JP2004326037A - 予備照射装置を備えた自動焦点調節装置 - Google Patents

予備照射装置を備えた自動焦点調節装置 Download PDF

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Abstract

【目的】予備照射しても有効な測距ができなかった場合でも合焦の確率を高めることができる、予備照射装置を備えた自動焦点調節装置を提供する。
【構成】一対の被写体像を受光して一対の画像信号を出力する測距センサユニット33と、上記一対の画像信号の位相差から被写体距離を演算し、上記測距値に基づく合焦位置に焦点調節レンズを移動させるCPU21と、測距センサユニット33による測距の際に予備照射が可能な内蔵ストロボ8とを備え、CPU21は、内蔵ストロボ8を予備照射させて測距したときに、有効な測距値が得られなかった場合であって、測距センサユニット33から得た画像信号が所定の高輝度よりも高かった場合は最短撮影距離に基づく合焦位置に上記焦点調節レンズを移動させ、測距センサユニット33上から得た画像信号が所定の低輝度よりも低かった場合は上記予備照射の有効最遠距離に基づいた最遠距離に対応する合焦位置に焦点調節レンズを移動させる。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、測距時に予備照射が可能な予備照射装置を備えた自動焦点調節装置に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
従来、パッシブAF装置を備えたカメラにおいて、ストロボ装置による予備照射をしながらパッシブAF装置により測距するカメラが知られている。この従来のカメラにおいて、被写体が暗い場合などの条件下では、予備照射をしながら測距していた。予備照射にもかかわらず有効な測距値が得られなかった場合は、測光結果より得られる被写体輝度から想定される予備照射到達距離から被写体距離を設定し合焦させる、エラー処理を実行していた(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−62469号公報
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記従来の自動焦点調節装置の問題に鑑みてなされたもので、予備照射しても有効な測距ができなかった場合でも合焦の確率を高めることができる、予備照射装置を備えた自動焦点調節装置を提供することを目的とする。
【0005】
【発明の概要】
上記目的を達成するために本発明は、一対の被写体像を受光して一対の画像信号を出力する測距手段と、上記一対の画像信号の位相差から測距値を演算する演算手段と、上記測距値に基づく合焦位置に焦点調節レンズを移動する焦点調節手段と、上記測距手段による測距の際に予備照射が可能な閃光装置とを備え、上記焦点調節手段は、上記閃光装置を予備照射させて測距したときに、有効な測距値が得られなかった場合であって、上記測距手段から得た画像信号が所定の高輝度よりも高かった場合は最短撮影距離に基づく合焦位置に上記焦点調節レンズを移動させ、上記測距手段から得た画像信号が所定の低輝度よりも低かった場合は上記予備照射の有効最遠距離に基づいた最遠距離に対応する合焦位置に焦点調節レンズを移動させること、に特徴を有する。
この構成によれば、予備照射して測距手段により測距しても有効な測距値が得られなかった場合は、測距手段から得た画像信号により被写体輝度を判断し、所定の高輝度よりも高い場合は最短撮影距離に合焦し、所定の低輝度よりも低い場合は予備発光の有効距離に基づく距離に合焦するので、被写体が近距離に存在する場合も、遠距離に存在する場合もほぼ合焦状態とすることができる。
【0006】
好ましい実施形態において上記制御手段は、上記予備照射させて測距しても有効な測距値が得られなかった場合において、上記画像信号から検出した被写体のコントラストが所定値よりも低い場合は上記最短撮影距離または上記最遠距離に対応する位置に、所定値よりも低くない場合は上記最短撮影距離と上記最遠距離の間の所定距離に対応する位置に上記焦点調節レンズを移動させる。
実際的には、測距手段は、同一測距エリア内の被写体からの光束により形成される一対の被写体像を受光し、積分して画像信号に変換する一対のラインセンサと、少なくとも一方のラインセンサの入射光量をモニタ信号として出力するモニタセンサを備え、上記制御手段は、上記モニタセンサのモニタ信号により上記輝度を判断する構成とする。
この場合測距手段は、上記モニタセンサのモニタ信号が終了値になったとき、または積分時間が経過するときのいずれか早いときに上記ラインセンサの積分を終了させ、上記予備発光手段は、上記積分終了まで上記閃光手段を間欠発光させる。
上記予備照射の光量は、初回の発光量が最短撮影距離の被写体に対する測距に適した量とする。
さらに上記目的を達成する本発明は、一対の被写体像を受光して一対の画像信号を出力する測距手段と、上記一対の画像信号の位相差から被写体距離を求める演算手段と、上記演算した被写体距離に対応する合焦位置に焦点調節レンズを移動させる焦点調節手段と、上記測距手段による測距時に予備照射が可能な閃光装置とを備え、上記焦点調節手段は、上記閃光装置を予備照射させて測距したときに、有効な画像信号または被写体距離が得られなかった場合において、上記測距手段の予備照射前と予備照射して測距終了時の受光光量の変化量が所定値よりも大きかった場合は、最短撮影距離に対応する位置に上記焦点調節レンズを移動させることに特徴を有する。
被写体が至近距離に位置する場合は予備照射時における測距手段の受光光量の変化量が大きくなるので、本発明はこのような被写体に対して合焦状態とすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明を説明する。図1〜図3は、本発明を適用したレンズシャッタ式カメラの一実施の形態を示す外観図である。このレンズシャッタ式カメラのカメラボディ1は、図1に示すように、正面にズームレンズ2を備え、その上方には、左から順に、セルフランプ3、測光センサ4、ファインダー6、パッシブAFセンサ窓7、閃光装置としての内蔵ストロボ8を備えている。なお、これらファインダー6、パッシブAFセンサ窓7および内蔵ストロボ8は、カメラボディ1内に、ファインダ光学系、パッシブ位相差検出型の測距センサユニット33(図5参照)、およびストロボ発光管およびリフレクタ等を備えている。
【0008】
カメラボディ1の上面には、図2に示すように、ズームレンズ2の上方に撮影情報表示パネル9が配置され、右側正面寄りにレリーズボタン10が設けられ、レリーズボタン10よりも背面寄りに電源ボタン11が配置されている。レリーズボタン10は、測光スイッチSWSおよびレリーズスイッチSWRと連動していて、半押しで測光スイッチSWSがオンし、全押しで測光スイッチSWSはオン状態を維持してレリーズスイッチSWRがオンする。電源ボタン11は電源スイッチSWMと連動したスライドボタンであって、ON位置で電源スイッチSWMがオンし、OFF位置で電源スイッチSWMがオフする。
【0009】
カメラボディ1の背面には、図3に示すように、中央上部寄りにファインダー光学系のファインダー接眼窓12が設けられ、その右縁部に沿って上下に緑ランプ13および赤ランプ14が設けられている。緑ランプ13は連続点灯により合焦したことを表示し、点滅により非合焦であることを表示する。赤ランプ14は点滅によりストロボ発光が必要であることを表示し、連続点灯によりストロボ発光可能であることを表示する。
【0010】
さらに背面の右側上部寄りにズームレバー15が設けられている。ズームレバー15はテレスイッチSWTおよびワイドスイッチSWWに連動したシーソー型のレバーであって、T側に倒すとテレスイッチSWTがオンしてズームレンズ2をテレ方向にズーミングでき、W側に倒すとワイドスイッチSWWがオンしてズームレンズ2をワイド方向にズーミングできる。
【0011】
次に、カメラボディ1に搭載された制御系の構成について、図4に示したブロック図を参照してより詳細に説明する。CPU21は、カメラの機能に関するプログラム等が書き込まれたROM、制御用または演算用の各種パラメータなどを一時的に記憶するRAM21a、及びA/D変換器21bを内蔵している。CPU21は、カメラボディ1の動作を総括的に制御する制御手段として機能するほか、対数変換手段、判定手段、演算手段としても機能する。
【0012】
CPU21には、スイッチ類として、メインスイッチレバー11に連動するメインスイッチSWM、ズームレバー15に連動するテレスイッチSWTおよびワイドスイッチSWW、レリーズボタン10に連動する測光スイッチSWSおよびレリーズスイッチSWRが接続されている。
【0013】
カメラボディ1の図示しない裏蓋が開けられ、フィルムパトローネが装填されて裏蓋が閉じられると、裏蓋スイッチSWUがオンするので、CPU21はフィルム給送回路25を介してフィルムモータ26を巻上げ方向に駆動してオートローディング動作させる。またCPU21は、DXコード入力回路45を介してフィルムのパトローネに設けられたISO感度、枚数などのDXコードを読み込み、RAM21aに書き込む。
【0014】
メインスイッチレバー11がオン操作されてメインスイッチSWMがオンすると、CPU21は、電池23を電源として、各入出力ポートに接続されている周辺回路に電力供給を開始し、ズームレンズ駆動回路27を介してズームモータ28を駆動してズームレンズ2のレンズ鏡筒を撮影可能なワイド端位置まで繰り出し、その後操作されたスイッチに応じた処理を実行する。
【0015】
ズームレバー15に連動するテレスイッチSWTまたはワイドスイッチSWWがオンすると、CPU21はズームレンズ駆動回路27を介してズームモータ30を駆動させ、ズームレンズ2をテレ方向にズーミングまたはワイド方向にズーミングさせる。ズームレンズ2の焦点距離、レンズ位置は、ズームコード入力回路43によって検知される。CPU21は、メインスイッチSWMがオフされたときには、ズームレンズ2のレンズ鏡筒がカメラボディ1内に収まる収納位置までズームモータ30を駆動する。
【0016】
レリーズボタン10が半押しされて測光スイッチSWSがオンすると、先ずCPU21は、被写体輝度を測光回路37を介して入力する。測光回路37は、測光センサ4に入射した被写体光を、被写体輝度に応じた測光信号に変換してCPU21に出力する回路である。測光センサ4はいわゆる分割測光センサであり、撮影範囲を複数の測光エリアに分割した各測光エリア内の被写体について測光ができる。
CPU21は、測光した被写体輝度およびDXコード入力回路45を介して入力したISO感度などに基づいて適正シャッタ速度および適正絞り値を演算する。
【0017】
さらに、CPU21は、測距回路32の出力に基づいて測距演算を実行し、所定条件を満たす測距演算値を選択できたときは、選択した測距値に基づいてフォーカスモータ30のフォーカシングレンズ駆動量を算出し、フォーカス駆動回路29を介してフォーカスモータ30を駆動するとともに、緑ランプ13を点灯させる。所定条件を満たす測距演算値を選択できなかったときは、緑ランプ13を点滅させて測距エラーを報知し、使用者に注意を促す。
【0018】
レリーズボタン10が全押しされてレリーズスイッチSWRがオンすると、CPU21は、算出した適正絞り値およびシャッタ速度に基づいてシャッター駆動回路31を作動させてシャッタを駆動して露出する。露出が完了すると、CPU21はフィルム給送回路25を介してフィルム給送モータ29を作動させ、フィルム給送信号入力回路39から出力されるフィルム給送信号を入力してフィルム給送量を検知しながらフィルムを1コマ分巻き上げる。なお、フィルム1コマ分巻き上げられない場合は、フィルム給送回路25を介してフィルム給送モータ26を巻き戻し作動させてフィルムの巻戻しを行う。
【0019】
測距回路32は、各測距エリア内に含まれる被写体の焦点状態を検出する回路であり、受光した被写体光束を電気的な画素信号(アナログ信号)に変換して出力する測距センサユニット33(受光手段)を含む。
測距センサユニット33は、図5に示すように、測距エリア内の被写体で反射した被写体光束を一対のセパレータレンズ(結像レンズ)34a、34bによって分割して、基準センサ及び参照センサからなる一対のラインセンサ35a、35b上に投影する。このラインセンサ35a、35bは、詳細は図示しないが、多数の光電変換素子(受光素子)を有し、この各光電変換素子が、それぞれ受光した被写体光束によって形成された被写体像を光電変換して積分(蓄積)する。積分が終了すると、蓄積電荷が画素単位の画素信号(電圧)に変換され、測距回路32から画像信号として出力される。CPU21は、測距回路32から出力された一対の画像信号をA/D変換器21bでデジタルデータに変換し、センサデータとして内部RAM21aに書き込む。そうしてこのセンサデータに基づいて、一対の被写体像の一致度を比較して一対の被写体像の位相差(間隔)を演算し、その位相差から被写体距離を演算する。さらに、演算した被写体距離に合焦するように焦点調節レンズを駆動する駆動量をレンズ駆動量LLデータとして演算し、このレンズ駆動量LLデータに基づいて、フォーカス駆動回路29を介してフォーカスモータ30を駆動し、焦点調節レンズを合焦位置に移動させる。
【0020】
測距センサユニット33は、少なくとも一方のラインセンサ35aに隣接して配設された、ラインセンサ35aの受光光量をモニタするモニタセンサ36を備えている。CPU21は、このモニタセンサ36が出力するモニタ信号に基づいて、ラインセンサ35a、35bの積分終了を制御する。本実施形態では、モニタセンサ36のモニタ信号電圧が積分終了電圧に達すると、測光センサユニット33に搭載された図示しない制御回路がラインセンサ35a、35bの積分を強制終了させる。一方、予め設定された最長積分時間内にモニタセンサのモニタ信号電圧が積分終了電圧に達しないときは、CPU21から積分終了信号が出力され、測距センサユニット33は、この積分終了信号を受けてラインセンサ35a、35bの積分を終了させる。
【0021】
測距回路32の出力と積分時間の関係は、図6の(A)に示した通りである。この実施例の測距回路32は、積分開始時の出力を初期電圧Vrefとすると、積分時間が経過するにしたがって出力電圧が下がる。その変化量は、被写体が明るいほど大きく、暗いほど小さい。つまり、被写体が明るいほど出力電圧の降下が急である。
【0022】
CPU21は、モニタセンサ36から出力されるモニタ信号電圧をチェックして、モニタ信号電圧が所定のサンプリング時間t1の間に変化した量を、積分変化量として測定する(図6(B))。積分変化量の絶対値は測距領域内の被写体の平均輝度に比例し、平均被写体輝度が高いほど積分変化量は多く、モニタ信号電圧の降下は急である。
【0023】
従来、測光センサの測光値から被写体が暗いと判断されたときは、内蔵ストロボを予備発光させて測距装置に測距動作をさせ、予備発光させても有効な測距値が得られなかった場合は、予め設定された所定距離の被写体に合焦させるものが知られている。
本実施形態は、測光回路37で測光した被写体輝度が所定値以下であった場合の他、被写体のコントラストが低すぎて位相差を求めることがでなかった場合に、ストロボ回路47を予備発光動作させて内蔵ストロボ8を予備発光させ、AF測距センサユニット33により再測距する。予備発光させても有効な測距値が得られなかった場合は、測距センサユニット33から得たセンサデータが高輝度であった場合は最短撮影距離に合焦させ、低輝度であった場合は有効な予備照射最遠距離に合焦させることに特徴を有する。なお、本実施形態における予備発光は、微小時間の発光を所定周期で繰り返す間欠発光である。
【0024】
予備照射して測距した際に得られるセンサデータの状態を、画素単位で図7に示した。図7では、一対のラインセンサ35a、35bから出力された画像信号を、横軸を画素、縦軸を電圧(輝度)として示している。これらの図では、画像信号の高さが低いほど明るいことを表している。CPU21は、この一対の画素信号の一致度を、各画素信号の差の合計を画素をずらしながら求め、最も一致度が高い状態を補間演算等により演算し、そのときの画像信号の間隔となる位相差から被写体距離を求める。
【0025】
図7(A)は、予備照射発光量が適正であった場合を示している。適正な場合は、画像信号が有効範囲内に分布するので、位相差を高精度に求めることができる。
図7(B)には、予備照射をしたが、測距エリア内の被写体が至近距離にあったか、反射率が非常に高かった場合を示している。この場合は、各画像信号が最大輝度電圧VBrightを越えている。このように各画像信号が限界値を超えてしまうと、いわゆる白飛び状態となって各画素に対応する被写体像の輝度を検出できないので、有効な位相差が検出できない。
図7(C)には、測距領域内の被写体が非常に遠距離にあって、画像データが最小輝度VDarkに達していない状態を示している。この場合も、各画素信号が有効値に届かず、いわゆる黒潰れ状態となって各画素に対応する被写体像の輝度を検出できないので、有効な位相差が検出できない。
【0026】
従来は、有効な位相差を得ることができず測距値(被写体距離)が得られなかった場合は、被写体は一律に所定距離に位置するものとみなして、その所定距離に対して合焦処理させていた。
しかし、予備照射した場合は、一対のラインセンサ35a、35bから得た画像信号電圧から、測距エリア内の被写体が至近距離に位置するのか遠距離に位置するのか判断できる。さらに、十分なコントラストが得られない場合は、画像信号電圧から、受光量過多でコントラストが現れないのか、受光量過少でコントラストが現れないのかが分かる。つまり、従来は、測距エラーの場合は外光のみで判断していたが、本発明は、予備照射時の受光状態で判断するので、反射光量過多で白飛びしたような場合も適切な位置に焦点調節レンズを移動することが可能になり、合焦精度が向上する。
【0027】
そこで本実施形態では、予備照射しても有効な測距値が得られず、かつ充分なコントラストが得られなかった場合は、測距センサユニット33から得た画像信号が、最大輝度電圧VBright以下であった場合、図7(B)の場合は最短撮影距離Lminに合焦させ、最低輝度電圧VDarkを越えていた場合、図7(C)の場合はストロボにより有効な予備照射が可能な予備照射最遠距離Lmaxに合焦させ、その間の値であった場合は、所定距離Lに合焦させることとした。また、予備照射の必要はない明るさで有効な測距値が得られなかった場合は、所定距離Lに合焦させることとした。
ここで、最大輝度電圧VBright、最低輝度電圧VDark、最短撮影距離Lmin、予備照射最遠距離Lmaxおよび所定距離Lは予め設定され、EEPROM46にメモリされた値である。また、 Lmin<L<Lmax の関係にある。
【0028】
次に、この実施形態の測距処理について、図8および図9に示したフローチャートを参照して説明する。この測距処理には、測光スイッチSWSがオンし、測光処理が終了した後に入る。
【0029】
測距処理に入ると、まず、積分タイマをスタートされる(S11)。積分タイマは、ラインセンサ35の積分時間を制御するタイマである。
次に、測光値が、アペックス表示露出値換算でLV4未満であるかどうかをチェックする(S12)。LV4未満(暗い)のときは(S12;Y)、予備照射フラグに“ON”をセットし(S13)、ラインセンサ35a、35bに積分を開始させ(S14)、モニタセンサ36からモニタ電圧を入力してA/D変換して積分開始時の初期電圧V1ADとしてメモリする(S15)。予備照射フラグ“ON”は予備照射することを識別するフラグである。
【0030】
次に、ストロボ回路47を介して予備照射し(S16)、モニタセンサ36からモニタ電圧を入力してA/D変換し、積分終了電圧V2ADとしてメモリし(S17)、10msecタイマをスタートさせる(S18)。10msecタイマは、予備照射を繰り返す間隔を設定するタイマである。積分タイマは、通常100〜400msec程度の長さに設定される。
なお、1回の予備照射時間は、通常、数10μsec〜数100μsecであるが、本実施形態では、1回の予備照射時間は、平均的な反射率(18%)の被写体が最短撮影距離に存在した場合、1回の発光でモニタセンサ36のモニタ電圧が積分終了電圧に達する光量が得られる時間に設定する。
【0031】
次に、積分が完了したかどうかをチェックする(S19)。積分完了していない場合は積分タイマがタイムアップしたかどうかをチェックし(S19;NO、S20)、積分タイマがタイムアップしていない場合は10msecタイマがタイムアップしたかどうかをチェックし(S20;NO、S21)、10msecタイマがタイムアップしていない場合はS19に戻る。つまり、積分が完了したかどうかのチェック(S19)、および積分タイマがタイムアップしたかどうかのチェックを(S20)、10msecタイマがタイムアップするまで繰り返す。
【0032】
積分が完了せず(S19;NO)、積分タイマがタイムアップせずに10msecタイマがタイムアップしたときは(S20;NO、S21;YES)、S16に戻って再び予備照射からのループ処理を繰り返して(S16〜S21)、積分終了電圧V2ADを更新する。
【0033】
積分が完了するか(S19;YES)、積分タイマがタイムアップしたときは(S19;NO、S20;YES)、測距センサユニット33に積分を終了させ(S26)、センサデータ入力処理に進んで測距センサユニット33からセンサデータを入力し(S27)、測距演算する(S28)。
【0034】
測距演算により有効な測距値が得られた場合は(S29;YES)、その測距値をレンズ駆動データLLに代入してリターンする(S31、RETURN)。
有効な測距値が得られなかった場合は(S29;NO)、エラー処理を実行し(S30)、エラー処理で設定された測距値をレンズ駆動データLLに代入してリターンする(S31、RETURN)。
【0035】
また、S12において測光値がLV4未満でない(暗くない)と判定されたときは(S12;NO)、予備照射フラグに“OFF”をセットして測距回路32に積分を開始させる(S22、S23)。そうして、積分が完了するか、積分タイマがタイムアップするのを待つ(S24;NO、S25;NO、S24)。積分が完了するか(S24;YES)、または積分タイマがタイムアップしたら(S24;NO、S25;YES)、S26に進んで、測距センサユニット33の積分を終了させる。
【0036】
S30で実行するエラー処理について、さらに図9に示したフローチャートを参照して詳細に説明する。
エラー処理に入ると、先ず、予備照射フラグが“ON”であるかどうかをチェックする(S51)。予備照射フラグが“ON”でなかった場合、つまり予備照射しなかった場合は、予め設定されている距離Lを測距値に設定してリターンする(S51;NO、S60、RETURN)。この距離Lは、最短撮影距離Lminよりも長く、予備照射最遠距離Lmaxよりも短い。
【0037】
予備照射フラグが“ON”の場合(S51;YES)、つまり予備照射した場合の処理は、次の通りである。
まず、ラインセンサ35a、35bから得たセンサデータ(画像信号)の平均値を平均電圧VAveとしてセットする(S52)。さらに、センサデータ中の最大値を最大電圧VMaxにセットし、センサデータ中の最小値を最小電圧VMinにセットする(S53)。
【0038】
最大電圧VMaxと最小電圧VMinとの差が、予め設定された差電圧VDif未満であるか否かチェックする(S54)。最大最小電圧差(VMax−VMin)が予め設定された差電圧VDif未満でなかった場合は(S54;NO)、予め設定された距離Lを測距値に入れてリターンする(S60、RETURN)。最大最小電圧差(VMax−VMin)はコントラストを表示する値となり、差電圧VDif未満でない場合は所定値以上のコントラストがあることを意味する。
なお、各ラインセンサ35a、35bの隣り合う画素の差の絶対値の合計をコントラストとすることもできるが、本実施例の方が短時間で演算できる。
【0039】
コントラストが小さい場合は(S54;YES)、予備照射前の初期電圧V1ADと予備照射後の積分終了電圧V2ADの差が予め設定した積分変化量VRよりも大きいかどうか、つまり被写体の輝度が所定値よりも高かったか否かをチェックする(S55)。積分変化量VRよりも大きい場合は(S55;YES)、平均電圧VAveが所定の最大輝度電圧VBrightよりも小さいかどうかチェックし、小さい場合(S56;YES)、例えば被写体が至近距離にあって発光量が過多となる図7(B)の状態の場合は、最短撮影距離Lminを測距値にセットしてリターンする(S57、RETURN)。平均電圧VAveが最大輝度電圧VBrightよりも小さくない場合(S56;NO)はS60に進んでリターンする(S57;NO、S60、RETURN)。
【0040】
初期電圧V1ADとV2ADの差が予め設定した積分変化量VRよりも大きくない場合は(S55;NO)、平均値VAveが最小輝度電圧VDarkよりも大きいかどうかチェックし(S58)、大きい場合(S58;YES)、例えば被写体の距離が遠くて発光量が過少となる図7(C)の状態の場合は、予備照射最遠距離Lmaxを測距値にセットしてリターンする(S59、RETURN)。平均値VAveが最小輝度電圧VDarkよりも大きくない場合はS60に進んでリターンする(S58;NO、S60、RETURN)。
【0041】
以上の通り、内蔵ストロボ8を予備発光させても有効な測距値が得られなかった場合は、測距センサユニット33から得たセンサデータに基づいて輝度を判断し、輝度が高すぎた場合は最短撮影距離に合焦させ、輝度が低すぎた場合は予備照射最遠距離に合焦させ、いずれでも無い場合は、間の所定の被写体距離に合焦させるので、測距値が得られない悪条件下でも、被写体に対して合焦状態となる確率が高くなる。
【0042】
以上は、いわゆる銀塩フィルムカメラに適用した実施形態を示したが、いわゆるデジタルスチルカメラにも適用できる。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り本発明は、予備照射してパッシブ測距手段により測距しても有効な測距値が得られなかった場合は、パッシブ測距手段から得た画像信号により被写体輝度を判断し、高い場合は最短撮影距離に合焦し、低い場合は予備照射の有効距離に基づく距離に合焦するので、被写体が近距離に存在する場合も、遠距離に存在する場合もほぼ合焦状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したレンズシャッタ式カメラの実施形態の正面図である。
【図2】同レンズシャッタ式カメラの平面図である。
【図3】同レンズシャッタ式カメラの背面図である。
【図4】同レンズシャッタ式カメラに搭載された制御系の要部をブロックで示す図である。
【図5】同レンズシャッタ式カメラに搭載されたパッシブ位相差検出型AFセンサユニットの概要を示す図である。
【図6】同AFセンサユニットの同AFセンサユニットのモニタ信号と積分時間との関係をグラフで示す図あって、(A)は被写体が明るい場合、暗い場合の関係を、(B)はサンプリング時間と積分変化量との関係を示す図である。
【図7】同AFセンサユニットのセンサデータと画素との関係をグラフで示す図であって、(A)は適正輝度の場合を、(B)は高輝度の場合を、(C)は低輝度の場合を示す図である。
【図8】同レンズシャッタ式カメラの測距処理をフローチャートで示す図である。
【図9】同測距フローチャートにおけるエラー処理の詳細をフローチャートで示す図である。
【符号の説明】
1 カメラボディ
2 ズームレンズ
4 測光センサ
7 パッシブAF窓
8 ストロボ発光部
10 レリーズボタン
21 CPU
30 フォーカスモータ
32 測距回路
33 測距センサユニット
35a 35b ラインセンサ
36 モニタセンサ
37 測光回路
SWS 測光スイッチ
SWR レリーズスイッチ

Claims (7)

  1. 一対の被写体像を受光して一対の画像信号を出力する測距手段と、
    上記一対の画像信号の位相差から測距値を演算する演算手段と、
    上記測距値に基づく合焦位置に焦点調節レンズを移動する焦点調節手段と、
    上記測距手段による測距の際に予備照射が可能な閃光装置とを備え、
    上記焦点調節手段は、上記閃光装置を予備照射させて測距したときに、有効な測距値が得られなかった場合であって、上記測距手段から得た画像信号が所定の高輝度よりも高かった場合は最短撮影距離に基づく合焦位置に上記焦点調節レンズを移動させ、上記測距手段から得た画像信号が所定の低輝度よりも低かった場合は上記予備照射の有効最遠距離に基づいた最遠距離に対応する合焦位置に焦点調節レンズを移動させること、を特徴とする予備照射装置を備えた自動焦点調節装置。
  2. 上記焦点調節手段は、上記予備照射させて測距しても有効な測距値が得られなかった場合において、上記画像信号から検出した被写体のコントラストが所定値よりも低い場合は上記最短撮影距離または上記最遠距離に対応する位置に、所定値よりも低くない場合は上記最短撮影距離と上記最遠距離の間の所定距離に対応する位置に焦点調節レンズを移動させる請求項1記載の予備照射装置を備えた自動焦点調節装置。
  3. 上記測距手段は、同一測距エリア内の被写体からの光束により形成される一対の被写体像を受光し、積分して画像信号に変換する一対のラインセンサと、少なくとも一方のラインセンサの入射光量をモニタ信号として出力するモニタセンサを備え、上記制御手段は、上記モニタセンサのモニタ信号により上記輝度を判断する予備照射装置を備えた請求項1または2記載の予備照射装置を備えた自動焦点調節装置。
  4. 上記測距手段は、上記モニタセンサのモニタ信号が終了値になったとき、または積分時間が経過するときのいずれか早いときに上記ラインセンサの積分を終了させ、上記予備発光手段は、上記積分終了まで上記閃光手段を間欠発光させる請求項3記載の予備照射装置を備えた自動焦点調節装置。
  5. 上記予備照射の光量は、初回の発光量が最短撮影距離の被写体に対する測距に適した量である請求項4記載の予備照射装置を備えた自動焦点調節装置。
  6. さらに被写体輝度を測定する測光手段を備え、該測光手段が測光した被写体輝度が所定の輝度より低い場合に、上記閃光手段に予備照射させて上記測距手段で測距する請求項1から5のいずれか一項記載の予備照射装置を備えた自動焦点調節装置。
  7. 一対の被写体像を受光して一対の画像信号を出力する測距手段と、
    上記一対の画像信号の位相差から被写体距離を求める演算手段と、
    上記演算した被写体距離に対応する合焦位置に焦点調節レンズを移動させる焦点調節手段と、
    上記測距手段による測距時に予備照射が可能な閃光装置とを備え、
    上記焦点調節手段は、上記閃光装置を予備照射させて測距したときに、有効な画像信号または被写体距離が得られなかった場合において、上記測距手段の予備照射前と予備照射して測距終了時の受光光量の変化量が所定値よりも大きかった場合は、最短撮影距離に対応する位置に上記焦点調節レンズを移動させることを特徴とする予備照射装置を備えた自動焦点調節装置。
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