JP2004323273A - C/cコンポジット及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】三次元網目構造を有するカーボンファイバより成るプリフォームに、CB含浸工程、ピッチ含浸・焼成工程、及び熱硬化性樹脂含浸・焼成工程を少なくとも1回施し、機械加工後に熱硬化性樹脂を用いて該プリフォーム表面を緻密化処理するC/Cコンポジットの製造方法である。
上記製造方法を採用し、熱硬化性樹脂にフラン樹脂、フェノール樹脂及びビスマルイミドトリアジンなどを用いて成るC/Cコンポジットである。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、C/Cコンポジット及びその製造方法に係り、更に詳細には、優れた高温特性を有し、ロケットノズル、ブレーキ材料、高温金型、ガスタービンブレード、再突入カプセル及びヒーター材などに好適に用いられるC/Cコンポジット及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
C/Cコンポジットは、高温特性、軽量高剛性、耐食耐燃焼性、摩擦制動性、生体適合性及び熱電気伝導性に優れており、従来からロケットノズルなどの宇宙開発用耐熱材料として開発が進められている。
かかるC/Cコンポジットの製造方法としては、炭素繊維(CF)にフェノール、フラン樹脂及びピッチなどを含浸した材料の成形物を高温で炭化し、再含浸・炭化を繰り返して高密度化する方法、CVD法で直接熱分解炭素を沈着させる方法などがある。例えば、図1に示すように、プリフォームをピッチ含浸し、常圧炭化し、黒鉛化する工程を10〜15回繰り返すことにより、密度ρが1.70g/cm3程度まで緻密化されたC/Cコンポジットを得ることができる。
【0003】
ロケットノズルは燃焼中のエロージョンにより削られ、燃焼とともにロケット性能が低下する。このエロージョンは、特にノズル密度と関係があり、図13に示すように、密度を上げることでエロージョンを低下させることができる。よって、ノズル密度を向上させるという課題があった。
一方、ノズル密度は、例えば、HIPを利用すれば容易に高密度化が達成できるが、大型のロケットノズルに対応できるHIP炉がなく、HIP炉を使用しないで高密度化する方法が望まれていた。
【0004】
このような背景から、本発明者らは、種々の含浸法、炭化処理及び黒鉛化処理を組合せたところ、HIPを使用しない所定の製造方法により、従来よりも少ないサイクル数で密度ρが1.80g/cm3超であるC/Cコンポジットが得られることを知見した。
【0005】
本発明は、このような従来技術の有する課題及び知見に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、HIPを使用せず、製造時の繰返しサイクル数及び製造コストを低減し、より緻密化されたC/Cコンポジット及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、プリフォームの空隙部に、カーボンブラック含浸工程、ピッチ含浸・焼成工程及び熱硬化性樹脂含浸・焼成工程を少なくとも1回行うことにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明のC/Cコンポジットの製造方法は、三次元網目構造を有するカーボンファイバより成るプリフォームに、カーボンブラック含浸工程、ピッチ含浸・焼成工程、及び熱硬化性樹脂含浸・焼成工程を少なくとも1回施すとともに、所定形状に機械加工を行った後に熱硬化性樹脂を用いて該プリフォーム表面を緻密化処理することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のC/Cコンポジットの製造方法の好適形態は、上記焼成工程で行う炭化処理が、該プリフォームの最高温度を650〜800℃とし、含浸溶液の液温を380〜450℃に保持して行われることを特徴とする。
【0009】
更に、本発明のC/Cコンポジットの製造方法の他の好適形態は、上記炭化処理の後に、段階的に1500℃以上で行われる高温化処理(黒鉛化処理を含む)を施すことを特徴とする。
【0010】
更にまた、本発明のC/Cコンポジットの製造方法の更に他の好適形態は、上記カーボンブラック含浸工程で使用する含浸溶液がイオン系分散剤及び非イオン系分散剤を含むカーボンブラック水溶液であり、この水溶液における水、カーボンブラック、イオン系分散剤及び非イオン系分散剤の組成比率が、100:10〜20:1〜2:2〜6であり、カーボンブラックの濃度が10〜16%であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のC/Cコンポジットの製造方法の他の好適形態は、上記カーボンブラック含浸工程において、上記プリフォームを最大20時間且つ真空度2600〜6700Paで気泡の発生がなくなるまで含浸溶液に含浸後、100〜150℃で30〜35時間乾燥することを特徴とする。
【0012】
更に、本発明のC/Cコンポジットの製造方法の更に他の好適形態は、上記ピッチ含浸工程において、ピッチ炉側温度を250〜300℃、ワーク側温度を280〜300℃とし、上記プリフォームを真空度2660Pa以下で8時間以上及び加圧力3900〜5900Paで8時間以上含浸することを特徴とする。
【0013】
更にまた、本発明のC/Cコンポジットの製造方法の他の好適形態は、上記熱硬化性樹脂含浸工程において、上記プリフォームを20〜40℃且つ真空度6666〜13332Paで40〜50時間含浸して、上記空隙部に核を形成することを特徴とする。
【0014】
また、本発明のC/Cコンポジットの製造方法の更に他の好適形態は、上記熱硬化性樹脂としてフラン樹脂を使用し、含浸溶液がフランを含むトルエンスルホン酸水溶液であり、この水溶液におけるフラン、トルエンスルホン酸及び水の組成比率が、100:0.2〜0.4:3〜10であることを特徴とする。
【0015】
更に、本発明のC/Cコンポジットは、上述の製造方法より得られるC/Cコンポジットであって、
上記熱硬化性樹脂が、フラン樹脂、フェノール樹脂及びビスマルイミドトリアジンから成る群より選ばれた少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のC/Cコンポジットの製造方法について、詳細に説明する。なお、本明細書において「%」は、特記しない限り質量百分率を示す。
【0017】
かかる製造方法では、三次元網目構造を有するカーボンファイバより成るプリフォームを焼成してC/Cコンポジットを得る。
具体的には、上記プリフォームに、カーボンブラック(以下、「CB」と省略する)含浸工程、ピッチ含浸・焼成工程、及び熱硬化性樹脂含浸・焼成工程を少なくとも1回施す。これより、プリフォームを形成する繊維間に存在する空隙部(ポケット)の内部にピッチなどを充填でき、高密度化されたC/Cコンポジットが得られる。
これより、従来は10〜15回の繰返しサイクル数で緻密化を行い、密度ρが1.70g/cm3程度のC/Cコンポジットを得ていたが、本発明では、代表的には、8回程度の繰返しサイクル数で密度ρが1.80g/cm3超のC/Cコンポジットが得られる。よって、HIPを使用せずにサイクル数を減少できるため製造コストが低減する。
【0018】
また、所定形状に機械加工を行った後に熱硬化性樹脂を用いて該プリフォーム表面を緻密化処理する。このように、熱硬化性樹脂を含浸することで、図10に示すように、所定形状に機械加工した後の表面状態(ボロボロな状態)が修正され、表面硬度が向上する。なお、この表面処理工程は、上記含浸・焼成工程と同様に行えるが、含浸領域は表面から40〜50mm程度であれば良い。
なお、熱硬化性樹脂としては、上記熱硬化性樹脂含浸・焼成工程で使用する樹脂と同様なものの他、これと異なる公知材料を適宜使用できる。
【0019】
本発明の製造方法において、上記各焼成工程では、炭化処理及び高温化処理を行う。
炭化処理は、該プリフォームの最高温度を650〜800℃とし、含浸溶液の液温を380〜450℃に保持して行うことが好適である。代表的には、上記炭化処理としては、該プリフォームの最高温度を700℃とし、含浸溶液の液温を420℃に保持して行うことが、炭化時のピッチのバブリングを抑制し緻密化を進める面からより好ましい。例えば、図2に示すような炭化処理を行うことができる。また、図11に示すように従来パターンに比べ本炭化処理後は、密度が約1.4倍となることがわかる。
また、上記炭化処理の後に、段階的に1500℃以上で行われる高温化処理(黒鉛化)を施すことが好適である。これより、黒鉛化工程での脱ガスがマイルドになり易いので有効である。なお、700〜1200℃の温度領域では脱水素が行われるため注意を要する。
【0020】
更にまた、従来はイオン系分散剤のみを添加していたが、本発明者らはイオン系界面活性剤と非イオン系界面活性剤とを組み合わせて添加したところ、CBの分散性及び含浸性が向上することを見出した。
即ち、上記CB含浸工程で使用する含浸溶液がイオン系分散剤及び非イオン系分散剤を含むCB水溶液であり、この水溶液における水、CB、イオン系分散剤及び非イオン系分散剤の組成比率は、100:10〜20:1〜2:2〜6であり、CBの濃度は10〜16%であることが好適である。
このときは、プリフォームへのCBの分散・浸透・糊付け効果がより優れるため有効である。また、CB含浸工程が2、3回で十分となり易い。なお、CBの濃度が上記範囲よりも大きいとCBの沈降が顕著になり含浸性が劣り易く、小さいと含浸率が低下し易い。
【0021】
また、上記CB含浸工程では、上記プリフォームを最大20時間且つ真空度2600〜6700Paで気泡の発生がなくなるまで含浸溶液に含浸後、100〜150℃で30〜35時間乾燥することが好適である。このときは、図3に示すように、プリフォームの空隙部(ポケット)へCBを充填して、ピッチ捕捉性(炭化時のピッチ流出抑制)を改善することができる。また、プリフォーム組織がより緻密化し易く、更に、CB添加により曲げ強度、剪断強度が向上し易い。
【0022】
更に、上記ピッチ含浸工程では、ピッチ炉側温度を250〜300℃、ワーク側温度を280〜300℃とし、上記プリフォームを真空度2660Pa以下で8時間以上及び加圧力3900〜5900Paで8時間以上含浸することが好適である。
これより、含浸されたピッチの粘度、密度及び分子量が増大して改質ピッチとなり、炭化収率が増加し易い。なお、上記ピッチ炉側及びワーク側の概要を図8に示す。図4にピッチ(非改質のもの)と上記改質ピッチの基礎特性を示す。また、図9に密度と炭化収率の関係を示す。
【0023】
更にまた、上記熱硬化性樹脂含浸工程では、上記プリフォームを20〜40℃且つ真空度6666〜13332Paで40〜50時間含浸して、上記空隙部に核を形成することが好適である。
例えば、熱硬化性樹脂としてフラン樹脂を含浸させる場合は、上述のように空隙部に核を形成して、プリフォームの緻密化を図ることができる。
【0024】
図5に示すように、ピッチ含浸単独では、緻密化の繰返しにより炭化収率が低下し、空隙部(ポケット)への充填が効率的でない。本発明では、ピッチとは異なる熱硬化性樹脂を用いて緻密化することにより、図6に示すように、空隙部に充填された樹脂を流出しにくくする。そして、この樹脂を炭化して核を形成させることで空隙部の容積を減少できる。
【0025】
上記熱硬化性樹脂としてフラン樹脂を使用し、含浸溶液がフランを含むトルエンスルホン酸水溶液であり、この水溶液におけるフラン、トルエンスルホン酸及び水の組成比率が、100:0.2〜0.4:3〜10であることが、含浸性を維持しつつ、硬化・炭化収率を確保する面から好ましい。この範囲と異なる含浸溶液では、例えば、トルエンスルホン酸が多い場合は反応暴走し含浸不良となることがあり、少ない場合は硬化・炭化収率が低くなってしまう。
なお、フラン樹脂以外の熱硬化性樹脂、例えばフェノール樹脂などを含浸することもできるが、含浸性やコスト面などを考慮すると、フラン樹脂を含浸することが良い。また、含浸溶液濃度が低いときは、熱硬化性樹脂含浸・焼成工程を繰り返すことが良い。
【0026】
次に、本発明のC/Cコンポジットについて、詳細に説明する。
本発明のC/Cコンポジットは、上述の製造方法より得られる。また、熱硬化性樹脂は、フラン樹脂、フェノール樹脂又はビスマルイミドトリアジン、及びこれらの任意の組合せに係る樹脂を用いる。
このときは、C/Cコンポジットの密度ρが従来品(密度ρが1.70g/cm3程度)より大きくなる。代表的には、例えば、該空隙部に上記フラン樹脂に起因する核が形成されたC/Cコンポジットは1.851g/cm3の密度ρを有する。また、緻密化されたプリフォーム表面が得られる。更に、表面近傍のエロージョン性能が向上する。
なお、上記プリフォームとしては、R、θ、Z軸等のVf(繊維体積含有率)が高い織物及びロッドで構成されるプリフォーム体を用いることができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0028】
(実施例1)
図7に示すフローチャートに基づいて、C/Cコンポジットを製造した。なお、プリフォームにはR、θ、Z軸等のVfが高い3軸織物(織物Vfは40%以上)を用いた。以下、このフローチャートをプロセス順に説明する。
【0029】
まず、プロセス1(以下、「P1」のように略す)では、プリフォームを2000℃、1時間で前処理した。このプリフォームにCB含浸設備を用いてCB含浸を行った[P2]。このとき、CB含浸溶液として、水:CB:イオン系分散剤:非イオン系分散剤=100:15:1.5:4.5である15%CB水溶液を用いた。
また、上記CBは平均粒径24nmの水分散用、上記イオン系分散剤(染料用途)はイオン系界面活性剤であるDPNSN(ダイアディスパースN、三菱化学社製)、上記非イオン系分散剤は非イオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、を用いた。更に、含浸条件は、真空度2600〜6700Pa、プリフォームからの気泡の発生がなくなるまで且つ20時間とした。
【0030】
CB含浸後のプリフォームを120℃、35時間で乾燥した[P3]。このP2及びP3をCB含浸が30%となるまで3回繰り返し含浸処理を実施した[P4]。
【0031】
次に、ピッチ含浸を行った[P5]。ピッチは低軟化点(80〜90℃程度)のコールタールピッチを用いた。また、含浸条件は、ピッチ炉側温度を280℃、ワーク側温度を300℃とし、含浸時間は、真空(2660Pa以下)で8時間、加圧(4900Pa)で8時間とした。
【0032】
更に、図2に示すように、最高温度を700℃、液温を420℃にホールドして炭化した[P6]。次いで、段階的に2000℃以上で1時間黒鉛化した[P7]。このP5、P6及びP7を密度が1.45g/cm3となるまで2回繰り返した[P8]。
【0033】
その後、フラン樹脂含浸を行った[P9]。硬化剤にはトルエンスルホン酸水溶液を用い、フラン樹脂:トルエンスルホン酸:水が100:0.3:5である含浸溶液を用いた。また、含浸条件は、20〜40℃、真空度6666〜13332Paで48時間放置した。次いで、含浸したフラン樹脂を硬化〜炭化する処理を行った[P10]。更に、上記P7と同様の操作を繰り返して、黒鉛化した[P11]。
【0034】
また、P12〜15として、上記P5〜8と同様の操作を行った。このとき、密度増加率が飽和したときは、再度CB含浸することができる[P16]。
得られたプリフォームをノズル形状に加工し[P17]、表面処理を施した[P18]。表面処理は、フェノール樹脂及びフラン樹脂を用い、ポケット部に樹脂炭を充填した。
【0035】
[性能評価及び結果]
上述のC/Cコンポジットについて、以下の評価試験を行った。
【0036】
図6及び図12より、上述のC/Cコンポジットは空隙部に核を有し、8回程度の緻密化処理で密度ρが1.80g/cm3を超えることがわかる。また、圧縮強度を示す、引張応力、圧縮応力及び剪断応力などの物性値が従来品の約1.5倍であった。
【0037】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、プリフォームの空隙部に、カーボンブラック含浸工程、ピッチ含浸・焼成工程及び熱硬化性樹脂含浸・焼成工程を少なくとも1回行うこととしたため、HIPを使用せず、製造時の繰返しサイクル数及び製造コストを低減し、より緻密化されたC/Cコンポジット及びその製造方法を提供することができる。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の緻密化工程の一例を示すフローチャートである。
【図2】炭化処理法の一例を示すグラフである。
【図3】CB含浸の有無による空隙部(ポケット)の状態を比較した断面図である。
【図4】ピッチと改質ピッチとの密度の関係を示すグラフである。
【図5】ピッチ含浸の炭化収率の低下を示すグラフである。
【図6】樹脂含浸の有無による空隙部(ポケット)の状態を比較した断面図である。
【図7】本発明のC/Cコンポジットの製造工程の一例を示すフローチャートである。
【図8】ピッチ路の概要図である。
【図9】改質ピッチ密度と炭化収率の関係を示すグラフである。
【図10】表面処理の効果を示す写真である。
【図11】炭化パターンの変更の効果を示す写真である。
【図12】密度比較を示すグラフである。
【図13】密度とエロージョンの関係を示すグラフである。
Claims (9)
- 三次元網目構造を有するカーボンファイバより成るプリフォームに、カーボンブラック含浸工程、ピッチ含浸・焼成工程、及び熱硬化性樹脂含浸・焼成工程を少なくとも1回施すとともに、所定形状に機械加工を行った後に熱硬化性樹脂を用いて該プリフォーム表面を緻密化処理することを特徴とするC/Cコンポジットの製造方法。
- 上記焼成工程で行う炭化処理が、該プリフォームの最高温度を650〜800℃とし、含浸溶液の液温を380〜450℃に保持して行われることを特徴とする請求項1に記載のC/Cコンポジットの製造方法。
- 上記炭化処理の後に、段階的に1500℃以上で行われる高温化処理(黒鉛化処理を含む)を施すことを特徴とする請求項1又は2に記載のC/Cコンポジットの製造方法。
- 上記カーボンブラック含浸工程で使用する含浸溶液がイオン系分散剤及び非イオン系分散剤を含むカーボンブラック水溶液であり、この水溶液における水、カーボンブラック、イオン系分散剤及び非イオン系分散剤の組成比率が、100:10〜20:1〜2:2〜6であり、カーボンブラックの濃度が10〜16%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載のC/Cコンポジットの製造方法。
- 上記カーボンブラック含浸工程において、上記プリフォームを最大20時間且つ真空度2600〜6700Paで気泡の発生がなくなるまで含浸溶液に含浸後、100〜150℃で30〜35時間乾燥することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載のC/Cコンポジットの製造方法。
- 上記ピッチ含浸工程において、ピッチ炉側温度を250〜300℃、ワーク側温度を280〜300℃とし、上記プリフォームを真空度2660Pa以下で8時間以上及び加圧力3900〜5900Paで8時間以上含浸することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載のC/Cコンポジットの製造方法。
- 上記熱硬化性樹脂含浸工程において、上記プリフォームを20〜40℃且つ真空度6666〜13332Paで40〜50時間含浸して、上記空隙部に核を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載のC/Cコンポジットの製造方法。
- 上記熱硬化性樹脂としてフラン樹脂を使用し、含浸溶液がフランを含むトルエンスルホン酸水溶液であり、この水溶液におけるフラン、トルエンスルホン酸及び水の組成比率が、100:0.2〜0.4:3〜10であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載のC/Cコンポジットの製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の製造方法より得られるC/Cコンポジットであって、
上記熱硬化性樹脂が、フラン樹脂、フェノール樹脂及びビスマルイミドトリアジンから成る群より選ばれた少なくとも1種の樹脂であることを特徴とするC/Cコンポジット。
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