JP2004322702A - トランスファの駆動モード切替制御装置 - Google Patents

トランスファの駆動モード切替制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】自動変速機のフリクショントルクの大きさにかかわらず、確実な切替作動の確保と、シフトアクチュエータでの消費エネルギ低減による燃費の向上と、の両立を図ることができるトランスファの駆動モード切替制御装置を提供すること。
【解決手段】自動変速機2がニュートラルレンジ位置であるという条件を含む所定の切替条件を満足するとき、駆動モード位置の切替作動指令をシフトアクチュエータに対し出力するトランスファコントロールユニット26と、を備えたトランスファの駆動モード切替制御装置において、前記自動変速機2をニュートラルレンジ位置にしたときのフリクショントルクを推定するフリクショントルク推定手段を設け、前記トランスファコントロールユニット26は、ハイモード位置とローモード位置との間の切り替え時、前記シフトアクチュエータに対して指令する切替作動トルクを、推定されるフリクショントルクに応じた可変トルクにより設定する手段とした。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者の操作による駆動モード切替操作時、自動変速機がニュートラルレンジ位置であるという条件を含む所定の切替条件を満足するときに駆動モード位置の切替制御が実行されるトランスファの駆動モード切替制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、変速機からの動力を2輪駆動と4輪駆動とに切り替えると共に、4輪駆動状態をハイモード位置とローモード位置で切り替えるパートタイム方式のトランスファの駆動モード切替制御装置は、ハイモード位置とローモード位置との間での切り替え時の安全性を向上することを目的とし、変速機がニュートラルであること、ブレーキの作動状態がONであること、車速が所定の車速以下であること、エンジン回転数が所定の回転数以下であること、が同時に満たされている場合にのみ駆動モードの切り替えを許可するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−280491号公報(第7頁、段落
【0004】)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のトランスファの駆動モード切替制御装置にあっては、自動変速機のフリクショントルクにかかわらず、シフトアクチュエータに対して指令する切替作動トルクを一定トルク(=一定電流値)により与えるようにしているため、自動変速機のフリクショントルクが最も大きな状況下でも切替作動が確保されるように大きな電流値印加となり、フリクショントルクが小さい自動変速機作動油の高油温時には、シフトアクチュエータの消費電流が増えて燃費が悪化してしまうという問題がある。
【0006】
ちなみに、自動変速機のフリクショントルクは、自動変速機をニュートラルレンジ位置として摩擦締結要素を解放したときの残留作動油によるプレート間での引き摺りトルクに、各ベアリング等での摩擦抵抗によるトルクが加わることにより発生する。このフリクショントルクは、全体のトルクのうち、引き摺りトルクが占める割合が大きく、例えば、自動変速機の作動油が低油温時と高油温時とでは、フリクショントルクの大きさがかなり異なる。
【0007】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、自動変速機のフリクショントルクの大きさにかかわらず、確実な切替作動の確保と、シフトアクチュエータでの消費エネルギ低減による燃費の向上と、の両立を図ることができるトランスファの駆動モード切替制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、
運転者の操作による駆動モードの切替時であって、自動変速機がニュートラルレンジ位置であるという条件を含む所定の切替条件を満足するとき、駆動モードの切替作動指令をシフトアクチュエータに対し出力する駆動モード切替制御手段を備えたトランスファの駆動モード切替制御装置において、
前記自動変速機をニュートラルレンジ位置にしたときのフリクショントルクを推定するフリクショントルク推定手段を設け、
前記駆動モード切替制御手段は、ハイモード位置とローモード位置との間の切り替え時、前記シフトアクチュエータに対して指令する切替作動トルクを、推定されるフリクショントルクに応じた可変トルクにより設定する手段とした。
【0009】
ここで、「フリクショントルク推定手段」とは、例えば、自動変速機の作動油温を検出する油温センサにより検出される油温が低いほどフリクショントルクが大きいと推定する手段をいう。
【0010】
【発明の効果】
よって、本発明のトランスファの駆動モード切替制御装置にあっては、駆動モード切替制御手段において、ハイモード位置とローモード位置との間の切り替え時、シフトアクチュエータに対して指令する切替作動トルクを、推定されるフリクショントルクに応じた可変トルクにより設定するようにしたため、自動変速機のフリクショントルクの大きさにかかわらず、確実な切替作動の確保と、シフトアクチュエータでの消費エネルギ低減による燃費の向上と、の両立を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトランスファの駆動モード切替制御装置を実現する実施の形態を、図面に示す第1実施例に基づいて説明する。
【0012】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例のトランスファの駆動モード切替制御装置を示す全体システム図である。図1において駆動系の構成を説明すると、1はエンジン、2は自動変速機、3は自動変速機出力軸、4はトランスファ、5はリヤプロペラシャフト、6はリヤディファレンシャル、7は左後輪ドライブシャフト、8は右後輪ドライブシャフト、9は左後輪、10は右後輪、11はフロントプロペラシャフト、12はフロントディファレンシャル、13は左前輪ドライブシャフト、14は右前輪ドライブシャフト、15は左前輪、16は右前輪である。
【0013】
前記トランスファ4での2WD選択時には、エンジン1及び自動変速機2を経過した駆動力を、トランスファ4→リヤプロペラシャフト5→リヤディファレンシャル6→左右後輪ドライブシャフト7,8→左右後輪9,10に伝達する後輪駆動状態を実現する。
【0014】
前記トランスファ4での4WD選択時には、エンジン1及び自動変速機2を経過した駆動力を、左右後輪9,10に伝達すると共に、フロントプロペラシャフト11→フロントディファレンシャル12→左右前輪ドライブシャフト13,14→左右前輪15,16に伝達するというように、左右後輪9,10と左右前輪15,16に等配分による駆動力を伝達するリジッド4WD状態を実現する。
【0015】
前記トランスファ4には、駆動伝達チェーン20、ハイギヤ−ローギヤ切替機構21と、2WD−4WD切替機構22と、両切替機構21,22の切替作動を外部からの制御指令にて行うシフトモータ23(シフトアクチュエータ)と、が設けられている。
【0016】
図1において前記シフトモータ23を制御する駆動モード切替制御系の構成を説明すると、24は駆動モード切替スイッチ、25は駆動モード位置センサ、26はトランスファコントロールユニット(駆動モード切替制御手段)、27はインジケータ、28はワーニングランプである。
【0017】
前記駆動モード切替スイッチ24は、車室内のインストルメントパネル位置等の運転者が操作可能な位置に配置され、運転者によるスイッチ切替操作により、2輪駆動ハイモード位置(2H)と4輪駆動ハイモード位置(4H)と4輪駆動ローモード位置(4LO)の切り替えを行うことができる。
【0018】
前記駆動モード位置センサ25は、後述するシフトモータ出力軸23aに設けられ、2輪駆動ハイモード位置(2H)と4輪駆動ハイモード位置(4H)とニュートラル位置(N)と4輪駆動ローモード位置(4LO)とを設定された回動範囲でのスイッチ信号の組み合わせにより判断する4つのシフトアクチュエータ位置スイッチSW1,SW2,SW3,SW4により構成される。
【0019】
前記トランスファコントロールユニット26は、前記駆動モード切替スイッチ24により駆動モード切替信号が入力されると、切替条件を確認した後、前記シフトモータ23の作動を開始し、駆動モード位置センサ25により切り替え後の駆動モード位置の信号を停止信号として、前記シフトモータ23の停止を行う電子制御手段である。
【0020】
このトランスファコントロールユニット26には、駆動モード切替スイッチ24及び駆動モード位置センサ25からの情報以外に、ブレーキスイッチ31からのブレーキ作動信号、右後輪速センサ32からの右後輪速、左後輪速センサ33からの左後輪速、右前輪速センサ34からの右前輪速、左前輪速センサ35からの左前輪速、エンジン回転数センサ36からのエンジン回転数、インヒビタースイッチ37からのA/Tポジション(レンジ位置)、出力軸回転数センサ38からのA/T出力軸回転数、油温センサ39からのA/T作動油温、等の各情報が入力される。
【0021】
前記インジケータ27は、車室内のインストルメントパネル位置等の運転者が視認可能な位置に配置され、トランスファコントロールユニット26からに指令により、トランスファ4にて選択されている駆動モードが表示される。
【0022】
前記ワーニングランプ28は、車室内のインストルメントパネル位置等の運転者が視認可能な位置に配置され、2WD−4WD切替機構22等の4WDシステム故障時や、ハイギヤ−ローギヤ切替機構21等の変速システム故障時、トランスファコントロールユニット26からの指令により、点灯または点滅される。
【0023】
図2は第1実施例の駆動モード切替制御装置が適用されたトランスファを示す断面図である。図3は第1実施例装置の円筒カム転回図である。図2において、40はトランスファケース、41はトランスファ入力軸、21はハイギヤ−ローギヤ切替機構、42はトランスファリヤ出力軸、22は2WD−4WD切替機構、43は入力側チェーンスプロケット、20は駆動伝達チェーン、44は出力側チェーンスプロケット、45はトランスファフロント出力軸、46はスライド軸、47は円筒カム軸、48は円筒カムである。
【0024】
前記ハイギヤ−ローギヤ切替機構21は、前記トランスファ入力軸41と一体に形成されたサンギヤ21aと、前記トランスファケース40に固定されたリングギヤ21bと、両ギヤ21a,21bに噛み合うピニオンを支持するキャリヤ21cと、を有するシングル型遊星歯車列により2段変速ギヤが構成される。そして、サンギヤ21aの側部に配置されたハイギヤ部21dと、キャリヤ21cの側部に配置されたローギヤ部21eと、前記トランスファリヤ出力軸42に摺動可能にスプライン嵌合される第1カップリングスリーブ21fと、該第1カップリングスリーブ21fに係合する第1シフトフォーク21gと、該第1シフトフォーク21gに一端が固定され、他端がスライド軸46に移動可能に設けられる第1スライドスリーブ21hと、該第1スライドスリーブ21hに固定された第1ピン21iと、によりギヤ切替機構が構成される。なお、前記スライド軸46は、トランスファリヤ出力軸42と平行配置で、かつ、トランスファケース40に対し往復移動可能に設けられる。
すなわち、第1カップリングスリーブ21fが図2に示す位置にあるとき、トランスファ入力軸41とトランスファリヤ出力軸42とを、サンギヤ21a及び第1カップリングスリーブ21fを介して直結するハイギヤ(ギヤ比1)が得られる。また、第1カップリングスリーブ21fが図2に示す位置から右側にストロークした位置にあるとき、トランスファ入力軸41とトランスファリヤ出力軸42とを、サンギヤ21a,ピニオン,キャリヤ21c,第1カップリングスリーブ21fを介して連結するローギヤ(減速ギヤ比はサンギヤ歯数とリングギヤ歯数との比)が得られる。
【0025】
前記2WD−4WD切替機構22は、トランスファリヤ出力軸42にスプライン嵌合された4WDギヤ部22aと、トランスファリヤ出力軸42に対し回転可能に設けられた入力側チェーンスプロケット43の側部に配置されたは4WD入力ギヤ部22bと、2WD選択時に4WDギヤ部22aに噛合し4WD選択時に両ギヤ部22a,22bに噛合する第2カップリングスリーブ22cと、該第2カップリングスリーブ22cに係合する第2シフトフォーク22dと、該第2シフトフォーク22dに一端が固定され、他端がスライド軸46に固定される第2スライドスリーブ22eと、該第2スライドスリーブ22eに固定された第2ピン22fと、により構成される。
すなわち、第2カップリングスリーブ22cが図2に示す位置にあるとき、トランスファリヤ出力軸42と入力側チェーンスプロケット44とを切り離す2輪駆動状態(後輪駆動状態)が得られ、第2カップリングスリーブ22cが図2に示す位置から右側にストロークした位置にあるとき、トランスファリヤ出力軸42と入力側チェーンスプロケット44とが、4WDギヤ部22a,第2カップリングスリーブ22c,4WD入力ギヤ部22bを介して連結する4輪駆動状態が得られる。なお、4輪駆動状態では、入力側チェーンスプロケット44に伝達された駆動力が、駆動伝達チェーン20と、出力側チェーンスプロケット44と、トランスファフロント出力軸45と、を介してフロントプロペラシャフト11に伝達される。
【0026】
前記円筒カム軸47は、シフトモータ23のシフトモータ出力軸23aと同軸上に連結され、シフトモータ出力軸23aの回動に伴って回動する軸で、該円筒カム軸47には、前記第1ピン21iが嵌合するハイギヤ−ローギヤカム溝48aと、前記第2ピン22fが嵌合する2WD−4WDカム溝48bとが円筒上に形成された円筒カム48が固定されている。
【0027】
前記ハイギヤ−ローギヤカム溝48aは、図3に示すように、2輪駆動ハイモード位置(2H)から4輪駆動ハイモード位置(4H)までの区間を、円筒カム軸47に直交する直線カム溝とし、4輪駆動ハイモード位置(4H)から4輪駆動ローモード位置(4LO)の少し前までの区間を、円筒カム軸47に傾斜する傾斜カム溝とし、4輪駆動ローモード位置(4LO)の前後の区間を、円筒カム軸47に直交する直線カム溝とし、直線カム溝の端部が円弧状のロー側溝端部48a’に形成されている。
【0028】
前記2WD−4WDカム溝48bは、図3に示すように、円弧状の2WD側溝端部48b’から2輪駆動ハイモード位置(2H)の前後の区間を、円筒カム軸47に直交する直線カム溝とし、2輪駆動ハイモード位置(2H)少し後から4輪駆動ハイモード位置(4H)までの区間を、円筒カム軸47に傾斜する傾斜カム溝とし、4輪駆動ハイモード位置(4H)から4輪駆動ローモード位置(4LO)より少し後までの区間を、円筒カム軸47に直交する直線カム溝としている。
【0029】
図4は第1実施例装置の駆動モード位置センサ25を示す概略図、図5は第1実施例装置の駆動モード位置センサ25の円筒カム回転角に対するシフトアクチュエータ位置スイッチSW1,SW2,SW3,SW4の各信号パターンを示す図、図6は第1実施例装置での駆動モード切替スイッチ操作判断とシフトアクチュエータ位置スイッチSW1,SW2,SW3,SW4の各信号パターンとの対応関係を示す図である。
【0030】
駆動モード位置センサ25は、図4に示すように、モータケースに固定され、シフトモータ軸23aを中心とする4つの環状スイッチ回路を有するスイッチ基板25aと、シフトモータ軸23aに固定され、4つの環状スイッチ回路に対し径方向位置に配置された可動スイッチ部25bと、を有し、4種類のON/OFFスイッチ信号を出すシフトアクチュエータ位置スイッチSW1,SW2,SW3,SW4により構成されている。
【0031】
前記シフトアクチュエータ位置スイッチSW1は、図5に示すように、2WD区間でON、2WD−4H区間と4H区間と4H−N区間とN区間でOFF、N−4LO区間と4LO区間でONを出力する。
【0032】
前記シフトアクチュエータ位置スイッチSW2は、図5に示すように、2WD区間でOFF、2WD−4H区間でON、4H区間と4H−N区間に少し入った区間でOFF、4H−N区間の大半の区間とN区間とN−4LO区間と4LO区間でONを出力する。
【0033】
前記シフトアクチュエータ位置スイッチSW3は、図5に示すように、2WD区間と2WD−4H区間と4H区間でON、4H−N区間とN区間とN−4LO区間と4LO区間でOFFを出力する。
【0034】
前記シフトアクチュエータ位置スイッチSW4は、図5に示すように、2WD区間と2WD−4H区間の大半の区間でOFF、少しの2WD−4H区間と4H区間と4H−N区間でON、N区間とN−4LO区間でOFF、4LO区間でONを出力する。
【0035】
駆動モード切替スイッチ24を2輪駆動ハイモード位置(2H)から4輪駆動ハイモード位置(4H)に切り替えたとき、図6に示すように、シフトアクチュエータ位置スイッチSW2がON→OFFとなることで、2H→4Hの駆動モード切替スイッチ操作を判断することができる。
【0036】
駆動モード切替スイッチ24を4輪駆動ハイモード位置(4H)から4輪駆動ローモード位置(4LO)に切り替えたとき、図6に示すように、シフトアクチュエータ位置スイッチSW4がOFF→ONとなることで、4H→4LOの駆動モード切替スイッチ操作を判断することができる。
【0037】
駆動モード切替スイッチ24を2輪駆動ハイモード位置(2H)から4輪駆動ローモード位置(4LO)に切り替えたとき、図6に示すように、シフトアクチュエータ位置スイッチSW1がON、シフトアクチュエータ位置スイッチSW3がOFF、シフトアクチュエータ位置スイッチSW4がOFF→ONとなることで、2H→4LOの駆動モード切替スイッチ操作を判断することができる。
【0038】
駆動モード切替スイッチ24を4輪駆動ローモード位置(4LO)から4輪駆動ハイモード位置(4H)に切り替えたとき、図6に示すように、シフトアクチュエータ位置スイッチSW3がON→OFFとなることで、4LO→4Hの駆動モード切替スイッチ操作を判断することができる。
【0039】
駆動モード切替スイッチ24を4輪駆動ハイモード位置(4H)から2輪駆動ハイモード位置(2H)に切り替えたとき、または、4輪駆動ローモード位置(4LO)から2輪駆動ハイモード位置(2H)に切り替えたとき、図6に示すように、シフトアクチュエータ位置スイッチSW1がOFF→ONとなることで、4H→2H、4LO→2Hの駆動モード切替スイッチ操作を判断することができる。
【0040】
次に、作用を説明する。
【0041】
[駆動モード切替制御処理]
図7はトランスファコントロールユニット26にて実行される駆動モード切替制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0042】
ステップS1では、運転者により駆動モード切替スイッチ24に対し駆動モードを切り替える操作が行われたか否かが判断され、YESの場合はステップS2へ移行し、NOの場合はモード切替操作の確認を繰り返す。
【0043】
ステップS2では、ステップS1にて行われた駆動モードのを切替操作が、変速比をハイ側とロー側とで切り替える4輪駆動ハイモード位置(4H)と4輪駆動ローモード位置(4LO)との間の切替操作時、または、2輪駆動ハイモード位置(2H)と4輪駆動ローモード位置(4LO)との間の切替操作時、であるか否かが判断され、YESの場合はステップS3へ移行し、NOの場合(変速比をハイ側とロー側とで切り替えない2輪駆動ハイモード位置(2H)と4輪駆動ハイモード位置(4H)との間の切替操作時)はステップS6へ移行する。
【0044】
ステップS3では、切替条件1を満足しているか否かを確認し、YESの場合はステップS4へ移行し、NOの場合は満足するまでステップS2へ戻る。
ここで、「切替条件1」は、▲1▼自動変速機2のレンジ位置がニュートラルレンジ位置であること、▲2▼車輪速が0km/hであること、▲3▼エンジン回転数が350rpmから1600rpmまでであること、▲4▼ブレーキ作動信号がONであること、の4条件をいう。
【0045】
ステップS4では、ステップS3での切替条件1を満足しているとの判断に基づいて、油温センサ39からのA/T油温を検出し、ステップS5へ移行する(フリクショントルク推定手段)。
【0046】
ステップS5では、ステップS4での油温センサ39からのA/T油温と、図8▲4▼に示す変速機油温−電流値特性に基づいて、シフトモータ23に印加する電流値(=切替作動トルク)を決定する。
【0047】
ステップS6では、ステップS2での判断でNOである時、すなわち、変速比をハイ側とロー側とで切り替えない2輪駆動ハイモード位置(2H)と4輪駆動ハイモード位置(4H)との間の切替操作時、切替条件2を満足しているか否かを確認し、YESの場合はステップS7へ移行し、NOの場合は満足するまでステップS2へ戻る。
ここで、「切替条件2」は、前後輪の回転速度差が設定速度差(例えば、2WD−4WD切替機構22での4WD側へのギヤ噛み合い動作に支障のない僅かな回転速度差)以下であること、の1つの条件をいう。
【0048】
ステップS7では、ステップS3での切替条件1を満足し、ステップS5で決定された電流値、または、ステップS6での切替条件2を満足し、予め定めた一定値による電流値、により、切り替え後の駆動モードを得る方向に回転作動させる指令をシフトモータ23を出力し、ステップS8へ移行する。
【0049】
ステップS8では、シフトモータ23の作動開始時からの経過時間が制限時間を超えているか否かが判断され、YESの場合はステップS12へ移行し、NOの場合はステップS9へ移行する。
ここで、「制限時間」とは、シフトモータ23を保護するために設定されている最大通電時間(例えば、5秒)である。
【0050】
ステップS9では、ステップS8により制限時間を超えていないと判断された場合、停止信号(駆動モード位置センサ25から切り替え後の駆動モードとなったことを示すスイッチ信号)の出力時か否かが判断され、YESの場合はステップS10へ移行し、NOの場合はステップS7へ戻り、シフトモータ23の作動が継続される。
【0051】
ステップS10では、ステップS9での停止信号の出力に基づいて、シフトモータ23を停止させ、ステップS11へ移行する。
【0052】
ステップS11では、シフトモータ23のモータ回転位置を、モータ回転位置メモリに既に記憶されているモータ回転位置に代え、新たにモータ回転位置として更新し、リターンへ移行する。
【0053】
ステップS12では、ステップS8の判断でシフトモータ23の作動開始時からの経過時間が制限時間を超えている場合、停止信号を出力する駆動モード位置センサ25が故障、あるいは、シフトモータ23が作動停止による故障であると診断し、この故障診断に基づいて、シフトモータ23を停止させる指令を出力し、ステップS13へ移行する。
【0054】
ステップS13では、現在のシフトモータ23のモータ回転位置を判定し、それ以降のシフトモータ23の作動を停止し、駆動モード切替制御を終了する。
【0055】
[2H−4Hとの間での駆動モード切替時]
変速比をハイ側とロー側とで切り替えない2輪駆動ハイモード位置(2H)と4輪駆動ハイモード位置(4H)との間の切替操作時には、図7のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS6へと進み、ステップS6において、前後輪の回転速度差が設定速度差以下である切替条件2を満足しているか否かを確認し、確認できない場合は、切替条件2を満足するまでステップS2からステップS6へ進む流れを繰り返す。
【0056】
そして、ステップS6において、切替条件2を満足すると、ステップS6からステップS7→ステップS8→ステップS9へと進み、ステップS9にて停止信号を入力するまでは、ステップS7→ステップS8→ステップS9を繰り返す流れとなり、切替操作前の駆動モード位置から切替操作後の駆動モード位置へと移行するようにシフトモータ23を回転作動する指令が出される。
【0057】
そして、駆動モード切替制御系が正常であることで、シフトモータ23の作動開始からの経過時間が制限時間内で切替操作後の駆動モード位置まで到達し、ステップS9にて駆動モード位置センサ25から停止信号が出力されると、ステップS10へ進み、ステップS10において、シフトモータ23を停止し、次のステップS11において、シフトモータ23のモータ回転位置が更新される。
【0058】
よって、駆動モード切替制御系の正常時に駆動モード切替スイッチ24により2輪駆動ハイモード位置(2H)と4輪駆動ハイモード位置(4H)との間の切替操作を行うと、前後輪の回転同期条件である切替条件2を満足するだけで、直ちに駆動モードの切り替え制御が実行される。
【0059】
ここで、切替条件2を前後輪の回転同期条件としたのは、ギヤの噛み合いを伴って第2カップリングスリーブ22cをストロークさせるにあたって、左右前輪15,16により入力側チェーンスプロケット44と共に回される4WD入力ギヤ部22bと、左右後輪9,10によりトランスファリヤ出力軸42と共に回される4WDギヤ部22aとの回転同期が必要となることによる。
【0060】
つまり、2輪駆動ハイモード位置(2H)から4輪駆動ハイモード位置(4H)への切り替え時には、第2カップリングスリーブ22cを、図2に示す2Hの位置から右側にストロークさせ、4WD入力ギヤ部22bに噛み合っている第2カップリングスリーブ22cを4WDギヤ部22aに噛み合わせることで4Hの位置が得られる。逆に、4輪駆動ハイモード位置(4H)から2輪駆動ハイモード位置(2H)への切り替え時には、第2カップリングスリーブ22cを、4Hの位置から左側にストロークさせ、4WDギヤ部22aに噛み合っている第2カップリングスリーブ22cを4WD入力ギヤ部22bに噛み合わせることで2Hの位置が得られる。
【0061】
[駆動モード切替制御系の故障時]
駆動モード切替制御系の故障時(駆動モード位置センサ25の故障時やシフトモータ23の停止故障時、等)に駆動モード切替操作をしたときには、図7のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5(または、ステップS1→ステップS2→ステップS6)からステップS7→ステップS8→ステップS9へと進み、ステップS9にて停止信号を入力するまでは、ステップS7→ステップS8→ステップS9を繰り返す流れとなり、シフトモータ23に回転作動指令が出される。
【0062】
ここで、例えば、駆動モード位置センサ25が故障であると、いつまで待ってもステップS9にて停止信号を入力することなく、ステップS8にて制限時間を超えることになる。また、シフトモータ23が停止故障であると、シフトモータ23に対し回転作動指令を出してもシフトモータ23は停止したままで動かないため、ステップS9にて停止信号を入力することなく、ステップS8にて制限時間を超えることになる。
【0063】
そして、ステップS8にて制限時間を超えると、ステップS8からステップS12→ステップS13へと進み、ステップS12において、シフトモータ23の作動が停止され、ステップS13において、モータ回転位置が判定され、その後の駆動モード切替制御が禁止される。
【0064】
よって、駆動モード切替制御系の故障時には、駆動モード切替操作をしても、制限時間までシフトモータ23を作動する指令が出されるだけで、その後、駆動モード切替制御を禁止するという措置により、切替操作前の駆動モードがそのまま維持される。この駆動モード切替制御系の故障時には、ワーニングランプ28を点灯または点滅し、乗員にシステム故障が発生していることを知らせる。
【0065】
[4H−4LO、2H−4LOとの間での駆動モード切替時]
変速比をハイ側とロー側とで切り替える4輪駆動ハイモード位置(4H)と4輪駆動ローモード位置(4LO)との間の切替操作時、または、2輪駆動ハイモード位置(2H)と4輪駆動ローモード位置(4LO)との間の切替操作時には、図7のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進み、ステップS3において、切替条件1(レンジ位置条件、車速条件、エンジン回転数条件、ブレーキ作動条件)を満足しているか否かを確認し、確認できない場合は、切替条件1を満足するまでステップS2からステップS3へ進む流れを繰り返す。
【0066】
そして、ステップS3において、切替条件1を満足すると、ステップS4において、A/T油温が検出され、次のステップS5において、A/T油温検出値と変速機油温−電流値特性(図4▲4▼)に基づいて、シフトモータ23に印加する電流値が決定され、ステップS5からステップS7→ステップS8→ステップS9へと進み、ステップS9にて停止信号を入力するまでは、ステップS7→ステップS8→ステップS9を繰り返す流れとなり、切替操作前の駆動モード位置から切替操作後の駆動モード位置へと移行するようにシフトモータ23を決定した電流値により回転作動する指令が出される。
【0067】
そして、駆動モード切替制御系が正常であることで、シフトモータ23の作動開始からの経過時間が制限時間内で切替操作後の駆動モード位置まで到達し、ステップS9にて駆動モード位置センサ25から停止信号が出力されると、ステップS10へ進み、ステップS10において、シフトモータ23を停止し、次のステップS11において、シフトモータ23のモータ回転位置が更新される。
【0068】
よって、駆動モード切替制御系の正常時に駆動モード切替スイッチ24により4輪駆動ハイモード位置(4H)と4輪駆動ローモード位置(4LO)との間の切替操作、または、2輪駆動ハイモード位置(2H)と4輪駆動ローモード位置(4LO)との間の切替操作を行ったときには、レンジ位置条件、車速条件、エンジン回転数条件、ブレーキ作動条件による切替条件1を満足すると、A/T油温に応じてシフトモータ23に印加する電流値が決定され、決定した電流値により駆動モードの切り替え制御が実行される。
【0069】
[変速比の切り替えによる駆動モード切替作用]
変速比をハイ側とロー側とで切り替える4輪駆動ハイモード位置(4H)と4輪駆動ローモード位置(4LO)との間の駆動モード切替等のように、自動変速機2がニュートラル位置(N)であることを切替条件とする駆動モード切替時には、自動変速機2内の摩擦係合要素が解放されていることで、理論的には自動変速機2からトランスファ4に対しエンジン駆動力が伝達されないが、実際には自動変速機2内の残留作動油により多板クラッチ等のプレート引き摺りによるトルク(=引き摺りトルク)がトランスファ4に伝達され、この引き摺りトルクを主たる原因とする自動変速機2のフリクショントルクの大きさにより、トランスファ4のハイギヤ−ローギヤ切替機構21を切り替えるのに必要とする切替作動トルクが変化する。
【0070】
従来、駆動モード切替時には、シフトモータに対し一定電流値を印加するようにしているため、自動変速機の最大フリクショントルクでもハイ−ロー切替作動ができるように高い電流値に設定した場合には、A/T油温が高い低フリクショントルク時には、電流値の無駄が出て、燃費の悪化を招く。一方、電流値の無駄がないように、低い電流値に設定した場合には、例えば、A/T油温が低い寒冷地等での走行時において、自動変速機のフリクショントルクの大きさより切替作動トルクが低くなり、ハイギヤ−ローギヤ切替機構の切り替え作動が確保できなくなる。
【0071】
これに対し、第1実施例装置では、ハイギヤ−ローギヤ切替機構21の切り替え動作を必要とする4Hと4LOとの間の切替操作、または、2Hと4LOとの間の切替操作を行ったときには、レンジ位置条件、車速条件、エンジン回転数条件、ブレーキ作動条件による切替条件1を満足すると、A/T油温に応じてシフトモータ23に印加する電流値が決定され、決定した電流値により駆動モードの切り替え制御が実行されるため、自動変速機2のフリクショントルクの大きさにかかわらず、確実な切替作動の確保と、シフトモータ23での消費電力低減による燃費の向上と、の両立を図ることができる。
【0072】
ここで、エンジン回転数条件として、エンジン回転数を350rpmから1600rpmまでとした理由を述べる。まず、自動変速機2内の多板クラッチ等の引き摺りにより噛み合い前は相対回転しているため、互いに噛み合う2つのギヤの噛み合い開始部分に、斜め歯面形状を形成することで噛み合い易い構造を採用している。しかし、エンジン回転数が350rpmより低回転数であると、相対回転がほとんど発生しない止まり過ぎ状態となり、例えば、歯面頂部同士が対向している場合には、2つのギヤの噛み合いが困難となることによる。また、エンジン回転数が1600rpmより高回転数であると、相対回転が大きな回り過ぎ状態となり、2つのギヤの噛み合いが困難となることによる。つまり、エンジン回転数を350rpmから1600rpmまでとしたのは、確実にスムーズな2つのギヤ噛み合い作動を達成するためである。
【0073】
[変速機油温−電流値特性の設定]
図7のフローチャートのステップS5においては、A/T油温検出値と変速機油温−電流値特性に基づいて、シフトモータ23に印加する電流値を決定するようにしているが、図4▲4▼に示す変速機油温−電流値特性をどのようにして設定するかについて説明する。
【0074】
まず、自動変速機2のフリクショントルクと電流値と切替応答時間との関係をみると、図8▲1▼に示すように、実験等により得られたフリクショントルク上限値を一定値により規定すると、切替応答時間は電流値が高いほど短い時間となり、電流値が低いほど長い時間となる。そこで、最大電流値(5.0A)の特性とフリクショントルク上限値特性とが交わる点を切替応答時間上限値とする。この切替応答時間上限値は、油温が極低油温で、シフトモータ23に最大電流を印加したときの駆動モード切替に要する時間となる。
【0075】
また、駆動モード切替時のギヤ噛み合い動作による衝撃荷重(変速ショック)と切替応答時間の関係をみると、図8▲2▼に示すように、切替応答時間が短いほど衝撃荷重が大きく、また、切替応答時間が長いほど衝撃荷重が小さくなる。そこで、衝撃荷重上限値を一定値により規定し、衝撃荷重特性と衝撃荷重上限値特性とが交わる点を切替応答時間下限値とする。この切替応答時間下限値は、衝撃荷重を上限値までに抑えるのに最小の切替応答時間となる。
【0076】
よって、衝撃荷重により決められた切替応答時間下限値から、フリクショントルクと電流値とにより決められた切替応答時間上限値までの間の時間を切替応答時間目標値(例えば、1秒程度)として設定する。
【0077】
一方、A/T油温と自動変速機2のフリクショントルクとの間の関係は、図8▲3▼に示すように、A/T油温が低いほどフリクショントルクは高く、また、A/T油温が高いほどフリクショントルクは低いというように、ほぼ反比例の関係特性を示す。
【0078】
以上により、切替応答時間目標値を予め設定しておき、A/T油温をフリクショントルクの推定情報として用い、実切替応答時間が切替応答時間目標値となるように決定されたものが、図8▲4▼に示すA/T油温−電流値の関係特性である。このA/T油温−電流値の関係特性を用いることで、駆動モードの切替時、自動変速機2のフリクショントルクを精度良く推定し、衝撃荷重を小さく抑えながら、最大の切替作動トルク必要時においても切替作動を確保することができる。
なお、A/T油温−電流値の関係特性としては、図8▲4▼に示す直線による線形特性に限らず、直線特性と傾斜線特性との組み合わせ特性や、階段状特性や、非線形特性、等により与えるようにしても良い。
【0079】
次に、効果を説明する。
第1実施例のトランスファの駆動モード切替制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0080】
(1) 自動変速機2と各輪9,10,15,16との間の位置に配置され、高変速比によるハイモード位置と低変速比によるローモード位置との切り替えが可能なハイギヤ−ローギヤ切替機構21を有するトランスファ4と、運転者の操作による駆動モード切替時であって、自動変速機2がニュートラルレンジ位置であるという条件を含む所定の切替条件を満足するとき、駆動モード位置の切替作動指令をシフトアクチュエータに対し出力するトランスファコントロールユニット26と、を備えたトランスファの駆動モード切替制御装置において、前記自動変速機2をニュートラルレンジ位置にしたときのフリクショントルクを推定するフリクショントルク推定手段を設け、前記トランスファコントロールユニット26は、ハイモード位置とローモード位置との間の切り替え時、前記シフトアクチュエータに対して指令する切替作動トルクを、推定されるフリクショントルクに応じた可変トルクにより設定するため、自動変速機2のフリクショントルクの大きさにかかわらず、確実な切替作動の確保と、シフトアクチュエータでの消費エネルギ低減による燃費の向上と、の両立を図ることができる。
【0081】
(2) 前記フリクショントルク推定手段は、自動変速機2の作動油温を検出する油温センサ39により検出される油温が低いほどフリクショントルクが大きいと推定するため、摩擦係合要素の引き摺りトルクを主な原因とするフリクショントルクを、自動変速機2の作動油温により精度良く推定することができる。
【0082】
(3) 前記トランスファコントロールユニット26は、切替応答時間目標値を予め設定し、実切替応答時間が切替応答時間目標値となるように決定されたフリクショントルクと切替作動トルクとの関係特性により設定する切替作動トルク設定部を有するため、駆動モードの切替時、フリクショントルクの大きさにかかわらず、ほぼ目標値による切替応答時間を得ることができる。
【0083】
(4) 前記切替作動トルク設定部は、自動変速機のフリクショントルク上限値と最大切替作動トルクにより決められる切替応答時間上限値と、切替時の衝撃荷重上限値により決められる切替応答時間下限値と、との間の時間を切替応答時間目標値として設定するため、衝撃荷重を小さく抑えながら、最大の切替作動トルク必要時においても切替作動を確保することができる。
【0084】
(5) 前記トランスファ4は、2輪駆動ハイモード位置(2H)と4輪駆動ハイモード位置(4H)とニュートラル位置(N)と4輪駆動ローモード位置(4LO)とを切り替えるハイギヤ−ローギヤ切替機構21と2WD−4WD切替機構22を有し、前記トランスファコントロールユニット26は、ハイモード位置とローモード位置との間の切替操作時、自動変速機2がニュートラルレンジ位置であるレンジ位置条件、車輪速が0km/hであるという車速条件、エンジン回転数が350rpmから1600rpmまでというエンジン回転数条件、ブレーキ作動時であるというブレーキ作動条件、による切替条件を全て満足するとき、油温センサ39により変速機油温を検出し、変速機油温検出値と変速機油温−電流値特性に基づいて、シフトモータ23へ印加する電流値を決めるため、変速機油温により推定される自動変速機2のフリクショントルクの大きさにかかわらず、確実な切替作動の確保と、シフトモータ23での消費電力低減による燃費の向上と、の両立を図ることができる。
【0085】
以上、本発明のトランスファの駆動モード切替制御装置を第1実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この第1実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0086】
例えば、第1実施例では、トランスファとして、2輪駆動ハイモード位置(2H)と4輪駆動ハイモード位置(4H)とニュートラル位置(N)と4輪駆動ローモード位置(4LO)とを切り替えるハイギヤ−ローギヤ切替機構と2WD−4WD切替機構を有する例を示したが、ハイギヤとローギヤとを切り替えるトランスファであれば実施例記載のものに限定されない。
【0087】
第1実施例では、フリクショントルク推定手段として、自動変速機の作動油温により推定する手段の例を示したが、自動変速機に出力軸にトルクセンサを設けてフリクショントルクを推定するようにしても良いし、また、自動変速機の作動油温により推定した値を、エンジントルクや変速機入力トルクにより補正する事で求めるようにしても良い。
【0088】
第1実施例では、駆動モード切替制御系の故障診断時、それ以降の駆動モードの切り替えを禁止する例を示したが、駆動モード切替制御系の故障のうち、駆動モード位置センサの故障でシフトアクチュエータが正常時には、機械的に動作が停止する両端位置に対応する2輪駆動ハイモード位置(2H)と4輪駆動ローモード位置(4LO)との間の切り替えのみを許可するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のトランスファの駆動モード切替制御装置を示す全体システム図である。
【図2】第1実施例の駆動モード切替制御装置が適用されたトランスファを示す断面図である。
【図3】第1実施例装置におけるトランスファに採用されている円筒カムの展開図である。
【図4】第1実施例装置の駆動モード位置センサを示す概略図である。
【図5】第1実施例装置の駆動モード位置センサの円筒カム回転角に対するシフトアクチュエータ位置スイッチの各信号パターンを示す図である。
【図6】第1実施例装置での駆動モード切替スイッチ操作判断とシフトアクチュエータ位置スイッチの各信号パターンとの対応関係を示す図である。
【図7】第1実施例装置におけるトランスファコントロールユニットにて実行される駆動モード切替制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】第1実施例装置における変速機油温−電流値特性の設定方法説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 自動変速機
3 自動変速機出力軸
4 トランスファ
20 駆動伝達チェーン
21 ハイギヤ−ローギヤ切替機構
21i 第1ピン
22 2WD−4WD切替機構
22f 第2ピン
23 シフトモータ(シフトアクチュエータ)
23a シフトモータ出力軸
24 駆動モード切替スイッチ
25 駆動モード位置センサ
26 トランスファコントロールユニット(駆動モード切替制御手段)
40 トランスファケース
41 トランスファ入力軸
42 トランスファリヤ出力軸
43 入力側チェーンスプロケット
44 出力側チェーンスプロケット
45 トランスファフロント出力軸
46 スライド軸
47 円筒カム軸
48 円筒カム
48a ハイギヤ−ローギヤカム溝
48b 2WD−4WDカム溝
2H 2輪駆動ハイモード位置
4H 4輪駆動ハイモード位置
N ニュートラル位置
4LO 4輪駆動ローモード位置

Claims (5)

  1. 自動変速機と車輪との間の位置に配置され、高変速比によるハイモード位置と低変速比によるローモード位置との切り替えが可能なハイギヤ−ローギヤ切替機構を有するトランスファと、
    運転者の操作による駆動モード切替時であって、自動変速機がニュートラルレンジ位置であるという条件を含む所定の切替条件を満足するとき、駆動モード位置の切替作動指令をシフトアクチュエータに対し出力する駆動モード切替制御手段と、
    を備えたトランスファの駆動モード切替制御装置において、
    前記自動変速機をニュートラルレンジ位置にしたときのフリクショントルクを推定するフリクショントルク推定手段を設け、
    前記駆動モード切替制御手段は、ハイモード位置とローモード位置との間の切り替え時、前記シフトアクチュエータに対して指令する切替作動トルクを、推定されるフリクショントルクに応じた可変トルクにより設定することを特徴とするトランスファの駆動モード切替制御装置。
  2. 請求項1に記載されたトランスファの駆動モード切替制御装置において、
    前記フリクショントルク推定手段は、自動変速機の作動油温を検出する油温センサにより検出される油温が低いほどフリクショントルクが大きいと推定することを特徴とするトランスファの駆動モード切替制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載されたトランスファの駆動モード切替制御装置において、
    前記駆動モード切替制御手段は、切替応答時間目標値を予め設定し、実切替応答時間が切替応答時間目標値となるように決定されたフリクショントルクと切替作動トルクとの関係特性により設定する切替作動トルク設定部を有することを特徴とするトランスファの駆動モード切替制御装置。
  4. 請求項3に記載されたトランスファの駆動モード切替制御装置において、
    前記切替作動トルク設定部は、自動変速機のフリクショントルク上限値と最大切替作動トルクにより決められる切替応答時間上限値と、切替時の衝撃荷重上限値により決められる切替応答時間下限値と、との間の時間を切替応答時間目標値として設定することを特徴とするトランスファの駆動モード切替制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載されたトランスファの駆動モード切替制御装置において、
    前記トランスファは、2輪駆動ハイモード位置と4輪駆動ハイモード位置とニュートラル位置と4輪駆動ローモード位置とを切り替えるハイギヤ−ローギヤ切替機構と2WD−4WD切替機構を有し、
    前記駆動モード切替制御手段は、ハイモード位置とローモード位置との間の切替操作時、自動変速機がニュートラルレンジ位置であるレンジ位置条件、車輪速が0km/hであるという車速条件、エンジン回転数が350rpmから1600rpmまでというエンジン回転数条件、ブレーキ作動時であるというブレーキ作動条件、による切替条件を全て満足するとき、油温センサにより変速機油温を検出し、変速機油温検出値と変速機油温−電流値特性に基づいて、シフトモータへ印加する電流値を決めることを特徴とするトランスファの駆動モード切替制御装置。
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