JP2004323949A - プレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯 - Google Patents
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Abstract
【課題】SiやVa族元素を含有したFe−Ni系合金において、サイドエッチング量のばらつきを低減し、透過孔の形状を均一化したプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯を提供する。
【解決手段】質量%で、Ni:34〜38%、Mn:0.01〜0.5%、Si:0.03〜0.10%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、不可避的不純物のうち、C:0.01%以下、S:0.005%以下、N:0.005%以下、O:0.005%以下である厚み0.05〜0.3mmのFe−Ni系合金薄帯であって、表面から0.1μmの深さまでの表層領域におけるSi濃度の最大値が7%以下である。
【選択図】 なし
【解決手段】質量%で、Ni:34〜38%、Mn:0.01〜0.5%、Si:0.03〜0.10%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、不可避的不純物のうち、C:0.01%以下、S:0.005%以下、N:0.005%以下、O:0.005%以下である厚み0.05〜0.3mmのFe−Ni系合金薄帯であって、表面から0.1μmの深さまでの表層領域におけるSi濃度の最大値が7%以下である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯に関し、特に、SiやVa族元素を含有したプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、カラーブラウン管の電子ビームが素単位で区切って蛍光面の所定位置に宛てるため、透過孔を多数設けたシャドウマスクが用いられている。シャドウマスクに用いられる材料のうち、高精細用として、熱膨張の少ないFe−Ni合金やこれにCoを添加したFe−Ni−Co合金(本発明では、これらを総称してFe−Ni系合金という)がある。近年では、表示画像を従来にも増して高精細にするため、透過孔ピッチの狭小化(ファインピッチ化)が要求されており、このファインピッチ化に対応するべく2つの方法が提案されている。1つの方法はマスクを薄肉化することである。薄肉化することで、板厚方向のエッチングが容易になり、サイドエッチング量が低くなるため、ファインピッチ化が図れるからである。
【0003】
ところで、一般にシャドウマスクは、ブラウン管の表面形状に合わせて金属板をプレス成形することにより製造されており、マスクの電子線透過面を球状に湾曲させることによりその形状を保っている。ところが、最近普及しつつある平面ブラウン管に対応したシャドウマスクを製造しようとすると、電子線透過面を平坦にする必要が生じ、マスクを従来のような湾曲形状にできず、マスク形状を保つことが困難となる。このことは薄肉化になるとより問題となる。そこで、材料自体の強度を高くすることが提案されており、この点からは,Fe−Ni合金よりも強度の高いFe−Ni−Co合金で有望である。
【0004】
一方、薄肉化以外の方法として、透過孔をレジストでエッチング形成する際のエッチング精度に影響を与える要因を調整し、サイドエッチング量の低減や、各孔におけるサイドエッチング量のばらつきの低減を図り、これによりエッチング精度を高めファインピッチ化しようとする技術がある。この技術としては、マスク用薄板の最表層のC濃度を少なくしてレジスト密着力を向上させる技術(例えば、特許文献1及び2参照)、あるいは、エッチング前に行う整面処理を均一に行えるよう、薄板の最表層のB濃度を規定した技術(例えば、特許文献3参照)が報告されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−316770号公報
【特許文献2】
特開2002−121650号公報
【特許文献3】
特開2001−73089号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の場合、Si脱酸で溶解してなるSi含有量の高い合金や、高強度化元素としてV、Nb等のVa族元素を添加した合金をシャドウマスクに用いると、サイドエッチング量のばらつきが増大し、透過孔形状が不均一になるという問題があった。
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、SiやVa族元素を含有したFe−Ni系合金においても、サイドエッチング量のばらつきを低減し、透過孔の形状均一化、ファインピッチ化を図ることができるプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは種々検討した結果、Siを含有したFe−Ni系合金において、Siが表面に濃化するとエッチングが進行し易くなり、その濃度の差によりサイドエッチング量がばらつくことを突き止めた。そして、表層のSi濃度を管理することにより、上記課題を解決できることを見出した。又、表層のVa族元素やCr濃度もサイドエッチング量のばらつきに影響を与えることを見出し、その濃度を規定することとした。
【0009】
つまり、上記した目的を達成するために、本発明のプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯は、質量%で、Ni:34〜38%、Mn:0.01〜0.5%、Si:0.03〜0.10%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうち、C:0.01%以下、S:0.005%以下、N:0.005%以下、O:0.005%以下である厚み0.05〜0.3mmのFe−Ni系合金薄帯であって、表面から0.1μmの深さまでの表層領域におけるSi濃度の最大値が7%以下であることを特徴とする。さらに質量%で、V、Nb、及びTaの群から選ばれる1種以上のVa族元素を合計で0.05〜0.5%含有し、前記表層領域におけるVa族元素濃度を合計した最大値が0.3〜5%であることが好ましい。
【0010】
又、本発明のプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯は、質量%で、Ni:30〜35%、Co:2〜6%、Mn:0.01〜0.5%、Si:0.03〜0.10%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうち、C:0.01%以下、S:0.005%以下、N:0.005%以下、O:0.005%以下である厚み0.05〜0.3mmのFe−Ni系合金薄帯であって、表面から0.1μmの深さまでの表層領域におけるSi濃度の最大値が7%以下であることを特徴とする。さらに質量%で、V、Nb、及びTaの群から選ばれる1種以上のVa族元素を合計で0.05〜0.5%含有し、前記表層領域におけるVa族元素濃度を合計した最大値が0.3〜5%であることが好ましい。
【0011】
本発明のプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯においては、さらに質量%で、Cr:0.03〜0.20%を含み、前記表層領域におけるCr濃度の最大値が0.5〜5%であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯の実施の形態について説明する。
【0013】
本発明は、Siを含有したFe−Ni系合金において、レジストの密着性を左右するSiの表層濃度を規定値以下に管理することにより、サイドエッチング量のばらつきを抑制することを特徴とするものである。
ここで、本発明のFe−Ni系合金薄帯は、より詳しくはFe−Ni合金薄帯と、Fe−Ni−Co合金薄帯とを含み、いずれもプレス成形型シャドウマスクに適用される。プレス成形型シャドウマスクは、シャドウマスクの形状をプレスにより成形するものであり、マスクの電子線透過面に張力を負荷しないのでフラットテンションマスクとも称される。特に、平面ブラウン管等に用いられ、電子線透過面がほぼ平坦なプレス成形型フラットマスクに本発明を好適に適用することができる。
【0014】
次に、本発明において各成分元素の含有量を規定した理由について説明する。ここで、成分元素の含有量とはマトリクス中における成分の含有量を示し、後述する表層領域における成分濃度と区別する。又、本発明において%とは、特に断らない限り、質量%を示すものとする。
【0015】
Niは、合金薄帯中のオーステナイトを安定化させるのに必要な元素であり、又、合金の熱膨張係数を低減させるため、Fe−Ni合金の場合は34〜38%とする。34%未満であっても、38%を超えても熱膨張係数が大きくなるからである。又、Fe−Ni−Co合金の場合は、30%未満であっても、35%を超えても熱膨張係数が大きくなるため、30〜35%とする。
【0016】
Coは、Fe−Ni−Co合金においてFe−Ni合金のNiの一部と置換されることによって熱膨張係数を小さくする元素であり、2〜6%とする。2%未満であると、Niの置換量が少ないため熱膨張係数の低減効果が無く、又、6%を超えても熱膨張係数の低減効果が飽和するとともにコストが高くなるからである。
【0017】
Mnは、熱間加工性と熱膨張係数の点から0.01〜0.5%とする。0.01%未満であると、S及びニッケル硫化物が粒界偏析して熱間加工性が劣化するからである。又、0.5%を超えると熱膨張係数が大きくなるとともに、多数析出したMnSがシャドウマスクをエッチング形成する際に選択エッチングされ、エッチング処理面の凹凸が大きくなるからである。但し、Sの含有量が0.002%を超える場合は、Mn含有量を0.2〜0.5%とすることが好ましい。
【0018】
Siは、磁気特性と精錬時の脱酸効果の点から0.03〜0.10%とする。精錬の際にSiで脱酸する場合は、Si含有量が少ないと溶湯の酸素濃度を低くすることができず、Si含有量が0.03%未満であると、磁気特性の向上効果と脱酸効果が見られなくなるからである。一方、Si含有量が多い程磁気特性が向上するが、Si含有量が0.1%を超えると、シャドウマスクをエッチング形成する際にスマットが多量に発生し、エッチングノズルやフィルター詰まりが起きやすくなるので、0.1%以下とする。
【0019】
次に、不可避的不純物について説明する。
Cは、炭化物および炭窒化物を形成して上記エッチング処理面の凹凸を大きくするので、0.01%以下とする。
Sは、熱間割れを生じたり、Mnと結合してMnSを形成し、上記エッチング処理面の凹凸を大きくするので、0.005%以下、好ましくは0.002%以下とする。
Nは、窒化物および炭窒化物を形成して上記エッチング処理面の凹凸を大きくするので、0.005%以下とする。
Oは、粗大な酸化物を多数形成して上記エッチング処理面の凹凸を大きくするので、0.005%以下とする。
【0020】
次に、必要に応じて添加される添加元素について説明する。
Va族元素は、V、Nb、Taであり、材料強度を向上させる元素である。本発明においては、V、Nb、Taを単独で含有してもよく、又、2種以上を含有してもよい。そして、上記元素を単独で含有する場合はその含有量を、2種以上を含有する場合は合計の含有量を、0.05〜0.5%とする。Va族元素の含有量が0.05%未満であると材料強度の向上が十分でなく、0.5%を超えると熱膨張係数が大きくなることに加え、シャドウマスクをエッチング形成する際にスマットが多量に発生して、ノズルやフィルター詰まりを起こすとともに、スマットがエッチングされた新生面に付着するとエッチング速度が低下する場合があるからである。
Crは、サイドエッチング量のばらつきを抑制する元素であり、0.03〜0.20%の含有量とする。Cr含有量が0.03%未満であると、サイドエッチング量のばらつき抑制効果が不充分となるからである。一方、Cr含有量が多いほどこの効果も顕著となるが、0.20%を超えると熱膨張係数が大きくなるので、0.20%以下とする。なお、マトリクス中のCr含有量を上記範囲とすることで、表層領域におけるCr濃度を以下の範囲に調整することができ、サイドエッチング量のばらつきを抑制できるようになる。
【0021】
次に、表面から0.1μmの深さまでの表層領域における、Si、Va族元素、及びCr濃度の規定理由について説明する。これらの元素は、合金の製造過程その他の原因により、表面近傍に濃化するものである。ここで、濃化とは、マトリクス中の成分が表面近傍に集まり、その結果としてマトリクス中に比べて表層の方が成分濃度が高くなることをいう。本発明は、このように表層に所定元素が濃化することにより、サイドエッチング量のばらつきに影響を与えることに着目したものである。
【0022】
まず、表層領域におけるSi濃度の最大値を7%以下とする。Si濃度が7%を超えるとサイドエッチング量のばらつきが大きくなるからであり、その理由は、エッチングに用いるレジストと合金表面との接着性が低下するためと考えられる。なお、本発明において濃度の最大値とは、上記表層領域のいずれかの深さにおいて最も高い値を示した濃度をいう。又、表層領域におけるSi濃度の下限は、マトリクス中のSi含有量以上である。
【0023】
又、Va族元素を添加した場合は、表層領域におけるVa族元素濃度を合計した最大値を0.3〜5%とするのが好ましい。最大値が0.3%未満であると、サイドエッチング量のばらつきを低減できない場合がある。一方、最大値が大きいほどサイドエッチング量のばらつきを抑制できるが、濃度が5%を超えるとシャドウマスクの黒化処理性が悪くなるため、5%以下とするのがよい。
【0024】
Crを添加した場合、表層領域におけるCr濃度の最大値を0.5〜5%とするのが好ましい。Cr濃度の下限と上限の限定理由は、それぞれVa族元素の場合と同様である。
【0025】
表層領域における、Si、Va族元素、及びCr濃度の測定方法については特に限定されないが、測定精度や測定の迅速さの点から、GDS(Glow Discharge Spectroscopy:グロー放電発光分光)を用いるのが好ましい。測定条件としては、例えば分析領域を直径4mm程度の円とすると、シャドウマスクの電子線透過孔に対して充分広い領域となる。
【0026】
次に、表層領域における各元素の濃度を上記範囲に管理する方法について例示する。
Si濃度の最大値を7%以下に低減する方法としては特に限定されないが、合金薄帯を最終厚み(0.05〜0.3mm)に加工する際に行う連続焼鈍の露点を可能な限り低くする方法が最も有効である。この場合、連続焼鈍における加熱ゾーンのみならず冷却ゾーンの露点を−35℃以下にすることが好ましい。なお、通常、連続焼鈍は水素やアンモニア分解ガス等の還元雰囲気下で行う。また、最終圧延の圧下率を大きくしたり、表面粗さの大きいロールを使用して圧延することで、表層におけるSi濃化層の厚みを小さくすることも可能であるが、合金薄帯の表面を粗くしすぎるとエッチング精度が低下するので、これらの処理を過度に行うことは好ましくない。又、焼鈍後の薄帯を酸洗処理したり、アルカリ処理してSi濃度を低減してもよい。
【0027】
Va族元素濃度を合計した最大値を0.3〜5%に管理する方法としては、以下の方法を例示することができる。まず、5%以上に濃化した場合には、Siと同様に酸洗処理して5%以下とすることが有効である。又、濃度が0.3%未満である場合に、表面処理によってVa族元素濃度を高めることは工業的に困難であるので、焼鈍雰囲気を調製して濃度が0.3%未満にならないようにする必要がある。
【0028】
Cr濃度の最大値を0.5〜5%に管理する方法としては、以下の方法を例示することができる。まず、最大値が5%を超えていた場合は、濃度を5%以下にするため、酸洗処理を行うことが有効である。一方、最大値が0.5%未満である場合は、濃度を0.5%以上に高めるため、合金薄帯を最終厚みに加工した後、この薄帯を0.2〜5%のクロム酸に浸漬すればよい。
【0029】
本発明のFe−Ni系合金薄帯は、例えば次のようにして製造することができる。まず、上記組成のFe−Ni系合金のインゴットを製造し、適宜熱処理後、熱間圧延と冷間圧延を行って所望厚みとする。さらに連続焼鈍(光輝焼鈍)と冷間圧延を数回行い、板厚0.05〜0.3mmの合金薄帯を製造する。そして、上記合金薄帯を適宜スリットしてシャドウマスク素材とし、この素材を脱脂、レジスト塗布、パターン焼付及び現像、エッチング処理した後、個々に剪断してシャドウマスク素材ユニットを得る。次に、シャドウマスク素材ユニットを還元性雰囲気等の非酸化性雰囲気で焼鈍、レベラー加工した後、プレスによりシャドウマスクに成形する。最後に、このシャドウマスクを脱脂後、大気又はCO/CO2ガス雰囲気中で黒化処理して表面に黒色酸化膜を形成する。
【0030】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
【実施例】
1.試料の製造
表1、2に示す組成の合金を真空誘導溶解炉(VIM)で溶製し、鍛造及び熱間圧延を施して3mm厚の材料を得た。さらに、光輝焼鈍と冷間圧延を繰り返して約0.12mm厚の冷間圧延材とした。その後、この材料をスリットして所定板幅としたシャドウマスク素材を、還元性雰囲気中で焼鈍(水素中900℃×30分)してプレス成形性を付与し、所定寸法に切り出して試料に供した。
なお、表1に示す合金はCoを添加しないFe−Ni合金であり、表2に示す合金はCoを添加したFe−Ni−Co合金である。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
2.表層領域の濃度の測定
上記試料の最表面から0.1μmまでの深さの表層領域における、Si、Va族元素、Cr濃度を、GDS(Glow Discharge Spectroscopy:グロー放電発光分光装置)によって測定した。試料の測定面積は4mm直径の円とし、測定条件は、700V、40mAとし、Ar圧力を755Paとした。又、20秒間フラッシングして試料の0.2μm深さまで測定した。
【0035】
3.サイドエッチング量の標準偏差の測定
100μmφのレジスト開口を通常のフォトリソグラフィで試料上に形成し、50℃、50ボーメの塩化第2鉄水溶液を0.3MPaのスプレー圧で1分間試料にスプレーした。100個のレジスト開口について、1開口当りの径を100μmφとみなしたときの円相当径と、上記スプレー後の実際の開口径を示すレジスト開口円相当径との差を算出し、この値に1/2を乗じた値をそれぞれ求め、求めた100個の値についての標準偏差をサイドエッチング量の標準偏差とした。サイドエッチング量の標準偏差が1.5μm未満であるとサイドエッチング量のばらつきが少ないので、1.5μm未満を許容値とした。
【0036】
4.平均熱膨張係数及び0.2%耐力の測定
上記試料について、常法により25〜150℃における平均熱膨張係数を測定した。又、引張試験を行って0.2%耐力を測定した。平均熱膨張係数の許容値は、表1のFe−Ni合金の場合で約2.6×10−6/℃以下とされるが、板厚0.2mm以上の場合は熱容量が大きくなるため、3.5×10−6/℃以下が許容値とされる。また、表2のFe−Ni−Co合金の場合で約1.5×10−6/℃以下とされるが、板厚0.2mm以上の場合は熱容量が大きくなるため、2.0×10−6/℃以下が許容値とされる。又、0.2%耐力の許容値は、試料を8%水素−92%窒素雰囲気中で800℃×15分間焼鈍後、室温で測定した値が250MPa以上とされる。
【0037】
5.黒化膜均一性の評価
上記試料を脱脂後、大気雰囲気中で黒化処理して表面に黒色酸化膜を形成させ、その状態を目視判定した。黒化膜が均一に形成されたものを評価「○」、重なり部(例えば、シャドウマスクのスカート部のように、各試料を重ねて焼鈍すると雰囲気ガスとの接触が不十分になると想定される部分であって、実際に各試料を重ねて処理した部分)に色調差が見られたものを評価「△」、色調が不均一なものを評価「×」とした。
【0038】
6.磁気シールド性の評価
試料を内径6mm、外径10mmのリング状にプレス打抜きし、8%水素−92%窒素雰囲気中で800℃×15分間焼鈍後、複数の試料を厚み2mmになるよう積層し、次に、この積層体を磁芯とするコイルを巻き、このコイル巻回体について最大磁場790A/mで直流磁化曲線を測定し、その時の保磁力が50A/m以下の場合を評価「○」、50A/mを超えたものを評価「×」とした。
【0039】
7.エッチング孔形状の評価
上記サイドエッチング量の標準偏差の測定で作製したのと同様にして、試料上に100μmφのレジスト開口を形成し、20個の開口(エッチング孔)を走査型電子顕微鏡で約500倍の倍率で観察し、平均してエッチング孔形状が良好なものを評価「○」、エッチング処理した断面(壁面)の凹凸がやや生じたものを評価「△」、エッチング処理した断面(壁面)の凹凸が顕著なものを評価「×」とした。
【0040】
8.加工性の評価
上記試料の製造時における熱間圧延で、耳割れ、ヘゲ疵などの表面欠陥が発生せず、さらに冷間圧延で表面に内質起因の欠陥が発生しなかったものを加工性良好とみなして評価「○」、いずれかの工程で表面欠陥が顕著に見られたものを評価「×」とした。
【0041】
前記表1に示すFe−Ni合金を用いた試料の評価結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
表3から明らかなように、本発明例(合金No.)1〜9は、サイドエッチング量の標準偏差が許容値以下であり、サイドエッチング量のばらつきが著しく低減されている。又、上記各試料は、平均熱膨張係数、0.2%耐力、黒化膜均一性、磁気シールド性、エッチング孔形状、加工性のいずれの指標も優れていた。本発明例(合金No.)10〜12は、黒化膜均一性の評価のみ劣っているが、他の評価が良好であるので実用上問題はなく、さらにサイドエッチング量の標準偏差が許容値以下であった。
【0044】
一方、Ni含有量が34%未満である比較例(合金No.)13、及びNi含有量が38%を超えた比較例(合金No.)14は、いずれも平均熱膨張係数が高くなった。又、表層領域のSi濃度の最大値が7%を超えた比較例(合金No.)15、16は、サイドエッチング量の標準偏差が許容値を超えた。Mn含有量が0.01%未満である比較例(合金No.)17は、加工性に劣っている。Mn含有量が0.5%を超えた比較例(合金No.)18は、磁気シールド性とエッチング孔形状の評価が劣っている。Si含有量が0.03%未満である比較例(合金No.)19は、磁気シールド性に劣っている。Si含有量が0.1%を超えた比較例(合金No.)20は、エッチング孔形状の評価が劣っている。C含有量が0.01%を超えた比較例(合金No.)21、O含有量が0.005%を超えた比較例(合金No.)24は、いずれもエッチング孔形状の評価が劣っている。Sの含有量が0.005%を超えた比較例(合金No.)22は、磁気シールド性、エッチング孔形状、及び加工性の評価が劣っている。又、N含有量が0.005%を超えた比較例(合金No.)23は、磁気シールド性とエッチング孔形状の評価が劣っている。
【0045】
以上のことから、Ni、Mn、Si、C、S、N、Oの含有量を所定範囲に規定するとともに表層領域のSi濃度の最大値を7%以下とした本発明は、磁気特性や材料強度を高めるためにSiやVa族元素を含有しているにも関わらず、サイドエッチング量のばらつきを低減することができた。
【0046】
なお、表層領域のVa族元素濃度の最大値が5%を超えた本発明例(合金No.)10、表層領域のCr濃度の最大値が5%を超えた本発明例(合金No.)11、12は、黒化膜均一性の評価のみ他の本発明例に比べて劣った。このことから、本発明のFe−Ni合金において、表層領域のVa族元素濃度及びCr濃度の最大値を5%以下とするのが好ましいことがわかる。
【0047】
同様に、前記表2に示すFe−Ni−Co合金を用いた試料の評価結果を表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】
表4から明らかなように、本発明例(合金No.)25〜31は、サイドエッチング量の標準偏差が許容値以下であり、サイドエッチング量のばらつきが著しく低減されている。又、上記各試料は、平均熱膨張係数、0.2%耐力、黒化膜均一性、磁気シールド性、エッチング孔形状、加工性のいずれの指標も優れていた。本発明例(合金No.)32、33は、黒化膜均一性の評価のみが劣っているが、他の評価が良好であるので実用上問題はなく、さらにサイドエッチング量の標準偏差が許容値以下であった。
【0050】
一方、Co含有量が2%未満である比較例(合金No.)34と、6%を超えた比較例(合金No.)39は、いずれも平均熱膨張係数が高くなった。又、表層領域のSi濃度の最大値が7%を超えた比較例(合金No.)35、36は、サイドエッチング量の標準偏差が許容値を超えた。Niの含有量が30%未満である比較例(合金No.)37と、35%を超えた比較例(合金No.)38は、いずれも平均熱膨張係数が高くなった。
【0051】
以上のことから、Ni、Co、Mn、Si、C、S、N、Oの含有量を所定範囲に規定するとともに表層領域のSiの最大濃度を7%以下とする本発明は、磁気特性や材料強度を高めるためにSiやVa族元素を含有しているにも関わらず、サイドエッチング量のばらつきを低減することができた。
【0052】
なお、表層領域のVa族元素濃度の最大値が5%を超えた本発明例(合金No.)32、表層領域のCr濃度の最大値が5%を超えた本発明例(合金No.)33は、黒化膜均一性の評価のみ他の本発明例に比べて劣った。このことから、本発明のFe−Ni−Co合金において、表層領域のVa族元素濃度及びCr濃度の最大値を5%以下とするのが好ましいことがわかる。
【0053】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明のプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯によれば、Siを含有した合金において、エッチングされ易いSiの表層濃度を低く管理することで、サイドエッチング量のばらつきを抑制してエッチング精度を向上させ、透過孔の形状均一化、ファインピッチ化を図ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯に関し、特に、SiやVa族元素を含有したプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、カラーブラウン管の電子ビームが素単位で区切って蛍光面の所定位置に宛てるため、透過孔を多数設けたシャドウマスクが用いられている。シャドウマスクに用いられる材料のうち、高精細用として、熱膨張の少ないFe−Ni合金やこれにCoを添加したFe−Ni−Co合金(本発明では、これらを総称してFe−Ni系合金という)がある。近年では、表示画像を従来にも増して高精細にするため、透過孔ピッチの狭小化(ファインピッチ化)が要求されており、このファインピッチ化に対応するべく2つの方法が提案されている。1つの方法はマスクを薄肉化することである。薄肉化することで、板厚方向のエッチングが容易になり、サイドエッチング量が低くなるため、ファインピッチ化が図れるからである。
【0003】
ところで、一般にシャドウマスクは、ブラウン管の表面形状に合わせて金属板をプレス成形することにより製造されており、マスクの電子線透過面を球状に湾曲させることによりその形状を保っている。ところが、最近普及しつつある平面ブラウン管に対応したシャドウマスクを製造しようとすると、電子線透過面を平坦にする必要が生じ、マスクを従来のような湾曲形状にできず、マスク形状を保つことが困難となる。このことは薄肉化になるとより問題となる。そこで、材料自体の強度を高くすることが提案されており、この点からは,Fe−Ni合金よりも強度の高いFe−Ni−Co合金で有望である。
【0004】
一方、薄肉化以外の方法として、透過孔をレジストでエッチング形成する際のエッチング精度に影響を与える要因を調整し、サイドエッチング量の低減や、各孔におけるサイドエッチング量のばらつきの低減を図り、これによりエッチング精度を高めファインピッチ化しようとする技術がある。この技術としては、マスク用薄板の最表層のC濃度を少なくしてレジスト密着力を向上させる技術(例えば、特許文献1及び2参照)、あるいは、エッチング前に行う整面処理を均一に行えるよう、薄板の最表層のB濃度を規定した技術(例えば、特許文献3参照)が報告されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−316770号公報
【特許文献2】
特開2002−121650号公報
【特許文献3】
特開2001−73089号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の場合、Si脱酸で溶解してなるSi含有量の高い合金や、高強度化元素としてV、Nb等のVa族元素を添加した合金をシャドウマスクに用いると、サイドエッチング量のばらつきが増大し、透過孔形状が不均一になるという問題があった。
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、SiやVa族元素を含有したFe−Ni系合金においても、サイドエッチング量のばらつきを低減し、透過孔の形状均一化、ファインピッチ化を図ることができるプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは種々検討した結果、Siを含有したFe−Ni系合金において、Siが表面に濃化するとエッチングが進行し易くなり、その濃度の差によりサイドエッチング量がばらつくことを突き止めた。そして、表層のSi濃度を管理することにより、上記課題を解決できることを見出した。又、表層のVa族元素やCr濃度もサイドエッチング量のばらつきに影響を与えることを見出し、その濃度を規定することとした。
【0009】
つまり、上記した目的を達成するために、本発明のプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯は、質量%で、Ni:34〜38%、Mn:0.01〜0.5%、Si:0.03〜0.10%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうち、C:0.01%以下、S:0.005%以下、N:0.005%以下、O:0.005%以下である厚み0.05〜0.3mmのFe−Ni系合金薄帯であって、表面から0.1μmの深さまでの表層領域におけるSi濃度の最大値が7%以下であることを特徴とする。さらに質量%で、V、Nb、及びTaの群から選ばれる1種以上のVa族元素を合計で0.05〜0.5%含有し、前記表層領域におけるVa族元素濃度を合計した最大値が0.3〜5%であることが好ましい。
【0010】
又、本発明のプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯は、質量%で、Ni:30〜35%、Co:2〜6%、Mn:0.01〜0.5%、Si:0.03〜0.10%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうち、C:0.01%以下、S:0.005%以下、N:0.005%以下、O:0.005%以下である厚み0.05〜0.3mmのFe−Ni系合金薄帯であって、表面から0.1μmの深さまでの表層領域におけるSi濃度の最大値が7%以下であることを特徴とする。さらに質量%で、V、Nb、及びTaの群から選ばれる1種以上のVa族元素を合計で0.05〜0.5%含有し、前記表層領域におけるVa族元素濃度を合計した最大値が0.3〜5%であることが好ましい。
【0011】
本発明のプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯においては、さらに質量%で、Cr:0.03〜0.20%を含み、前記表層領域におけるCr濃度の最大値が0.5〜5%であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯の実施の形態について説明する。
【0013】
本発明は、Siを含有したFe−Ni系合金において、レジストの密着性を左右するSiの表層濃度を規定値以下に管理することにより、サイドエッチング量のばらつきを抑制することを特徴とするものである。
ここで、本発明のFe−Ni系合金薄帯は、より詳しくはFe−Ni合金薄帯と、Fe−Ni−Co合金薄帯とを含み、いずれもプレス成形型シャドウマスクに適用される。プレス成形型シャドウマスクは、シャドウマスクの形状をプレスにより成形するものであり、マスクの電子線透過面に張力を負荷しないのでフラットテンションマスクとも称される。特に、平面ブラウン管等に用いられ、電子線透過面がほぼ平坦なプレス成形型フラットマスクに本発明を好適に適用することができる。
【0014】
次に、本発明において各成分元素の含有量を規定した理由について説明する。ここで、成分元素の含有量とはマトリクス中における成分の含有量を示し、後述する表層領域における成分濃度と区別する。又、本発明において%とは、特に断らない限り、質量%を示すものとする。
【0015】
Niは、合金薄帯中のオーステナイトを安定化させるのに必要な元素であり、又、合金の熱膨張係数を低減させるため、Fe−Ni合金の場合は34〜38%とする。34%未満であっても、38%を超えても熱膨張係数が大きくなるからである。又、Fe−Ni−Co合金の場合は、30%未満であっても、35%を超えても熱膨張係数が大きくなるため、30〜35%とする。
【0016】
Coは、Fe−Ni−Co合金においてFe−Ni合金のNiの一部と置換されることによって熱膨張係数を小さくする元素であり、2〜6%とする。2%未満であると、Niの置換量が少ないため熱膨張係数の低減効果が無く、又、6%を超えても熱膨張係数の低減効果が飽和するとともにコストが高くなるからである。
【0017】
Mnは、熱間加工性と熱膨張係数の点から0.01〜0.5%とする。0.01%未満であると、S及びニッケル硫化物が粒界偏析して熱間加工性が劣化するからである。又、0.5%を超えると熱膨張係数が大きくなるとともに、多数析出したMnSがシャドウマスクをエッチング形成する際に選択エッチングされ、エッチング処理面の凹凸が大きくなるからである。但し、Sの含有量が0.002%を超える場合は、Mn含有量を0.2〜0.5%とすることが好ましい。
【0018】
Siは、磁気特性と精錬時の脱酸効果の点から0.03〜0.10%とする。精錬の際にSiで脱酸する場合は、Si含有量が少ないと溶湯の酸素濃度を低くすることができず、Si含有量が0.03%未満であると、磁気特性の向上効果と脱酸効果が見られなくなるからである。一方、Si含有量が多い程磁気特性が向上するが、Si含有量が0.1%を超えると、シャドウマスクをエッチング形成する際にスマットが多量に発生し、エッチングノズルやフィルター詰まりが起きやすくなるので、0.1%以下とする。
【0019】
次に、不可避的不純物について説明する。
Cは、炭化物および炭窒化物を形成して上記エッチング処理面の凹凸を大きくするので、0.01%以下とする。
Sは、熱間割れを生じたり、Mnと結合してMnSを形成し、上記エッチング処理面の凹凸を大きくするので、0.005%以下、好ましくは0.002%以下とする。
Nは、窒化物および炭窒化物を形成して上記エッチング処理面の凹凸を大きくするので、0.005%以下とする。
Oは、粗大な酸化物を多数形成して上記エッチング処理面の凹凸を大きくするので、0.005%以下とする。
【0020】
次に、必要に応じて添加される添加元素について説明する。
Va族元素は、V、Nb、Taであり、材料強度を向上させる元素である。本発明においては、V、Nb、Taを単独で含有してもよく、又、2種以上を含有してもよい。そして、上記元素を単独で含有する場合はその含有量を、2種以上を含有する場合は合計の含有量を、0.05〜0.5%とする。Va族元素の含有量が0.05%未満であると材料強度の向上が十分でなく、0.5%を超えると熱膨張係数が大きくなることに加え、シャドウマスクをエッチング形成する際にスマットが多量に発生して、ノズルやフィルター詰まりを起こすとともに、スマットがエッチングされた新生面に付着するとエッチング速度が低下する場合があるからである。
Crは、サイドエッチング量のばらつきを抑制する元素であり、0.03〜0.20%の含有量とする。Cr含有量が0.03%未満であると、サイドエッチング量のばらつき抑制効果が不充分となるからである。一方、Cr含有量が多いほどこの効果も顕著となるが、0.20%を超えると熱膨張係数が大きくなるので、0.20%以下とする。なお、マトリクス中のCr含有量を上記範囲とすることで、表層領域におけるCr濃度を以下の範囲に調整することができ、サイドエッチング量のばらつきを抑制できるようになる。
【0021】
次に、表面から0.1μmの深さまでの表層領域における、Si、Va族元素、及びCr濃度の規定理由について説明する。これらの元素は、合金の製造過程その他の原因により、表面近傍に濃化するものである。ここで、濃化とは、マトリクス中の成分が表面近傍に集まり、その結果としてマトリクス中に比べて表層の方が成分濃度が高くなることをいう。本発明は、このように表層に所定元素が濃化することにより、サイドエッチング量のばらつきに影響を与えることに着目したものである。
【0022】
まず、表層領域におけるSi濃度の最大値を7%以下とする。Si濃度が7%を超えるとサイドエッチング量のばらつきが大きくなるからであり、その理由は、エッチングに用いるレジストと合金表面との接着性が低下するためと考えられる。なお、本発明において濃度の最大値とは、上記表層領域のいずれかの深さにおいて最も高い値を示した濃度をいう。又、表層領域におけるSi濃度の下限は、マトリクス中のSi含有量以上である。
【0023】
又、Va族元素を添加した場合は、表層領域におけるVa族元素濃度を合計した最大値を0.3〜5%とするのが好ましい。最大値が0.3%未満であると、サイドエッチング量のばらつきを低減できない場合がある。一方、最大値が大きいほどサイドエッチング量のばらつきを抑制できるが、濃度が5%を超えるとシャドウマスクの黒化処理性が悪くなるため、5%以下とするのがよい。
【0024】
Crを添加した場合、表層領域におけるCr濃度の最大値を0.5〜5%とするのが好ましい。Cr濃度の下限と上限の限定理由は、それぞれVa族元素の場合と同様である。
【0025】
表層領域における、Si、Va族元素、及びCr濃度の測定方法については特に限定されないが、測定精度や測定の迅速さの点から、GDS(Glow Discharge Spectroscopy:グロー放電発光分光)を用いるのが好ましい。測定条件としては、例えば分析領域を直径4mm程度の円とすると、シャドウマスクの電子線透過孔に対して充分広い領域となる。
【0026】
次に、表層領域における各元素の濃度を上記範囲に管理する方法について例示する。
Si濃度の最大値を7%以下に低減する方法としては特に限定されないが、合金薄帯を最終厚み(0.05〜0.3mm)に加工する際に行う連続焼鈍の露点を可能な限り低くする方法が最も有効である。この場合、連続焼鈍における加熱ゾーンのみならず冷却ゾーンの露点を−35℃以下にすることが好ましい。なお、通常、連続焼鈍は水素やアンモニア分解ガス等の還元雰囲気下で行う。また、最終圧延の圧下率を大きくしたり、表面粗さの大きいロールを使用して圧延することで、表層におけるSi濃化層の厚みを小さくすることも可能であるが、合金薄帯の表面を粗くしすぎるとエッチング精度が低下するので、これらの処理を過度に行うことは好ましくない。又、焼鈍後の薄帯を酸洗処理したり、アルカリ処理してSi濃度を低減してもよい。
【0027】
Va族元素濃度を合計した最大値を0.3〜5%に管理する方法としては、以下の方法を例示することができる。まず、5%以上に濃化した場合には、Siと同様に酸洗処理して5%以下とすることが有効である。又、濃度が0.3%未満である場合に、表面処理によってVa族元素濃度を高めることは工業的に困難であるので、焼鈍雰囲気を調製して濃度が0.3%未満にならないようにする必要がある。
【0028】
Cr濃度の最大値を0.5〜5%に管理する方法としては、以下の方法を例示することができる。まず、最大値が5%を超えていた場合は、濃度を5%以下にするため、酸洗処理を行うことが有効である。一方、最大値が0.5%未満である場合は、濃度を0.5%以上に高めるため、合金薄帯を最終厚みに加工した後、この薄帯を0.2〜5%のクロム酸に浸漬すればよい。
【0029】
本発明のFe−Ni系合金薄帯は、例えば次のようにして製造することができる。まず、上記組成のFe−Ni系合金のインゴットを製造し、適宜熱処理後、熱間圧延と冷間圧延を行って所望厚みとする。さらに連続焼鈍(光輝焼鈍)と冷間圧延を数回行い、板厚0.05〜0.3mmの合金薄帯を製造する。そして、上記合金薄帯を適宜スリットしてシャドウマスク素材とし、この素材を脱脂、レジスト塗布、パターン焼付及び現像、エッチング処理した後、個々に剪断してシャドウマスク素材ユニットを得る。次に、シャドウマスク素材ユニットを還元性雰囲気等の非酸化性雰囲気で焼鈍、レベラー加工した後、プレスによりシャドウマスクに成形する。最後に、このシャドウマスクを脱脂後、大気又はCO/CO2ガス雰囲気中で黒化処理して表面に黒色酸化膜を形成する。
【0030】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
【実施例】
1.試料の製造
表1、2に示す組成の合金を真空誘導溶解炉(VIM)で溶製し、鍛造及び熱間圧延を施して3mm厚の材料を得た。さらに、光輝焼鈍と冷間圧延を繰り返して約0.12mm厚の冷間圧延材とした。その後、この材料をスリットして所定板幅としたシャドウマスク素材を、還元性雰囲気中で焼鈍(水素中900℃×30分)してプレス成形性を付与し、所定寸法に切り出して試料に供した。
なお、表1に示す合金はCoを添加しないFe−Ni合金であり、表2に示す合金はCoを添加したFe−Ni−Co合金である。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
2.表層領域の濃度の測定
上記試料の最表面から0.1μmまでの深さの表層領域における、Si、Va族元素、Cr濃度を、GDS(Glow Discharge Spectroscopy:グロー放電発光分光装置)によって測定した。試料の測定面積は4mm直径の円とし、測定条件は、700V、40mAとし、Ar圧力を755Paとした。又、20秒間フラッシングして試料の0.2μm深さまで測定した。
【0035】
3.サイドエッチング量の標準偏差の測定
100μmφのレジスト開口を通常のフォトリソグラフィで試料上に形成し、50℃、50ボーメの塩化第2鉄水溶液を0.3MPaのスプレー圧で1分間試料にスプレーした。100個のレジスト開口について、1開口当りの径を100μmφとみなしたときの円相当径と、上記スプレー後の実際の開口径を示すレジスト開口円相当径との差を算出し、この値に1/2を乗じた値をそれぞれ求め、求めた100個の値についての標準偏差をサイドエッチング量の標準偏差とした。サイドエッチング量の標準偏差が1.5μm未満であるとサイドエッチング量のばらつきが少ないので、1.5μm未満を許容値とした。
【0036】
4.平均熱膨張係数及び0.2%耐力の測定
上記試料について、常法により25〜150℃における平均熱膨張係数を測定した。又、引張試験を行って0.2%耐力を測定した。平均熱膨張係数の許容値は、表1のFe−Ni合金の場合で約2.6×10−6/℃以下とされるが、板厚0.2mm以上の場合は熱容量が大きくなるため、3.5×10−6/℃以下が許容値とされる。また、表2のFe−Ni−Co合金の場合で約1.5×10−6/℃以下とされるが、板厚0.2mm以上の場合は熱容量が大きくなるため、2.0×10−6/℃以下が許容値とされる。又、0.2%耐力の許容値は、試料を8%水素−92%窒素雰囲気中で800℃×15分間焼鈍後、室温で測定した値が250MPa以上とされる。
【0037】
5.黒化膜均一性の評価
上記試料を脱脂後、大気雰囲気中で黒化処理して表面に黒色酸化膜を形成させ、その状態を目視判定した。黒化膜が均一に形成されたものを評価「○」、重なり部(例えば、シャドウマスクのスカート部のように、各試料を重ねて焼鈍すると雰囲気ガスとの接触が不十分になると想定される部分であって、実際に各試料を重ねて処理した部分)に色調差が見られたものを評価「△」、色調が不均一なものを評価「×」とした。
【0038】
6.磁気シールド性の評価
試料を内径6mm、外径10mmのリング状にプレス打抜きし、8%水素−92%窒素雰囲気中で800℃×15分間焼鈍後、複数の試料を厚み2mmになるよう積層し、次に、この積層体を磁芯とするコイルを巻き、このコイル巻回体について最大磁場790A/mで直流磁化曲線を測定し、その時の保磁力が50A/m以下の場合を評価「○」、50A/mを超えたものを評価「×」とした。
【0039】
7.エッチング孔形状の評価
上記サイドエッチング量の標準偏差の測定で作製したのと同様にして、試料上に100μmφのレジスト開口を形成し、20個の開口(エッチング孔)を走査型電子顕微鏡で約500倍の倍率で観察し、平均してエッチング孔形状が良好なものを評価「○」、エッチング処理した断面(壁面)の凹凸がやや生じたものを評価「△」、エッチング処理した断面(壁面)の凹凸が顕著なものを評価「×」とした。
【0040】
8.加工性の評価
上記試料の製造時における熱間圧延で、耳割れ、ヘゲ疵などの表面欠陥が発生せず、さらに冷間圧延で表面に内質起因の欠陥が発生しなかったものを加工性良好とみなして評価「○」、いずれかの工程で表面欠陥が顕著に見られたものを評価「×」とした。
【0041】
前記表1に示すFe−Ni合金を用いた試料の評価結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
表3から明らかなように、本発明例(合金No.)1〜9は、サイドエッチング量の標準偏差が許容値以下であり、サイドエッチング量のばらつきが著しく低減されている。又、上記各試料は、平均熱膨張係数、0.2%耐力、黒化膜均一性、磁気シールド性、エッチング孔形状、加工性のいずれの指標も優れていた。本発明例(合金No.)10〜12は、黒化膜均一性の評価のみ劣っているが、他の評価が良好であるので実用上問題はなく、さらにサイドエッチング量の標準偏差が許容値以下であった。
【0044】
一方、Ni含有量が34%未満である比較例(合金No.)13、及びNi含有量が38%を超えた比較例(合金No.)14は、いずれも平均熱膨張係数が高くなった。又、表層領域のSi濃度の最大値が7%を超えた比較例(合金No.)15、16は、サイドエッチング量の標準偏差が許容値を超えた。Mn含有量が0.01%未満である比較例(合金No.)17は、加工性に劣っている。Mn含有量が0.5%を超えた比較例(合金No.)18は、磁気シールド性とエッチング孔形状の評価が劣っている。Si含有量が0.03%未満である比較例(合金No.)19は、磁気シールド性に劣っている。Si含有量が0.1%を超えた比較例(合金No.)20は、エッチング孔形状の評価が劣っている。C含有量が0.01%を超えた比較例(合金No.)21、O含有量が0.005%を超えた比較例(合金No.)24は、いずれもエッチング孔形状の評価が劣っている。Sの含有量が0.005%を超えた比較例(合金No.)22は、磁気シールド性、エッチング孔形状、及び加工性の評価が劣っている。又、N含有量が0.005%を超えた比較例(合金No.)23は、磁気シールド性とエッチング孔形状の評価が劣っている。
【0045】
以上のことから、Ni、Mn、Si、C、S、N、Oの含有量を所定範囲に規定するとともに表層領域のSi濃度の最大値を7%以下とした本発明は、磁気特性や材料強度を高めるためにSiやVa族元素を含有しているにも関わらず、サイドエッチング量のばらつきを低減することができた。
【0046】
なお、表層領域のVa族元素濃度の最大値が5%を超えた本発明例(合金No.)10、表層領域のCr濃度の最大値が5%を超えた本発明例(合金No.)11、12は、黒化膜均一性の評価のみ他の本発明例に比べて劣った。このことから、本発明のFe−Ni合金において、表層領域のVa族元素濃度及びCr濃度の最大値を5%以下とするのが好ましいことがわかる。
【0047】
同様に、前記表2に示すFe−Ni−Co合金を用いた試料の評価結果を表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】
表4から明らかなように、本発明例(合金No.)25〜31は、サイドエッチング量の標準偏差が許容値以下であり、サイドエッチング量のばらつきが著しく低減されている。又、上記各試料は、平均熱膨張係数、0.2%耐力、黒化膜均一性、磁気シールド性、エッチング孔形状、加工性のいずれの指標も優れていた。本発明例(合金No.)32、33は、黒化膜均一性の評価のみが劣っているが、他の評価が良好であるので実用上問題はなく、さらにサイドエッチング量の標準偏差が許容値以下であった。
【0050】
一方、Co含有量が2%未満である比較例(合金No.)34と、6%を超えた比較例(合金No.)39は、いずれも平均熱膨張係数が高くなった。又、表層領域のSi濃度の最大値が7%を超えた比較例(合金No.)35、36は、サイドエッチング量の標準偏差が許容値を超えた。Niの含有量が30%未満である比較例(合金No.)37と、35%を超えた比較例(合金No.)38は、いずれも平均熱膨張係数が高くなった。
【0051】
以上のことから、Ni、Co、Mn、Si、C、S、N、Oの含有量を所定範囲に規定するとともに表層領域のSiの最大濃度を7%以下とする本発明は、磁気特性や材料強度を高めるためにSiやVa族元素を含有しているにも関わらず、サイドエッチング量のばらつきを低減することができた。
【0052】
なお、表層領域のVa族元素濃度の最大値が5%を超えた本発明例(合金No.)32、表層領域のCr濃度の最大値が5%を超えた本発明例(合金No.)33は、黒化膜均一性の評価のみ他の本発明例に比べて劣った。このことから、本発明のFe−Ni−Co合金において、表層領域のVa族元素濃度及びCr濃度の最大値を5%以下とするのが好ましいことがわかる。
【0053】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明のプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯によれば、Siを含有した合金において、エッチングされ易いSiの表層濃度を低く管理することで、サイドエッチング量のばらつきを抑制してエッチング精度を向上させ、透過孔の形状均一化、ファインピッチ化を図ることができる。
Claims (5)
- 質量%で、Ni:34〜38%、Mn:0.01〜0.5%、Si:0.03〜0.10%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうち、C:0.01%以下、S:0.005%以下、N:0.005%以下、O:0.005%以下である厚み0.05〜0.3mmのFe−Ni系合金薄帯であって、表面から0.1μmの深さまでの表層領域におけるSi濃度の最大値が7%以下であることを特徴とするプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯。
- さらに質量%で、V、Nb、及びTaの群から選ばれる1種以上のVa族元素を合計で0.05〜0.5%含有し、前記表層領域におけるVa族元素濃度を合計した最大値が0.3〜5%であることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯。
- 質量%で、Ni:30〜35%、Co:2〜6%、Mn:0.01〜0.5%、Si:0.03〜0.10%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうち、C:0.01%以下、S:0.005%以下、N:0.005%以下、O:0.005%以下である厚み0.05〜0.3mmのFe−Ni系合金薄帯であって、表面から0.1μmの深さまでの表層領域におけるSi濃度の最大値が7%以下であることを特徴とするプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯。
- さらに質量%で、V、Nb、及びTaの群から選ばれる1種以上のVa族元素を合計で0.05〜0.5%含有し、前記表層領域におけるVa族元素濃度を合計した最大値が0.3〜5%であることを特徴とする請求項3に記載のプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯。
- さらに質量%で、Cr:0.03〜0.20%を含み、前記表層領域におけるCr濃度の最大値が0.5〜5%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプレス成形型シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄帯。
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