JP2004324195A - Pc橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、作業員による横引き作業を必要とせずに、ブラケットの解体が可能となるPC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、吊り出し装置1は、H型鋼材をボルト・ナットなどの締結部材より組立て形成されるものであり、水平支持部2の上面をその長手方向に沿って移動可能とした吊り環3と、前記水平支持部2の一端に垂下される垂直支持部4と、この垂直支持部4の下端に設けられるブラケット接合部5とから構成されるものである。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、吊り出し装置1は、H型鋼材をボルト・ナットなどの締結部材より組立て形成されるものであり、水平支持部2の上面をその長手方向に沿って移動可能とした吊り環3と、前記水平支持部2の一端に垂下される垂直支持部4と、この垂直支持部4の下端に設けられるブラケット接合部5とから構成されるものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、PC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し方法およびブラケットの吊り出し装置に関する。詳しくはPC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
橋梁の施工においては、工事用吊り場が橋桁側面に架設される。この種の吊り足場として図10に示すような発明がある。この吊り足場101は、一対の吊下げ枠102と、吊下げ枠102の横桟103に支持される足場板104とから構成される。足場板104は桁方向の分割線(C)に沿って屈曲板105および支承板106に分割され、屈曲板105および支承板106を枢動可能に連結する枢動手段107によって相互連結される。屈曲板105は、支承板106に対して屈曲し、支承板106に重なる。支承板106は、可動連結機構107を介して、横桟103に連結され、連結機構は、分割線と平行な軸線108を中心に支承板106を枢動可能に支持する支承手段109を備える(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−364169号公報(要約書、第1図参照。)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そして前記構成の足場を基点として、PC橋梁の柱頭部ブロック構築の施工においては、図11に示すように柱頭部ブロック110を構築するために、柱頭部ブロック構築の計画位置の下部橋脚111に、H型鋼などによって組立てられたブラケット112を取り付け、その上で柱頭部ブロック110を構築し、完成後ブラケット112を解体するという工法が採用されている。
【0005】
そこで前記ブラケット112を解体するには、図11および図12に示すように、上部よりクレーン113を用いてブラケット112を無理に吊上げ、ブラケット112自体に控えロープ114を取り付け、作業員115により横引き作業などを行いながら解体しているのが現状である。
【0006】
しかしながら前記解体作業では、ブラケットを無理に斜吊りするために、ブラケット取付け部のボルトの取外し作業の際に急にブラケットが外れて作業員がはねられたり、または挟まれたりする等の事故が発生している。
【0007】
また、ブラケットの重心位置が直に吊れないため、解体されたブラケットのバランスが崩れて落下等の事故が生じている。更にブラケットを無理に引き出すため、急な動きが生じ、作業員がはねられたり、弾みで完成した柱頭部ブロックに当たるなどの人身事故が発生している。従って解体作業は、玉掛け位置、控えロープの取り方、玉掛け方法などの高度な知識や経験が要求されるために熟練した作業員が必要とされる。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、作業員による横引き作業を必要とせずに、ブラケットの解体が可能となるPC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係るPC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置は、PC橋梁の柱頭部ブロックを構築するために、下部橋脚に取付けられたブラケットを吊り出す装置において、その上部に所要数の吊り環が配設される水平支持部と、該水平支持部の一端に垂下される垂直支持部と、該垂直支持部の下端に装着されるブラケット接合部とを備える。
【0010】
ここで、PC橋梁の柱頭部ブロックの構築後にブラケットを解体する場合において、水平支持部をクレーンによって吊上げた状態で柱頭部ブロックの端部より垂直支持部を垂下させる。そして垂直支持部の下端に設けられるブラケット接合部によってブラケット上部を連結し、クレーンによる吊り位置があらかじめ算定しておいた吊り出し装置とブラケットの合成重心位置となるように調整した状態でブラケットを吊上げて水平方向へ移動させることで柱頭部ブロックの下部より吊り出すことが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0012】
図1に、本発明を適用したPC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置の一例を説明するための斜視図を示す。ここで示す吊り出し装置1は、H型鋼材をボルト・ナットなどの締結部材より組立て形成されるものであり、水平支持部2の上面をその長手方向に沿って移動可能とした吊り環3と、前記水平支持部2の一端に垂下される垂直支持部4と、この垂直支持部4の下端に設けられるブラケット接合部5とから構成されるものである。
【0013】
ここで、前記吊り環3は吊りの荷重に応じて大きさを決定するものであり、この吊り環3と水平支持部2との接合は、複数個の締め付け金具6にて締め付け接合する。この締め付け金具6は図2に示すように、吊り環3の基板7と水平支持部2の鋼板8とを重ねた状態で挿入できる間隔を設けて形成される湾曲部9の開口端に向けてそれぞれ棒ネジ10が内蔵され、この互いに向き合う棒ネジ10を閉め付けることで前記吊り環3の基板7と水平支持部2の鋼板8とを重ねた状態で締め付け接合できると共に、棒ネジ10を緩めることで吊り環3を任意の位置に自在に移動することが可能となる。
【0014】
また、垂直支持部4は水平支持部2の一端に直角状にボルト・ナット11によって剛接合される。この垂直支持部4の長さはPC橋梁の柱頭部ブロック(図示せず。)の上部より下部橋脚に取付けられたブラケット(図示せず。)の上部位置長さとする。
【0015】
さらにブラケット接合部5は、垂直支持部4の下端に水平支持部2方向へ平行状にボルト・ナット11によって剛接合されるものである。このブラケット接合部5はブラケット(図示せず。)に接合する場合には図1に示す長さで充分であるが、図5に示すように下部橋脚12面に取付けられるブラケット取付鋼材13を吊上げる場合には、柱頭部ブロック14の端部より前記ブラケット取付鋼材13位置までの長さのブラケット接合部5に自在に取り替えて接合できる構成とするものである。
【0016】
ここで吊り出し装置を構成する水平支持部および垂直支持部並びにブラケット接合部は必ずしもH型鋼材で形成する必要性は無く、ブラケット重量および吊り出し装置自重等を考慮し、充分にその使用に耐え得る材質のものであればいかなる材質のものであっても良いが吊り環などの取り付けあるいは取外しが容易に行える例えばH型鋼やI型鋼を用いることが望ましい。
【0017】
また、締め付け金具は必ずしも図2に示した構成とする必要性は無く、ブラケット重量および吊り出し装置自重等に充分に耐え得る材質および機構のものであればいかなるものであっても良い。
【0018】
なお、水平支持部と垂直支持部との接合は必ずしもボルト・ナットによる必要性は無く、吊り荷重に応じて溶接接合であっても良い。
【0019】
以上の構成より成る本発明では図3〜図5に示すように、吊り出し装置1の水平支持部2上面に配置される吊り環3に装着される玉掛けワイヤーロープ15をクレーン16によって吊り上げる。
【0020】
そしてクレーン16によってPC橋梁の柱頭部ブロック14下部の下部橋脚12に取付けられるブラケット17上に前記クレーン16によって吊り揚げられた吊り出し装置1のブラケット接合部5が位置するように移動させる。
【0021】
次にクレーン16を誘導して吊り出し装置1をゆっくりと吊り降ろしてブラケット17上にブラケット接合部5を複数個の締め付け金具6によって一体的に接合する。さらにクレーン16をゆっくりと巻き下げて吊り環3の締め付け金具6を緩め、予め算定された吊り出し装置とブラケットとの合成重量による合成重心位置となるまで吊り環3を移動する。
【0022】
そこで吊り環3の移動調整が完了したら吊り環3を再び締め付け金具6にて締め付けクレーン16をゆっくりと巻き上げる。そして玉掛けワイヤーロープ15が適度に張った時点でクレーン16の巻き上げを止める。
【0023】
次に下部橋脚12に取付けられるブラケット取付鋼材13とブラケット17との接合部18を取外す。従ってブラケット17とブラケット取付鋼材13との接合が解除された状態となる。
【0024】
ここで、クレーン16をゆっくりと巻き上げ、ブラケット17とブラケット取付鋼材13とを切り離す。この時ブラケット17と吊り出し装置1は、その合成重心位置によって吊り上げられているために、左右に傾いたり急なブレを生じることなくそのままの状態でスムーズに吊ることが可能となり、クレーン16によって吊り出し装置1を柱頭部ブロック14外へ移動し、ブラケット17を所定の位置まで吊り降ろすことができる。
【0025】
次に図6および図7に示すように、ブラケット17の吊り出しが完了した後にブラケットを吊り出すために使用したブレケット接合部を取外し、ブラケット取付鋼材13を吊り出すための長さを有するブラケット接合部5を垂直支持部4の下端に取付ける。
【0026】
そして前記ブラケット接合部5の先端にチェーンブロック18を取付け、クレーン16によってブラケット取付鋼材13の真上にチェーンブロック18が位置するまで移動させてブラケット取付鋼材13の上端にチェーンブロック18を取付ける。さらに、吊り環3の締め付け金具6を緩め、予め算定された吊り出し装置とブラケット取付鋼材との合成重量による合成重心位置となるまで吊り環3を移動する。
【0027】
そこで吊り環3の移動調整が完了したら吊り環3を再び締め付け金具6にて締め付け、クレーン16をゆっくりと巻き上げる。そして玉掛けワイヤーロープ15が適度に張った時点でクレーン16の巻き上げを止める。
【0028】
そこで前記ブラケット取付鋼材13を下部橋脚12からPC鋼線とジャッキとの組み合わせによる接合から解除することでブラケット取付鋼材13はチェーンブロック18によって吊り上げられた状態となり、この状態からクレーン16によって吊り出し装置1を柱頭部ブロック14外へ移動し、ブラケット取付鋼材13を所定の位置まで吊り降ろすことができる。
【0029】
また、図8および図9は本発明の他の適用例を示す説明図であり、例えば高架橋の柱頭部ブロック間に掛け渡す桁構造物19下の支保工20上に設置される構造物直下の鋼材21の吊り出しに際しては、水平支持部2およびブラケット接合部5を吊り荷重の変化に対応した長さおよび強度のものに取り替える。
【0030】
そしてクレーン16を誘導して吊り出し装置1をゆっくりと吊り降ろして鋼材21上にブラケット接合部5を複数個の締め付け金具6によって一体的に接合する。さらにクレーン16をゆっくりと巻き下げて吊り環3の締め付け金具6を緩め、予め算定された吊り出し装置と鋼材との合成重量による合成重心位置となるまで吊り環3を移動する。
【0031】
そこで吊り環3の移動調整が完了したら吊り環3を再び締め付け金具6にて締め付け、クレーン16をゆっくりと巻き上げる。そして玉掛けワイヤーロープ15が適度に張った時点でクレーン16の巻き上げを止める。
【0032】
次に支保工20上に設置される構造物直下の鋼材21と支保工20との接合を解除し、
クレーン16をゆっくりと巻き上げる。この時鋼材21と吊り出し装置1は、その合成重心位置によって吊り上げられているために、左右に傾く、あるいは急なブレを生じることなくそのままの状態でスムーズに吊ることが可能となり、クレーン16によって吊り出し装置1を柱頭部ブロック14外へ移動し、鋼材21を所定の位置まで吊り降ろすことができる。
【0033】
本発明では、吊り出し装置が水平支持部および垂直支持部並びにブラケット接合部との組み合わせにより構成されているために、構築された柱頭部ブロック上より柱頭部ブロック下のブラケットとの接合が可能となる。そしてクレーンにより吊り出し装置とブラケットとを吊り上げる場合に、予め算定された吊り出し装置とブラケットとの合成重心位置に玉掛けワイヤーロープの吊り位置がくるように、吊り環の位置を移動する。
【0034】
これによりブラケットの切り離しの際に傾きや、左右への急激なブレを生じることなく柱頭部ブロック下からブラケットを吊り出すことが可能となる。
【0035】
【発明の効果】
以上述べて来た如く本発明によれば、柱頭部ブロック構築後のブラケットの吊り出しが、吊り出し装置を介して行うことにより煩雑な作業を要することなく行うことが可能となり、更にブラケットと吊り出し装置との合成重心位置を確実に吊りことにより安定した吊り出しが可能となり、従来のように切り離し時のブラケットの傾きや、急激なブレによる事故を防止することが可能となる。
また、作業工程が簡素化され、かつ容易となるために熟練した技能力を必要とせず、作業効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したPC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置の一例を説明するための斜視図である。
【図2】本発明を適用したPC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置における締め付け金具の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の吊り出し装置によるブラケットとの接合状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の吊り出し装置によるブラケットの吊り出し作業におけるブラケットへの取り付け状態を示す説明図である。
【図5】本発明の吊り出し装置によるブラケットの吊り出し作業におけるブラケットの吊り出し状態を示す説明図である。
【図6】本発明の吊り出し装置によるブラケット取付鋼材の吊り出し作業におけるブラケット取付鋼材への取り付け状態を示す説明図である。
【図7】本発明の吊り出し装置によるブラケット取付鋼材の吊り出し作業におけるブラケット取付鋼材の吊り出し状態を示す説明図である。
【図8】本発明の吊り出し装置による他の鋼材の吊り出し作業における鋼材への取付け状態を示す説明図である。
【図9】本発明の吊り出し装置による他の鋼材の吊り出し状態を示す説明図である。
【図10】従来の橋梁工事の吊り足場の一例を示す説明図である。
【図11】従来のブラケットの解体作業の一例を示す説明図である。
【図12】図11においてブラケットを吊り上げた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 吊り出し装置
2 水平支持部
3 吊り環
4 垂直支持部
5 ブラケット接合部
6 締め付け金具
7 基板
8 鋼板
9 湾曲板
10 棒ネジ
11 ボルト・ナット
12 橋脚
13 ブラケット取付鋼材
14 柱頭部
15 ワイヤーロープ
16 クレーン
17 ブラケット
18 チェーンブロック
19 桁構造部
20 支保工
21 鋼材
【発明の属する技術分野】
本発明は、PC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し方法およびブラケットの吊り出し装置に関する。詳しくはPC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
橋梁の施工においては、工事用吊り場が橋桁側面に架設される。この種の吊り足場として図10に示すような発明がある。この吊り足場101は、一対の吊下げ枠102と、吊下げ枠102の横桟103に支持される足場板104とから構成される。足場板104は桁方向の分割線(C)に沿って屈曲板105および支承板106に分割され、屈曲板105および支承板106を枢動可能に連結する枢動手段107によって相互連結される。屈曲板105は、支承板106に対して屈曲し、支承板106に重なる。支承板106は、可動連結機構107を介して、横桟103に連結され、連結機構は、分割線と平行な軸線108を中心に支承板106を枢動可能に支持する支承手段109を備える(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−364169号公報(要約書、第1図参照。)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そして前記構成の足場を基点として、PC橋梁の柱頭部ブロック構築の施工においては、図11に示すように柱頭部ブロック110を構築するために、柱頭部ブロック構築の計画位置の下部橋脚111に、H型鋼などによって組立てられたブラケット112を取り付け、その上で柱頭部ブロック110を構築し、完成後ブラケット112を解体するという工法が採用されている。
【0005】
そこで前記ブラケット112を解体するには、図11および図12に示すように、上部よりクレーン113を用いてブラケット112を無理に吊上げ、ブラケット112自体に控えロープ114を取り付け、作業員115により横引き作業などを行いながら解体しているのが現状である。
【0006】
しかしながら前記解体作業では、ブラケットを無理に斜吊りするために、ブラケット取付け部のボルトの取外し作業の際に急にブラケットが外れて作業員がはねられたり、または挟まれたりする等の事故が発生している。
【0007】
また、ブラケットの重心位置が直に吊れないため、解体されたブラケットのバランスが崩れて落下等の事故が生じている。更にブラケットを無理に引き出すため、急な動きが生じ、作業員がはねられたり、弾みで完成した柱頭部ブロックに当たるなどの人身事故が発生している。従って解体作業は、玉掛け位置、控えロープの取り方、玉掛け方法などの高度な知識や経験が要求されるために熟練した作業員が必要とされる。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、作業員による横引き作業を必要とせずに、ブラケットの解体が可能となるPC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係るPC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置は、PC橋梁の柱頭部ブロックを構築するために、下部橋脚に取付けられたブラケットを吊り出す装置において、その上部に所要数の吊り環が配設される水平支持部と、該水平支持部の一端に垂下される垂直支持部と、該垂直支持部の下端に装着されるブラケット接合部とを備える。
【0010】
ここで、PC橋梁の柱頭部ブロックの構築後にブラケットを解体する場合において、水平支持部をクレーンによって吊上げた状態で柱頭部ブロックの端部より垂直支持部を垂下させる。そして垂直支持部の下端に設けられるブラケット接合部によってブラケット上部を連結し、クレーンによる吊り位置があらかじめ算定しておいた吊り出し装置とブラケットの合成重心位置となるように調整した状態でブラケットを吊上げて水平方向へ移動させることで柱頭部ブロックの下部より吊り出すことが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0012】
図1に、本発明を適用したPC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置の一例を説明するための斜視図を示す。ここで示す吊り出し装置1は、H型鋼材をボルト・ナットなどの締結部材より組立て形成されるものであり、水平支持部2の上面をその長手方向に沿って移動可能とした吊り環3と、前記水平支持部2の一端に垂下される垂直支持部4と、この垂直支持部4の下端に設けられるブラケット接合部5とから構成されるものである。
【0013】
ここで、前記吊り環3は吊りの荷重に応じて大きさを決定するものであり、この吊り環3と水平支持部2との接合は、複数個の締め付け金具6にて締め付け接合する。この締め付け金具6は図2に示すように、吊り環3の基板7と水平支持部2の鋼板8とを重ねた状態で挿入できる間隔を設けて形成される湾曲部9の開口端に向けてそれぞれ棒ネジ10が内蔵され、この互いに向き合う棒ネジ10を閉め付けることで前記吊り環3の基板7と水平支持部2の鋼板8とを重ねた状態で締め付け接合できると共に、棒ネジ10を緩めることで吊り環3を任意の位置に自在に移動することが可能となる。
【0014】
また、垂直支持部4は水平支持部2の一端に直角状にボルト・ナット11によって剛接合される。この垂直支持部4の長さはPC橋梁の柱頭部ブロック(図示せず。)の上部より下部橋脚に取付けられたブラケット(図示せず。)の上部位置長さとする。
【0015】
さらにブラケット接合部5は、垂直支持部4の下端に水平支持部2方向へ平行状にボルト・ナット11によって剛接合されるものである。このブラケット接合部5はブラケット(図示せず。)に接合する場合には図1に示す長さで充分であるが、図5に示すように下部橋脚12面に取付けられるブラケット取付鋼材13を吊上げる場合には、柱頭部ブロック14の端部より前記ブラケット取付鋼材13位置までの長さのブラケット接合部5に自在に取り替えて接合できる構成とするものである。
【0016】
ここで吊り出し装置を構成する水平支持部および垂直支持部並びにブラケット接合部は必ずしもH型鋼材で形成する必要性は無く、ブラケット重量および吊り出し装置自重等を考慮し、充分にその使用に耐え得る材質のものであればいかなる材質のものであっても良いが吊り環などの取り付けあるいは取外しが容易に行える例えばH型鋼やI型鋼を用いることが望ましい。
【0017】
また、締め付け金具は必ずしも図2に示した構成とする必要性は無く、ブラケット重量および吊り出し装置自重等に充分に耐え得る材質および機構のものであればいかなるものであっても良い。
【0018】
なお、水平支持部と垂直支持部との接合は必ずしもボルト・ナットによる必要性は無く、吊り荷重に応じて溶接接合であっても良い。
【0019】
以上の構成より成る本発明では図3〜図5に示すように、吊り出し装置1の水平支持部2上面に配置される吊り環3に装着される玉掛けワイヤーロープ15をクレーン16によって吊り上げる。
【0020】
そしてクレーン16によってPC橋梁の柱頭部ブロック14下部の下部橋脚12に取付けられるブラケット17上に前記クレーン16によって吊り揚げられた吊り出し装置1のブラケット接合部5が位置するように移動させる。
【0021】
次にクレーン16を誘導して吊り出し装置1をゆっくりと吊り降ろしてブラケット17上にブラケット接合部5を複数個の締め付け金具6によって一体的に接合する。さらにクレーン16をゆっくりと巻き下げて吊り環3の締め付け金具6を緩め、予め算定された吊り出し装置とブラケットとの合成重量による合成重心位置となるまで吊り環3を移動する。
【0022】
そこで吊り環3の移動調整が完了したら吊り環3を再び締め付け金具6にて締め付けクレーン16をゆっくりと巻き上げる。そして玉掛けワイヤーロープ15が適度に張った時点でクレーン16の巻き上げを止める。
【0023】
次に下部橋脚12に取付けられるブラケット取付鋼材13とブラケット17との接合部18を取外す。従ってブラケット17とブラケット取付鋼材13との接合が解除された状態となる。
【0024】
ここで、クレーン16をゆっくりと巻き上げ、ブラケット17とブラケット取付鋼材13とを切り離す。この時ブラケット17と吊り出し装置1は、その合成重心位置によって吊り上げられているために、左右に傾いたり急なブレを生じることなくそのままの状態でスムーズに吊ることが可能となり、クレーン16によって吊り出し装置1を柱頭部ブロック14外へ移動し、ブラケット17を所定の位置まで吊り降ろすことができる。
【0025】
次に図6および図7に示すように、ブラケット17の吊り出しが完了した後にブラケットを吊り出すために使用したブレケット接合部を取外し、ブラケット取付鋼材13を吊り出すための長さを有するブラケット接合部5を垂直支持部4の下端に取付ける。
【0026】
そして前記ブラケット接合部5の先端にチェーンブロック18を取付け、クレーン16によってブラケット取付鋼材13の真上にチェーンブロック18が位置するまで移動させてブラケット取付鋼材13の上端にチェーンブロック18を取付ける。さらに、吊り環3の締め付け金具6を緩め、予め算定された吊り出し装置とブラケット取付鋼材との合成重量による合成重心位置となるまで吊り環3を移動する。
【0027】
そこで吊り環3の移動調整が完了したら吊り環3を再び締め付け金具6にて締め付け、クレーン16をゆっくりと巻き上げる。そして玉掛けワイヤーロープ15が適度に張った時点でクレーン16の巻き上げを止める。
【0028】
そこで前記ブラケット取付鋼材13を下部橋脚12からPC鋼線とジャッキとの組み合わせによる接合から解除することでブラケット取付鋼材13はチェーンブロック18によって吊り上げられた状態となり、この状態からクレーン16によって吊り出し装置1を柱頭部ブロック14外へ移動し、ブラケット取付鋼材13を所定の位置まで吊り降ろすことができる。
【0029】
また、図8および図9は本発明の他の適用例を示す説明図であり、例えば高架橋の柱頭部ブロック間に掛け渡す桁構造物19下の支保工20上に設置される構造物直下の鋼材21の吊り出しに際しては、水平支持部2およびブラケット接合部5を吊り荷重の変化に対応した長さおよび強度のものに取り替える。
【0030】
そしてクレーン16を誘導して吊り出し装置1をゆっくりと吊り降ろして鋼材21上にブラケット接合部5を複数個の締め付け金具6によって一体的に接合する。さらにクレーン16をゆっくりと巻き下げて吊り環3の締め付け金具6を緩め、予め算定された吊り出し装置と鋼材との合成重量による合成重心位置となるまで吊り環3を移動する。
【0031】
そこで吊り環3の移動調整が完了したら吊り環3を再び締め付け金具6にて締め付け、クレーン16をゆっくりと巻き上げる。そして玉掛けワイヤーロープ15が適度に張った時点でクレーン16の巻き上げを止める。
【0032】
次に支保工20上に設置される構造物直下の鋼材21と支保工20との接合を解除し、
クレーン16をゆっくりと巻き上げる。この時鋼材21と吊り出し装置1は、その合成重心位置によって吊り上げられているために、左右に傾く、あるいは急なブレを生じることなくそのままの状態でスムーズに吊ることが可能となり、クレーン16によって吊り出し装置1を柱頭部ブロック14外へ移動し、鋼材21を所定の位置まで吊り降ろすことができる。
【0033】
本発明では、吊り出し装置が水平支持部および垂直支持部並びにブラケット接合部との組み合わせにより構成されているために、構築された柱頭部ブロック上より柱頭部ブロック下のブラケットとの接合が可能となる。そしてクレーンにより吊り出し装置とブラケットとを吊り上げる場合に、予め算定された吊り出し装置とブラケットとの合成重心位置に玉掛けワイヤーロープの吊り位置がくるように、吊り環の位置を移動する。
【0034】
これによりブラケットの切り離しの際に傾きや、左右への急激なブレを生じることなく柱頭部ブロック下からブラケットを吊り出すことが可能となる。
【0035】
【発明の効果】
以上述べて来た如く本発明によれば、柱頭部ブロック構築後のブラケットの吊り出しが、吊り出し装置を介して行うことにより煩雑な作業を要することなく行うことが可能となり、更にブラケットと吊り出し装置との合成重心位置を確実に吊りことにより安定した吊り出しが可能となり、従来のように切り離し時のブラケットの傾きや、急激なブレによる事故を防止することが可能となる。
また、作業工程が簡素化され、かつ容易となるために熟練した技能力を必要とせず、作業効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したPC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置の一例を説明するための斜視図である。
【図2】本発明を適用したPC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置における締め付け金具の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の吊り出し装置によるブラケットとの接合状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の吊り出し装置によるブラケットの吊り出し作業におけるブラケットへの取り付け状態を示す説明図である。
【図5】本発明の吊り出し装置によるブラケットの吊り出し作業におけるブラケットの吊り出し状態を示す説明図である。
【図6】本発明の吊り出し装置によるブラケット取付鋼材の吊り出し作業におけるブラケット取付鋼材への取り付け状態を示す説明図である。
【図7】本発明の吊り出し装置によるブラケット取付鋼材の吊り出し作業におけるブラケット取付鋼材の吊り出し状態を示す説明図である。
【図8】本発明の吊り出し装置による他の鋼材の吊り出し作業における鋼材への取付け状態を示す説明図である。
【図9】本発明の吊り出し装置による他の鋼材の吊り出し状態を示す説明図である。
【図10】従来の橋梁工事の吊り足場の一例を示す説明図である。
【図11】従来のブラケットの解体作業の一例を示す説明図である。
【図12】図11においてブラケットを吊り上げた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 吊り出し装置
2 水平支持部
3 吊り環
4 垂直支持部
5 ブラケット接合部
6 締め付け金具
7 基板
8 鋼板
9 湾曲板
10 棒ネジ
11 ボルト・ナット
12 橋脚
13 ブラケット取付鋼材
14 柱頭部
15 ワイヤーロープ
16 クレーン
17 ブラケット
18 チェーンブロック
19 桁構造部
20 支保工
21 鋼材
Claims (3)
- PC橋梁の柱頭部ブロックを構築するために、下部橋脚に取付けられたブラケットを吊り出す装置において、
その上部に所要数の吊り環が配設される水平支持部と、
該水平支持部の一端に垂下される垂直支持部と、
該垂直支持部の下端に装着されるブラケット接合部とを備える
ことを特徴とするPC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置。 - 前記吊り環の位置を移動可能とした
ことを特徴とする請求項1に記載のPC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置。 - 前記ブラケット接合部を着脱自在とした
ことを特徴とする請求項1または2記載のPC橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置。
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---|---|---|---|
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JP2003119492A JP2004324195A (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | Pc橋梁の柱頭部ブロック構築工事におけるブラケットの吊り出し装置 |
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Cited By (2)
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CN102071649A (zh) * | 2011-02-21 | 2011-05-25 | 中国一冶集团有限公司 | 贝雷架吊装专用拆除系统 |
CN115057337A (zh) * | 2022-06-16 | 2022-09-16 | 秦皇岛优益重工科技有限公司 | 一种架桥机墩前托架倒运装置及方法 |
-
2003
- 2003-04-24 JP JP2003119492A patent/JP2004324195A/ja active Pending
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CN102071649B (zh) * | 2011-02-21 | 2012-10-31 | 中国一冶集团有限公司 | 贝雷架吊装专用拆除系统 |
CN115057337A (zh) * | 2022-06-16 | 2022-09-16 | 秦皇岛优益重工科技有限公司 | 一种架桥机墩前托架倒运装置及方法 |
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