JP2004324197A - 建設機械の作業機腕装置及び腕装置の補修方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブラケット板が破損した場合の補修が容易で、かつ再度は損することが少ない建設機械の作業機腕装置を提供する。
【解決手段】端部より突設され、軸ピン16が挿入されるピン孔26を有する一対のブラケット板24により端部が二股構造となった腕部材18と、ブラケット板24の側面に溶接され、ピン孔26の周辺部を補強する補強部材とを備えた建設機械の作業機腕装置において、ピン孔26から破損した先端部分を切断した既存のブラケット板24の外側面に、既存のブラケット板24とほぼ同形状の補修用ブラケット板30を添接固着したもので、既存のブラケット板24の先端部が破損しても、破損した部分を切断して、補修用ブラケット板30を既存のブラケット板24に添接固着するだけで掘削作業が再開できるようになる。
【選択図】 図4
【解決手段】端部より突設され、軸ピン16が挿入されるピン孔26を有する一対のブラケット板24により端部が二股構造となった腕部材18と、ブラケット板24の側面に溶接され、ピン孔26の周辺部を補強する補強部材とを備えた建設機械の作業機腕装置において、ピン孔26から破損した先端部分を切断した既存のブラケット板24の外側面に、既存のブラケット板24とほぼ同形状の補修用ブラケット板30を添接固着したもので、既存のブラケット板24の先端部が破損しても、破損した部分を切断して、補修用ブラケット板30を既存のブラケット板24に添接固着するだけで掘削作業が再開できるようになる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建設機械に装着された作業機の腕装置及び腕装置の補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来油圧ショベルのような建設機械は、走行体上に旋回自在な旋回体が設置されていて、旋回体の前部には作業機が装着されている。
前記作業機は、基端部が旋回体に枢着され、かつ先端側がブームシリンダにより上下方向に回動自在なブームと、ブームの先端に基端部が枢着され、かつ先端側がアームシリンダにより前後方向へ回動自在なアームと、アームの先端に枢着されたバケットとからなり、バケットはバケットシリンダにより回動できるように構成されている。
また前記ブームやアームよりなる腕装置を採用した建設機械では、腕の関節部分が二股構造になっていて、一方の腕の端部に形成した二股部分に、支持部材や他方の腕の端部を嵌合し、軸ピンより両者を回動自在に枢着しており、このような腕装置を採用した建設機械としては、例えば特許文献1に記載されたものが公知となっている。
【0003】
【特許文献1】
実開平5−10541号公報(段落0006、図1)
【0004】
前記特許文献1に記載されたブームにおいて、断面がほぼ方形に形成された箱形構造のブームの端部に、2枚のブラケット板が互いに平行となるよう二股状に延設し、これらブラケットの先端に軸ピンを挿入するピン孔を同一軸線上に穿設すると共に、各ブラケットの外側面に、一端側に前記ピン孔と合致する位置にピン孔が穿設され、他端側はブームの先端に設けられた先端閉鎖板付近に達するように重ね板を溶接一体化した構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし油圧ショベルのような建設機械においては、通常の掘削作業の他に、作業機のブーム及びアームを伸長した状態で崖等の岩盤を切り崩す作業を行うことがよくある。
このような作業を行った場合、従来の腕装置では、ブームとアームを連結する軸ピン部分に過大な引張応力が発生し、その結果軸ピンの中央部付近が引張応力方向に湾曲するように変形して、軸ピンの両端を支持するブラケット板及びブラケット板を補強する補強部材(重ね板)に、その内側に近いほど大きくなる応力が発生する。
【0006】
通常はこのような応力に耐えられるようにブラケット板及び補強部材の断面積が設計されているが、岩盤の切り崩し作業の場合、前記引張力の他にバケットのツースに局部的に加わる偏荷重によりアームに過大な捩り力が作用すると、ブラケット板と補強部材が別体となった従来の腕装置では、ブラケット板が補強部材に作用する不均等な荷重により両部材にずれが発生して溶接部の破損を誘発し、最終的にはブラケット板が全荷重を負担することになるため、ピン孔の部分からクラックが発生して、ブラケット板が破損する原因となっている。
また作業現場でブラケット板が破損した場合、従来では破損部分を含むブラケット板の先端部を切断した後、予め製作したブラケット板の先端部を突き合せ溶接しているが、補修されたブラケット板及び補強部材は、いままでの構造と同一のため、再度ブラケット板が破損する虞がある上、工場に搬送して補修を行っているため、補修に多くの時間と経費を必要とする等の問題がある。
【0007】
本発明はかかる従来の問題を改善するためになされたもので、ブラケット板が破損した場合の補修が容易で、かつ再度は損することが少ない建設機械の作業機腕装置及び腕装置の補修方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の建設機械の作業機腕装置は、端部より突設され、軸ピンが挿入されるピン孔を有する一対のブラケット板により端部が二股構造となった腕部材と、前記ブラケット板の外側面に溶接され、前記ピン孔の周辺部を補強する補強部材とを備えた建設機械の作業機腕装置において、前記ピン孔から破損した先端部分を切断した前記既存のブラケット板の外側面に、前記既存のブラケット板とほぼ同形状の補修用ブラケット板を添接固着したものである。
【0009】
前記構成により、岩盤の切り崩し作業等によって軸ピンを支承するブラケット板の先端に過大な引張力が加わったためブラケット板の先端部が破損しても、破損した部分を切断して、補修用ブラケット板を既存のブラケット板に固着するだけで掘削作業が再開できるため、作業の中断による作業能率の低下を最小限に止めることができると共に、作業現場で容易に補修作業が行えるため、工場等に搬送して補修する従来のものに比べて、補修に要する時間と経費の大幅な削減が図れるようになる。
【0010】
前記目的を達成するため本発明の建設機械の作業機腕装置は、補修用ブラケット板の先端側の板厚を、前記既存のブラケット板と前記補強部材の板厚を加えた値とほぼ同一か、これより厚く形成すると共に、前記既存のブラケット板と当接する部分に薄肉部を形成したものである。
【0011】
前記構成により、ブラケット板と補強部材が別体となった従来の腕装置に比べて、一体構造となった補修用ブラケット板は高い強度が得られるため、再びブラケット板が破損するのを確実に防止できると共に、基部側に形成した薄肉部により、既存のブラケット板の先端側の間隔と補修用ブラケット板の先端側の間隔をほぼ同一にできるため、軸ピンにより連結された他部材と補修用ブラケット板の間に隙間が生じることもない。
【0012】
前記目的を達成するため本発明の建設機械の作業機腕装置は、先端側が順次巾狭となるように上下縁が傾斜された前記既存のブラケット板の傾斜角に対して、前記補修用ブラケット板の上下縁の傾斜角を、途中より緩くしたものである。
【0013】
前記構成により、ピン孔の内周面から上下縁までの距離を大きくできるため、ピン孔周辺の強度をさらに向上させることができる。
【0014】
前記目的を達成するため本発明の補修用ブラケット板は、端部より突設され、軸ピンが挿入されるピン孔を有する一対のブラケット板により端部が二股構造となった腕部材と、前記ブラケット板の外側面に溶接され、前記ピン孔の周辺部を補強する補強部材とを備えた建設機械の作業機腕装置において、前記既存のブラケット板とほぼ同形状をなし、先端側の板厚が前記既存のブラケット板と前記補強部材の板厚を加えた値とほぼ同一か、これより厚く形成されていると共に、破損した部分が切断された前記既存のブラケット板と当接する部分に薄肉部を形成したものである。
【0015】
前記構成により、ブラケット板と補強部材が別体となった従来の腕装置に比べて、一体構造となった補修用ブラケット板は高い強度が得られるため、再びブラケット板が破損するのを確実に防止できると共に、ピン孔の周辺部を補強する補強部材を必要としないため、部品点数及び部品費の削減が図れるようになる。
【0016】
前記目的を達成するため本発明の建設機械の作業機腕装置の補修方法は、端部より突設され、軸ピンが挿入されるピン孔を有する一対のブラケット板により端部が二股構造となった腕部材と、前記ブラケット板の外側面に溶接され、前記ピン孔の周辺部を補強する補強部材とを備えた建設機械の作業機腕装置の補修方法において、前記既存のブラケット板の破損した部分を切断し、前記既存のブラケット板のピン孔と、前記既存のブラケット板とほぼ同形状に形成された補修用ブラケット板のピン孔に前記軸ピンを嵌挿した状態で前記既存のブラケット板に対して前記補修用ブラケット板を位置決めした後、前記既存のブラケット板に前記補修用ブラケット板を添接固着するようにしたものである。
【0017】
前記方法により、岩盤の切り崩し作業等によって軸ピンを支承するブラケット板の先端に過大な引張力が加わったためブラケット板の先端部が破損しても、破損した部分を切断して、補修用ブラケット板を既存のブラケット板に固着するだけで掘削作業が再開できるため、作業の中断による作業能率の低下を最小限に止めることができると共に、作業現場で容易に補修作業が行えるため、工場等に搬送して補修する従来の方法に比べて、補修に要する時間と経費の大幅な削減が図れるようになる。
【0018】
前記目的を達成するため本発明の建設機械の作業機腕装置の補修方法は、前記既存のブラケット板の破損した部分及び破損していない前記既存のブラケット板の両方をほぼ同じ位置で切断し、前記既存のブラケット板とほぼ同形状に形成された一対の補修用ブラケット板のピン孔に前記軸ピンを嵌挿した状態で前記既存のブラケット板に対して前記補修用ブラケット板を位置決めした後、前記既存のブラケット板に前記補修用ブラケット板を添接固着したものである。
【0019】
前記方法により、破損していないブラケット板も同時に切断して補修用ブラケット板により補修するため、左右ブラケット板の位置決めが容易となる上、補修された腕装置の寸法精度も向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の作業機腕装置を油圧ショベルに実施した実施の形態を、図面を参照して詳述する。
図1は油圧ショベルの側面図、図2は作業機を構成するブーム(腕部材)の先端部を示す斜視図、図3は同平面図、図4は同側面図、図5はブームの先端に設けられた補修用ブラケット板を示す側面図、図6は同一部切欠平面図、図7は図5のVII−VII線に沿う断面図である。
図1に示す油圧ショベルは、自走自在な走行体1と、走行体1上に旋回自在に設置された旋回体2とよりなる。
走行体1は、センタフレーム3aと、その両側に互に平行するよう設けられた一対のサイドフレーム3bよりなるトラックフレーム3を有していて、各サイドフレーム3bの一端側にはアイドラ4が前後移動自在に支承されており、他端側には油圧モータよりなる走行モータ5により回転駆動されるスプロケット6が設けられている。
【0021】
アイドラ4とスプロケット6の間には無端状の履帯7が捲装されていて、この履帯7をスプロケット6で駆動することにより、走行体1が自走できるようになっていると共に、サイドフレーム3bの上下部には、複数の転輪8が回転自在に支承されている。
トラックフレーム3のセンタフレーム3a上に旋回自在に設置された旋回体2は、底部が車体フレーム10により構成されていて、この車体フレーム10の前部には、ほぼ中央部に作業機11が、そして作業機11の側方に運転室12が設置され、車体フレーム10の後部には、ボンネットカバー13により覆われた機械室14が設置されていて、この機械室14内に動力用のエンジン(図示せず)が収容されており、車体フレーム10の後端にはカウンタウエイト15が取り付けられている。
【0022】
作業機11は図1に示すように、基端が車体フレーム10に枢着され、かつブームシリンダ17により起伏自在なブーム18と、ブーム18の先端に軸ピン16により基端側が枢着され、かつアームシリンダ19により回動自在なアーム20と、アーム20の先端に枢着され、かつバケットシリンダ21により回動自在なバケット22とより構成されている。
ブーム18は、ほぼへ字形をなす左右の側板18aと、これら側板18aの上縁部に溶接された上面板18b及び側板18aの下縁部に溶接された下面板18cよりなる断面がほぼ方形の箱形構造となっており、左右側板18aの先端部には、ブラケット板24の基端部がそれぞれ溶接されていて、ブーム18の先端が各ブラケット板24により二股構造となっていると共に、破損する前のブーム先端は、従来のブラケット板と同様に、先端側が順次幅狭となるブラケット板24の外側面に、補強部材(図示せず)を設けた構造となっている。
【0023】
補強部材は、ブラケット板24とほぼ同じ肉厚の板材を長方形状に切断することにより形成されていて、一端側はブラケット板24の先端部及び補強部材の一端部を貫通するように穿設されたピン孔26の外周に沿うようほぼ半円状に形成されている。
補強部材の他端側は、ブラケット板24との間に生じる段差に応力が集中するのを防止するため、傾斜面となっていて、補強部材の全周をブラケット板24の外側面に溶接することにより、ブラケット板24の特にピン孔26周辺の補強を行っている。
またブラケット板24の間に開口するブーム18先端の開口部は、先端閉鎖板28により閉鎖されている。
先端閉鎖板28は図4の破線で示すように、先端側がほぼ山形に形成され、かつ裾部はブーム18の上面板18b及び下面板18cの先端部に密着するよう折り曲げられていて、両縁部がブラケット板24の内側面と上下面板18b、18cの先端部に溶接されている。
【0024】
一方図2ないし図7は、前記従来の作業機腕装置に採用されている既存のブラケット板24が破損した場合に、補修用として使用する補修用ブラケット板30を示すもので、次にこの補修用ブラケット板30について詳述する。
補修用ブラケット板30は、既存のブラケット板24と補強部材の肉厚を加えた板厚とほぼ同じ板厚tの1枚板により形成されており、図5に示すように既存のブラケット板24とほぼ同じ形状となっている。
破損した既存のブラケット板24はほぼ中間部より切断して補修することから、切断線31より基端側はブーム18側に残ることになる。
この残った部分を利用してブラケット板24を補修するため、補修用ブラケット板30は切断線31と合致する位置より基端側には、予め薄肉部30aが形成されていて、この薄肉部30aと既存のブラケット板24の肉厚を加えた板厚が補修用ブラケット板30の先端側の板厚tとほぼ一致するように薄肉部30aの板厚が設定されている。
【0025】
そして既存のブラケット板24に補修用ブラケット板30が確実に溶接一体化できるように補修用ブラケット板30の厚肉部と薄肉部30aの段差部分及び薄肉部30aの周縁部に開先30bが形成されている。
補修用ブラケット30の上縁及び下縁の傾斜は、図5の2点鎖線で示す既存のブラケット板24の上下縁の傾斜よりやや緩くなっている。
これは図5の2点鎖線で示す既存のブラケット板24の傾斜では、ピン孔26の内周面と上下縁までの距離Lが小さくなって、ブラケット板24の破損の原因となるためで、補修用ブラケット板30では、他の部材と干渉しない範囲で、上下縁の傾斜を図5の実線に示すように緩くしてある。
【0026】
これによって既存のブラケット板24に対して上下縁からピン孔26内周面までの距離をαだけ大きくできるようになり、その結果この部分には図7に示すように、補修用ブラケット板30の先端部の断面形状は、板厚t、高さがL+αのほぼ正方形となり、既存のブラケット板24より高い断面係数が得られるようになる。
また補修用ブラケット板30の薄肉部30a基端部には、既存のブラケット板30の外側面に溶接した際段差が生じないよう、先端側へ順次薄肉となる傾斜面30cが形成されている。
【0027】
次に前記構成された作業機腕装置の作用を説明する。
既存のブラケット板24を使用した腕装置の作業機11で図1に示すような岩盤の切り崩し作業を行った場合、ピン孔の部分からクラックが発生して、既存のブラケット板24が破損することがある。
既存のブラケット板24が破損して作業機11が使用不能になった場合は、ブーム18とアーム20を連結している連結ピン16を抜き出してブーム18の先端よりアーム20を取り外す。
【0028】
次にブーム18の左右側板18aに溶接されている既存のブラケット板24の先端を、図5及び図6に示す切断線31より切断したら、予め用意した補修用ブラケット板30のピン孔26に軸ピン16を挿入して補修用ブラケット板30の位置を揃えた状態で、補修用ブラケット板30の薄肉部30a内面を図6に示すように、既存のブラケット板24の外側面に当接する。
そしてこの状態でブーム18の中心線上に各補修用ブラケット板30のピン孔26の中心が一致するように補修用ブラケット板30を正確に位置合わせして仮付けしたら、必要に応じて溶接部を予熱する。
溶接部の予熱が完了したら、補修用ブラケット板30の開先30b部分及び傾斜面30cの図4に示す斜線部を既存のブラケット板24に溶接して、既存のブラケット板24と補修用ブラケット板30を一体化する。
【0029】
以上のようにして既存のブラケット板24に補修用ブラケット板30を取り付けたら、補修用ブラケット板30の間にアーム20の基端部を嵌合して、ピン孔26に挿入した軸ピン16によりブーム18の先端にアーム20の基端部を連結するもので、補修用ブラケット板30により補修された腕装置によれば、補修用ブラケット30の先端部が1枚板構造となるため、岩盤の切り崩し作業等の際に過大な引張力が軸ピン16を支承するピン孔26の周辺部に作用しても、補修用ブラケット30の先端部が破損するのを確実に防止できるようになる。
【0030】
なお、前記実施の形態では、既存のブラケット板24の一方が破損した場合でも、両方のブラケット板24を切断して、予め用意した2枚の補修用ブラケット板30を既存のブラケット板24にそれぞれ取り付けるようにしたが、溶接時の精度が確保できる補修条件下にある場合は、破損した側のブラケット板24のみを切断して、補修用ブラケット板30を取り付けるようにしてもよいと共に、ピン孔26にブッシュを嵌合した構造の腕装置にも適用できるものである。
【0031】
また図8は補修用ブラケット板30の変形例を示すもので、ピン孔26の周辺部の強度を確保できれば、余肉部分を(斜線部分)を切除することにより、材料費の軽減と、ブラケット板30の軽量化が図れるようになる。この場合、切除部分に応力が集中するのを防止するため、補修用ブラケット板30の上下面を研摩することが望ましい。
さらに前記実施の形態では、ブーム18の先端部に設けられたブラケット板30について説明したが、ブーム18の基端部に設けられたブラケット板についても同様に実施できると共に、ブーム18以外でも端部がブラケット板24により二股構造となった腕部材を有する建設機械の作業機全般に適用できるものである。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、端部より突設された一対のブラケット板により端部が二股構造となった腕部材のブラケット板が破損した場合、破損した部分が切断された既存のブラケット板の外側面に、既存のブラケット板とほぼ同形状の補修用ブラケット板を既存のブラケット板に添接固着するようにしたことから、岩盤の切り崩し作業等によって軸ピンを支承するブラケット板の先端に過大な引張力が加わったためブラケット板の先端部が破損しても、破損した部分を切断して、補修用ブラケット板を既存のブラケット板に固着するだけで掘削作業が再開できるため、作業の中断による作業能率の低下を最小限に止めることができると共に、作業現場で容易に補修作業が行えるため、工場等に搬送して補修する従来のものに比べて、補修に要する時間と経費の大幅な削減が図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態になる建設機械の作業機腕装置を採用した建設機械の側面図である。
【図2】本発明の実施の形態になる建設機械の作業機腕装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態になる建設機械の作業機腕装置を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態になる建設機械の作業機腕装置を示す側面図である。
【図5】本発明の実施の形態になる建設機械の作業機腕装置使用する補修用ブラケット板を示す側面図である。
【図6】本発明の実施の形態になる建設機械の作業機腕装置使用する補修用ブラケット板を示す一部切欠平面図である。
【図7】図5のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】本発明の実施の形態になる建設機械の作業機腕装置使用する補修用ブラケット板の変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
16 軸ピン
18 腕部材(ブーム)
24 既存のブラケット板
26 ピン孔
30 補修用ブラケット板
30a 薄肉部
【発明の属する技術分野】
本発明は建設機械に装着された作業機の腕装置及び腕装置の補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来油圧ショベルのような建設機械は、走行体上に旋回自在な旋回体が設置されていて、旋回体の前部には作業機が装着されている。
前記作業機は、基端部が旋回体に枢着され、かつ先端側がブームシリンダにより上下方向に回動自在なブームと、ブームの先端に基端部が枢着され、かつ先端側がアームシリンダにより前後方向へ回動自在なアームと、アームの先端に枢着されたバケットとからなり、バケットはバケットシリンダにより回動できるように構成されている。
また前記ブームやアームよりなる腕装置を採用した建設機械では、腕の関節部分が二股構造になっていて、一方の腕の端部に形成した二股部分に、支持部材や他方の腕の端部を嵌合し、軸ピンより両者を回動自在に枢着しており、このような腕装置を採用した建設機械としては、例えば特許文献1に記載されたものが公知となっている。
【0003】
【特許文献1】
実開平5−10541号公報(段落0006、図1)
【0004】
前記特許文献1に記載されたブームにおいて、断面がほぼ方形に形成された箱形構造のブームの端部に、2枚のブラケット板が互いに平行となるよう二股状に延設し、これらブラケットの先端に軸ピンを挿入するピン孔を同一軸線上に穿設すると共に、各ブラケットの外側面に、一端側に前記ピン孔と合致する位置にピン孔が穿設され、他端側はブームの先端に設けられた先端閉鎖板付近に達するように重ね板を溶接一体化した構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし油圧ショベルのような建設機械においては、通常の掘削作業の他に、作業機のブーム及びアームを伸長した状態で崖等の岩盤を切り崩す作業を行うことがよくある。
このような作業を行った場合、従来の腕装置では、ブームとアームを連結する軸ピン部分に過大な引張応力が発生し、その結果軸ピンの中央部付近が引張応力方向に湾曲するように変形して、軸ピンの両端を支持するブラケット板及びブラケット板を補強する補強部材(重ね板)に、その内側に近いほど大きくなる応力が発生する。
【0006】
通常はこのような応力に耐えられるようにブラケット板及び補強部材の断面積が設計されているが、岩盤の切り崩し作業の場合、前記引張力の他にバケットのツースに局部的に加わる偏荷重によりアームに過大な捩り力が作用すると、ブラケット板と補強部材が別体となった従来の腕装置では、ブラケット板が補強部材に作用する不均等な荷重により両部材にずれが発生して溶接部の破損を誘発し、最終的にはブラケット板が全荷重を負担することになるため、ピン孔の部分からクラックが発生して、ブラケット板が破損する原因となっている。
また作業現場でブラケット板が破損した場合、従来では破損部分を含むブラケット板の先端部を切断した後、予め製作したブラケット板の先端部を突き合せ溶接しているが、補修されたブラケット板及び補強部材は、いままでの構造と同一のため、再度ブラケット板が破損する虞がある上、工場に搬送して補修を行っているため、補修に多くの時間と経費を必要とする等の問題がある。
【0007】
本発明はかかる従来の問題を改善するためになされたもので、ブラケット板が破損した場合の補修が容易で、かつ再度は損することが少ない建設機械の作業機腕装置及び腕装置の補修方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の建設機械の作業機腕装置は、端部より突設され、軸ピンが挿入されるピン孔を有する一対のブラケット板により端部が二股構造となった腕部材と、前記ブラケット板の外側面に溶接され、前記ピン孔の周辺部を補強する補強部材とを備えた建設機械の作業機腕装置において、前記ピン孔から破損した先端部分を切断した前記既存のブラケット板の外側面に、前記既存のブラケット板とほぼ同形状の補修用ブラケット板を添接固着したものである。
【0009】
前記構成により、岩盤の切り崩し作業等によって軸ピンを支承するブラケット板の先端に過大な引張力が加わったためブラケット板の先端部が破損しても、破損した部分を切断して、補修用ブラケット板を既存のブラケット板に固着するだけで掘削作業が再開できるため、作業の中断による作業能率の低下を最小限に止めることができると共に、作業現場で容易に補修作業が行えるため、工場等に搬送して補修する従来のものに比べて、補修に要する時間と経費の大幅な削減が図れるようになる。
【0010】
前記目的を達成するため本発明の建設機械の作業機腕装置は、補修用ブラケット板の先端側の板厚を、前記既存のブラケット板と前記補強部材の板厚を加えた値とほぼ同一か、これより厚く形成すると共に、前記既存のブラケット板と当接する部分に薄肉部を形成したものである。
【0011】
前記構成により、ブラケット板と補強部材が別体となった従来の腕装置に比べて、一体構造となった補修用ブラケット板は高い強度が得られるため、再びブラケット板が破損するのを確実に防止できると共に、基部側に形成した薄肉部により、既存のブラケット板の先端側の間隔と補修用ブラケット板の先端側の間隔をほぼ同一にできるため、軸ピンにより連結された他部材と補修用ブラケット板の間に隙間が生じることもない。
【0012】
前記目的を達成するため本発明の建設機械の作業機腕装置は、先端側が順次巾狭となるように上下縁が傾斜された前記既存のブラケット板の傾斜角に対して、前記補修用ブラケット板の上下縁の傾斜角を、途中より緩くしたものである。
【0013】
前記構成により、ピン孔の内周面から上下縁までの距離を大きくできるため、ピン孔周辺の強度をさらに向上させることができる。
【0014】
前記目的を達成するため本発明の補修用ブラケット板は、端部より突設され、軸ピンが挿入されるピン孔を有する一対のブラケット板により端部が二股構造となった腕部材と、前記ブラケット板の外側面に溶接され、前記ピン孔の周辺部を補強する補強部材とを備えた建設機械の作業機腕装置において、前記既存のブラケット板とほぼ同形状をなし、先端側の板厚が前記既存のブラケット板と前記補強部材の板厚を加えた値とほぼ同一か、これより厚く形成されていると共に、破損した部分が切断された前記既存のブラケット板と当接する部分に薄肉部を形成したものである。
【0015】
前記構成により、ブラケット板と補強部材が別体となった従来の腕装置に比べて、一体構造となった補修用ブラケット板は高い強度が得られるため、再びブラケット板が破損するのを確実に防止できると共に、ピン孔の周辺部を補強する補強部材を必要としないため、部品点数及び部品費の削減が図れるようになる。
【0016】
前記目的を達成するため本発明の建設機械の作業機腕装置の補修方法は、端部より突設され、軸ピンが挿入されるピン孔を有する一対のブラケット板により端部が二股構造となった腕部材と、前記ブラケット板の外側面に溶接され、前記ピン孔の周辺部を補強する補強部材とを備えた建設機械の作業機腕装置の補修方法において、前記既存のブラケット板の破損した部分を切断し、前記既存のブラケット板のピン孔と、前記既存のブラケット板とほぼ同形状に形成された補修用ブラケット板のピン孔に前記軸ピンを嵌挿した状態で前記既存のブラケット板に対して前記補修用ブラケット板を位置決めした後、前記既存のブラケット板に前記補修用ブラケット板を添接固着するようにしたものである。
【0017】
前記方法により、岩盤の切り崩し作業等によって軸ピンを支承するブラケット板の先端に過大な引張力が加わったためブラケット板の先端部が破損しても、破損した部分を切断して、補修用ブラケット板を既存のブラケット板に固着するだけで掘削作業が再開できるため、作業の中断による作業能率の低下を最小限に止めることができると共に、作業現場で容易に補修作業が行えるため、工場等に搬送して補修する従来の方法に比べて、補修に要する時間と経費の大幅な削減が図れるようになる。
【0018】
前記目的を達成するため本発明の建設機械の作業機腕装置の補修方法は、前記既存のブラケット板の破損した部分及び破損していない前記既存のブラケット板の両方をほぼ同じ位置で切断し、前記既存のブラケット板とほぼ同形状に形成された一対の補修用ブラケット板のピン孔に前記軸ピンを嵌挿した状態で前記既存のブラケット板に対して前記補修用ブラケット板を位置決めした後、前記既存のブラケット板に前記補修用ブラケット板を添接固着したものである。
【0019】
前記方法により、破損していないブラケット板も同時に切断して補修用ブラケット板により補修するため、左右ブラケット板の位置決めが容易となる上、補修された腕装置の寸法精度も向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の作業機腕装置を油圧ショベルに実施した実施の形態を、図面を参照して詳述する。
図1は油圧ショベルの側面図、図2は作業機を構成するブーム(腕部材)の先端部を示す斜視図、図3は同平面図、図4は同側面図、図5はブームの先端に設けられた補修用ブラケット板を示す側面図、図6は同一部切欠平面図、図7は図5のVII−VII線に沿う断面図である。
図1に示す油圧ショベルは、自走自在な走行体1と、走行体1上に旋回自在に設置された旋回体2とよりなる。
走行体1は、センタフレーム3aと、その両側に互に平行するよう設けられた一対のサイドフレーム3bよりなるトラックフレーム3を有していて、各サイドフレーム3bの一端側にはアイドラ4が前後移動自在に支承されており、他端側には油圧モータよりなる走行モータ5により回転駆動されるスプロケット6が設けられている。
【0021】
アイドラ4とスプロケット6の間には無端状の履帯7が捲装されていて、この履帯7をスプロケット6で駆動することにより、走行体1が自走できるようになっていると共に、サイドフレーム3bの上下部には、複数の転輪8が回転自在に支承されている。
トラックフレーム3のセンタフレーム3a上に旋回自在に設置された旋回体2は、底部が車体フレーム10により構成されていて、この車体フレーム10の前部には、ほぼ中央部に作業機11が、そして作業機11の側方に運転室12が設置され、車体フレーム10の後部には、ボンネットカバー13により覆われた機械室14が設置されていて、この機械室14内に動力用のエンジン(図示せず)が収容されており、車体フレーム10の後端にはカウンタウエイト15が取り付けられている。
【0022】
作業機11は図1に示すように、基端が車体フレーム10に枢着され、かつブームシリンダ17により起伏自在なブーム18と、ブーム18の先端に軸ピン16により基端側が枢着され、かつアームシリンダ19により回動自在なアーム20と、アーム20の先端に枢着され、かつバケットシリンダ21により回動自在なバケット22とより構成されている。
ブーム18は、ほぼへ字形をなす左右の側板18aと、これら側板18aの上縁部に溶接された上面板18b及び側板18aの下縁部に溶接された下面板18cよりなる断面がほぼ方形の箱形構造となっており、左右側板18aの先端部には、ブラケット板24の基端部がそれぞれ溶接されていて、ブーム18の先端が各ブラケット板24により二股構造となっていると共に、破損する前のブーム先端は、従来のブラケット板と同様に、先端側が順次幅狭となるブラケット板24の外側面に、補強部材(図示せず)を設けた構造となっている。
【0023】
補強部材は、ブラケット板24とほぼ同じ肉厚の板材を長方形状に切断することにより形成されていて、一端側はブラケット板24の先端部及び補強部材の一端部を貫通するように穿設されたピン孔26の外周に沿うようほぼ半円状に形成されている。
補強部材の他端側は、ブラケット板24との間に生じる段差に応力が集中するのを防止するため、傾斜面となっていて、補強部材の全周をブラケット板24の外側面に溶接することにより、ブラケット板24の特にピン孔26周辺の補強を行っている。
またブラケット板24の間に開口するブーム18先端の開口部は、先端閉鎖板28により閉鎖されている。
先端閉鎖板28は図4の破線で示すように、先端側がほぼ山形に形成され、かつ裾部はブーム18の上面板18b及び下面板18cの先端部に密着するよう折り曲げられていて、両縁部がブラケット板24の内側面と上下面板18b、18cの先端部に溶接されている。
【0024】
一方図2ないし図7は、前記従来の作業機腕装置に採用されている既存のブラケット板24が破損した場合に、補修用として使用する補修用ブラケット板30を示すもので、次にこの補修用ブラケット板30について詳述する。
補修用ブラケット板30は、既存のブラケット板24と補強部材の肉厚を加えた板厚とほぼ同じ板厚tの1枚板により形成されており、図5に示すように既存のブラケット板24とほぼ同じ形状となっている。
破損した既存のブラケット板24はほぼ中間部より切断して補修することから、切断線31より基端側はブーム18側に残ることになる。
この残った部分を利用してブラケット板24を補修するため、補修用ブラケット板30は切断線31と合致する位置より基端側には、予め薄肉部30aが形成されていて、この薄肉部30aと既存のブラケット板24の肉厚を加えた板厚が補修用ブラケット板30の先端側の板厚tとほぼ一致するように薄肉部30aの板厚が設定されている。
【0025】
そして既存のブラケット板24に補修用ブラケット板30が確実に溶接一体化できるように補修用ブラケット板30の厚肉部と薄肉部30aの段差部分及び薄肉部30aの周縁部に開先30bが形成されている。
補修用ブラケット30の上縁及び下縁の傾斜は、図5の2点鎖線で示す既存のブラケット板24の上下縁の傾斜よりやや緩くなっている。
これは図5の2点鎖線で示す既存のブラケット板24の傾斜では、ピン孔26の内周面と上下縁までの距離Lが小さくなって、ブラケット板24の破損の原因となるためで、補修用ブラケット板30では、他の部材と干渉しない範囲で、上下縁の傾斜を図5の実線に示すように緩くしてある。
【0026】
これによって既存のブラケット板24に対して上下縁からピン孔26内周面までの距離をαだけ大きくできるようになり、その結果この部分には図7に示すように、補修用ブラケット板30の先端部の断面形状は、板厚t、高さがL+αのほぼ正方形となり、既存のブラケット板24より高い断面係数が得られるようになる。
また補修用ブラケット板30の薄肉部30a基端部には、既存のブラケット板30の外側面に溶接した際段差が生じないよう、先端側へ順次薄肉となる傾斜面30cが形成されている。
【0027】
次に前記構成された作業機腕装置の作用を説明する。
既存のブラケット板24を使用した腕装置の作業機11で図1に示すような岩盤の切り崩し作業を行った場合、ピン孔の部分からクラックが発生して、既存のブラケット板24が破損することがある。
既存のブラケット板24が破損して作業機11が使用不能になった場合は、ブーム18とアーム20を連結している連結ピン16を抜き出してブーム18の先端よりアーム20を取り外す。
【0028】
次にブーム18の左右側板18aに溶接されている既存のブラケット板24の先端を、図5及び図6に示す切断線31より切断したら、予め用意した補修用ブラケット板30のピン孔26に軸ピン16を挿入して補修用ブラケット板30の位置を揃えた状態で、補修用ブラケット板30の薄肉部30a内面を図6に示すように、既存のブラケット板24の外側面に当接する。
そしてこの状態でブーム18の中心線上に各補修用ブラケット板30のピン孔26の中心が一致するように補修用ブラケット板30を正確に位置合わせして仮付けしたら、必要に応じて溶接部を予熱する。
溶接部の予熱が完了したら、補修用ブラケット板30の開先30b部分及び傾斜面30cの図4に示す斜線部を既存のブラケット板24に溶接して、既存のブラケット板24と補修用ブラケット板30を一体化する。
【0029】
以上のようにして既存のブラケット板24に補修用ブラケット板30を取り付けたら、補修用ブラケット板30の間にアーム20の基端部を嵌合して、ピン孔26に挿入した軸ピン16によりブーム18の先端にアーム20の基端部を連結するもので、補修用ブラケット板30により補修された腕装置によれば、補修用ブラケット30の先端部が1枚板構造となるため、岩盤の切り崩し作業等の際に過大な引張力が軸ピン16を支承するピン孔26の周辺部に作用しても、補修用ブラケット30の先端部が破損するのを確実に防止できるようになる。
【0030】
なお、前記実施の形態では、既存のブラケット板24の一方が破損した場合でも、両方のブラケット板24を切断して、予め用意した2枚の補修用ブラケット板30を既存のブラケット板24にそれぞれ取り付けるようにしたが、溶接時の精度が確保できる補修条件下にある場合は、破損した側のブラケット板24のみを切断して、補修用ブラケット板30を取り付けるようにしてもよいと共に、ピン孔26にブッシュを嵌合した構造の腕装置にも適用できるものである。
【0031】
また図8は補修用ブラケット板30の変形例を示すもので、ピン孔26の周辺部の強度を確保できれば、余肉部分を(斜線部分)を切除することにより、材料費の軽減と、ブラケット板30の軽量化が図れるようになる。この場合、切除部分に応力が集中するのを防止するため、補修用ブラケット板30の上下面を研摩することが望ましい。
さらに前記実施の形態では、ブーム18の先端部に設けられたブラケット板30について説明したが、ブーム18の基端部に設けられたブラケット板についても同様に実施できると共に、ブーム18以外でも端部がブラケット板24により二股構造となった腕部材を有する建設機械の作業機全般に適用できるものである。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、端部より突設された一対のブラケット板により端部が二股構造となった腕部材のブラケット板が破損した場合、破損した部分が切断された既存のブラケット板の外側面に、既存のブラケット板とほぼ同形状の補修用ブラケット板を既存のブラケット板に添接固着するようにしたことから、岩盤の切り崩し作業等によって軸ピンを支承するブラケット板の先端に過大な引張力が加わったためブラケット板の先端部が破損しても、破損した部分を切断して、補修用ブラケット板を既存のブラケット板に固着するだけで掘削作業が再開できるため、作業の中断による作業能率の低下を最小限に止めることができると共に、作業現場で容易に補修作業が行えるため、工場等に搬送して補修する従来のものに比べて、補修に要する時間と経費の大幅な削減が図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態になる建設機械の作業機腕装置を採用した建設機械の側面図である。
【図2】本発明の実施の形態になる建設機械の作業機腕装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態になる建設機械の作業機腕装置を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態になる建設機械の作業機腕装置を示す側面図である。
【図5】本発明の実施の形態になる建設機械の作業機腕装置使用する補修用ブラケット板を示す側面図である。
【図6】本発明の実施の形態になる建設機械の作業機腕装置使用する補修用ブラケット板を示す一部切欠平面図である。
【図7】図5のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】本発明の実施の形態になる建設機械の作業機腕装置使用する補修用ブラケット板の変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
16 軸ピン
18 腕部材(ブーム)
24 既存のブラケット板
26 ピン孔
30 補修用ブラケット板
30a 薄肉部
Claims (6)
- 端部より突設され、軸ピンが挿入されるピン孔を有する一対のブラケット板により端部が二股構造となった腕部材と、前記ブラケット板の外側面に溶接され、前記ピン孔の周辺部を補強する補強部材とを備えた建設機械の作業機腕装置において、前記ピン孔から破損した先端部分を切断した前記既存のブラケット板の外側面に、前記既存のブラケット板とほぼ同形状の補修用ブラケット板を添接固着したことを特徴とする建設機械の作業機腕装置。
- 前記補修用ブラケット板の先端側の板厚を、前記既存のブラケット板と前記補強部材の板厚を加えた値とほぼ同一か、これより厚く形成すると共に、前記既存のブラケット板と当接する部分に薄肉部を形成してなる請求項1に記載の建設機械の作業機腕装置。
- 先端側が順次巾狭となるように上下縁が傾斜された前記既存のブラケット板の傾斜角に対して、前記補修用ブラケット板の上下縁の傾斜角を、途中より緩くしてなる請求項1または2に記載の建設機械の作業機腕装置。
- 端部より突設され、軸ピンが挿入されるピン孔を有する一対のブラケット板により端部が二股構造となった腕部材と、前記ブラケット板の外側面に溶接され、前記ピン孔の周辺部を補強する補強部材とを備えた建設機械の作業機腕装置において、前記既存のブラケット板とほぼ同形状をなし、先端側の板厚が前記既存のブラケット板と前記補強部材の板厚を加えた値とほぼ同一か、これより厚く形成されていると共に、破損した部分が切断された前記既存のブラケット板と当接する部分に薄肉部を形成したことを特徴とする補修用ブラケット板。
- 端部より突設され、軸ピンが挿入されるピン孔を有する一対のブラケット板により端部が二股構造となった腕部材と、前記ブラケット板の外側面に溶接され、前記ピン孔の周辺部を補強する補強部材とを備えた建設機械の作業機腕装置の補修方法において、前記既存のブラケット板の破損した部分を切断し、前記既存のブラケット板のピン孔と、前記既存のブラケット板とほぼ同形状に形成された補修用ブラケット板のピン孔に前記軸ピンを嵌挿した状態で前記既存のブラケット板に対して前記補修用ブラケット板を位置決めした後、前記既存のブラケット板に前記補修用ブラケット板を添接固着することを特徴とする建設機械の作業機腕装置の補修方法。
- 前記既存のブラケット板の破損した部分及び破損していない前記既存のブラケット板の両方をほぼ同じ位置で切断し、前記既存のブラケット板とほぼ同形状に形成された一対の補修用ブラケット板のピン孔に前記軸ピンを嵌挿した状態で前記既存のブラケット板に対して前記補修用ブラケット板を位置決めした後、前記既存のブラケット板に前記補修用ブラケット板を添接固着してなる請求項5に記載の建設機械の作業機腕装置の補修方法。
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JP2003119525A JP2004324197A (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | 建設機械の作業機腕装置及び腕装置の補修方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006169851A (ja) * | 2004-12-16 | 2006-06-29 | Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd | ブラケット構造体 |
-
2003
- 2003-04-24 JP JP2003119525A patent/JP2004324197A/ja active Pending
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