JP2004323126A - 給紙カセット - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体の左右位置(給紙方向と直交する方向位置)の調整を容易にするとともに、高精度に左右調整を行うことのできる給紙カセットを提供する。
【解決手段】左右レジ調整機構57はそれぞれ左右のサイドガイド58,59を有し、これらのサイドガイド58,59には、互いに対向するラック61a,62aが連結されている。カセット本体には、サイドレジ調整板60が左右方向に相対移動可能に設けられて、図示しないビスで固定される。このサイドレジ調整板60に立設されたピニオン取付軸72にピニオン73が回転可能に取り付けられる。このピニオン73に両ラック61a,62aが噛合される。そして、サイドレジ調整板60の左右位置を調整することで、両サイドガイド58,59の左右位置つまり紙の左右位置が調整される。したがって、左右位置調整時、カセット全体が移動することはない。
【選択図】 図5
【解決手段】左右レジ調整機構57はそれぞれ左右のサイドガイド58,59を有し、これらのサイドガイド58,59には、互いに対向するラック61a,62aが連結されている。カセット本体には、サイドレジ調整板60が左右方向に相対移動可能に設けられて、図示しないビスで固定される。このサイドレジ調整板60に立設されたピニオン取付軸72にピニオン73が回転可能に取り付けられる。このピニオン73に両ラック61a,62aが噛合される。そして、サイドレジ調整板60の左右位置を調整することで、両サイドガイド58,59の左右位置つまり紙の左右位置が調整される。したがって、左右位置調整時、カセット全体が移動することはない。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置の給紙装置に用いられ、紙等のシート状の記録媒体を収容する給紙カセットの技術分野に属し、特に、記録媒体の左右位置(給紙方向と直交する方向位置)を調整可能な左右レジ調整機構を有する給紙カセットの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置の給紙装置においては、自動的に紙を転写ユニットに供給するために給紙カセットが用いられている。そして、この従来の給紙カセットには、サイドガイドにより、収容されている紙の左右側縁をガイドしかつこの紙の幅方向の位置を規制するとともに、紙の左右幅サイズに合わせて幅調整可能な幅調整機構を備えた給紙カセットが知られている。
【0003】
従来の幅調整機構を備えた給紙カセットとして、左右一対の側端規制ガイドを給紙カセットの幅方向に対向して立設し、これらの側端規制ガイドを、紙の左右側端を規制する垂直な幅ガイド部と、これらの幅ガイド部の下端にそれぞれ給紙カセットの床面と平行に配設された水平なスライド部とから構成し、これらのスライド部の互いに対向する側端にラックを形成するとともに、これらのラックをともに、給紙カセットに回転自在に軸支されたピニオンに噛合させて構成した給紙カセットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、給紙カセットから転写ユニットに給送されてきた紙の左右位置(給紙方向と直交する方向)が、像担持体上の原稿画像の左右位置からずれていると、原稿画像が紙の正規の位置に転写されなくなるばかりでなく、原稿画像の一部が欠けて紙に転写されてしまうという問題がある。
しかしながら、前述の特許文献1に開示されている給紙カセットの幅調整機構では、紙の左右幅サイズに合わせて幅調整は可能であるものの、左右の側端規制ガイド間の紙の左右位置が調整できず一定であるため、前述のような紙の左右位置の位置ずれによる問題を解決することはできない。
【0005】
一方、前述の紙の左右位置の位置ずれによる問題を解決するために、給紙カセットが装着される画像形成装置本体側に位置決め用部材をその左右位置調整可能に設けるとともに給紙カセットに設けた開口をこの位置決め用部材に嵌合し、位置決め用部材を左右方向に移動してその左右位置を調整することで、給紙カセット全体の左右位置を調整するようにした給紙カセットが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】
特開平11−130273号公報(段落番号[0026]〜[0029]、[図1]、[図5]、[図8]等)
【特許文献2】
実公平7−45475号公報([実施例]、[第11]、[第2図]等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の特許文献2に開示されている給紙カセットでは、給紙カセット全体を移動させて左右位置の調整を行うため、操作が面倒であるばかりでなく、調整を高精度に行うことは難しい。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、記録媒体の左右位置(給紙方向と直交する方向位置)の調整を容易にするとともに、高精度に左右調整を行うことのできる給紙カセットを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、請求項1の発明の給紙カセットは、互いの左右方向の間隔を調整可能に設けられ、記録媒体の左右幅を規制するとともに記録媒体の左右側縁をガイドする左右のサイドガイドと、カセット本体に左右方向に位置調整可能に設けられたサイドレジ調整板と、このサイドレジ調整板に設けられ、前記左右のサイドガイドを互いに逆方向に移動するように連動させる連動手段とを備えていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項2の発明は、サイドレジ調整板に位置決め用指針が設けられるとともに、前記カセット本体に位置調整用目盛が前記位置決め用指針に対応して設けられ、前記位置決め用指針が前記位置調整用目盛に合わされながら、左右のサイドガイドの左右位置が調整されることを特徴としている。
更に、請求項3の発明は、前記位置決め用指針および前記位置調整用目盛がともに前記サイドレジ調整板の左右移動方向に関して両側に設けられていることを特徴としている。
更に、請求項4の発明は、前記連動手段が、前記左右のサイドガイドに設けられたラックと、前記サイドレジ調整板に設けられた、これらのラックに噛合するピニオンとからなることを特徴としている。
【0010】
【発明の作用および効果】
このように構成された本発明の給紙カセットにおいては、サイドレジ調整板がカセット本体に対して左右方向に位置調整されることで、左右のサイドガイドもカセット本体に対して左右方向に位置調整される。これにより、給紙カセットに収容されて左右のサイドガイドでガイドされる記録媒体の左右位置を調整することができる。したがって、記録媒体を適切な左右位置で給紙カセットから給送することができる。
【0011】
また、給紙カセット全体を移動させる必要がなく、サイドレジ調整板の左右位置を調整するだけで済むので、左右位置調整の操作を簡単にできるとともに、調整を高精度に行うことができる。
特に、位置決め用指針位置および調整用目盛を用いて左右位置調整を行うことで、記録媒体の左右位置をより一層正確に調整することができる。その場合、位置決め用指針位置および位置調整用目盛をサイドレジ調整板の左右移動方向に関して両側に設けることで、更に記録媒体の左右位置をより一層正確に調整することができる。
更に、左右のサイドガイドをラック−ピニオンの連動手段で互いに連動させることで、記録媒体の左右幅のサイズに応じて簡単に左右幅調整を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明にかかる給紙カセットの実施の形態の一例を備えている画像形成装置を概略的に示す図である。
【0013】
図1に示すように、この例の画像形成装置1は、概略的には、露光ユニット2、ロータリ式現像装置等の現像ユニット3、露光ユニット2によって露光されて静電潜像が形成されるとともにこの静電潜像が現像ユニット3からのトナーによって現像されてトナー像が形成される像担持体4、無端状の転写ベルトからなる中間転写媒体5、像担持体4上のトナー像を中間転写媒体5に一次転写する一次転写ユニット6、中間転写媒体5上に一次転写されたトナー像を紙等の記録媒体(以下、説明の便宜上紙を例に説明する)7に二次転写する二次転写ユニット8、収容された紙7を二次転写ユニット8に給送する給紙装置9、紙7に二次転写されたトナー像を定着する定着ユニット10、および定着ユニット10で定着されて所定の画像が形成された紙7を収容する排紙トレイ11からなっている。
その場合、画像形成装置1には、紙7が給紙装置9から二次転写ユニット8および定着ユニット10を介して排紙トレイ11に搬送する第1搬送路12と、両面画像形成のために、定着ユニット10から排出されかつ片面に定着画像が形成された紙7を他面に二次転写可能に反転して再び二次転写ユニット8に搬送する第2搬送路13とが設定されている。
【0014】
給紙装置9は、紙7をそれぞれ収容する2個の第1および第2カセット14,15を備えており、これらの第1および第2カセット14,15は上下2段に配置されている。そして、第1および第2カセット14,15は、いずれも図1において画像形成装置本体1aに右方から挿入されて装着されるとともに、画像形成装置本体1aから右方へ引き出されて取り外されるようになっている。また、第1および第2カセット14,15は、いずれも図1に実線で示す短縮した状態と図1に二点差線で示す伸張した状態との間で伸縮可能な伸縮カセットとして形成されている。
【0015】
なお、本発明では、カセットはこれらの2つに限定されるものではなく、1つ以上任意の数だけ設けることができる。複数個のカセットを設ける場合は、それらのカセットは上下複数段に配置される。その場合、画像形成装置本体1aに所望の複数個のカセットを最初からその所望の個数に固定して設けることもできるし、また、画像形成装置本体1aに所定数のカセットを配設し、その後に更に1個以上の所望の数だけ増設することもできる。この説明では、説明の便宜上、画像形成装置1が2個の第1および第2カセット14,15を備えているものとする。第1カセット14は画像形成装置本体1aに最初から設けられる本体カセットであり,また、第2カセット15は第1カセット14の下に増設した増設カセットである。その場合、本発明では、第2カセット15が装着される本体増設部も画像形成装置本体1aとする。
【0016】
第1および第2カセット14,15は、それらの深さが異なるだけで、基本的な構成は実質的に互いに同じである。したがって、増設カセットである第2カセット15について説明し、第1カセット14の説明は省略する。
図2は伸張した状態の第2カセット15を示し、(a)は上面図、(b)は下面図であり、また、図3は短縮した状態の第2カセット15を示し、(a)は上面図、(b)は下面図である。
【0017】
図2(a),(b)および図3(a),(b)に示すように、第2カセット15は、カセット本体16と、カセット延長部17とから構成されている。カセット本体16は、底部16aと、この底部16aの左右両サイドにそれぞれ立設された左右側壁16b,16cと、底部16aの前側(図1において画像形成装置1の右側;図2において下側)に立設された前壁16dとを有している。左側壁16bは所定の間隙をおいて配置される二重側壁からなっている。図示しないが、右側壁16cも左側壁16bと同形状に形成されており、この右側壁16cの場合は左側壁16bの形状と左右対称にされている。
また、カセット延長部17は、底部17aと、この底部17aの左右両サイドにそれぞれ立設された左右側壁17b,17cと、底部17aの後側(画像形成装置1の奥側;図2において上側)に立設された後壁17dとを有している。
そして、カセット延長部17の左右側壁17b,17cがそれぞれカセット本体16の対応する左右側壁16b,16cの間隙内に摺動可能に挿入されあるいはこの間隙から引き出されることにより、カセット延長部17がカセット本体16に対して相対移動することで縮小あるいは伸張可能に設けられる。
【0018】
更に、図2(a)および図3(a)に示すようにカセット本体16の後端部には、左右一対のロックレバー18,19がそれぞれ左右方向に移動可能に設けられている。これらのロックレバー18,19は、カセット本体16とカセット延長部17とを伸張状態および短縮状態で互いに相対移動不能にロックするものである。
【0019】
図2(a)に示すように、左側のロックレバー18のロック用突起21が、カセット延長部17に設けられた左側のロック用溝17g,17gに選択的に嵌合可能となっており、また、右側のロックレバー19のロック用突起21が、カセット延長部17に設けられた右側のロック用溝17h,17iに選択的に嵌合可能となっている。
【0020】
図1、図2(a)および図3(a)に示すように、カセット本体16には、紙7の前端を上方に押し上げる金属製のリフト板26が設けられている。リフト板26の後端側の左右側縁には、左右の回動アーム27,28が上方に突出して設けられている。図2(a)に示すように、各回動アーム27,28は、それぞれカセット本体16の左右側壁16b,16cに左右の回転軸29a,29bを中心に回動可能に支持されている。そして、図示しない板ばね(本発明の弾性付勢手段に相当)により、リフト板26は常時起き上がり方向に付勢されている。
【0021】
一方、図2(a)に示すようにカセット延長部17には、その左右中心位置に金属製のスライド板30がカセット延長部17の長手方向(前後方向)に延びる左右のガイド31,32に沿ってスライド可能に設けられている。その場合、図2(a),(b)および図3(a),(b)に示すようにカセット延長部17とスライド板30との間に圧縮ばね33が縮設されており、この圧縮ばね33のばね力により、スライド板30が常時後方に付勢されている。
【0022】
このスライド板30の左右中心位置には、紙7の後端を支持する後端ガイド34がカセット延長部17の長手方向に沿って移動可能に立設されている。この後端ガイド34はセット延長部17の長手方向(前後方向)の任意の位置に調整され可能に位置決めされている。その場合、その位置決め機構は従来の給紙カセットに設けられている後端ガイドの位置決め機構と同じ機構を用いることができるので、その説明は省略する。
【0023】
図2(a)および図3(a)に示すように、リフト板26とスライド板30とは左右の連結部材39,40で連結されている。
そして、図4(a)ないし(d)に示すようにリフト板26の繋合用フック43がそれぞれ対応する左右の連結部材39,40のリフト板繋合部41に常時繋合されている。その場合、繋合用フック43とリフト板繋合部41は、連結部材39,40がリフト板26に対して左右方向に相対的に移動可能に繋合される。また、図2(a)および図3(a)に示すように、左右の連結部材39,40のスライド板繋合部42は、スライド板30のアーム30a,30b,30c,30dにそれぞれ設けられた、対応する繋合用溝37,38(図にはアーム30a,30bの繋合用溝は示されていない)に選択的に嵌脱可能になっている(この嵌脱動作については後述する)。その場合、各スライド板繋合部42が対応する繋合用溝内に嵌合することにより、スライド板30と連結部材39,40とが互いに繋合するようになる。
【0024】
このように、スライド板30と連結部材39,40とが互いに繋合することで、リフト板26とスライド板30とが連結部材39,40を介して互いに連結される。これにより、リフト板26の起伏回動に連動して、スライド板30が前後移動するようになっている。
【0025】
したがって、図4(a)ないし(d)に示すように、第2カセット15が伸張状態および短縮状態のいずれであっても、各連結部材39,40の各スライド板繋合部42が対応する繋合用溝37,38内に嵌合した状態で、リフト板26が伏せ方向に回動してカセット本体16の底部16aとほぼ平行な実線で示す伏せ位置にあるときは、スライド板30はこのリフト板26の伏せ方向の回動に連動して後方へ移動して、カセット延長部17の後壁17dに当接する最も後方位置に保持される。
【0026】
また、リフト板26とスライド板30とが連結部材39,40を介して互いに連結されたとき、前述のように圧縮ばね33のばね力でスライド板30が常時後方へ付勢されているので、リフト板26は圧縮ばね33のばね力により伏せ方向に付勢される。しかし、前述したリフト板26を起き上がり方向に付勢する付勢力がこの圧縮ばね33のばね力によるリフト板26の付勢力より大きいので、リフト板26は起き上がり方向に付勢されるようになっている。
【0027】
図4(b)および(d)に示すように、リフト板26が伏せ位置から、リフト板26の起き上がり方向の回動により二点差線で示すように起き上がったとき、リフト板26の後端が前方(これらの図において、右方)に移動すると、繋合用フック43がリフト板繋合部41に繋合していることから、連結部材39,40も、このリフト板26の後端の前方移動に連動して前方へ移動する。そして、図1に示すようにリフト板26の前端部に設けられたパッド44が画像形成装置本体1aに設けられた給紙ローラ45に当接することで、リフト板26の起き上がり方向の回動が停止する。なお、紙7が第2カセット15内にセットされてリフト板26の上にあるときは、最上位置の紙7の前端部が給紙ローラ45に当接することで、リフト板26の起き上がり方向の回動が停止することは言うまでもない。図4(a)ないし(d)には、右側の連結部材40のみが示されている。
【0028】
この連結部材39,40の前方移動により、スライド板30および後端ガイド34が、ともに実線で示す位置から二点差線で示す位置の方へカセット本体16およびカセット延長部17に対して相対的に前方へ移動するようになる。このように、リフト板26の起き上がり方向への回動に連動して、後端ガイド34が前方へ移動することにより、第2カセット15内に収容されている紙7で最上位置の紙7の前端部が後ずさりして位置ずれすることなく給紙ローラ45に確実に捕獲されて、この給紙ローラ45により最上位置の紙7から順に二次転写ユニット8の方へ給送されるようにしている。
【0029】
図2(a)および(b)に示すように、左側の連結部材39は左側のロックレバー18に前後方向に相対的に摺動可能に一体に設けられている。その場合、ロックレバー18はロック動作方向(カセット本体16の左右方向)に移動するようになるが、このロックレバー18の移動時には、連結部材39もロックレバー18と一体に同方向に移動するようになる。また、連結部材39は前述のようにリフト板26の起伏運動に連動してスライド動作方向に移動するが、この連結部材39のスライド動作方向の移動時にはロックレバー18は移動しなく、連結部材39のみが移動するようになる。
【0030】
また、右側の連結部材40も左側の連結部材39の場合と同様に右側のロックレバー19に設けられるとともに、これらのロックレバー19の動作および連結部材40も左側のロックレバー18および連結部材39の動作の場合と同様に動作するようになる。その場合、右側のロックレバー19および連結部材40のロック動作方向は左側のロックレバー18および連結部材39のロック動作方向と左右対称となる。
【0031】
次に、ロックレバー18,19によるカセット本体16とカセット延長部17のロック動作およびロック解除動作と、連結部材39,40によるリフト板26とスライド板30の連結動作および連結解除動作について説明する。
図3(a)および(b)に示すように、第2カセット15が最小に短縮された状態では、カセット延長部17の底部17aの大部分およびスライド板30の大部分がカセット本体16の底部26の下に位置する。このとき、左側のロック用溝17fが左側のロックレバー18のロック用突起21に対向するとともに、右側のロック用溝17hが右側のロックレバー19のロック用突起21に対向する。そして、左側のロックレバー18がロック解除位置から右方向に移動されて、そのロック用突起21が左側のロック用溝17fに嵌合するとともに、右側のロックレバー19が左方向に移動されてそのロック用突起21が右側のロック用溝17hに嵌合することにより、カセット延長部17がカセット本体16に対してロックされ、第2カセット15の短縮状態が保持される。
【0032】
このようにカセット延長部17がカセット本体16に対してロックされた状態では、左側の連結部材39のスライド板繋合部42がスライド板30の溝38に嵌合するとともに、右側の連結部材40のスライド板繋合部42がスライド板30の溝37に嵌合する。したがって、左右の連結部材39,40がスライド板30に連結し、その結果、リフト板26とスライド板30とがスライド板30を介して連結されている。これにより、図4(d)に示すように第2カセット15が短縮された状態で、スライド板30がリフト板26の起伏回動に連動して前後方向に移動可能となる。また、このようにして、ロックレバー18,19によるロック動作と連結部材39,40による連結動作とが互いに連動して行われる。
【0033】
第2カセット15を伸張させるために、左側のロックレバー18がロック状態から左方向に移動されるとともに右側のロックレバー19が右方向に移動される。これにより、左側のロック用突起21が左側のロック用溝17fから離脱するとともに、右側のロック用突起が右側のロック用溝17hから離脱すると、カセット延長部17がカセット本体16に対してロック解除され、第2カセット15の伸張可能な状態となる。
【0034】
このように左右のロックレバー18,19が移動されて各ロック用突起が各ロック用溝から離脱した状態では、左右の連結部材39,40も左右のロックレバー18,19と一体に移動するので、左右の連結部材39,40のスライド板繋合部42がスライド板30の溝38,37から離脱する。したがって、スライド板30は左右の連結部材39,40から連結解除されて連結部材39,40およびリフト板26に対して前後方向に相対移動可能となる。この状態で、カセット延長部17がカセット本体16から引き出されることで、第2カセット15が伸張される。また、このようにして、ロックレバー18,19によるロック解除動作と連結部材39,40による連結解除動作とが互いに連動して行われる。
【0035】
図2(a)および(b)に示すように、第2カセット15が最大に伸張された状態では、カセット延長部17の底部17aの大部分およびスライド板30の大部分がカセット本体16の底部26から突出する。このとき、左側のロック用溝17gが左側のロックレバー18のロック用突起21に対向するとともに、右側のロック用溝17iが右側のロックレバー19のロック用突起21に対向する。そして、左側のロックレバー18が右方向に移動されて、そのロック用突起21が左側のロック用溝17gに嵌合するとともに、右側のロックレバー19が左方向に移動されてそのロック用突起21が右側のロック用溝17iに嵌合することにより、カセット延長部17がカセット本体16に対してロックされ、第2カセット15の伸張状態が保持される。
【0036】
カセット延長部17がカセット本体16に対してロックされた状態では、左側の連結部材39のスライド板繋合部42がスライド板30のアーム30bの溝に嵌合するとともに、右側の連結部材40のスライド板繋合部42がスライド板30のアーム30aの溝に嵌合する。したがって、左右の連結部材39,40がスライド板30に連結され、その結果、リフト板26とスライド板30とがスライド板30を介して連結される。これにより、図4(b)に示すように第2カセット15が伸張された状態で、スライド板30がリフト板26の起伏回動に連動して前後方向に移動可能となる。
【0037】
図2(a),(b)および図3(a),(b)に示すように、カセット本体16には、紙7の左右側縁をガイドしかつこの紙7の幅方向の位置を規制するとともに、紙7の左右幅サイズに合わせて幅調整可能であり、更に、紙7の左右位置を調整可能な左右レジ調整機構57が設けられている。図5(a)および(b)に示すように、この左右レジ調整機構57は、左右のL字状のサイドガイド58,59とサイドレジ調整板60とを備えている。
【0038】
左右のサイドガイド58,59は互いに左右対称に形成されており、それぞれ紙7の左右側縁をガイドする垂直ガイド部58a,59aと、サイドガイド58,59を左右方向にガイドする水平部ガイド部58b,59bとを有している。また、左右の水平部ガイド部58b,59bには、それぞれラック61a,62aを有するラック部材61,62が左右方向に延びるように取り付けられている。このとき、左右のラック61a,62aは互いに対向するようにして配置されている。サイドガイド58,59はカセット本体16に対して左右方向に相対移動可能に設けられている。
【0039】
図6(a)および(b)に示すように、サイドレジ調整板60はカセット本体16の底部16aに、このカセット本体16に対して左右方向に位置調整可能に設けられる。すなわち、サイドレジ調整板60がカセット本体16の底部16aに、このカセット本体16に対して左右方向に相対移動可能に設けられている。その場合、サイドレジ調整板60はカセット本体16に形成された左右方向のガイド溝(不図示)に沿って移動するようにすることで、サイドレジ調整板60の左右方向の移動をより正確に行うことができる。また、サイドレジ調整板60の中央部分60aがカセット本体16の底部16aの下に位置されているとともに、サイドレジ調整板60の左右端部60b,60cがそれぞれクランク状に折曲されかつ底部16aに穿設された矩形状孔63,64を貫通して底部16aの上面に位置されている。
【0040】
また、カセット本体16の底部16aの右側には、左右方向に延びる長孔65が穿設されている。この長孔65にビス66を貫通させて図5(a)に示すサイドレジ調整板60のビス孔60dに螺合締結することで、サイドレジ調整板60はカセット本体16の底部16aにワッシャを介して固定されている。更に、サイドレジ調整板60の右端部60cには、位置決め用指針67,68が設けられているとともに、底部16aの上面の位置決め用指針67,68に対応する位置に、それぞれ1目盛りが所定の距離(例えば、1mm等)に刻まれた一対の位置調整用目盛69,70がそれぞれ形成されている。
【0041】
そして、ビス66を弛めた状態で、サイドレジ調整板60がカセット本体16に対して左右方向に相対移動され、位置決め用指針67,68が位置調整用目盛69,70の所望の位置に合わせられる。その後、ビス66を締めることで、サイドレジ調整板60がカセット本体16に対して左右方向に位置調整されて固定される。このように、位置調整用目盛69,70を用いてサイドレジ調整板60を左右方向に移動させることで、サイドレジ調整板60の左右方向の位置を正確に調整することができるようになる。
【0042】
更に、図6(a)および(b)に示すように、底部16aには、左右方向に延びる長孔71が穿設されている。サイドレジ調整板60の中央部分60aに立設されたピニオン取付軸72がこの長孔71を貫通して底部16aより上方に突出している。図5(a)および(b)に示すように、このピニオン取付軸72にはピニオン73がビス74により回転可能に取り付けられている。このピニオン73には、左右のラック部材61,62のラック61a,62aがともに噛合されている。これらのピニオン73とラック61a,62aとの噛合により、左右のサイドガイド58,59の左右方向に移動は互いに連動して互いに左右逆方向となる。したがって、ピニオン73とラック61a,62aとにより、左右のサイドガイド58,59を互いに連動させる本発明の連動手段が構成されている。
【0043】
そして、左右のサイドガイド58,59が互いに離隔するように左右方向に移動され、図7(a)に示すようにラック61a,62aが終了してそれ以上離隔方向に移動できなくなったとき、左右のサイドガイド58,59は左右方向に最大に開いた最大開き状態となる。また、左右のサイドガイド58,59が互いに接近するように左右方向に移動され、図7(b)に示すように左右の水平部ガイド部58b,59bの対向端が当接したとき、左右のサイドガイド58,59は左右方向に最小に開いた最小開き状態となる。このように左右のサイドガイド58,59が最大開き状態と最小開き状態との間で任意に移動できることから、左右のサイドガイド58,59は収容される紙7の左右幅に応じた間隔に調整可能となる。
【0044】
更に、図5(a)および(b)に示すように左側のサイドガイド58には、サイドガイドロック手段75が設けられている。このサイドガイドロック手段75は、左右のサイドガイド58,59の間隔が紙7の左右幅に応じて調整された位置にこれらのサイドガイド58,59をロックするようになっている。
図7(c)に示すように、サイドガイドロック手段75は、左側のサイドガイド58の垂直ガイド部58aに回動可能に設けられたロックレバー76を備えている。このロックレバー76の下端には、ラッチ爪77が形成されている。ロックレバー76は、図示しないばねにより図7(c)において反時計方向に回動するように常時付勢されている。また、図7(c)、図2(a)および図3(a)に示すように、カセット本体16の底部16aの上面には、ラッチ爪77が係合するラッチ歯78が形成されている。
【0045】
したがって、ロックレバー76が図7(c)に点線で示すように時計方向に回動されることでラッチ爪77がラッチ歯78から外れ、この状態で左右のサイドガイド58,59が左右方向に移動されてそれらの間隔が紙7の左右幅に応じて調整された後、ロックレバー76が解放されて図7(c)に実線で示すように反時計方向に回動されることでラッチ爪77がラッチ歯78に係合されて、左右のサイドガイド58,59が調整された位置にロックされる。
【0046】
このように、左右のサイドガイド58,59が紙7の左右幅に応じた間隔に調整されることにより、左右のサイドガイド58,59は収容される紙7の左右側縁を適切にガイドするようになる。
更に、前述のようにサイドレジ調整板60がカセット本体16に対して左右方向に位置調整されることで、左右のサイドガイド58,59もカセット本体16に対して左右方向に位置調整される。これにより、第2カセット15に収容された紙7の左右位置が調整されて、紙7を二次転写ユニット8に対して適切な左右位置に給送することができる。
【0047】
また、給紙カセット全体を移動させる必要がなく、サイドレジ調整板60の左右位置を調整するだけで済むので、左右位置調整の操作を簡単にできるとともに、調整を高精度に行うことができる。
特に、位置調整用目盛69,70を用いて左右位置調整を行っているので、紙7の左右位置をより一層正確に調整することができる。その場合、位置調整用目盛69,70をサイドレジ調整板60の移動方向両側に設けているので、更に紙7の左右位置をより一層正確に調整することができる。
更に、左右のサイドガイド58,59をラック61a,62a−ピニオン73の連動手段で互いに連動させることで、紙7の左右幅のサイズに応じて簡単に左右幅調整を行うことができる。
なお、前述の例では、本発明の給紙カセットを伸縮カセットに適用しているが、本発明の給紙カセットは従来一般的な伸縮しない給紙カセットにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給紙カセットの実施の形態の一例が用いられている画像形成装置を概略的に示す図である。
【図2】伸張状態のカセットを示し、(a)は上面図、(b)は下面図である。
【図3】短縮状態のカセットを示し、(a)は上面図、(b)は下面図である。
【図4】リフト板とスライド板との連結および連動動作を説明し、(a)は伸張状態での連結を説明する図、(b)は伸張状態での連動動作を説明する図、(c)は短縮状態での連結を説明する図、(d)は短縮状態での連動動作を説明する図である。
【図5】左右レジ調整機構を示し、(a)は上面図、(b)は正面図である、
【図6】左右レジ調整機構のサイドレジ調整板のカセット本体への取付状態を示し、(a)は上面図、(b)はサイドレジ調整板の長手方向に沿う断面図である。
【図7】左右レジ調整機構の動作を説明し、(a)はサイドガイドが最大に開いた状態を示す図、(b)はサイドガイドが最小に開いた状態を示す図、(c)はサイドガイドをロックするロック手段を示す図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、1a…画像形成装置本体、1b…内壁面、1c…カセット挿入引出口、2…露光ユニット、3…現像ユニット、4…像担持体、5…中間転写媒体、6…一次転写ユニット、7…記録媒体(紙)、8…二次転写ユニット、9…給紙装置、10…定着ユニット、11…排紙トレイ、12…第1搬送路、13…第2搬送路、14…第1カセット、15…第2カセット、16…カセット本体、17…カセット延長部、26…リフト板、45…給紙ローラ、57…左右レジ調整機構、58,59…サイドガイド、58a,59a…垂直ガイド部、58b,59b…水平部ガイド部、60…サイドレジ調整板、61,62…ラック部材、61a,62a…ラック、63,64…矩形状孔、65…長孔、66…ビス、67,68…位置決め用指針、69,70…位置調整用目盛、71…長孔、72…ピニオン取付軸、73…ピニオン、74…ビス、75…サイドガイドロック手段、76…ロックレバー、77…ラッチ爪、78…ラッチ歯
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置の給紙装置に用いられ、紙等のシート状の記録媒体を収容する給紙カセットの技術分野に属し、特に、記録媒体の左右位置(給紙方向と直交する方向位置)を調整可能な左右レジ調整機構を有する給紙カセットの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置の給紙装置においては、自動的に紙を転写ユニットに供給するために給紙カセットが用いられている。そして、この従来の給紙カセットには、サイドガイドにより、収容されている紙の左右側縁をガイドしかつこの紙の幅方向の位置を規制するとともに、紙の左右幅サイズに合わせて幅調整可能な幅調整機構を備えた給紙カセットが知られている。
【0003】
従来の幅調整機構を備えた給紙カセットとして、左右一対の側端規制ガイドを給紙カセットの幅方向に対向して立設し、これらの側端規制ガイドを、紙の左右側端を規制する垂直な幅ガイド部と、これらの幅ガイド部の下端にそれぞれ給紙カセットの床面と平行に配設された水平なスライド部とから構成し、これらのスライド部の互いに対向する側端にラックを形成するとともに、これらのラックをともに、給紙カセットに回転自在に軸支されたピニオンに噛合させて構成した給紙カセットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、給紙カセットから転写ユニットに給送されてきた紙の左右位置(給紙方向と直交する方向)が、像担持体上の原稿画像の左右位置からずれていると、原稿画像が紙の正規の位置に転写されなくなるばかりでなく、原稿画像の一部が欠けて紙に転写されてしまうという問題がある。
しかしながら、前述の特許文献1に開示されている給紙カセットの幅調整機構では、紙の左右幅サイズに合わせて幅調整は可能であるものの、左右の側端規制ガイド間の紙の左右位置が調整できず一定であるため、前述のような紙の左右位置の位置ずれによる問題を解決することはできない。
【0005】
一方、前述の紙の左右位置の位置ずれによる問題を解決するために、給紙カセットが装着される画像形成装置本体側に位置決め用部材をその左右位置調整可能に設けるとともに給紙カセットに設けた開口をこの位置決め用部材に嵌合し、位置決め用部材を左右方向に移動してその左右位置を調整することで、給紙カセット全体の左右位置を調整するようにした給紙カセットが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】
特開平11−130273号公報(段落番号[0026]〜[0029]、[図1]、[図5]、[図8]等)
【特許文献2】
実公平7−45475号公報([実施例]、[第11]、[第2図]等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の特許文献2に開示されている給紙カセットでは、給紙カセット全体を移動させて左右位置の調整を行うため、操作が面倒であるばかりでなく、調整を高精度に行うことは難しい。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、記録媒体の左右位置(給紙方向と直交する方向位置)の調整を容易にするとともに、高精度に左右調整を行うことのできる給紙カセットを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、請求項1の発明の給紙カセットは、互いの左右方向の間隔を調整可能に設けられ、記録媒体の左右幅を規制するとともに記録媒体の左右側縁をガイドする左右のサイドガイドと、カセット本体に左右方向に位置調整可能に設けられたサイドレジ調整板と、このサイドレジ調整板に設けられ、前記左右のサイドガイドを互いに逆方向に移動するように連動させる連動手段とを備えていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項2の発明は、サイドレジ調整板に位置決め用指針が設けられるとともに、前記カセット本体に位置調整用目盛が前記位置決め用指針に対応して設けられ、前記位置決め用指針が前記位置調整用目盛に合わされながら、左右のサイドガイドの左右位置が調整されることを特徴としている。
更に、請求項3の発明は、前記位置決め用指針および前記位置調整用目盛がともに前記サイドレジ調整板の左右移動方向に関して両側に設けられていることを特徴としている。
更に、請求項4の発明は、前記連動手段が、前記左右のサイドガイドに設けられたラックと、前記サイドレジ調整板に設けられた、これらのラックに噛合するピニオンとからなることを特徴としている。
【0010】
【発明の作用および効果】
このように構成された本発明の給紙カセットにおいては、サイドレジ調整板がカセット本体に対して左右方向に位置調整されることで、左右のサイドガイドもカセット本体に対して左右方向に位置調整される。これにより、給紙カセットに収容されて左右のサイドガイドでガイドされる記録媒体の左右位置を調整することができる。したがって、記録媒体を適切な左右位置で給紙カセットから給送することができる。
【0011】
また、給紙カセット全体を移動させる必要がなく、サイドレジ調整板の左右位置を調整するだけで済むので、左右位置調整の操作を簡単にできるとともに、調整を高精度に行うことができる。
特に、位置決め用指針位置および調整用目盛を用いて左右位置調整を行うことで、記録媒体の左右位置をより一層正確に調整することができる。その場合、位置決め用指針位置および位置調整用目盛をサイドレジ調整板の左右移動方向に関して両側に設けることで、更に記録媒体の左右位置をより一層正確に調整することができる。
更に、左右のサイドガイドをラック−ピニオンの連動手段で互いに連動させることで、記録媒体の左右幅のサイズに応じて簡単に左右幅調整を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明にかかる給紙カセットの実施の形態の一例を備えている画像形成装置を概略的に示す図である。
【0013】
図1に示すように、この例の画像形成装置1は、概略的には、露光ユニット2、ロータリ式現像装置等の現像ユニット3、露光ユニット2によって露光されて静電潜像が形成されるとともにこの静電潜像が現像ユニット3からのトナーによって現像されてトナー像が形成される像担持体4、無端状の転写ベルトからなる中間転写媒体5、像担持体4上のトナー像を中間転写媒体5に一次転写する一次転写ユニット6、中間転写媒体5上に一次転写されたトナー像を紙等の記録媒体(以下、説明の便宜上紙を例に説明する)7に二次転写する二次転写ユニット8、収容された紙7を二次転写ユニット8に給送する給紙装置9、紙7に二次転写されたトナー像を定着する定着ユニット10、および定着ユニット10で定着されて所定の画像が形成された紙7を収容する排紙トレイ11からなっている。
その場合、画像形成装置1には、紙7が給紙装置9から二次転写ユニット8および定着ユニット10を介して排紙トレイ11に搬送する第1搬送路12と、両面画像形成のために、定着ユニット10から排出されかつ片面に定着画像が形成された紙7を他面に二次転写可能に反転して再び二次転写ユニット8に搬送する第2搬送路13とが設定されている。
【0014】
給紙装置9は、紙7をそれぞれ収容する2個の第1および第2カセット14,15を備えており、これらの第1および第2カセット14,15は上下2段に配置されている。そして、第1および第2カセット14,15は、いずれも図1において画像形成装置本体1aに右方から挿入されて装着されるとともに、画像形成装置本体1aから右方へ引き出されて取り外されるようになっている。また、第1および第2カセット14,15は、いずれも図1に実線で示す短縮した状態と図1に二点差線で示す伸張した状態との間で伸縮可能な伸縮カセットとして形成されている。
【0015】
なお、本発明では、カセットはこれらの2つに限定されるものではなく、1つ以上任意の数だけ設けることができる。複数個のカセットを設ける場合は、それらのカセットは上下複数段に配置される。その場合、画像形成装置本体1aに所望の複数個のカセットを最初からその所望の個数に固定して設けることもできるし、また、画像形成装置本体1aに所定数のカセットを配設し、その後に更に1個以上の所望の数だけ増設することもできる。この説明では、説明の便宜上、画像形成装置1が2個の第1および第2カセット14,15を備えているものとする。第1カセット14は画像形成装置本体1aに最初から設けられる本体カセットであり,また、第2カセット15は第1カセット14の下に増設した増設カセットである。その場合、本発明では、第2カセット15が装着される本体増設部も画像形成装置本体1aとする。
【0016】
第1および第2カセット14,15は、それらの深さが異なるだけで、基本的な構成は実質的に互いに同じである。したがって、増設カセットである第2カセット15について説明し、第1カセット14の説明は省略する。
図2は伸張した状態の第2カセット15を示し、(a)は上面図、(b)は下面図であり、また、図3は短縮した状態の第2カセット15を示し、(a)は上面図、(b)は下面図である。
【0017】
図2(a),(b)および図3(a),(b)に示すように、第2カセット15は、カセット本体16と、カセット延長部17とから構成されている。カセット本体16は、底部16aと、この底部16aの左右両サイドにそれぞれ立設された左右側壁16b,16cと、底部16aの前側(図1において画像形成装置1の右側;図2において下側)に立設された前壁16dとを有している。左側壁16bは所定の間隙をおいて配置される二重側壁からなっている。図示しないが、右側壁16cも左側壁16bと同形状に形成されており、この右側壁16cの場合は左側壁16bの形状と左右対称にされている。
また、カセット延長部17は、底部17aと、この底部17aの左右両サイドにそれぞれ立設された左右側壁17b,17cと、底部17aの後側(画像形成装置1の奥側;図2において上側)に立設された後壁17dとを有している。
そして、カセット延長部17の左右側壁17b,17cがそれぞれカセット本体16の対応する左右側壁16b,16cの間隙内に摺動可能に挿入されあるいはこの間隙から引き出されることにより、カセット延長部17がカセット本体16に対して相対移動することで縮小あるいは伸張可能に設けられる。
【0018】
更に、図2(a)および図3(a)に示すようにカセット本体16の後端部には、左右一対のロックレバー18,19がそれぞれ左右方向に移動可能に設けられている。これらのロックレバー18,19は、カセット本体16とカセット延長部17とを伸張状態および短縮状態で互いに相対移動不能にロックするものである。
【0019】
図2(a)に示すように、左側のロックレバー18のロック用突起21が、カセット延長部17に設けられた左側のロック用溝17g,17gに選択的に嵌合可能となっており、また、右側のロックレバー19のロック用突起21が、カセット延長部17に設けられた右側のロック用溝17h,17iに選択的に嵌合可能となっている。
【0020】
図1、図2(a)および図3(a)に示すように、カセット本体16には、紙7の前端を上方に押し上げる金属製のリフト板26が設けられている。リフト板26の後端側の左右側縁には、左右の回動アーム27,28が上方に突出して設けられている。図2(a)に示すように、各回動アーム27,28は、それぞれカセット本体16の左右側壁16b,16cに左右の回転軸29a,29bを中心に回動可能に支持されている。そして、図示しない板ばね(本発明の弾性付勢手段に相当)により、リフト板26は常時起き上がり方向に付勢されている。
【0021】
一方、図2(a)に示すようにカセット延長部17には、その左右中心位置に金属製のスライド板30がカセット延長部17の長手方向(前後方向)に延びる左右のガイド31,32に沿ってスライド可能に設けられている。その場合、図2(a),(b)および図3(a),(b)に示すようにカセット延長部17とスライド板30との間に圧縮ばね33が縮設されており、この圧縮ばね33のばね力により、スライド板30が常時後方に付勢されている。
【0022】
このスライド板30の左右中心位置には、紙7の後端を支持する後端ガイド34がカセット延長部17の長手方向に沿って移動可能に立設されている。この後端ガイド34はセット延長部17の長手方向(前後方向)の任意の位置に調整され可能に位置決めされている。その場合、その位置決め機構は従来の給紙カセットに設けられている後端ガイドの位置決め機構と同じ機構を用いることができるので、その説明は省略する。
【0023】
図2(a)および図3(a)に示すように、リフト板26とスライド板30とは左右の連結部材39,40で連結されている。
そして、図4(a)ないし(d)に示すようにリフト板26の繋合用フック43がそれぞれ対応する左右の連結部材39,40のリフト板繋合部41に常時繋合されている。その場合、繋合用フック43とリフト板繋合部41は、連結部材39,40がリフト板26に対して左右方向に相対的に移動可能に繋合される。また、図2(a)および図3(a)に示すように、左右の連結部材39,40のスライド板繋合部42は、スライド板30のアーム30a,30b,30c,30dにそれぞれ設けられた、対応する繋合用溝37,38(図にはアーム30a,30bの繋合用溝は示されていない)に選択的に嵌脱可能になっている(この嵌脱動作については後述する)。その場合、各スライド板繋合部42が対応する繋合用溝内に嵌合することにより、スライド板30と連結部材39,40とが互いに繋合するようになる。
【0024】
このように、スライド板30と連結部材39,40とが互いに繋合することで、リフト板26とスライド板30とが連結部材39,40を介して互いに連結される。これにより、リフト板26の起伏回動に連動して、スライド板30が前後移動するようになっている。
【0025】
したがって、図4(a)ないし(d)に示すように、第2カセット15が伸張状態および短縮状態のいずれであっても、各連結部材39,40の各スライド板繋合部42が対応する繋合用溝37,38内に嵌合した状態で、リフト板26が伏せ方向に回動してカセット本体16の底部16aとほぼ平行な実線で示す伏せ位置にあるときは、スライド板30はこのリフト板26の伏せ方向の回動に連動して後方へ移動して、カセット延長部17の後壁17dに当接する最も後方位置に保持される。
【0026】
また、リフト板26とスライド板30とが連結部材39,40を介して互いに連結されたとき、前述のように圧縮ばね33のばね力でスライド板30が常時後方へ付勢されているので、リフト板26は圧縮ばね33のばね力により伏せ方向に付勢される。しかし、前述したリフト板26を起き上がり方向に付勢する付勢力がこの圧縮ばね33のばね力によるリフト板26の付勢力より大きいので、リフト板26は起き上がり方向に付勢されるようになっている。
【0027】
図4(b)および(d)に示すように、リフト板26が伏せ位置から、リフト板26の起き上がり方向の回動により二点差線で示すように起き上がったとき、リフト板26の後端が前方(これらの図において、右方)に移動すると、繋合用フック43がリフト板繋合部41に繋合していることから、連結部材39,40も、このリフト板26の後端の前方移動に連動して前方へ移動する。そして、図1に示すようにリフト板26の前端部に設けられたパッド44が画像形成装置本体1aに設けられた給紙ローラ45に当接することで、リフト板26の起き上がり方向の回動が停止する。なお、紙7が第2カセット15内にセットされてリフト板26の上にあるときは、最上位置の紙7の前端部が給紙ローラ45に当接することで、リフト板26の起き上がり方向の回動が停止することは言うまでもない。図4(a)ないし(d)には、右側の連結部材40のみが示されている。
【0028】
この連結部材39,40の前方移動により、スライド板30および後端ガイド34が、ともに実線で示す位置から二点差線で示す位置の方へカセット本体16およびカセット延長部17に対して相対的に前方へ移動するようになる。このように、リフト板26の起き上がり方向への回動に連動して、後端ガイド34が前方へ移動することにより、第2カセット15内に収容されている紙7で最上位置の紙7の前端部が後ずさりして位置ずれすることなく給紙ローラ45に確実に捕獲されて、この給紙ローラ45により最上位置の紙7から順に二次転写ユニット8の方へ給送されるようにしている。
【0029】
図2(a)および(b)に示すように、左側の連結部材39は左側のロックレバー18に前後方向に相対的に摺動可能に一体に設けられている。その場合、ロックレバー18はロック動作方向(カセット本体16の左右方向)に移動するようになるが、このロックレバー18の移動時には、連結部材39もロックレバー18と一体に同方向に移動するようになる。また、連結部材39は前述のようにリフト板26の起伏運動に連動してスライド動作方向に移動するが、この連結部材39のスライド動作方向の移動時にはロックレバー18は移動しなく、連結部材39のみが移動するようになる。
【0030】
また、右側の連結部材40も左側の連結部材39の場合と同様に右側のロックレバー19に設けられるとともに、これらのロックレバー19の動作および連結部材40も左側のロックレバー18および連結部材39の動作の場合と同様に動作するようになる。その場合、右側のロックレバー19および連結部材40のロック動作方向は左側のロックレバー18および連結部材39のロック動作方向と左右対称となる。
【0031】
次に、ロックレバー18,19によるカセット本体16とカセット延長部17のロック動作およびロック解除動作と、連結部材39,40によるリフト板26とスライド板30の連結動作および連結解除動作について説明する。
図3(a)および(b)に示すように、第2カセット15が最小に短縮された状態では、カセット延長部17の底部17aの大部分およびスライド板30の大部分がカセット本体16の底部26の下に位置する。このとき、左側のロック用溝17fが左側のロックレバー18のロック用突起21に対向するとともに、右側のロック用溝17hが右側のロックレバー19のロック用突起21に対向する。そして、左側のロックレバー18がロック解除位置から右方向に移動されて、そのロック用突起21が左側のロック用溝17fに嵌合するとともに、右側のロックレバー19が左方向に移動されてそのロック用突起21が右側のロック用溝17hに嵌合することにより、カセット延長部17がカセット本体16に対してロックされ、第2カセット15の短縮状態が保持される。
【0032】
このようにカセット延長部17がカセット本体16に対してロックされた状態では、左側の連結部材39のスライド板繋合部42がスライド板30の溝38に嵌合するとともに、右側の連結部材40のスライド板繋合部42がスライド板30の溝37に嵌合する。したがって、左右の連結部材39,40がスライド板30に連結し、その結果、リフト板26とスライド板30とがスライド板30を介して連結されている。これにより、図4(d)に示すように第2カセット15が短縮された状態で、スライド板30がリフト板26の起伏回動に連動して前後方向に移動可能となる。また、このようにして、ロックレバー18,19によるロック動作と連結部材39,40による連結動作とが互いに連動して行われる。
【0033】
第2カセット15を伸張させるために、左側のロックレバー18がロック状態から左方向に移動されるとともに右側のロックレバー19が右方向に移動される。これにより、左側のロック用突起21が左側のロック用溝17fから離脱するとともに、右側のロック用突起が右側のロック用溝17hから離脱すると、カセット延長部17がカセット本体16に対してロック解除され、第2カセット15の伸張可能な状態となる。
【0034】
このように左右のロックレバー18,19が移動されて各ロック用突起が各ロック用溝から離脱した状態では、左右の連結部材39,40も左右のロックレバー18,19と一体に移動するので、左右の連結部材39,40のスライド板繋合部42がスライド板30の溝38,37から離脱する。したがって、スライド板30は左右の連結部材39,40から連結解除されて連結部材39,40およびリフト板26に対して前後方向に相対移動可能となる。この状態で、カセット延長部17がカセット本体16から引き出されることで、第2カセット15が伸張される。また、このようにして、ロックレバー18,19によるロック解除動作と連結部材39,40による連結解除動作とが互いに連動して行われる。
【0035】
図2(a)および(b)に示すように、第2カセット15が最大に伸張された状態では、カセット延長部17の底部17aの大部分およびスライド板30の大部分がカセット本体16の底部26から突出する。このとき、左側のロック用溝17gが左側のロックレバー18のロック用突起21に対向するとともに、右側のロック用溝17iが右側のロックレバー19のロック用突起21に対向する。そして、左側のロックレバー18が右方向に移動されて、そのロック用突起21が左側のロック用溝17gに嵌合するとともに、右側のロックレバー19が左方向に移動されてそのロック用突起21が右側のロック用溝17iに嵌合することにより、カセット延長部17がカセット本体16に対してロックされ、第2カセット15の伸張状態が保持される。
【0036】
カセット延長部17がカセット本体16に対してロックされた状態では、左側の連結部材39のスライド板繋合部42がスライド板30のアーム30bの溝に嵌合するとともに、右側の連結部材40のスライド板繋合部42がスライド板30のアーム30aの溝に嵌合する。したがって、左右の連結部材39,40がスライド板30に連結され、その結果、リフト板26とスライド板30とがスライド板30を介して連結される。これにより、図4(b)に示すように第2カセット15が伸張された状態で、スライド板30がリフト板26の起伏回動に連動して前後方向に移動可能となる。
【0037】
図2(a),(b)および図3(a),(b)に示すように、カセット本体16には、紙7の左右側縁をガイドしかつこの紙7の幅方向の位置を規制するとともに、紙7の左右幅サイズに合わせて幅調整可能であり、更に、紙7の左右位置を調整可能な左右レジ調整機構57が設けられている。図5(a)および(b)に示すように、この左右レジ調整機構57は、左右のL字状のサイドガイド58,59とサイドレジ調整板60とを備えている。
【0038】
左右のサイドガイド58,59は互いに左右対称に形成されており、それぞれ紙7の左右側縁をガイドする垂直ガイド部58a,59aと、サイドガイド58,59を左右方向にガイドする水平部ガイド部58b,59bとを有している。また、左右の水平部ガイド部58b,59bには、それぞれラック61a,62aを有するラック部材61,62が左右方向に延びるように取り付けられている。このとき、左右のラック61a,62aは互いに対向するようにして配置されている。サイドガイド58,59はカセット本体16に対して左右方向に相対移動可能に設けられている。
【0039】
図6(a)および(b)に示すように、サイドレジ調整板60はカセット本体16の底部16aに、このカセット本体16に対して左右方向に位置調整可能に設けられる。すなわち、サイドレジ調整板60がカセット本体16の底部16aに、このカセット本体16に対して左右方向に相対移動可能に設けられている。その場合、サイドレジ調整板60はカセット本体16に形成された左右方向のガイド溝(不図示)に沿って移動するようにすることで、サイドレジ調整板60の左右方向の移動をより正確に行うことができる。また、サイドレジ調整板60の中央部分60aがカセット本体16の底部16aの下に位置されているとともに、サイドレジ調整板60の左右端部60b,60cがそれぞれクランク状に折曲されかつ底部16aに穿設された矩形状孔63,64を貫通して底部16aの上面に位置されている。
【0040】
また、カセット本体16の底部16aの右側には、左右方向に延びる長孔65が穿設されている。この長孔65にビス66を貫通させて図5(a)に示すサイドレジ調整板60のビス孔60dに螺合締結することで、サイドレジ調整板60はカセット本体16の底部16aにワッシャを介して固定されている。更に、サイドレジ調整板60の右端部60cには、位置決め用指針67,68が設けられているとともに、底部16aの上面の位置決め用指針67,68に対応する位置に、それぞれ1目盛りが所定の距離(例えば、1mm等)に刻まれた一対の位置調整用目盛69,70がそれぞれ形成されている。
【0041】
そして、ビス66を弛めた状態で、サイドレジ調整板60がカセット本体16に対して左右方向に相対移動され、位置決め用指針67,68が位置調整用目盛69,70の所望の位置に合わせられる。その後、ビス66を締めることで、サイドレジ調整板60がカセット本体16に対して左右方向に位置調整されて固定される。このように、位置調整用目盛69,70を用いてサイドレジ調整板60を左右方向に移動させることで、サイドレジ調整板60の左右方向の位置を正確に調整することができるようになる。
【0042】
更に、図6(a)および(b)に示すように、底部16aには、左右方向に延びる長孔71が穿設されている。サイドレジ調整板60の中央部分60aに立設されたピニオン取付軸72がこの長孔71を貫通して底部16aより上方に突出している。図5(a)および(b)に示すように、このピニオン取付軸72にはピニオン73がビス74により回転可能に取り付けられている。このピニオン73には、左右のラック部材61,62のラック61a,62aがともに噛合されている。これらのピニオン73とラック61a,62aとの噛合により、左右のサイドガイド58,59の左右方向に移動は互いに連動して互いに左右逆方向となる。したがって、ピニオン73とラック61a,62aとにより、左右のサイドガイド58,59を互いに連動させる本発明の連動手段が構成されている。
【0043】
そして、左右のサイドガイド58,59が互いに離隔するように左右方向に移動され、図7(a)に示すようにラック61a,62aが終了してそれ以上離隔方向に移動できなくなったとき、左右のサイドガイド58,59は左右方向に最大に開いた最大開き状態となる。また、左右のサイドガイド58,59が互いに接近するように左右方向に移動され、図7(b)に示すように左右の水平部ガイド部58b,59bの対向端が当接したとき、左右のサイドガイド58,59は左右方向に最小に開いた最小開き状態となる。このように左右のサイドガイド58,59が最大開き状態と最小開き状態との間で任意に移動できることから、左右のサイドガイド58,59は収容される紙7の左右幅に応じた間隔に調整可能となる。
【0044】
更に、図5(a)および(b)に示すように左側のサイドガイド58には、サイドガイドロック手段75が設けられている。このサイドガイドロック手段75は、左右のサイドガイド58,59の間隔が紙7の左右幅に応じて調整された位置にこれらのサイドガイド58,59をロックするようになっている。
図7(c)に示すように、サイドガイドロック手段75は、左側のサイドガイド58の垂直ガイド部58aに回動可能に設けられたロックレバー76を備えている。このロックレバー76の下端には、ラッチ爪77が形成されている。ロックレバー76は、図示しないばねにより図7(c)において反時計方向に回動するように常時付勢されている。また、図7(c)、図2(a)および図3(a)に示すように、カセット本体16の底部16aの上面には、ラッチ爪77が係合するラッチ歯78が形成されている。
【0045】
したがって、ロックレバー76が図7(c)に点線で示すように時計方向に回動されることでラッチ爪77がラッチ歯78から外れ、この状態で左右のサイドガイド58,59が左右方向に移動されてそれらの間隔が紙7の左右幅に応じて調整された後、ロックレバー76が解放されて図7(c)に実線で示すように反時計方向に回動されることでラッチ爪77がラッチ歯78に係合されて、左右のサイドガイド58,59が調整された位置にロックされる。
【0046】
このように、左右のサイドガイド58,59が紙7の左右幅に応じた間隔に調整されることにより、左右のサイドガイド58,59は収容される紙7の左右側縁を適切にガイドするようになる。
更に、前述のようにサイドレジ調整板60がカセット本体16に対して左右方向に位置調整されることで、左右のサイドガイド58,59もカセット本体16に対して左右方向に位置調整される。これにより、第2カセット15に収容された紙7の左右位置が調整されて、紙7を二次転写ユニット8に対して適切な左右位置に給送することができる。
【0047】
また、給紙カセット全体を移動させる必要がなく、サイドレジ調整板60の左右位置を調整するだけで済むので、左右位置調整の操作を簡単にできるとともに、調整を高精度に行うことができる。
特に、位置調整用目盛69,70を用いて左右位置調整を行っているので、紙7の左右位置をより一層正確に調整することができる。その場合、位置調整用目盛69,70をサイドレジ調整板60の移動方向両側に設けているので、更に紙7の左右位置をより一層正確に調整することができる。
更に、左右のサイドガイド58,59をラック61a,62a−ピニオン73の連動手段で互いに連動させることで、紙7の左右幅のサイズに応じて簡単に左右幅調整を行うことができる。
なお、前述の例では、本発明の給紙カセットを伸縮カセットに適用しているが、本発明の給紙カセットは従来一般的な伸縮しない給紙カセットにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給紙カセットの実施の形態の一例が用いられている画像形成装置を概略的に示す図である。
【図2】伸張状態のカセットを示し、(a)は上面図、(b)は下面図である。
【図3】短縮状態のカセットを示し、(a)は上面図、(b)は下面図である。
【図4】リフト板とスライド板との連結および連動動作を説明し、(a)は伸張状態での連結を説明する図、(b)は伸張状態での連動動作を説明する図、(c)は短縮状態での連結を説明する図、(d)は短縮状態での連動動作を説明する図である。
【図5】左右レジ調整機構を示し、(a)は上面図、(b)は正面図である、
【図6】左右レジ調整機構のサイドレジ調整板のカセット本体への取付状態を示し、(a)は上面図、(b)はサイドレジ調整板の長手方向に沿う断面図である。
【図7】左右レジ調整機構の動作を説明し、(a)はサイドガイドが最大に開いた状態を示す図、(b)はサイドガイドが最小に開いた状態を示す図、(c)はサイドガイドをロックするロック手段を示す図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、1a…画像形成装置本体、1b…内壁面、1c…カセット挿入引出口、2…露光ユニット、3…現像ユニット、4…像担持体、5…中間転写媒体、6…一次転写ユニット、7…記録媒体(紙)、8…二次転写ユニット、9…給紙装置、10…定着ユニット、11…排紙トレイ、12…第1搬送路、13…第2搬送路、14…第1カセット、15…第2カセット、16…カセット本体、17…カセット延長部、26…リフト板、45…給紙ローラ、57…左右レジ調整機構、58,59…サイドガイド、58a,59a…垂直ガイド部、58b,59b…水平部ガイド部、60…サイドレジ調整板、61,62…ラック部材、61a,62a…ラック、63,64…矩形状孔、65…長孔、66…ビス、67,68…位置決め用指針、69,70…位置調整用目盛、71…長孔、72…ピニオン取付軸、73…ピニオン、74…ビス、75…サイドガイドロック手段、76…ロックレバー、77…ラッチ爪、78…ラッチ歯
Claims (4)
- 互いの左右方向の間隔を調整可能に設けられ、記録媒体の左右幅を規制するとともに記録媒体の左右側縁をガイドする左右のサイドガイドと、カセット本体に左右方向に位置調整可能に設けられたサイドレジ調整板と、このサイドレジ調整板に設けられ、前記左右のサイドガイドを互いに逆方向に移動するように連動させる連動手段とを備えていることを特徴とする給紙カセット。
- サイドレジ調整板に位置決め用指針が設けられるとともに、前記カセット本体に位置調整用目盛が前記位置決め用指針に対応して設けられ、前記位置決め用指針が前記位置調整用目盛に合わされながら、左右のサイドガイドの左右位置が調整されることを特徴とする請求項1記載の給紙カセット。
- 前記位置決め用指針および前記位置調整用目盛がともに前記サイドレジ調整板の左右移動方向に関して両側に設けられていることを特徴とする請求項2記載の給紙カセット。
- 前記連動手段は、前記左右のサイドガイドに設けられたラックと、前記サイドレジ調整板に設けられた、これらのラックに噛合するピニオンとからなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1記載の給紙カセット。
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