JP2004326322A - 画像処理方法、画像処理装置、画像処理プログラム及び画像記録装置 - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置、画像処理プログラム及び画像記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像のボケ感を低減させ、アーティファクトが発生しない画像処理を可能にする。
【解決手段】画像調整処理部704は、フィルムスキャナ部9のフィルムスキャナにより読み取られた画像信号に対して、ウェーブレット変換を施し、ウェーブレット変換により生成された高周波帯域成分の画像信号に対して、ノイズ除去処理(信号強度の抑制処理)を施す。ノイズ除去処理後、画像調整処理部704は、フィルムスキャナの読み取り特性(MTF特性)に基づいて、垂直方向の高周波帯域成分の画像信号と、水平方向の高周波帯域成分の画像信号に対し、それぞれ、鮮鋭性強調度合いの異なる鮮鋭性強調処理を施す。
【選択図】 図14

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理方法、画像処理装置、画像処理プログラム及び画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ミニラボ(小規模現像所)等において、カラー写真フィルム上に形成された画像を、CCD(Charged−Coupled Device)センサ等を用いたフィルムスキャナで読み取って、デジタル画像信号に変換することが行なわれている。フィルムスキャナにより読み取られた画像信号は、ネガポジ反転、輝度調整、カラーバランス調整、粒状除去、鮮鋭性強調に代表される種々の画像処理が施された後に、CD−R、フロッピー(登録商標)ディスク、メモリーカード等の記録媒体に記録されたり、インターネット経由で配布されたり、インクジェットプリンタ、サーマルプリンタ等でハードコピー画像として出力されたり、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の各種表示装置に表示されたりして鑑賞される。
【0003】
一般に、フィルムスキャナは、フィルムの幅手方向に配列されたラインCCDを用いて、ステッピングモーター等を用いてフィルムを長手方向に除々に搬送させて、写真フィルム上の画像の読み取りを行っている。しかしながら、フィルム表面の摩擦係数の影響、ステッピングモーター等の搬送系の精度の問題等により、フィルムの幅手方向に対して、フィルムの長手方向のMTF(Modulation Transfer Function)特性が低下してしまい、ぼやけた画像になるという問題が生じる。また、カールの大きい写真フィルムの場合には、逆に、フィルムの長手方向に対して、フィルムの幅手方向のMTF特性が低下してしまうという問題が生じる。
【0004】
このような問題を解決するために、公知のラプラシアンフィルタ、ソーベルフィルタ、ヒュッケルフィルタ等のハイパスフィルタを用いた技法、アンシャープマスク等の技法を用い、フィルム読み取り時の長手方向及び幅手方向のMTF特性に対応して、長手方向と幅手方向の鮮鋭強調度合いを変化させる方法が一般的に知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0005】
【非特許文献1】
井上誠喜、八木伸行、林正樹、中須英輔、三谷公二、奥井誠人 共著「C言語で学ぶ実践画像処理」オーム社
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、長手方向と幅手方向の鮮鋭強調度合いを変換させる従来の方法では、画像のボケ感に関しては若干の改善はなされているが、画像全体として不自然な印象を与えるとともに、アーティファクト(擬似輪郭)が発生してしまうという問題があった。
【0007】
本発明の課題は、画像のボケ感を低減させ、アーティファクトが発生しな画像処理を可能にすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、記録媒体に記録された画像信号を読み取る読取工程と、前記読取工程において読み取られた画像信号に対し、ウェーブレット変換を施す変換工程と、前記読取工程における読み取り特性に基づいて、前記ウェーブレット変換により生成された画像信号のうち、垂直方向の高周波帯域成分の画像信号と、水平方向の高周波帯域成分の画像信号に対し、それぞれ、鮮鋭性強調度合いの異なる鮮鋭性強調処理を施す鮮鋭性強調処理工程と、を含むことを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、記録媒体に記録された画像信号を読み取る画像信号読取部と、前記画像信号読取部により読み取られた画像信号に対し、ウェーブレット変換を施す変換部と、前記画像信号読取部による読み取り特性に基づいて、前記ウェーブレット変換により生成された画像信号のうち、垂直方向の高周波帯域成分の画像信号と、水平方向の高周波帯域成分の画像信号に対し、それぞれ、鮮鋭性強調度合いの異なる鮮鋭性強調処理を施す鮮鋭性強調処理部と、を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項7に記載の発明は、画像処理装置を制御するコンピュータに、記録媒体に記録された画像信号を読み取る画像信号読取機能と、前記読み取られた画像信号に対し、ウェーブレット変換を施す変換機能と、前記画像信号読取機能における読み取り特性に基づいて、前記ウェーブレット変換により生成された画像信号のうち、垂直方向の高周波帯域成分の画像信号と、水平方向の高周波帯域成分の画像信号に対し、それぞれ、鮮鋭性強調度合いの異なる鮮鋭性強調処理を施す鮮鋭性強調処理機能と、を実現させる。
【0011】
請求項10に記載の発明は、記録媒体に記録された画像信号を読み取る画像信号読取部と、前記画像信号読取部により読み取られた画像信号に対し、ウェーブレット変換を施す変換部と、前記画像信号読取部による読み取り特性に基づいて、前記ウェーブレット変換により生成された画像信号のうち、垂直方向の高周波帯域成分の画像信号と、水平方向の高周波帯域成分の画像信号に対し、それぞれ、鮮鋭性強調度合いの異なる鮮鋭性強調処理を施す鮮鋭性強調処理部と、前記鮮鋭性強調処理が施された画像信号を出力媒体に記録する画像記録部と、を備えることを特徴としている。
【0012】
請求項1、4、7、10に記載の発明によれば、画像信号の読み取り特性に基づいて、ウェーブレット変換により生成された画像信号のうち、垂直方向の高周波帯域成分の画像信号と、水平方向の高周波帯域成分の画像信号に対し、それぞれ、鮮鋭性強調度合いの異なる鮮鋭性強調処理を施すようにしたことにより、画像のボケ感が低減され、アーティファクトの発生がなく、自然な画像を得ることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理方法において、前記ウェーブレット変換は、二項ウェーブレット変換であることを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像処理装置において、前記ウェーブレット変換は、二項ウェーブレット変換であることを特徴としている。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像処理プログラムにおいて、前記ウェーブレット変換は、二項ウェーブレット変換であることを特徴としている。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の画像記録装置において、前記ウェーブレット変換は、二項ウェーブレット変換であることを特徴としている。
【0017】
請求項2、5、8、11に記載の発明によれば、ウェーブレット変換として、二項ウェーブレット変換を用いることにより、画像のボケ感をより低減させ、アーティファクトの発生がなく、自然な画像を得ることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像処理方法において、前記ウェーブレット変換により生成された高周波帯域成分の画像信号からノイズ成分を除去するノイズ除去工程を含み、前記ノイズ除去工程におけるノイズ成分除去後に、前記鮮鋭性強調処理工程における鮮鋭性強調処理が行われることを特徴としている。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の画像処理装置において、前記ウェーブレット変換により生成された高周波帯域成分の画像信号からノイズ成分を除去するノイズ除去部を備え、前記鮮鋭性強調処理部は、前記ノイズ除去部によるノイズ成分除去後に、前記鮮鋭性強調処理を行うことを特徴としている。
【0020】
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の画像処理プログラムにおいて、前記ウェーブレット変換により生成された高周波帯域成分の画像信号からノイズ成分を除去するノイズ除去機能を実現させ、前記鮮鋭性強調処理機能を実現させる際に、前記ノイズ除去機能によるノイズ成分除去後に、前記鮮鋭性強調処理を行うことを特徴としている。
【0021】
請求項12に記載の発明は、請求項10又は11に記載の画像記録装置において、前記ウェーブレット変換により生成された高周波帯域成分の画像信号からノイズ成分を除去するノイズ除去部を備え、前記鮮鋭性強調処理部は、前記ノイズ除去部によるノイズ成分除去後に、前記鮮鋭性強調処理を行うことを特徴としている。
【0022】
請求項3、6、9、12に記載の発明によれば、ノイズ除去処理後に鮮鋭性強調処理を行うようにしたことにより、画像信号に含まれる粒状ノイズ等のノイズを増加させることがなくなるとともに、画像のボケ感が低減され、アーティファクトが発生せず、自然な画像を得ることができる。
【0023】
次に、本発明において使用される語句について詳細に説明する。
【0024】
「ウェーブレット変換」とは、多重解像度変換の一つで、1回の変換操作により入力信号を低周波帯域成分信号と高周波帯域成分信号に分解し、得られた低周波帯域成分信号に対して同様の変換操作を行い、周波数帯域が異なる複数の信号からなる多重解像度信号を得るものである。得られた多重解像度信号を加工せずにそのまま逆多重解像度変換した場合、元の信号が再構成される。こうした手法については、例えば、G. Strang、T. Nguyen著“Wavelet and Filter Banks”Wellesley−Cambridge Press(邦訳 G.ストラング、T.グエン共著「ウェーブレット解析とフィルタバンク」培風館)に詳細な解説がなされている。
【0025】
以下、ウェーブレット変換について詳細に説明する。ウェーブレット変換とは、図1に例示されるような有限範囲で振動するウェーブレット関数(式(1))を用いて、入力信号f(x)に対するウェーブレット変換係数〈f、ψa,b〉を、式(2)のように求めることにより、式(3)で示されるウェーブレット関数の総和に分解する変換である。
【数1】
Figure 2004326322
【数2】
Figure 2004326322
【数3】
Figure 2004326322
【0026】
式(1)〜(3)において、aはウェーブレット関数のスケールを表し、bはウェーブレット関数の位置を示す。図1に例示するように、スケールaの値が大きいほどウェーブレット関数ψa,b(x)の周波数は小さくなり、位置bの値に従ってウェーブレット関数ψa,b(x)が振動する位置が移動する。従って、式(3)は、入力信号f(x)を、種々のスケールと位置を有するウェーブレット関数ψa,b(x)の総和に分解することを意味している。
【0027】
このようなウェーブレット変換の中で、直交ウェーブレット(orthogonal wavelet)変換、双直交ウェーブレット(biorthogonal wavelet)変換が知られている。以下、直交ウェーブレット変換、双直交ウェーブレット変換の概要を説明する。
【0028】
直交ウェーブレット変換及び双直交ウェーブレット変換のウェーブレット関数は、式(4)のように定義される。
【数4】
Figure 2004326322
但し、iは自然数である。
【0029】
式(4)と式(1)を比べると、直交ウェーブレット変換、双直交ウェーブレット変換においては、スケールaの値が2のi乗で離散的に定義され、また位置bの最小移動単位が2で離散的に定義されていることがわかる。このiの値はレベルと呼ばれる。
【0030】
レベルiを有限な上限Nまでに制限すると、入力信号f(x)は、式(5)〜(7)のように表される。
【数5】
Figure 2004326322
【数6】
Figure 2004326322
【数7】
Figure 2004326322
【0031】
式(5)の右辺第2項は、レベル1のウェーブレット関数ψ1,j(x)の総和で表せない残差の低周波帯域成分を、レベル1のスケーリング関数φ1,j(x)の総和で表したものである。スケーリング関数はウェーブレット関数に対応して適切なものが用いられる(段落番号0024に記載の文献を参照)。式(5)に示すレベル1のウェーブレット変換によって、入力信号f(x)=Sは、レベル1の高周波帯域成分Wと低周波帯域成分Sに信号分解されたことになる。
【0032】
ウェーブレット関数ψi,j(x)の最小移動単位は2ゆえ、入力信号Sの信号量に対して、高周波帯域成分Wと低周波帯域成分Sの信号量は各々1/2となり、高周波帯域成分Wと低周波帯域成分Sの信号量の総和は、入力信号Sの信号量と等しくなる。レベル1の低周波帯域成分Sは、式(6)でレベル2の高周波帯域成分Wと低周波帯域成分Sに分解され、以下同様にレベルN迄の変換を繰り返すことで、入力信号Sは、式(7)に示すように、レベル1〜Nの高周波帯域成分の総和と、レベルNの低周波帯域成分の和に分解される。
【0033】
ここで、式(6)で示す1レベルのウェーブレット変換は、図2に示すようなフィルタ処理で計算できることが知られている。図2において、LPFはローパスフィルタ、HPFはハイパスフィルタを示している。ローパスフィルタLPFとハイパスフィルタHPFのフィルタ係数は、ウェーブレット関数に応じて適切に定められる(段落番号0024に記載の文献を参照)。図2において、2↓は、信号を1つおきに間引くダウンサンプリングを示す。
【0034】
図2に示すように、入力信号Sn−1を、ローパスフィルタLPFとハイパスフィルタHPFで処理して、信号を1つおきに間引くことにより、入力信号Sn−1を、高周波帯域成分Wと低周波帯域成分Sに分解することができる。
【0035】
画像信号のような2次元信号における1レベルのウェーブレット変換は、図3に示すようなフィルタ処理で計算される。図3において、LPFx、HPFx、2↓xはx方向の処理を示し、LPFy、HPFy、2↓yは、y方向の処理を示す。まず、入力信号Sn−1をx方向のローパスフィルタLPFx、ハイパスフィルタHPFxによりフィルタ処理を行い、x方向にダウンサンプリングする。これにより、入力信号Sn−1は、低周波帯域成分SXと高周波帯域成分WXに分解される。低周波帯域成分SXと高周波帯域成分WXの各々に対して、y方向のローパスフィルタLPFy、ハイパスフィルタHPFyによるフィルタ処理を行い、y方向にダウンサンプリングする。
【0036】
この1レベルのウェーブレット変換により、低周波帯域成分Sn−1は、3つの高周波帯域成分Wv、Wh、Wdと、1つの低周波帯域成分Sに分解される。分解で生成されるWv、Wh、Wd、Sの各々の信号量は、分解前のSn−1に比べて縦横ともに1/2となるため、分解後の4成分の信号量の総和は、分解前のSn−1の信号と等しくなる。
【0037】
入力信号Sが3レベルのウェーブレット変換で信号分解される過程を模式的に図4に示す。図4に示すように、レベル数が大きくなるにつれて、ダウンサンプリングにより画像信号が間引かれ、分解画像が小さくなっていくことがわかる。
【0038】
また、図5に示すように、分解によって生成したWv、 Wh、Wd、Sに対し、フィルタ処理で計算されるウェーブレット逆変換を施すことにより、分解前の信号Sn−1を完全再構成できることが知られている。図5において、LPF’は、逆変換用のローパスフィルタ、HPF’は、逆変換用のハイパスフィルタを示している。また、2↑は、信号に1つおきにゼロを挿入するアップサンプリング処理を示す。また、LPF’x、HPF’x、2↑xは、x方向の処理を示し、LPF’y、HPF’y、2↑yは、y方向の処理を示す。
【0039】
図5に示すように、Sをy方向にアップサンプリング処理及びローパスフィルタLPF’によるフィルタ処理を施すことにより得られる信号と、Whをy方向におけるアップサンプリング処理及びハイパスフィルタHPF’によるフィルタ処理を施すことにより得られる信号とを加算してSXを得る。これと同様にして、WvとWdからWXを生成する。
【0040】
さらに、SXをx方向においてアップサンプリング処理及びローパスフィルタLPF’によるフィルタ処理を施すことにより得られる信号と、WXをx方向においてアップサンプリング処理及びハイパスフィルタHPF’によるフィルタ処理を施すことにより得られる信号とを加算することにより、分解前の信号Sn−1を再構成することができる。
【0041】
ウェーブレット逆変換の際に用いられるフィルタは、直交ウェーブレット変換の場合には変換する際に用いた係数と同じ係数のフィルタが使用される。双直交ウェーブレット変換の場合には、変換に用いた係数とは異なる係数のフィルタが逆変換の際に使用される(段落番号0024に記載の文献を参照)。
【0042】
なお、本発明におけるウェーブレット変換として双直交ウェーブレット変換を用いた場合、双直交ウェーブレット変換により生成される「垂直方向の高周波帯域成分の画像信号」は、Wvに対応し、「水平方向の高周波帯域成分の画像信号」は、Whに対応する。
【0043】
また、本発明における「読み取り特性」とは、記録媒体に記録された画像を読み取る画像信号読取部の特性を示し、例えば、写真フィルムに記録された画像を読み取るフィルムスキャナのMTF特性を示す。
【0044】
また、本発明において、垂直方向と水平方向の高周波帯域画像信号に対して鮮鋭強調処理を施す方法としては、公知の鮮鋭性強調技法を用いることが可能であるが、本発明においては、高周波帯域成分の画像信号の信号強度を増加させて鮮鋭性強調を行うことが最も好ましい。
【0045】
フィルムスキャナの読み取り解像度にもよるが、135サイズの銀塩フィルムを30〜90pixel/mm程度の解像度で読み取り、300dpi程度の出力解像度で2L版サイズの印画紙に出力する場合、レベル2までウェーブレット変換を行い、レベル1及びレベル2のウェーブレット変換により生成された垂直方向及び水平方向の高周波帯域成分の画像信号に対して、鮮鋭性強調処理を施すことが好ましい。また、このとき、レベル1よりもレベル2の方により強い鮮鋭性強調処理を施すことが好ましい。
【0046】
また、カラー画像の画像信号に対して本発明を実施する場合には、画像信号を輝度信号と色差信号に変換し、輝度信号と色差信号に対してウェーブレット変換を施すことが好ましい。画像信号を輝度信号と色差信号に変換するとは、例えば、元画像のRGBの3色の強度信号を、当業者間で公知のYIQ基底、HSV基底、YUV基底等に変換するか、或いはsRGBやNTSC等の規格に基づきCIE1931表色系のXYZ基底、CIE1976の勧告するL*a*b*基底、L*u*v*基底等に変換することを意味する。また、例えば、特開昭63−26783号公報の実施例に見られるようなRGBの平均値を輝度信号とし、これに直交する2軸を色差信号とするような変換でもよい。特に本発明における画像処理は、輝度信号に対して実施することが好ましい。
【0047】
次に、請求項2、5、8、11に記載された二項ウェーブレット変換について説明する。本発明で利用する二項ウェーブレット(Dyadic Wavelet)変換については、S. Mallat、W.L. Hwang著“Singularity detection and processing with the wavelets”IEEE Trans. Inform. Theory、1992年、38、p.617や、S.Mallat、S.Zhong著”Characterization of signals from multiscale edges”IEEE Trans. Pattern Anal. Machine Intel. 14 710 (1992)、S.Mallat著“A wavelet tour of signal processing 2ed.” Academic Press に詳細な説明がある。以下、二項ウェーブレット変換の概要を説明する。
【0048】
二項ウェーブレット変換で用いられるウェーブレット関数は式(8)のように定義される。
【数8】
Figure 2004326322
但し、iは自然数である。
【0049】
直交ウェーブレット変換、双直交ウェーブレット変換のウェーブレット関数は、上述のように、レベルiにおける位置の最小移動単位が2で離散的に定義されていたのに対し、二項ウェーブレット変換は、レベルiにかかわらず位置の最小移動単位が一定である。この相違により、二項ウェーブレット変換は、下記の特徴を有する。
【0050】
第一の特徴として、式(9)に示す1レベルの二項ウェーブレット変換で生成する、高周波帯域成分Wと低周波帯域成分Sの各々の信号量は、変換前の信号Si−1と同一である。
【数9】
Figure 2004326322
このように、二項ウェーブレット変換は、双直交・直交ウェーブレット変換と異なり、変換後の画像サイズは元画像より減少しない。
【0051】
二項ウェーブレット変換の第二の特徴として、スケーリング関数φi,j(x)とウェーブレット関数ψi,j(x)の間に、下記の関係式(10)が成立する。
【数10】
Figure 2004326322
従って、二項ウェーブレット変換で生成する、高周波帯域成分Wは、低周波帯域成分Sの1階微分(勾配)で表される。
【0052】
二項ウェーブレット変換の第三の特徴として、ウェーブレット変換のレベルiに応じて定められた係数γ(上述の二項ウェーブレットに関する参考文献を参照)を高周波帯域成分に乗じたW・γ(以下、これを「補正済高周波帯域成分」と称す)について、入力信号の信号変化の特異性(singularity)に応じて、該変換後の補正済高周波帯域成分W・γの信号強度のレベル間の関係が一定の法則に従う。
【0053】
図6に、入力信号Sの波形と、ウェーブレット変換により得られる各レベルの補正済高周波帯域成分の波形を示す。図6において、(a)は入力信号Sを示し、(b)はレベル1の二項ウェーブレット変換により得られる補正済高周波帯域成分W・γを示し、(c)はレベル2の二項ウェーブレット変換により得られる補正済高周波帯域成分W・γを示し、(d)はレベル3の二項ウェーブレット変換により得られる補正済高周波帯域成分W・γを示し、(e)はレベル4の二項ウェーブレット変換により得られる補正済高周波帯域成分W・γを示す。
【0054】
各レベルにおける信号強度の変化を見ると、(a)において、“1”や“4”に示すなだらかな(微分可能な)信号変化に対応する補正済高周波帯域成分W・γは、(b)→(e)に示すようにレベル数iが増大するほど信号強度が増大する。
【0055】
入力信号Sにおいて、“2”に示すステップ状の信号変化に対応する補正済高周波帯域成分W・γは、レベル数iに関わらず信号強度が一定となる。入力信号Sにおいて、“3”に示すδ関数状の信号変化に対応する補正済高周波帯域成分W・γは、(b)→(e)に示すように、レベル数iが増大するほど信号強度が減少する。
【0056】
二項ウェーブレット変換における第四の特徴として、画像信号のような2次元信号における1レベルの二項ウェーブレット変換の方法は、上述の直交ウェーブレット変換や双直交ウェーブレット変換と異なり、以下の図7に示す方法で行われる。
【0057】
図7に示すように、1レベルの二項ウェーブレット変換により、入力信号Sn−1を、x方向のローパスフィルタLPFx及びy方向のローパスフィルタLPFyで処理することにより、低周波帯域成分Sが得られる。また、入力信号Sn−1を、x方向のハイパスフィルタHPFxで処理することにより、高周波帯域成分Wxが得られる。更に、入力信号Sn−1を、y方向のハイパスフィルタHPFyで処理することにより、もう一つの高周波帯域成分Wyが得られる。
【0058】
このように、1レベルの二項ウェーブレット変換により、入力信号Sn−1は、2つの高周波帯域成分Wx、Wyと、1つの低周波帯域成分Sに分解される。2つの高周波帯域成分Wx、Wyは、低周波帯域成分Sの2次元における変化ベクトルVのx成分とy成分に相当する。変化ベクトルVの大きさMと偏角Aは式(11)及び式(12)で与えられる。
【数11】
Figure 2004326322
【数12】
Figure 2004326322
【0059】
また二項ウェーブレット変換で得られた2つの高周波帯域成分Wx、Wyと1つの低周波帯域成分Sに、図8に示す二項ウェーブレット逆変換を施すことにより、変換前の信号Sn−1を再構成することができる。すなわち、Sをx方向のローパスフィルタLPFx及びy方向のローパスフィルタLPFyで処理することにより得られる信号と、Wxをx方向のハイパスフィルタHPFx及びy方向のローパスフィルタLPFyで処理することにより得られる信号と、Wyをx方向のローパスフィルタLPFx及びy方向のハイパスフィルタHPFyで処理することにより得られる信号と、を加算することによって、二項ウェーブレット変換前の信号Sn−1を得ることができる。
【0060】
次に、図9のブロック図に基づいて、入力信号Sに対してnレベルの二項ウェーブレット変換を行い、得られた高周波帯域成分、低周波帯域成分に対して何らかの画像処理(図9では「編集」と記述。)を行った後に、nレベルの二項ウェーブレット逆変換を行って出力信号S’を得るまでの方法について説明する。
【0061】
入力信号Sに対するレベル1の二項ウェーブレット変換によって、入力信号Sは、2つの高周波帯域成分Wx、Wyと低周波帯域成分Sに分解される。レベル2のウェーブレット変換によって、レベル1の二項ウェーブレット変換で得られた低周波帯域成分Sは、更に2つの高周波帯域成分Wx、Wyと低周波帯域成分Sに分解される。この様な分解操作をレベルnまで繰り返すことにより、入力信号Sは、複数の高周波帯域成分Wx、Wx、…、Wx、Wy、Wy、…、Wyと、1つの低周波帯域成分Sとに分解される。
【0062】
このようにして得られた高周波帯域成分Wx、Wx、…、Wx、Wy、Wy、…、Wy、低周波帯域成分Sに対して画像処理(編集)が行われ、高周波帯域成分Wx’、Wx’、…、Wx’、Wy’、Wy’、…、Wy’、低周波帯域成分S’が得られる。
【0063】
そして、これら高周波帯域成分Wx’、Wx’、…、Wx’、Wy’、Wy’、…、Wy’、低周波帯域成分S’に、二項ウェーブレット逆変換が施される。すなわち、画像処理(編集)後のレベルnにおける2つの高周波帯域成分Wx’、Wy’と低周波帯域成分S’から、画像処理後のレベルn−1の低周波帯域成分Sn−1’が構成される。このような操作を繰り返し、画像処理後のレベル2における2つの高周波帯域成分Wx’、Wy’と低周波帯域成分S’から、画像処理後のレベル1の低周波帯域成分S’が構成される。この低周波帯域成分S’と、画像処理後のレベル1における2つの高周波帯域成分Wx’、Wy’から、画像信号S’が構成される。
【0064】
なお、図9において用いられる各フィルタのフィルタ係数は二項ウェーブレット変換に応じて適切に定められる。また二項ウェーブレット変換においては、レベル毎に用いるフィルタのフィルタ係数が異なる。レベルnにおいて使用するフィルタ係数は、レベル1のフィルタの各係数の間に2n−1−1個のゼロを挿入したものが用いられる。
【0065】
このように、ウェーブレット変換として二項ウェーブレット変換を用いるのは、二項ウェーブレット変換は、画像サイズが減少しないため、双直交ウェーブレット変換を用いたときより、画像のボケ感をより減少させることができ、画像全体が自然な印象で、またアーティファクトの発生がない画像が得られることによる。
【0066】
なお、本発明におけるウェーブレット変換として双直交ウェーブレット変換を用いた場合、二項ウェーブレット変換により生成される「垂直方向の高周波帯域成分の画像信号」は、Wxに対応し、「水平方向の高周波帯域成分の画像信号」は、Wyに対応する。
【0067】
二項ウェーブレット変換を用いる場合においても、フィルムスキャナの読み取り解像度にもよるが、135サイズの銀塩フィルムを30〜90pixel/mm程度の解像度で読み取り、300dpi程度の出力解像度で2L版サイズの印画紙に出力する場合、レベル2まで二項ウェーブレット変換を行い、レベル1及びレベル2の二項ウェーブレット変換により生成された垂直方向及び水平方向の高周波帯域成分の画像信号に対して、鮮鋭性強調処理を施すことが好ましい。また、このとき、レベル1よりもレベル2の方により強い鮮鋭性強調処理を施すことが好ましい。
【0068】
請求項3、6、9、12に記載の発明におけるノイズ除去の方法としては、一般的なノイズ除去の手法を適用することができるが、本発明においては、ウェーブレット変換により生成された高周波帯域成分の画像信号のうち、信号強度に関して予め設定された条件を満たす画素に対して、信号強度を抑制する処理を行うことが好ましい。
【0069】
ここで、「信号強度を抑制する処理」とは、画素の信号強度(信号値)の絶対値を小さくするように処理することを意味する。また、「信号強度に関して予め設定された条件を満たす」画素(以下、特定画素と称す。)の選定方法としては、例えば下記のような方法を用いることができる。
【0070】
▲1▼高周波帯域成分の信号強度の標準偏差σに基づいて決定される閾値により選定する方法。これは、特定画素の信号強度の絶対値が閾値以下となる場合に信号強度を抑制する方法である。この場合、選定の基準となる閾値は、標準偏差σ*0.5〜σ*1.5程度にするのがよい。ここで、「*」は乗算を意味する。この場合の信号強度の抑制量としては、一定量や一定の比率で抑制してもよいが、閾値よりも小さい方に離れるにつれ抑制量や抑制率を大きくするようにしてもよい。
【0071】
▲2▼信号強度の平均値,メジアン,モード等を用いて閾値を決定し、その決定された閾値により選定する方法。
【0072】
▲3▼二項ウェーブレット変換に適用される方法として、二項ウェーブレット変換により得られたレベルPの補正済み高周波帯域成分画像と、レベルP+1又はレベルP−1の補正済み高周波帯域成分画像の対応する画素の信号強度の比較に基づいて選定する方法。ここで補正済高周波帯域成分とは、前述したように二項ウェーブレット変換のレベルiに応じて定められた係数γを高周波数帯域成分に乗じたものである。
【0073】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0074】
〈画像記録装置1の外観構成〉
まず、画像記録装置1の構成を説明する。
【0075】
図10は、本実施の形態における画像記録装置1の外観構成を示す斜視図である。画像記録装置1は、図10に示すように、筐体2の一側面に、感光材料を装填するためのマガジン装填部3が備えられている。筐体2の内側には、感光材料に露光する露光処理部4と、露光された感光材料を現像処理して乾燥し、プリントを作成するためのプリント作成部5が備えられている。筐体2の他側面には、プリント作成部5で作成されたプリントを排出するためのトレー6が備えられている。
【0076】
また、筐体2の上部には、表示装置としてのCRT(Cathode Ray Tube)8、透過原稿を読み込む装置であるフィルムスキャナ部9、反射原稿入力装置10、操作部11が備えられている。このCRT8が、プリントを作成しようとする画像情報の画像を画面に表示する表示手段を構成している。更に、筐体2には、各種デジタル記録媒体に記録された画像情報を読み取り可能な画像読込部14、各種デジタル記録媒体に画像信号を書き込み(出力)可能な画像書込部15が備えられている。また、筐体2の内部には、これらの各部を集中制御する制御部7が備えられている。
【0077】
画像読込部14には、PCカード用アダプタ14a、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ14bが備えられ、PCカード13aやフロッピー(登録商標)ディスク13bが差し込み可能になっている。PCカード13aは、例えば、デジタルカメラで撮像された複数の駒画像の情報が記録されたメモリを有する。フロッピー(登録商標)ディスク13bには、例えば、デジタルカメラで撮像された複数の駒画像の情報が記録される。
【0078】
画像書込部15には、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ15a、MO用アダプタ15b、光ディスク用アダプタ15cが備えられ、それぞれ、FD16a、MO16b、光ディスク16cが差し込み可能になっている。光ディスク16cとしては、CD−R、DVD−R等がある。
【0079】
なお、図10では、操作部11、CRT8、フィルムスキャナ部9、反射原稿入力装置10、画像読込部14が、筐体2に一体的に備えられた構造となっているが、これらの何れか1つ以上を別体として設けるようにしてもよい。
【0080】
なお、図10に示した画像記録装置1では、感光材料に露光して現像してプリントを作成するものが例示されているが、プリント作成方式はこれに限定されず、例えば、インクジェット方式、電子写真方式、感熱方式、昇華方式等の方式を用いてもよい。
【0081】
〈画像記録装置1の内部構成〉
図11は、画像記録装置1の内部構成を示すブロック図である。画像記録装置1は、図11に示すように、制御部7、露光処理部4、プリント生成部5、フィルムスキャナ部9、反射原稿入力装置10、画像読込部14、通信手段(入力)32、画像書込部15、データ蓄積手段71、操作部11、CRT8、通信手段(出力)33から構成される。
【0082】
制御部7は、マイクロコンピュータにより構成され、ROM(Read Only Memory)等の記憶部(図示略)に記憶されている画像処理プログラム等の各種制御プログラムと、CPU(Central Processing Unit)(図示略)との協働により、画像記録装置1を構成する各部の動作を制御する。
【0083】
制御部7は、本発明の画像処理装置に係る画像処理部70を有し、操作部12からの入力信号(指令情報)に基づいて、フィルムスキャナ部9や反射原稿入力装置10から読み取られた画像信号、画像読込部14から読み込まれた画像信号、外部機器から通信手段32を介して入力された画像信号に対して、本発明の画像処理を施して露光用画像情報を形成し、露光処理部4に出力する。また、画像処理部70は、画像処理された画像信号に対して出力形態に応じた変換処理を施して出力する。画像処理部70の出力先としては、CRT8、画像書込部15、通信手段(出力)33等がある。
【0084】
露光処理部4は、感光材料に画像の露光を行い、この感光材料をプリント作成部5に出力する。プリント作成部5は、露光された感光材料を現像処理して乾燥し、プリントP1、P2、P3を作成する。プリントP1は、サービスサイズ、ハイビジョンサイズ、パノラマサイズ等のプリントであり、プリントP2は、A4サイズのプリントであり、プリントP3は、名刺サイズのプリントである。
【0085】
フィルムスキャナ部9は、アナログカメラにより撮像された現像済みのネガフィルムN、リバーサルフィルム等の透過原稿に記録されたコマ画像を読み取り、コマ画像のデジタル画像信号を取得する。反射原稿入力装置10は、フラットベットスキャナにより、プリントP(写真プリント、書画、各種の印刷物)上の画像を読み取り、デジタル画像信号を取得する。
【0086】
画像読込部14は、PCカード13aやフロッピー(登録商標)ディスク13bに記録された駒画像情報を読み出して制御部7に転送する。この画像読込部14は、画像転送手段30として、PCカード用アダプタ14a、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ14b等を有する。画像読込部14は、PCカード用アダプタ14aに差し込まれたPCカード13aや、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ14bに差し込まれたフロッピー(登録商標)ディスク13bに記録された駒画像情報を読み取り、制御部7に転送する。PCカード用アダプタ14aとしては、例えばPCカードリーダやPCカードスロット等が用いられる。
【0087】
通信手段(入力)32は、画像記録装置1が設置された施設内の別のコンピュータや、インターネット等を介した遠方のコンピュータから、撮像画像を表す画像信号やプリント命令信号を受信する。
【0088】
画像書込部15は、画像搬送部31として、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ15a、MO用アダプタ15b、光ディスク用アダプタ15cを備えている。画像書込部15は、制御部7から入力される書込信号に従って、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ15aに差し込まれたフロッピー(登録商標)ディスク16a、MO用アダプタ15bに差し込まれたMO16b、光ディスク用アダプタ15cに差し込まれた光ディスク16cに、本発明における画像処理方法によって生成された画像信号を書き込む。
【0089】
データ蓄積手段71は、画像情報とそれに対応する注文情報(どの駒の画像から何枚プリントを作成するかの情報、プリントサイズの情報等)とを記憶し、順次蓄積する。
【0090】
操作部11は、情報入力手段12を有する。情報入力手段12は、例えば、タッチパネル等により構成されており、情報入力手段12の押下信号を入力信号として制御部7に出力する。なお、操作部11は、キーボードやマウス等を備えて構成するようにしてもよい。CRT8は、制御部7から入力された表示制御信号に従って、画像情報等を表示する。
【0091】
通信手段(出力)33は、本発明の画像処理を施した後の撮影画像を表す画像信号と、それに付帯するオーダー情報を、画像記録装置1が設置された施設内の他のコンピュータや、インターネット等を介した遠方のコンピュータに対して送信する。
【0092】
〈画像処理部70の構成〉
図12は、本発明の画像処理装置に係る画像処理部70の機能的構成を示すブロック図である。画像処理部70は、図12に示すように、フィルムスキャンデータ処理部701、反射原稿スキャンデータ処理部702、画像データ書式解読処理部703、画像調整処理部704、CRT固有処理部705、プリンタ固有処理部706、プリント固有処理部707、画像データ書式作成処理部708から構成される。
【0093】
フィルムスキャンデータ処理部701は、フィルムスキャナ部9から入力された画像情報に対し、フィルムスキャナ部9固有の校正操作・ネガ原稿の場合のネガポジ反転・グレーバランス調整・コントラスト調整等を施し、画像調整処理部704に出力する。また、フィルムスキャンデータ処理部701は、フィルムサイズ、ネガポジ種別、フィルムに光学的又は磁気的に記録されたISO感度、メーカー名、主要被写体に関わる情報、撮影条件に関する情報(例えばAPSの記載情報内容)なども併せて画像調整処理部704に出力する。
【0094】
反射原稿スキャンデータ処理部702は、反射原稿入力装置10から入力された画像情報に対し、反射原稿入力装置10固有の校正操作、ネガ原稿の場合のネガポジ反転、グレーバランス調整、コントラスト調整等を施し、画像調整処理部704に出力する。
【0095】
画像データ書式解読処理部703は、画像転送手段30や通信手段(入力)32から入力された画像信号のデータ書式に従って、圧縮符号の復元、色データの表現方法の変換等を行い、画像調整処理部704に出力する。
【0096】
画像調整処理部704には、フィルムスキャンデータ処理部701、反射原稿スキャンデータ処理部702、画像データ書式解読処理部703において処理された画像情報を出力するほかに、操作部11の操作によって、主要被写体に関わる情報及び撮影条件に関する情報を出力することが可能である。
【0097】
画像調整処理部704は、フィルムスキャナ部9のフィルムスキャナにより読み取られた画像信号に対して、ウェーブレット変換を施し、ウェーブレット変換により生成された高周波帯域成分の画像信号のうち、信号強度が予め設定された条件を満たす画素に対して、信号強度を抑制する抑制処理を施す。ここで、「予め設定された条件を満たす画素」とは、ウェーブレット変換により生成された高周波帯域成分の画像信号の信号強度の絶対値の標準偏差σに基づいて決定された閾値以下の画素という意味である。この抑制処理は、高周波帯域成分の画像信号に含まれるノイズ成分を除去する処理(ノイズ除去処理)に対応する。
【0098】
また、画像調整処理部704は、ノイズ除去処理後、フィルムスキャナの読み取り特性に基づいて、垂直方向の高周波帯域成分の画像信号と、水平方向の高周波帯域成分の画像信号に対し、それぞれ、鮮鋭性強調度合いの異なる鮮鋭性強調処理を施す。本実施の形態において、フィルムスキャナの読み取り特性とは、フィルムの幅手方向のMTF値と、長手方向のMTF値の比(MTF比)(図13参照)を示す。また、本実施の形態において、垂直方向は、フィルムの幅手方向を示し、水平方向は、フィルムの長手方向を示すものとする。なお、画像調整処理部704における各種処理の詳細は、後に実施例1(図14参照)及び実施例2(図15参照)を挙げて説明する。
【0099】
更に、画像調整処理部704は、ノイズ除去処理及び鮮鋭性強調処理が施された画像信号に対して、ウェーブレット逆変換を施し、操作部11又は制御部7の指令に基づいて、処理済の画像信号を、CRT固有処理部705、プリンタ固有処理部706、プリンタ固有処理部707、画像データ書式作成部708、データ蓄積手段71に出力する。
【0100】
なお、反射原稿入力装置10のフラットベッドスキャナの、幅手方向のMTF値と長手方向のMTF値が異なる場合、フラットベッドスキャナにより読み取られた画像信号に対して、上述のウェーブレット変換、ノイズ除去処理及び鮮鋭性強調処理を適用することができる。
【0101】
CRT固有処理部705は、画像調整処理部704から入力された画像処理済みの画像信号に対して、必要に応じて画素数変更・カラーマッチング等の処理を施し、制御情報等表示が必要な情報と合成した表示用の信号をCRT8に出力する。
【0102】
プリンタ固有処理部706は、画像調整処理部704から入力された画像処理済みの画像信号に対して、必要に応じてプリンタ固有の校正処理、カラーマッチング、画素数変更等を行い、露光処理部4に出力する。
【0103】
本実施の形態の画像記録装置1に、大判インクジェットプリンタ等の外部プリンタ34が接続されている場合には、接続されたプリンタ毎にプリンタ固有処理部707が設けられている。このプリンタ固有処理部707は、画像調整処理部704から入力された画像処理済みの画像に対して、適正なプリンタ固有の校正処理・カラーマッチング・画素数変更等を行う。
【0104】
画像データ書式作成処理部708は、画像調整処理部704から入力された画像処理済みの画像信号に対して、必要に応じてJPEG、TIFF(Tagged Image File Format)、Exif(Exchangeable Image File Format)等に代表される各種の汎用画像フォーマットへの変換を行い、画像搬送部31や通信手段(出力)33に出力する。
【0105】
なお、フィルムスキャンデータ処理部701、反射原稿スキャンデータ処理部702、画像データ書式解読処理部703、画像調整処理部704、CRT固有処理部705、プリンタ固有処理部706及び707、画像データ書式作成処理部708という区分は、本実施の形態の画像処理部70の機能の理解を助ける為に設けた区分であり、必ずしも物理的に独立したデバイスとして実現される必要はなく、例えば、単一のCPUにおけるソフトウエア処理の種類の区分として実現されてもよい。また、本実施の形態における画像記録装置1は、上述の内容に限定されるものではなく、デジタルフォトプリンタ、プリンタドライバ、各種の画像処理ソフトのプラグイン等、種種の形態に適用することができる。
【0106】
次に、図12の画像調整処理部704において実行される処理について、実施例1及び実施例2を挙げて説明する。以下の各実施例では、135サイズの銀塩フィルムに記録された画像を、60pixel/mm程度の解像度のフィルムスキャナで読み取り、画像処理後に、300dpi程度の出力解像度で2L版サイズの銀塩印画紙に出力するものとする。図13に、このフィルムスキャナにより読み取られた画像信号の幅手方向のMTF値と長手方向のMTF値の比(MTF比)を空間周波数(本/mm)の関数として表したグラフを示す。図13では、空間周波数が0〜1本/mmにおけるMTF比は約1となり、空間周波数が1本/mmより大きくなるにつれ、MTF比が減少し、空間周波数が6本/mmのMTF比は、約0.8となっている。
【0107】
〈実施例1〉
図14は、実施例1における画像調整処理部704の内部処理に係るシステムブロック図である。本実施例1では、本発明におけるウェーブレット変換として、双直交ウェーブレット変換が適用される場合を示す。
【0108】
なお、本実施例1の双直交ウェーブレット変換及び双直交ウェーブレット逆変換に用いられるフィルタのフィルタ係数は、表1に示すものを用いるものとする(Cohen, Daubechies, Feauveau 9−7)。表1及び図14において、O_HPF、O_LPFは、それぞれ、双直交ウェーブレット変換用のハイパスフィルタ、ローパスフィルタを示す。また、O_HPF’、O_LPF’は、それぞれ、双直交ウェーブレット逆変換用のハイパスフィルタ、ローパスフィルタを示す。
【表1】
Figure 2004326322
表1において、α=0のフィルタ係数は、現在処理している画素に対するフィルタ係数で、α=−1のフィルタ係数は、現在処理している画素の1つ前の画素のフィルタ係数で、α=+1のフィルタ係数は、現在処理している画素の1つ後の画素に対するフィルタ係数である(以下同様)。
【0109】
次に、図14を参照して、本実施例1における動作を説明する。本実施例1では、フィルムスキャナにより読み取られたカラー画像信号に対し、レベル2までの双直交ウェーブレット変換が施されるものとする。
【0110】
まず、フィルムスキャナにより読み取られたカラー画像信号が、RGB信号から輝度信号と色差信号に分解される。入力信号Sを輝度信号とすると、輝度信号Sに対して、レベル1の双直交ウェーブレット変換が施され、高周波帯域成分信号Wd、Wv、Whと、低周波帯域成分信号Sが生成される。その後、Sに対して、レベル2の双直交ウェーブレット変換が施され、高周波帯域成分信号Wd、Wv、Whと、低周波帯域成分信号Sが生成される。
【0111】
次いで、レベル1及びレベル2の双直交ウェーブレット変換により生成された各高周波帯域成分信号の信号強度の絶対値の標準偏差σが算出され、その算出された標準偏差σに基づいて、後に信号強度を抑制するための基準となる閾値が決定される。本実施例1では、レベル1における閾値をσ*0.5、レベル2における閾値をσ*0.7とする。
【0112】
次いで、レベル1及びレベル2の双直交ウェーブレット変換により生成された高周波帯域成分信号のうち、閾値以下の信号強度を有する画素に対して抑制処理が行われる。即ち、レベル1の高周波帯域成分信号Wd、Wv、Whの各々に対して、σ*0.5以下の信号強度を有する画素の信号強度を0にする処理が行われ、レベル2の高周波帯域成分信号Wd、Wv、Whの各々に対して、σ*0.7以下の信号強度を有する画素の信号強度を0にする処理が行われる。
【0113】
次いで、抑制処理が施された各レベルの高周波帯域成分信号のうち、垂直方向と水平方向の各信号に対し、鮮鋭性強調処理が施される。この鮮鋭性強調処理では、レベル1よりもレベル2の方に、より強い鮮鋭性強調処理が行われる。また、図13に示すMTF比の場合、幅手方向(垂直方向)のMTF値が長手方向(水平方向)のMTF値より小さいことから、各レベルにおける鮮鋭性強調処理では、水平方向より垂直方向の信号強度を強くする処理が行われる。図13に示すMTF比の場合、例えば、レベル1では、Whの信号強度を1.1倍、Wvの信号強度を1.4倍にし、レベル2では、Whの信号強度を1.2倍、Wvの信号強度を1.5倍にする処理が行われる。
【0114】
鮮鋭性強調処理後、双直交ウェーブレット逆変換が行われ、処理済みの輝度信号S’が得られる。その後、処理済み信号S’は、RGB信号に変換され(図示略)、処理済みのカラー画像信号が得られる。なお、輝度信号に対して行った処理を色差信号に行ってもよい。
【0115】
本実施例1の画像記録装置1によれば、フィルムスキャナにより読み取られた画像信号に対して双直交ウェーブレット変換を施し、フィルムスキャナの読み取り特性(MTF比)に基づいて、双直交ウェーブレット変換により生成された垂直方向の高周波帯域成分の画像信号と、水平方向の高周波帯域成分の画像信号に対し、それぞれ、鮮鋭性強調度合いの異なる鮮鋭性強調処理を施すようにしたことにより、画像のボケ感を低減させ、アーティファクトの発生がなく、自然な印象の画像を得ることができる。
【0116】
〈実施例2〉
図15は、実施例2における画像調整処理部704の内部処理に係るシステムブロック図である。本実施例2では、本発明におけるウェーブレット変換として、二項ウェーブレット変換が適用される場合を示す。
【0117】
なお、実施例2の二項ウェーブレット変換及び二項ウェーブレット逆変換で用いられるフィルタの係数は、表2に示すものを用いるものとする。表2及び図15において、D_HPF1、D_LPF1は、それぞれ、二項ウェーブレット変換用のハイパスフィルタ、ローパスフィルタを示す。また、D_HPF’1、D_LPF’1は、それぞれ、二項ウェーブレット逆変換用のハイパスフィルタ、ローパスフィルタを示す。
【表2】
Figure 2004326322
表2において、β=0のフィルタ係数は、現在処理している画素に対するフィルタ係数で、β=−1のフィルタ係数は、現在処理している画素の1つ前の画素のフィルタ係数で、β=+1のフィルタ係数は、現在処理している画素の1つ後の画素に対するフィルタ係数である。
【0118】
二項ウェーブレット変換においては、レベル毎にフィルタ係数が異なる。レベルnのフィルタ係数は、レベル1のフィルタの各係数の間に2n−1−1個のゼロを挿入したものが用いられる。
【0119】
また二項ウェーブレット変換のレベルiに応じて定められる補正係数γは、下記の表3で示される。
【表3】
Figure 2004326322
【0120】
次に、図15を参照して、本実施例2における動作を説明する。本実施例2では、フィルムスキャナにより読み取られたカラー画像信号に対し、レベル2までの二項ウェーブレット変換が施されるものとする。
【0121】
まず、フィルムスキャナにより読み取られたカラー画像信号が、RGB信号から輝度信号と色差信号に分解される。入力信号Sを輝度信号とすると、輝度信号Sに対して、レベル1の二項ウェーブレット変換が施され、高周波帯域成分信号Wv、Whと、低周波帯域成分信号Sが生成される。その後、Sに対して、レベル2の二項ウェーブレット変換が施され、高周波帯域成分信号Wv、Whと、低周波帯域成分信号Sが生成される。
【0122】
次いで、レベル1及びレベル2の二項ウェーブレット変換により生成された各高周波帯域成分信号の信号強度の絶対値の標準偏差σが算出され、その算出された標準偏差σに基づいて、後に信号強度を抑制するための基準となる閾値が決定される。本実施例2では、レベル1における閾値をσ*0.5、レベル2における閾値をσ*0.7とする。
【0123】
次いで、レベル1及びレベル2の二項ウェーブレット変換により生成された高周波帯域成分信号のうち、閾値以下の信号強度を有する画素に対して抑制処理が行われる。即ち、レベル1の高周波帯域成分信号Wv、Whの各々に対して、σ*0.5以下の信号強度を有する画素の信号強度を0にする処理が行われ、レベル2の高周波帯域成分信号Wv、Whの各々に対して、σ*0.7以下の信号強度を有する画素の信号強度を0にする処理が行われる。
【0124】
次いで、抑制処理が施された各レベルの高周波帯域成分信号に対し、鮮鋭性強調処理が施される。この鮮鋭性強調処理では、レベル1よりもレベル2の方に、より強い鮮鋭性強調処理が行われる。また、図13に示すMTF比の場合、幅手方向(垂直方向)のMTF値が長手方向(水平方向)のMTF値より小さいことから、各レベルにおける鮮鋭性強調処理では、水平方向より垂直方向の信号強度を強くする処理が行われる。図13に示すMTF比の場合、例えば、レベル1では、Whの信号強度を1.15倍、Wvの信号強度を1.45倍にし、レベル2では、Whの信号強度を1.3倍、Wvの信号強度を1.6倍にする処理が行われる。
【0125】
鮮鋭性強調処理後、二項ウェーブレット逆変換が行われ、処理済みの輝度信号S’が得られる。その後、処理済み信号S’は、RGB信号に変換され(図示略)、処理済みのカラー画像信号が得られる。輝度信号に対して行った処理を色差信号に行うようにしてもよい。
【0126】
本実施例2の画像記録装置1によれば、フィルムスキャナにより読み取られた画像信号に対して二項ウェーブレット変換を施し、フィルムスキャナの読み取り特性(MTF比)に基づいて、二項ウェーブレット変換により生成された垂直方向の高周波帯域成分の画像信号と、水平方向の高周波帯域成分の画像信号に対し、それぞれ、鮮鋭性強調度合いの異なる鮮鋭性強調処理を施すようにしたことにより、双直交ウェーブレット変換を用いたときより、画像のボケ感を一層低減させ、アーティファクトの発生がなく、自然な印象の画像を得ることができる。
【0127】
なお、本実施の形態における記述内容は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0128】
【発明の効果】
請求項1、4、7、10に記載の発明によれば、画像信号の読み取り特性に基づいて、ウェーブレット変換により生成された画像信号のうち、垂直方向の高周波帯域成分の画像信号と、水平方向の高周波帯域成分の画像信号に対し、それぞれ、鮮鋭性強調度合いの異なる鮮鋭性強調処理を施すようにしたことにより、画像のボケ感が低減され、アーティファクトの発生がなく、自然な画像を得ることができる。
【0129】
請求項2、5、8、11に記載の発明によれば、ウェーブレット変換として、二項ウェーブレット変換を用いることにより、画像のボケ感をより低減させ、アーティファクトの発生がなく、自然な画像を得ることができる。
【0130】
請求項3、6、9、12に記載の発明によれば、ノイズ除去処理後に鮮鋭性強調処理を行うようにしたことにより、画像信号に含まれる粒状ノイズ等のノイズを増加させることがなくなるとともに、画像のボケ感が低減され、アーティファクトが発生せず、自然な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いられるウェーブレット関数を示す図である。
【図2】1レベルのウェーブレット変換のフィルタ処理を示すシステムブロック図である。
【図3】2次元信号における1レベルのウェーブレット変換のフィルタ処理を示すシステムブロック図である。
【図4】入力信号Sが、3レベルのウェーブレット変換により信号分解される過程を示す模式図である。
【図5】ウェーブレット逆変換のフィルタ処理により、分解前の信号を再構成する方法を示すシステムブロック図である。
【図6】入力信号Sの波形と、ウェーブレット変換により得られる各レベルの補正済高周波帯域成分W・γの波形を示す図である。
【図7】2次元信号における1レベルの二項ウェーブレット変換のフィルタ処理を示すシステムブロック図である。
【図8】2次元信号における1レベルの二項ウェーブレット逆変換のフィルタ処理を示すシステムブロック図である。
【図9】入力信号Sに対する二項ウェーブレット変換から、画像処理が施された信号S’を得るまでの処理を示すシステムブロック図である。
【図10】本実施の形態における画像記録装置1の外観構成を示す斜視図である。
【図11】画像記録装置1の内部構成を示すブロック図である。
【図12】図11の画像処理部70の機能的構成を示すブロック図である。
【図13】MTF比と空間周波数の関係を示す図。
【図14】実施例1における画像調整処理部704の内部処理に係るシステムブロック図である。
【図15】実施例2における画像調整処理部704の内部処理に係るシステムブロック図である。
【符号の説明】
1 画像記録装置
4 露光処理部(画像記録部)
5 プリント作成部(画像記録部)
7 制御部
8 CRT
9 フィルムスキャナ部(画像信号読取部)
10 反射原稿入力装置(画像信号読取部)
11 操作部
12 情報入力手段
14 画像読込部
15 画像書込部
30 画像転送手段
31 画像搬送部
32 通信手段(入力)
33 通信手段(出力)
34 外部プリンタ
70 画像処理部(画像処理装置)
701 フィルムスキャンデータ処理部
702 反射原稿スキャンデータ処理部
703 画像データ書式解読処理部
704 画像調整処理部(変換部、鮮鋭性強調処理部、ノイズ除去部)
705 CRT固有処理部
706、707 プリント固有処理部
708 画像データ書式作成処理部
71 データ蓄積手段

Claims (12)

  1. 記録媒体に記録された画像信号を読み取る読取工程と、
    前記読取工程において読み取られた画像信号に対し、ウェーブレット変換を施す変換工程と、
    前記読取工程における読み取り特性に基づいて、前記ウェーブレット変換により生成された画像信号のうち、垂直方向の高周波帯域成分の画像信号と、水平方向の高周波帯域成分の画像信号に対し、それぞれ、鮮鋭性強調度合いの異なる鮮鋭性強調処理を施す鮮鋭性強調処理工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  2. 前記ウェーブレット変換は、二項ウェーブレット変換であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記ウェーブレット変換により生成された高周波帯域成分の画像信号からノイズ成分を除去するノイズ除去工程を含み、
    前記ノイズ除去工程におけるノイズ成分除去後に、前記鮮鋭性強調処理工程における鮮鋭性強調処理が行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理方法。
  4. 記録媒体に記録された画像信号を読み取る画像信号読取部と、
    前記画像信号読取部により読み取られた画像信号に対し、ウェーブレット変換を施す変換部と、
    前記画像信号読取部による読み取り特性に基づいて、前記ウェーブレット変換により生成された画像信号のうち、垂直方向の高周波帯域成分の画像信号と、水平方向の高周波帯域成分の画像信号に対し、それぞれ、鮮鋭性強調度合いの異なる鮮鋭性強調処理を施す鮮鋭性強調処理部と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  5. 前記ウェーブレット変換は、二項ウェーブレット変換であることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記ウェーブレット変換により生成された高周波帯域成分の画像信号からノイズ成分を除去するノイズ除去部を備え、
    前記鮮鋭性強調処理部は、前記ノイズ除去部によるノイズ成分除去後に、前記鮮鋭性強調処理を行うことを特徴とする請求項4又は5に記載の画像処理装置。
  7. 画像処理装置を制御するコンピュータに、
    記録媒体に記録された画像信号を読み取る画像信号読取機能と、
    前記読み取られた画像信号に対し、ウェーブレット変換を施す変換機能と、
    前記画像信号読取機能における読み取り特性に基づいて、前記ウェーブレット変換により生成された画像信号のうち、垂直方向の高周波帯域成分の画像信号と、水平方向の高周波帯域成分の画像信号に対し、それぞれ、鮮鋭性強調度合いの異なる鮮鋭性強調処理を施す鮮鋭性強調処理機能と、
    を実現させるための画像処理プログラム。
  8. 前記ウェーブレット変換は、二項ウェーブレット変換であることを特徴とする請求項7に記載の画像処理プログラム。
  9. 前記ウェーブレット変換により生成された高周波帯域成分の画像信号からノイズ成分を除去するノイズ除去機能を実現させ、
    前記鮮鋭性強調処理機能を実現させる際に、前記ノイズ除去機能によるノイズ成分除去後に、前記鮮鋭性強調処理を行うことを特徴とする請求項7又は8に記載の画像処理プログラム。
  10. 記録媒体に記録された画像信号を読み取る画像信号読取部と、
    前記画像信号読取部により読み取られた画像信号に対し、ウェーブレット変換を施す変換部と、
    前記画像信号読取部による読み取り特性に基づいて、前記ウェーブレット変換により生成された画像信号のうち、垂直方向の高周波帯域成分の画像信号と、水平方向の高周波帯域成分の画像信号に対し、それぞれ、鮮鋭性強調度合いの異なる鮮鋭性強調処理を施す鮮鋭性強調処理部と、
    前記鮮鋭性強調処理が施された画像信号を出力媒体に記録する画像記録部と、
    を備えることを特徴とする画像記録装置。
  11. 前記ウェーブレット変換は、二項ウェーブレット変換であることを特徴とする請求項10に記載の画像記録装置。
  12. 前記ウェーブレット変換により生成された高周波帯域成分の画像信号からノイズ成分を除去するノイズ除去部を備え、
    前記鮮鋭性強調処理部は、前記ノイズ除去部によるノイズ成分除去後に、前記鮮鋭性強調処理を行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の画像記録装置。
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JP2014039080A (ja) * 2012-08-10 2014-02-27 Ricoh Co Ltd 画像処理装置および画像処理方法および画像形成装置

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