JP2004322979A - 建設機械の後方監視装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】旋回、走行用操作レバーの操作と連動して監視カメラの旋回を可能とし、上部旋回体の旋回方向によって監視カメラの旋回方向の切換を可能し、操作レバーの操作とは無関係に監視カメラを操作ができ、監視カメラの揺動も可能として、多様で広範囲な後方監視を行う。
【解決手段】方向切換弁のパイロット制御部とリモコン弁を繋ぐ管路に圧力スイッチを配設し、制御装置に監視カメラを旋回させるモータ駆動装置接続し、操作レバーの操作に連動して監視カメラの旋回を可能とした。また、上部旋回体の旋回方向と反対方向に監視カメラが所定角度旋回するように制御し、旋回方向と反対側の後方視界の確保及び上部旋回体の旋回方向と同一方向に監視カメラが所定角度旋回するように制御し、旋回方向側の後方視界の確保を可能とし、操作レバーの操作とは無関係に監視カメラの旋回を可能とする選択手段を設け、運転室から監視カメラの揺動も可能にした。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械の後方監視装置に関するものであり、特に、監視カメラによる多様、かつ、広範囲な後方監視装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、油圧ショベル等の建設機械においては、旋回時又は後進時の後方の安全の確保をホーン等の旋回警報及びバックブザーで行っていた。しかし、この旋回警報及びバックブザーは建設機械の周囲にいる人に対し、旋回又は後進することを知らしめるものであり、建設機械のオペレータは旋回警報又はバックブザーにより周囲にいる人が当然に建設機械から離れ、安全が確保されるものとして、旋回又は後進の動作を開始する。一方、障害物の場合は視覚により障害物の有無を確認する必要があり、油圧ショベル等の建設機械の側方にある障害物はサイドミラー等で確認できるが、後方にある障害物の確認は困難である。
【0003】
そこで、近年油圧ショベル等の建設機械の後部に監視カメラを取り付け、運転室内のモニターで後方の安全を確認できる後方監視装置が出現してきた(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−294762号公報(第2〜第4頁、図1、図5及び図7)
【特許文献2】
特開平10−140619号公報(第2〜第4頁、図1〜図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1記載の建設機械の監視カメラ装置は、油圧ショベルの動作状況を監視する複数の監視カメラ(例えば、前方監視カメラと車体後方の障害物等を監視する後方監視カメラ)を設けると共に特定の監視カメラ(例えば、後方監視カメラ)による映像に自動的に切り換える切換手段を設け、運転室内に設けたディスプレイに映像を切換表示可能にし、更に、走行操作が検出されたときにディスプレイ上の表示映像を後方監視カメラによる映像に自動的に切り換えるようにしたもので、具体的には走行レバーが操作されると走行用のリモートコントロール弁を介してパイロット圧が圧力スイッチに作用し、該圧力スイッチから出力される走行検出信号が前方監視カメラと後方監視カメラからの映像信号を切り換える切換回路(切換手段)に導かれるようにしたもので、上部旋回体の旋回方向によって監視カメラの旋回方向を変える手段についての記載及び監視カメラの旋回又は揺動についての記載はなく、操作レバーの操作と監視カメラの旋回又は揺動との関係については一切開示されていない。一方、特許文献2には、車体後部のカウンタウエイト内に監視カメラを旋回可能に設置し、1台の監視カメラで車体後部若しくは側方部を撮し、その映像を運転室内のディスプレイモニター装置に表示し得るようにした油圧ショベルの後方監視装置が開示されているが、この特許文献2に開示されている後方監視装置は、監視カメラが旋回後端半径から突出しないようにカウンタウエイトの後面部もしくは側面部の少なくとも一方に切り欠き開口を設け、該切り欠き部の内部に監視カメラを設けたもので、監視カメラを旋回可能に設けているものの、監視カメラの揺動に関する記載は一切なく、また、上部旋回体の旋回方向によって監視カメラの旋回方向を変える手段についての記載も一切ない。その結果、特許文献1及び特許文献2に開示されている発明は、監視カメラによる多様かつ広範囲な後方監視が困難であり、後方監視装置としては十分機能を果たしているとは言えず、問題があった。
【0006】
そこで、旋回又は走行用操作レバーの操作と連動して監視カメラの旋回及び撮影を可能とすると共に上部旋回体の旋回方向によって監視カメラの旋回方向の切換を可能とすること、及び、操作レバーの操作とは無関係に監視カメラによる撮影を可能とすること、更に、監視カメラの揺動も可能とすることにより、多様かつ広範囲な後方監視を行うべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、下部走行体上に上部旋回体を旋回可能に装架し、該上部旋回体の前部一側に運転室を、また、後部にカウンタウエイトを設け、該カウンタウエイトに装着した監視カメラと運転室に設けたモニターをケーブルで接続した建設機械において、アクチュエータに圧油を供給する方向切換弁のパイロット制御部と該方向切換弁のパイロット制御部にパイロット圧を導出するリモコン弁を繋ぐパイロット管路から分岐した管路に圧力スイッチを配設し、該圧力スイッチを制御装置に接続すると共に該制御装置に監視カメラを旋回させる電気モータを駆動するモータ駆動装置及び監視カメラを接続し、前記リモコン弁を切り換える操作レバーの操作に連動して監視カメラの旋回及び撮影を可能とした建設機械の後方監視装置である。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、上部旋回体の旋回方向と反対方向に監視カメラが所定角度旋回するように制御装置で制御し、旋回方向と反対側の後方視界を確保するようにした建設機械の後方監視装置であり、請求項3記載の発明は、上部旋回体の旋回方向と同一方向に監視カメラが所定角度旋回するように制御装置で制御し、旋回方向側の後方視界を確保するようにした建設機械の後方監視装置である。
【0009】
また、請求項4記載の発明は、操作レバーの操作とは無関係に監視カメラの旋回及び撮影を可能にすると共に、監視カメラの旋回方向を選択できる選択手段を制御装置に接続した建設機械の後方監視装置であり、請求項5記載の発明は、監視カメラを台座を介してカウンタウエイトに揺動可能に取り付けた建設機械の後方監視装置である。そして、請求項6記載の発明は、台座にプシュプルケーブルの一端を接続し、該プシュプルケーブルを運転室に延設し、運転室から監視カメラの揺動を可能とした建設機械の後方監視装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施の形態を図1乃至図5に従って詳述する。図1は本発明に係る後方監視装置を採用した油圧ショベル全体側面図であり、図2は本発明の実施形態に係る後方監視装置の電気・油圧回路図である。図3aは本発明の実施形態に係る監視カメラの取付側面図、図3bは本発明の実施形態に係る監視カメラの取付平面図を示す。そして図4は本発明の実施形態に係る監視カメラの揺動(俯動)状態を示す図であり、図5は本発明の実施形態に係る監視カメラのケーブル配線図である。
【0011】
図1において、1は下部走行体であり、該下部走行体1の上には上部旋回体2が装架され、該上部旋回体2の前部中央にはアタッチメント3が俯仰動可能に装着され、また、上部旋回体2の前部一側には運転室4が載置され、そして上部旋回体2の後部にはカウンタウエイト5が取り付けられている。
【0012】
図2において、主油圧ポンプ6は方向切換弁7を介して油圧モータ8に接続されている。また、方向切換弁7のパイロット制御部7a、7bは夫々操作レバー9aにより操作されるリモコン弁9を介してパイロットポンプ10に接続されている。該リモコン弁9と方向切換弁7のパイロット制御部7a、7bを接続するパイロット管路11a、11bから分岐した分岐管路12a、12bに圧力スイッチ13a、13bを設け、該圧力スイッチ13a、13bを夫々制御装置14に接続し、更に、該制御装置14にはモータ駆動装置15が接続され、該モータ駆動装置15には監視カメラ16を旋回駆動する電気モータ17が接続されている。そして、監視カメラ16は前記制御装置14に接続されると共に運転室4に設けたモニター18にケーブルにより接続され、前記制御装置14には前記リモコン弁9を切り換える操作レバー9aの操作に連動して前記監視カメラ16の旋回及び撮影を可能とするか又は操作レバー9aの操作とは無関係に前記監視カメラ16の旋回及び撮影を可能とするかの何れかを選択できる選択手段19が接続されている。尚、該選択手段19によって前記監視カメラ16の旋回方向を切り換えることができるようにもなっている。
【0013】
図3a及び図3bにおいて、カウンタウエイト5の上にブラケット20を構成する水平部材20aが固設され、該水平部材20aに垂直部材20b、20bを立設し、該垂直部材20b、20bに電気モータ17を取り付ける台座21をピン22、22により揺動可能に枢着している。そして電気モータ17の出力軸17aには監視カメラ16が旋回可能に取り付けられている。また、前記ブラケット20の垂直部材20b、20bの間には電気モータ17の下方で干渉しない位置にローラ20cが回転可能に取り付けられ、前記台座21の一角に一端が固設されたプシュプルケーブル23を該ローラ20cに当接させ、更に、前記ブラケット20の水平部材20aに立設した部材20dにプシュプルケーブル23の外層部分23aを固定して、台座21の揺動をスムースに行うことができるようにしている。
【0014】
図4は、プシュプルケーブル23を引っ張って前記台座21を揺動させ、監視カメラ16を斜め下向きにしたものである。
【0015】
図5は、前記監視カメラ16及び電気モータ17を取り付けた台座21に一端を取り付けたプシュプルケーブル23の配線及び前記監視カメラ16と運転室4に設けたモニター18を繋ぐ配線を示したもので、プシュプルケーブル23は前記運転室4に設けたコントロールスタンド24にプシュプルケーブル23の外層部分23aが固定され、該プシュプルケーブル23の他端はレバー25により上下方向に摺動可能に取り付けられている。
【0016】
次に本発明の作用を説明する。
請求項1記載の発明において、操作レバー9aを操作すると、パイロットポンプ10のパイロット圧はリモコン弁9を介して方向切換弁7のパイロット制御部7a、7bの何れか一方に導かれ、その結果方向制御弁7が切り換えられ、主油圧ポンプ6の圧油が旋回又は走行用油圧モータ8に導出される。一方、前記リモコン弁9を介してパイロット管路11a、11bに流入したパイロットポンプ10からのパイロット圧は分岐管路12a、12bにも導かれ、圧力スイッチ13a、13bを作動させる。そして、該圧力スイッチ13a、13bの信号が制御装置14に導かれ、該制御装置14からモータ駆動装置15に電気モータ17を駆動させる信号が出力されると共に監視カメラ16に信号が導出され、該監視カメラ16は旋回し、撮影を開始する。そして該監視カメラ16が撮影した映像がモニター18に送信される。その結果、オペレータが操作レバー9aを操作するだけで監視カメラ16が撮影した油圧ショベル等の建設機械後方の映像を運転室に設けたモニター18に映し出すことができる。
【0017】
次に、請求項2記載の発明においては、請求項1記載の発明と同様操作レバー9aの操作に連動して前記監視カメラ16の旋回及び撮影を可能としたものであるが、前記上部旋回体2の旋回方向と反対方向に前記監視カメラ16を所定角度旋回させるように前記制御装置14により制御するようにしたので、旋回方向と反対側、すなわち、アタッチメント3及び運転室4が接近する側のカウンタウエイト5の斜め後方が撮影され、モニター18に写し出される。そのため、障害物とアタッチメント3との干渉、衝突を未然に防止できる。
【0018】
また、請求項3記載の発明においては、請求項2記載の発明とは逆に、上部旋回体2の旋回方向と同一方向に前記監視カメラ16を所定角度旋回させるように前記制御装置14により制御するようにしたので、旋回方向側、すなわち、上部旋回体2に取付けられたカウンタウエイト5が接近する側の斜め後方が撮影され、モニター18に写し出される。そのため、障害物とカウンタウエイト5との干渉、衝突を未然に防止できる。
【0019】
そして、請求項4記載の発明においては、選択手段19により前記操作レバー9aの操作に連動して監視カメラ16による撮影を可能とするか又は操作レバー9aの操作とは無関係に監視カメラ16による撮影を可能とするかの何れかを選択でき、多様な後方監視を行うことができる。
【0020】
更に、請求項5及び6記載の発明により運転室から監視カメラ16の揺動を可能とし、レバー25を上方に引くと外層部分23aで覆われたプシュプルケーブル23が引っ張られ、前記電気モータ17及び監視カメラ16を取り付けた台座21がピン22を支点として揺動し、監視カメラ16は下向きに俯動する。一方、レバー25を押し下げると前記プシュプルケーブル23は押され、前記台座21を揺動し、監視カメラ16は上向きに仰動するため、広範囲な後方監視を行うことができる。
【0021】
本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0022】
【発明の効果】
この発明は、上記一実施形態に於いて詳述した構成により、操作レバーの操作に連動して監視カメラの旋回及び撮影を可能にすると共に、操作レバーの操作とは無関係に監視カメラの旋回及び撮影を可能とし、かつ、監視カメラの旋回方向を選択できる選択手段を設けたので、より多様な後方監視が可能となり、また、監視カメラの揺動を運転室からできるようにしたので、より広範囲な後方監視が可能となり、旋回、走行時の安全を容易に確保できる等きわめて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る後方監視装置を採用した油圧ショベル全体側面図。
【図2】本発明の実施形態に係る後方監視装置の電気・油圧回路図。
【図3】(a)本発明の実施形態に係る監視カメラの取付側面図。
(b)本発明の実施形態に係る監視カメラの取付平面図。
【図4】本発明の実施形態に係る監視カメラの揺動(俯動)状態を示す図。
【図5】本発明の実施形態に係る監視カメラのケーブル配線図。
【符号の説明】
4 運転室
5 カウンタウエイト
9 リモコン弁
9a 操作レバー
11a、11b パイロット管路
12a、12b 分岐管路
13a、13b 圧力スイッチ
14 制御装置
15 モータ駆動装置
16 監視カメラ
17 電気モータ
18 モニター
19 選択手段
20 ブラケット
21 台座
22 ピン
23 プシュプルケーブル
24 コントロールスタンド
25 レバー

Claims (6)

  1. 下部走行体上に上部旋回体を旋回可能に装架し、該上部旋回体の前部一側に運転室を、また、後部にカウンタウエイトを設け、該カウンタウエイトに装着した監視カメラと前記運転室に設けたモニターをケーブルで接続した建設機械において、アクチュエータに圧油を供給する方向切換弁のパイロット制御部と該方向切換弁のパイロット制御部にパイロット圧を導出するリモコン弁を繋ぐパイロット管路から分岐した管路に圧力スイッチを配設し、該圧力スイッチを制御装置に接続すると共に該制御装置に前記監視カメラを旋回させる電気モータを駆動するモータ駆動装置及び監視カメラを接続し、前記リモコン弁を切り換える操作レバーの操作に連動して前記監視カメラの旋回及び撮影を可能としたことを特徴とする建設機械の後方監視装置。
  2. 前記上部旋回体の旋回方向と反対方向に前記監視カメラが所定角度旋回するように前記制御装置で制御し、旋回方向と反対側の後方視界を確保するようにしたことを特徴とする請求項1記載の建設機械の後方監視装置。
  3. 前記上部旋回体の旋回方向と同一方向に前記監視カメラが所定角度旋回するように前記制御装置で制御し、旋回方向側の後方視界を確保するようにしたことを特徴とする請求項1記載の建設機械の後方監視装置。
  4. 前記操作レバーの操作とは無関係に前記監視カメラの旋回及び撮影を可能にすると共に、監視カメラの旋回方向を選択できる選択手段を前記制御装置に接続したことを特徴とする請求項1乃至3記載の建設機械の後方監視装置。
  5. 前記監視カメラを台座を介してカウンタウエイトに揺動可能に取り付けたことを特徴とする請求項1乃至4記載の建設機械の後方監視装置。
  6. 前記台座にプシュプルケーブルの一端を接続し、該プシュプルケーブルを運転室に延設し、運転室から前記監視カメラの揺動を可能としたことを特徴とする請求項5記載の建設機械の後方監視装置。
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