JP2004325585A - 写真感光材料用包装材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】粉塵が発生することなく、写真感光材料の写真特性に悪影響を及ぼす有害ガスを効率よく吸着することが可能な写真感光材料用包装材料、写真感光材料の包装形態、写真感光材料用遮光部材、及び写真感光材料用保護板を提供すること。
【解決手段】通気性を有する物質と、当該物質中で合成された合成ゼオライトと、を含んで構成されることを特徴とする写真感光材料用包装材料、並びに、それを利用した写真感光材料の包装形態、写真感光材料用遮光部材、及び写真感光材料用保護板である。
【選択図】 なし
【解決手段】通気性を有する物質と、当該物質中で合成された合成ゼオライトと、を含んで構成されることを特徴とする写真感光材料用包装材料、並びに、それを利用した写真感光材料の包装形態、写真感光材料用遮光部材、及び写真感光材料用保護板である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真感光材料の写真特性に影響を及ぼす有害物質を除去するための写真感光材料用包装材料、写真感光材料の包装形態、写真感光材料用遮光部材、写真感光材料用保護板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、写真感光材料を密封包装する際には、その写真特性に影響を及ぼす有害ガスが、密封包装形態内に充満しないように種々工夫がなされている。
【0003】
例えば、特開平5−257238号には写真感光材料を密封包装した包装体において、包装体内を好適な湿度に維持できるようにするとともに、有害物質ガスが充満するのを防止できるようにする技術が開示されている。具体的には包装材料の少なくとも一部が、紙、不織布等の有孔シー卜に吸湿放湿性組成物(吸水性ポリマー、塩化カルシウム等)とガス吸着物質(ゼオライト、活性炭等)とを含ませたもので密封包装した包装体が開示してある。また、吸着・放湿性とガス吸着性を単一の物質(ゼオライト、活性炭等)でも二種以上を混合して用いても達成できるとしている。
【0004】
また、特開平6−67356号には従来、写真感光材料に悪影響を与えるため使用できなかった樹脂組成物を写真感光材料に悪影響を与えないようにし、写真感光材料の包装に使用できる樹脂組成物の範囲を広げることができるようにする技術が開示されている。具体的には写真性に悪影響を及ぼす物質を吸着する物質(カーボンブラック、合成ゼオライト、活性炭等)を含む熱可塑性樹脂組成物からなる成形品の写真感光材料用包装材料が開示されている。
【0005】
また、特開平6−51450にはロール状感光材料と共に巻かれる遮光紙に関し、紙支持体から、紙支持体に積層したポリオレフィンからなる樹脂層が剥がれないようにする技術として、紙支持体の抄紙時における遮光性物質や微細繊維等の歩留まりを向上させるためにイオン交換機能を有する無機系物質を併用することが好ましく、このイオン交換機能を有する無機系物質の代表例としてゼオライト等が好ましい旨が記載されている。また、ゼオライト等のように写真性に悪影響を及ぼす物質を吸着したり、反応して無害化させる物質を必要量添加することが好ましいことも記載されている。
【0006】
また、特開平9−152683号には写真要素を容器に入れ、次いでポリマーとゼオライトのブレンド材料をその容器に入れ写真要素の保存改良方法が開示されている。
【0007】
いずれにしても、上述した従来の方法による写真感光材料への悪影響を防止する方法では基本的には写真性に悪影響を及ぼす物質を吸着する物質(カーボンブラック、ゼオライト、活性炭等)を包装材料に添加固着したり、その構成材料ポリマーにブレンドしたりして包装材料を製造し、密封包装体を提供してきた。
【0008】
ところで、特開平11−315492号では、悪臭除去能を有する、親水性高分子複合体(繊維)内に吸着物質として無機多孔質結晶を含有させた織物、不織布及び紙が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−257238号
【特許文献2】
特開平6−67356号
【特許文献3】
特開平6−51450号
【特許文献4】
特開平9−152683号
【特許文献5】
特開平11−315492号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特にゼオライトに関しては、特開平5−257238号では明細書中の[0017]に包装材料中に含まれるガス吸着性を付与する物質の量は包装材料100部に対して0.01〜150重量部、好ましくは0.1〜100重量部、特に好ましくは1〜60重量部であるとの記載があるが、具体的な実施例で添加量の記載はない。
【0011】
また、特開平6−67356号では明細書中の[0030]に吸着物質の熱可塑性樹脂における添加量は0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜35質量%、特に好ましくは1.0〜25質量%であるとの記載があるが、具体的な実施例で添加量の記載はない。
また、特開平6−51450号では明細書中の[0034]に紙支持体への添加量は紙支持体を100とすると0.1〜10質量%、好ましくは0.3〜8質量%、特に好ましくは0.5〜6質量%がよいとの記載がある。またその表面層に積層されるエチレン系樹脂にゼオライトを0.01〜1.0質量%添加した処方が請求項7に記載されており、実施例VIIIにゼオライトが0.5質量%添加した処方が開示してある。
【0012】
また、特開平9−152683にはゼオライト分子篩の適切量はポリマーとゼオライト分子篩の総重量の2〜60質量%であるとして、実施例はその添加量効果を0〜30質量%の成形試験片で説明している。
【0013】
いずれにしても外部からの添加によって構成しており、そのため、本来、吸着物質が持つ吸着性能を100%発揮することができず(それを何らかの方法で固着するための固着ポリマー物質、ブレンドポリマー物質等によって吸着性能が阻害されるため)、必要以上に添加する必要があった。しかし添加量を多くすると、その表面に粉噴き等の故障が発生し製品に付着してしまうといった問題が生じているのが現状である。
【0014】
また、結果として製造時に不具合がでない程度に添加量を少なくして使用せざるを得なかった。また製造時は見かけ上よい状態でも添加量が多い場合は経時によって、その表面に移行し粉噴き等の問題が生じ、感光材料表面に付着することもあった。
【0015】
一方、特開平11−315492では、高濃度でゼオライトを含有させた織物、不織布及び紙が開示されているが、この織物、不織布及び紙が写真感光材料用途として使用可能か否かは開示されいない。
【0016】
従って、本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、粉塵が発生することなく、写真感光材料の写真特性に悪影響を及ぼす有害ガスを効率よく吸着することが可能な写真感光材料用包装材料、写真感光材料の包装形態、写真感光材料用遮光部材、及び写真感光材料用保護板を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
本発明の写真感光材料用包装材料は、通気性を有する物質と、当該物質中で合成された合成ゼオライトと、を含んで構成されることを特徴とする。
【0018】
本発明の写真感光材料用包装材料においては、前記通気性を有する物質が、植物パルプから造られる植物繊維であることが好適である。
【0019】
本発明の写真感光材料用包装材料においては、前記包装材料は、前記合成ゼオライトを1.5質量%以上含むことが好適である。
【0020】
本発明の写真感光感光材料の包装形態は、写真感光材料を密封包装した包装形態内に、上記本発明の写真感光材料用包装材料を配置してなることを特徴とする。
【0021】
本発明の写真感光材料用保護板は、シート状写真感光材料の積層体を、その表面を保護板により覆うと共に包装袋で密封包装における保護板の構成材料として、上記本発明の写真感光材料用包装材料を用いることを特徴とする。
【0022】
本発明の写真感光材料用遮光部材は、写真感光材料の表面を覆って遮光するための遮光部材の構成材料として、上記本発明の写真感光材料用包装材料を用いることを特徴とする。
【0023】
本発明においては、上記本発明の写真感光材料用包装材料は、写真感光材料の投影面積の50%以上を覆うように用いることが好適である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の写真感光材料用包装材料は、通気性を有する物質中でゼオライトを合成させ、当該物質を構成する材料の空隙中に合成ゼオライトが封じ込められたものであり、通気性を有する物質に対して吸着物質であるゼオライトを高い割合で含められると共に、通気性を有する物質とゼオライトとが実質的に一体化しているのでゼオライトの脱落が殆どない。
【0025】
このため、本発明の写真感光材料用包装材料は、粉塵が発生することなく、写真感光材料の写真特性に悪影響を及ぼす有害ガスを効率よく吸着することが可能である。また、本発明の写真感光材料用包装材料は、粉塵の発生がないので、写真感光材料に直接ふれる包装材料(例えば保護板や遮光部材)として好適に適用することができる。
【0026】
本発明の写真感光材料用包装材料において、吸着物質としての合成ゼオライトとしては、特に制限はないが、4A ゼオライト〔Na12Si12Al12O48・27H2O〕が合成が比較的容易である観点から特に好適である。
【0027】
本発明の写真感光材料用包装材料において、通気性を有する物質としては、繊維が代表的なものとして挙げられる。当該繊維としては、化学繊維(ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維、(ポリ)アクリル繊維、セルロース繊維(例えば、レーヨン、キュプラ等)等)、天然繊維(ウール、絹、綿、麻、ケナフ等)、などが挙げられる。これらの繊維は、繊維自体が細く折れ難く、合成ゼオライトを良好に包み込んで保持可能であるため好適である。
【0028】
また、これら繊維の繊度、断面形状や各種ポリマー安定剤の有無、目付、密度等については、特に限定されない。また、化学繊維は共重合体であってもよい。また、異なる繊維の混合物でもよい。
【0029】
上記繊維の原料としては、例えば、天然セルロース(例えば、パルプ、ケナフ、木綿、麻)、再生セルロース(例えばセロハン、セルロースビーズ、レーヨン、セルローススポンジ等)、セルロース誘導体(木綿、バクテリアセルロース及びセルロースを化学修飾した、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース等)、天然或いは人工の親水性高分子(絹、羊毛、麻、ポリビニルアルコール、架橋型ポリビニルアルコール、キチン、キトサン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルホルマール等)、高吸水性高分子ゲル(ポリアクリルアミド等)、コラーゲン、木毛等が挙げられる。
【0030】
通気性を有する物質としては、植物パルプから造られる植物繊維であることが、写真性悪化ガスを発生しない、繊維に起因する粉塵が発生しないなどの観点から特に好適である。なお、植物繊維と共に、写真感光材料の写真特性を悪化させない範囲で他の繊維を併用してもよい。
【0031】
本発明の写真感光材料用包装材料は、通気性を有する物質に、苛性ソーダ、ケイ酸ソーダ、アルミン酸ソーダの各水溶液を含浸させた後、反応させることで、通気性を有する物質を構成する材料中に合成ゼオライト封じこめることが可能となる。
【0032】
具体的には、通気性を有する物質としての植物パルプから造られる植物繊維に、その非結晶領域(セルロース分子鎖が規則正しく並んでいない領域)に上記合成ゼオライト原料を含浸させ、反応させることで、繊維の非晶質領域に合成ゼオライトを封じ込めることができる。
【0033】
このような、合成ゼオライト含有植物繊維は、合成ゼオライトが例えば3.8質量%以上という高い割合で含んでおり、比表面積が100〜200m2/gと大きく、さらに植物繊維と合成ゼオライトが実質的に一体化しているので、合成ゼオライトの脱落なく、効率良く写真悪化性ガスを吸着することができる。
【0034】
なお、合成ゼオライトの含有量は、効率良く写真性悪化ガスを吸着させる観点から、合成ゼオライトの含有量が1.5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは22質量%以上であり、さらに好ましくは3.8質量%以上である。
【0035】
本発明の写真感光材料用包装材料は、通気性を有する物質を繊維で構成されることで、容易に織物、不織布、紙などに加工されて使用される。
【0036】
本発明の写真感光材料用包装材料は、写真感光材料を密封包装する感光材料の包装形態に用いられる包装材料に適用することができる。
【0037】
例えば、写真感光材料を容器などに密封包装する容器内に、写真感光材料と共に、シート状写真感光材料用包装材料を配置する形態が挙げられる。この際、密封容器内では写真性悪化ガスは淀み、対流しないので、写真感光材料の投影面積の50%以上(好ましくは50%〜100%)を覆うように、写真感光材料用包装材料を配置することがよい。これにより、効率良く、写真性悪化ガスを除去することができる。
【0038】
また、本発明の写真感光材料用包装材料は、シート状写真感光材料の積層体を、その表面を保護板により覆うと共に包装袋で密封包装する写真感光材料の包装形態に用いる写真感光材料用保護板として適用することもできる。
【0039】
このような包装形態として具体的には、例えば、図1に示す包装形態が挙げられる。この包装形態では、シート状感光材料積層体1(図1(A)参照)は、断面がコの字状の保護板2により表面を覆うことで保護させると共に(図1(B)参照)、包装袋3に収納されている(図1(C)参照)。包装袋3の4辺は幅を有するヒートシール部4を形成している。そして、シート状感光材料積層体1が収納された包装袋3は、内箱6(身)及び蓋(図示せず)から構成される嵌合箱10に収納される(図1(D)参照)。この嵌合箱10における内箱6の四隅には緩衝部材5が充填されており、包装袋3のヒートシール部4を折り曲げると共に、緩衝部材5(一部は内箱6内壁)に当接させて収納し、包装袋3をヒートシール部4の弾性特性により内箱6内に支持固定して収納している。
【0040】
この包装形態における保護板2として、本発明の写真感光材料用包装材料を適用することができる。本発明の写真感光材料用包装材料は、上述のように粉塵の発生がないため、写真感光材料に直接触れる保護板2として適用すると共に、写真性悪化ガスを吸着することができる。
【0041】
また、本発明の写真感光材料用包装材料は、写真感光材料の表面を覆って遮光するための写真感光材料用遮光部材にも適用することができる。
【0042】
このような包装形態として具体的には、例えば、図2に示す包装形態が挙げられる。この包装形態は、一端に遮光紙21を連結した感光材料20を、芯体22に巻き付け、ロール状感光材料とすると共で遮光紙21でその表面を覆う形態である。
【0043】
この包装形態の遮光紙21として、本発明の写真感光材料用包装材料を適用することができる。本発明の写真感光材料用包装材料は、上述のように粉塵の発生がないため、写真感光材料に直接触れる保護板2として適用すると共に、写真性悪化ガスを吸着することができる。
【0044】
(試験例)
以下のように、評価用サンプルを準備し評価した。
【0045】
・本発明1:セルガイア植物パルプ紙タイプ:「CGXCP−500[レンゴー(株)]」(ゼオライト22質量%相当)
・本発明2:セルガイア植物パルプ51質量%/ポリエステル繊維49質量%
不織布:「CGXCP−502[レンゴー(株)]」(ゼオライト3.8質量%相当)
・本発明3:セルガイア植物パルプ20質量%/ポリエステル繊維80質量%
不織布:「CGXCP−504[レンゴー(株)]」(ゼオライト1.5質量%相当)
・比較1:ゼオライト0.5質量%添加L−LDPE樹脂(遮光紙の表面層として特開平6−51450号に記載の実施例VIII)
・比較2:ゼオライト1.5質量%添加L−LDPE樹脂(遮光紙の表面層として特開平6−51450号に記載の実施例VIII)
・比較3:活性炭繊維30質量%PET不織布:「ACS−203(日本カイノール(株)製)」
【0046】
−テスト1−
700ml金属缶中に、写真性悪化ガス発生PS樹脂を10gと上記評価用サンプル10×10cmと感材フィルム(カラーネガ感材)10×10cmとを入れ同居させ、封緘後、50℃3日で加熱サーモし、その後、感材を取り出し、白色でウエッジ露光して、標準現像し、現像後の感材の被りの濃度(未露光部濃度)をフィルム濃度測定器にて測定した。この被りの濃度と評価用サンプルと同居させないで感材のみを、上記と同様の条件で放置、露光、現像して得た被りの濃度との差(Δfog)を算出した。評価基準は以下の通りである。なお、写真性悪化ガスとしてはアルデヒド類系のガスが検出された。本評価結果を、表1に示すと共に、比較4として上記評価用サンプルを除いた評価も示す。
【0047】
−評価基準−
・写真性評価
○:Dmin被り濃度0.05未満。
×:Dmin被り濃度0.05〜0.11未満。
××:Dmin被り濃度0.11以上。
・不具合現象
○:生産性問題なし、粉噴き、脱落等で感材への影響なし。
×:不具合内容を()内に記載。
【0048】
【表1】
【0049】
表1の結果から、本発明1〜3のゼオライト含有繊維は、植物繊維中に高濃度でゼオライトが含有されており、当該植物繊維を使用することで(或いはこの植物繊維と他の繊維を混合して使用することで)、写真悪化ガスを効率よく吸着すると共に、粉塵など発生がなく、写真性悪影響ガスを吸着できる写真感光材料用包装材料を作ることが容易であることがわかる。
【0050】
なお、比較1〜2で使用したゼオライト添加L−LDPE樹脂は、ゼオライトを5質量%以上添加すると表面に粉噴き現象がみられたて使用に絶えなかった。
【0051】
また、比較3の活性炭繊維30質量%PET不織布は、活性炭繊維のガス吸着能を利用した不織布であるが、写真性悪化ガス吸着能力はあるものの、100%活性炭繊維の不織布は製品に触れると、かなりの量が脱落し使用不可であり、活性炭繊維30質量%PET不織布でも、上述のように脱落が見とめられる。
【0052】
―テスト2―
面積5×10cm、3×10cmした本発明2〜3の評価用サンプルを準備し、面積10×10cmの感材と一端を揃えて重ね合わせ、評価用サンプルを同居させない感材と、評価用サンプルを同居させた感材における評価用サンプルが重ねられた領域(感材投影面積内箇所)及びそれ以外の領域(感材他端部箇所)との、被り差を算出した。これ以外は、テスト1と同様に実施した。結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
表2の結果から、本発明のゼオライト含有繊維を写真感光材料用包装材料として使用する際は、写真感光材料の投影面積の50%以上(好ましくは50%〜100%)を覆うようにすることがよいことがわかる。
【0055】
これら試験例から、本発明のゼオライト含有繊維は、上述した包装形態の保護板や遮光紙として適用することが非常好適であることもわかる。
【0056】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、粉塵が発生することなく、写真感光材料の写真特性に悪影響を及ぼす有害ガスを効率よく吸着することが可能な写真感光材料用包装材料、写真感光材料の包装形態、写真感光材料用遮光部材、及び写真感光材料用保護板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真感光材料用包装材料を適用した保護板を有する包装形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の写真感光材料用包装材料を適用した遮光紙を有する包装形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 シート状感光材料積層体
2 保護板
3 包装袋
10 嵌合箱
20 感光材料
21 遮光紙
22 芯体
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真感光材料の写真特性に影響を及ぼす有害物質を除去するための写真感光材料用包装材料、写真感光材料の包装形態、写真感光材料用遮光部材、写真感光材料用保護板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、写真感光材料を密封包装する際には、その写真特性に影響を及ぼす有害ガスが、密封包装形態内に充満しないように種々工夫がなされている。
【0003】
例えば、特開平5−257238号には写真感光材料を密封包装した包装体において、包装体内を好適な湿度に維持できるようにするとともに、有害物質ガスが充満するのを防止できるようにする技術が開示されている。具体的には包装材料の少なくとも一部が、紙、不織布等の有孔シー卜に吸湿放湿性組成物(吸水性ポリマー、塩化カルシウム等)とガス吸着物質(ゼオライト、活性炭等)とを含ませたもので密封包装した包装体が開示してある。また、吸着・放湿性とガス吸着性を単一の物質(ゼオライト、活性炭等)でも二種以上を混合して用いても達成できるとしている。
【0004】
また、特開平6−67356号には従来、写真感光材料に悪影響を与えるため使用できなかった樹脂組成物を写真感光材料に悪影響を与えないようにし、写真感光材料の包装に使用できる樹脂組成物の範囲を広げることができるようにする技術が開示されている。具体的には写真性に悪影響を及ぼす物質を吸着する物質(カーボンブラック、合成ゼオライト、活性炭等)を含む熱可塑性樹脂組成物からなる成形品の写真感光材料用包装材料が開示されている。
【0005】
また、特開平6−51450にはロール状感光材料と共に巻かれる遮光紙に関し、紙支持体から、紙支持体に積層したポリオレフィンからなる樹脂層が剥がれないようにする技術として、紙支持体の抄紙時における遮光性物質や微細繊維等の歩留まりを向上させるためにイオン交換機能を有する無機系物質を併用することが好ましく、このイオン交換機能を有する無機系物質の代表例としてゼオライト等が好ましい旨が記載されている。また、ゼオライト等のように写真性に悪影響を及ぼす物質を吸着したり、反応して無害化させる物質を必要量添加することが好ましいことも記載されている。
【0006】
また、特開平9−152683号には写真要素を容器に入れ、次いでポリマーとゼオライトのブレンド材料をその容器に入れ写真要素の保存改良方法が開示されている。
【0007】
いずれにしても、上述した従来の方法による写真感光材料への悪影響を防止する方法では基本的には写真性に悪影響を及ぼす物質を吸着する物質(カーボンブラック、ゼオライト、活性炭等)を包装材料に添加固着したり、その構成材料ポリマーにブレンドしたりして包装材料を製造し、密封包装体を提供してきた。
【0008】
ところで、特開平11−315492号では、悪臭除去能を有する、親水性高分子複合体(繊維)内に吸着物質として無機多孔質結晶を含有させた織物、不織布及び紙が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−257238号
【特許文献2】
特開平6−67356号
【特許文献3】
特開平6−51450号
【特許文献4】
特開平9−152683号
【特許文献5】
特開平11−315492号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特にゼオライトに関しては、特開平5−257238号では明細書中の[0017]に包装材料中に含まれるガス吸着性を付与する物質の量は包装材料100部に対して0.01〜150重量部、好ましくは0.1〜100重量部、特に好ましくは1〜60重量部であるとの記載があるが、具体的な実施例で添加量の記載はない。
【0011】
また、特開平6−67356号では明細書中の[0030]に吸着物質の熱可塑性樹脂における添加量は0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜35質量%、特に好ましくは1.0〜25質量%であるとの記載があるが、具体的な実施例で添加量の記載はない。
また、特開平6−51450号では明細書中の[0034]に紙支持体への添加量は紙支持体を100とすると0.1〜10質量%、好ましくは0.3〜8質量%、特に好ましくは0.5〜6質量%がよいとの記載がある。またその表面層に積層されるエチレン系樹脂にゼオライトを0.01〜1.0質量%添加した処方が請求項7に記載されており、実施例VIIIにゼオライトが0.5質量%添加した処方が開示してある。
【0012】
また、特開平9−152683にはゼオライト分子篩の適切量はポリマーとゼオライト分子篩の総重量の2〜60質量%であるとして、実施例はその添加量効果を0〜30質量%の成形試験片で説明している。
【0013】
いずれにしても外部からの添加によって構成しており、そのため、本来、吸着物質が持つ吸着性能を100%発揮することができず(それを何らかの方法で固着するための固着ポリマー物質、ブレンドポリマー物質等によって吸着性能が阻害されるため)、必要以上に添加する必要があった。しかし添加量を多くすると、その表面に粉噴き等の故障が発生し製品に付着してしまうといった問題が生じているのが現状である。
【0014】
また、結果として製造時に不具合がでない程度に添加量を少なくして使用せざるを得なかった。また製造時は見かけ上よい状態でも添加量が多い場合は経時によって、その表面に移行し粉噴き等の問題が生じ、感光材料表面に付着することもあった。
【0015】
一方、特開平11−315492では、高濃度でゼオライトを含有させた織物、不織布及び紙が開示されているが、この織物、不織布及び紙が写真感光材料用途として使用可能か否かは開示されいない。
【0016】
従って、本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、粉塵が発生することなく、写真感光材料の写真特性に悪影響を及ぼす有害ガスを効率よく吸着することが可能な写真感光材料用包装材料、写真感光材料の包装形態、写真感光材料用遮光部材、及び写真感光材料用保護板を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
本発明の写真感光材料用包装材料は、通気性を有する物質と、当該物質中で合成された合成ゼオライトと、を含んで構成されることを特徴とする。
【0018】
本発明の写真感光材料用包装材料においては、前記通気性を有する物質が、植物パルプから造られる植物繊維であることが好適である。
【0019】
本発明の写真感光材料用包装材料においては、前記包装材料は、前記合成ゼオライトを1.5質量%以上含むことが好適である。
【0020】
本発明の写真感光感光材料の包装形態は、写真感光材料を密封包装した包装形態内に、上記本発明の写真感光材料用包装材料を配置してなることを特徴とする。
【0021】
本発明の写真感光材料用保護板は、シート状写真感光材料の積層体を、その表面を保護板により覆うと共に包装袋で密封包装における保護板の構成材料として、上記本発明の写真感光材料用包装材料を用いることを特徴とする。
【0022】
本発明の写真感光材料用遮光部材は、写真感光材料の表面を覆って遮光するための遮光部材の構成材料として、上記本発明の写真感光材料用包装材料を用いることを特徴とする。
【0023】
本発明においては、上記本発明の写真感光材料用包装材料は、写真感光材料の投影面積の50%以上を覆うように用いることが好適である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の写真感光材料用包装材料は、通気性を有する物質中でゼオライトを合成させ、当該物質を構成する材料の空隙中に合成ゼオライトが封じ込められたものであり、通気性を有する物質に対して吸着物質であるゼオライトを高い割合で含められると共に、通気性を有する物質とゼオライトとが実質的に一体化しているのでゼオライトの脱落が殆どない。
【0025】
このため、本発明の写真感光材料用包装材料は、粉塵が発生することなく、写真感光材料の写真特性に悪影響を及ぼす有害ガスを効率よく吸着することが可能である。また、本発明の写真感光材料用包装材料は、粉塵の発生がないので、写真感光材料に直接ふれる包装材料(例えば保護板や遮光部材)として好適に適用することができる。
【0026】
本発明の写真感光材料用包装材料において、吸着物質としての合成ゼオライトとしては、特に制限はないが、4A ゼオライト〔Na12Si12Al12O48・27H2O〕が合成が比較的容易である観点から特に好適である。
【0027】
本発明の写真感光材料用包装材料において、通気性を有する物質としては、繊維が代表的なものとして挙げられる。当該繊維としては、化学繊維(ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維、(ポリ)アクリル繊維、セルロース繊維(例えば、レーヨン、キュプラ等)等)、天然繊維(ウール、絹、綿、麻、ケナフ等)、などが挙げられる。これらの繊維は、繊維自体が細く折れ難く、合成ゼオライトを良好に包み込んで保持可能であるため好適である。
【0028】
また、これら繊維の繊度、断面形状や各種ポリマー安定剤の有無、目付、密度等については、特に限定されない。また、化学繊維は共重合体であってもよい。また、異なる繊維の混合物でもよい。
【0029】
上記繊維の原料としては、例えば、天然セルロース(例えば、パルプ、ケナフ、木綿、麻)、再生セルロース(例えばセロハン、セルロースビーズ、レーヨン、セルローススポンジ等)、セルロース誘導体(木綿、バクテリアセルロース及びセルロースを化学修飾した、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース等)、天然或いは人工の親水性高分子(絹、羊毛、麻、ポリビニルアルコール、架橋型ポリビニルアルコール、キチン、キトサン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルホルマール等)、高吸水性高分子ゲル(ポリアクリルアミド等)、コラーゲン、木毛等が挙げられる。
【0030】
通気性を有する物質としては、植物パルプから造られる植物繊維であることが、写真性悪化ガスを発生しない、繊維に起因する粉塵が発生しないなどの観点から特に好適である。なお、植物繊維と共に、写真感光材料の写真特性を悪化させない範囲で他の繊維を併用してもよい。
【0031】
本発明の写真感光材料用包装材料は、通気性を有する物質に、苛性ソーダ、ケイ酸ソーダ、アルミン酸ソーダの各水溶液を含浸させた後、反応させることで、通気性を有する物質を構成する材料中に合成ゼオライト封じこめることが可能となる。
【0032】
具体的には、通気性を有する物質としての植物パルプから造られる植物繊維に、その非結晶領域(セルロース分子鎖が規則正しく並んでいない領域)に上記合成ゼオライト原料を含浸させ、反応させることで、繊維の非晶質領域に合成ゼオライトを封じ込めることができる。
【0033】
このような、合成ゼオライト含有植物繊維は、合成ゼオライトが例えば3.8質量%以上という高い割合で含んでおり、比表面積が100〜200m2/gと大きく、さらに植物繊維と合成ゼオライトが実質的に一体化しているので、合成ゼオライトの脱落なく、効率良く写真悪化性ガスを吸着することができる。
【0034】
なお、合成ゼオライトの含有量は、効率良く写真性悪化ガスを吸着させる観点から、合成ゼオライトの含有量が1.5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは22質量%以上であり、さらに好ましくは3.8質量%以上である。
【0035】
本発明の写真感光材料用包装材料は、通気性を有する物質を繊維で構成されることで、容易に織物、不織布、紙などに加工されて使用される。
【0036】
本発明の写真感光材料用包装材料は、写真感光材料を密封包装する感光材料の包装形態に用いられる包装材料に適用することができる。
【0037】
例えば、写真感光材料を容器などに密封包装する容器内に、写真感光材料と共に、シート状写真感光材料用包装材料を配置する形態が挙げられる。この際、密封容器内では写真性悪化ガスは淀み、対流しないので、写真感光材料の投影面積の50%以上(好ましくは50%〜100%)を覆うように、写真感光材料用包装材料を配置することがよい。これにより、効率良く、写真性悪化ガスを除去することができる。
【0038】
また、本発明の写真感光材料用包装材料は、シート状写真感光材料の積層体を、その表面を保護板により覆うと共に包装袋で密封包装する写真感光材料の包装形態に用いる写真感光材料用保護板として適用することもできる。
【0039】
このような包装形態として具体的には、例えば、図1に示す包装形態が挙げられる。この包装形態では、シート状感光材料積層体1(図1(A)参照)は、断面がコの字状の保護板2により表面を覆うことで保護させると共に(図1(B)参照)、包装袋3に収納されている(図1(C)参照)。包装袋3の4辺は幅を有するヒートシール部4を形成している。そして、シート状感光材料積層体1が収納された包装袋3は、内箱6(身)及び蓋(図示せず)から構成される嵌合箱10に収納される(図1(D)参照)。この嵌合箱10における内箱6の四隅には緩衝部材5が充填されており、包装袋3のヒートシール部4を折り曲げると共に、緩衝部材5(一部は内箱6内壁)に当接させて収納し、包装袋3をヒートシール部4の弾性特性により内箱6内に支持固定して収納している。
【0040】
この包装形態における保護板2として、本発明の写真感光材料用包装材料を適用することができる。本発明の写真感光材料用包装材料は、上述のように粉塵の発生がないため、写真感光材料に直接触れる保護板2として適用すると共に、写真性悪化ガスを吸着することができる。
【0041】
また、本発明の写真感光材料用包装材料は、写真感光材料の表面を覆って遮光するための写真感光材料用遮光部材にも適用することができる。
【0042】
このような包装形態として具体的には、例えば、図2に示す包装形態が挙げられる。この包装形態は、一端に遮光紙21を連結した感光材料20を、芯体22に巻き付け、ロール状感光材料とすると共で遮光紙21でその表面を覆う形態である。
【0043】
この包装形態の遮光紙21として、本発明の写真感光材料用包装材料を適用することができる。本発明の写真感光材料用包装材料は、上述のように粉塵の発生がないため、写真感光材料に直接触れる保護板2として適用すると共に、写真性悪化ガスを吸着することができる。
【0044】
(試験例)
以下のように、評価用サンプルを準備し評価した。
【0045】
・本発明1:セルガイア植物パルプ紙タイプ:「CGXCP−500[レンゴー(株)]」(ゼオライト22質量%相当)
・本発明2:セルガイア植物パルプ51質量%/ポリエステル繊維49質量%
不織布:「CGXCP−502[レンゴー(株)]」(ゼオライト3.8質量%相当)
・本発明3:セルガイア植物パルプ20質量%/ポリエステル繊維80質量%
不織布:「CGXCP−504[レンゴー(株)]」(ゼオライト1.5質量%相当)
・比較1:ゼオライト0.5質量%添加L−LDPE樹脂(遮光紙の表面層として特開平6−51450号に記載の実施例VIII)
・比較2:ゼオライト1.5質量%添加L−LDPE樹脂(遮光紙の表面層として特開平6−51450号に記載の実施例VIII)
・比較3:活性炭繊維30質量%PET不織布:「ACS−203(日本カイノール(株)製)」
【0046】
−テスト1−
700ml金属缶中に、写真性悪化ガス発生PS樹脂を10gと上記評価用サンプル10×10cmと感材フィルム(カラーネガ感材)10×10cmとを入れ同居させ、封緘後、50℃3日で加熱サーモし、その後、感材を取り出し、白色でウエッジ露光して、標準現像し、現像後の感材の被りの濃度(未露光部濃度)をフィルム濃度測定器にて測定した。この被りの濃度と評価用サンプルと同居させないで感材のみを、上記と同様の条件で放置、露光、現像して得た被りの濃度との差(Δfog)を算出した。評価基準は以下の通りである。なお、写真性悪化ガスとしてはアルデヒド類系のガスが検出された。本評価結果を、表1に示すと共に、比較4として上記評価用サンプルを除いた評価も示す。
【0047】
−評価基準−
・写真性評価
○:Dmin被り濃度0.05未満。
×:Dmin被り濃度0.05〜0.11未満。
××:Dmin被り濃度0.11以上。
・不具合現象
○:生産性問題なし、粉噴き、脱落等で感材への影響なし。
×:不具合内容を()内に記載。
【0048】
【表1】
【0049】
表1の結果から、本発明1〜3のゼオライト含有繊維は、植物繊維中に高濃度でゼオライトが含有されており、当該植物繊維を使用することで(或いはこの植物繊維と他の繊維を混合して使用することで)、写真悪化ガスを効率よく吸着すると共に、粉塵など発生がなく、写真性悪影響ガスを吸着できる写真感光材料用包装材料を作ることが容易であることがわかる。
【0050】
なお、比較1〜2で使用したゼオライト添加L−LDPE樹脂は、ゼオライトを5質量%以上添加すると表面に粉噴き現象がみられたて使用に絶えなかった。
【0051】
また、比較3の活性炭繊維30質量%PET不織布は、活性炭繊維のガス吸着能を利用した不織布であるが、写真性悪化ガス吸着能力はあるものの、100%活性炭繊維の不織布は製品に触れると、かなりの量が脱落し使用不可であり、活性炭繊維30質量%PET不織布でも、上述のように脱落が見とめられる。
【0052】
―テスト2―
面積5×10cm、3×10cmした本発明2〜3の評価用サンプルを準備し、面積10×10cmの感材と一端を揃えて重ね合わせ、評価用サンプルを同居させない感材と、評価用サンプルを同居させた感材における評価用サンプルが重ねられた領域(感材投影面積内箇所)及びそれ以外の領域(感材他端部箇所)との、被り差を算出した。これ以外は、テスト1と同様に実施した。結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
表2の結果から、本発明のゼオライト含有繊維を写真感光材料用包装材料として使用する際は、写真感光材料の投影面積の50%以上(好ましくは50%〜100%)を覆うようにすることがよいことがわかる。
【0055】
これら試験例から、本発明のゼオライト含有繊維は、上述した包装形態の保護板や遮光紙として適用することが非常好適であることもわかる。
【0056】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、粉塵が発生することなく、写真感光材料の写真特性に悪影響を及ぼす有害ガスを効率よく吸着することが可能な写真感光材料用包装材料、写真感光材料の包装形態、写真感光材料用遮光部材、及び写真感光材料用保護板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真感光材料用包装材料を適用した保護板を有する包装形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の写真感光材料用包装材料を適用した遮光紙を有する包装形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 シート状感光材料積層体
2 保護板
3 包装袋
10 嵌合箱
20 感光材料
21 遮光紙
22 芯体
Claims (13)
- 通気性を有する物質と、当該物質中で合成された合成ゼオライトと、を含んで構成されることを特徴とする写真感光材料用包装材料。
- 前記通気性を有する物質が、植物パルプから造られる植物繊維であることを特徴とする請求項1に記載の写真感光材料用包装材料。
- 前記包装材料は、前記合成ゼオライトを1.5質量%以上含むことを特徴とする請求項1に記載の写真感光材料用包装材料。
- 写真感光材料を密封包装した感光材料の包装形態において、
包装形態内に、通気性を有する物質と、当該物質中で合成された合成ゼオライトと、を含む写真感光材料用包装材料を配置してなることを特徴とする写真感光材料の包装形態。 - 前記通気性を有する物質が、植物パルプから造られる植物繊維であることを特徴とする請求項4に記載の写真感光材料の包装形態。
- 前記包装材料は、前記合成ゼオライトを1.5質量%以上含むことを特徴とする請求項4に記載の写真感光材料の包装形態。
- 写真感光材料の投影面積の50%以上を覆うように、前記写真感光材料用包装材料を配置することを特徴とする請求項4に記載の写真感光材料の包装形態。
- シート状写真感光材料の積層体を、その表面を保護板により覆うと共に包装袋で密封包装する写真感光材料の包装形態に用いる写真感光材料用保護板であって、
通気性を有する物質と、当該物質中で合成された合成ゼオライトと、を含んで構成されることを特徴とする写真感光材料用保護板。 - 前記通気性を有する物質が、植物パルプから造られる植物繊維であることを特徴とする請求項8に記載の写真感光材料用保護板。
- 前記包装材料は、前記合成ゼオライトを1.5質量%以上含むことを特徴とする請求項8に記載の写真感光材料用保護板。
- 写真感光材料の表面を覆って遮光するための写真感光材料用遮光部材であって、
通気性を有する物質と、当該物質中で合成された合成ゼオライトと、を含んで構成されることを特徴とする写真感光材料用遮光部材。 - 前記通気性を有する物質が、植物パルプから造られる植物繊維であることを特徴とする請求項11に記載の写真感光材料用遮光部材。
- 前記包装材料は、前記合成ゼオライトを1.5質量%以上含むことを特徴とする請求項11に記載の写真感光材料用遮光部材。
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