JP2004325094A - ロードセル装置および射出成形機の射出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】円周上に設けられた複数の歪みゲージに温度のバラツキが生じても正確に測定対象を測定することができるロードセル装置および射出成形機の射出装置を提供する。
【解決手段】複数位置に設けられた歪みゲージでブリッジ回路を構成し、該ブリッジ回路の出力を用いて、歪みゲージに作用する複数の作用力の内から所定の作用力を測定するようにしたロードセル装置において、複数位置に設けられた歪みゲージ(24,25)の温度を検出する温度センサ(26)と、温度センサの検出温度差(Δtn)に基づいて、前記ブリッジ回路の出力を補償する温度差算出器27、補正電圧算出器28、出力電圧補正器29とを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】複数位置に設けられた歪みゲージでブリッジ回路を構成し、該ブリッジ回路の出力を用いて、歪みゲージに作用する複数の作用力の内から所定の作用力を測定するようにしたロードセル装置において、複数位置に設けられた歪みゲージ(24,25)の温度を検出する温度センサ(26)と、温度センサの検出温度差(Δtn)に基づいて、前記ブリッジ回路の出力を補償する温度差算出器27、補正電圧算出器28、出力電圧補正器29とを備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数位置に設けられた歪みゲージでブリッジ回路を構成し、該ブリッジ回路の出力を用いて、前記歪みゲージに作用する複数の作用力の内から所定の作用力を測定するようにしたロードセル装置およびそれを用いた射出成形機の射出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
重量計測あるいは機械装置の部材に作用する荷重を測定する目的で、鋼材の微少な変形を歪みゲージで検出するロードセルが広く使用されている。
機械装置に組み込まれたロードセルには、ロードセルの軸方向加重の他に、曲げモーメントやトルクさらに温度による熱応力等の多くの力が作用するが、ロードセルに作用する歪みを複数の歪みゲージで検出すると共に、これら複数の歪みゲージでブリッジ回路を組み、目的である軸方向加重のみを正確に計測する工夫がなされている。
【0003】
機械装置への使用方法としては、例えばロードセルを用いて電動射出成形機の射出圧力等を計測制御するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。図4は、上記文献に示される電動射出成形機の射出装置を示す断面図である。図4に示される従来の射出装置は、射出サーボモータ1とボールネジ2によって加熱シリンダ3内のスクリュ4を直線駆動すると共に、回転サーボモータ5によってスクリュ4を回転駆動して、樹脂を可塑化計量して金型に充填する。可塑化中の背圧および充填圧力を計測制御するために、スクリュ4とボールネジ2の間にワッシャ型ロードセル6が配備されている。
ワッシャ型ロードセル6には、スクリュ先端に作用する樹脂圧力による荷重、ボールネジ回転のためのトルク、機械組立精度に起因する曲げモーメント、気温および稼働時の摩擦熱や加熱シリンダからの熱による温度変化等が同時に作用するが、制御対象である背圧や充填圧力を正確に計測制御するためには、荷重のみを正確に取り出すことが求められる。
【0004】
次に、一般的なワッシャ型ロードセル6の構造について、図5乃至図7を用いて説明する。ワッシャ型ロードセル6は、外円筒部21と内円筒部23の間に薄い板状の歪み計測部22を有する一体構造をなす。外円筒部21と内円筒部23に荷重を作用させると、歪み計測部22に歪みが発生するが、歪み計測部22の外円筒部21側には正歪みが発生し、内円筒部23側には負歪みが発生する。
歪み計測部22の円周上には円周方向に等分された複数箇所、例えば4箇所の外円筒部21側と内円筒部23側それぞれに歪みゲージ24と25が設置される。外円筒部21側の歪みゲージをC1〜C4とし、内円筒部23側の歪みゲージをT1〜T4とし、合計8箇所の歪みゲージで図7に示すブリッジ回路を構成し、入力電圧Eを与えて出力電圧Veを取り出し、アンプ(図示せず)を介して荷重あるいは射出成形機では圧力に換算することでロードセルに作用する多くの力の内、曲げモーメント、トルク、温度変化の影響を除去し、測定しようとする荷重あるいは圧力のみを正確に測定できる構成となっている。このように、ロードセルはロードセルに作用する多くの外乱を排除して目的の荷重あるいは圧力のみを有効に測定することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−286842号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ロードセルを上述したように電動射出成形機に使用した場合、電動射出成形機は運転開始後に徐々に温度上昇するに伴ってロードセルも温度上昇し、ある一定時間稼働後に一定温度に安定する。このように、温度が上昇し安定するまでの過度期には、ロードセルの温度も変化することとなるが、この場合、円周上における円周方向に微少な温度バラツキが発生しやすく、円周上4箇所の歪みゲージ貼付部の温度が同一でない状態が生じる。円周上に設けられた複数の歪みゲージに温度のバラツキが生じると、当然のことながら図7に示したブリッジ回路では目的とする測定対象以外の外乱の影響を削除することができなくなり、測定誤差が発生し、成形品質にバラツキが発生するという不具合が生じることとなる。
なお、射出成形機の温度安定後にも、気温変化等により温度変化が生じることもあるが、この場合は、ロードセルの円周上(複数の歪みゲージ)が均一に温度変化を生じるので、温度バラツキが生じることがなく、測定誤差が生じる虞はない。
【0007】
本発明は、特に電動射出成形機の温度の過度期等、円周上に設けられた複数の歪みゲージに温度のバラツキが生じても正確に測定対象を測定することができるロードセル装置および射出成形機の射出装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明は、複数位置に設けられた歪みゲージでブリッジ回路を構成し、該ブリッジ回路の出力を用いて、前記歪みゲージに作用する複数の作用力の内から所定の作用力を測定するようにしたロードセル装置において、前記複数位置に設けられた歪みゲージ(24,25)の温度を検出する温度センサ(26:TH1〜TH4)と、前記温度センサ(26)の検出温度差(Δtn)に基づいて、前記ブリッジ回路の出力を補償する温度補償回路(温度差算出器27、補正電圧算出器28、出力電圧補正器29)とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
このような構成によれば、複数の歪みゲージに生じる温度差に基づいて発生する作用力の測定誤差を補正することができ(温度補償することができ)、所望の作用力を信頼性高く測定することができる。例えば、曲げモーメント、トルク、軸方向荷重の内、軸方向荷重のみを温度差の影響を受けることなく測定することができる。
【0010】
また、本発明のロードセル装置は、前記複数位置に設けられる歪みゲージは外円筒部(21)と内円筒部(23)との間の円周上に等間隔(例えば90度の角度位置毎)に設けられるワッシャ型ロードセル装置(6)を構成することを特徴とするものである。
【0011】
このような構成によれば、円周上に歪みゲージを配置してなるワッシャ型ロードセルにおいて、円周方向に温度のバラツキが生じても、これらの温度差の影響を受けることなく所定の作用力のみを測定することができる。
【0012】
さらに、本発明はワッシャ型ロードセル装置を備えた射出成形機の射出装置に適用されることを特徴とするものである。
【0013】
射出成形機は、運転開始時しばらくは温度が変動状態(過度期)にあり、ワッシャ型ロードセルの円周方向に温度差が生じることがあるが、このような円周方向に温度差が生じても正確に所望の作用力のみを測定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるワッシャ型ロードセルを示す断面図、図2は同正面図、図3は実施の形態におけるワッシャ型ロードセルの回路構成図である。実施の形態におけるワッシャ型ロードセルは、図4に示したと同様に射出成形機の射出装置に設けられ、外円筒部21と内円筒部23の間に薄い板状の歪み計測部22を有する一体構造をなしている。そして、歪み計測部22の円周上に等間隔を有する、例えば4箇所における外円筒部21側と内円筒部23側とにそれぞれ設置された歪みゲージ24,25を有し、さらに、4箇所に設けられた各歪みゲージの近傍に設置されそれらの部位の温度を計測することで、4箇所に設けられた歪みゲージ24,25の温度(4箇所それぞれの代表値:本実施の形態では、円周方向の温度差に基づく温度補償を行い、円筒径方向の温度差に基づく温度補償はブリッジ回路によりキャンセルされ易く無視するものとする)を測定する温度センサ26を有する。
【0015】
ここで、外円筒部21側の歪みゲージ24のそれぞれをC1〜C4で表し、内円筒部23側の歪みゲージ25をT1〜T4で表し、計8個の歪みゲージで図3に示すブリッジ回路を構成する。温度補償回路として、各温度センサ26(TH1〜TH4)の出力が入力されて温度差を算出する温度差算出器27、温度差に基づいて補正電圧を算出する補正電圧算出器28、および補正電圧をブリッジ回路の出力に加算する出力電圧補正器29が備えられる。
【0016】
以下、温度補償回路の動作について説明する。温度センサ26をTH1〜TH4で表し、計4箇所の温度を温度差算出器27に入力して温度差Δtn(4箇所の平均温度に対する差、若しくは一つの測定温度に対する他のそれぞれの測定温度差)を算出する。そして、これらの温度差Δtnを補正電圧算出器28に入力して、円周方向に互いに異なる場所に位置する各歪みゲージ24,25の温度差に基づく抵抗値の変化分ΔRn=KΔtnを算出し、この抵抗値の変化分に基づく出力電圧の変化分(計測誤差分)Δvを算出し、ブリッジ回路からの出力を補正する出力電圧補正器29に入力し、ブリッジ回路からの出力Veに加算(Ve+Δv)することで、温度差に基づく出力電圧値を補正する。
【0017】
温度差による計測誤差の補正係数Kは、例えば実験的に求める。ブリッジ回路に入力電圧Eを与えて出力電圧Ve+Δvを取り出すことで、ロードセルに作用する多くの力の内、曲げモーメント、トルク、温度変化の他に、ロードセル内部の温度バラツキの影響をも排除することができ、純粋な荷重あるいは圧力のみを正確に測定できる。
【0018】
なお、実施の形態においては、4箇所それぞれに設けられた歪みゲージ24,25の温度差は考慮しなかったが、これら温度差をも考慮する場合は、各歪みゲージ24,25に対応するように温度センサを設ければ良い。
【0019】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明によれば、ロードセル内の温度を計測する温度センサを設けて、稼働中のロードセル内の温度差を算出して、温度差による荷重あるいは圧力の計測誤差を補正することにより、ロードセルの温度が安定するまでの過度期や室温変化があっても測定誤差のない正確な荷重あるいは圧力のみを測定できるロードセルを提供することができる。例えば、射出成形機に本発明のロードセル装置を搭載することで、運転開始直後から安定した成形品を得ることが可能となり、成形品質の安定化あるいは不良率が低減でき生産性の向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるワッシャ型ロードセルを示す断面図である。
【図2】図1に示したワッシャ型ロードセルの正面図である。
【図3】実施の形態におけるワッシャ型ロードセルの回路構成図である。
【図4】射出成形機の射出装置を示す断面図である。
【図5】従来のワッシャ型ロードセルを示す断面図である。
【図6】従来のワッシャ型ロードセルの正面図である。
【図7】従来のワッシャ型ロードセルの回路構成図である。
【符号の説明】
6 ワッシャ型ロードセル、21 外円筒部、23 内円筒部、24,C1〜C4 外円筒部側の歪みゲージ、25,T1〜T4 内円筒部側の歪みゲージ、26,TH1〜TH4 温度センサ、27 温度差算出器、28 補正電圧算出器、29 出力電圧補正器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数位置に設けられた歪みゲージでブリッジ回路を構成し、該ブリッジ回路の出力を用いて、前記歪みゲージに作用する複数の作用力の内から所定の作用力を測定するようにしたロードセル装置およびそれを用いた射出成形機の射出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
重量計測あるいは機械装置の部材に作用する荷重を測定する目的で、鋼材の微少な変形を歪みゲージで検出するロードセルが広く使用されている。
機械装置に組み込まれたロードセルには、ロードセルの軸方向加重の他に、曲げモーメントやトルクさらに温度による熱応力等の多くの力が作用するが、ロードセルに作用する歪みを複数の歪みゲージで検出すると共に、これら複数の歪みゲージでブリッジ回路を組み、目的である軸方向加重のみを正確に計測する工夫がなされている。
【0003】
機械装置への使用方法としては、例えばロードセルを用いて電動射出成形機の射出圧力等を計測制御するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。図4は、上記文献に示される電動射出成形機の射出装置を示す断面図である。図4に示される従来の射出装置は、射出サーボモータ1とボールネジ2によって加熱シリンダ3内のスクリュ4を直線駆動すると共に、回転サーボモータ5によってスクリュ4を回転駆動して、樹脂を可塑化計量して金型に充填する。可塑化中の背圧および充填圧力を計測制御するために、スクリュ4とボールネジ2の間にワッシャ型ロードセル6が配備されている。
ワッシャ型ロードセル6には、スクリュ先端に作用する樹脂圧力による荷重、ボールネジ回転のためのトルク、機械組立精度に起因する曲げモーメント、気温および稼働時の摩擦熱や加熱シリンダからの熱による温度変化等が同時に作用するが、制御対象である背圧や充填圧力を正確に計測制御するためには、荷重のみを正確に取り出すことが求められる。
【0004】
次に、一般的なワッシャ型ロードセル6の構造について、図5乃至図7を用いて説明する。ワッシャ型ロードセル6は、外円筒部21と内円筒部23の間に薄い板状の歪み計測部22を有する一体構造をなす。外円筒部21と内円筒部23に荷重を作用させると、歪み計測部22に歪みが発生するが、歪み計測部22の外円筒部21側には正歪みが発生し、内円筒部23側には負歪みが発生する。
歪み計測部22の円周上には円周方向に等分された複数箇所、例えば4箇所の外円筒部21側と内円筒部23側それぞれに歪みゲージ24と25が設置される。外円筒部21側の歪みゲージをC1〜C4とし、内円筒部23側の歪みゲージをT1〜T4とし、合計8箇所の歪みゲージで図7に示すブリッジ回路を構成し、入力電圧Eを与えて出力電圧Veを取り出し、アンプ(図示せず)を介して荷重あるいは射出成形機では圧力に換算することでロードセルに作用する多くの力の内、曲げモーメント、トルク、温度変化の影響を除去し、測定しようとする荷重あるいは圧力のみを正確に測定できる構成となっている。このように、ロードセルはロードセルに作用する多くの外乱を排除して目的の荷重あるいは圧力のみを有効に測定することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−286842号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ロードセルを上述したように電動射出成形機に使用した場合、電動射出成形機は運転開始後に徐々に温度上昇するに伴ってロードセルも温度上昇し、ある一定時間稼働後に一定温度に安定する。このように、温度が上昇し安定するまでの過度期には、ロードセルの温度も変化することとなるが、この場合、円周上における円周方向に微少な温度バラツキが発生しやすく、円周上4箇所の歪みゲージ貼付部の温度が同一でない状態が生じる。円周上に設けられた複数の歪みゲージに温度のバラツキが生じると、当然のことながら図7に示したブリッジ回路では目的とする測定対象以外の外乱の影響を削除することができなくなり、測定誤差が発生し、成形品質にバラツキが発生するという不具合が生じることとなる。
なお、射出成形機の温度安定後にも、気温変化等により温度変化が生じることもあるが、この場合は、ロードセルの円周上(複数の歪みゲージ)が均一に温度変化を生じるので、温度バラツキが生じることがなく、測定誤差が生じる虞はない。
【0007】
本発明は、特に電動射出成形機の温度の過度期等、円周上に設けられた複数の歪みゲージに温度のバラツキが生じても正確に測定対象を測定することができるロードセル装置および射出成形機の射出装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明は、複数位置に設けられた歪みゲージでブリッジ回路を構成し、該ブリッジ回路の出力を用いて、前記歪みゲージに作用する複数の作用力の内から所定の作用力を測定するようにしたロードセル装置において、前記複数位置に設けられた歪みゲージ(24,25)の温度を検出する温度センサ(26:TH1〜TH4)と、前記温度センサ(26)の検出温度差(Δtn)に基づいて、前記ブリッジ回路の出力を補償する温度補償回路(温度差算出器27、補正電圧算出器28、出力電圧補正器29)とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
このような構成によれば、複数の歪みゲージに生じる温度差に基づいて発生する作用力の測定誤差を補正することができ(温度補償することができ)、所望の作用力を信頼性高く測定することができる。例えば、曲げモーメント、トルク、軸方向荷重の内、軸方向荷重のみを温度差の影響を受けることなく測定することができる。
【0010】
また、本発明のロードセル装置は、前記複数位置に設けられる歪みゲージは外円筒部(21)と内円筒部(23)との間の円周上に等間隔(例えば90度の角度位置毎)に設けられるワッシャ型ロードセル装置(6)を構成することを特徴とするものである。
【0011】
このような構成によれば、円周上に歪みゲージを配置してなるワッシャ型ロードセルにおいて、円周方向に温度のバラツキが生じても、これらの温度差の影響を受けることなく所定の作用力のみを測定することができる。
【0012】
さらに、本発明はワッシャ型ロードセル装置を備えた射出成形機の射出装置に適用されることを特徴とするものである。
【0013】
射出成形機は、運転開始時しばらくは温度が変動状態(過度期)にあり、ワッシャ型ロードセルの円周方向に温度差が生じることがあるが、このような円周方向に温度差が生じても正確に所望の作用力のみを測定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるワッシャ型ロードセルを示す断面図、図2は同正面図、図3は実施の形態におけるワッシャ型ロードセルの回路構成図である。実施の形態におけるワッシャ型ロードセルは、図4に示したと同様に射出成形機の射出装置に設けられ、外円筒部21と内円筒部23の間に薄い板状の歪み計測部22を有する一体構造をなしている。そして、歪み計測部22の円周上に等間隔を有する、例えば4箇所における外円筒部21側と内円筒部23側とにそれぞれ設置された歪みゲージ24,25を有し、さらに、4箇所に設けられた各歪みゲージの近傍に設置されそれらの部位の温度を計測することで、4箇所に設けられた歪みゲージ24,25の温度(4箇所それぞれの代表値:本実施の形態では、円周方向の温度差に基づく温度補償を行い、円筒径方向の温度差に基づく温度補償はブリッジ回路によりキャンセルされ易く無視するものとする)を測定する温度センサ26を有する。
【0015】
ここで、外円筒部21側の歪みゲージ24のそれぞれをC1〜C4で表し、内円筒部23側の歪みゲージ25をT1〜T4で表し、計8個の歪みゲージで図3に示すブリッジ回路を構成する。温度補償回路として、各温度センサ26(TH1〜TH4)の出力が入力されて温度差を算出する温度差算出器27、温度差に基づいて補正電圧を算出する補正電圧算出器28、および補正電圧をブリッジ回路の出力に加算する出力電圧補正器29が備えられる。
【0016】
以下、温度補償回路の動作について説明する。温度センサ26をTH1〜TH4で表し、計4箇所の温度を温度差算出器27に入力して温度差Δtn(4箇所の平均温度に対する差、若しくは一つの測定温度に対する他のそれぞれの測定温度差)を算出する。そして、これらの温度差Δtnを補正電圧算出器28に入力して、円周方向に互いに異なる場所に位置する各歪みゲージ24,25の温度差に基づく抵抗値の変化分ΔRn=KΔtnを算出し、この抵抗値の変化分に基づく出力電圧の変化分(計測誤差分)Δvを算出し、ブリッジ回路からの出力を補正する出力電圧補正器29に入力し、ブリッジ回路からの出力Veに加算(Ve+Δv)することで、温度差に基づく出力電圧値を補正する。
【0017】
温度差による計測誤差の補正係数Kは、例えば実験的に求める。ブリッジ回路に入力電圧Eを与えて出力電圧Ve+Δvを取り出すことで、ロードセルに作用する多くの力の内、曲げモーメント、トルク、温度変化の他に、ロードセル内部の温度バラツキの影響をも排除することができ、純粋な荷重あるいは圧力のみを正確に測定できる。
【0018】
なお、実施の形態においては、4箇所それぞれに設けられた歪みゲージ24,25の温度差は考慮しなかったが、これら温度差をも考慮する場合は、各歪みゲージ24,25に対応するように温度センサを設ければ良い。
【0019】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明によれば、ロードセル内の温度を計測する温度センサを設けて、稼働中のロードセル内の温度差を算出して、温度差による荷重あるいは圧力の計測誤差を補正することにより、ロードセルの温度が安定するまでの過度期や室温変化があっても測定誤差のない正確な荷重あるいは圧力のみを測定できるロードセルを提供することができる。例えば、射出成形機に本発明のロードセル装置を搭載することで、運転開始直後から安定した成形品を得ることが可能となり、成形品質の安定化あるいは不良率が低減でき生産性の向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるワッシャ型ロードセルを示す断面図である。
【図2】図1に示したワッシャ型ロードセルの正面図である。
【図3】実施の形態におけるワッシャ型ロードセルの回路構成図である。
【図4】射出成形機の射出装置を示す断面図である。
【図5】従来のワッシャ型ロードセルを示す断面図である。
【図6】従来のワッシャ型ロードセルの正面図である。
【図7】従来のワッシャ型ロードセルの回路構成図である。
【符号の説明】
6 ワッシャ型ロードセル、21 外円筒部、23 内円筒部、24,C1〜C4 外円筒部側の歪みゲージ、25,T1〜T4 内円筒部側の歪みゲージ、26,TH1〜TH4 温度センサ、27 温度差算出器、28 補正電圧算出器、29 出力電圧補正器。
Claims (3)
- 複数位置に設けられた歪みゲージでブリッジ回路を構成し、該ブリッジ回路の出力を用いて、前記歪みゲージに作用する複数の作用力の内から所定の作用力を測定するようにしたロードセル装置において、
前記複数位置に設けられた歪みゲージの温度を検出する温度センサと、前記温度センサの検出温度差に基づいて、前記ブリッジ回路の出力を温度補償する温度補償回路とを備えたことを特徴とするロードセル装置。 - 前記複数位置に設けられる歪みゲージは外円筒部と内円筒部との間の円周上に等間隔に設けられるワッシャ型ロードセル装置を構成する請求項1に記載のロードセル装置。
- 請求項2に記載のロードセル装置を備えてなる射出成形機の射出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003116482A JP2004325094A (ja) | 2003-04-22 | 2003-04-22 | ロードセル装置および射出成形機の射出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2003116482A JP2004325094A (ja) | 2003-04-22 | 2003-04-22 | ロードセル装置および射出成形機の射出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004325094A true JP2004325094A (ja) | 2004-11-18 |
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ID=33496667
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003116482A Pending JP2004325094A (ja) | 2003-04-22 | 2003-04-22 | ロードセル装置および射出成形機の射出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004325094A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007021836A (ja) * | 2005-07-14 | 2007-02-01 | Toyo Mach & Metal Co Ltd | 射出成形機 |
JP2008055714A (ja) * | 2006-08-30 | 2008-03-13 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 射出成形機及び射出成形機の制御方法 |
JP2010169511A (ja) * | 2009-01-22 | 2010-08-05 | Yamato Scale Co Ltd | ロードセル |
JP2021025956A (ja) * | 2019-08-08 | 2021-02-22 | 株式会社エー・アンド・デイ | 計測装置 |
-
2003
- 2003-04-22 JP JP2003116482A patent/JP2004325094A/ja active Pending
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JP2008055714A (ja) * | 2006-08-30 | 2008-03-13 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 射出成形機及び射出成形機の制御方法 |
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JP2021025956A (ja) * | 2019-08-08 | 2021-02-22 | 株式会社エー・アンド・デイ | 計測装置 |
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Legal Events
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Effective date: 20050216 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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