JP2004326560A - 走行支援用車載情報提供装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】路面状態情報を受信したとき、受信地点における路面状態を推定し(ステップS2、S4)、この推定路面状態と、インフラ情報の路面状態情報として通知された路面状態とが一致し且つ路面状態が積雪或いは凍結ではないとき、或いは路面状態が一致しないが回復方向に変化するときには、情報提供は不必要として乗員への情報提供は行わない。路面状態が悪化方向に変化するとき(ステップS8)、或いは、路面状態が一致するが積雪或いは凍結であるときには(ステップS18)、通知された路面状態の路面を走行する際に安全走行可能と予測される目標車速を上回る速度で走行しているときに、目標車速まで十分減速できると予測されるタイミングで情報提供を行う(ステップS10〜ステップS16)。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、道路側に配置したインフラシステムからインフラ情報を獲得し、このインフラ情報に基づいて、自車両前方の走行環境を前以って認識するようにした走行支援用車載情報提供装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)の開発が進展しており、ITSの一つとしてAHS(Advanced Cruise−Assist Highway Systems:走行支援道路システム)がある。 このAHSでは、道路側のシステム(インフラシステム)と車載装置とが通信で接続され、それらが一体となって走行支援を行うようにしたものである。前記走行支援とは、主に走行路に関する情報提供である。
【0003】
現在のところ、AHSでは、前方停止車両・低速車両情報提供支援、カーブ進入危険防止支援、出会い頭衝突防止支援(接近時支援)、出会い頭衝突防止支援(発進時支援)、右折衝突防止支援、横断歩道歩行者衝突防止支援そして路面情報提供支援といった機能が提案されている。
例えば、「路面情報提供支援」については、道路インフラにより車両進行方向の路面の情報を検知し、検知結果を“乾燥”、“湿潤”、“水膜”、“積雪”、“凍結”の5状態に分類した情報として車両に伝達する。
このようにAHSでは、車両単独では見つけられない有用な情報の提供をインフラシステムから受けることができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−163793号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の方法にあっては、たしかに、自車両から離れた地点における路面状態を前もって知ることが出来るという利点がある。しかしながら、インフラ情報の提供をうける区間の路面状態と、インフラ情報が検知対象としている区間の路面状態とが同一の場合には、インフラ情報の提供を受けたとしても、これは運転者にとって不必要な情報となる可能性がある。つまり、現在走行中の路面状態と、これから通過する区間の路面状態とが同一である場合には、運転者は路面状態を何ら考慮する必要はないことになるから、インフラ情報を前以って提供されたとしても、これは不必要な情報となってしまう。
【0006】
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、乗員に対し不必要な情報提供を行う事を回避することの可能な走行支援用車載情報提供装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る走行支援用車載情報提供装置は、自車両前方の路面状態検出区間の路面状態に関する情報を、情報配信装置から情報受信手段で受信した情報受信始点の路面状態を、路面状態推定手段において推定する。そして、この路面状態推定手段で推定した情報受信地点の推定路面状態と、前記路面状態情報で通知された前記路面状態検出区間の路面状態とに基づいて、前記路面状態情報を乗員に通知する必要性があるかどうかを必要性判定手段により、判定する。そして、路面状態情報を乗員に通知する必要があると判定されるときに、情報配信装置から通知された路面状態情報を、通知手段によって乗員に通知する。
【0008】
したがって、路面状態情報を受信した地点における路面状態と、通知された路面状態とが一致しており、路面状態が変化していない場合等、路面状態を通知する必要がないとみなされるときには、乗員への路面状態の通知は行われないから、不必要な情報提供が行われることが回避される。
【0009】
【発明の効果】
本発明に係る走行支援用車載情報提供装置によれば、自車両前方の路面状態検出区間の路面状態に関する情報を、情報配信装置から情報受信手段で受信した情報受信始点の推定路面状態と、路面状態情報で通知された路面状態検出区間の路面状態とに基づいて、この路面状態情報を乗員に通知する必要性があるかどうかを判定し、乗員に通知する必要があると判定されるときに、情報配信装置から通知された路面状態情報を乗員に通知するようにしたから、路面状態情報で通知された路面状態に則して、情報提供を行うかどうかを判定することができ、不必要な情報提供が乗員に対して行われることを回避することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した、車載情報提供装置100の一例を示す概略構成図である。
図1中、1は、道路側に配設されたインフラシステムから路面状態情報を入手し、必要に応じて、これを乗員に通知する車載制御装置であって、この車載制御装置1は、自車両において走行路面の路面状態を推定する路面状態推定部2を備えている。
【0011】
前記車載制御装置1は、道路側に配設されたインフラシステムとの間で通信を行い、現走行地点よりも前方の走行路面の路面状態情報を獲得するための車載無線機等の路車間通信装置11からの情報、車両の適所に搭載された車速センサ12からの自車両の走行速度、さらに、前記路面状態推定部2で推定した推定路面状態をもとに、前記路車間通信装置11で獲得した、自車両前方の路面状態情報を、乗員に通知する必要があるかどうかを判定する。そして、路面状態情報を乗員に通知する必要がある場合には、情報提供を行うタイミングを算出し、算出した情報提供タイミングで、モニタ13及びスピーカ14を操作し、文字等の表示情報及び音声によって、路面状態情報を乗員に通知する。
【0012】
前記路面状態推定部2は、図示しないワイパーの作動状態を検出するためのワイパースイッチ21、現走行地点付近の気象情報を入手するための気象情報収集装置22及び、走行中の走行路の路面摩擦係数μを推定する路面μ推定部23からの情報をもとに、走行中の路面状態を推定する。
前記気象情報収集装置22は、例えば、インターネットで配信される、天気、気温、湿度、風速等といった気象情報を取得するためのインターネット通信端末で構成される。
【0013】
また、前記路面μ推定部23は、例えば、車両に搭載されているABS制御システム或いは、トラクションコントロールシステム等といった、車両挙動安定化制御装置24で検出されるスリップ率情報に基づいて路面μの推定を行う。
図2は、路車間通信装置11にインフラ情報を提供するための道路側に配設されたインフラシステムの一例を示したものであって、インフラシステムと車載制御装置1とで、AHS(走行支援道路システム)として機能するようになっている。
【0014】
前記インフラシステムを構成するインフラ設備は、凍結等の路面の変化が多発する地点、或いは、スリップ事故多発地点等に設けられている。そして、これらインフラ設備は、路面状態情報等といった路面情報提供支援に有用な情報を提供する。また、その検知範囲は、インフラシステムの配設場所周辺において、路面状態が最悪となると予測される地点を含む範囲に設定されている。
前記図2においては、インフラ設備として、検知範囲内の路面状態を検知する路面状況把握センサ31が複数(図2の場合には、3個)配設されている。この路面状況把握センサ31としては、例えば、レーザレーダセンサ、電波放射計、可視カメラ、光ファイバセンサ等を適用することができる。
【0015】
そして、各路面状況把握センサ31で検出された情報は、インフラ制御装置32に入力される。このインフラ制御装置32は、送信情報生成部32aと走行路の道路線形記憶部32bとから構成され、前記送信情報生成部32aでは、路面状況把握センサ31で検出された情報をもとに、検出範囲内の路面状況を所定区間毎(例えば50〔m〕毎)に特定し、車両に送信すべき所定の送信情報を、所定周期、例えば100〔msec〕毎にインフラ情報送信機33に送信する。前記送信情報は、路面状態情報及び記憶道路線形情報等であって、前記路面状態情報は、その検出値、検出時刻、路面状態検出区間、つまり、インフラシステムが情報提供の対象としている情報対象区間の開始点及び路面状態検出区間の終了点の位置情報、対象路面状態内容等を含んでいる。この対象路面状態内容としては、例えば、乾燥(路面の表面に全く水分のない状態)、湿潤(路面の表面が湿っている状態)、水膜(路面の表面に水の層が形成されている状態)、積雪(雪片、あられ、ひょうなどが路面を覆った状態)、凍結(路面表面の雪片や水分が凍った状態)の5状態が定義されている。
【0016】
前記道路線形記憶部32bには、全国地図情報が格納され、前記送信情報生成部32aでは、図示しない、GPS(Global Positioning System)等の自車両位置検出装置で検出された現在位置情報に基づき、前記道路線形記憶部32bの全国地図情報から、自車両が走行している周辺の走行経路やその形状、例えばカーブ路の半径や坂道の勾配といった地形情報、車線数や車線幅、或いは走行環境情報等を、前記道路線形情報として獲得する。
【0017】
また、前記インフラ情報送信機33よりも手前側の、前記インフラ情報送信機33によるインフラ情報の提供が行われるサービスエリアの開始部分には、前記サービスエリアの開始位置を通知するための基点情報送信機34が設置されている。
そして、前記車載制御装置1では、路車間通信装置11を介して、前記基点情報送信機34から、サービスエリアの開始位置が通知されたとき、情報提供サービスが開始されることを認識し、これ以後受信したインフラ情報を有効な情報とし、このインフラ情報に基づいて所定の処理を実行する。
【0018】
図3は、車載制御装置1において実行される、インフラシステムから獲得したインフラ情報を乗員に通知するための、情報提供制御処理の処理手順の一例を示したものである。車載制御装置1では、例えば、基点情報送信機34から、基点情報としてサービスエリアの開始位置が通知された時点から、例えば、サービスエリアの終点を通知するための図示しない終点情報送信機等によりサービスエリアの終点が通知されるまで等、サービスエリアを通過し終えるまでの間、前記情報提供制御処理を所定周期で実行するようになっている。
【0019】
また、前記基点情報送信機34からの基点情報を受信したとき、後述の情報提供タイミングの演算で用いるため、車両の走行距離を積算する図示しない走行距離計の積算値をリセットする。つまり、基点情報を受信した位置からの走行距離を計測するようになっている。
そして、前記路車間通信装置11を介してインフラ情報を獲得すると、まず、ステップS2でこのインフラ情報が、路面状態情報を表すインフラ情報であるかどうかを判断する。具体的には、インフラ情報に予め付加されている提供サービスの種別を表す情報(例えばヘッダ識別子等)をもとに判断する。
【0020】
なお、インフラ情報が、路面状態情報を表すインフラ情報である場合には、インフラ情報として、検出日、検出時刻、路面状態検出区間内の分割区間毎に、分割区間の開始点、分割区間の終了点及び対象路面状態内容等が通知されることになる。また、前記対象路面状態内容としては、“乾燥、湿潤、水膜、積雪、凍結”の5状態が通知されることになる。
【0021】
そして、路面状態情報を表すインフラ情報を受信した場合には、ステップS4に移行し、前記ワイパースイッチ21の作動状況、気象情報収集装置22からの天気、気温、湿度、風速等といった気象情報、路面μ推定部23からの路面μ等をもとに、走行中の走行路の路面状態を推定し、路面状態が、前述の“乾燥、湿潤、水膜、積雪、凍結”の5状態の何れであるかを特定する。
【0022】
このようにして、路面状態を推定したならば、ステップS6に移行し、前記インフラ情報で通知された自車両前方の路面状態情報と、ステップS4で推定した推定路面状態とを比較し、両者に差があるかどうかを判断する。
なお、インフラ情報として、路面状態検出区間内の所定の分割区間毎のそれぞれについて状態情報が通知されるため、状態情報も複数通知されることになる。このため、通知された複数の路面状態情報のうち、路面状態が最悪である状態を、インフラ情報として通知された路面状態の代表値とし、この代表値について前記判断を行う。なお、路面状態は、“乾燥、湿潤、水膜、積雪、凍結”の順に悪化するものとし、すなわち、凍結が最悪の路面状態とする。
【0023】
例えば、インフラ情報として路面状態は“水膜”として通知され、路面状態推定部2では、推定路面状態は“乾燥”として判断された場合等、両者の路面状態が一致しないときには、両者に差があるとして、ステップS8に移行する。
このステップS8では、路面状態が悪化する方向に変化しているかどうかを判定する。すなわち、路面状態推定部2で推定した推定路面状態に対して、インフラ情報として通知された路面状態が悪化する方向に変化しているか、回復する方向に変化しているかを判断する。
【0024】
例えば、インフラ情報として路面状態は“水膜”として通知され、路面状態推定部2では、推定路面状態は“乾燥”として検出した場合には、路面状態が、“乾燥”から“水膜”に変化し、すなわち、路面状態が悪化する方向に変化すると判断する。そして、ステップS10に移行する。
一方、前記ステップS8で、例えば、インフラ情報として路面状態は“湿潤”として通知され、路面状態推定部2では、推定路面状態は“凍結”として検出した場合には、路面状態が、“凍結”から“湿潤”に変化し、すなわち路面状態が回復する方向に変化すると判断し、乗員に対する路面状態の情報提供は不要と判定してそのまま処理を終了する。
【0025】
前記ステップS10では、インフラ情報として通知された路面状態と、路面状態推定部2で推定した推定路面状態とに差があり、且つ、路面状態が悪化する方向に変化するような路面状態であって、乗員に対して路面状態に関する情報提供が必要と考えられる状況下において、この情報提供が真に必要かどうかを最終的に判断する。具体的には、インフラシステムの検知範囲である路面状態検知区間を通過する際に、検知された路面状態の路面を走行する際に安全走行を行うことが可能であると予測される目標車速Vtを路面状態毎に設定し、この目標車速Vtを自車速が上回っている場合に、情報提供が必要であると判断する。
【0026】
前記目標車速Vtは路面状態毎に予め設定し、図示しない所定の記憶領域に記憶しておく。
そして、車速センサ12で検出される自車速Vが、前記インフラ情報として通知された路面状態に対応する目標車速Vt以下である場合には、路面状態が変化したとしても安全走行が可能であって乗員に対する路面状態の情報提供は不必要であると判断し、そのまま処理を終了する。
【0027】
一方、ステップS10の処理で、自車速Vが前記目標車速Vtを上回っている場合には、情報提供が必要と判断し、ステップS12に移行する。
このステップS12では、路面状態の情報提供が必要であると判断された場合に、どのタイミングで乗員に対して情報提供を行うのが適切かを判断し、これに基づき、情報提供を行うタイミングを設定する。
【0028】
具体的には、図4に示すように基点情報送信機34の設置位置からインフラシステムの路面状態検知区間内における最悪の路面状態である検知区間の開始地点までの距離D〔m〕と、自車速V〔m/s〕と、路面状態毎に設定された、乾燥、或いは凍結等といった各路面状態の路面を走行する際に安全走行が可能と思われる所定の目標車速Vt〔m/s〕と、路面状態毎に設定された分割区間までの想定される減速度α〔m/s2〕とを用いて、次式(1)から、基点情報送信機34から何〔m〕過ぎた地点で情報提供を実施すれば良いかを算出する。
【0029】
なお、前記路面状態毎に設定された前記分割区間までの想定される減速度α〔m/s2〕は、インフラ情報として獲得した路面状態を走行する際に、発生させることが可能であると予測される、減速度であって、予め設定されて所定の記憶領域に格納されている。つまり、次式(1)は、路面状態に応じた減速度αで減速を行った際に、現在の走行速度Vを、目標車速Vtまで減速させるために必要な距離だけ、最悪の路面状態となる検知区間から手前となる地点を算出している。
【0030】
【数1】
【0031】
なお、乗員が情報提供を受けてから実際に行動を起こすまでの反応時間T〔sec〕を考慮し、次式(2)に基づいて算出するようにしてもよい。
【0032】
【数2】
【0033】
このようにして、ステップS12の処理で情報提供タイミング、すなわち、情報提供位置Lを算出したならば、ステップS14に移行し、前記ステップS12で求めた情報提供位置と、基点情報を受信した時点から積算していた自車両の走行距離とに基づき、自車両がステップS12で算出した情報提供位置に達したかどうかを判定し、情報提供位置に達していないと判断されるときには、ステップS10に戻り、上記と同様にして、再度情報提供位置の算出を行う。一方、自車両がステップS12で算出された情報提供位置に達したと判断されるときには、ステップS16に移行し、乗員への路面状態の情報提供を行う。
【0034】
具体的には、モニタ13とスピーカ14とを作動させ、自車両の位置から対象となる路面、つまり、路面状態が最悪となる分割区間までの距離と路面状態等とを通知する。
一方、前記ステップS6で、インフラ情報として通知された路面状態と、路面状態推定部2で推定した推定路面状態とに差がないと判断される場合、つまり、路面状態が一致していると判断される場合には、ステップS18に移行し、路面状態が“積雪”または“凍結”であるかを判断する。
【0035】
そして、路面状態が“積雪”または“凍結”である場合には、車両の挙動が不安定になりやすいと予測されることから情報提供が必要である可能性があると判断し、前記ステップS10に移行し、上記と同様にして、自車速に基づいて情報提供が必要かどうかの最終的な判断を行う。
一方、前記ステップS18で、路面状態は、“積雪”または“凍結”ではないと判断される場合には、乗員に対する路面状態の情報提供は不必要と判断し、そのまま処理を終了する。
【0036】
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
路車間通信装置11を介して基点情報送信機34から基点情報を受信すると、車載制御装置1では、図示しない走行距離計の積算値をリセットし、この基点情報受信時点からの走行距離の計測を開始すると共に、図3に示す情報提供制御処理を開始する。
【0037】
そして、インフラ情報送信機33からインフラ情報を受信し、これが路面状態情報である場合には(ステップS2)、走行中の走行路の路面状態の推定を行う(ステップS4)。
例えば、車両に搭載されたABS或いはトラクションコントールシステム等といった車両挙動安定化制御装置24からのスリップ率情報をもとに、現走行地点の路面μを推定し、この路面μと、ワイパースイッチ21の作動状況及び気象情報収集装置22で収集した気象情報に基づいて、現走行地点の路面状態が、“乾燥、湿潤、水膜、積雪、凍結”の5状態の何れであるかを特定する。
【0038】
このとき、例えば、走行中の走行路の推定路面状態は“乾燥”として推定され、また、インフラ情報として通知された路面状態情報において、路面状態検出区間内の各分割区間の路面状態が全て“乾燥”である場合には、路面状態に差がなく(ステップS6)、また、推定路面状態は“乾燥”であり(ステップS18)、路面状態に変化はないから、乗員に路面状態を通知する必要はないものとし、乗員への路面状態情報の情報提供は行わない。
この場合、現在の走行路面とこの先走行する路面状態とでは路面状態に変化はないから、乗員に前以って路面状態を通知しなくとも、何ら問題はない。また、路面状態が変化しないにも係わらず路面状態を通知することによって、乗員に不必要な情報提供を行い、違和感を与えることもない。
【0039】
この状態から、路面状態が、図4に示すように、路面状態検出区間内の分割区間A3では“水膜”、その他の分割区間A1,A2、A4では“湿潤”であり、且つ、路面状態検出区間手前の地点では路面状態が“乾燥”であるような、箇所にさしかかると、インフラ情報を受信した時点で路面状態推定部2では、路面状態は“乾燥”として推定するが、インフラ情報としては、“湿潤及び水膜”として通知される。したがって、両者が一致しないことから、ステップS6からステップS8に移行し、この場合、路面状態検出区間内の最悪の路面状態は“水膜”であり、路面状態は、“乾燥”から“水膜”に変化し、悪化する方向に変化することになるから、乗員に情報提供を行う必要があると判断される。
【0040】
そして、路面状態検出区間の最悪の路面状態は“水膜”であるから、路面状態が“水膜“である路面を走行する際に安全走行が可能であるとして設定した目標車速Vtを特定し、この目標車速Vtと自車速Vとを比較する。
このとき、自車速Vが、目標車速Vt以下であるときには(ステップS10)、現在の走行状態で路面状態が“水膜”の路面を走行したとしても安全走行が可能と予測されるから、乗員に情報提供は行わない。
【0041】
一方、自車速Vが目標車速Vtを上回り、現時点の走行状態でひき続き走行した場合、路面状態が“水膜”である分割区間A3を通過する際に、安全走行が可能であると判定されないときには、ステップS10からステップS12に移行し、前記(1)式に基づいて、情報提供タイミングが算出される。
この場合、最悪の路面状態は、“水膜”でありその分割区間はA3であるから、インフラ情報として通知される分割区間A3の開始地点までの距離Dと、この時点における車速センサ12からの自車速Vと、予め設定された前記分割区間A3の路面状態、つまり“水膜”に応じて想定された減速度αとをもとに、前記(1)式に基づいて、基点情報送信機34の設置位置から情報提供位置までの距離Lが算出される。
【0042】
そして、図示しない走行距離計で積算された基点情報を受信した時点からの走行距離と、情報提供位置との関係に基づいて自車両が走行提供位置に相当する地点に達したとみなされるとき、ステップS16に移行し情報提供が行われる。
つまり、路面状態が、悪化する方向に変化し、車両挙動が現在よりも、より不安定となる傾向にあるときには、情報提供が行われることになるため、運転者は、路面状態が“乾燥”から“水膜”に変化することを前以って認識することができる。よって、この時点で、例えば、車速を低下させる等といった、路面状態に悪化に対する対処を行うことができ、運転者に対し適切に走行支援を行うことができる。
【0043】
また、このとき、情報提供位置は、最悪のときの路面状態、この場合“水膜”を走行する際に発生可能と予測される減速度αに基づいて、算出するようにしているから、最悪の路面状態となるまでの路面状態を考慮して情報提供位置を設定することができ、より的確なタイミングで情報提供を行うことができる。
また、このとき、モニタ13及びスピーカ14の双方によって情報提供を行うようにしているから、モニタ13を見ることができない状況下、或いは、音声による情報提供を聞き取れないような状況にあっても、より確実に、運転者に情報提供を行うことができる。
【0044】
また、このとき、路面状態検出区間において、路面状態が最悪である分割区間A3の路面状態に基づいて情報提供を行うかどうかを判定し、また、分割区間A3を通過する際に的確となるタイミングで情報提供を行うようにしているから、情報提供の判定を的確に行うことができると共に、的確なタイミングで情報提供を行うことができる。
【0045】
一方、路面状態情報を獲得した地点における推定路面状態が“水膜”であり、且つインフラ情報で通知された路面状態が“乾燥”である場合には、路面状態に差はあるが、回復方向に変化している。したがって、回復方向にある状態で、乗員に情報提供を行ったとしても、運転者は路面状態の変化に対し、特に前以って対処を行う必要はないから、このような場合には、情報提供は行われない。したがって、乗員にとって、不必要な情報提供が行われることはない。
【0046】
また、例えば、路面状態推定部2で推定した推定路面状態と、インフラ情報として通知された路面状態とが一致する場合、路面状態に差はないから、ステップS6からステップS18に移行するが、このとき、路面状態が、“積雪或いは凍結”である場合には、路面状態は変化しないが車両挙動が不安定となりやすいと判断され、現時点の車速が、インフラ情報として通知された路面状態に応じた安全走行可能とみなされる目標車速以下であるかが判断され(ステップS10)、目標車速以下でない場合には、情報提供タイミングが算出されて算出したタイミングで情報提供が行われる(ステップS12〜ステップS16)。
【0047】
したがって、現在の走行車速で、路面状態検出区間を走行した場合に安全走行が可能であると判定されないときには、情報提供が行われることになるから、この時点で、運転者に注意を促すことができ、安全性をより向上させることができる。また、路面状態は変化しないが、車両挙動が不安定となりやすい路面状態がしばらく継続することを、乗員に通知することができるから、運転者は、例えば、加速を行わない等といった、特に、車両挙動が不安定となりやすい路面を走行することに対して、予め対策を施すことができ、運転者に対し、適切に走行支援を行うことができる。
【0048】
また、路面状態推定部2においては、ワイパースイッチ21の作動状況に基づいて路面状態を推定するようにしているから、ワイパースイッチ21が作動しているかいないかによっての雨天であるか否かを認識することができると共に、ワイパーの作動速度に基づいて雨量を容易に推定することができ、既存のワイパースイッチ21によって路面状態を容易に推定することができる。
【0049】
また、路面状態推定部2においては、車両挙動安定化制御装置24からのスリップ率情報に基づいて路面μを推定するようにしているから、走行状態に応じた路面の摩擦係数を検出することができ、路面が濡れているのか、雪が積もっているのか、凍っているのかを的確に識別することができる。また、車両挙動安定化制御装置24を搭載している車両である場合には、既存の車両挙動安定化制御装置24で保持しているスリップ率情報を流用して、路面μを検出することができるから、スリップ率情報を有効に活用することができる。
【0050】
また、路面状態推定部2において、気象情報収集装置22で収集した気象情報に基づいて、路面状態を推定するようにしているから、路面μ及びワイパーの作動状態と合わせて、気象情報をも考慮して路面状態を推定することによって、より的確に路面状態を推定することができる。
なお、上記第1の実施の形態においては、気象情報収集装置22をインターネット通信端末で構成し、インターネットによって、気象情報を獲得するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、気象情報収集装置22を、気象情報を入力可能に構成し、乗員が、例えば、走行中にラジオやテレビ等の天気予報情報で得た気象情報や、予め新聞、テレビ等で獲得した目的地周辺の気象情報等を入力するようにしてもよく、要は、走行地点の気象情報を得ることができればよい。
【0051】
また、上記第1の実施の形態においては、車両挙動安定化制御装置24からのスリップ率情報に基づいて路面μを推定するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、車両挙動安定化制御装置24を搭載していない場合には、路面μ推定部23においてスリップ率を検出しこれに基づいて路面μを推定するようにしてもよく、要は、路面μを推定することができれば、どのような方法であってもよい。
【0052】
また、上記第1の実施の形態においては、路面状態推定部2においては、ワイパースイッチ21、気象情報収集装置22、路面μ推定部23からの情報に基づいて、路面状態を推定するようにした場合について説明したが、必ずしもこれら3つからの情報に基づいて推定しなくともよく、これらのうちの何れか1つ或いは2つに基づいて推定するようにすることも可能である。しかしながら、高精度を得るためには、これら3つの情報に基づいて路面状態を推定するようにすることが望ましい。
【0053】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態における、車載情報提供装置100は、車載制御装置1側で路面状態の推定を行わず、インフラシステム側で路面状態を検出するようにしたものであって、図5に示すように、第2の実施の形態における車載情報提供装置100は、図1に示す第1の実施の形態における車載情報提供装置100において、路面状態推定部2、ワイパースイッチ21、気象情報収集装置22、路面μ推定部23及び車両挙動安定化制御装置24を除去したものである。
【0054】
そして、第2の実施の形態における、道路側のインフラシステムは、図6に示すように、上記第1の実施の形態と同様に路面状態検出区間に、路面状況把握センサ31が複数設けられていると共に、インフラ情報送信機33の近傍の、走行車両がインフラ情報を受信すると予測される区間(以後、予備検知区間という。)に、この予備検知区間の路面状態を検知するための、路面状況把握センサ41がさらに設けられている。
【0055】
この路面状況把握センサ41は、路面状態検出区間の路面状態を検出するための前記路面状況把握センサ31と同等の機能構成を有し、この路面状況把握センサ41の検出信号も、インフラ制御装置32に出力されるようになっている。
そして、インフラ制御装置32では、路面状況把握センサ41の検出信号に対しても路面状況把握センサ31の検出信号と同様に処理を行い、路面状態を表すインフラ情報として、上記第1の実施の形態と同様に路面状態検出区間の各路面状態及びこれに関する情報を通知すると共に、前記路面状況把握センサ41からの検出信号に基づく予備検知区間における路面状態を通知する。
【0056】
図7は、第2の実施の形態における、情報提供制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、上記第1の実施の形態における情報提供制御処理と同一部分には同一符号を付与している。
この第2の実施の形態における情報提供制御処理では、まず、ステップS2で、上記第1の実施の形態と同様にして、路面状態を表すインフラ情報を受信したかどうかを判定し、路面状態を表すインフラ情報を受信したとき、ステップS6aに移行する。
【0057】
このステップS6aでは、インフラ情報として受信した、予備検知区間における路面状態と、路面状態検出区間における路面状態情報とを比較し、両者に差があるかどうかを判定する。なお、この場合も路面状態検出区間からの路面状態として複数種の路面状態が通知された場合には、最悪の路面状態を代表値として判定を行う。
【0058】
そして、予備検知区間における路面状態と路面状態検出区間における路面状態とに差があるときにはステップS8aに移行し、予備検知区間の路面状態に対し、路面状態検出区間の路面状態は、悪化する方向に変化するか、それとも、回復する方向に変化するかを上記第1の実施の形態と同様にして判定する。
そして、悪化する方向に変化すると判定されるときにはステップS10に移行し、以後、上記第1の実施の形態と同様に処理を行い、現時点における自車速が、路面状態検出区間を安全走行することが可能と予測される目標車速を上回るとき、最悪の路面状態に応じて想定される減速度αで、自車速を、目標車速まで減速させることの可能な距離に応じたタイミングで、情報提供が行われる。
【0059】
一方、ステップS8aの処理で悪化する方向に変化しないと判定されるときには、そのまま処理を終了し、情報提供は行わない。
また、前記ステップS6aで、予備検知区間で検出された路面状態と、路面状態検出区間で検出された路面状態との間に差がないときには、ステップS18に移行し、以後、上記第1の実施の形態と同様に処理を行い、現時点における自車速が、路面状態検出区間を安全走行することが可能と予測される目標車速を上回るとき、最悪の路面状態に応じて想定される減速度αで、自車速を、目標車速まで減速させることの可能な距離に応じたタイミングで、情報提供が行われる。
【0060】
したがって、この第2の実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同等の作用効果を得ることができると共に、この第2の実施の形態においては、インフラ情報が通知された地点における路面状態を、道路側に設置されたインフラシステム側で検出するようにし、走行車両側では、このインフラ情報が通知された地点における路面情報についてもインフラ情報として獲得するようにしているから、走行車両側において路面状態の推定を行う必要がない。したがって、路面状態推定に要する、路面状態推定部2、ワイパースイッチ21、気象情報収集装置22、路面μ推定部23、車両挙動安定化制御装置24等を設ける必要がなく、その分、構成部品を削減することができると共に、車載制御装置1の処理負荷を軽減することができる。
【0061】
また、車両挙動安定化制御装置24を必要としないから、車両挙動安定化制御装置24が搭載されていない車両であっても適用することができ、的確なタイミングで情報提供を行うことができる。
また、インフラ情報を受信した地点における路面状態を、各種情報に基づいて車両側で推定するのではなく、インフラシステム側の路面状態把握センサ41で実際の路面状態を検出するようにしているから、より高精度な路面状態情報を得ることができ、より高精度に、路面状態情報の情報提供の必要性の有無を判定することができ、車載情報提供装置100の信頼性をより向上させることができる。
【0062】
なお、上記各実施の形態においては、路面状態として、5つの状態を識別するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、路面状況把握センサの性能、或いは、上記第1の実施の形態においては、路面状態推定部2での推定精度等に応じて、任意数の状態を設定することができる。
さらに、上記各実施の形態においては、路面状態に差がないときにのみ、路面状態が積雪或いは凍結であるかを判定し(ステップS18)、路面状態が積雪或いは凍結であって、車両挙動が不安定となる状況であると判定されるときには、自車速と目標車速との相対関係から必要に応じて情報提供を行って注意を促すようにした場合について説明したが、これに限らず、例えば、路面状態が回復する傾向にあるときにおいても同様に、路面状態が積雪或いは凍結である場合には、自車速と目標車速との相対関係を判定し、必要に応じて情報提供を行って注意を促すようにしてもよい。
【0063】
ここで、上記第1の実施の形態において、図2に示す道路側のインフラシステムが情報配信装置に対応し、路車間通信装置11が情報受信手段に対応し、路面状態推定部2が路面状態推定手段に対応し、図3のステップS6〜ステップS10、ステップS14及びステップS18の処理が必要性判定手段に対応し、ステップS12の処理が情報提供タイミング検出手段に対応し、ステップS16の処理が通知手段に対応し、ステップS18の処理が車両挙動判定手段に対応し、ワイパースイッチ21がワイパー作動状態検出手段に対応し、路面μ推定部23が路面摩擦係数推定手段に対応し、気象情報収集装置22が気象情報入手手段に対応している。
【0064】
また、上記第2の実施の形態において、図6に示す道路側のインフラシステムが情報配信装置に対応し、路車間通信装置11が情報受信手段に対応し、路面状況把握センサ31が路面状態検出手段に対応し、予備路面状況把握センサ41が予備検知手段に対応し、図7のステップS6aからステップS10、ステップS14及びステップS18の処理が必要性判定手段に対応し、ステップS12の処理が情報提供タイミング検出手段に対応し、ステップS16の処理が通知手段に対応し、ステップS18の処理が車両挙動判定手段に対応している。
【0065】
また、上記実施の形態においては、前記必要性判定手段は、前記路面状態検出区間の路面状態と前記情報受信地点の推定路面状態とが相違し、且つ前記情報受信地点の推定路面状態に対し、前記路面状態検出区間の路面状態が悪化する方向にあるときには、前記必要性があると判定する構成としたから、この先、路面状態が悪化することを前以って乗員に通知することができ、適切に走行支援を行うことができる。
【0066】
また、前記必要性判定手段は、前記路面状態検出区間の路面状態と前記情報受信地点の推定路面状態とが相違し、且つ前記情報受信地点の推定路面状態に対し、前記路面状態検出区間の路面状態が回復する方向にあるときには、前記必要性はないと判定する構成としたから、路面状態が回復する方向にあり、あえて道路状況を通知する必要のない状態で不必要な情報提供が行われることを回避することができる。
【0067】
また、前記必要性判定手段は、前記路面状態検出区間の路面状態と前記情報受信地点の推定路面状態とが同等であるとき、前記必要性がないと判定する構成としたから、路面状態に変化がない状態で、不必要な情報提供が行われることを回避することができる。
また、前記必要性判定手段は、前記路面状態検出区間の路面状態が、車両挙動が不安定となりやすい路面状態であるかどうかを判定する車両挙動判定手段を備え、当該車両挙動判定手段で、車両挙動が不安定となりやすい路面状態であると判定されるときには、前記必要性があると判定する構成としたから、路面状態の変化がない場合、或いは回復傾向にある場合等であっても、車両挙動が不安定となりやすい路面状態であるときには情報提供を行うことによって、車両挙動が不安定となる路面状態が継続することを乗員に通知することで、ひき続き運転者に注意を促すことができる。
【0068】
また、自車両のワイパーの作動状態を検出するワイパー作動状態検出手段、スリップ率情報に基づいて路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段、及び自車両の走行地点近傍の気象情報を入手する気象情報入手手段のうちの少なくとも何れか一つを備え、前記路面状態推定手段は、前記ワイパー作動状態検出手段で検出されたワイパーの作動状態、前記路面摩擦係数推定手段で推定された路面摩擦係数、及び前記気象情報入手手段で入手された気象情報のうちの少なくとも何れか一つに基づいて、前記路面状態を推定する構成としたから、路面状態を容易且つ的確に推定することができる。
【0069】
また、車両のスリップ率に基づいて車両挙動安定化制御を行う車両挙動安定化装置を備えた車両に搭載され、前記路面摩擦係数推定手段は、前記車両挙動安定化装置で推定される前記スリップ率情報を入手する構成としたから、車両挙動安定化装置で推定されるスリップ率情報を流用することで、容易にスリップ率情報を獲得することができると共に、スリップ率の検出に要する処理を削減することができる。
【0070】
また、自車両前方の路面状態検出区間の路面状態に関する情報を情報配信装置から受信する情報受信手段を備え、前記情報配信装置から受信した路面状態情報を、乗員に通知するようにした走行支援用車載情報提供装置において、前記情報配信装置は、予め設定した路面状態検出区間の路面状態を検出する路面状態検出手段と、当該路面状態検出手段より手前の、前記路面状態情報の配信地点近傍の予備検知区間の路面状態を検出する予備検知手段と、を有し、前記路面状態検出区間及び前記予備検知区間の路面状態情報を配信するようにした情報配信装置であって、前記路面状態情報で通知された前記路面状態検出区間の路面状態及び前記予備検知区間の路面状態に基づいて、前記路面状態検出区間の路面状態を、前記乗員に通知する必要性の有無を判定する必要性判定手段と、当該必要性判定手段で、前記必要性があると判定されるとき、前記路面状態検出区間の路面状態情報を乗員に通知する通知手段と、を備える構成としたから、路面状態情報で通知された路面状態に則して、情報提供を行うかどうかを判定することができ、不必要な情報提供が乗員に対して行われることを回避することができる。
【0071】
また、前記必要性判定手段は、前記路面状態検出区間の路面状態と前記予備検知区間の路面状態とが相違し、且つ前記予備検知区間の路面状態に対し、前記路面状態検出区間の路面状態が悪化する方向にあるとき、前記必要性があると判定する構成としたから、この先、路面状態が悪化することを前以って乗員に通知することができ、適切に走行支援を行うことができる。
【0072】
また、前記必要性判定手段は、前記路面状態検出区間の路面状態と前記予備検知区間の路面状態とが相違し、且つ前記予備検知区間の路面状態に対し、前記路面状態検出区間の路面状態が回復する方向にあるとき、前記必要性はないと判定する構成としたから、あえて道路状況を通知する必要のない状態で不必要な情報提供が行われることを回避することができる。
【0073】
また、前記必要性判定手段は、前記路面状態検出区間の路面状態と前記予備検知区間路面状態とが同等であるとき、前記必要性がないと判定する構成としたから、路面状態に変化がない状態で、不必要な情報提供が行われることを回避することができる。
また、前記必要性判定手段は、前記路面状態検出区間の路面状態が、車両挙動が不安定となりやすい路面状態であるかどうかを判定する車両挙動判定手段を備え、当該車両挙動判定手段で、車両挙動が不安定となりやすい路面状態であると判定されるときには、前記必要性があると判定する構成としたから、路面状態の変化がない場合、或いは回復傾向にある場合等であっても、車両挙動が不安定となりやすい路面状態であるときには情報提供を行うことによって、車両挙動が不安定となる路面状態が継続することを乗員に通知することで、ひき続き運転者に注意を促すことができる。
【0074】
また、前記必要性判定手段で、前記必要性があると判定されるとき、前記路面状態検出区間の路面状態に応じて、前記路面状態検出区間の路面状態情報を前記乗員に通知するタイミングを検出する情報提供タイミング検出手段を備え、前記通知手段は、前記情報提供タイミング検出手段で検出した情報提供タイミングで、前記路面状態情報を通知する構成としたから、路面状態検出区間の路面状態に応じた適切なタイミングで、情報提供を行うことができる。
【0075】
また、前記情報提供タイミング検出手段は、自車両が想定減速度で走行した場合に、前記路面状態検出区間に達するまでに目標車速まで減速可能な距離だけ手前の地点で前記通知を行うように前記情報提供タイミングを算出する構成としたから、路面状態検出区間に達するまでの自車速を十分減速させることができ、より的確且つ有効なタイミングで情報提供を行うことができる。
【0076】
また、前記想定減速度及び前記目標車速は、前記路面状態情報で通知される前記路面状態検出区間の路面状態に応じて設定する構成としたから、路面状態に適した情報提供タイミングを算出することができ、より的確なタイミングで情報提供を行うことができる。
さらに、前記通知手段は、音声及び情報表示により前記路面状態情報を通知する構成とし、音声或いは情報表示の何れか一方だけでなく双方によって、情報提供を行うようにしたから、より確実に情報提供を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における車載情報提供装置100の一例を示す概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態におけるインフラシステムの一例である。
【図3】第1の実施の形態における、情報提供処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施の形態の動作説明に供する説明図である。
【図5】第2の実施の形態における車載情報提供装置100の一例を示す概略構成図である。
【図6】第2の実施の形態におけるインフラシステムの一例である。
【図7】第2の実施の形態における、情報提供処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車載制御装置
2 路面状態推定部
11 路車間通信装置
12 車速センサ
13 モニタ
14 スピーカ
21 ワイパースイッチ
22 気象情報収集装置
23 路面μ推定部
24 車両挙動安定化制御装置
Claims (16)
- 自車両前方の路面状態検出区間の路面状態に関する情報を情報配信装置から受信する情報受信手段を有し、前記情報配信装置から受信した路面状態情報を、乗員に通知するようにした走行支援用車載情報提供装置において、
前記情報配信装置から前記路面状態情報を受信した情報受信地点の路面状態を推定する路面状態推定手段と、
当該路面状態推定手段で検出した前記情報受信地点の推定路面状態と、前記路面状態情報で通知された前記路面状態検出区間の路面状態とに基づいて、前記路面状態情報を乗員に通知する必要性の有無を判定する必要性判定手段と、
当該必要性判定手段で前記必要性があると判定されるとき、前記路面状態情報を乗員に通知する通知手段と、を備えることを特徴とする走行支援用車載情報提供装置。 - 前記必要性判定手段は、前記路面状態検出区間の路面状態と前記情報受信地点の推定路面状態とが相違し、且つ前記情報受信地点の推定路面状態に対し、前記路面状態検出区間の路面状態が悪化する方向にあるとき、前記必要性があると判定するようになっていることを特徴とする請求項1記載の走行支援用車載情報提供装置。
- 前記必要性判定手段は、前記路面状態検出区間の路面状態と前記情報受信地点の推定路面状態とが相違し、且つ前記情報受信地点の推定路面状態に対し、前記路面状態検出区間の路面状態が回復する方向にあるとき、前記必要性はないと判定するようになっていることを特徴とする請求項1又は2記載の走行支援用車載情報提供装置。
- 前記必要性判定手段は、前記路面状態検出区間の路面状態と前記情報受信地点の推定路面状態とが同等であるとき、前記必要性がないと判定するようになっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の走行支援用車載情報提供装置。
- 前記必要性判定手段は、前記路面状態検出区間の路面状態が、車両挙動が不安定となりやすい路面状態であるかどうかを判定する車両挙動判定手段を備え、
当該車両挙動判定手段で、車両挙動が不安定となりやすい路面状態であると判定されるときには、前記必要性があると判定するようになっていることを特徴とする請求項3又は4記載の走行支援用車載情報提供装置。 - 自車両のワイパーの作動状態を検出するワイパー作動状態検出手段、スリップ率情報に基づいて路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段、及び自車両の走行地点近傍の気象情報を入手する気象情報入手手段のうちの少なくとも何れか一つを備え、
前記路面状態推定手段は、前記ワイパー作動状態検出手段で検出されたワイパーの作動状態、前記路面摩擦係数推定手段で推定された路面摩擦係数、及び前記気象情報入手手段で入手された気象情報のうちの少なくとも何れか一つに基づいて、前記路面状態を推定するようになっていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の走行支援用車載情報提供装置。 - 車両のスリップ率に基づいて車両挙動安定化制御を行う車両挙動安定化装置を備えた車両に搭載され、
前記路面摩擦係数推定手段は、前記車両挙動安定化装置で推定される前記スリップ率情報を入手するようになっていることを特徴とする請求項6記載の走行支援用車載情報提供装置。 - 自車両前方の路面状態検出区間の路面状態に関する情報を情報配信装置から受信する情報受信手段を備え、前記情報配信装置から受信した路面状態情報を、乗員に通知するようにした走行支援用車載情報提供装置において、
前記情報配信装置は、予め設定した路面状態検出区間の路面状態を検出する路面状態検出手段と、当該路面状態検出手段より手前の、前記路面状態情報の配信地点近傍の予備検知区間の路面状態を検出する予備検知手段と、を有し、前記路面状態検出区間及び前記予備検知区間の路面状態情報を配信するようにした情報配信装置であって、
前記路面状態情報で通知された前記路面状態検出区間の路面状態及び前記予備検知区間の路面状態に基づいて、前記路面状態検出区間の路面状態を、前記乗員に通知する必要性の有無を判定する必要性判定手段と、
当該必要性判定手段で、前記必要性があると判定されるとき、前記路面状態検出区間の路面状態情報を乗員に通知する通知手段と、を備えることを特徴とする走行支援用車載情報提供装置。 - 前記必要性判定手段は、前記路面状態検出区間の路面状態と前記予備検知区間の路面状態とが相違し、且つ前記予備検知区間の路面状態に対し、前記路面状態検出区間の路面状態が悪化する方向にあるとき、前記必要性があると判定するようになっていることを特徴とする請求項8記載の走行支援用車載情報提供装置。
- 前記必要性判定手段は、前記路面状態検出区間の路面状態と前記予備検知区間の路面状態とが相違し、且つ前記予備検知区間の路面状態に対し、前記路面状態検出区間の路面状態が回復する方向にあるとき、前記必要性はないと判定するようになっていることを特徴とする請求項8又は9記載の走行支援用車載情報提供装置。
- 前記必要性判定手段は、前記路面状態検出区間の路面状態と前記予備検知区間路面状態とが同等であるとき、前記必要性がないと判定するようになっていることを特徴とする請求項8乃至10の何れかに記載の走行支援用車載情報提供装置。
- 前記必要性判定手段は、前記路面状態検出区間の路面状態が、車両挙動が不安定となりやすい路面状態であるかどうかを判定する車両挙動判定手段を備え、
当該車両挙動判定手段で、車両挙動が不安定となりやすい路面状態であると判定されるときには、前記必要性があると判定するようになっていることを特徴とする請求項10又は11記載の走行支援用車載情報提供装置。 - 前記必要性判定手段で、前記必要性があると判定されるとき、前記路面状態検出区間の路面状態に応じて、前記路面状態検出区間の路面状態情報を前記乗員に通知するタイミングを検出する情報提供タイミング検出手段を備え、
前記通知手段は、前記情報提供タイミング検出手段で検出した情報提供タイミングで、前記路面状態情報を通知するようになっていることを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の走行支援用車載情報提供装置。 - 前記情報提供タイミング検出手段は、自車両が想定減速度で走行した場合に、前記路面状態検出区間に達するまでに目標車速まで減速可能な距離だけ手前の地点で前記通知を行うように前記情報提供タイミングを算出することを特徴とする請求項13記載の走行支援用車載情報提供装置。
- 前記想定減速度及び前記目標車速は、前記路面状態情報で通知される前記路面状態検出区間の路面状態に応じて設定されることを特徴とする請求項14記載の走行支援用車載情報提供装置。
- 前記通知手段は、音声及び情報表示により前記路面状態情報を通知するようになっていることを特徴とする請求項1乃至15記載の走行支援用車載情報提供装置。
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