JP2004322930A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動パワーステアリング装置において、簡易な構成により、アシスト軸のための弾性支持具のバネ特性の設定の自由度を向上すること。
【解決手段】電動パワーステアリング装置10において、アシスト軸21と軸受22との間に装填され、アシスト軸21のスラスト変位に対して剪断変形することにより、アシスト軸21をハウジング11に対し軸方向に弾性支持する第1弾性支持具50Aを有するとともに、ハウジング11と軸受22との間に装填され、アシスト軸21のスラスト変位に対して圧縮変形することにより、アシスト軸21をハウジング11に対し軸方向に弾性支持する第2弾性支持具60Aを有するもの。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動パワーステアリング装置は、特許文献1、2に記載の如く、ハウジングと、ハウジングに固定される電動モータと、ハウジングに軸受を介して支持され、電動モータの回転軸と接続されるアシスト軸と、アシスト軸と操舵装置の操舵力伝達系とを連結し、電動モータの補助操舵力を操舵装置の操舵力伝達系に伝達する歯車機構とを有する。これにより、操舵装置のステアリングホイールに印加する手動操作力を操舵アシストする。このような電動パワーステアリング装置では、反転駆動時や、タイヤの縁石乗り上げ時等に、アシスト軸に過大スラスト力が作用した場合でも、アシスト軸が弾性支持状態下で軸方向に移動してその過大スラスト力を吸収でき、結果として、アシスト軸に接続されている歯車機構の歯面に生ずる衝撃力を緩和して歯面同士の叩き音を低減し、或いはアシスト軸の慣性推力によるトルク伝達経路の損傷を回避する。
【0003】
特許文献1の電動パワーステアリング装置では、アシスト軸のフランジと軸受との間に、アシスト軸のスラスト変位に対して圧縮変形することにより、アシスト軸をハウジングに対し軸方向に弾性支持する弾性支持具を有している。
【0004】
特許文献2の電動パワーステアリング装置では、ハウジングをアシスト軸の軸受の間に、アシスト軸のスラスト変位に対して剪断変形することにより、アシスト軸をハウジングに対し軸方向に弾性支持する弾性支持具を有している。
【0005】
【特許文献1】
特許3376869(1頁、図2)
【0006】
【特許文献2】
特開2001−322554(1頁、図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1では、アシスト軸のための弾性支持具が圧縮変形だけによりアシスト軸を弾性支持するものであり、アシスト軸の変位量に対する弾性支持具のバネ荷重の変化幅が狭く、アシスト軸に作用する過大スラスト力の吸収性能が低い。
【0008】
特許文献2では、剪断変形によりアシスト軸を弾性支持する弾性支持具が、アシスト軸の軸受の外周に嵌挿された状態で、ハウジングの取付部に圧入されるものであり、組付性が悪い。
【0009】
本発明の課題は、電動パワーステアリング装置において、簡易な構成により、アシスト軸のための弾性支持具のバネ特性の設定の自由度を向上することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ハウジングと、ハウジングに固定される電動モータと、ハウジングに軸受を介して支持され、電動モータの回転軸と接続されるアシスト軸と、アシスト軸と操舵装置の操舵力伝達系とを連結し、電動モータの補助操舵力を操舵装置の操舵力伝達系に伝達する歯車機構と、を有してなる電動パワーステアリング装置において、アシスト軸と軸受との間に装填され、アシスト軸のスラスト変位に対して剪断変形することにより、アシスト軸をハウジングに対し軸方向に弾性支持する第1弾性支持具を有するとともに、ハウジングと軸受との間に装填され、アシスト軸のスラスト変位に対して圧縮変形することにより、アシスト軸をハウジングに対し軸方向に弾性支持する第2弾性支持具を有するようにしたものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記第1弾性支持具がアシスト軸のフランジと軸受の内輪との間に装填され、第2弾性支持具がハウジングと軸受の外輪との間に装填されるようにしたものである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記アシスト軸が左右の軸受を介してハウジングに支持され、一方の軸受の側に設けた第1と第2の弾性支持具によりアシスト軸を軸方向の一方向に弾性支持し、他方の軸受の側に設けた第1と第2の弾性支持具によりアシスト軸を軸方向の他方向に弾性支持するようにしたものである。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記第1弾性支持具が、内環と外環の間に弾性体を挟んでなり、アシスト軸に内環を嵌挿し、外環の端面をアシスト軸のフランジに衝合し、内環の端面を軸受に衝合してなるようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は第1実施形態の電動パワーステアリング装置を一部破断して示す正面図、図2は図1のII−II線に沿う断面図、図3は図1のIII−III線に沿う断面図、図4は図3の要部拡大図、図5は左側軸受の側の第1弾性支持具と第2弾性支持具の中立状態を示す断面図、図6は右側軸受の側の第1弾性支持具と第2弾性支持具の中立状態を示す断面図、図7は第1弾性支持具と第2弾性支持具の合成バネ特性線図、図8は従来の弾性支持具を示す断面図である。
【0015】
電動パワーステアリング装置10は、図1、図2に示す如く、車体フレーム等に固定されるアルミ合金製のギヤハウジング11を有する。電動パワーステアリング装置10の操舵装置10Aは、ステアリングホイールが結合されるステアリング軸12にトーションバー13を介してピニオン軸14を連結し、このピニオン軸14にピニオン15を設け、このピニオン15に噛合うラック16Aを備えたラック軸16をギヤハウジング11に左右動可能に支持している。ステアリング軸12とピニオン軸14の間には、操舵トルク検出装置17を設けてある。尚、ステアリング軸12とピニオン軸14は軸受12A、14A、14Bを介してギヤハウジング11に支持される。ラック軸16は、一端をラックガイド18Aに、他端を軸受18Bに摺動自在に支持される。そして、ラック軸16の中間部には左右のタイロッド19A、19Bが連結される。
【0016】
ギヤハウジング11には、図3に示す如く、電動モータ30のモータケース31が固定され、電動モータ30の回転軸32にはアシスト軸21がスプライン嵌合部40により接続され、アシスト軸21はボールベアリング等の左右の軸受22、23によりギヤハウジング11に両端支持されている。そして、アシスト軸21の左右の軸受22、23で挟まれる中間部にウォームギヤ25を一体に備え、このウォームギヤ25に噛合うウォームホイール26をピニオン軸14の中間部に固定してある。電動モータ30の発生トルク(補助操舵力)は、ウォームギヤ25とウォームホイール26の噛合、ピニオン15とラック16Aの噛合を介してラック軸16に操舵アシスト力となって付与され、運転者がステアリング軸12に付与する操舵力をアシストする。
【0017】
即ち、ウォームギヤ25とウォームホイール26は本発明の歯車機構24を構成する。歯車機構24はアシスト軸21と操舵装置10Aの操舵力伝達系を構成するピニオン15とを連結し、電動モータ30の補助操舵力を操舵装置10Aの操舵力伝達系に伝達する。
【0018】
しかるに、アシスト軸21は左右の軸受22、23を介してハウジング11に支持されるに際し、下記(A)、(B)により、左側軸受22の側に設けた第1弾性支持具50Aと第2弾性支持具60Aによりアシスト軸21を軸方向の一方向に弾性支持(アシスト軸21の軸方向の一方側への変位にクッション力を付与可能に支持)し、右側軸受23の側に設けた第1弾性支持具50Bと第2弾性支持具60Bによりアシスト軸21を軸方向の他方側に弾性支持(アシスト軸21の軸方向の他方側への変位にクッション力を付与可能に支持)する。これにより、アシスト軸21はハウジング11に対し、軸方向の双方向に弾性支持され、電動パワーステアリング装置10の反転駆動時や、タイヤの縁石乗り上げ時等に、アシスト軸21に作用する過大スラスト力を吸収しながらアシスト軸21を軸方向の双方向に移動可能にし、結果として、アシスト軸21に接続されている歯車機構24(ウォームギヤ25、ウォームホイール26)の歯面に生ずる衝撃力を緩和して歯面同士の叩き音を低減し、或いはアシスト軸21の慣性推力によるトルク伝達経路の損傷を回避する。
【0019】
(A)左側軸受22の側におけるアシスト軸21の弾性支持構造
アシスト軸21の左側軸受22の側では、図5に示す如く、軸受22の外輪22Aをハウジング11に隙間嵌めし、アシスト軸21を軸受22の内輪22Bに隙間嵌めする。軸受22の外輪22Aは、ハウジング11の段差部11Aと、ハウジング11に螺着されるストッパ29との間に保持される。アシスト軸21におけるウォームギヤ25の左側にはフランジ27を設ける。
【0020】
アシスト軸21とフランジ27と軸受22の内輪22Bとの間に未荷重(荷重未負荷)又は予荷重(荷重負荷)された第1弾性支持具50Aを介装する。第1弾性支持具50Aは、内環51の外周と外環52の内周の間の環状間隙にゴム等からなる弾性変形可能な弾性体53を挟んで装填される。内環51、外環52は弾性体53に焼付又は接着剤を用いて接着一体化される。第1弾性支持具50Aは、アシスト軸21に内環51を隙間嵌めし、外環52の右端面をアシスト軸21のフランジ27の端面に軸方向で衝合し、内環51の左端面を軸受22の内輪22Bの端面に軸方向で衝合する。アシスト軸21に一定のスラスト力が作用していない内環51の右端面はアシスト軸21のフランジ27との間に一定の隙間(この隙間が弾性体53の最大剪断変形量になる)を形成し、外環52の左端面は軸受22のボール22Cのための保持器22Dから大きく離隔する。これにより、第1弾性支軸具50Aは、アシスト軸21が中立状態から図4、図5の左方向にスラスト変位したとき、弾性体53を剪断変形する。
【0021】
ハウジング11に螺着されて該ハウジング11と一体になっているストッパ29と軸受22の外輪22Aとの間に未荷重(荷重未負荷)又は予荷重(荷重負荷)された第2弾性支持具60Aを介装する。第2弾性支持具60Aは、Oリング等の弾性体61からなり、ストッパ29の端面の外周側に設けた環状段差部29Aに嵌着され、軸受22の外輪22Aの端面との間に挟んで装填される。アシスト軸21の中立状態で、第2弾性支持具61は軸受22の外輪22Aとストッパ29との間に軸方向で一定の隙間(この隙間が弾性体61の最大圧縮変形量になる)を形成する。これにより、第2弾性支持具60Aは、アシスト軸21が中立状態から図4、図5の左方向にスライド変位し、第1弾性支持具50Aがその弾性体53を前述の最大剪断変形させた後、アシスト軸21の更なるスラスト変位に追随する軸受22の変位により圧縮変形する。
【0022】
従って、アシスト軸21の左側軸受22の側では、アシスト軸21の周囲に第1弾性支持具50A、第2弾性支持具60Aを装填した状態で、アシスト軸21の中立状態では、アシスト軸21を軸方向の中立位置に保持する。そして、アシスト軸21に図4、図5の左方向に向かう一定以上のスラスト力が作用する第1段階では、第1弾性支持具50Aの弾性体53がこのスラスト力に基づくアシスト軸21のスラスト変位に対して剪断変形せしめられ、アシスト軸21をハウジング11に対し軸方向においてこのスラスト力が向かう左方向へ移動可能に弾性支持する。アシスト軸21に作用するスラスト力が更に増大し、第1弾性支持具50Aの弾性体53が最大剪断変形した後の第2段階では、第2弾性支持具60Aの弾性体61がこのスラスト力に基づく更なるスラスト変位に対して圧縮変形せしめられ、アシスト軸21をハウジング11に対し軸方向において更に左方向へ移動可能に弾性支持する。
【0023】
図7は、本発明例の第1弾性支持具50Aと第2弾性支持具60Aのバネ特性を、従来例の弾性支持具70のバネ特性と比較して示したものである。従来例の弾性支持具70は、図8に示す如く、両側板71、72の間に弾性体73を挟んで構成されたものであり、アシスト軸21の周囲に弾性支持具70だけを設け、この弾性支持具70をアシスト軸21のフランジ27と軸受22の内輪22Bとの間に介装し、アシスト軸21に作用する一定以上のスラスト力により弾性体73を圧縮変形せしめるようにしたものである。
【0024】
本発明例の第1弾性支持具50A、第2弾性支持具60Aを用いた場合には、アシスト軸21のスラスト変位量の第1段階で第1弾性支持具50Aの剪断変形に基づくバネ荷重を生じ、第2段階で第2弾性支持具60Aの圧縮変形に基づくバネ荷重を生じ、両弾性支持具50A、60Aが共同して2段特性をなす合成バネ特性を示す。両弾性支持具50A、60Aが共同して発現するバネ荷重の変化幅が、従来例に比して広くなる。第1弾性支持具50Aによる1段目のバネ特性線と第2弾性支持具60Aによる2段目のバネ特性線の接続点(変曲点)は、第1弾性支持具50A、第2弾性支持具60Aの形状の設定により自由に変化させることができる。
【0025】
(B)右側軸受23の側におけるアシスト軸21の弾性支持構造
アシスト軸21の右側軸受23の側では、図6に示す如く、軸受23の外輪23Aをハウジング11に隙間嵌めし、アシスト軸21を軸受23の内輪23Bに隙間嵌めする。軸受23の外輪23Aは、ハウジング11の段差部11Bに保持される。アシスト軸21におけるウォームギヤ25の右側にはフランジ28を設ける。
【0026】
アシスト軸21とフランジ28と軸受23の内輪23Bとの間に未荷重(荷重未負荷)又は予荷重(荷重負荷)された第1弾性支持具50Bを介装する。第1弾性支持具50Bは、内環51の外周と外環52の内周の間の環状間隙にゴム等からなる弾性変形可能な弾性体53を挟んで装填される。内環51、外環52は弾性体53に焼付又は接着剤を用いて接着一体化される。第1弾性支持具50Bは、アシスト軸21に内環51を隙間嵌めし、外環52の左端面をアシスト軸21のフランジ28の端面に軸方向で衝合し、内環51の右端面を軸受23の内輪23Bの端面に軸方向で衝合する。アシスト軸21に一定のスラスト力が作用していない内環51の左端面はアシスト軸21のフランジ28との間に一定の隙間(この隙間が弾性体53の最大剪断変形量になる)を形成し、外環52の右端面は軸受23のボール23Cのための保持器23Dから大きく離隔する。これにより、第1弾性支軸具50Aは、アシスト軸21が中立状態から図4、図6の右方向にスラスト変位したとき、弾性体53を剪断変形する。
【0027】
ハウジング11の段差部11Bと軸受23の外輪23Aとの間に未荷重(荷重未負荷)又は予荷重(荷重負荷)された第2弾性支持具60Bを介装する。第2弾性支持具60Bは、Oリング等の弾性体61からなり、ハウジング11の環状段差部11Bに嵌着され、軸受23の外輪23Aの端面との間に挟んで装填される。アシスト軸21の中立状態で、弾性体61は軸受23の外輪23Aとハウジング11との間に軸方向で一定の隙間(この隙間が弾性体61の最大圧縮変形量になる)を形成する。これにより、第2弾性支持具60Bは、アシスト軸21が中立状態から図4、図6の右方向にスライド変位し、第1弾性支持具50Bがその弾性体53を前述の最大剪断変形させた後、アシスト軸21の更なるスラスト変位に追随する軸受23の変位により圧縮変形する。
【0028】
従って、アシスト軸21の右側軸受23の側では、アシスト軸21の周囲に第1弾性支持具50B、第2弾性支持具60Bを装填した状態で、アシスト軸21の中立状態では、アシスト軸21を軸方向の中立位置に保持する。そして、アシスト軸21に図4、図6の右方向に向かう一定以上のスラスト力が作用する第1段階では、第1弾性支持具50Bの弾性体53がこのスラスト力に基づくアシスト軸21のスラスト変位に対して剪断変形せしめられ、アシスト軸21をハウジング11に対し軸方向においてこのスラスト力が向かう右方向へ移動可能に弾性支持する。アシスト軸21に作用するスラスト力が更に増大し、第1弾性支持具50Bの弾性体53が最大剪断変形した後の第2段階では、第2弾性支持具60Bの弾性体61がこのスラスト力に基づく更なるスラスト変位に対して圧縮変形せしめられ、アシスト軸21をハウジング11に対し軸方向において更に左方向へ移動可能に弾性支持する。
【0029】
本発明例の第1弾性支持具50Bと第2弾性支持具60Bのバネ特性は、前述の図7に示した第1弾性支持具50Aと第2弾性支持具60Aにおけると同様に、アシスト軸21のスラスト変位量の第1段階で第1弾性支持具50Bの剪断変形に基づくバネ荷重を生じ、第2段階で第2弾性支持具60Aの圧縮変形に基づくバネ荷重を生じ、両弾性支持具50B、60Bが共同して2段特性をなす合成バネ特性を示す。両弾性支持具50B、60Bが共同して発現するバネ荷重の変化幅が、従来例に比して広くなる。第1弾性支持具50Bによる1段目のバネ特性線と第2弾性支持具60Bによる2段目のバネ特性線の接続点(変曲点)は、第1弾性支持具50B、第2弾性支持具60Bの形状の設定により自由に変化させることができる。
【0030】
電動パワーステアリング装置10にあっては、左側軸受22の側におけるアシスト軸21のための第1弾性支持具50A、第2弾性支持具60A、右側軸受23の側におけるアシスト軸21のための第1弾性支持具50B、第2弾性支持具60Bを上述の如くに構成したから以下の作用効果がある。
【0031】
▲1▼アシスト軸21のための第1弾性支軸具50A、50Bが剪断変形によりアシスト軸21を弾性支持するとともに、第2弾性支持具60A、60Bが圧縮変形によりアシスト軸21を弾性支持するものであり、両弾性支持具50Aと60A、50Bと60Bの合成バネ特性を2段特性にし、アシスト軸21の変位量に対して両弾性支持具50Aと60A、50Bと60Bが共同して発現するバネ荷重の変化幅が広くなる。これにより、電動パワーステアリング装置10の反転駆動時や、タイヤの縁石乗り上げ時等に、アシスト軸21に過大スラスト力が作用した場合に、アシスト軸21を弾性支持状態下で両方向に移動させて過大スラスト力を吸収する両弾性支持具50Aと60A、50Bと60Bによる過大スラスト力の吸収性能が高くなる。従って、アシスト軸21に接続されている歯車機構の歯面に生じる衝撃力を緩和して歯面同士の叩き音を確実に低減し、或いはアシスト軸21の慣性スラスト力によるトルク伝達経路の損傷を確実に回避する。
【0032】
▲2▼剪断変形によりアシスト軸21を弾性支持する第1弾性支持具50A、50Bをアシスト軸21と軸受22、23との間に装填するようにしたから、アシスト軸21及び軸受22、23をハウジング11に組付ける前のアシスト軸組立体に第1弾性支持具50A、50Bを組付けでき、組付性が良い。
【0033】
▲3▼圧縮変形によりアシスト軸21を弾性支持する第2弾性支持具60A、60Bは、ハウジング11と軸受22、23との間に挟圧可能に組付ければ足り、組付性は良い。
【0034】
▲4▼第1弾性支持具50A、50Bがアシスト軸21のフランジ27、28と軸受22、23の内輪22B、23Bとの間に装填され、第2弾性支持具60A、60Bがハウジング11と軸受22、23の外輪22A、23Aとの間に装填されるようにしたから、前述▲2▼、▲3▼の第1弾性支持具50A、50Bと第2弾性支持具60A、60Bの組付性を向上できる。
【0035】
▲5▼左側軸受22の側に設けた第1と第2の弾性支持具50A、60Aと、右側軸受23の側に設けた第1と第2の弾性支持具50B、60Bにより、アシスト軸21を弾性支持状態下で軸方向の双方向に移動させ、前述▲1▼の如くに過大スラスト力を吸収できる。
【0036】
▲6▼第1弾性支持具50A、50Bが内環51と外環52の間に弾性体53を挟んで構成されるものとすることにより、第1弾性支持具50A、50Bの構成を単純化し、組付性を簡易化できる。
【0037】
以上、本発明の実施の形態を図面により記述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、電動パワーステアリング装置において、簡易な構成により、アシスト軸のための弾性支持具のバネ特性の設定の自由度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態の電動パワーステアリング装置を一部破断して示す正面図である。
【図2】図2は図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図3は図1のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図4は図3の要部拡大図である。
【図5】図5は左側軸受の側の第1弾性支持具と第2弾性支持具の中立状態を示す断面図である。
【図6】図6は右側軸受の側の第1弾性支持具と第2弾性支持具の中立状態を示す断面図である。
【図7】図7は第1弾性支持具と第2弾性支持具の合成バネ特性線図である。
【図8】図8は従来の弾性支持具を示す断面図である。
【符号の説明】
10 電動パワーステアリング装置
10A 操舵装置
11 ハウジング
21 アシスト軸
22、23 軸受
22A、23A 外輪
22B、23B 内輪
24 歯車機構
27、28 フランジ
30 電動モータ
32 回転軸
50A、50B 第1弾性支持具
51 内環
52 外環
53 弾性体
60A、60B 第2弾性支持具
61 弾性体

Claims (4)

  1. ハウジングと、
    ハウジングに固定される電動モータと、
    ハウジングに軸受を介して支持され、電動モータの回転軸と接続されるアシスト軸と、
    アシスト軸と操舵装置の操舵力伝達系とを連結し、電動モータの補助操舵力を操舵装置の操舵力伝達系に伝達する歯車機構と、を有してなる電動パワーステアリング装置において、
    アシスト軸と軸受との間に装填され、アシスト軸のスラスト変位に対して剪断変形することにより、アシスト軸をハウジングに対し軸方向に弾性支持する第1弾性支持具を有するとともに、
    ハウジングと軸受との間に装填され、アシスト軸のスラスト変位に対して圧縮変形することにより、アシスト軸をハウジングに対し軸方向に弾性支持する第2弾性支持具を有することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記第1弾性支持具がアシスト軸のフランジと軸受の内輪との間に装填され、第2弾性支持具がハウジングと軸受の外輪との間に装填される請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記アシスト軸が左右の軸受を介してハウジングに支持され、
    一方の軸受の側に設けた第1と第2の弾性支持具によりアシスト軸を軸方向の一方向に弾性支持し、
    他方の軸受の側に設けた第1と第2の弾性支持具によりアシスト軸を軸方向の他方向に弾性支持する請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記第1弾性支持具が、内環と外環の間に弾性体を挟んでなり、
    アシスト軸に内環を嵌挿し、外環の端面をアシスト軸のフランジに衝合し、内環の端面を軸受に衝合してなる請求項1〜3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
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