JP2004322857A - ウェザーストリップ - Google Patents

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JP2004322857A
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Yasuyuki Fujita
保行 藤田
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Nishikawa Rubber Co Ltd
Original Assignee
Nishikawa Rubber Co Ltd
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Abstract

【課題】樹脂製またはゴム製部分と金属製部分との分離が容易でリサイクル性に優れ、かつ、軽量化および低コスト化を図ることのできるウェザーストリップを提供する。
【解決手段】樹脂製またはゴム製の取付基部1と、その取付基部1によって保持される樹脂製またはゴム製のシール部2と、取付基部1の外表面に設けられる金属製の装飾板3とを、同時押出成形によって一体成形した自動車用のウェザーストリップであって、取付基部1の剛性を、シール部2の剛性より高く、かつ、シール部2を保持できる程度に設定し、装飾板3を、装飾板3のみではシール部2を保持することのできない程度の肉薄に設定する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルトラインアウターやドリップウェザーストリップのように、樹脂製またはゴム製部分と金属製部分とを一体成形した自動車用のウェザーストリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、自動車用ウェザーストリップの一つであるベルトラインアウターは、一般に、図3に示すように、ドアパネルに取付けられるステンレス製の取付基部10と、その取付基部10に接着剤Bによって固定され、二つのリップ片11aがドアガラスGに摺接するPVC(ポリ塩化ビニル)製のシール部11と、リップ片11aの表面に設けられる植毛12で構成されている。
【0003】
近年、自動車製造分野においても、限られた天然資源の有効活用を図るべく部品のリサイクル化が求められている。しかし、この従来のベルトラインアウターは、ステンレス製の取付基部10とPVC製のシール部11が接着剤Bによって固定されているので容易に分離することができない。
従って、リサイクル性に劣るといった問題がある。
【0004】
こうした問題に鑑みて、これまでに金属製部分と樹脂製部分を容易に分離可能としたウェザーストリップが創案されている(例えば、特許文献1、2、3、4参照)。
【0005】
【特許文献1】
実開平5−86633号公報(図2)
【特許文献2】
実用新案登録第2591409号公報(図2)
【特許文献3】
実開平6−71320号公報(図2、3)
【特許文献4】
特開平7−186235号公報(図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1,2,3に記載のウェザーストリップは、いずれも金属製部分を露出して、それに取付基部としての高い剛性を持たせているので、必然的に相当な肉厚に設定する必要がある。そのため、重量が嵩み、昨今の軽量化傾向に反すると共に、製造コストも嵩むといった問題がある。
また上記特許文献4に記載のウェザーストリップは、接着剤で固定したり、あるいは、金属薄膜テープの両端部を上下の間隙閉塞用リップ部の基部で覆うようにする必要があるため容易に分離することができない。
【0007】
そこで、本発明の目的とするところは、樹脂製またはゴム製部分と金属製部分との分離が容易でリサイクル性に優れ、かつ、軽量化および低コスト化を図ることのできる自動車用のウェザーストリップを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のウェザーストリップは、樹脂製またはゴム製の取付基部(1)と、その取付基部(1)によって保持される樹脂製またはゴム製のシール部(2)と、前記取付基部(1)の外表面に設けられる金属製の装飾板(3)とを、同時押出成形によって一体成形した自動車用のウェザーストリップであって、前記取付基部(1)の剛性を、前記シール部(2)の剛性より高く、かつ、当該シール部(2)を保持できる程度に設定し、前記装飾板(3)を、当該装飾板(3)のみでは前記シール部(2)を保持することのできない程度の肉薄に設定してなることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載のウェザーストリップは、前記装飾板(3)をステンレス製とし、その肉厚を、0.1mm〜0.4mm未満、好ましくは0.2mm〜0.3mmに設定してなることを特徴とする。
【0010】
さらに、請求項3に記載のウェザーストリップは、前記装飾板(3)の両端部または一方端部に、前記取付基部(1)に係合する鉤状の係合部(3a)を形成してなることを特徴とする。
【0011】
なお、カッコ内の記号は、図面および後述する発明の実施の形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
【0012】
本発明の請求項1に記載のウェザーストリップによれば、樹脂製またはゴム製の取付基部と、その取付基部によって保持される樹脂製またはゴム製のシール部と、取付基部の外表面に設けられる金属製の装飾板とを、同時押出成形によって一体成形して組付け、取付基部と装飾板は接着剤で固定していない。
従って、両者を容易に分離することができ、それぞれを簡単に再利用することができる。
【0013】
また、取付基部の剛性を、前記シール部のそれより高く、かつ、当該シール部を保持できる程度に高く設定し、さらに、装飾板を、それのみではシール部を保持することのできない程度の肉薄に設定しているので、金属製部分(装飾板)を小さくすることができる。
従って、ウェザーストリップの軽量化と製造コストの削減を図ることが可能となる。
なお、金属製の装飾板を設けているので、ウェザーストリップの装飾性を高めることができる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、装飾板をステンレス製とし、その肉厚を、0.1mm〜0.4mm未満、好ましくは0.2mm〜0.3mmに設定しているので、さらなる軽量化と低コスト化を図ることができる。
【0015】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の作用効果に加えて、装飾板の両端部または一方端部に、取付基部に係合する鉤状の係合部を形成しているので、取付基部と装飾板がずれるのを防止することができる。すなわち、樹脂製またはゴム製の取付基部と金属製の装飾板とでは、それが持つ熱収縮率および熱膨張率が異なるため、また、接着剤で固定していないため、両者間にずれが発生し易いが、本発明では装飾板の係合部を取付基部に係合させているので、こうしたずれが発生しない。
しかも、装飾板の両端部または一方端部は、取付基部に係合しているので、従来例で示した特許文献4のようにリップ部の基部で覆うようにしたものと比較して分離は容易である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1および図2を参照して、本発明の実施形態に係るウェザーストリップについて説明する。図1は、ウェザーストリップを取付けた自動車を示す側面図であり、図2は、図1のA−A線におけるウェザーストリップを示す拡大断面図である。従来例で示したものと同一部分には同一符合を付した。
【0017】
本発明の実施形態に係るウェザーストリップは、自動車ドアのベルトラインに沿って取付けられるベルトラインアウターであり、ドアパネルに取付けられる取付基部1と、その取付基部1に保持されるシール部2と、取付基部1の外表面に設けられる装飾板3とを、同時押出成形によって一体成形したものである。
シール部2は、取付基部1の車内側面に組付く基体2bと、その基体2bから突設され、ドアガラスGに摺接する二つのリップ片2aを備えている。
【0018】
このウェザーストリップは、取付基部1と装飾板3を、接着剤を使用せず、同時押出成形によって一体成形しているので両者を容易に分離することができる。
従って、それぞれを簡単にリサイクルすることができる。
【0019】
また、取付基部1は高剛性樹脂であるポリプロピレンで形成し、シール部2はTPOで形成している。また、装飾板3はステンレスで形成している。なお、リップ片2aのドアガラスGに摺接する部分には植毛4を施している。
また、ポリプロピレンを使用する場合には、タルクやガラス繊維粉末等の補強剤を20〜40重量%程度添加して、強度と剛性を高めても良い。
また、ポリプロピレンの代りに、補強剤入りのABS樹脂を使用することもでき、この場合には、上述のオレフィン系熱可塑性樹脂の代りにABS樹脂と相性の良いスチレン系樹脂を用いることが好ましい。
【0020】
そして、取付基部1の剛性を、シール部2の剛性より高く、かつ、当該シール部2をそれ単独で保持できる程度に高く設定している。また、ステンレス製の装飾板3を、それのみではシール部2を保持することのできない程度の肉薄に設定している。
【0021】
このように、高価で重いステンレスの使用量を削減し、それに代えて、軽量で廉価なポリプロピレンを使用しているので、ウェザーストリップの軽量化と低コスト化を図ることができる。
【0022】
なお、本実施形態において、装飾板3の肉厚は、0.1mm〜0.4mm未満の範囲内に設定している。肉厚が0.1mm未満であると同時押出成形に支障を来すと共に、装飾板3としての剛性を欠いてしまう。また、肉厚が0.4mm以上であると、重量が嵩み、高コスト化につながってしまう。なお、こうした問題の発生を確実に防止する最も好ましい肉厚は、0.2mm〜0.3mmの範囲である。
【0023】
さらに、本実施形態に係るウェザーストリップは、装飾板3の両端部に鉤状の係合部3aを形成し、その係合部3aを取付基部1に係合させている。ポリプロピレン製の取付基部1とステンレス製の装飾板3とでは、熱収縮率および熱膨張率が異なるため両者間にずれが発生し易い。しかし、装飾板3の係合部3aを取付基部1に係合しているので、こうしたずれの発生を未然に防止することができる。
【0024】
なお、取付基部1の成形材料は高剛性の樹脂またはゴムであれば良く、ポリプロピレンに限定されない。また、シール部2は、TPOの他にPVCで成形することができる。さらに、装飾板3は、ステンレス製に限定されず、アルミニウムで成形することもできる。
【0025】
また、本発明に係るウェザーストリップとしては、上記実施形態で示したベルトラインアウターに限られず、例えば、車体のドア開口縁に沿って固定されたドリップフランジに取付けられ、ドアと車体との間をシールするドリップウェザーストリップがある(図1のB部分参照)。
【0026】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載のウェザーストリップによれば、樹脂製またはゴム製の取付基部と、その取付基部によって保持される樹脂製またはゴム製のシール部と、前記取付基部の外表面に設けられる金属製の装飾板とを、同時押出成形によって一体成形しているので、両者を容易に分離することができる。
従って、それぞれを簡単に再利用することができ、リサイクル性に優れる。
【0027】
また、取付基部の剛性を、シール部のそれより高くし、かつ、当該シール部を保持できる程度に高く設定し、装飾板を、それのみではシール部を保持することのできない程度の肉薄に設定しているので、金属の使用量を削減することができる。
これにより、ウェザーストリップを軽量化し、製造コストを削減することができる。
【0028】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、装飾板をステンレス製とし、その肉厚を、0.1mm〜0.4mm未満、好ましくは0.2mm〜0.3mmに設定しているので、さらなる軽量化と低コスト化を図ることができる。
【0029】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の作用効果に加えて、装飾板の両端部または一方端部に、取付基部に係合する鉤状の係合部を形成しているので、取付基部と装飾板のずれを防止することができる。
これにより、外観性を良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウェザーストリップを取付けた自動車を示す側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るウェザーストリップを示すもので、図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】従来例に係るウェザーストリップを示すもので、図1のA−A線拡大断面図に相当するものである。
【符号の説明】
1 取付基部
2 シール部
2a リップ片
2b 基体
3 装飾板
3a 係合部
4 植毛
10 取付基部
11 シール部
11a リップ片
12 植毛
B 接着剤
G ドアガラス

Claims (3)

  1. 樹脂製またはゴム製の取付基部と、該取付基部によって保持される樹脂製またはゴム製のシール部と、前記取付基部の外表面に設けられる金属製の装飾板とを、同時押出成形によって一体成形した自動車用のウェザーストリップであって、
    前記取付基部の剛性を、前記シール部の剛性より高く、かつ、該シール部を保持できる程度に設定し、
    前記装飾板を、該装飾板のみでは前記シール部を保持することのできない程度の肉薄に設定してなることを特徴とするウェザーストリップ。
  2. 前記装飾板をステンレス製とし、その肉厚を、0.1mm〜0.4mm未満、好ましくは0.2mm〜0.3mmに設定してなることを特徴とする請求項1に記載のウェザーストリップ。
  3. 前記装飾板の両端部または一方端部に、前記取付基部に係合する鉤状の係合部を形成してなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウェザーストリップ。
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