JP2004323499A - 生薬組成物の香気を作用成分とする美肌化粧料 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生薬組成物の鎮静作用香気を作用成分とする美肌化粧料にかかわり、その目的は、美肌にかかわる作用成分を皮膚への吸収によらず、香気として皮膚に感知せしめることで鎮静に伴い美肌効果をあげ得る、生薬組成物の鎮静作用香気を作用成分とする美肌化粧料の提供にある。
【0002】
【従来の技術】
美肌化粧料でいう美肌とは、主に顔面皮膚の明度にかげりなく、柔軟性乏しくない状態を指すが、具体的には顔面のしみやこじわを年令不相応に増やさないことを目的としている。すなわち従来技術にいう美肌化粧料とは、しみやこじわの防止、改善を目的とする化粧料に他ならない。
【0003】
化粧品は使用目的において、皮膚保健に用いる基礎化粧品類と、皮膚彩色に用いるメイクアップ化粧品類の別があるが、基礎化粧品類では、ほとんどの従来技術製品が、「しみ、こじわ」という効果を掲げている。これは基礎化粧品類にあっては、裏付けがなかっても一定の効果をいうことが可とされているためで、多くの製品では、「しみ」についてはメラニン生成にかかわるチロシナーゼの抑制剤、「こじわ」についてはコラーゲン変性因であるコラゲナーゼの抑制剤を配合することで、掲げる効果の根拠としている。しかしそれらチロシナーゼ抑制剤やコラゲナーゼ抑制剤などが配合された基礎化粧品類が、実用において、しみやこじわに効果をあげているかどうかは不明のことが多い。なぜとなれば、皮膚は外部からの異物侵入を防ぐバリアー機能を本来とするために、経皮投与薬物等の吸収性は低く、またきわめて僅かに吸収されることある薬物等も、皮膚に存在する種々の代謝酵素により、吸収中に不活性化されるからであり、さらに個別のチロシナーゼ抑制剤やコラゲナーゼ抑制剤の生体内(in vivo)動態も、ほとんどわからないからである。皮膚は表皮の保水性が保たれ角化角解に遅速なければ一応の健全性は保てるので、薬物等の動向ぬきに、従来技術製品はこのことを目先の目的として作られ流通している。但し、しみやこじわの防止、改善を背景とする美肌効果については、それを得ることができないでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の美肌化粧料には、美肌の背景であるしみ、こじわの防止、改善に、経皮投与薬物等の効果を期待し得ないという問題がある。因みに本発明でいう薬物等とは、皮膚への塗布を適用形態とする化粧品(薬用化粧品を含む)の組成物を指すが、その経皮吸収がほとんど期待できないか、あるいは効果に見合う吸収率の一定が難しければ、しみ、こじわの防止、改善、すなわち美肌は求めても得られないことになる。この問題点、すなわち経皮投与薬物等の吸収による効果を期待し難いことの解決について、本発明者らは鋭意研究を続けた結果、皮膚を経皮投与薬物等の吸収の場とのみ限らず、香気を感知させる対象と見、その皮膚へ鎮静作用ある生薬組成物香気を化粧料成分として作用せしめることで、しみ、こじわの防止、改善による美肌効果を得ること可能なるを見出し本発明をなすに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、請求項1にかかわる発明は、生薬組成物の鎮静作用香気を作用成分として含有する美肌化粧料に関する。
ウ)、檀香(ダンコウ)、桔梗(キキョウ)、甘草(カンゾウ)の五種生薬からなることを特徴とする請求項1の美肌化粧料に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかわる生薬組成物の鎮静作用香気を作用成分として含有する
檀香(ダンコウ)、桔梗(キキョウ)、甘草(カンゾウ)の五種生薬からなる香気成分利用の美肌化粧料について説明する。
【0007】
化粧料には一般に香料が香気成分として配合される。原料臭、体臭のマスクや官能性賦与目的であることが多い。しかしながら近時、時に発生するその刺激性が忌避され、香料を排除した化粧料、すなわち謂うところの無香料化粧品の流通が拡大するようになった。香料には天然物由来のものと合成によるものがあるが、原料臭、体臭のマスクが目的であるにせよ、官能性賦与が目的であるにせよ、化粧料への賦香は、その化粧料の想定使用者群の嗜好性に合せて、また化粧料使用中の嗅覚への違和感ないように選定されるので、さらにまた化粧料そのものの着色、退色を避ける意味でも、賦香される香気は、個性的である天然物、とりわけ草根木皮乾燥物である生薬由来のそれが用いられること少い。花部を含む草根木皮は、乾燥により揮発し易い香気が失われること多く、また乾燥生薬の香気は“くすり臭い”として化粧料の官能性を損うからでもある。
【0008】
化粧料への生薬成分配合は、従って、香気成分としてでなく、経皮吸収を前提の、何らかの作用成分としてであるが、その効果は前述の如く測り難い。またそのような化粧料配合のための生薬成分は単一生薬の溶媒抽出によるエキスであって、あるいは単一生薬エキスを合したものであって、複数生薬による組成物を共抽出したものでない。同じ組合せの場合でも、生薬抽出成分の機能は、単一生薬抽出物を合したものと、複数生薬をいっしょに抽出したものとでは、明確な差が生じることはよく知られている。抽出物が香気成分の場合でもこのことは変らず、本発明は複数生薬の共抽出香気成分、すなわち生薬組成物の香気を、鎮静作用成分として化粧料に含有せしめ、美肌効果を得んとするものである。
【0009】
本発明において香気成分を共抽出して得るための生薬は、甘草、大棗(タイソウ)、檀香、陳皮(チンピ)、橙皮(トウヒ)、青皮、枳実(キジツ)、香附子(コ
3〜6種を併せ、香気成分を共抽出し、化粧料に配合含有せしめる。(生薬名称は、中山医学院編「漢薬の臨床応用」医歯薬出版・株による)。
【0010】
上記による生薬組成物鎮静作用香気成分含有化粧料の作用はなお研究を要するが、その使用によりリラックス効果を得ることができ、しみ、こじわの防止、改善等美肌効果を得るに至る。
【0011】
生薬組成物鎮静作用香気成分の抽出は、公知である何れの方法によるもよいが、香気成分の特性から、蒸留によるをもっとも好ましくする。蒸留は水蒸気蒸留、減圧蒸留の何れかを適とするが、その他の方法も本発明目的を妨げない。
【0012】
共抽出に供する生薬組成物の生薬は、上述例示に依るをよしとするが、もっと
(キキョウ)、甘草(カンゾウ)の組合せである。以下この五種生薬組成物香気成分含有の美肌化粧料について説明する。
【0013】
lica dahurica Benth.et Hook)などの根の乾燥物で、angellicin C17H18O7、angelicol C17H16O6、angellicotoxinなどを主成分とし、その芳香性を利して鼻閉を通じるなど、発散性の天然香料素材などに用いられる。
ticum wallichii Franch)根茎の乾燥物で、alkaloid・ferulic acid C10H10O4、精油などを主成分とする。血行を促し、鎮経、鎮痛、抗菌などの働きがあるが、化粧品等においては保湿剤とし用いられる。
檀香(ダンコウ)はビャクダン科(Santalaceae)ビャクダン(Santalum album L)の木質心材乾燥物で、α−santalol、β−santalol C15H24Oなどを含む精油を主成分とする。香材としての利用が多いが、内用には、自律神経失調に伴う胸腹部痛や消化器系の冷えに伴う痛みなどに粉末剤として用いられる。
桔梗(キキョウ)はキキョウ科(Campanulaceae)キキョウ(Platycodon grandiflorum(Jacq.)A.DC)の根の乾燥物で、Platycoside、inulin、phytosterolなどを主成分とする。内用としては専ら上気道感染や気管支炎などの鎮咳や去痰に用いられるが、共存生薬の働きを頭部など上方に引上げるほか、甘草との作用相乗も知られている。
甘草(カンゾウ)はマメ科(Leguminosae)甘草(Glycyrrhiza ulalensis Fisch)の根、根茎の乾燥物で、glycyrrhizin、liquiritigenin、l−asparagineなどを含む。細菌性トキシンや薬物の解毒作用、グルココルチコイド様作用、去痰作用などに加え、化粧品等においては、外用しての抗炎症作用が利用されている。
【0014】
この五種生薬の共抽出物は、エキスとしての化粧品等における外用使用前例は未聞で知られていない。本発明者らは、その香気を用いるべく、この五種生薬の共蒸留物を配合して美肌化粧料をつくった。
【0015】
本発明において、生薬組成物の鎮静作用香気を作用成分として含有せしめる美
香(ダンコウ)、桔梗(キキョウ)、甘草(カンゾウ)の五種生薬からなる鎮静作用香気成分利用の美肌化粧料は、化粧品として如何なる剤型をとるもよしとするが、とりわけクリーム類、化粧水類、乳液類、ヘアトニック類、リップクリーム類などでの利用を好ましくする。
【0016】
またこれら化粧品剤型においては、通常化粧品等に用いられる成分、例えば、オリーブ油、大豆油、ホホバ油、ミンク油、卵黄油、カカオ脂、牛脂、豚脂などの油脂類、ミツロウ、ラノリン、液状ラノリン、カルナウバロウ、還元ラノリンなどのロウ類、流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワランなどの炭化水素類、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸ほかの脂肪酸類、エタノール、イソプロパノール、オレイルアルコール、フィトステロールなどのアルコール類、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ソルビトールなどの多価アルコール類、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシルなどのエステル類、アイリッシュモス、デキストリン、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、結晶セルロース、ポリヒニルアルコール、カルボキシビニルポリマーなどの高分子化合物、さらに諸種の界面活性剤、酸化防止剤、防腐殺菌剤、金属イオン封鎖剤、トリエタノールアミンなどの有機塩基、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン、マルチトール、キシリトールほかの保湿剤、ハチミツ、感光色素、ビタミン類、アミノ酸、水酸化ナトリウム、ヒノキチオール、プロテアーゼ、グリチルリチン酸などの薬品類、ホルモン類、生薬類、香料、色材顔料類、有機薬品類、無機薬品類などを用いることもできる。
【0017】
ウ)の五種生薬組成物鎮静作用香気成分の美肌化粧料中への配合量は重量%にして0.1〜15.0の範囲であればよいが、0.3〜10.0重量%の範囲を好ましくする。
【0018】
以下に実施例をあげ本発明をさらに詳しく説明する。ただしいうまでもなく本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例)
檀香(ダンコウ)、桔梗(キキョウ)、甘草(カンゾウ)を2:2:3:10:6の割合で混合し細砕して、その300gを蒸気発生槽1L、冷却器容量4Lの小型精油蒸留器で水1Lを加えて蒸留し、精油1.7g、帯香気水420gを得。〜以下、蒸留香気成分という。
生薬組成物鎮静作用香気成分配合化粧料〜リップスティック
以上を加熱溶融し均一に分散し脱泡し急冷しつつ成型し、成型物をスティック容器に装填する。
【0019】
(試験例1)
女性パネラー14人(23〜56才)に毎就寝前実施例のリップスティックを口唇部に塗布せしめ、翌朝覚醒後これを除去せしめる。これを6週間継続し、試験前後の状態を表1の基準でみて、ストレス傾向の推移を比較する。
【0020】
【表1】各項目該当の数字を合計して評点とする。
結果を(表2)に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
(試験例2)
試験例1における試験期間前後の顔のこじわ、たるみ、メラニン色素の拡散、沈着の様子を、ストレス傾向がもっともあらわれやすい下瞼の皮膚でみて、(表3)の基準により、状態の推移を比較する。二段階以上の改善を有効、1段階改善をやや有効とし、結果を(表4)に示す。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
(表2)、(表4)の結果のとおり、本発明の生薬組成物の鎮静作用香気成分
ウ)、桔梗(キキョウ)、甘草(カンゾウ)からなる組成物の鎮静作用香気成分を含有せしめた化粧料は、その使用によって日常生活でのストレス傾向をよくやわらげ、同時にこじわやたるみ、しみなどの予防、改善に有為に作用する。
【0026】
以下本発明にかかわる美肌化粧料の配合例を示す。
(表5)、(配合例1、クリーム)
ステアリン酸 10.0(重量%、以下同)
ステアリルアルコール 4.0
ステアリン酸ブチル 8.0
自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 2.0
防腐剤、酸化防止剤 適量
プロピレングリコール 10.0
グリセリン 4.0
水酸化カリウム 0.4
実施例香気成分の帯香気水 10.0
精製水 残量
合計 100.0
【0027】
(表6)、(配合例2、化粧水)
エタノール 25.0(重量%、以下同)
グリセリン 2.0
水酸化カリウム 0.3
実施例香気成分の帯香気水 10.0
精製水 残量
合計 100.0
【0028】
(表7)、(配合例3、乳液)
マイクロクリスタリンワックス 1.0(重量%、以下同)
ミツロウ 2.0
ラノリン 2.0
流動パラフィン 30.0
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 4.0
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸 1.0
エステル(20E.O.)
ステアリン酸アルミニウム 0.2
防腐剤、酸化防止剤 適量
グリセリン 8.0
実施例香気成分のうちの精油 0.3
精製水 残量
合計 100.0
【0029】
(表8)、(配合例4、ヘアトニック)
エタノール 50.0(重量%、以下同)
実施例香気成分のうちの精油 0.3
実施例香気成分の帯香気水 10.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
精製水 残部
合計 100.0
【0030】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明にかかわる生薬組成物の鎮静作用ある香気を作
キュウ)、檀香(ダンコウ)、桔梗(キキョウ)、甘草(カンゾウ)の五種生薬組成物の鎮静作用香気を作用成分として含有する美肌化粧料は、香気を皮膚に感知せしめてストレス傾向を抑制し、伴ってこじわやたるみ、しみなどを予防、改善する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、生薬組成物の鎮静作用香気を作用成分とする美肌化粧料にかかわり、その目的は、美肌にかかわる作用成分を皮膚への吸収によらず、香気として皮膚に感知せしめることで鎮静に伴い美肌効果をあげ得る、生薬組成物の鎮静作用香気を作用成分とする美肌化粧料の提供にある。
【0002】
【従来の技術】
美肌化粧料でいう美肌とは、主に顔面皮膚の明度にかげりなく、柔軟性乏しくない状態を指すが、具体的には顔面のしみやこじわを年令不相応に増やさないことを目的としている。すなわち従来技術にいう美肌化粧料とは、しみやこじわの防止、改善を目的とする化粧料に他ならない。
【0003】
化粧品は使用目的において、皮膚保健に用いる基礎化粧品類と、皮膚彩色に用いるメイクアップ化粧品類の別があるが、基礎化粧品類では、ほとんどの従来技術製品が、「しみ、こじわ」という効果を掲げている。これは基礎化粧品類にあっては、裏付けがなかっても一定の効果をいうことが可とされているためで、多くの製品では、「しみ」についてはメラニン生成にかかわるチロシナーゼの抑制剤、「こじわ」についてはコラーゲン変性因であるコラゲナーゼの抑制剤を配合することで、掲げる効果の根拠としている。しかしそれらチロシナーゼ抑制剤やコラゲナーゼ抑制剤などが配合された基礎化粧品類が、実用において、しみやこじわに効果をあげているかどうかは不明のことが多い。なぜとなれば、皮膚は外部からの異物侵入を防ぐバリアー機能を本来とするために、経皮投与薬物等の吸収性は低く、またきわめて僅かに吸収されることある薬物等も、皮膚に存在する種々の代謝酵素により、吸収中に不活性化されるからであり、さらに個別のチロシナーゼ抑制剤やコラゲナーゼ抑制剤の生体内(in vivo)動態も、ほとんどわからないからである。皮膚は表皮の保水性が保たれ角化角解に遅速なければ一応の健全性は保てるので、薬物等の動向ぬきに、従来技術製品はこのことを目先の目的として作られ流通している。但し、しみやこじわの防止、改善を背景とする美肌効果については、それを得ることができないでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の美肌化粧料には、美肌の背景であるしみ、こじわの防止、改善に、経皮投与薬物等の効果を期待し得ないという問題がある。因みに本発明でいう薬物等とは、皮膚への塗布を適用形態とする化粧品(薬用化粧品を含む)の組成物を指すが、その経皮吸収がほとんど期待できないか、あるいは効果に見合う吸収率の一定が難しければ、しみ、こじわの防止、改善、すなわち美肌は求めても得られないことになる。この問題点、すなわち経皮投与薬物等の吸収による効果を期待し難いことの解決について、本発明者らは鋭意研究を続けた結果、皮膚を経皮投与薬物等の吸収の場とのみ限らず、香気を感知させる対象と見、その皮膚へ鎮静作用ある生薬組成物香気を化粧料成分として作用せしめることで、しみ、こじわの防止、改善による美肌効果を得ること可能なるを見出し本発明をなすに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、請求項1にかかわる発明は、生薬組成物の鎮静作用香気を作用成分として含有する美肌化粧料に関する。
ウ)、檀香(ダンコウ)、桔梗(キキョウ)、甘草(カンゾウ)の五種生薬からなることを特徴とする請求項1の美肌化粧料に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかわる生薬組成物の鎮静作用香気を作用成分として含有する
檀香(ダンコウ)、桔梗(キキョウ)、甘草(カンゾウ)の五種生薬からなる香気成分利用の美肌化粧料について説明する。
【0007】
化粧料には一般に香料が香気成分として配合される。原料臭、体臭のマスクや官能性賦与目的であることが多い。しかしながら近時、時に発生するその刺激性が忌避され、香料を排除した化粧料、すなわち謂うところの無香料化粧品の流通が拡大するようになった。香料には天然物由来のものと合成によるものがあるが、原料臭、体臭のマスクが目的であるにせよ、官能性賦与が目的であるにせよ、化粧料への賦香は、その化粧料の想定使用者群の嗜好性に合せて、また化粧料使用中の嗅覚への違和感ないように選定されるので、さらにまた化粧料そのものの着色、退色を避ける意味でも、賦香される香気は、個性的である天然物、とりわけ草根木皮乾燥物である生薬由来のそれが用いられること少い。花部を含む草根木皮は、乾燥により揮発し易い香気が失われること多く、また乾燥生薬の香気は“くすり臭い”として化粧料の官能性を損うからでもある。
【0008】
化粧料への生薬成分配合は、従って、香気成分としてでなく、経皮吸収を前提の、何らかの作用成分としてであるが、その効果は前述の如く測り難い。またそのような化粧料配合のための生薬成分は単一生薬の溶媒抽出によるエキスであって、あるいは単一生薬エキスを合したものであって、複数生薬による組成物を共抽出したものでない。同じ組合せの場合でも、生薬抽出成分の機能は、単一生薬抽出物を合したものと、複数生薬をいっしょに抽出したものとでは、明確な差が生じることはよく知られている。抽出物が香気成分の場合でもこのことは変らず、本発明は複数生薬の共抽出香気成分、すなわち生薬組成物の香気を、鎮静作用成分として化粧料に含有せしめ、美肌効果を得んとするものである。
【0009】
本発明において香気成分を共抽出して得るための生薬は、甘草、大棗(タイソウ)、檀香、陳皮(チンピ)、橙皮(トウヒ)、青皮、枳実(キジツ)、香附子(コ
3〜6種を併せ、香気成分を共抽出し、化粧料に配合含有せしめる。(生薬名称は、中山医学院編「漢薬の臨床応用」医歯薬出版・株による)。
【0010】
上記による生薬組成物鎮静作用香気成分含有化粧料の作用はなお研究を要するが、その使用によりリラックス効果を得ることができ、しみ、こじわの防止、改善等美肌効果を得るに至る。
【0011】
生薬組成物鎮静作用香気成分の抽出は、公知である何れの方法によるもよいが、香気成分の特性から、蒸留によるをもっとも好ましくする。蒸留は水蒸気蒸留、減圧蒸留の何れかを適とするが、その他の方法も本発明目的を妨げない。
【0012】
共抽出に供する生薬組成物の生薬は、上述例示に依るをよしとするが、もっと
(キキョウ)、甘草(カンゾウ)の組合せである。以下この五種生薬組成物香気成分含有の美肌化粧料について説明する。
【0013】
lica dahurica Benth.et Hook)などの根の乾燥物で、angellicin C17H18O7、angelicol C17H16O6、angellicotoxinなどを主成分とし、その芳香性を利して鼻閉を通じるなど、発散性の天然香料素材などに用いられる。
ticum wallichii Franch)根茎の乾燥物で、alkaloid・ferulic acid C10H10O4、精油などを主成分とする。血行を促し、鎮経、鎮痛、抗菌などの働きがあるが、化粧品等においては保湿剤とし用いられる。
檀香(ダンコウ)はビャクダン科(Santalaceae)ビャクダン(Santalum album L)の木質心材乾燥物で、α−santalol、β−santalol C15H24Oなどを含む精油を主成分とする。香材としての利用が多いが、内用には、自律神経失調に伴う胸腹部痛や消化器系の冷えに伴う痛みなどに粉末剤として用いられる。
桔梗(キキョウ)はキキョウ科(Campanulaceae)キキョウ(Platycodon grandiflorum(Jacq.)A.DC)の根の乾燥物で、Platycoside、inulin、phytosterolなどを主成分とする。内用としては専ら上気道感染や気管支炎などの鎮咳や去痰に用いられるが、共存生薬の働きを頭部など上方に引上げるほか、甘草との作用相乗も知られている。
甘草(カンゾウ)はマメ科(Leguminosae)甘草(Glycyrrhiza ulalensis Fisch)の根、根茎の乾燥物で、glycyrrhizin、liquiritigenin、l−asparagineなどを含む。細菌性トキシンや薬物の解毒作用、グルココルチコイド様作用、去痰作用などに加え、化粧品等においては、外用しての抗炎症作用が利用されている。
【0014】
この五種生薬の共抽出物は、エキスとしての化粧品等における外用使用前例は未聞で知られていない。本発明者らは、その香気を用いるべく、この五種生薬の共蒸留物を配合して美肌化粧料をつくった。
【0015】
本発明において、生薬組成物の鎮静作用香気を作用成分として含有せしめる美
香(ダンコウ)、桔梗(キキョウ)、甘草(カンゾウ)の五種生薬からなる鎮静作用香気成分利用の美肌化粧料は、化粧品として如何なる剤型をとるもよしとするが、とりわけクリーム類、化粧水類、乳液類、ヘアトニック類、リップクリーム類などでの利用を好ましくする。
【0016】
またこれら化粧品剤型においては、通常化粧品等に用いられる成分、例えば、オリーブ油、大豆油、ホホバ油、ミンク油、卵黄油、カカオ脂、牛脂、豚脂などの油脂類、ミツロウ、ラノリン、液状ラノリン、カルナウバロウ、還元ラノリンなどのロウ類、流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワランなどの炭化水素類、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸ほかの脂肪酸類、エタノール、イソプロパノール、オレイルアルコール、フィトステロールなどのアルコール類、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ソルビトールなどの多価アルコール類、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシルなどのエステル類、アイリッシュモス、デキストリン、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、結晶セルロース、ポリヒニルアルコール、カルボキシビニルポリマーなどの高分子化合物、さらに諸種の界面活性剤、酸化防止剤、防腐殺菌剤、金属イオン封鎖剤、トリエタノールアミンなどの有機塩基、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン、マルチトール、キシリトールほかの保湿剤、ハチミツ、感光色素、ビタミン類、アミノ酸、水酸化ナトリウム、ヒノキチオール、プロテアーゼ、グリチルリチン酸などの薬品類、ホルモン類、生薬類、香料、色材顔料類、有機薬品類、無機薬品類などを用いることもできる。
【0017】
ウ)の五種生薬組成物鎮静作用香気成分の美肌化粧料中への配合量は重量%にして0.1〜15.0の範囲であればよいが、0.3〜10.0重量%の範囲を好ましくする。
【0018】
以下に実施例をあげ本発明をさらに詳しく説明する。ただしいうまでもなく本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例)
檀香(ダンコウ)、桔梗(キキョウ)、甘草(カンゾウ)を2:2:3:10:6の割合で混合し細砕して、その300gを蒸気発生槽1L、冷却器容量4Lの小型精油蒸留器で水1Lを加えて蒸留し、精油1.7g、帯香気水420gを得。〜以下、蒸留香気成分という。
生薬組成物鎮静作用香気成分配合化粧料〜リップスティック
以上を加熱溶融し均一に分散し脱泡し急冷しつつ成型し、成型物をスティック容器に装填する。
【0019】
(試験例1)
女性パネラー14人(23〜56才)に毎就寝前実施例のリップスティックを口唇部に塗布せしめ、翌朝覚醒後これを除去せしめる。これを6週間継続し、試験前後の状態を表1の基準でみて、ストレス傾向の推移を比較する。
【0020】
【表1】各項目該当の数字を合計して評点とする。
結果を(表2)に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
(試験例2)
試験例1における試験期間前後の顔のこじわ、たるみ、メラニン色素の拡散、沈着の様子を、ストレス傾向がもっともあらわれやすい下瞼の皮膚でみて、(表3)の基準により、状態の推移を比較する。二段階以上の改善を有効、1段階改善をやや有効とし、結果を(表4)に示す。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
(表2)、(表4)の結果のとおり、本発明の生薬組成物の鎮静作用香気成分
ウ)、桔梗(キキョウ)、甘草(カンゾウ)からなる組成物の鎮静作用香気成分を含有せしめた化粧料は、その使用によって日常生活でのストレス傾向をよくやわらげ、同時にこじわやたるみ、しみなどの予防、改善に有為に作用する。
【0026】
以下本発明にかかわる美肌化粧料の配合例を示す。
(表5)、(配合例1、クリーム)
ステアリン酸 10.0(重量%、以下同)
ステアリルアルコール 4.0
ステアリン酸ブチル 8.0
自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 2.0
防腐剤、酸化防止剤 適量
プロピレングリコール 10.0
グリセリン 4.0
水酸化カリウム 0.4
実施例香気成分の帯香気水 10.0
精製水 残量
合計 100.0
【0027】
(表6)、(配合例2、化粧水)
エタノール 25.0(重量%、以下同)
グリセリン 2.0
水酸化カリウム 0.3
実施例香気成分の帯香気水 10.0
精製水 残量
合計 100.0
【0028】
(表7)、(配合例3、乳液)
マイクロクリスタリンワックス 1.0(重量%、以下同)
ミツロウ 2.0
ラノリン 2.0
流動パラフィン 30.0
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 4.0
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸 1.0
エステル(20E.O.)
ステアリン酸アルミニウム 0.2
防腐剤、酸化防止剤 適量
グリセリン 8.0
実施例香気成分のうちの精油 0.3
精製水 残量
合計 100.0
【0029】
(表8)、(配合例4、ヘアトニック)
エタノール 50.0(重量%、以下同)
実施例香気成分のうちの精油 0.3
実施例香気成分の帯香気水 10.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
精製水 残部
合計 100.0
【0030】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明にかかわる生薬組成物の鎮静作用ある香気を作
キュウ)、檀香(ダンコウ)、桔梗(キキョウ)、甘草(カンゾウ)の五種生薬組成物の鎮静作用香気を作用成分として含有する美肌化粧料は、香気を皮膚に感知せしめてストレス傾向を抑制し、伴ってこじわやたるみ、しみなどを予防、改善する。
Claims (2)
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---|---|---|---|
JP2003157347A JP2004323499A (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | 生薬組成物の香気を作用成分とする美肌化粧料 |
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JP2003157347A JP2004323499A (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | 生薬組成物の香気を作用成分とする美肌化粧料 |
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CN114609310A (zh) * | 2022-03-24 | 2022-06-10 | 中国农业科学院农业质量标准与检测技术研究所 | 一种色谱质谱联用检测奶液中镇静剂残留的样品前处理方法及检测方法 |
-
2003
- 2003-04-24 JP JP2003157347A patent/JP2004323499A/ja active Pending
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CN114609310A (zh) * | 2022-03-24 | 2022-06-10 | 中国农业科学院农业质量标准与检测技术研究所 | 一种色谱质谱联用检测奶液中镇静剂残留的样品前处理方法及检测方法 |
CN114609310B (zh) * | 2022-03-24 | 2023-10-03 | 中国农业科学院农业质量标准与检测技术研究所 | 一种色谱质谱联用检测奶液中镇静剂残留的样品前处理方法及检测方法 |
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