, 2001年,第21巻, 9月号, 51ページ
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、柔軟な架橋点をもって得られる特異な包接挙動に着目した高分子ゲル電解質を考案し、本発明に至った。即ち、本発明の目的は、従来の剛直な架橋構造を有するゲル電解質とは異なり、高い機械的強度とイオン伝導度を両立する高分子ゲル電解質を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリエチレングリコールを代表とするポリアルキレングリコール(A)とシクロデキストリンを代表とする環状包接化合物(B)を包接させ、さらには環状包接化合物(B)同士を反応させる多官能化合物(C)をもって柔軟な架橋点とした高分子ゲル電解質を得た。
【0011】
すなわち本発明は、数平均分子量200〜1,000,000のポリアルキレングリコール(A)、反応性官能基を一つ以上有する数平均分子量が500〜10,000の環状包接化合物(B)、および、環状包接化合物(B)と反応可能な官能基を一分子内に2つ以上有する多官能化合物(C)からなる高分子ゲル電解質に関する。
【0012】
また、本発明は、さらに、ヨウ素、ヨウ化物イオン、またはリチウムイオンを含浸させてなる上記高分子ゲル電解質に関する。
【0013】
また、本発明は、上記電解質を用いて得られる光電変換素子に関する。
【0014】
また、本発明は、数平均分子量200〜1,000,000のポリアルキレングリコール(A)を包接した、反応性官能基を一つ以上有する数平均分子量が500〜10,000の環状包接化合物(B)と、環状包接化合物(B)と反応可能な官能基を一分子内に2つ以上有する多官能化合物(C)とを反応させることを特徴とする高分子ゲル電解質の製造方法に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明における、数平均分子量200〜1,000,000のポリアルキレングリコール(A)は、本発明における高分子ゲル電解質の主体をなし、主にイオンの保持を目的とする。
具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等である。
【0016】
さらに、ポリアルキレングリコール(A)の分子量としては、GPC(ゲル透過クロマトグラフ)により示される数平均分子量200〜1,000,000の範囲が好ましく、さらに好ましくは1,000〜500,000である。この範囲よりも分子量が小さい場合は柔軟な架橋点を構成する効果が薄く、大きい場合はそれ自身の結晶性等の問題から、イオン伝導性が低下する。
【0017】
本発明において用いられる反応性官能基を一つ以上有する数平均分子量が500〜10,000の環状包接化合物(B)とは、ポリアルキレングリコール(A)の高分子鎖を包接し、丁度、(A)の高分子鎖を自身の輪の中に入り込みそして柔軟な架橋点を構成するものとして作用する。
【0018】
具体的には、シクロデキストリン等の環状多糖類、クラウンエーテル等の環状エーテル類があげられる。これらには少なくとも後述する多官能化合物(C)との反応することができる官能基を一つ以上含んでいなければならない。
【0019】
環状包接化合物(B)は、GPCにより示される数平均分子量500〜10,000の範囲が好ましく、さらに好ましくは1,000〜5,000である。この範囲よりも分子量が小さい、または大きい場合はポリアルキレングリコール(A)との良好な包接挙動を示さない。
【0020】
多官能化合物(C)との反応することができる官能基とは、もちろん(C)の官能基種との組み合わせによるが、例えば水酸基、カルボキシル基およびその誘導基(例えば酸無水物基等)、アミノ基、チオール基、ニトリル基、エポキシ基、ビニル基、ハロゲン基、ビニル基等があげられる。
具体的には、アルファ−デキストリン、ベータ−デキストリン、ガンマ−デキストリン等のデキストリン類が水酸基を有しつつ、包接挙動も良好であるために好適に用いることができる。
【0021】
環状包接化合物(B)の使用量としては、ポリアルキレングリコール(A)の重量に対して500〜0.1重量%用いることが好ましい。使用量がこの範囲を超える場合には、架橋点が多くなりすぎてしまうために、機械的強度とイオン導電性のバランスがとりきれない。
【0022】
包接化合物(B)と反応可能な官能基を一分子内に2つ以上有する多官能化合物(C)とは、環状包接化合物同士を架橋することを目的として用いられるものである。従って、環状包接化合物(B)と反応可能な官能基を2つ以上有していれば特に限定はない。官能基としては、イソシアナート基、エポキシ基、ビニル基、カルボキシル基およびその誘導基(例えば酸無水物基等)、アミノ基等があげられる。
【0023】
多官能化合物(C)の使用量としては、包接化合物(B)の使用モル数に対して、1,000%〜0.1モル%用いることが好ましい。これらの範囲を超える場合には、架橋点が強固になり過ぎ、また少ない場合には架橋点としての作用が弱くなり、いずれの場合も機械的強度とイオン導電性のバランスがとりきれない。
【0024】
多官能化合物(C)としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアナート、トルエンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート等のジイソシアナート類、さらに、これらジイソシアナート類の、イソシアヌレート変性物、水アダクト変性物等の多官能イソシアナート類、ビスフェノールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等のエポキシ類、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能ビニル化合物類、マレイン酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多官能カルボン酸化合物類、およびそれらの酸無水物類、ヘキサメチレンジアミン、トリス−2,4,6−(1−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス(1−(2−メチル)アジリジニル)ホスフィンオキシド等のトリアジン化合物等の1〜3級アミン類等が挙げられる。
【0025】
本発明において示される高分子ゲル電解質に含浸させるイオンとは、その目的に応じてもちいられるものである。特に本発明は、リチウムイオン二次電池、もしくは光電変換素子等に好適に用いられるために、前者ならばリチウムイオン、光電変換素子等であればヨウ素またはヨウ化物イオンを含浸させてなるものである。
【0026】
含浸方法に特に限定はないが、例えば、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、プロピルカーボネート等のカーボネート類、ビリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等のいわゆる有機溶融塩等に目的のイオン等を溶解させた溶液を、本発明のゲル電解質に含浸させることが好ましい。
【0027】
本発明において用いられる、ヨウ素、または各イオン溶液の添加量は、高分子ゲル電解質に対して、0.001〜1,000重量倍を用いることが好ましい。この範囲を超えて多い場合には、イオンの保持か困難になり、少ない場合には、電解質としての性能が悪化する。
また、含浸させるヨウ素、または各イオン溶液の濃度としては、0.00001〜10モル/リットル程度が好ましい。この範囲を超える場合には、電解質としての性能が悪化する。
【0028】
本発明の高分子ゲル電解質は、
工程1:ポリアルキレングリコール(A)を、包接化合物(B)に包接させる、
工程2:包接化合物(B)と、多官能化合物(C)とを反応させる、
工程3:必要に応じて、ポリアルキレングリコール(A)に、ヨウ素、またはイオンを含浸させる、それぞれの工程に分類できる。
【0029】
これらの工程の順番は、素子の目的や用途、および生産技術的問題に従って適宜変更されるものであり、特に限定されるものではない。例えば、工程1を実施した後、工程3を行いイオンをプレポリマー中にまんべんなく分散させる。その後素子を行った後に工程2を実施しゲル化させ機械的強度を得る等の方法で用いることもできる。
【0030】
本発明において示される光電変換素子とは、一般に「グレッツェル・セル」と称される湿式光電変換素子である。この素子を構成するために用いられる高分子電解質は、電極に多孔質二酸化チタンを用いるために、この多孔質内にまんべんなく電解質を導入することが、光電変換効率を高くするために重要である。この点に鑑み、本発明の高分子ゲル電解質は柔軟な架橋構造を有しているために本特性においても優れた効能を示すものである。
【0031】
もちろん、環状包接化合物(B)と多官能化合物(C)の反応を終了させない段階において多孔質内に導入し、その後反応を完結させる方が好ましい。
【0032】
また、光電変換素子素子に用いる場合には、電解質中にヨウ素イオンを含有しているために二重結合等のラジカル反応によって架橋させることはできない。このため反応に用いることができる官能基は限定され、例えば、水酸基、アミノ基、イソシアナート基、エポキシ基、カルボキシル基から選ばれる官能基から環状包接化合物(B)と多官能化合物(C)の官能基を構成することが好ましい。
【0033】
さらに製造方法として、ポリアルキレングリコール(A)、と環状包接化合物(B)を包摂させた後、非特許文献1〜3に記載の方法で(A)の末端を「キャッピング」する。即ちBの環が包接された後、容易に抜け出てくることがないように、嵩高い置換基で封鎖することも好適である。
【0034】
本発明における高分子ゲル電解質は、以下の用途について好適に用いられる。例えば、光電変換素子、二次電池、一次電池、センサー材料、電子発光材料、表示材料等の高分子ゲル電解質およびその媒体として好適に用いられる。特には湿式光電変換素子、いわゆる色素増感型太陽電池の電解質に特に好適である。
【0035】
【実施例】
以下に、本発明における高分子ゲル電解質の詳細な実施例を示す。
【0036】
実施例1
トポロジカルゲルプレポリマーの合成
数平均分子量100,000のポリエチレングリコールビスアミン10gを80℃の超純水100mlに溶解させた。保温したまま、アルファシクロデキストリン0.5gを添加し3時間攪拌を行った。その後48時間5℃で保温し、その後凍結乾燥を行った。
その後減圧下にて水分を減圧乾燥し、さらにジメチルホルミアミドに溶解させた後、2,4−ジニトロフルオロベンゼンを2g添加し、末端を封鎖した。末端封鎖後、反応液を減圧乾燥した。
【0037】
電解質プレポリマー溶液の調製
100mgの減圧乾燥プレポリマーと前もって調製しておいたヨウ化リチウム0.5モル/リットル、ヨウ素0.05モル/リットルのプロピレンカーボネート溶液1mlを添加しよく攪拌溶解した。
【0038】
光電変換セル透明電極の調製
酸化スズ膜を形成させた導電ガラス上に、酸化チタン分散液をハンドアプリケータにて膜厚およそ10マイクロメートル程度、幅10ミリメートルに塗工し、その後100℃で30分、さらに460℃で40分程度乾燥、焼成を行った。このときの塗膜厚はおおよそ8マイクロメートルであった。こうして得られた多孔質膜を、ルテニウム色素(ソーラロニックス社製ルテニウム535)0.5ミリモル/リットルのエタノール溶液に24時間含浸させた。含浸終了後、エタノールで過剰の色素を洗浄し、60℃で20分間乾燥させた。
【0039】
光電変換セルの組み立て
前項にて調製した透明電極の酸化チタン焼成部が1センチメートル平方の正方形となるようにもう一辺の酸化チタン焼成膜を削切した。さらに厚さ100マイクロメートルのポリプロピレン板をスペーサーとし、セルを構成した。
そのスペーサーの上から正方形に削切した酸化チタン焼成膜に、電解質プレポリマー溶液1ミリリットル、ヘキサメチレンジイソシアナートを10マイクロリットルを素早く混合したものを直ちに塗工し、その上から白金板で覆い治具で固定した。周囲をエポキシ系封止剤で周囲を覆い、さらに50℃で24時間エージングさせ素子を得た。
【0040】
光電変換特性の測定
こうして得られた光電変換素子のAM−1.5条件下における特性を測定したところ、短絡電流18mA/cm2、開放電圧0.6V、ファイルファクター0.68、変換効率7.4%であった。
【0041】
比較例1
数平均分子量100,000のポリエチレングリコール(両末端水酸基)を実施例と同様の方法によって電解質溶液化した。プレポリマー溶液1ミリリットルにヘキサメチレンジイソシアナート水アダクト体(住化バイエルウレタン社製スミジュールN3200)を10マイクロリットル加え、素早く混合したものを、実施例同様に構成し、素子化した。
こうして得られた光電変換素子のAM−1.5条件下における特性の測定を実施したところ、短絡電流2.4mA/cm2、開放電圧0.3V、ファイルファクター0.55、変換効率2.1%であった。
【0042】
【発明の効果】
ポリエチレングリコールを代表とするポリアルキレングリコール(A)とシクロデキストリンを代表とする環状包接化合物(B)を包接させ、さらには環状包接化合物同士を反応させる多官能化合物(C)をもって柔軟な架橋点とした高分子ゲル電解質を得た。その結果、本発明における柔軟な架橋点をもって得られる高分子ゲル電解質は、従来の剛直な架橋構造を有するゲル電解質とは異なり、高い機械的強度とイオン伝導度を両立するものである。
【0043】
さらにこうして得られた高分子ゲル電解質に、ヨウ素、またはリチウムイオンを含浸させてなる高分子ゲル電解質は、例えばリチウムイオン二次電池、もしくは光電変換素子等に好適に用いることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電気化学素子に有用な、特異な架橋を有する高分子ゲル電解質に関する。さらにはこのゲルにイオンを含浸させてなる電解質、さらにはこれを用いた光電変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば電池、光電変換素子等の電気化学素子の小型化、および信頼性の向上を目指した高分子電解質の検討が盛んである。従来の電解質溶液では、例えばプロピレンカーボネート等の低分子量カーボネート類、もしくはテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類が用いられている(特許文献1〜9参照)。これらを用いた素子の場合、素子外部への電解液の漏洩、電極活物質の溶出等による長期信頼性に問題があった。特に光電変換素子(いわゆる太陽電池)等に用いる場合には、屋外における長時間曝露に対する耐久性が要求される。即ち、高温下における耐久性が大きな問題となり、低分子量の化合物を用いることは困難であった。このため、現在固体電解質と称される電解質の検討が盛んに行われている。
【0003】
この問題に対し、特に高分子化合物を主成分とした高分子ゲル電解質の検討が行われている。これら高分子ゲル電解質からなる電気化学素子は、電解液の漏洩や枯渇といった問題を解決するだけではなく、素子の柔軟性付与や、種々の形状に加工できる等の利点もある。しかしながら高分子ゲル電解質の機械的強度を持たせるために多くのゲル化剤を導入するとイオン伝導度が低下し、逆にイオン伝導度を向上させるためにゲル化剤を減量すると、機械的強度が保てないという本質的な問題を抱えていた。
【0004】
例えば、直鎖状エーテル化合物を高分子電解質として用いる方法(特許文献1)では、架橋点を持たないため機械的強度が不足していた。
【0005】
そこで、いくつかのゲル化方法についての試みがなされている。例えば、ポリエチレングリコールアクリレートを用いる方法(特許文献2または3)、多官能アルキレングリコールアクリレートを用いる方法(特許文献4)、イソシアナート化合物で架橋させる方法(特許文献5または6)、多官能アクリレートを架橋剤に用いる方法(特許文献7または8)、シラン化合物を用いる方法(特許文献9)が挙げられているが、いずれも機械的強度とイオン伝導度のバランスを満足させるものではなかった。
【0006】
さらに、環状エーテル化合物を用いて高分子電解質を得ようとする試みもある(特許文献10)が、これは環状エーテルを特異な架橋構造を構成するために用いる訳ではないので、本質的に本発明とは異なるものである。
【0007】
一方、ポリエチレングリコールとシクロデキストリン等の包接化合物が、特異な包接挙動を示し、さらにこれらゲル化させた「ロタキサンゲル」もしくは「トポロジカルゲル」と称する高分子ゲルの報告がある。(非特許文献1〜3)これらのゲルは、架橋点が自在に動くことができるために、高い膨潤能を有している。しかしながらこれらには高分子ゲル電解質に関する適用については言及されてはいない。
【0008】
【特許文献1】特開平5−120912号公報
【特許文献2】特開平9−27352号公報
【特許文献3】特開平8−236165号公報
【特許文献4】特開2001−210390号公報
【特許文献5】特開2002−216845号公報
【特許文献6】特開2002−289272号公報
【特許文献7】特開2003−68137号公報
【特許文献8】特開2003−68138号公報
【特許文献9】特開2000−150006号公報
【特許文献10】特開2001−338700号公報
【非特許文献1】Y.Okumura, Adv. Mater. 2001年, 第13巻, 485ページ
【非特許文献2】伊藤 耕三ら, 現代化学, 2001年, 9月号, 55ページ
【非特許文献3】伊藤 耕三ら, 機能材料, 2001年,第21巻, 9月号, 51ページ
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、柔軟な架橋点をもって得られる特異な包接挙動に着目した高分子ゲル電解質を考案し、本発明に至った。即ち、本発明の目的は、従来の剛直な架橋構造を有するゲル電解質とは異なり、高い機械的強度とイオン伝導度を両立する高分子ゲル電解質を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリエチレングリコールを代表とするポリアルキレングリコール(A)とシクロデキストリンを代表とする環状包接化合物(B)を包接させ、さらには環状包接化合物(B)同士を反応させる多官能化合物(C)をもって柔軟な架橋点とした高分子ゲル電解質を得た。
【0011】
すなわち本発明は、数平均分子量200〜1,000,000のポリアルキレングリコール(A)、反応性官能基を一つ以上有する数平均分子量が500〜10,000の環状包接化合物(B)、および、環状包接化合物(B)と反応可能な官能基を一分子内に2つ以上有する多官能化合物(C)からなる高分子ゲル電解質に関する。
【0012】
また、本発明は、さらに、ヨウ素、ヨウ化物イオン、またはリチウムイオンを含浸させてなる上記高分子ゲル電解質に関する。
【0013】
また、本発明は、上記電解質を用いて得られる光電変換素子に関する。
【0014】
また、本発明は、数平均分子量200〜1,000,000のポリアルキレングリコール(A)を包接した、反応性官能基を一つ以上有する数平均分子量が500〜10,000の環状包接化合物(B)と、環状包接化合物(B)と反応可能な官能基を一分子内に2つ以上有する多官能化合物(C)とを反応させることを特徴とする高分子ゲル電解質の製造方法に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明における、数平均分子量200〜1,000,000のポリアルキレングリコール(A)は、本発明における高分子ゲル電解質の主体をなし、主にイオンの保持を目的とする。
具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等である。
【0016】
さらに、ポリアルキレングリコール(A)の分子量としては、GPC(ゲル透過クロマトグラフ)により示される数平均分子量200〜1,000,000の範囲が好ましく、さらに好ましくは1,000〜500,000である。この範囲よりも分子量が小さい場合は柔軟な架橋点を構成する効果が薄く、大きい場合はそれ自身の結晶性等の問題から、イオン伝導性が低下する。
【0017】
本発明において用いられる反応性官能基を一つ以上有する数平均分子量が500〜10,000の環状包接化合物(B)とは、ポリアルキレングリコール(A)の高分子鎖を包接し、丁度、(A)の高分子鎖を自身の輪の中に入り込みそして柔軟な架橋点を構成するものとして作用する。
【0018】
具体的には、シクロデキストリン等の環状多糖類、クラウンエーテル等の環状エーテル類があげられる。これらには少なくとも後述する多官能化合物(C)との反応することができる官能基を一つ以上含んでいなければならない。
【0019】
環状包接化合物(B)は、GPCにより示される数平均分子量500〜10,000の範囲が好ましく、さらに好ましくは1,000〜5,000である。この範囲よりも分子量が小さい、または大きい場合はポリアルキレングリコール(A)との良好な包接挙動を示さない。
【0020】
多官能化合物(C)との反応することができる官能基とは、もちろん(C)の官能基種との組み合わせによるが、例えば水酸基、カルボキシル基およびその誘導基(例えば酸無水物基等)、アミノ基、チオール基、ニトリル基、エポキシ基、ビニル基、ハロゲン基、ビニル基等があげられる。
具体的には、アルファ−デキストリン、ベータ−デキストリン、ガンマ−デキストリン等のデキストリン類が水酸基を有しつつ、包接挙動も良好であるために好適に用いることができる。
【0021】
環状包接化合物(B)の使用量としては、ポリアルキレングリコール(A)の重量に対して500〜0.1重量%用いることが好ましい。使用量がこの範囲を超える場合には、架橋点が多くなりすぎてしまうために、機械的強度とイオン導電性のバランスがとりきれない。
【0022】
包接化合物(B)と反応可能な官能基を一分子内に2つ以上有する多官能化合物(C)とは、環状包接化合物同士を架橋することを目的として用いられるものである。従って、環状包接化合物(B)と反応可能な官能基を2つ以上有していれば特に限定はない。官能基としては、イソシアナート基、エポキシ基、ビニル基、カルボキシル基およびその誘導基(例えば酸無水物基等)、アミノ基等があげられる。
【0023】
多官能化合物(C)の使用量としては、包接化合物(B)の使用モル数に対して、1,000%〜0.1モル%用いることが好ましい。これらの範囲を超える場合には、架橋点が強固になり過ぎ、また少ない場合には架橋点としての作用が弱くなり、いずれの場合も機械的強度とイオン導電性のバランスがとりきれない。
【0024】
多官能化合物(C)としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアナート、トルエンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート等のジイソシアナート類、さらに、これらジイソシアナート類の、イソシアヌレート変性物、水アダクト変性物等の多官能イソシアナート類、ビスフェノールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等のエポキシ類、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能ビニル化合物類、マレイン酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多官能カルボン酸化合物類、およびそれらの酸無水物類、ヘキサメチレンジアミン、トリス−2,4,6−(1−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス(1−(2−メチル)アジリジニル)ホスフィンオキシド等のトリアジン化合物等の1〜3級アミン類等が挙げられる。
【0025】
本発明において示される高分子ゲル電解質に含浸させるイオンとは、その目的に応じてもちいられるものである。特に本発明は、リチウムイオン二次電池、もしくは光電変換素子等に好適に用いられるために、前者ならばリチウムイオン、光電変換素子等であればヨウ素またはヨウ化物イオンを含浸させてなるものである。
【0026】
含浸方法に特に限定はないが、例えば、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、プロピルカーボネート等のカーボネート類、ビリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等のいわゆる有機溶融塩等に目的のイオン等を溶解させた溶液を、本発明のゲル電解質に含浸させることが好ましい。
【0027】
本発明において用いられる、ヨウ素、または各イオン溶液の添加量は、高分子ゲル電解質に対して、0.001〜1,000重量倍を用いることが好ましい。この範囲を超えて多い場合には、イオンの保持か困難になり、少ない場合には、電解質としての性能が悪化する。
また、含浸させるヨウ素、または各イオン溶液の濃度としては、0.00001〜10モル/リットル程度が好ましい。この範囲を超える場合には、電解質としての性能が悪化する。
【0028】
本発明の高分子ゲル電解質は、
工程1:ポリアルキレングリコール(A)を、包接化合物(B)に包接させる、
工程2:包接化合物(B)と、多官能化合物(C)とを反応させる、
工程3:必要に応じて、ポリアルキレングリコール(A)に、ヨウ素、またはイオンを含浸させる、それぞれの工程に分類できる。
【0029】
これらの工程の順番は、素子の目的や用途、および生産技術的問題に従って適宜変更されるものであり、特に限定されるものではない。例えば、工程1を実施した後、工程3を行いイオンをプレポリマー中にまんべんなく分散させる。その後素子を行った後に工程2を実施しゲル化させ機械的強度を得る等の方法で用いることもできる。
【0030】
本発明において示される光電変換素子とは、一般に「グレッツェル・セル」と称される湿式光電変換素子である。この素子を構成するために用いられる高分子電解質は、電極に多孔質二酸化チタンを用いるために、この多孔質内にまんべんなく電解質を導入することが、光電変換効率を高くするために重要である。この点に鑑み、本発明の高分子ゲル電解質は柔軟な架橋構造を有しているために本特性においても優れた効能を示すものである。
【0031】
もちろん、環状包接化合物(B)と多官能化合物(C)の反応を終了させない段階において多孔質内に導入し、その後反応を完結させる方が好ましい。
【0032】
また、光電変換素子素子に用いる場合には、電解質中にヨウ素イオンを含有しているために二重結合等のラジカル反応によって架橋させることはできない。このため反応に用いることができる官能基は限定され、例えば、水酸基、アミノ基、イソシアナート基、エポキシ基、カルボキシル基から選ばれる官能基から環状包接化合物(B)と多官能化合物(C)の官能基を構成することが好ましい。
【0033】
さらに製造方法として、ポリアルキレングリコール(A)、と環状包接化合物(B)を包摂させた後、非特許文献1〜3に記載の方法で(A)の末端を「キャッピング」する。即ちBの環が包接された後、容易に抜け出てくることがないように、嵩高い置換基で封鎖することも好適である。
【0034】
本発明における高分子ゲル電解質は、以下の用途について好適に用いられる。例えば、光電変換素子、二次電池、一次電池、センサー材料、電子発光材料、表示材料等の高分子ゲル電解質およびその媒体として好適に用いられる。特には湿式光電変換素子、いわゆる色素増感型太陽電池の電解質に特に好適である。
【0035】
【実施例】
以下に、本発明における高分子ゲル電解質の詳細な実施例を示す。
【0036】
実施例1
トポロジカルゲルプレポリマーの合成
数平均分子量100,000のポリエチレングリコールビスアミン10gを80℃の超純水100mlに溶解させた。保温したまま、アルファシクロデキストリン0.5gを添加し3時間攪拌を行った。その後48時間5℃で保温し、その後凍結乾燥を行った。
その後減圧下にて水分を減圧乾燥し、さらにジメチルホルミアミドに溶解させた後、2,4−ジニトロフルオロベンゼンを2g添加し、末端を封鎖した。末端封鎖後、反応液を減圧乾燥した。
【0037】
電解質プレポリマー溶液の調製
100mgの減圧乾燥プレポリマーと前もって調製しておいたヨウ化リチウム0.5モル/リットル、ヨウ素0.05モル/リットルのプロピレンカーボネート溶液1mlを添加しよく攪拌溶解した。
【0038】
光電変換セル透明電極の調製
酸化スズ膜を形成させた導電ガラス上に、酸化チタン分散液をハンドアプリケータにて膜厚およそ10マイクロメートル程度、幅10ミリメートルに塗工し、その後100℃で30分、さらに460℃で40分程度乾燥、焼成を行った。このときの塗膜厚はおおよそ8マイクロメートルであった。こうして得られた多孔質膜を、ルテニウム色素(ソーラロニックス社製ルテニウム535)0.5ミリモル/リットルのエタノール溶液に24時間含浸させた。含浸終了後、エタノールで過剰の色素を洗浄し、60℃で20分間乾燥させた。
【0039】
光電変換セルの組み立て
前項にて調製した透明電極の酸化チタン焼成部が1センチメートル平方の正方形となるようにもう一辺の酸化チタン焼成膜を削切した。さらに厚さ100マイクロメートルのポリプロピレン板をスペーサーとし、セルを構成した。
そのスペーサーの上から正方形に削切した酸化チタン焼成膜に、電解質プレポリマー溶液1ミリリットル、ヘキサメチレンジイソシアナートを10マイクロリットルを素早く混合したものを直ちに塗工し、その上から白金板で覆い治具で固定した。周囲をエポキシ系封止剤で周囲を覆い、さらに50℃で24時間エージングさせ素子を得た。
【0040】
光電変換特性の測定
こうして得られた光電変換素子のAM−1.5条件下における特性を測定したところ、短絡電流18mA/cm2、開放電圧0.6V、ファイルファクター0.68、変換効率7.4%であった。
【0041】
比較例1
数平均分子量100,000のポリエチレングリコール(両末端水酸基)を実施例と同様の方法によって電解質溶液化した。プレポリマー溶液1ミリリットルにヘキサメチレンジイソシアナート水アダクト体(住化バイエルウレタン社製スミジュールN3200)を10マイクロリットル加え、素早く混合したものを、実施例同様に構成し、素子化した。
こうして得られた光電変換素子のAM−1.5条件下における特性の測定を実施したところ、短絡電流2.4mA/cm2、開放電圧0.3V、ファイルファクター0.55、変換効率2.1%であった。
【0042】
【発明の効果】
ポリエチレングリコールを代表とするポリアルキレングリコール(A)とシクロデキストリンを代表とする環状包接化合物(B)を包接させ、さらには環状包接化合物同士を反応させる多官能化合物(C)をもって柔軟な架橋点とした高分子ゲル電解質を得た。その結果、本発明における柔軟な架橋点をもって得られる高分子ゲル電解質は、従来の剛直な架橋構造を有するゲル電解質とは異なり、高い機械的強度とイオン伝導度を両立するものである。
【0043】
さらにこうして得られた高分子ゲル電解質に、ヨウ素、またはリチウムイオンを含浸させてなる高分子ゲル電解質は、例えばリチウムイオン二次電池、もしくは光電変換素子等に好適に用いることができる。
Claims (4)
- 数平均分子量200〜1,000,000のポリアルキレングリコール(A)、反応性官能基を一つ以上有する数平均分子量が500〜10,000の環状包接化合物(B)、および、環状包接化合物(B)と反応可能な官能基を一分子内に2つ以上有する多官能化合物(C)からなる高分子ゲル電解質。
- さらに、ヨウ素、ヨウ化物イオン、またはリチウムイオンを含浸させてなる請求項1記載の高分子ゲル電解質。
- 請求項1または2記載の高分子ゲル電解質を用いて得られる光電変換素子。
- 数平均分子量200〜1,000,000のポリアルキレングリコール(A)を包接した、反応性官能基を一つ以上有する数平均分子量が500〜10,000の環状包接化合物(B)と、環状包接化合物(B)と反応可能な官能基を一分子内に2つ以上有する多官能化合物(C)とを反応させることを特徴とする高分子ゲル電解質の製造方法。
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