JP2004324801A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】滑らかな動力伝達を必要とする駆動伝達装置として、駆動、および従動プーリとベルトを用いたベルト駆動装置がある。ベルトの耐久性を上げるため金属製の平ベルトを用いると、ベルトの寄りが生じやすく、部品精度の向上や、各プーリ軸の平行度の精度の向上だけでは完全にベルト寄りを防ぐ事が出来ない。
【解決手段】ベルト受け面を凸状部を有するクラウン形状に形成したクラウンプーリ3に平ベルト4が巻き付く。クラウンプーリ3に平ベルト4が巻き付きを開始する近傍において、平ベルト4の外側から、鼓状回転体をなす押圧コロ71をスプリングによってクラウンプーリ3側に押圧する。押圧コロ71のベルト受け面は、クラウンプーリ3の凸状部の曲率と同等かそれより大きい曲率を有する凹状部を有しており、平ベルト4の幅全体を従動プーリに接触させている。
【選択図】 図2
【解決手段】ベルト受け面を凸状部を有するクラウン形状に形成したクラウンプーリ3に平ベルト4が巻き付く。クラウンプーリ3に平ベルト4が巻き付きを開始する近傍において、平ベルト4の外側から、鼓状回転体をなす押圧コロ71をスプリングによってクラウンプーリ3側に押圧する。押圧コロ71のベルト受け面は、クラウンプーリ3の凸状部の曲率と同等かそれより大きい曲率を有する凹状部を有しており、平ベルト4の幅全体を従動プーリに接触させている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、画像形成装置における動力伝達装置、減速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年複写機、プーリンタ等の画像形成装置において高画質が要求され、それに伴い、感光体駆動装置では、モータからの駆動を高精度に減速する減速装置が求められており、また、耐久性能も要求されている。特にカラー画像形成装置においては、色ズレという課題に対し、各感光体上(例えばイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの4色)に潜像を形成する場合、4本の感光体が同期をとって滑らかに回転駆動されることが重要である。
平ベルトを用いた動力伝達装置はギヤ伝達駆動,タイミングベルト伝達駆動等に比較して伝達が滑らかである事が知られている。
【0003】
図5は従来例を説明するための正面図である。
同図において符号1は駆動モータ、2は駆動プーリ、3は従動プーリ、4は平ベルト、5はタイトナコロ、6はスプリングaをそれぞれ示す。
駆動モータ1の駆動軸に固定されている駆動プーリ2及び従動プーリ3に平ベルト4が掛け渡されて従動プーリ3の端部出力軸3aより回転駆動を得る。平ベルトの、両プーリに接する方の面を内側、その反対側を外側と呼ぶ。平ベルト4がプーリ3に巻き付き開始する位置よりも、ベルト移動方向に関して上流側に、平ベルト4に内側からタイトナコロ5が当接し、スプリングa6によって平ベルト4のゆるみを吸収し、平ベルト4に張力を付与している。この様な構成では一般にベルト寄りが発生する。その要因としてベルトの左右偏差、各プーリ軸の平行度の狂い、プーリ形状等が考えられる。
ベルトの左右偏差、プーリ形状は部品精度を向上させる事によりベルト寄りを少なくする事が出来るが、前述の如く、部品精度の向上や、各プーリ軸の平行度の精度の向上だけでは完全にベルト寄りを防ぐ事が出来ない。
タイトナコロ5がベルトの外側から接していてもこの状況は同じである。
【0004】
平ベルトを用いた動力伝達装置においてベルト寄り防止のためベルト側縁部にサイドガイドを用いたものがある(例えば、特許文献1 参照。)。この方法では、プーリに軸方向の力が作用し回転ムラの一因となっている。
この対策として一般に駆動プーリ2、または、従動プーリ3、若しくは両プーリのベルト受け面を凸状のクラウン形状にしてベルト寄りを防ぐ方法が提案されている(例えば、特許文献2 参照。)。その場合でも、駆動軸と従動軸の平行度の精度が悪いと、折角プーリのベルト受け面をクラウン形状にしてもその効果を発揮出来ない。
また、ベルト材質は布、ゴム(芯線を含む)が一般的であるがこれだと耐久性に劣り部品交換等のメンテナンスが必要となりコストアップになる。
【0005】
図6はクラウン形状を有するプーリに金属製平ベルトを巻きつけた状態を示す図である。同図(b)は同図(a)中のB部拡大図である。
同図(b)においてベルト受け面3bはベルト側に向けて凸状のいわゆるクラウン形状をしている。クラウン形状にする理由は、平ベルトが或る幅をもってプーリのベルト受け面に接すると、ベルト中央部と両端部ではベルトにかかる張力が異なるため、ベルトは張力の高い方に移動する習性があり、結果的にベルト中央部が常時プーリ中心部に位置するようになるためである。
ところが、金属製ベルトの場合は耐久性が格段に向上する代わり、剛性が大きいため、クラウン形状を有するプーリ(以下単にクラウンプーリと呼ぶ)に対してベルト全面が接触せず、ベルト側縁部とプーリのベルト受け面では、同図にcで示すような微少な隙間が生じ、クラウン効果が少なくなり、ベルト寄り補正がかかりにくく、ベルトがプーリから脱落する可能性がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−087568号公報(請求項1、第1図)
【特許文献1】
実開平5−96611号公報(請求項1、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はベルト寄りの発生を防ぎ且つ高耐久のベルト伝達装置を提供する事である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、一つの駆動プーリと、少なくとも一つの従動プーリと、各プーリ間に掛け渡された平ベルトとを有し、少なくとも何れか一つのプーリをベルト受け面が凸状部からなるクラウンプーリとした動力伝達装置において、該クラウンプーリへの前記平ベルトの巻き付き開始位置近傍において該平ベルトの外側から該平ベルトの少なくとも両側縁部近傍へ弾性的に押圧するベルト押圧コロを有することを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1に記載の動力伝達装置において、前記クラウンプーリの、前記平ベルトの巻き付き範囲の円周上に、前記ベルト押圧コロと同等のベルト押圧コロをさらに1個以上設置することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明では、請求項1または2に記載の動力伝達装置において、前記ベルト押圧コロは、ベルト受け面が凹状部からなる鼓状回転体、または、両端につば部を有する糸巻き状コロであることを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項3に記載の動力伝達装置において、前記鼓状回転体の前記凹状部は、前記クラウンプーリの凸状部の曲率より大なる曲率を有することを特徴とする。
請求項5の発明では、請求項2に記載の動力伝達装置において、前記複数のベルト押圧コロは、少なくともいずれか1個が、ベルト受け面が凹状部からなる鼓状回転体であり、他が、両端につば部を有する糸巻き状コロであることを特徴とする。
請求項6の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の動力伝達装置において、前記クラウンプーリの前記平ベルトの巻き付き開始位置よりベルト移動方向に関して上流側に前記平ベルトのゆるみを吸収するタイトナを設けることを特徴とする。
【0010】
請求項7の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の動力伝達装置において、前記クラウンプーリの前記平ベルトの巻き付き開始位置近傍に設けた前記押圧部材が、前記平ベルトのゆるみを吸収するタイトナの役割を兼ねることを特徴とする。
請求項8の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の動力伝達装置において、前記平ベルトは弾性係数1.8×105N/mm2以上の金属製であることを特徴とする。
請求項9の発明では、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の動力伝達装置を用いた感光体駆動装置を特徴とする。
請求項10の発明では、請求項9に記載の感光体駆動装置を用いた画像形成装置を特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に実施の形態に従って本発明を説明する。
図1は本発明の実施形態を説明するための概要図である。
同図において符号71はベルト押圧コロ、81はスプリングbをそれぞれ示す。その他の符号は図5に準ずる。
本実施形態においては、従動プーリ3のベルト受け面を、従来技術の項で説明したのと同様、凸状部からなるクラウン形状に形成したクラウンプーリ3としてあるものとする。なお、従動プーリは複数であっても構わない。また、従動プーリがすべてクラウンプーリであっても構わない。
【0012】
前述の如く布、ゴムの平ベルトでは耐久性に劣るので、ここでは耐久性能を向上させる為に、ベルトに高張力材料である金属製平ベルトを使用する。また、ベルトの巻き付き開始位置近傍において、ベルトの外側から、ベルト受け面が、少なくともベルト両側縁部に接触可能な端部を有するベルト押圧コロ71をスプリング81で弾性的に押圧する。このベルト押圧コロ71とスプリング81の組はベルト押圧手段を構成する。ベルト押圧手段の配置位置は、平ベルト4がクラウンプーリ3に巻き付いた直後が適している。
この構成においてもタイトナコロ5は、図5に示した位置と同様の位置に配置することによって、平ベルト4のゆるみを吸収し、該ベルトに張力を与えることができる。
【0013】
図2はクラウンプーリとベルト押圧コロの相対関係を示す図である。
同図(a)はベルト押圧コロ71が鼓状回転体をなす例、同図(b)はベルト押圧コロ71が両端につば部を有する糸巻き状コロである例をそれぞれ示す図である。
平ベルト4の幅は、少しぐらいベルト寄りが生じてもベルトがクラウンプーリ3から外れないように、クラウンプーリ3のベルト受け面の幅よりは狭くしておく。
同図(a)に示した鼓状回転体の凹状部の曲率は、クラウンプーリ3のベルト受け面の、凸状部の曲率とほぼ一致させるものとする。望ましくは、凹状部の曲率の方をより大きくしておくのがよい。ここで鼓状回転体の曲率をクラウンプーリ3の凸状部の曲率より大きくするのは、ベルト側縁部を確実にクラウンプーリ3のベルト受け面に当接させる為である。
鼓状回転体のベルト受け面の幅はベルトの幅より大きくしておく方がよい。
【0014】
同図(b)に示した糸巻き状コロのつば部の間隔は、少しぐらいベルト寄りが生じてもつば部がベルトから外れない程度に、平ベルトの幅よりは狭くしておく。
このようにすれば、ベルト押圧コロは主として平ベルトの側縁部に接触するので、平ベルトは結果的に全巾、ベルト押圧コロ71によりクラウンプーリ3のクラウン部に押圧され、ベルト寄り防止効果を発揮する。
【0015】
図3は本発明の他の実施形態を説明するための図である。
同図において符号72、73はベルト押圧コロ、82、83はスプリングbをそれぞれ示す。
クラウンプーリ3の円周上で、平ベルト4がかかっている範囲、すなわち巻き付き範囲に、複数のベルト押圧コロ72、73とそれに対応してスプリングb82、83を追加設置する。こうする事によりベルト寄り防止効果はより確実になる。ベルト押圧コロ72とスプリングb82の組は、前述のベルト押圧手段と同様のベルト押圧手段を形成する。ベルト押圧コロ73とスプリングb83の組も同様である。
図では追加するベルト押圧手段を2組示してあるが、これは1組でも構わない。
ベルト押圧コロを複数設ける場合、鼓状回転体と糸巻き状コロを混ぜて使用しても差し支えない。
【0016】
図4は本発明のさらに他の実施形態を示す図である。
同図において符号9はタイトナレバー、10はベルト押圧コロ、11はスプリングc、12はタイトナレバー用のスプリングdをそれぞれ示す。
タイトナレバー9はO1を中心としてスプリングd12によって揺動可能になっている。
タイトナレバー9上には、ベルト押圧コロ10が、スプリングc11により弾性力を付与されており、ベルト周長に対応してベルトにテンションを与えながらクラウンプーリ3の巻き付き開始位置近傍に押圧されている。
【0017】
この様な構成にする事により、初期においても、経時においてもベルト周長ばらつき、もしくは変化に対応し、ベルト押圧コロ10が平ベルト4に追従し、且つ平ベルト4の巻き付き開始位置近傍において当接する。これは図1におけるタイトナコロ5をベルトの外側に設けた場合におけるタイトナコロとベルト押圧コロ71が一体となったものにほぼ相当する。すなわち、ベルト押圧コロ10は平ベルト4のゆるみを吸収するタイトナの役割も兼ねている。比較的部品単価の高いベルト押圧コロの個数が減るため、低コスト化が図れる。
この構成においても、前述の従動プーリ3の円周上にベルト押圧部材を追加することは有効である。
【0018】
ベルト押圧コロ10の配置位置は、平ベルト4がクラウンプーリ3に巻き付きを開始する直前が適している。平ベルト4の許容される最大のゆるみ(伸び)に対し、クラウンプーリ3とベルト押圧コロ10の間に、平ベルト4の厚さ以上の隙間が残るよう配置するとなおよい。なぜなら、平ベルト4の厚さ以上の隙間が無くなると、それ以上ベルトのゆるみを吸収できなくなるからである。この条件が満たせれば、タイトナレバー9とスプリングd12を省略して、ベルト押圧コロ10とスプリングc11のベルト押圧手段のみでもタイトナ兼用の目的は達せられる。
【0019】
本発明では平ベルトとして、高張力、高耐久、低歪みの材料が必要なので、ステンレススチール、ばね鋼などの金属材料を用いるものとする。材料の縦弾性係数は一般的には1.8〜2.06×105N/mm2程度であるが、なるべく大きい方が望ましい。
以上に述べた動力伝達装置は、画像形成装置などの感光体駆動装置に用いることによって、滑らかな伝達が得られ、高画質の画像を得ることができるようになる。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、耐久性が高く、ベルト寄りの発生しない動力伝達装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための概要図である。
【図2】クラウンプーリと押圧コロの相対関係を示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態を説明するための図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態を示す図である。
【図5】従来例を説明するための正面図である。
【図6】クラウン形状を有するプーリに金属製平ベルトを巻きつけた状態を示す図である。
【符号の説明】
1 駆動モータ
2 駆動プーリ
3 従動プーリ(クラウンプーリ)
4 平ベルト
5 タイトナコロ
6 スプリングa
71 ベルト押圧コロ
81 スプリングb
10 ベルト押圧コロ
11 スプリングc
12 スプリングd
【産業上の利用分野】
本発明は、画像形成装置における動力伝達装置、減速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年複写機、プーリンタ等の画像形成装置において高画質が要求され、それに伴い、感光体駆動装置では、モータからの駆動を高精度に減速する減速装置が求められており、また、耐久性能も要求されている。特にカラー画像形成装置においては、色ズレという課題に対し、各感光体上(例えばイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの4色)に潜像を形成する場合、4本の感光体が同期をとって滑らかに回転駆動されることが重要である。
平ベルトを用いた動力伝達装置はギヤ伝達駆動,タイミングベルト伝達駆動等に比較して伝達が滑らかである事が知られている。
【0003】
図5は従来例を説明するための正面図である。
同図において符号1は駆動モータ、2は駆動プーリ、3は従動プーリ、4は平ベルト、5はタイトナコロ、6はスプリングaをそれぞれ示す。
駆動モータ1の駆動軸に固定されている駆動プーリ2及び従動プーリ3に平ベルト4が掛け渡されて従動プーリ3の端部出力軸3aより回転駆動を得る。平ベルトの、両プーリに接する方の面を内側、その反対側を外側と呼ぶ。平ベルト4がプーリ3に巻き付き開始する位置よりも、ベルト移動方向に関して上流側に、平ベルト4に内側からタイトナコロ5が当接し、スプリングa6によって平ベルト4のゆるみを吸収し、平ベルト4に張力を付与している。この様な構成では一般にベルト寄りが発生する。その要因としてベルトの左右偏差、各プーリ軸の平行度の狂い、プーリ形状等が考えられる。
ベルトの左右偏差、プーリ形状は部品精度を向上させる事によりベルト寄りを少なくする事が出来るが、前述の如く、部品精度の向上や、各プーリ軸の平行度の精度の向上だけでは完全にベルト寄りを防ぐ事が出来ない。
タイトナコロ5がベルトの外側から接していてもこの状況は同じである。
【0004】
平ベルトを用いた動力伝達装置においてベルト寄り防止のためベルト側縁部にサイドガイドを用いたものがある(例えば、特許文献1 参照。)。この方法では、プーリに軸方向の力が作用し回転ムラの一因となっている。
この対策として一般に駆動プーリ2、または、従動プーリ3、若しくは両プーリのベルト受け面を凸状のクラウン形状にしてベルト寄りを防ぐ方法が提案されている(例えば、特許文献2 参照。)。その場合でも、駆動軸と従動軸の平行度の精度が悪いと、折角プーリのベルト受け面をクラウン形状にしてもその効果を発揮出来ない。
また、ベルト材質は布、ゴム(芯線を含む)が一般的であるがこれだと耐久性に劣り部品交換等のメンテナンスが必要となりコストアップになる。
【0005】
図6はクラウン形状を有するプーリに金属製平ベルトを巻きつけた状態を示す図である。同図(b)は同図(a)中のB部拡大図である。
同図(b)においてベルト受け面3bはベルト側に向けて凸状のいわゆるクラウン形状をしている。クラウン形状にする理由は、平ベルトが或る幅をもってプーリのベルト受け面に接すると、ベルト中央部と両端部ではベルトにかかる張力が異なるため、ベルトは張力の高い方に移動する習性があり、結果的にベルト中央部が常時プーリ中心部に位置するようになるためである。
ところが、金属製ベルトの場合は耐久性が格段に向上する代わり、剛性が大きいため、クラウン形状を有するプーリ(以下単にクラウンプーリと呼ぶ)に対してベルト全面が接触せず、ベルト側縁部とプーリのベルト受け面では、同図にcで示すような微少な隙間が生じ、クラウン効果が少なくなり、ベルト寄り補正がかかりにくく、ベルトがプーリから脱落する可能性がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−087568号公報(請求項1、第1図)
【特許文献1】
実開平5−96611号公報(請求項1、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はベルト寄りの発生を防ぎ且つ高耐久のベルト伝達装置を提供する事である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、一つの駆動プーリと、少なくとも一つの従動プーリと、各プーリ間に掛け渡された平ベルトとを有し、少なくとも何れか一つのプーリをベルト受け面が凸状部からなるクラウンプーリとした動力伝達装置において、該クラウンプーリへの前記平ベルトの巻き付き開始位置近傍において該平ベルトの外側から該平ベルトの少なくとも両側縁部近傍へ弾性的に押圧するベルト押圧コロを有することを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1に記載の動力伝達装置において、前記クラウンプーリの、前記平ベルトの巻き付き範囲の円周上に、前記ベルト押圧コロと同等のベルト押圧コロをさらに1個以上設置することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明では、請求項1または2に記載の動力伝達装置において、前記ベルト押圧コロは、ベルト受け面が凹状部からなる鼓状回転体、または、両端につば部を有する糸巻き状コロであることを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項3に記載の動力伝達装置において、前記鼓状回転体の前記凹状部は、前記クラウンプーリの凸状部の曲率より大なる曲率を有することを特徴とする。
請求項5の発明では、請求項2に記載の動力伝達装置において、前記複数のベルト押圧コロは、少なくともいずれか1個が、ベルト受け面が凹状部からなる鼓状回転体であり、他が、両端につば部を有する糸巻き状コロであることを特徴とする。
請求項6の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の動力伝達装置において、前記クラウンプーリの前記平ベルトの巻き付き開始位置よりベルト移動方向に関して上流側に前記平ベルトのゆるみを吸収するタイトナを設けることを特徴とする。
【0010】
請求項7の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の動力伝達装置において、前記クラウンプーリの前記平ベルトの巻き付き開始位置近傍に設けた前記押圧部材が、前記平ベルトのゆるみを吸収するタイトナの役割を兼ねることを特徴とする。
請求項8の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の動力伝達装置において、前記平ベルトは弾性係数1.8×105N/mm2以上の金属製であることを特徴とする。
請求項9の発明では、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の動力伝達装置を用いた感光体駆動装置を特徴とする。
請求項10の発明では、請求項9に記載の感光体駆動装置を用いた画像形成装置を特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に実施の形態に従って本発明を説明する。
図1は本発明の実施形態を説明するための概要図である。
同図において符号71はベルト押圧コロ、81はスプリングbをそれぞれ示す。その他の符号は図5に準ずる。
本実施形態においては、従動プーリ3のベルト受け面を、従来技術の項で説明したのと同様、凸状部からなるクラウン形状に形成したクラウンプーリ3としてあるものとする。なお、従動プーリは複数であっても構わない。また、従動プーリがすべてクラウンプーリであっても構わない。
【0012】
前述の如く布、ゴムの平ベルトでは耐久性に劣るので、ここでは耐久性能を向上させる為に、ベルトに高張力材料である金属製平ベルトを使用する。また、ベルトの巻き付き開始位置近傍において、ベルトの外側から、ベルト受け面が、少なくともベルト両側縁部に接触可能な端部を有するベルト押圧コロ71をスプリング81で弾性的に押圧する。このベルト押圧コロ71とスプリング81の組はベルト押圧手段を構成する。ベルト押圧手段の配置位置は、平ベルト4がクラウンプーリ3に巻き付いた直後が適している。
この構成においてもタイトナコロ5は、図5に示した位置と同様の位置に配置することによって、平ベルト4のゆるみを吸収し、該ベルトに張力を与えることができる。
【0013】
図2はクラウンプーリとベルト押圧コロの相対関係を示す図である。
同図(a)はベルト押圧コロ71が鼓状回転体をなす例、同図(b)はベルト押圧コロ71が両端につば部を有する糸巻き状コロである例をそれぞれ示す図である。
平ベルト4の幅は、少しぐらいベルト寄りが生じてもベルトがクラウンプーリ3から外れないように、クラウンプーリ3のベルト受け面の幅よりは狭くしておく。
同図(a)に示した鼓状回転体の凹状部の曲率は、クラウンプーリ3のベルト受け面の、凸状部の曲率とほぼ一致させるものとする。望ましくは、凹状部の曲率の方をより大きくしておくのがよい。ここで鼓状回転体の曲率をクラウンプーリ3の凸状部の曲率より大きくするのは、ベルト側縁部を確実にクラウンプーリ3のベルト受け面に当接させる為である。
鼓状回転体のベルト受け面の幅はベルトの幅より大きくしておく方がよい。
【0014】
同図(b)に示した糸巻き状コロのつば部の間隔は、少しぐらいベルト寄りが生じてもつば部がベルトから外れない程度に、平ベルトの幅よりは狭くしておく。
このようにすれば、ベルト押圧コロは主として平ベルトの側縁部に接触するので、平ベルトは結果的に全巾、ベルト押圧コロ71によりクラウンプーリ3のクラウン部に押圧され、ベルト寄り防止効果を発揮する。
【0015】
図3は本発明の他の実施形態を説明するための図である。
同図において符号72、73はベルト押圧コロ、82、83はスプリングbをそれぞれ示す。
クラウンプーリ3の円周上で、平ベルト4がかかっている範囲、すなわち巻き付き範囲に、複数のベルト押圧コロ72、73とそれに対応してスプリングb82、83を追加設置する。こうする事によりベルト寄り防止効果はより確実になる。ベルト押圧コロ72とスプリングb82の組は、前述のベルト押圧手段と同様のベルト押圧手段を形成する。ベルト押圧コロ73とスプリングb83の組も同様である。
図では追加するベルト押圧手段を2組示してあるが、これは1組でも構わない。
ベルト押圧コロを複数設ける場合、鼓状回転体と糸巻き状コロを混ぜて使用しても差し支えない。
【0016】
図4は本発明のさらに他の実施形態を示す図である。
同図において符号9はタイトナレバー、10はベルト押圧コロ、11はスプリングc、12はタイトナレバー用のスプリングdをそれぞれ示す。
タイトナレバー9はO1を中心としてスプリングd12によって揺動可能になっている。
タイトナレバー9上には、ベルト押圧コロ10が、スプリングc11により弾性力を付与されており、ベルト周長に対応してベルトにテンションを与えながらクラウンプーリ3の巻き付き開始位置近傍に押圧されている。
【0017】
この様な構成にする事により、初期においても、経時においてもベルト周長ばらつき、もしくは変化に対応し、ベルト押圧コロ10が平ベルト4に追従し、且つ平ベルト4の巻き付き開始位置近傍において当接する。これは図1におけるタイトナコロ5をベルトの外側に設けた場合におけるタイトナコロとベルト押圧コロ71が一体となったものにほぼ相当する。すなわち、ベルト押圧コロ10は平ベルト4のゆるみを吸収するタイトナの役割も兼ねている。比較的部品単価の高いベルト押圧コロの個数が減るため、低コスト化が図れる。
この構成においても、前述の従動プーリ3の円周上にベルト押圧部材を追加することは有効である。
【0018】
ベルト押圧コロ10の配置位置は、平ベルト4がクラウンプーリ3に巻き付きを開始する直前が適している。平ベルト4の許容される最大のゆるみ(伸び)に対し、クラウンプーリ3とベルト押圧コロ10の間に、平ベルト4の厚さ以上の隙間が残るよう配置するとなおよい。なぜなら、平ベルト4の厚さ以上の隙間が無くなると、それ以上ベルトのゆるみを吸収できなくなるからである。この条件が満たせれば、タイトナレバー9とスプリングd12を省略して、ベルト押圧コロ10とスプリングc11のベルト押圧手段のみでもタイトナ兼用の目的は達せられる。
【0019】
本発明では平ベルトとして、高張力、高耐久、低歪みの材料が必要なので、ステンレススチール、ばね鋼などの金属材料を用いるものとする。材料の縦弾性係数は一般的には1.8〜2.06×105N/mm2程度であるが、なるべく大きい方が望ましい。
以上に述べた動力伝達装置は、画像形成装置などの感光体駆動装置に用いることによって、滑らかな伝達が得られ、高画質の画像を得ることができるようになる。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、耐久性が高く、ベルト寄りの発生しない動力伝達装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための概要図である。
【図2】クラウンプーリと押圧コロの相対関係を示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態を説明するための図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態を示す図である。
【図5】従来例を説明するための正面図である。
【図6】クラウン形状を有するプーリに金属製平ベルトを巻きつけた状態を示す図である。
【符号の説明】
1 駆動モータ
2 駆動プーリ
3 従動プーリ(クラウンプーリ)
4 平ベルト
5 タイトナコロ
6 スプリングa
71 ベルト押圧コロ
81 スプリングb
10 ベルト押圧コロ
11 スプリングc
12 スプリングd
Claims (10)
- 一つの駆動プーリと、少なくとも一つの従動プーリと、各プーリ間に掛け渡された平ベルトとを有し、少なくとも何れか一つのプーリをベルト受け面が凸状部からなるクラウンプーリとした動力伝達装置において、該クラウンプーリへの前記平ベルトの巻き付き開始位置近傍において該平ベルトの外側から該平ベルトの少なくとも両側縁部近傍へ弾性的に押圧するベルト押圧コロを有することを特徴とする動力伝達装置。
- 請求項1に記載の動力伝達装置において、前記クラウンプーリの、前記平ベルトの巻き付き範囲の円周上に、前記ベルト押圧コロと同等のベルト押圧コロをさらに1個以上設置することを特徴とする動力伝達装置。
- 請求項1または2に記載の動力伝達装置において、前記ベルト押圧コロは、ベルト受け面が凹状部からなる鼓状回転体、または、両端につば部を有する糸巻き状コロであることを特徴とする動力伝達装置。
- 請求項3に記載の動力伝達装置において、前記鼓状回転体の前記凹状部は、前記クラウンプーリの凸状部の曲率より大なる曲率を有することを特徴とする動力伝達装置。
- 請求項2に記載の動力伝達装置において、前記複数のベルト押圧コロは、少なくともいずれか1個が、ベルト受け面が凹状部からなる鼓状回転体であり、他が、両端につば部を有する糸巻き状コロであることを特徴とする動力伝達装置。
- 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の動力伝達装置において、前記クラウンプーリの前記平ベルトの巻き付き開始位置よりベルト移動方向に関して上流側に前記平ベルトのゆるみを吸収するタイトナを設けることを特徴とする動力伝達装置。
- 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の動力伝達装置において、前記クラウンプーリの前記平ベルトの巻き付き開始位置近傍に設けた前記押圧部材が、前記平ベルトのゆるみを吸収するタイトナの役割を兼ねることを特徴とする動力伝達装置。
- 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の動力伝達装置において、前記平ベルトは弾性係数1.8×105N/mm2以上の金属製であることを特徴とする動力伝達装置。
- 請求項1ないし8のいずれか1つに記載の動力伝達装置を用いたことを特徴とする感光体駆動装置。
- 請求項9に記載の感光体駆動装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003122161A JP2004324801A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | 動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003122161A JP2004324801A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | 動力伝達装置 |
Publications (1)
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JP2004324801A true JP2004324801A (ja) | 2004-11-18 |
Family
ID=33500483
Family Applications (1)
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JP2003122161A Pending JP2004324801A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | 動力伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004324801A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012047315A (ja) * | 2010-08-30 | 2012-03-08 | Kyocera Mita Corp | 駆動機構及びこれを備える画像形成装置 |
WO2020110209A1 (ja) * | 2018-11-27 | 2020-06-04 | 空研工業株式会社 | 冷却塔送風機用ベルト伝動機構 |
EP3683630A1 (en) * | 2019-01-08 | 2020-07-22 | KYOCERA Document Solutions Inc. | Belt drive device capable of restricting damage of belt, image forming apparatus |
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2003
- 2003-04-25 JP JP2003122161A patent/JP2004324801A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012047315A (ja) * | 2010-08-30 | 2012-03-08 | Kyocera Mita Corp | 駆動機構及びこれを備える画像形成装置 |
US8867963B2 (en) | 2010-08-30 | 2014-10-21 | Kyocera Document Solutions Inc. | Driving mechanism and image forming apparatus comprising the same |
WO2020110209A1 (ja) * | 2018-11-27 | 2020-06-04 | 空研工業株式会社 | 冷却塔送風機用ベルト伝動機構 |
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