JP2004323510A - 鎮咳剤およびその調製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビャクビ(白薇、Cynanchi Atrai)根茎エキスを含有する鎮咳剤および調製方法を提供する。
【解決手段】咳を緩和、予防、および/または治療するための組成物は、有効成分として十分な量のビャクビ根茎エキスを有する。有効なビャクビ根茎エキスは、ビャクビ根茎を水、エタノール、ヘキサン、酢酸エチルまたはこれらの混合物で抽出することにより調製される。限外ろ過または逆相カラムにより、粗抽出物はさらに調製される。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬組成物に関し、より詳細には、ビャクビ(白薇、Cynanchi Atrai)エキスを鎮咳の有効成分として含有する鎮咳剤、およびその調製方法に関するものである。
本明細書では、確立された伝統的中国漢方医学の分野ではよく知られた概念および実践が参照されていることに留意されたい。以下は、当技術分野の関連局面についての簡単な注解である。
伝統的中国医学における陰陽力の概念
陰陽と五行(Five Agent)の概念とは、特に生物学および医薬のような分野における、中国の科学的思考のほとんどの知的骨格をなす。この概念によれば、身体の各組織はそれぞれに対応する各種自然現象と互いに関連しており、これは、相互関係や対応関係を探究することによって最もよく理解される。病気とは、感情、暑さもしくは寒さ、またはその他の影響による、陰陽または五行のバランスの崩れと考えられる。よって治療とは、バランスの乱れの原因についての正確な診断に依存する(非特許文献1参照)。
伝統的中国医学の指標によると、陰陽力のバランスとは、健康、精神的安定、および心身全体の快適さにとって重要である。反対でありながら相補的なこれら2つの力により決定される固有の関係は、実際に、自然、生命および人間の感情といったあらゆる面に広く影響を及ぼしている。よって、いずれか一方が不足、または反対に過多になってしまったら、伝統的治療法によってきちんと治療を施す必要がある。
これら概念の本質は一見実体がなく、当技術分野とは相容れないように思われるが、確固として確立された局所的科学分野において、その効力および重要性は本質的かつ完全に経験的なものであることに注目されたい。実際、五行およびその他の自然の力と共に、陰陽の存在および付帯する重要性は真実であって、電気、化学反応、摩擦または、目には見えないが完全に認められているあらゆる同様の自然現象と同じように、疑いの余地はない。
健康および応用薬学において陰陽が果たす役割を完全に解明することは、本発明の範囲を遥かに越えており、研究範囲は、一生涯をかけた学問、実践が求められる程の広さにも及ぶが、これら概念が相対的に確実であることは、本明細書により認識されかつ受け入れられるべきである。
中国医学の漢方薬におけるビャクビとは、カガイモ科(Asclepiadaceae)の直立ビャクビ(Cynanchum atratum Bunge)または蔓生ビャクビ(Cynanchum versicolor Bunge)の根茎である。
漢方薬で用いられるビャクビの生薬とは、結節を有して略横方向に湾曲しながら這うように伸びる、長さ5cm〜11.5cm、径0.5cm〜2cmの地下茎であり、表面は黒褐色から褐色を呈し、硬くて折れ易く、断面は平坦で略白色を呈している。また、ビャクビの根は、細長い円柱形であって、地下茎上に湾曲しながら密生して馬の尾のような形状となっており、長さ10cm〜15cm、径1cm〜2.5cm、表面は黄褐色を呈しており、縦に細い皺が入り、硬くて折れ易く、断面は平坦で略白色から淡い黄褐色を呈し、木部が直径の3分の1を占める。切断加工された細長いまたは不規則な円形状の生薬(飲片)は、切断面が黄白色、辺縁がいつで灰褐色を呈し、やや臭みがあり、僅かな苦味を伴う。
ビャクビ根茎の生薬は通常、苦みと鹹味を伴うせんじ薬として調製される。伝統的漢方薬としての特性は涼性に分類され、胃と肝に良いとされている。
伝統的中国医学において、ビャクビ根茎は虚熱(asthenic fever)の治療に用いられている他、季節性発熱、例えば、陰虚発熱、長期間にわたる発熱、夜間の高熱、婦人の産後発熱、夏季の小児発熱の治療にも用いられる。また、ビャクビ根茎の伝統的適応により、特に陰欠乏による、長期の発熱を伴う一般的な風邪に対して、疾病要素が消散される。利尿の促進ならびに発熱型のおよび血尿を伴う排尿困難の軽減にも効果がある。
さらに、ビャクビ根茎は従来、漢方薬中でジコッピ(地骨皮、Cortex Lycii Radicis)およびカワラニンジン(青蒿、Herba Artemisiae Annuae)等と併用されることによって、熱をとり、血液から毒を除去するという作用を発揮する。
Patricia Ebrey、「中国文明:原典(Chinese Civilization:A Sourcebook)第二版」、New York:Free Press、1993、p.77
本発明らは、鋭意研究の結果、ビャクビが鎮咳作用を備えることを初めて見出した。よって、本発明の目的は、ビャクビエキスを含有する鎮咳剤を提供することにある。
さらに、本発明は、前記鎮咳剤を含む医薬組成物を提供することをも目的とする。
また、本発明のもう1つの目的は、前記鎮咳剤の調製方法および哺乳類の咳を緩和および/または予防するための方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、作用を発現するのに十分な量のビャクビ根茎エキスならびに医薬上許容される担体および/または賦形剤を含む鎮咳剤に関する。
前記ビャクビ根茎エキスが、水、エタノール、酢酸エチル、ヘキサンまたはこれらの混合物で抽出されることが好ましい。
前記ビャクビ根茎エキスが、ビャクビ根茎を水、エタノール、酢酸エチル、ヘキサンまたはこれらの混合物で抽出して、粗抽出物を得る工程、および、得られた粗抽出物を、分画分子量が1000ダルトン〜3000ダルトンのろ過膜でろ過してろ液を回収する工程、により調製されることが好ましい。
前記ろ液を逆相カラムに通す工程、前記逆相カラム中の吸着物を、水と80%〜95%エタノール溶液とで順次溶出する工程、得られたエタノール溶出物を回収する工程、回収したエタノール溶出物に水を加えて、濃度をドライベースで5mg/mL〜20mg/mLに調整する工程、濃度調整後のエタノール溶出物をヘキサンで分画して、水層部分の溶液を得る工程、得られた水層部分の溶液を濃縮する工程、および、濃縮された水層部分の溶液をろ紙でろ過して、ろ液を回収する工程、によりろ液がさらに処理されることが好ましい。
前記ビャクビ根茎エキス抽出物が、ビャクビ根茎を水、エタノール、酢酸エチル、ヘキサンまたはこれらの混合物で抽出して、粗抽出物を得る工程、得られた粗抽出物を逆相カラムに通す工程、前記逆相カラム中の吸着物を、水と80%〜95%エタノール溶液とで順次溶出する工程、および、得られたエタノール溶出物を回収する工程、
により調製されることが好ましい。
前記逆相カラムに、ダイアイオンHP20樹脂またはRP-18樹脂が充填されていることが好ましい。
前記逆相カラムには、前記粗抽出物の乾燥粉末1gに対して前記樹脂が10g〜120gの割合で充填されていることが好ましい。
前記ビャクビ根茎は、直立ビャクビまたは蔓生ビャクビの根茎であることが好ましい。
また、本発明は、作用を発現するのに十分な量のビャクビ(白薇、Cynanchi Atrai)根茎エキスならびに医薬上許容される担体および/または賦形剤を含む、咳を治療するための鎮咳剤であって、前記ビャクビ根茎エキスが、ビャクビ根茎を水、エタノールまたはこれらの混合物で抽出して粗抽出物を得る工程、得られた粗抽出物を逆相カラムに通す工程、前記逆相カラム中の吸着物を、水と80%〜95%エタノール溶液とで順次溶出する工程、得られたエタノール溶出物を回収して、約50倍に濃縮する工程、濃縮されたエタノール溶出物に水を加えて、濃度をドライベースで5mg/mL〜20mg/mLに調整した後、さらに約10倍に濃縮する工程、および、約10倍に濃縮されたエタノール溶出物をろ過し、前記ビャクビ根茎エキスとしてろ液を得る工程、により調製される、鎮咳剤に関する。
前記逆相カラムに、ダイアイオンHP20樹脂またはRP-18樹脂が充填されていることが好ましい。
前記逆相カラムには、前記粗抽出物の乾燥粉末1gに対して前記樹脂が10g〜120gの割合で充填されていることが好ましい。
前記ビャクビ根茎は、直立ビャクビまたは蔓生ビャクビの根茎であることが好ましい。
また、本発明は、ビャクビ根茎を、水、エタノール、ヘキサン、酢酸エチルまたはこれらの混合物で抽出する工程により、鎮咳ビャクビエキスを調製する方法に関する。
前記抽出物を分画分子量1000ダルトン〜3000ダルトンのろ過膜でろ過して、ろ液を回収する工程をさらに含むことが好ましい。
前記ろ液を逆相カラムに通す工程、前記逆相カラム中の吸着物を、水と80%〜95%エタノール溶液とで順次溶出する工程、得られたエタノール溶出物を回収する工程、回収したエタノール溶出物に水を加えて、濃度をドライベースで5mg/mL〜20mg/mLに調製する工程、濃度調製後のエタノール溶出物をヘキサンで分画し、水層部分の溶液を得る工程、得られた水層部分の溶液を濃縮する工程、および、濃縮された水層部分の溶液をろ紙でろ過してろ液を回収する工程、をさらに含むことが好ましい。
前記抽出物を逆相カラムに通す工程、前記逆相カラム中の吸着物を、水と80%〜95%エタノール溶液とで順次溶出する工程、および、得られたエタノール溶出物を回収する工程、をさらに含むことが好ましい。
前記逆相カラムに、ダイアイオンHP20樹脂またはRP-18樹脂が充填されていることが好ましい。
前記逆相カラムには、前記抽出物の乾燥粉末1gに対して前記樹脂が10g〜120gの割合で充填されていることが好ましい。
前記抽出物を逆相カラムに通す工程、前記逆相カラム中の吸着物を、水とエタノール溶液とで順次溶出する工程、得られたエタノール溶出物を回収して、約50倍に濃縮する工程、濃縮されたエタノール溶出物に水を加えて、濃度をドライベースで5mg/mL〜20mg/mLに調整して、さらに約10倍に濃縮する工程、および、約10倍に濃縮された溶出物をろ過し、前記ビャクビ根茎エキスとしてろ液を得る工程、
をさらに含むことが好ましい。
前記逆相カラムに、ダイアイオンHP20樹脂またはRP-18樹脂が充填されていることが好ましい。
前記逆相カラムには、前記抽出物の乾燥粉末1gに対して前記樹脂が10g〜120gの割合で充填されていることが好ましい。
前記ビャクビ根茎は、直立ビャクビまたは蔓生ビャクビの根茎であることが好ましい。
また、本発明は、作用を発現するのに十分な量のビャクビ根茎エキスならびに医薬上許容される担体および/または賦形剤を含む鎮咳剤を投与する工程を含む、咳を緩和、予防および/または治療する方法に関する。
また、本発明は、ビャクビ根茎を水、エタノール、酢酸エチル、ヘキサンまたはこれらの混合物で抽出して、粗抽出物を得る工程、および、得られた粗抽出物を、分画分子量が1000ダルトン〜3000ダルトンのろ過膜でろ過してろ液を回収する工程、により調製される、作用を発現するのに十分な量のビャクビ根茎エキスならびに医薬上許容される担体および/または賦形剤からなり、且つ、前記ろ液を逆相カラムに通す工程、前記逆相カラム中の吸着物を、水と80%〜95%エタノール溶液とで順次溶出する工程、得られたエタノール溶出物を回収する工程、回収したエタノール溶出物に水を加えて、濃度をドライベースで5mg/mL〜20mg/mLに調整する工程、濃度調整後のエタノール溶出物をヘキサンで分画して、水層部分の溶液を得る工程、得られた水層部分の溶液を濃縮する工程、および、濃縮された水層部分の溶液をろ紙でろ過して、ろ液を回収する工程、をさらに行なうことにより調製される鎮咳剤を投与する工程を含む、咳を緩和、予防および/または治療する方法に関する。
また、本発明は、ビャクビ根茎を水、エタノールまたはこれらの混合物で抽出して粗抽出物を得る工程、得られた粗抽出物を逆相カラムに通す工程、前記逆相カラム中の吸着物を、水と80%〜95%エタノール溶液とで順次溶出する工程、得られたエタノール溶出物を回収して、約50倍に濃縮する工程、濃縮されたエタノール溶出物に水を加えて、濃度をドライベースで5mg/mL〜20mg/mLに調整した後、さらに約10倍に濃縮する工程、および、約10倍に濃縮されたエタノール溶出物をろ過し、ろ液としてビャクビ根茎エキスを得る工程、により調製される、作用を発現するのに十分な量のビャクビ根茎エキスならびに医薬上許容される担体および/または賦形剤を含む鎮咳剤を投与する工程を含む、咳を緩和、予防および/または治療する方法に関する。
また、本発明は、作用を発現するのに十分な量のビャクビ根茎エキスならびに医薬上許容される担体および/または賦形剤を含む鎮咳剤を主に含む、咳を緩和、予防および/または治療するための医薬組成物に関する。
また、本発明は、ビャクビ根茎を水、エタノール、酢酸エチル、ヘキサンまたはこれらの混合物で抽出して、粗抽出物を得る工程、および、得られた粗抽出物を、分画分子量が1000ダルトン〜3000ダルトンのろ過膜でろ過してろ液を回収する工程、により調製される、作用を発現するのに十分な量のビャクビ根茎エキスならびに医薬上許容される担体および/または賦形剤からなり、且つ、前記ろ液を逆相カラムに通す工程、前記逆相カラム中の吸着物を、水と80%〜95%エタノール溶液とで順次溶出する工程、得られたエタノール溶出物を回収する工程、回収したエタノール溶出物に水を加えて、濃度をドライベースで5mg/mL〜20mg/mLに調整する工程、濃度調整後のエタノール溶出物をヘキサンで分画して、水層部分の溶液を得る工程、得られた水層部分の溶液を濃縮する工程、および、濃縮された水層部分の溶液をろ紙でろ過して、ろ液を回収する工程、をさらに行なうことにより調製される鎮咳剤を主に含む、咳を緩和、予防および/または治療するための医薬組成物に関する。
また、本発明は、ビャクビ根茎を水、エタノールまたはこれらの混合物で抽出して粗抽出物を得る工程、得られた粗抽出物を逆相カラムに通す工程、前記逆相カラム中の吸着物を、水と80%〜95%エタノール溶液とで順次溶出する工程、得られたエタノール溶出物を回収して、約50倍に濃縮する工程、濃縮されたエタノール溶出物に水を加えて、濃度をドライベースで5mg/mL〜20mg/mLに調整した後、さらに約10倍に濃縮する工程、および、約10倍に濃縮されたエタノール溶出物をろ過し、前記ビャクビ根茎エキスとしてろ液を得る工程、により調製される、作用を発現するのに十分な量のビャクビ根茎エキスならびに医薬上許容される担体および/または賦形剤を含む鎮咳剤を主に含む、咳を緩和、予防および/または治療するための医薬組成物に関する。
本発明者らは、ビャクビが優れた鎮咳効果を備えることを初めて見出した。そして、本発明の提示する方法により、ビャクビエキス含有の医薬組成物を調製すれば、咳抑制効果の高い鎮咳剤が提供され得る。
本発明において、ビャクビエキスは、直立ビャクビまたは蔓生ビャクビを水、エタノール、ヘキサン、酢酸エチルまたはこれらの混合物で抽出してなるものである。そして、本発明の一実施態様として、上述のとおりに抽出し得られた粗抽出物を、限外ろ過膜(Ultrafiltration membrane)でろ過し、分子量が1000ダルトンから3000ダルトンよりも小さい部分を取り出して鎮咳剤の活性部分とするのが好ましい。
また、別の実施態様として、前記ビャクビ根茎粗抽出物をHP20樹脂またはRP-18樹脂が充填されたカラムに通し、水と80%〜95%エタノール溶液で順次溶出することもできる。エタノール溶出物を回収して鎮咳剤の有効成分として用いてもよい。
さらに、もう1つの実施態様として、限外ろ過を経たまたは経ていない前記ビャクビ根茎粗抽出物をさらに逆相カラムに通して、水と80%〜95%エタノール溶液で順次溶出した後、エタノール溶出物を回収して、約50倍に濃縮し、続いて、濃縮エタノール溶出液に水を加えてドライベースで5mg/mL〜20mg/mLの濃度に調整した後、さらに約10倍に濃縮し、溶出物をろ過して得たろ液を鎮咳剤の有効成分としてもよい。
発明の詳細な説明
(評価モデル)
上述の各実施態様により得られた各ビャクビ根茎エキスの鎮咳活性は、本明細書において、ウィンター(Winter),C.Aらの提唱する評価法(J. Pharmacol. Exp. Ther. 112:99、1954)の変法により評価した。
評価には、重量450±50gのハートレー系(Duncan Hartley)雄性または雌性モルモットを用いた。咳を誘発するための刺激物をエアロゾル状に噴霧する超音波ネブライザーと、モルモットの咳音を増幅するためのマイクロフォンとを設置した体積4Lの密閉チャンバにモルモットを1匹ずつ入れた。そして先ず、エアロゾル化10%クエン酸溶液にモルモットを10秒間曝して、その後5分間のうちに咳反射を9回〜15回起こしたモルモットを取り出して評価の対象とした。翌日、午前10時と午後4時に、これらモルモットに蒸留水またはエキスを経口投与した。2回目の投与から60分後、エアロゾル化10%クエン酸溶液に再び曝して刺激し、その後5分間の咳の回数を記録した。各ビャクビエキスのクエン酸誘発咳に対する抑制率は、下式により計算した。
抑制率(%)=[(投与前の咳回数)−(投与後の咳回数)]
/(投与前の咳回数)×100%
(サンプルの調製およびその鎮咳活性の評価)
以下の実施例では、いずれも直立ビャクビの乾燥根茎を用いている。
粉砕した乾燥ビャクビの根茎1kgを準備し、水10L、50%エタノール10L、95%エタノール10L、酢酸エチル(EA)10Lおよびヘキサン10Lとそれぞれ混合して、加熱し沸騰させ、1時間還流させるという抽出の工程を2回行った後、得られた各抽出物を、抽出に用いた溶液毎にそれぞれサンプル1-1(水)、1-2(50%エタノール)、1-3(95%エタノール)、1-4(EA)、1-5(ヘキサン)とした。続いて、各抽出物を350メッシュの篩でろ過し回収して、各ろ液をそれぞれ、1089×g(ベックマンコールター社製Avanti(商標)J-25I使用)で3時間連続遠心分離し、微粒子と不純物を除去した。そして、これら遠心処理後の各上澄みを濃縮した後、凍結乾燥した。得られた各サンプルの鎮咳活性は下表のとおりであった。
Figure 2004323510
*データは平均値±s.e.で表す(N=4)。
上表からわかるように、水、50%エタノール、95%エタノール、酢酸エチル(EA)およびへキサンで抽出した各ビャクビエキスは、投与量が1.0g/kgのときに、モルモットのクエン酸誘発咳に対して60%以上と高い抑制率を示した。
粉砕した乾燥ビャクビの根茎120gを、実施例1と同じ方法により50%エタノールで抽出した。得られたビャクビ50%エタノール抽出物を500±100mLに濃縮して、水で調整して体積を2Lとした。抽出物2Lを、分画分子量が1000ダルトンの限外ろ過膜(アミコン社製LP-1使用、入口圧力(inlet P)1.5kg/cm2、出口圧力(outlet P)0.5kg/cm2)でさらにろ過した。そして、下層のろ液1800mLを回収してから上層の滞留物中に水1800mLを加えて限外ろ過を続ける、という工程を三回繰り返して行ない、最終的な分子量が1000ダルトンよりも大きい滞留物(サンプル2-1)および分子量が1000ダルトンよりも小さい物質を含むろ液(サンプル2-2)を回収した。最後に、これら滞留物およびろ液を凍結乾燥して乾燥粉体にした。各サンプルの鎮咳活性は下表に示すとおりであった。
Figure 2004323510
*データは平均値±s.e.で表す(N=4)。
表2からわかるように、50%エタノールで抽出したビャクビエキスの画分は、分子量が1000ダルトンより大きくても小さくても、投与量0.5g/kgで、モルモットのクエン酸誘発咳に対する抑制活性を示した。
粉砕した乾燥ビャクビの根茎680gを、実施例1と同じ方法により水で抽出した。得られた水抽出物12000gを、分画分子量が1000ダルトンの限外ろ過膜(アミコン社製LP-1使用、入口圧力(inlet P)1.5kg/cm2、出口圧力(outlet P)0.5kg/cm2)でろ過した。次に、ろ液10800gを回収してから滞留物に10800gの水を加えて限外ろ過を続ける、という工程を三回繰り返して行ない、結果得られた、分子量が1000ダルトンよりも小さい物質を含むろ液を、ドライベースで0.812g/mLに濃縮した。乾燥粉末38.5gを含有する濃縮ろ液と、同乾燥粉末31.5gを含有する濃縮ろ液とを、HP20樹脂(ダイアイオン、三菱化学社製)3080gと、同樹脂2520gとがそれぞれ充填されたカラムに通し(すなわち充填の割合は、濃縮液の乾燥粉末1gに対してHP20樹脂80g)。その後に、各カラム中の吸着物を、水24640gと20160gとでそれぞれ溶出して、50%エタノールと95%エタノールとでさらにそれぞれ溶出し、24640gの50%エタノール溶出物(サンプル3-1)と、20160gの95%エタノール溶出物(サンプル3-2)とを得た。そして、これら溶出物をそれぞれ濃縮した後、凍結乾燥した。各サンプルの鎮咳活性は下表に示すとおりであった。
Figure 2004323510
*データは平均値±s.e.で表す(N=4)。
表3からわかるように、サンプル3-1は、投与量が1.0g/kgのときに、モルモットのクエン酸誘発咳に対して特に良好な抑制率を示した。
粉砕した乾燥ビャクビの根茎1200gを、実施例1と同じ方法により水で抽出し、得られた水抽出物をドライベースで0.59g/mLに濃縮した。続いて、乾燥粉末170gを含有する濃縮水抽出物を、HP20樹脂6800gが充填された逆相カラムに通してから(充填の割合は、抽出物の乾燥粉末1gに対して樹脂40g)、カラム中の吸着物を水68000gで溶出し、続いて、95%エタノールでさらに溶出し、水溶出物(サンプル4-1)と、68000gの95%エタノール溶出物(サンプル4-3)とをそれぞれ得た。さらに、これら溶出物をそれぞれ濃縮した後、凍結乾燥した。
同様に、粉砕した乾燥ビャクビの根茎760gを、実施例1と同じ方法により水で抽出し、得られた水抽出物をドライベースで0.811g/mLまで濃縮した。続いて、乾燥粉末120gを含有する濃縮水抽出物を、HP20樹脂9600gが充填された逆相カラムに通した(充填の割合は、抽出物の乾燥粉末1gに対して樹脂80g)。カラム中の吸着物を水76800gで溶出した後、95%エタノールでさらに溶出し、水溶出物(サンプル4-2)と76800gの95%エタノール溶出物(サンプル4-4)とをそれぞれ得た。そして、これら溶出物をそれぞれ濃縮して、凍結乾燥した。
得られた各サンプルの鎮咳活性は下表に示すとおりであった。
Figure 2004323510
*データは平均値±s.e.で表す(N=4)。
表4からわかるように、逆相カラムに通したビャクビエキス溶出物であるサンプル4-1、4-3および4-4は、投与量1.0g/kgのときに、モルモットのクエン酸誘発咳に対する抑制活性を示した。しかし、サンプル4-2(抽出物とHP20樹脂の比率が1g/80gの水抽出物)だけは抑制効果が低かった。
粉砕した乾燥ビャクビの根茎3000gを、実施例1と同じ方法により水で抽出した。乾燥粉末345gを含有する濃縮水抽出物と、同乾燥粉末250gを含有する濃縮水抽出物とを、HP20樹脂6900gが充填された逆相カラムと、同樹脂5000gが充填された逆相カラムとにそれぞれ通した(充填の割合は、抽出物の乾燥粉末1gに対して樹脂20g)。次に、水75900gと水60500gとで各カラム中の吸着物をそれぞれ溶出した後、70%エタノールと95%エタノールとでさらに溶出し、75900gの70%エタノール溶出物(サンプル5-1)と、60500gの95%エタノール溶出物(サンプル5-2)とを得た。そして、これら溶出物をそれぞれ濃縮して、凍結乾燥した。
同様に、乾燥ビャクビの根茎1500gを、実施例1と同じ方法により水で抽出した。乾燥粉末130gを含有する濃縮水抽出物と、同乾燥粉末115gを含有する濃縮水抽出物とを、HP20樹脂10400gが充填された逆相カラムと、同樹脂9200gが充填された逆相カラムとにそれぞれ通してから(充填の割合は、抽出物の乾燥粉末1gに対して樹脂80g)、各カラム中の吸着物を水62400gと水55200gとでそれぞれ溶出し、さらに、50%エタノールと95%エタノールとで溶出して、水抽出物(サンプル5-3)、62400gの50%エタノール溶出物(サンプル5-4)および55200gの95%エタノール溶出物(サンプル5-5)を得た。そして、これら溶出物をそれぞれ濃縮した後、凍結乾燥した。
同様に、乾燥ビャクビの根茎3000gを、実施例1と同じ方法により水で抽出した。乾燥粉末250gを含有する濃縮水抽出物と、同乾燥粉末210gを含有する濃縮水抽出物とを、HP20樹脂3750gが充填された逆相カラムと、同樹脂3150gが充填された逆相カラムとにそれぞれ通してから(充填の割合は、抽出物の乾燥粉末1gに対して樹脂15g)、各カラム中の吸着物を水37500gと水31500gとでそれぞれ溶出し、さらに、50%エタノールと95%エタノールとで溶出して、37500gの50%エタノール溶出物(サンプル5-6)と、31500gの95%エタノール溶出物(サンプル5-7)とを得た。そして、これら溶出物をそれぞれ濃縮した後、凍結乾燥した。
さらに、サンプル5-6および5-7を、分画分子量が1000ダルトンの限外ろ過膜(アミコン社製LP-1使用、入口圧力(inlet P)1.5kg/cm2、出口圧力(outlet P)0.5kg/cm2)でそれぞれろ過した。次いで、これらサンプルのろ液1800mLを回収してから滞留物中に水1800mLを加えて限外ろ過を続ける、という工程をそれぞれ三回繰り返して行なった。そして、最終的な分子量が1000ダルトンよりも大きい物質を含むろ液(サンプル5-8および5-10)、および分子量が1000ダルトンよりも小さい物質を含むろ液(サンプル5-9および5-11)を得た。最後に、これらろ液をそれぞれ凍結乾燥した。
各サンプルの鎮咳活性は下表に示すとおりであった。
Figure 2004323510
*データは平均値±s.e.で表す(N=4〜8)。
表5からわかるように、ビャクビ粗抽出物の様々な処理を行なった後も、サンプル5-2、5-5、5-7、5-9、5-10および5-11は、依然としてモルモットのクエン酸誘発咳に対する抑制効果を備えていた。
粉砕した乾燥ビャクビの根茎1500gを、実施例1と同じ方法により水で抽出し、乾燥粉末285gを含む濃縮水抽出物を、HP20樹脂5700gが充填された逆相カラムに通した(充填の割合は、抽出物の乾燥粉末1gに対して樹脂20g)。次に、カラム中の吸着物を水45600gで溶出した後、95%エタノールでさらに溶出し、45600gの95%エタノール溶出物を回収した後で、約50倍に濃縮した。続いて、水を加えて濃度をドライベースで10mg/mLに調整して、さらに約10倍に濃縮し、濃縮液をろ紙(ワットマン社製No.2)でろ過してろ液を回収して、ろ液を凍結乾燥した(サンプル6-1)。得られたサンプルの鎮咳活性は下表に示すとおりであった。
Figure 2004323510
*データは平均値±s.e.で表す(N=4)。
表6からわかるように、サンプル6-1は、投与量が0.25g/kgのときであっても、依然としてモルモットのクエン酸誘発咳に対する抑制効果を有していた。
粉砕した乾燥ビャクビの根茎2500gを、実施例1と同じ方法により水で抽出し、得られた水抽出物40420gを、分画分子量が1000ダルトンの限外ろ過膜(M12、スピード:50%、入口圧力(inlet P)20Psi)でろ過した。続いて、ろ液36380gを回収してから滞留物中に36380gの水を加えて限外ろ過を続ける、という工程を三回繰り返して行ない、結果得られた、分子量が1000ダルトンよりも大きい物質を含む滞留物を濃縮した後、凍結乾燥した(サンプル7-1)。
次に、分子量が1000ダルトンよりも小さい物質を含むろ液を回収し、約3倍に濃縮した。乾燥粉末420gを含有する濃縮液を、HP20樹脂8400gが充填された逆相カラムに通した(充填の割合は、濃縮液の乾燥粉末1gに対して樹脂20g)。その後、各カラム中の吸着物を、水67200gで溶出した後、95%エタノールでさらに溶出し、67200gの95%エタノール溶出物(サンプル7-2)を得てから、溶出物を濃縮し、凍結乾燥した。さらに、エタノール溶出液の乾燥粉末40gを水4000gと混合して濃度10mg/mLの溶液とし、溶液をヘキサン4000mLで3回分画して水層部分を取り出した。最後に、水層部分の溶液を300±50mLまで濃縮して、ろ紙(ワットマン社製No.2)でろ過し、ろ液を凍結乾燥した(サンプル7-3)。
各サンプルの鎮咳活性は下表に示すとおりであった。
Figure 2004323510
*データは平均値±s.e.で表す(N=4)。
表7からわかるように、サンプル7-2および7-3は、モルモットのクエン酸誘発咳に対して優れた抑制活性を示した。
以上、好適な実施例を用いて本発明を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されないと解するべきである。つまり、本発明は、(当業者であれば明白である)各種変更および均等な修飾を全て包括する。上に掲げた実施例は、本発明の原理を説明するための最良の態様を提示すべく選択して記載したものである。すなわち、添付の特許請求の範囲は、かかる各種変更および均等な修飾が全て包含されるように、最も広い意味として解釈されなければならない。

Claims (28)

  1. 作用を発現するのに十分な量のビャクビ(白薇、Cynanchi Atrai)根茎エキス、および
    医薬上許容される担体または賦形剤
    を含む鎮咳剤。
  2. 前記ビャクビ根茎エキスが、水、エタノール、酢酸エチル、ヘキサンまたはこれらの混合物で抽出される、請求項1記載の鎮咳剤。
  3. 前記ビャクビ根茎エキスが、
    ビャクビ根茎を水、エタノール、酢酸エチル、ヘキサンまたはこれらの混合物で抽出して、粗抽出物を得る工程、および、
    得られた粗抽出物を、分画分子量が1000ダルトン〜3000ダルトンのろ過膜でろ過してろ液を回収する工程、
    により調製される、請求項1記載の鎮咳剤。
  4. 前記ろ液を逆相カラムに通す工程、
    前記逆相カラム中の吸着物を、水と80%〜95%エタノール溶液とで順次溶出する工程、
    得られたエタノール溶出物を回収する工程、
    回収したエタノール溶出物に水を加えて、濃度をドライベースで5mg/mL〜20mg/mLに調整する工程、
    濃度調整後のエタノール溶出物をヘキサンで分画して、水層部分の溶液を得る工程、
    得られた水層部分の溶液を濃縮する工程、および、
    濃縮された水層部分の溶液をろ紙でろ過して、ろ液を得る工程、
    によりろ液がさらに処理される、請求項3記載の鎮咳剤。
  5. 前記ビャクビ根茎エキス抽出物が、
    ビャクビ根茎を水、エタノール、酢酸エチル、ヘキサンまたはこれらの混合物で抽出して、粗抽出物を得る工程、
    得られた粗抽出物を逆相カラムに通す工程、
    前記逆相カラム中の吸着物を、水と80%〜95%エタノール溶液とで順次溶出する工程、および、
    得られたエタノール溶出物を回収する工程、
    により調製される、請求項1記載の鎮咳剤。
  6. 前記逆相カラムに、ダイアイオン(Diaion)HP20樹脂またはRP-18樹脂が充填されている、請求項5記載の鎮咳剤。
  7. 前記逆相カラムには、前記粗抽出物の乾燥粉末1gに対して前記樹脂が10g〜120gの割合で充填されている、請求項6記載の鎮咳剤。
  8. 前記ビャクビ根茎は、直立ビャクビ(Cynanchum atratum Bunge)または蔓生ビャクビ(Cynanchum versicolor Bunge)の根茎である、請求項1記載の鎮咳剤。
  9. 作用を発現するのに十分な量のビャクビ根茎エキス、および
    医薬上許容される担体または賦形剤
    を含む、咳を治療するための鎮咳剤であって、
    前記ビャクビ根茎エキスが、
    ビャクビ根茎を水、エタノールまたはこれらの混合物で抽出して粗抽出物を得る工程、
    得られた粗抽出物を逆相カラムに通す工程、
    前記逆相カラム中の吸着物を、水と80%〜95%エタノール溶液とで順次溶出する工程、
    得られたエタノール溶出物を回収して、約50倍に濃縮する工程、
    濃縮されたエタノール溶出物に水を加えて、濃度をドライベースで5mg/mL〜20mg/mLに調整した後、さらに約10倍に濃縮する工程、および、
    約10倍に濃縮された溶出物をろ過し、前記ビャクビ根茎エキスとしてろ液を得る工程、
    により調製される、鎮咳剤。
  10. 前記逆相カラムに、ダイアイオンHP20樹脂またはRP-18樹脂が充填されている、請求項9記載の鎮咳剤。
  11. 前記逆相カラムには、前記粗抽出物の乾燥粉末1gに対して前記樹脂が10g〜120gの割合で充填されている、請求項10記載の鎮咳剤。
  12. 前記ビャクビ根茎は、直立ビャクビまたは蔓生ビャクビの根茎である、請求項9記載の鎮咳剤。
  13. ビャクビ根茎を、水、エタノール、ヘキサン、酢酸エチルまたはこれらの混合物で抽出する工程により、鎮咳ビャクビエキスを調製する方法。
  14. 前記抽出物を分画分子量1000ダルトン〜3000ダルトンのろ過膜でろ過して、ろ液を回収する工程をさらに含む、請求項13記載の方法。
  15. 前記ろ液を逆相カラムに通す工程、
    前記逆相カラム中の吸着物を、水と80%〜95%エタノール溶液とで順次溶出する工程、
    得られたエタノール溶出物を回収する工程、
    回収したエタノール溶出物に水を加えて、濃度をドライベースで5mg/mL〜20mg/mLに調製する工程、
    濃度調製後のエタノール溶出物をヘキサンで分画し、水層部分の溶液を得る工程、
    得られた水層部分の溶液を濃縮する工程、および、
    濃縮された水層部分の溶液をろ紙でろ過してろ液を得る工程、
    をさらに含む、請求項14記載の方法。
  16. 前記抽出物を逆相カラムに通す工程、
    前記逆相カラム中の吸着物を、水と80%〜95%エタノール溶液とで順次溶出する工程、および、
    得られたエタノール溶出物を回収する工程、
    をさらに含む、請求項13記載の方法。
  17. 前記逆相カラムに、ダイアイオンHP20樹脂またはRP-18樹脂が充填されている、請求項16記載の方法。
  18. 前記逆相カラムに、前記抽出物の乾燥粉末1gに対して前記樹脂が10g〜120gの割合で充填されている、請求項17記載の方法。
  19. 前記抽出物を逆相カラムに通す工程、
    前記逆相カラム中の吸着物を、水とエタノール溶液とで順次溶出する工程、
    得られたエタノール溶出物を回収して、約50倍に濃縮する工程、
    濃縮されたエタノール溶出物に水を加えて、濃度をドライベースで5mg/mL〜20mg/mLに調整して、さらに約10倍に濃縮する工程、および、
    約10倍に濃縮された溶出物をろ過し、前記ビャクビ根茎エキスとしてろ液を得る工程、
    をさらに含む、請求項13記載の方法。
  20. 前記逆相カラムに、ダイアイオンHP20樹脂またはRP-18樹脂が充填されている、請求項19記載の方法。
  21. 前記逆相カラムには、前記抽出物の乾燥粉末1gに対して前記樹脂が10g〜120gの割合で充填されている、請求項20記載の方法。
  22. 前記ビャクビ根茎は、直立ビャクビまたは蔓生ビャクビの根茎である、請求項13記載の方法。
  23. 請求項1記載の鎮咳剤を投与する工程を含む、咳を緩和、予防および/または治療する方法。
  24. 請求項4記載の鎮咳剤を投与する工程を含む、咳を緩和、予防および/または治療する方法。
  25. 請求項9記載の鎮咳剤を投与する工程を含む、咳を緩和、予防および/または治療する方法。
  26. 有効量の請求項1記載の鎮咳剤および医薬上許容される担体または賦形剤を含む、咳を緩和、予防および/または治療するための医薬組成物。
  27. 有効量の請求項4記載の鎮咳剤および医薬上許容される担体または賦形剤を含む、咳を緩和、予防および/または治療するための医薬組成物。
  28. 有効量の請求項9記載の鎮咳剤および医薬上許容される担体または賦形剤を含む、咳を緩和、予防および/または治療するための医薬組成物。
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