JP2004326088A - 背面投射型プロジェクタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 背面投射型プロジェクタ装置において、解像度の低下や画像歪の発生や画質劣化を低減する。
【解決手段】 背面投射型プロジェクタ装置において、透明な板状部材(前面板)4は鉛直面Aに対して傾斜するように支持し、該前面板4の上側にレンチキュラースクリーン3やフレネルレンズ5を載置する。これにより、レンチキュラースクリーン3やフレネルレンズ5は自重により前面板4に密着し、それらの間に隙間が発生しにくくなる。その結果、隙間発生に伴う解像度低下や、画像歪の発生や、画質劣化を低減することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スクリーン部材の背面側から投射された光像を該スクリーン部材の正面側から視認するようにした背面投射型プロジェクタ装置に関する。
近年、スクリーン部材の背面側から投射された光像を該スクリーン部材の正面側から視認するようにした背面投射型プロジェクタ装置が提案されている。
図5は、従来の背面投射型プロジェクタ装置の構造の一例を示す断面図であるが、該装置は、光像を出力する映像源(光像出力手段)1と、該映像源1からの光像を反射する反射ミラー(反射手段)2と、該反射ミラー2にて反射された光像が投射されるレンチキュラースクリーン(スクリーン部材)3と、を備えていて、背面側(矢印Rに示す側)からレンチキュラースクリーン3に投射された光像を正面側(矢印Fに示す側)から視認できるように構成されている。なお、符号4は、レンチキュラースクリーン3の正面側Fに配置された透明部材(以下、“前面板”とする)を示し、符号5はフレネルレンズを示す。
このような背面投射型プロジェクタ装置は、CRTディスプレイ装置と比較して、大画面でありながら奥行きや設置面積が小さくて済むという特徴を有している(例えば、特許文献1参照。)。
特開平07−209753号公報。
ところで、上述した前面板4には比較的剛性の高い部材が使用されてはいるものの、レンチキュラースクリーン3やフレネルレンズ5は1〜2mm程度の厚さしかなく剛性も低いものであり、しかも、端部のみが筐体6に支持(符号8,9で示す部材参照)された状態で鉛直に保持されていた。そのため、レンチキュラースクリーン3やフレネルレンズ5は、図6に示すように自重によって座屈して前面板4とレンチキュラースクリーン3とフレネルレンズ5との間に隙間Sが生じてしまい、解像度が低下したり画像歪を生じてしまって画質を悪くしてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、解像度低下や画像歪の発生や画質劣化を低減する背面投射型プロジェクタ装置を提供することを目的とするものである。
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、光像を出力する光像出力手段と、該光像出力手段からの光像を反射させる反射手段と、該反射手段にて反射された光像が投射されるスクリーン部材と、を備え、該スクリーン部材の背面側から投射された光像を該スクリーン部材の正面側から視認するようにした背面投射型プロジェクタ装置において、
鉛直面に対して傾くように配置された透明部材を備え、
前記スクリーン部材が前記透明部材に載置されるように配置されたことを特徴とする。
本発明によると、スクリーン部材は透明部材に載置されて支持されるため、スクリーン部材と透明部材との間に隙間が生じにくくなり、解像度低下や画像歪の発生や画質劣化を低減することができる。
以下、図1乃至図4を参照して、本発明の実施の形態について説明する。ここで、図1は、本発明に係る背面投射型プロジェクタ装置の構造の一例を示す断面図であり、図2は、本発明に係る背面投射型プロジェクタ装置の構造の他の例を示す断面図である。なお、図1および図2の背面投射型プロジェクタ装置を正面から見た図を図7で示す。また、図3は、図1に示す装置においてスクリーン部材等の取り付け角度等を説明するための詳細断面図であり、図4は、図2に示す装置においてスクリーン部材等の取り付け角度等を説明するための詳細断面図である。
本発明に係る背面投射型プロジェクタ装置は、図1に符号Dで例示するように、光像Lを出力する光像出力手段1と、該光像出力手段1からの光像Lを反射させる反射手段2と、該反射手段2にて反射された光像が投射されるスクリーン部材3と、を備えており、該スクリーン部材3の背面側(矢印Rで示す側であって、前記反射手段2が配置されている側)から投射された光像を該スクリーン部材3の正面側(矢印Fで示す側)から視認するように構成されている。そして、図3に詳示するように、前記スクリーン部材3に沿うように透明部材4が配置されているが、該透明部材4は鉛直面Aに対して傾くように配置されており、しかも、前記スクリーン部材3のほぼ全面が前記透明部材4に載置されるように配置されている。ここで、鉛直面とは、鉛直線を含む平面(仮想平面)を意味するものとする(以下、同じ)。また、“スクリーン部材3が透明部材4に載置される”とは、鉛直面Aに対して傾くように配置された透明部材4の上面側にスクリーン部材3が配置され、該スクリーン部材3の重量を前記透明部材4が受けるようになっていれば良く、これらのスクリーン部材3と透明部材4とが接していても、それらの部材3,4の間に別の部材(例えば、次述するフレネルレンズ5)が配置されていても良い。なお、図1及び図3では透明部材4はスクリーン部材3の正面側に配置されているが、これに限るものではなく、図2及び図4に示すように透明部材4をスクリーン部材3の背面側に配置しても良い。
この場合、前記スクリーン部材3の背面側Rにフレネルレンズ5を配置し、該フレネルレンズ5のほぼ全面が前記スクリーン部材3と共に前記透明部材4に載置されるようにすると良い。ここで、“フレネルレンズ5が透明部材4に載置される”とは、鉛直面Aに対して傾くように配置された透明部材4の上面側にフレネルレンズ5が配置され、該フレネルレンズ5の重量を前記透明部材4が受けるようになっていれば良く、これらのフレネルレンズ5と透明部材4とが接していても、それらの部材5,4の間に別の部材(例えば、上述したスクリーン部材3)が配置されていても良い。
また、前記光像出力手段1及び前記反射手段2を収納する筐体6を設け、前記スクリーン部材3及び前記透明部材4(さらには前記フレネルレンズ5)は少なくとも上端部が前記筐体6に支持されるようにすると良い。
さらに、上述した光像出力手段1は、光を出射する光源と、該光源からの光をスイッチングして光像に変換するライトバルブと、によって構成すると良い。
前記透明部材4には剛性の高いものを用いると良い。
前記スクリーン部材3としてはレンチキュラースクリーンを挙げることができる。
また、本発明において透明部材4は面板である、即ち枠体ではない。
また本発明においてスクリーン部材3は透明部材4よりも薄い。例えば、透明部材4がガラス板の場合、ガラス板の厚みが3〜4mmの場合、スクリーン部材3の厚みは0mmより厚く1.5mm以下である。
また本発明において、上記別の部材を更に配置する場合、別の部材は透明部材4よりも薄い。例えば、透明部材4がガラス板の場合、ガラス板の厚みが3〜4mmの場合、別の部材であるフレネルレンズ5の厚みは0mmより厚く1.5mm以下である。
また本発明において、スクリーン部材3の平面性を透明部材4が保証するようにしており、次にこのような透明部材4によるスクリーン部材3の平面性の補償について説明する。
透明部材4を仮に垂直に配置して使用するとすると、スクリーン部材3は重力の影響で必ずスクリーン部材3の面と垂直方向(面の表裏面のいずれかの側)に挫屈する。
透明部材4を傾けるということは、このスクリーン部材3の挫屈を防ぎ、スクリーン部材3が平面性を有する部材の表面に倣うことを意味する。平面性を有する部材とは剛性の高い部材のことである。本実施形態では、この剛性の高い部材が透明部材4である。より具体的には3mm厚以上のガラス板である。ガラス板はその面でスクリーン部材3の挫屈を防ぐ。
スクリーン部材3もまた面板である。厚みが薄いため何の支えも無い状態では傾けると座屈してしまう。そして平面に支持されていればその面板は平面性を維持することが出来るものであり、平面に支持されている状態で平面形状を有さないような部材は本発明のスクリーン部材3として想定されていない。
本発明においてスクリーン部材3の傾斜角Θは5.5より大きいことが好ましい。以下に説明する。
例えば64インチ相当の横:縦寸法比が16:9の画面を有する背面投射型プロジェクタ装置においてスクリーン部材3を使用する場合を例にあげる。
代表的なスクリーン部材3としてメタクリルスチレン樹脂を用いるとする。その比重は1.18であり厚みを1mmとすると、このスクリーン部材3の重量は1560グラムである。このスクリーン部材3を垂直に横長辺を底辺として面側から倒れ防止の為だけの支持を行い立たせると、20〜30mm程度湾曲する(挫屈する)。この湾曲をスクリーン面側からスクリーン部材中心において押して解消しようとすると、約150g程度の荷重が必要となる。
スクリーン部材3に外部からの荷重をかけずにスクリーン部材自身の荷重を利用してスクリーン部材3の座屈を解消しようとすると、1560xSinΘ=150の関係から、Θ=5.5を求めることが出来る。ここで、このΘとは鉛直方向と傾斜して配置されるスクリーン部材3とのなす角度のことである。
従って傾斜角Θを利用してスクリーン部材自身の荷重により外部からの荷重をかけずにスクリーン部材自身の座屈を解消して平面に保持しようとすると、傾斜角Θが5.5より大きいことが好ましいことが分かる。
図7は、図1、図2の背面投射型プロジェクタ装置の正面図である。図1、図2は、図7のA’−A’における断面図である。即ち図1、図2は背面投射型プロジェクタ装置の中心部における断面模式図である。先述の図面と同一符号は同一物を指す。
8a,8b,8c,8dはそれぞれスクリーン部材3を配置するための部材であり、これら部材8a〜8dは図示されるように、それぞれスクリーン部材3の全辺それぞれに配置されている。スクリーン部材3と透明部材4とフレネルレンズ5は、これら部材8a〜8dとエスカッション7との間に配置されている。
特に、下側部材8bを除く部材8a,8c,8dにおいてはスクリーン部材3と透明部材4とフレネルレンズ5のすくなくともいずれかが仮に熱膨張しても構わないように熱膨張方向に(より具体的には、スクリーン部材3と透明部材4とフレネルレンズ5のそれぞれの端部に)クリアランスを設ける。クリアランスは0.1〜0.2mm程度である。このクリアランスは熱膨張以外にもスクリーン部材3のずれを解消するためにも好ましく設けられる。
部材8a〜8dのそれぞれの長さは個別に決まればよい。より具体的にはスクリーン部材3の一辺に対して2/3以上の長さを有することが好ましい。この場合、複数の部材をひとつの部材としてみなしてスクリーン部材3の一辺に対して2/3以上の長さとするということではなく、一つの部材が連続した長さを有しており、その長さがスクリーン部材の一辺に対して2/3以上の長さとするという意味である。
そして、連続していることで1辺の中で挟み込みに係る荷重が均一になる。部材8a〜8dはそれぞれビス9でエスカッション7に固定される。図8はその様子を示すためのエスカッション7と、部材8a〜8dとを示す図である。
次に、本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態によれば、前記スクリーン部材3は前記透明部材4に載置されて支持されるため、スクリーン部材3と透明部材4との間に隙間が生じにくくなり、解像度低下や画像歪の発生や画質劣化を低減することができる。
また、前記スクリーン部材3の背面側Rにフレネルレンズ5を配置し、該フレネルレンズ5が前記スクリーン部材3と共に前記透明部材4に載置されるようにした場合には、フレネルレンズ5とスクリーン部材3との間に隙間が生じにくくなり、解像度低下や画像歪の発生や画質劣化を低減することができる。
以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
本実施例では、図1及び図3に示す背面投射型プロジェクタ装置Dを作製した。
これらの図において、符号1は映像源(光像出力手段)を示し、符号2は反射ミラー(反射手段)を示し、符号3はレンチキュラースクリーン(スクリーン部材)を示し、符号4は前面板(透明部材)を示し、符号5はフレネルレンズを示す。なお、筐体6の開口部には額縁状のエスカッション7を取り付けておき、レンチキュラースクリーン3や前面板4やフレネルレンズ5はビス9や押え板8によってエスカッション7に取り付けた。但し、前面板4は鉛直面Aに対してθ1だけ傾くように(つまり、前面板4の上部が正面側Fに張り出すように)配置し、その背面側Rにはスクリーン3を載置し、さらにその背面側Rにはフレネルレンズ5を載置した。したがって、レンチキュラースクリーン3は前面板4にて支持されることとなるが、図3に示すように、レンチキュラースクリーン3の単位面積当たりの重量をw1とすると、レンチキュラースクリーン3は(いずれの部分においても)w1sinθ1の力で前面板4に押圧されるので、それらの間に隙間は発生しにくくなる。つまり、レンチキュラースクリーン3の自重w1は、w1sinθ1とw1cosθ1に分力として、分けることができる。ここで、w1sinθ1は前面板4の法線方向に作用する分力で、w1cosθ1は前面板4の面方向に作用する分力である。w1sinθ1はレンチキュラースクリーン3自身を前面板4に押さえつける力として働き、肉厚が薄く剛性が弱いレンチキュラー3は剛性が強い前面板4に張り付くように密着する。なお、フレネルレンズ5も同様であり、レンチキュラースクリーン3を介して前面板4に張り付くように密着する。
(実施例2)
本実施例では、図2及び図4に示す背面投射型プロジェクタ装置Dを作製した。すなわち、前面板4は鉛直面Aに対してθ2だけ傾くように(つまり、前面板4の下部が正面側Fに張り出すように)配置し、その正面側Fにはフレネルレンズ5を載置し、さらにその正面側Fにはレンチキュラースクリーン3を配置した。したがって、フレネルレンズ5は前面板4にて支持されることとなるが、図4に示すように、フレネルレンズ5の単位面積当たりの重量をw2とすると、フレネルレンズ5は(いずれの部分においても)w2sinθ2の力で前面板4に押圧されるので、それらの間に隙間は発生しにくくなる。つまり、フレネルレンズ5の自重w2は、w2sinθ2とw2cosθ2に分力として、分けることができる。ここで、w2sinθ2は前面板4の法線方向に作用する分力で、w2cosθ2は前面板4の面方向に作用する分力である。w2sinθ2はフレネルレンズ5自身を前面板4に押さえつける力として働き、肉厚が薄く剛性が弱いフレネルレンズ5は剛性が強い前面板4に張り付くように密着する。なお、スクリーン3も同様であり、フレネルレンズ5を介して前面板4に張り付くように密着する。
本発明に係る背面投射型プロジェクタ装置の構造の一例を示す断面図。 本発明に係る背面投射型プロジェクタ装置の構造の他の例を示す断面図。 図1に示す装置においてスクリーン部材等の取り付け角度等を説明するための詳細断面図。 図2に示す装置においてスクリーン部材等の取り付け角度等を説明するための詳細断面図。 従来の背面投射型プロジェクタ装置の構造の一例を示す断面図。 従来の背面投射型プロジェクタ装置の問題点を説明するための模式図。 本発明に係る背面投射プロジェクタ装置の正面模式図。 本発明に係る背面投射側プロジェクタ装置のエスカッションと部材とを示す図。
符号の説明
1 映像源(光像出力手段)
2 反射ミラー(反射手段)
3 レンチキュラースクリーン(スクリーン部材)
4 前面板(透明部材)
5 フレネルレンズ
6 筐体
7 エスカッション
8a〜8d スクリーン部材を配置するための部材
A 鉛直面
背面投射型プロジェクタ装置
背面投射型プロジェクタ装置

Claims (1)

  1. 光像を出力する光像出力手段と、該光像出力手段からの光像を反射させる反射手段と、該反射手段にて反射された光像が投射されるスクリーン部材と、を備え、該スクリーン部材の背面側から投射された光像を該スクリーン部材の正面側から視認するようにした背面投射型プロジェクタ装置において、
    鉛直面に対して傾くように配置された透明部材を備え、
    前記スクリーン部材が前記透明部材に載置されるように配置された、
    ことを特徴とする背面投射型プロジェクタ装置。
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