JP2004323360A - 高コレステロール血症治療剤 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は抗高コレステロール血症作用を有するステロイド誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
植物ステロールは以前から血清コレステロールを低下させる作用があることが知られていた。その機構として小腸でのコレステロールの競合阻害が考えられていたが、詳細は不明であった。その後コレステロールの排出ポンプ(ABCA1)が同定され、この遺伝子異常が動脈硬化を引き起こすことが判明し、さらに植物ステロールの排出ポンプ(ABCG5/G8)も同定され、この異常も動脈硬化の原因であることが明らかにされた(Science, 290, 1771(2000))。さらにこれらの排出ポンプがLXR(オキシステロール受容体、Liver X Receptor)(Nature, 383, 728(1996); J. Biol. Chem., 272, 3137(1997))の標的遺伝子であることも明らかにされた。またLXR欠損マウス(Cell, 93, 693(1998))、LXR合成アゴニストを用いた実験から、LXRには小腸でコレステロール吸収抑制作用があること、マクロファージなどの末梢組織からコレステロール排出作用があることが示され、さらにLXRを刺激することで抗動脈硬化作用をも誘導することも明らかにされた(J. Biol. Chem., 276, 37785(2001); Science, 294, 1866(2001))。一方、強力なLXR合成アゴニスト、例えばTO−901317(Cayman Co., Ltd.製)は、中性脂肪代謝に関するLXR標的遺伝子(SREBP−1c)の発現も誘導するので、副作用として高中性脂肪血症を引き起こす(Science, 289, 1524(2000))。従って血中コレステロールを低下させ、抗動脈硬化作用を有しかつ高中性脂肪血症を誘導しないLXRアゴニスト作用を示す高コレステロール血症治療剤が求められている。
【0003】
本発明に関連する先行技術文献情報としては以下のものがある。
【非特許文献1】
J. Biol. Chem., 276, 37785(2001)
【非特許文献2】
Science, 294, 1866(2001)
【非特許文献3】
Science, 289, 1524(2000)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、LXRアゴニスト作用を有し、抗高コレステロール血症、抗動脈硬化作用を有するが高中性脂肪血症を生じない高コレステロール血症治療剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式(I):
【化5】
(式中、R1およびR2は、独立して、水素原子、C1−C6アルキル基またはヒドロキシメチル基であり、R3は水素原子または水酸基であり、‥‥‥は二重結合または単結合であることを表す)
で示される化合物またはそのプロドラッグを含む高コレステロール血症治療剤を提供する。
【0006】
「プロドラッグ」とは,生体に投与された後に、インビボで酵素の作用や代謝的加水分解等により、親化合物に変換される化合物を表す。本発明において有用なプロドラッグの例としては、限定されないが、一般式(I)の化合物のアシル化物、アルキル化物、リン酸エステル等が挙げられる。
【0007】
別の観点においては、本発明は、一般式(I):
【化6】
(式中、R1およびR2は、独立して、水素原子、C1−C6アルキル基またはヒドロキシメチル基であり、R3は水素原子または水酸基であり、‥‥‥は二重結合または単結合であることを表す)
で示される化合物を製造する方法を提供する。該方法は、一般式(II):
【化7】
(式中、各Pは、独立して、水酸基の保護基であり、Xはホルミル基(CHO)またはヨードメチル基(CH2I)であり、‥‥‥は二重結合または単結合であることを表す)
で示されるステロイド誘導体と、一般式 (III):
【化8】
(式中、Phはフェニル基であり、R4およびR5は、独立して、水素原子、C1−C6アルキル基または保護されたヒドロキシメチル基であり、R6は、水素原子または保護された水酸基である)
で示されるフェニルスルホン誘導体とを塩基の存在下で縮合させ、保護基を脱離させ、次にフェニルスルホニル基の還元的脱離を行なうことを特徴とする。
【0008】
さらに別の観点においては、本発明は、一般式(I)で示される化合物であって、エルゴスタ−22−エン−1α,3β−ジオール、エルゴスタン−1α,3β−ジオール、エルゴスタン−1α,3β,25−トリオール、(24S)−ヒドロキシメチル−コレスタ−5,7−ジエン−1α,3β−ジオール、(24R)−エチル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオール、(24S)−エチル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオール、(24R)−エチル−コレスタ−5−エン−1α,3β、25−トリオール、(24S)−エチル−コレスタ−5−エン−1α,3β、25−トリオール、コレスタ−5,7,22−トリエン−1α,3β,25−トリオール、(24R)−24−プロピル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオール、(24S)−24−プロピル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオール、(24R)−24−ブチル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオール、および(24S)−24−ブチル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオールからなる群より選択される化合物を提供する。
【0009】
本発明の一般式(I)で示されるステロイド化合物は、抗高コレステロール血症、抗動脈硬化作用を有するが高中性脂肪血症を誘導しないという利点を有するため、抗高コレステロール血症剤および抗動脈硬化剤として有用である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一般式(I)の化合物は、一般式(II):
【化9】
(式中、P、X、および‥‥‥は、上で定義したとおりである)
で示されるステロイド誘導体と一般式(III):
【化10】
(式中、Ph、R4、R5およびR6は上で定義したとおりである)
で示されるフェニルスルホン誘導体とのカップリングにより製造することが出来る。
【0011】
一般式(I)において、C5−C6およびC7−C8が単結合であり、C22−C23が二重結合であり、R1=CH3,R2=R3=Hである化合物(I−1)は、次の様にして合成することが出来る。文献記載の化合物 (4)( Helv. Chim. Acta., 64, 1870 (1981);65, 1499 (1982))の水酸基をアセチル化、B還の二重結合を水素添加により還元、次いでテトラヒドロピラニル(THP)基を除去後、C−22アルコール(5)を酸化してC−20アルデヒド(6)とし、フェニルスルホン誘導体(7)(日本化学会誌, 1994, 345, 特開平 14−30096, 30097)と縮合、さらにフェニルスルホニル基の還元的脱離により合成することが出来る(スキーム1)。
【0012】
【化11】
一般式(I)において、C5−C6、C7−C8およびC22−C23が単結合であり、R1=CH3,R2=H, R3=OHである化合物(I−2)は、化合物(5)のC−22アルコールをIに変換 (Bull. Chem. Soc. Jpn., 63, 2233(1990)) 次いでアセチル基をテトラヒドロピラニル(THP)基に交換した化合物(8)とフェニルスルホン誘導体(9)をカップリング、保護基の除去、さらに還元的脱フェニルスルホニル基を行うことにより合成される(スキーム2)。
【0013】
【化12】
【0014】
本発明の化合物のLXRαに対するアゴニスト活性は、文献(Science, 284,1362(1999): 286, 1313(2002))に記載される方法により、GAL4−hLXRαキメラレセプターを用いる系で測定することができる。簡単には、GAL4−hLXRαキメラレセプターをコードする発現ベクターと、ルシフェラーゼレポーターベクターとを培養細胞にトランスフェクシヨンし、培養液に試験物質を添加して、所定の時間インキュベートする。細胞を溶解させて、ルシフェラーゼ活性を測定することにより、LXRαに対するアゴニスト活性を評価することができる。また、本発明の化合物が高中性脂肪血症を誘導するか否は、マウスに試験化合物を投与し、所定の時間経過後に血漿中の中性脂肪濃度を測定することにより判定することができる。
【0015】
下記の実施例に示されるように、本発明の化合物は生体内リガンドである(24S),25−エポキシコレステロールや(22R)−ヒドロキシコレステロールよりもLXRに対する結合性(アゴニスト活性)が高く(評価例1)、合成アゴニストであるTO−901317よりも大量に投与しても高中性脂肪血症を誘導しない(評価例2)。
【0016】
本発明の一般式(I)の化合物またはそのプロドラッグは、当該技術分野においてよく知られる薬学的に許容しうる担体とともに、混合,溶解,顆粒化,錠剤化、乳化,カプセル封入,凍結乾燥等により、製剤化することができる。
【0017】
経口投与用には,本発明の化合物を、薬学的に許容しうる溶媒、賦形剤、結合剤、安定化剤、分散剤等とともに、錠剤,丸薬,糖衣剤,軟カプセル,硬カプセル、溶液,懸濁液、乳剤、ゲル,シロップ,スラリー等の剤形に製剤化することができる。
【0018】
非経口投与用には、本発明の化合物を、薬学的に許容しうる溶媒、賦形剤、結合剤、安定化剤、分散剤等とともに、注射用溶液、懸濁液、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、吸入剤、座剤等の剤形に製剤化することができる。注射用の処方においては,本発明の化合物を水性溶液,好ましくはハンクス溶液,リンゲル溶液,または生理的食塩緩衝液等の生理学的に適合性の緩衝液中に溶解することができる。さらに、組成物は、油性または水性のベヒクル中で,懸濁液,溶液,または乳濁液等の形状をとることができる。あるいは,組成物を粉体の形態で製造し、使用前に滅菌水等を用いて水溶液または懸濁液を調製してもよい。吸入による投与用には,本発明の化合物を粉末化し、ラクトースまたはデンプン等の適当な基剤とともに粉末混合物とすることができる。座剤処方は、本発明の化合物をカカオバター等の慣用の坐剤基剤と混合することにより製造することができる。さらに、本発明の化合物は、ポリマーマトリクス等に封入して、持続放出用製剤として処方することができる。
【0019】
投与量および投与回数は、剤形および投与経路、ならびに患者の症状、年齢、体重によって異なるが、一般に、式(I)の化合物を、1日あたり体重1kgあたり、約0.001mgから1000mgの範囲、好ましくは約0.01mgから100mgの範囲で、1日に1回から数回投与することができる。
【0020】
次に実施例および評価例をあげて説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
【実施例】
実施例1. 1 α ,3 β − ジアセトキシ −23,24− ジノルコラン −20− アール (6) の合成
化合物4 (20 g)にピリジン (60 ml), 無水酢酸 (20 ml) を加えた。混合物を95−100℃で2時間加熱撹拌した。酢酸エチルで抽出、飽和NaHCO3水、ブラインで順次洗浄後、乾燥し(MgSO4)、濃縮した。濃縮物 (22.1 g)を酢酸エチル (200 ml)に溶かし、酸化白金(PtO2)(500 mg)を加え、2時間水素添加を行った。触媒をろ過して除き、ロ液を濃縮した。濃縮物 (22.1 g)をテトラヒドロフラン(50 ml)−メタノール (50 ml)に溶かし、p−トルエンスルホン酸 (p−TsOH)(750 mg)を加え、4時間撹拌した。飽和NaHCO3水、ブラインで洗浄、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。濃縮物 (16.2 g)をジクロロメタン (300 ml)に溶かし、ピリジニウムクロロクロメート (PCC) (20 g)を加え、5時間撹拌した。セライト上でろ過し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー (クロロホルム/酢酸エチル 9/1, v/v)で精製し、表題化合物を10.5 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.66 (3H, s),1.01 (3H, s), 1.16 (3H, d, J=6.3 Hz), 2.03, 2.09(各3H,s), 5.01 (2H,m), 9.61 (1H, d, J=4.0 Hz).
【0022】
実施例2. 22− ヨード −1 α ,3 β − ジテトラヒドロピラニロキシ −23,24− ジノルコラン (8) の合成
化合物 (5) (20 g) にピリジン(100 ml)、p−トルエンスルホニルクロリド(p−TsCl) (20 g) を加え、終夜撹拌した。 酢酸エチルで抽出、飽和NaHCO3水、ブラインで洗浄、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。濃縮物 (25.2 g)にアセトン (200 ml),ヨー化ナトリウム(NaI) (20 g ) を加え、4時間加熱還流した。クロロホルムで抽出、5% Na2S2O3溶液、ブラインで洗浄、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。残留物 (19.8 g) に10% KOH エタノール溶液 (60 ml)を加え、50−55℃で1時間撹拌した。
酢酸エチルで抽出、飽和NaHCO3水、ブラインで洗浄、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。濃縮物 (14.3 g) にジクロロメタン (150 ml), ジヒドロピラン(DHP) (8 g)およびピリジニウムp−トルエンスルフォネート (PPTS) (800 mg)を加え、5時間撹拌した。酢酸エチルで抽出、飽和NaHCO3水、ブラインで洗浄, 乾燥(MgSO4)し、濃縮し、表題化合物を15.6 g 得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.66 (3H, s), 1.00 (3H, s), 1.09 (3H, d, J=6.4 Hz), 2.20−2.41 (2H, m), 3.85 (1H, m), 4.01 (1H, m).
【0023】
実施例3.エルゴスタ −22− エン −1 α ,3 β − ジオール( I−1 )の合成
【化13】
窒素ガス気流下、 (2R)−2,3−ジメチル−1−フェニルスルフォニルブタン(7)(6.8 g)をテトラヒドロフラン(THF)(40 ml)に溶かし、−70℃に冷却した。n−BuLiの1.6 Mヘキサン溶液(20 ml)を加え同温度で1時間撹拌した。1α,3β−ジアセトキシ−23,24−ジノルコラン−20−アール(6)(8.6 g)の THF 溶液(30 ml)を加え、同温度で1時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(200 ml)に溶かし、5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 9/1,v/v)で精製し表題化合物を6.4 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.66 (3H, s), 0.80−0.84 (9H, m,), 0.90 (3H, d, J=6.8 Hz), 1.11 (3H, d, J=6.3 Hz), 3.81 (1H, m), 4.00 (1H, m), 5.17 (2H, m).
【0024】
実施例4.エルゴスタン −1 α ,3 β − ジオールの合成
【化14】
実施例1で得られたエルゴステ−22−エン−1α,3β−ジオール(I−1)(1.0 g)を酢酸エチル(100 ml)に溶かし、酸化白金(50 mg)を加え常圧で水素を添加した。3時間後、系内を窒素置換した後、酸化白金を濾過して除き、ろ液を濃縮した。濃縮物をメタノールから結晶化を行い、表題化合物を980 mg得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.65 (3H, s), 0.76, 0.78 (各 3H, d, J=6.8 Hz), 0.81 (3H,s), 0.85 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.90 (3H,d, J=6.4Hz), 3.82 (1H, m), 4.01 (1H, m).
【0025】
実施例5.エルゴスタン −1 α ,3 β ,25 −トリオール( I−2 )の合成
【化15】
窒素ガス気流下、(2S)−2,3−ジメチル−1−フェニルスルフォニル−3−テトラヒドロピラニロキシブタン (9)(6.8 g)をテトラヒドロフラン(THF)(50 ml)に溶かし、 −20℃に冷却した。n−BuLiの1.6 Mヘキサン溶液(20 ml)および1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)(15 ml)を加え同温度で1時間撹拌した。 22−ヨード−1α,3β− ジテトラヒドロピラニロキシ−23,24−ジノルコラン(8)(10.9 g)の THF 溶液(50 ml)を加え、−20℃で2時間、室温で2時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(300 ml)に溶かし、p−トルエンスルホン酸(500 mg)を加え室温で1時間撹拌した。酢酸エチルで抽出し、飽和NaHCO3水、ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(300 ml)に溶かし5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 1/1, v/v)で精製し、表題化合物を7.1 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.62 (3H, s), 0.86 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.93−0.95 (6H, m), 1.16, 1.17 (各 3H, s), 3.82 (1H, m), 4.00 (1H, m).
【0026】
実施例6. (24S)− ヒドロキシメチル − コレスタ −5,7− ジエン −1 α ,3 β − ジオールの合成
【化16】
窒素ガス気流下、(2S)−3−メチル−1−フェニルスルフォニル−2−トリメチルシリロキシヒドロキシメチルブタン(J. Org.. Chem., 58, 1496(1993)(10.0 g)をテトラヒドロフラン(THF)(50 ml)に溶かし、−20℃に冷却した。n−BuLiの1.6 Mヘキサン溶液(20 ml)および1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)(15 ml)を加え同温度で1時間撹拌した。22−ヨード−1α,3β−ジテトラヒドロピラニロキシ−23,24−ジノルコラ−5,7−ジエン(日本化学会誌 1992,53) (10.9 g)の THF 溶液(50 ml)を加え、−20℃で2時間、室温で2時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和NaHCO3水、ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(300 ml)に溶かし、p−トルエンスルホン酸(500 mg)を加え、室温で2時間撹拌した。酢酸エチルで抽出、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄、乾燥(MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(300 ml)に溶かし、5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 1/1, v/v)で精製し、表題化合物を7.8 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.62 (3H, s), 0.79, 0.81 (各 3H, d, J=6.8 Hz), 0.95−0.97 (6H, m), 3.78 (1H, m), 4.07 (1H, m), 5.37(1H,m),5.74 (1H, m).
【0027】
実施例7.エルゴスタ −5,7, 22− トリエン −1 α ,3 β − ジオールの合成
【化17】
窒素ガス気流下、 (2R)−2,3−ジメチル−1−フェニルスルフォニルブタン(7)(6.8 g)をテトラヒドロフラン(THF)(40 ml)に溶かし、−70℃に冷却した。n−BuLiの1.6 Mヘキサン溶液(20 ml)を加え同温度で1時間撹拌した。1α,3β− ジアセトキシ−23,24−ジノルコラ−5,7−ジエン−20−アール(日本化学会誌 1992,53) (8.6 g)の THF 溶液(30 ml)を加え、1時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(200 ml)に溶かし、5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 9/1,v/v)で精製し、表題化合物を6.4 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.62 (3H, s), 0.79, 0.81 (各 3H, d, J=6.8 Hz), 0.88 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.95−0.97 (6H, m), 3.78 (1H, m), 4.07 (1H, m), 5.19 (2H, m), 5.37 (1H, m), 5.74 (1H, m).
【0028】
実施例8. (24R)− エチル − コレステ −22− エン −1 α ,3 β − ジオールの合成
【化18】
窒素ガス気流下、(2R)−2−エチル−3−メチル−1−フェニルスルフォニルブタン(第43回天然物有機化学討論会講演要旨集, p513 (2001)) (7.2 g)をテトラヒドロフラン(THF)(50 ml)に溶かし、−70℃に冷却した。1.6 M n−BuLiのヘキサン溶液(20 ml)を加え同温度で1時間撹拌した。1α,3β−ジアセトキシ−23,24−ジノルコラン−20−アール(6) (8.6 g)の THF 溶液(30 ml)を加え、同温度で1時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(200 ml)に溶かし、5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 9/1,v/v)で精製し、表題化合物を6.9 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.63 (3H, s), 0.79− 0.84 (9H, m), 0.98 (3H, s), 1.01 (3H, d, J=6.4 Hz), 3.80 (1H, m), 4.01 (1H, m), 5.21 (2H, m).
【0029】
実施例9. (24R)− エチル − コレスタ −5− エン −1 α ,3 β 、25− トリオールの合成
【化19】
窒素ガス気流下、(2R)−2−エチル−3−メチル−1−フェニルスルフォニル−3−テトラヒドロピラニロキシブタン(9.8 g)をテトラヒドロフラン(THF)(50 ml)に溶かし、−20℃に冷却した。n−BuLiの1.6 Mヘキサン溶液(20 ml)および1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)(15 ml)を加え同温度で1時間撹拌した。22−ヨード−1α,3β−ジテトラヒドロピラニロキシ−23,24−ジノルコラ−5−エン (10.9 g)の THF 溶液(50 ml)を加え、−20℃で2時間、室温で2時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(300 ml)に溶かし、p−トルエンスルホン酸(500 mg)を加え室温で1時間撹拌した。酢酸エチルで抽出し、飽和NaHCO3水、ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(300 ml)に溶かし5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 1/1, v/v)で精製し、表題化合物を7.2 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.67 (3H, s), 0.81 ( 3H, s), 0.84 (3H, t, J=6.3 Hz), 1.03 (3H, d, J=6.3 Hz), 1.16, 1.17 (各 3H, s), 3.79 (1H, m), 4.01 (1H, m), 5.75 (1H, m).
【0030】
実施例10.コレスタ −5,7,22− トリエン −1 α ,3 β ,25− トリオールの合成
【化20】
窒素ガス気流下、3−メチル−1−フェニルスルフォニル−3−テトラヒドロピラニロキシブタン(9.8 g)をテトラヒドロフラン(THF)(50 ml)に溶かし、−70℃に冷却した。n−BuLiの1.6 Mヘキサン溶液(20 ml)を加え同温度で1時間撹拌した。1α,3β−ジアセトキシ−23,24−ジノルコラ−5,7−ジエン−20−アール(10.9 g)の THF 溶液(50 ml)を加え、−70℃で2時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(300 ml)に溶かし、5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え、室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 1/1, v/v)で精製し、表題化合物を7.2 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.67 (3H, s), 0.81 ( 3H, s), 1.03 (3H, d, J=6.3 Hz), 1.16, 1.17 (各 3H, s), 3.79 (1H, m), 4.01 (1H, m), 5.38 (1H, m), 5.72 (1H, m).
【0031】
実施例11. (24S)−24− プロピル − コレステ −22− エン −1 α ,3 β − ジオールの合成
【化21】
窒素ガス気流下、 (2S)−3−メチル−1−フェニルスルフォニル−2−プロピルブタン(7.6 g)をテトラヒドロフラン(THF)(40 ml)に溶かし、−70℃に冷却した。n−BuLiの1.6 Mヘキサン溶液(20 ml)を加え同温度で1時間撹拌した。1α,3β−ジアセトキシ−23,24−ジノルコラン−20−アール(6) (8.6 g)の THF 溶液(30 ml)を加え、1時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(200 ml)に溶かし、5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 9/1,v/v)で精製し、表題化合物を6.3 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.66 (3H, s), 0.79− 0.85 (9H, m), 0.99 (3H, s), 1.00 (3H, d, J=6.4 Hz), 3.76 (1H, m), 4.01 (1H, m), 5.00−5.17 (2H, m).
【0032】
実施例12. (24R)−24− ブチル − コレステ −22− エン −1 α ,3 β − ジオールの合成
【化22】
窒素ガス気流下、 (2R)−2−ブチル−3−メチル−1−フェニルスルフォニルブタン(8.0 g)をテトラヒドロフラン(THF)(40 ml)に溶かし、−70℃に冷却した。n−BuLiの1.6 Mヘキサン溶液(20 ml)を加え、同温度で1時間撹拌した。1α,3β−ジアセトキシ−23,24−ジノルコラン−20−アール(6) (8.6 g)の THF 溶液(30 ml)を加え、1時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(200 ml)に溶かし、5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 9/1,v/v)で精製し、表題化合物を6.9 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.66 (3H, s), 0.78− 0.98 (9H, m), 1.00 (3H, s), 1.02 (3H, d, J=6.3 Hz), 3.77 (1H, m), 4.00 (1H, m), 5.20 (2H, m).
【0033】
製剤例1 錠剤
本発明の化合物としてエルゴスタン−1α,3β−ジオール 30g、結晶セルロース(旭化成(株)製)140g、乳糖(DMV社製)100g、CMC−Ca(五徳薬品(株)製)15g、HPC−L(日本曹達(株)製)10gおよび精製水30mLを練合機に添加し、通常の方法により5分間練合する。練合終了後、10メッシュで篩過し、乾燥機中にて50℃で乾燥する。乾燥後、整粒し、ステアリン酸マグネシウム(太平化学工業(株)製)を5g添加する。1分混合した後、打錠して、1錠当たり約100mg、直径6.5mmの錠剤を得た。この錠剤は1錠中、本発明の化合物を10mg含有する。
【0034】
製剤例2 顆粒剤
本発明の化合物としてエルゴスタ−22−エン−1α,3β−ジオール 3g、結晶セルロース(旭化成(株)製)90g、乳糖(DMV社製)182g、CMC−Ca(五徳薬品(株)製)10g、HPC−L(日本曹達(株)製)10gおよび精製水40mLを練合機に添加し、通常の方法により5分間練合する。練合終了後、8メッシュで篩過し、乾燥機にて50℃で乾燥する。乾燥後、整粒し、ステアリン酸マグネシウム(太平化学工業(株)製)5g添加して混合する。この顆粒剤1g当たり、本発明の化合物10mg含有する。
【0035】
製剤例3 カプセル剤
本発明の化合物としてエルゴスタ−22−エン−1α,3β−ジオール 10gを食用油(小麦胚芽油;日清ファルマ(株)製)290gに添加する(濃度10重量%)。次いで、アジホモミクサーを用いて均一に乳化する。得られた乳化液をソフトカプセル、ハードカプセルに充填し、ソフトカプセルとハードカプセルを打ち抜き法により製造する。
(1)ソフトカプセルの製造
ゼラチン100重量部に対しグリセリン30重量部を添加し、膨潤させ、溶解したゼラチンシートを用いる。内溶液として乳化液を1カプセル当たり300mgの内容量になるように充填し、次いで乾燥してソフトカプセルを得る。このソフトカプセルは1カプセル当たり本発明の化合物を10mg含有する。
(2)ハードカプセルの製造
ハードカプセル(透明な2号サイズ;ワーナーランバート社製)に乳化液を1カプセル当たり300mgの内容量になるように充填した。このハードカプセルは1カプセル当たり本発明の化合物を10mg含有する。
【0036】
試験例1. LXR αに対するアゴニスト活性
文献記載の方法により(Science, 284,1362(1999): 286, 1313(2002))、本発明の化合物のLXRαに対するアゴニスト活性をGAL4−hLXRαキメラレセプターを用いる系で検討した。ヒト胎児腎由来HEK293細胞にCMX−GAL4−hLXRα発現ベクター、MH100(UAS)x4−tk−LUCレポーターベクターをリン酸カルシウム法を用いてトランスフェクシヨンし、8時間後に培養液中に化合物を加えた。16時間後に細胞を可溶化し、ルシフェラーゼ活性を評価した。コントロールとしては溶媒のみを用いた。表1に結果をまとめた(コントロールに対する比較で示した)。
【0037】
表1.本発明化合物および対照化合物のLXRαに対するアゴニスト活性(濃度:10−5M)
【表1】
これらの結果から、本発明の化合物は対照化合物と比較して、LXRαに対するアゴニスト活性が高く、高コレステロール血症治療剤としての優れた薬理作用を有することが示される。
【0038】
試験例2.血漿中中性脂肪濃度に及ぼす影響
本発明化合物の血漿中の中性脂肪濃度への影響を検討した。C57BL/6Jマウスに対して, 250mg/kgのエルゴスタ−22−エン−1α,3β−ジオール、10mg/kgのTO901317をそれぞれ投与し12時間後に血漿中の中性脂肪濃度を測定した。結果を表2にまとめた。
【0039】
表2.本発明化合物の血漿中中性脂肪(トリグリセライド)濃度に及ぼす影響
【表2】
表2の結果から、本発明の高コレステロール血症治療剤は、血中の中性脂肪酸濃度に対してほとんど影響を与えないため、副作用として高中性脂肪症を引き起こさないことが示される。
【0040】
試験例3 急性毒性試験
OECD化学物質試験法ガイドラインに従ってラットを用いて急性毒性試験(単回経口投与毒性試験)を実施した。本発明の化合物としてエルゴスタ−22−エン−1α,3β−ジオール 2000mg/kgを雌雄各5匹に単回経口投与し,投与日から14日間観察し、15日目に剖検した。なお,溶媒の投与群をコントロールとした。
その結果、雌雄ともに死亡例はなく、一般状態観察、体重推移および剖検でも被験物質投与による影響は認められず、本発明の化合物のLD50値は、雌雄ともに2000mg/kg(ラット)以上であった。
【発明の属する技術分野】
本発明は抗高コレステロール血症作用を有するステロイド誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
植物ステロールは以前から血清コレステロールを低下させる作用があることが知られていた。その機構として小腸でのコレステロールの競合阻害が考えられていたが、詳細は不明であった。その後コレステロールの排出ポンプ(ABCA1)が同定され、この遺伝子異常が動脈硬化を引き起こすことが判明し、さらに植物ステロールの排出ポンプ(ABCG5/G8)も同定され、この異常も動脈硬化の原因であることが明らかにされた(Science, 290, 1771(2000))。さらにこれらの排出ポンプがLXR(オキシステロール受容体、Liver X Receptor)(Nature, 383, 728(1996); J. Biol. Chem., 272, 3137(1997))の標的遺伝子であることも明らかにされた。またLXR欠損マウス(Cell, 93, 693(1998))、LXR合成アゴニストを用いた実験から、LXRには小腸でコレステロール吸収抑制作用があること、マクロファージなどの末梢組織からコレステロール排出作用があることが示され、さらにLXRを刺激することで抗動脈硬化作用をも誘導することも明らかにされた(J. Biol. Chem., 276, 37785(2001); Science, 294, 1866(2001))。一方、強力なLXR合成アゴニスト、例えばTO−901317(Cayman Co., Ltd.製)は、中性脂肪代謝に関するLXR標的遺伝子(SREBP−1c)の発現も誘導するので、副作用として高中性脂肪血症を引き起こす(Science, 289, 1524(2000))。従って血中コレステロールを低下させ、抗動脈硬化作用を有しかつ高中性脂肪血症を誘導しないLXRアゴニスト作用を示す高コレステロール血症治療剤が求められている。
【0003】
本発明に関連する先行技術文献情報としては以下のものがある。
【非特許文献1】
J. Biol. Chem., 276, 37785(2001)
【非特許文献2】
Science, 294, 1866(2001)
【非特許文献3】
Science, 289, 1524(2000)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、LXRアゴニスト作用を有し、抗高コレステロール血症、抗動脈硬化作用を有するが高中性脂肪血症を生じない高コレステロール血症治療剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式(I):
【化5】
(式中、R1およびR2は、独立して、水素原子、C1−C6アルキル基またはヒドロキシメチル基であり、R3は水素原子または水酸基であり、‥‥‥は二重結合または単結合であることを表す)
で示される化合物またはそのプロドラッグを含む高コレステロール血症治療剤を提供する。
【0006】
「プロドラッグ」とは,生体に投与された後に、インビボで酵素の作用や代謝的加水分解等により、親化合物に変換される化合物を表す。本発明において有用なプロドラッグの例としては、限定されないが、一般式(I)の化合物のアシル化物、アルキル化物、リン酸エステル等が挙げられる。
【0007】
別の観点においては、本発明は、一般式(I):
【化6】
(式中、R1およびR2は、独立して、水素原子、C1−C6アルキル基またはヒドロキシメチル基であり、R3は水素原子または水酸基であり、‥‥‥は二重結合または単結合であることを表す)
で示される化合物を製造する方法を提供する。該方法は、一般式(II):
【化7】
(式中、各Pは、独立して、水酸基の保護基であり、Xはホルミル基(CHO)またはヨードメチル基(CH2I)であり、‥‥‥は二重結合または単結合であることを表す)
で示されるステロイド誘導体と、一般式 (III):
【化8】
(式中、Phはフェニル基であり、R4およびR5は、独立して、水素原子、C1−C6アルキル基または保護されたヒドロキシメチル基であり、R6は、水素原子または保護された水酸基である)
で示されるフェニルスルホン誘導体とを塩基の存在下で縮合させ、保護基を脱離させ、次にフェニルスルホニル基の還元的脱離を行なうことを特徴とする。
【0008】
さらに別の観点においては、本発明は、一般式(I)で示される化合物であって、エルゴスタ−22−エン−1α,3β−ジオール、エルゴスタン−1α,3β−ジオール、エルゴスタン−1α,3β,25−トリオール、(24S)−ヒドロキシメチル−コレスタ−5,7−ジエン−1α,3β−ジオール、(24R)−エチル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオール、(24S)−エチル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオール、(24R)−エチル−コレスタ−5−エン−1α,3β、25−トリオール、(24S)−エチル−コレスタ−5−エン−1α,3β、25−トリオール、コレスタ−5,7,22−トリエン−1α,3β,25−トリオール、(24R)−24−プロピル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオール、(24S)−24−プロピル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオール、(24R)−24−ブチル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオール、および(24S)−24−ブチル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオールからなる群より選択される化合物を提供する。
【0009】
本発明の一般式(I)で示されるステロイド化合物は、抗高コレステロール血症、抗動脈硬化作用を有するが高中性脂肪血症を誘導しないという利点を有するため、抗高コレステロール血症剤および抗動脈硬化剤として有用である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一般式(I)の化合物は、一般式(II):
【化9】
(式中、P、X、および‥‥‥は、上で定義したとおりである)
で示されるステロイド誘導体と一般式(III):
【化10】
(式中、Ph、R4、R5およびR6は上で定義したとおりである)
で示されるフェニルスルホン誘導体とのカップリングにより製造することが出来る。
【0011】
一般式(I)において、C5−C6およびC7−C8が単結合であり、C22−C23が二重結合であり、R1=CH3,R2=R3=Hである化合物(I−1)は、次の様にして合成することが出来る。文献記載の化合物 (4)( Helv. Chim. Acta., 64, 1870 (1981);65, 1499 (1982))の水酸基をアセチル化、B還の二重結合を水素添加により還元、次いでテトラヒドロピラニル(THP)基を除去後、C−22アルコール(5)を酸化してC−20アルデヒド(6)とし、フェニルスルホン誘導体(7)(日本化学会誌, 1994, 345, 特開平 14−30096, 30097)と縮合、さらにフェニルスルホニル基の還元的脱離により合成することが出来る(スキーム1)。
【0012】
【化11】
一般式(I)において、C5−C6、C7−C8およびC22−C23が単結合であり、R1=CH3,R2=H, R3=OHである化合物(I−2)は、化合物(5)のC−22アルコールをIに変換 (Bull. Chem. Soc. Jpn., 63, 2233(1990)) 次いでアセチル基をテトラヒドロピラニル(THP)基に交換した化合物(8)とフェニルスルホン誘導体(9)をカップリング、保護基の除去、さらに還元的脱フェニルスルホニル基を行うことにより合成される(スキーム2)。
【0013】
【化12】
【0014】
本発明の化合物のLXRαに対するアゴニスト活性は、文献(Science, 284,1362(1999): 286, 1313(2002))に記載される方法により、GAL4−hLXRαキメラレセプターを用いる系で測定することができる。簡単には、GAL4−hLXRαキメラレセプターをコードする発現ベクターと、ルシフェラーゼレポーターベクターとを培養細胞にトランスフェクシヨンし、培養液に試験物質を添加して、所定の時間インキュベートする。細胞を溶解させて、ルシフェラーゼ活性を測定することにより、LXRαに対するアゴニスト活性を評価することができる。また、本発明の化合物が高中性脂肪血症を誘導するか否は、マウスに試験化合物を投与し、所定の時間経過後に血漿中の中性脂肪濃度を測定することにより判定することができる。
【0015】
下記の実施例に示されるように、本発明の化合物は生体内リガンドである(24S),25−エポキシコレステロールや(22R)−ヒドロキシコレステロールよりもLXRに対する結合性(アゴニスト活性)が高く(評価例1)、合成アゴニストであるTO−901317よりも大量に投与しても高中性脂肪血症を誘導しない(評価例2)。
【0016】
本発明の一般式(I)の化合物またはそのプロドラッグは、当該技術分野においてよく知られる薬学的に許容しうる担体とともに、混合,溶解,顆粒化,錠剤化、乳化,カプセル封入,凍結乾燥等により、製剤化することができる。
【0017】
経口投与用には,本発明の化合物を、薬学的に許容しうる溶媒、賦形剤、結合剤、安定化剤、分散剤等とともに、錠剤,丸薬,糖衣剤,軟カプセル,硬カプセル、溶液,懸濁液、乳剤、ゲル,シロップ,スラリー等の剤形に製剤化することができる。
【0018】
非経口投与用には、本発明の化合物を、薬学的に許容しうる溶媒、賦形剤、結合剤、安定化剤、分散剤等とともに、注射用溶液、懸濁液、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、吸入剤、座剤等の剤形に製剤化することができる。注射用の処方においては,本発明の化合物を水性溶液,好ましくはハンクス溶液,リンゲル溶液,または生理的食塩緩衝液等の生理学的に適合性の緩衝液中に溶解することができる。さらに、組成物は、油性または水性のベヒクル中で,懸濁液,溶液,または乳濁液等の形状をとることができる。あるいは,組成物を粉体の形態で製造し、使用前に滅菌水等を用いて水溶液または懸濁液を調製してもよい。吸入による投与用には,本発明の化合物を粉末化し、ラクトースまたはデンプン等の適当な基剤とともに粉末混合物とすることができる。座剤処方は、本発明の化合物をカカオバター等の慣用の坐剤基剤と混合することにより製造することができる。さらに、本発明の化合物は、ポリマーマトリクス等に封入して、持続放出用製剤として処方することができる。
【0019】
投与量および投与回数は、剤形および投与経路、ならびに患者の症状、年齢、体重によって異なるが、一般に、式(I)の化合物を、1日あたり体重1kgあたり、約0.001mgから1000mgの範囲、好ましくは約0.01mgから100mgの範囲で、1日に1回から数回投与することができる。
【0020】
次に実施例および評価例をあげて説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
【実施例】
実施例1. 1 α ,3 β − ジアセトキシ −23,24− ジノルコラン −20− アール (6) の合成
化合物4 (20 g)にピリジン (60 ml), 無水酢酸 (20 ml) を加えた。混合物を95−100℃で2時間加熱撹拌した。酢酸エチルで抽出、飽和NaHCO3水、ブラインで順次洗浄後、乾燥し(MgSO4)、濃縮した。濃縮物 (22.1 g)を酢酸エチル (200 ml)に溶かし、酸化白金(PtO2)(500 mg)を加え、2時間水素添加を行った。触媒をろ過して除き、ロ液を濃縮した。濃縮物 (22.1 g)をテトラヒドロフラン(50 ml)−メタノール (50 ml)に溶かし、p−トルエンスルホン酸 (p−TsOH)(750 mg)を加え、4時間撹拌した。飽和NaHCO3水、ブラインで洗浄、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。濃縮物 (16.2 g)をジクロロメタン (300 ml)に溶かし、ピリジニウムクロロクロメート (PCC) (20 g)を加え、5時間撹拌した。セライト上でろ過し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー (クロロホルム/酢酸エチル 9/1, v/v)で精製し、表題化合物を10.5 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.66 (3H, s),1.01 (3H, s), 1.16 (3H, d, J=6.3 Hz), 2.03, 2.09(各3H,s), 5.01 (2H,m), 9.61 (1H, d, J=4.0 Hz).
【0022】
実施例2. 22− ヨード −1 α ,3 β − ジテトラヒドロピラニロキシ −23,24− ジノルコラン (8) の合成
化合物 (5) (20 g) にピリジン(100 ml)、p−トルエンスルホニルクロリド(p−TsCl) (20 g) を加え、終夜撹拌した。 酢酸エチルで抽出、飽和NaHCO3水、ブラインで洗浄、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。濃縮物 (25.2 g)にアセトン (200 ml),ヨー化ナトリウム(NaI) (20 g ) を加え、4時間加熱還流した。クロロホルムで抽出、5% Na2S2O3溶液、ブラインで洗浄、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。残留物 (19.8 g) に10% KOH エタノール溶液 (60 ml)を加え、50−55℃で1時間撹拌した。
酢酸エチルで抽出、飽和NaHCO3水、ブラインで洗浄、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。濃縮物 (14.3 g) にジクロロメタン (150 ml), ジヒドロピラン(DHP) (8 g)およびピリジニウムp−トルエンスルフォネート (PPTS) (800 mg)を加え、5時間撹拌した。酢酸エチルで抽出、飽和NaHCO3水、ブラインで洗浄, 乾燥(MgSO4)し、濃縮し、表題化合物を15.6 g 得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.66 (3H, s), 1.00 (3H, s), 1.09 (3H, d, J=6.4 Hz), 2.20−2.41 (2H, m), 3.85 (1H, m), 4.01 (1H, m).
【0023】
実施例3.エルゴスタ −22− エン −1 α ,3 β − ジオール( I−1 )の合成
【化13】
窒素ガス気流下、 (2R)−2,3−ジメチル−1−フェニルスルフォニルブタン(7)(6.8 g)をテトラヒドロフラン(THF)(40 ml)に溶かし、−70℃に冷却した。n−BuLiの1.6 Mヘキサン溶液(20 ml)を加え同温度で1時間撹拌した。1α,3β−ジアセトキシ−23,24−ジノルコラン−20−アール(6)(8.6 g)の THF 溶液(30 ml)を加え、同温度で1時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(200 ml)に溶かし、5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 9/1,v/v)で精製し表題化合物を6.4 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.66 (3H, s), 0.80−0.84 (9H, m,), 0.90 (3H, d, J=6.8 Hz), 1.11 (3H, d, J=6.3 Hz), 3.81 (1H, m), 4.00 (1H, m), 5.17 (2H, m).
【0024】
実施例4.エルゴスタン −1 α ,3 β − ジオールの合成
【化14】
実施例1で得られたエルゴステ−22−エン−1α,3β−ジオール(I−1)(1.0 g)を酢酸エチル(100 ml)に溶かし、酸化白金(50 mg)を加え常圧で水素を添加した。3時間後、系内を窒素置換した後、酸化白金を濾過して除き、ろ液を濃縮した。濃縮物をメタノールから結晶化を行い、表題化合物を980 mg得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.65 (3H, s), 0.76, 0.78 (各 3H, d, J=6.8 Hz), 0.81 (3H,s), 0.85 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.90 (3H,d, J=6.4Hz), 3.82 (1H, m), 4.01 (1H, m).
【0025】
実施例5.エルゴスタン −1 α ,3 β ,25 −トリオール( I−2 )の合成
【化15】
窒素ガス気流下、(2S)−2,3−ジメチル−1−フェニルスルフォニル−3−テトラヒドロピラニロキシブタン (9)(6.8 g)をテトラヒドロフラン(THF)(50 ml)に溶かし、 −20℃に冷却した。n−BuLiの1.6 Mヘキサン溶液(20 ml)および1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)(15 ml)を加え同温度で1時間撹拌した。 22−ヨード−1α,3β− ジテトラヒドロピラニロキシ−23,24−ジノルコラン(8)(10.9 g)の THF 溶液(50 ml)を加え、−20℃で2時間、室温で2時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(300 ml)に溶かし、p−トルエンスルホン酸(500 mg)を加え室温で1時間撹拌した。酢酸エチルで抽出し、飽和NaHCO3水、ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(300 ml)に溶かし5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 1/1, v/v)で精製し、表題化合物を7.1 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.62 (3H, s), 0.86 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.93−0.95 (6H, m), 1.16, 1.17 (各 3H, s), 3.82 (1H, m), 4.00 (1H, m).
【0026】
実施例6. (24S)− ヒドロキシメチル − コレスタ −5,7− ジエン −1 α ,3 β − ジオールの合成
【化16】
窒素ガス気流下、(2S)−3−メチル−1−フェニルスルフォニル−2−トリメチルシリロキシヒドロキシメチルブタン(J. Org.. Chem., 58, 1496(1993)(10.0 g)をテトラヒドロフラン(THF)(50 ml)に溶かし、−20℃に冷却した。n−BuLiの1.6 Mヘキサン溶液(20 ml)および1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)(15 ml)を加え同温度で1時間撹拌した。22−ヨード−1α,3β−ジテトラヒドロピラニロキシ−23,24−ジノルコラ−5,7−ジエン(日本化学会誌 1992,53) (10.9 g)の THF 溶液(50 ml)を加え、−20℃で2時間、室温で2時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和NaHCO3水、ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(300 ml)に溶かし、p−トルエンスルホン酸(500 mg)を加え、室温で2時間撹拌した。酢酸エチルで抽出、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄、乾燥(MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(300 ml)に溶かし、5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 1/1, v/v)で精製し、表題化合物を7.8 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.62 (3H, s), 0.79, 0.81 (各 3H, d, J=6.8 Hz), 0.95−0.97 (6H, m), 3.78 (1H, m), 4.07 (1H, m), 5.37(1H,m),5.74 (1H, m).
【0027】
実施例7.エルゴスタ −5,7, 22− トリエン −1 α ,3 β − ジオールの合成
【化17】
窒素ガス気流下、 (2R)−2,3−ジメチル−1−フェニルスルフォニルブタン(7)(6.8 g)をテトラヒドロフラン(THF)(40 ml)に溶かし、−70℃に冷却した。n−BuLiの1.6 Mヘキサン溶液(20 ml)を加え同温度で1時間撹拌した。1α,3β− ジアセトキシ−23,24−ジノルコラ−5,7−ジエン−20−アール(日本化学会誌 1992,53) (8.6 g)の THF 溶液(30 ml)を加え、1時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(200 ml)に溶かし、5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 9/1,v/v)で精製し、表題化合物を6.4 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.62 (3H, s), 0.79, 0.81 (各 3H, d, J=6.8 Hz), 0.88 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.95−0.97 (6H, m), 3.78 (1H, m), 4.07 (1H, m), 5.19 (2H, m), 5.37 (1H, m), 5.74 (1H, m).
【0028】
実施例8. (24R)− エチル − コレステ −22− エン −1 α ,3 β − ジオールの合成
【化18】
窒素ガス気流下、(2R)−2−エチル−3−メチル−1−フェニルスルフォニルブタン(第43回天然物有機化学討論会講演要旨集, p513 (2001)) (7.2 g)をテトラヒドロフラン(THF)(50 ml)に溶かし、−70℃に冷却した。1.6 M n−BuLiのヘキサン溶液(20 ml)を加え同温度で1時間撹拌した。1α,3β−ジアセトキシ−23,24−ジノルコラン−20−アール(6) (8.6 g)の THF 溶液(30 ml)を加え、同温度で1時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(200 ml)に溶かし、5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 9/1,v/v)で精製し、表題化合物を6.9 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.63 (3H, s), 0.79− 0.84 (9H, m), 0.98 (3H, s), 1.01 (3H, d, J=6.4 Hz), 3.80 (1H, m), 4.01 (1H, m), 5.21 (2H, m).
【0029】
実施例9. (24R)− エチル − コレスタ −5− エン −1 α ,3 β 、25− トリオールの合成
【化19】
窒素ガス気流下、(2R)−2−エチル−3−メチル−1−フェニルスルフォニル−3−テトラヒドロピラニロキシブタン(9.8 g)をテトラヒドロフラン(THF)(50 ml)に溶かし、−20℃に冷却した。n−BuLiの1.6 Mヘキサン溶液(20 ml)および1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)(15 ml)を加え同温度で1時間撹拌した。22−ヨード−1α,3β−ジテトラヒドロピラニロキシ−23,24−ジノルコラ−5−エン (10.9 g)の THF 溶液(50 ml)を加え、−20℃で2時間、室温で2時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(300 ml)に溶かし、p−トルエンスルホン酸(500 mg)を加え室温で1時間撹拌した。酢酸エチルで抽出し、飽和NaHCO3水、ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(300 ml)に溶かし5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 1/1, v/v)で精製し、表題化合物を7.2 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.67 (3H, s), 0.81 ( 3H, s), 0.84 (3H, t, J=6.3 Hz), 1.03 (3H, d, J=6.3 Hz), 1.16, 1.17 (各 3H, s), 3.79 (1H, m), 4.01 (1H, m), 5.75 (1H, m).
【0030】
実施例10.コレスタ −5,7,22− トリエン −1 α ,3 β ,25− トリオールの合成
【化20】
窒素ガス気流下、3−メチル−1−フェニルスルフォニル−3−テトラヒドロピラニロキシブタン(9.8 g)をテトラヒドロフラン(THF)(50 ml)に溶かし、−70℃に冷却した。n−BuLiの1.6 Mヘキサン溶液(20 ml)を加え同温度で1時間撹拌した。1α,3β−ジアセトキシ−23,24−ジノルコラ−5,7−ジエン−20−アール(10.9 g)の THF 溶液(50 ml)を加え、−70℃で2時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(300 ml)に溶かし、5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え、室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 1/1, v/v)で精製し、表題化合物を7.2 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.67 (3H, s), 0.81 ( 3H, s), 1.03 (3H, d, J=6.3 Hz), 1.16, 1.17 (各 3H, s), 3.79 (1H, m), 4.01 (1H, m), 5.38 (1H, m), 5.72 (1H, m).
【0031】
実施例11. (24S)−24− プロピル − コレステ −22− エン −1 α ,3 β − ジオールの合成
【化21】
窒素ガス気流下、 (2S)−3−メチル−1−フェニルスルフォニル−2−プロピルブタン(7.6 g)をテトラヒドロフラン(THF)(40 ml)に溶かし、−70℃に冷却した。n−BuLiの1.6 Mヘキサン溶液(20 ml)を加え同温度で1時間撹拌した。1α,3β−ジアセトキシ−23,24−ジノルコラン−20−アール(6) (8.6 g)の THF 溶液(30 ml)を加え、1時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(200 ml)に溶かし、5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 9/1,v/v)で精製し、表題化合物を6.3 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.66 (3H, s), 0.79− 0.85 (9H, m), 0.99 (3H, s), 1.00 (3H, d, J=6.4 Hz), 3.76 (1H, m), 4.01 (1H, m), 5.00−5.17 (2H, m).
【0032】
実施例12. (24R)−24− ブチル − コレステ −22− エン −1 α ,3 β − ジオールの合成
【化22】
窒素ガス気流下、 (2R)−2−ブチル−3−メチル−1−フェニルスルフォニルブタン(8.0 g)をテトラヒドロフラン(THF)(40 ml)に溶かし、−70℃に冷却した。n−BuLiの1.6 Mヘキサン溶液(20 ml)を加え、同温度で1時間撹拌した。1α,3β−ジアセトキシ−23,24−ジノルコラン−20−アール(6) (8.6 g)の THF 溶液(30 ml)を加え、1時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4)後、濃縮した。残留物をメタノール(200 ml)に溶かし、5% Na−Hg (50 g), Na2HPO4 (10 g)を加え室温で終夜撹拌した。水銀を分離後、メタノールを濃縮し酢酸エチルで抽出した。ブラインで洗浄、乾燥 (MgSO4) 後、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル, 9/1,v/v)で精製し、表題化合物を6.9 g得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.66 (3H, s), 0.78− 0.98 (9H, m), 1.00 (3H, s), 1.02 (3H, d, J=6.3 Hz), 3.77 (1H, m), 4.00 (1H, m), 5.20 (2H, m).
【0033】
製剤例1 錠剤
本発明の化合物としてエルゴスタン−1α,3β−ジオール 30g、結晶セルロース(旭化成(株)製)140g、乳糖(DMV社製)100g、CMC−Ca(五徳薬品(株)製)15g、HPC−L(日本曹達(株)製)10gおよび精製水30mLを練合機に添加し、通常の方法により5分間練合する。練合終了後、10メッシュで篩過し、乾燥機中にて50℃で乾燥する。乾燥後、整粒し、ステアリン酸マグネシウム(太平化学工業(株)製)を5g添加する。1分混合した後、打錠して、1錠当たり約100mg、直径6.5mmの錠剤を得た。この錠剤は1錠中、本発明の化合物を10mg含有する。
【0034】
製剤例2 顆粒剤
本発明の化合物としてエルゴスタ−22−エン−1α,3β−ジオール 3g、結晶セルロース(旭化成(株)製)90g、乳糖(DMV社製)182g、CMC−Ca(五徳薬品(株)製)10g、HPC−L(日本曹達(株)製)10gおよび精製水40mLを練合機に添加し、通常の方法により5分間練合する。練合終了後、8メッシュで篩過し、乾燥機にて50℃で乾燥する。乾燥後、整粒し、ステアリン酸マグネシウム(太平化学工業(株)製)5g添加して混合する。この顆粒剤1g当たり、本発明の化合物10mg含有する。
【0035】
製剤例3 カプセル剤
本発明の化合物としてエルゴスタ−22−エン−1α,3β−ジオール 10gを食用油(小麦胚芽油;日清ファルマ(株)製)290gに添加する(濃度10重量%)。次いで、アジホモミクサーを用いて均一に乳化する。得られた乳化液をソフトカプセル、ハードカプセルに充填し、ソフトカプセルとハードカプセルを打ち抜き法により製造する。
(1)ソフトカプセルの製造
ゼラチン100重量部に対しグリセリン30重量部を添加し、膨潤させ、溶解したゼラチンシートを用いる。内溶液として乳化液を1カプセル当たり300mgの内容量になるように充填し、次いで乾燥してソフトカプセルを得る。このソフトカプセルは1カプセル当たり本発明の化合物を10mg含有する。
(2)ハードカプセルの製造
ハードカプセル(透明な2号サイズ;ワーナーランバート社製)に乳化液を1カプセル当たり300mgの内容量になるように充填した。このハードカプセルは1カプセル当たり本発明の化合物を10mg含有する。
【0036】
試験例1. LXR αに対するアゴニスト活性
文献記載の方法により(Science, 284,1362(1999): 286, 1313(2002))、本発明の化合物のLXRαに対するアゴニスト活性をGAL4−hLXRαキメラレセプターを用いる系で検討した。ヒト胎児腎由来HEK293細胞にCMX−GAL4−hLXRα発現ベクター、MH100(UAS)x4−tk−LUCレポーターベクターをリン酸カルシウム法を用いてトランスフェクシヨンし、8時間後に培養液中に化合物を加えた。16時間後に細胞を可溶化し、ルシフェラーゼ活性を評価した。コントロールとしては溶媒のみを用いた。表1に結果をまとめた(コントロールに対する比較で示した)。
【0037】
表1.本発明化合物および対照化合物のLXRαに対するアゴニスト活性(濃度:10−5M)
【表1】
これらの結果から、本発明の化合物は対照化合物と比較して、LXRαに対するアゴニスト活性が高く、高コレステロール血症治療剤としての優れた薬理作用を有することが示される。
【0038】
試験例2.血漿中中性脂肪濃度に及ぼす影響
本発明化合物の血漿中の中性脂肪濃度への影響を検討した。C57BL/6Jマウスに対して, 250mg/kgのエルゴスタ−22−エン−1α,3β−ジオール、10mg/kgのTO901317をそれぞれ投与し12時間後に血漿中の中性脂肪濃度を測定した。結果を表2にまとめた。
【0039】
表2.本発明化合物の血漿中中性脂肪(トリグリセライド)濃度に及ぼす影響
【表2】
表2の結果から、本発明の高コレステロール血症治療剤は、血中の中性脂肪酸濃度に対してほとんど影響を与えないため、副作用として高中性脂肪症を引き起こさないことが示される。
【0040】
試験例3 急性毒性試験
OECD化学物質試験法ガイドラインに従ってラットを用いて急性毒性試験(単回経口投与毒性試験)を実施した。本発明の化合物としてエルゴスタ−22−エン−1α,3β−ジオール 2000mg/kgを雌雄各5匹に単回経口投与し,投与日から14日間観察し、15日目に剖検した。なお,溶媒の投与群をコントロールとした。
その結果、雌雄ともに死亡例はなく、一般状態観察、体重推移および剖検でも被験物質投与による影響は認められず、本発明の化合物のLD50値は、雌雄ともに2000mg/kg(ラット)以上であった。
Claims (3)
- 一般式(I):
で示される化合物を製造する方法であって、一般式(II):
で示されるステロイド誘導体と、一般式 (III):
で示されるフェニルスルホン誘導体とを塩基の存在下で縮合させ、保護基を脱離させ、次にフェニルスルホニル基の還元的脱離を行なうことを特徴とする方法。 - 一般式(I)で示される化合物であって、エルゴスタ−22−エン−1α,3β−ジオール、エルゴスタン−1α,3β−ジオール、エルゴスタン−1α,3β,25−トリオール、(24S)−ヒドロキシメチル−コレスタ−5,7−ジエン−1α,3β−ジオール、(24R)−エチル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオール、(24S)−エチル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオール、(24R)−エチル−コレスタ−5−エン−1α,3β、25−トリオール、(24S)−エチル−コレスタ−5−エン−1α,3β、25−トリオール、コレスタ−5,7,22−トリエン−1α,3β,25−トリオール、(24R)−24−プロピル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオール、(24S)−24−プロピル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオール、(24R)−24−ブチル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオール、および(24S)−24−ブチル−コレステ−22−エン−1α,3β−ジオールからなる群より選択される化合物。
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---|---|---|---|---|
JP2015141137A (ja) * | 2014-01-29 | 2015-08-03 | 国立大学法人大阪大学 | 小腸由来hdlの取得方法、小腸由来hdlの評価方法、小腸由来hdl増加作用を有する化合物のスクリーニング方法並びに前記化合物を含む小腸由来hdl増加薬及び家族性高コレステロール血症治療薬 |
-
2003
- 2003-04-21 JP JP2003115518A patent/JP2004323360A/ja active Pending
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JP2015141137A (ja) * | 2014-01-29 | 2015-08-03 | 国立大学法人大阪大学 | 小腸由来hdlの取得方法、小腸由来hdlの評価方法、小腸由来hdl増加作用を有する化合物のスクリーニング方法並びに前記化合物を含む小腸由来hdl増加薬及び家族性高コレステロール血症治療薬 |
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