JPH08223983A - 推力アクチュエータ - Google Patents

推力アクチュエータ

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JPH08223983A
JPH08223983A JP7026332A JP2633295A JPH08223983A JP H08223983 A JPH08223983 A JP H08223983A JP 7026332 A JP7026332 A JP 7026332A JP 2633295 A JP2633295 A JP 2633295A JP H08223983 A JPH08223983 A JP H08223983A
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load
rod
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悦史 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モータ2への通電停止後に動力伝達系に荷重
が掛からない構造として装置の小型化および軽量化を実
現するとともに、電気配線を簡素化してコストダウンを
図ること。 【構成】 モータ駆動回路5より通電を受けて回転する
モータ2の出力トルクが動力伝達機構によって軸方向の
推力に変換されてロッドに伝達される。ロッドは、推力
を受けて軸方向に移動することにより、切換装置のフォ
ークシャフトを駆動して2輪駆動と4輪駆動との切り換
えを行う。この時、ロッドがロックしてモータ2に過大
な負荷が掛かると、モータ2の出力トルクが所定値を超
えないように、モータ駆動回路5によってモータ2に流
れる負荷電流が制限される。従って、モータ2に掛かる
負荷が所定値を超えてモータ出力より大きくなると、モ
ータ2は停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータの回転力を軸方
向の動力に変換してロッドを駆動する推力アクチュエー
タに関し、特に4輪駆動車における2輪駆動と4輪駆動
との切換装置、または差動固定装置(通称デフロック)
のロック状態とアンロック状態との切換装置等に用いて
好適である。
【0002】
【従来の技術】例えば、4輪駆動車における2輪駆動と
4輪駆動との切換装置としては、特公平5−55331
号公報に開示されたものが知られている。この切換装置
は、フォークシャフトに固定されたシフトフォークによ
ってスライダを操作し、このスライダを介して前輪側の
駆動軸に設けられたスプラインと後輪側の駆動軸に設け
られたスプラインとを連結されることで4輪駆動とな
り、切り離されることで2輪駆動となる。そして、フォ
ークシャフトを軸方向に往復動させる手段として推力ア
クチュエータが用いられている。
【0003】推力アクチュエータは、モータの回転力を
ギヤの組み合わせにより増力してピニオンギヤに伝達
し、ピニオンギヤからロッドと同軸に配設したラックギ
ヤに伝達して推力(軸方向の動力)に変換している。そ
して、モータとロッド間には、ロッドがロックした時に
反力(弾力)を蓄えるためのトーションスプリングが配
設されている。
【0004】この推力アクチュエータの作動を図8に示
すタイムチャートに基づいて簡単に説明する。始動スイ
ッチがオンされてモータが回転すると、推力によりロッ
ドが作動して、そのロッドに連結されたフォークシャフ
トを駆動する。ここで、ロッドがロックした場合(即
ち、スライダとスプラインとが噛み合わないでフォーク
シャフトの移動が停止した時/図8中のX時点)でも、
トーションスプリングがモータの回転力を受けて捩じら
れることにより、モータはロックすることなく回転を継
続し、所定量回転した後、通電が停止される(図8中の
Y時点)。
【0005】この状態でスライダとスプラインとが噛み
合うのを待ち、噛み合った時(図8中のZ時点)に、ト
ーションスプリングに蓄えられた弾力によってロッドが
作動する。このトーションスプリングの働きにより、モ
ータロック時の過大推力がロッドに掛からないようにな
っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の推力
アクチュエータは、下記の課題を有している。 イ)モータが所定量回転した後、モータへの通電を停止
するシステムである。従って、モータへの通電を停止す
るタイミングを知るために、モータの回転量(回転角)
を検出する装置が必要であり、この検出装置からモータ
の通電制御を行う制御装置(ECU)へ信号を送るため
の信号線が必要となって、システム的にコスト高とな
る。
【0007】ロ)トーションスプリングは、その捩じり
トルクを小さくする目的で、モータに近い側(減速量を
小さくできる)に配設されている。そのため、トーショ
ンスプリングの捩じり量(回転量)を大きく取ることが
多く、通常では角度にして180度と大きいことから、
バネ定数の極端に小さいスプリングを必要とする。これ
を実現するためには、スプリングの巻き数を極端に大き
くしなければならず、トーションスプリング自体が大き
くなり、装置全体の大型化を招く。
【0008】仮に、バネ定数の大きいスプリングを使用
した場合は、モータの捩じり込み量に従ってロッドの出
力荷重の増加度合いが大きくなることから、過荷重とな
ってしまうため適用は困難である。一方、トーションス
プリングをロッド側に設けた場合は、捩じり量の角度は
小さくなるが、捩じりトルクは大きくする必要があるた
め、やはりトーションスプリング自体が大きくなってし
まう。
【0009】ハ)上述の説明でロッドがロックしている
時、即ちスライダがスプラインと噛み合うまでの所謂
「待ち状態」の時は、トーションスプリングに蓄えられ
た反力によりモータが逆回転しないように、進み角の小
さいウォームギヤを設ける必要がある。しかし、スライ
ダがスプラインと噛み合ってロッドの作動が終了した後
でも、ロッドにはトーションスプリングのセット荷重
(残存捩じり分による捩じりトルク)が掛かっている。
従って、進み角の小さいウォームギヤによってモータが
逆回転できない構造であると、モータとロッドとの間で
動力を伝達する各ギヤや軸、および軸を支持するハウジ
ング等に常時荷重が掛かってしまう。このため、耐力が
大きくクリープ強度の高いギヤや軸およびハウジングを
用いる必要があることから、装置の大型化を招くととも
にコスト高となる。
【0010】本発明は、上記事情に基づいて成されたも
ので、モータへの通電停止後に動力伝達系に荷重が掛か
らない構造として装置の小型化および軽量化を実現する
とともに、電気配線を簡素化してコストダウンを図った
推力アクチュエータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、以下の構成を採用した。請求項1では、
通電を受けて負荷電流に応じた出力トルクを発生するモ
ータと、軸方向に往復動可能に設けられたロッドと、前
記モータの出力トルクを軸方向の推力に変換して前記ロ
ッドに伝達するとともに、前記モータへの通電が停止さ
れた時に、前記ロッドに掛かる負荷を受けて前記モータ
を逆回転できる動力伝達機構と、前記モータを所定時間
通電するとともに、前記モータに所定値以上の負荷が掛
かった時に、前記モータの出力トルクが前記所定値を超
えないように前記負荷電流を制限するモータ駆動回路と
を備えたことを特徴とする。
【0012】請求項2では、請求項1に記載した推力ア
クチュエータにおいて、前記モータ駆動回路は、前記モ
ータに所定値以上の負荷が掛かった時に、前記モータに
流れる負荷電流を一定に保つ定電流回路を有することを
特徴とする。
【0013】請求項3では、請求項1または2に記載し
た推力アクチュエータにおいて、前記モータ駆動回路
は、前記モータに所定値以上の負荷が掛かった時に、前
記モータに流れる負荷電流を所定の増加率で増加させる
ことを特徴とする。
【0014】
【作用および発明の効果】
(請求項1)モータに発生する出力トルクが動力伝達機
構により軸方向の推力に変換されて、ロッドに伝達され
ることでロッドが駆動される(軸方向に移動する)。こ
の駆動中にロッドがロックしてモータに掛かる負荷が増
大すると、負荷の増大に伴ってモータの出力トルクも増
大するが、モータに掛かる負荷が所定値以上となって
も、モータ駆動回路によってモータの出力トルクが所定
値を超えないように負荷電流が制限される。その後、ロ
ッドのロック状態が解消されてロッドが移動を完了し、
モータへの通電が停止されると、モータは、動力伝達機
構に残存する荷重を受けて一旦わずかに逆回転した後、
停止する。
【0015】この発明によれば、ロッドがロックしてモ
ータに掛かる負荷が増大した時に、モータに流れる負荷
電流が制限されてモータの出力トルクが抑えられるた
め、ロッドおよび動力伝達機構に過大な(必要以上の)
負荷が掛からない。また、モータへの通電が停止された
後、モータが一旦わずかに逆回転して動力伝達機構の残
存荷重を解消することができるため、モータの回転停止
後にロッドおよび動力伝達機構に負荷が掛からない。こ
のため、動力伝達機構の構成部品(例えば、ギヤ、軸、
軸受等)の小型化および軽量化(樹脂化)が可能とな
る。また、モータは、モータ駆動回路により所定時間だ
け通電される。つまり、所定時間経過後にモータへの通
電が停止される。従って、従来装置のように、モータへ
の通電停止タイミングを知るためにモータの回転量を検
出する必要がないことから、その分、電気配線を簡素化
してコストダウンを図ることができる。
【0016】(請求項2)モータ駆動回路は、定電流回
路を有し、この定電流回路によって、モータに所定値以
上の負荷が掛かった時にモータに流れる負荷電流を一定
に保つことができる。これにより、モータは負荷電流に
応じた出力トルク(所定値)を発生する。即ち、出力ト
ルクが所定値以上となることはない。
【0017】(請求項3)モータ駆動回路は、モータに
所定値以上の負荷が掛かった時に、モータに流れる負荷
電流を所定の増加率で増加させる。これにより、負荷の
急増に伴ってモータ出力が急増するのを抑えることがで
きるため、動力伝達機構に衝撃荷重が加わることがな
く、動力伝達機構を構成する各部品の強度を低く設定す
ることが可能となる。
【0018】
【実施例】次に、本発明の推力アクチュエータを4輪駆
動車の2輪駆動と4輪駆動とを切り換える切換装置に適
用した実施例を図面に基づいて説明する。 (第1実施例)図1は推力アクチュエータの内部構造を
示す平面図(アッパケースを取り外した状態)、図2は
推力アクチュエータの内部構造を示す側面断面図であ
る。
【0019】まず、図4に基づいて2輪駆動と4輪駆動
とを切り換える切換装置100の構造を説明する。切換
装置100は、前輪駆動軸110の外周に設けられたス
プライン111、後輪駆動軸120に設けられたスプラ
イン121、両者のスプライン111、121に係合可
能に設けられたスライダ130、およびスライダ130
を操作するシフトフォーク140が固定されたフォーク
シャフト150等より構成されている。
【0020】前輪駆動軸110は、エンジンからトラン
スミッション(図示しない)を介して駆動力が伝達され
て、エンジン運転中は常時回転している(後輪駆動軸1
20にエンジンの駆動力が伝達される構造でも良い)。
後輪駆動軸120は、前輪駆動軸110と軸方向に対向
して配置され、前輪駆動軸110の端部にベアリング1
60を介して回転自在に支持されている。
【0021】スライダ130は、2輪駆動の時に前輪駆
動軸110のスプライン111に噛み合わされており、
2輪駆動から4輪駆動へ切り換える時に、図4の右方向
へ移動して後輪駆動軸120のスプライン121とも噛
み合う(両方のスプライン111、121と噛み合った
状態)。即ち、フォークシャフト150に固定されたシ
フトフォーク140によってスライダ130を操作し、
このスライダ130を介して前輪駆動軸110のスプラ
イン111と後輪駆動軸120のスプライン121とが
連結されることで4輪駆動となり、切り離されることで
2輪駆動となる。
【0022】推力アクチュエータ1は、フォークシャフ
ト150を駆動操作するもので、図1および図2に示す
ように、出力トルクを発生するモータ2、このモータ2
の出力トルクを伝達する動力伝達機構(後述する)、こ
の動力伝達機構により伝達された動力(推力)を受けて
軸方向に往復動するロッド3、各構成部品を収容するケ
ース4、およびモータ2を通電するモータ駆動回路5
(図3参照)等より構成されている。
【0023】モータ2は、モータ駆動回路5より通電を
受けて出力軸2aが回転することにより、負荷電流に応
じた出力トルクを発生する(図5参照)。動力伝達機構
は、歯車減速機構を成すもので、モータ2の出力軸2a
に取り付けられて出力軸2aと一体に回転するウォーム
ギヤ6、ウォームギヤ6と噛み合うウォームホイール
7、ウォームホイール7と同軸に設けられた小径ギヤ
8、小径ギヤ8と噛み合う大径ギヤ9、大径ギヤ9と同
軸に配置された小径ギヤ10、小径ギヤ10と噛み合う
プレートギヤ11、プレートギヤ11と一体に回転する
ピニオンギヤ12、およびピニオンギヤ12と噛み合う
ラックギヤ13等より構成されている。
【0024】ウォームギヤ6は、モータ2の通電が停止
された時に、モータ2が逆回転できるように進み角(ピ
ッチ)の大きいものを使用している。ウォームホイール
7と小径ギヤ8とは、図示しない軸受を介してケース4
に回転自在に支持された支持軸14と一体に設けられて
おり、その支持軸14と共に同期して回転する。大径ギ
ヤ9と小径ギヤ10は、軸受15を介してケース4に回
転自在に支持された支持軸16と一体に設けられて、そ
の支持軸16と共に同期して回転する。
【0025】プレートギヤ11は、図2に示すように扇
形に設けられて、その要となるボス部11a(図1参
照)で支持軸17に回転可能に支持されている。ピニオ
ンギヤ12は、プレートギヤ11のボス部11aが軸方
向に延長されて、その延長部の外周に一体に設けられて
いる。ラックギヤ13は、ロッド3の端部に一体に設け
られて、ピニオンギヤ12の回転力を推力(軸方向の動
力)に変換する。
【0026】ロッド3は、ケース4(アッパケース4
b)にシール部材18を介して往復動可能に支持され
て、先端部がケース4の外側(図2の左側)へ突出し、
その先端部に設けられた連結ピン3a(図4参照)を介
して切換装置100のフォークシャフト150に連結さ
れている。このロッド3は、ラックギヤ13により変換
された推力を受けてラックギヤ13と一体に作動する
(軸方向に移動する)ことにより、フォークシャフト1
50を駆動する。
【0027】ケース4は、各構成部品を収容するロアケ
ース4aと、このロアケース4aの開口部にシール部材
19を介して液密に被せられるアッパケース4bとから
成り、両者がビス20により締め付け固定されている。
なお、ロアケース4aには、モータ2の通電端子21が
取り出された防水コネクタ22が一体に設けられてい
る。この防水コネクタ22には、モータ駆動回路5の給
電線に取り付けられた給電用コネクタ(図示しない)が
差し込まれて、通電端子21を介してモータ駆動回路5
からモータ2へ駆動電力が給電される。
【0028】モータ駆動回路5は、図3に示すように、
手動スイッチ23を介して電子制御装置(ECU)24
に接続され、手動スイッチ23がオンされた時に、電子
制御装置24より出力される起動信号を受けてモータ2
を所定時間(例えば1秒間)だけ通電する。但し、モー
タ駆動回路5は、モータ2に流れる負荷電流を一定に保
つ定電流回路(例えばPWM:パルス幅変調)を備え、
出力軸2aに掛かる負荷が増加しても所定値i3 以上の
平均電流が流れないように負荷電流を制限している。従
って、モータ2の出力トルクは、出力軸2aに掛かる負
荷が増加しても、負荷電流i3 に応じた規定トルクT3
以上には大きくならない。ここで、PWMがゆえに負荷
電流はリップル分があるが、周波数が100Hz程度以
上であれば、トルク変動はほとんどない。
【0029】上記の関係を図5に示すモータ特性図を用
いて説明する。一般的な直流モータ2の負荷電流iと回
転数Nとの関係は、図5に示すように、出力トルクTに
対して反比例する。従って、モータ2の出力軸2aに
掛かる負荷が軽い場合、即ちモータ2の出力トルクが小
さくて良い場合は、低負荷時の或る出力トルクT1 に対
して回転数N1 は高いが、負荷電流i1 は低くなる。
【0030】また、モータ2の出力軸2aに掛かる負
荷が重い場合、即ちモータ2の出力トルクが大きくなる
場合は、高負荷時の或る出力トルクT2 に対して回転数
2は低いが、負荷電流i2 は高くなる(但し、モータ
2に流れる負荷電流を制限しない場合)。これに対し
て、モータ2に流れる負荷電流を制限した場合は、高負
荷になってもi3 以上電流が流れないため、負荷電流i
3 に応じた出力トルクT3 以上の負荷が掛かればモータ
2は停止する。即ち、出力軸2aに掛かる負荷がモータ
2の規定トルクT3 以上に増加しても、モータ2の出力
トルクはT3 以上にならない。
【0031】なお、上記の電子制御装置24は、マイク
ロコンピュータ(図示しない)を内蔵して車両のエンジ
ン制御、サスペンション制御、またはエアコン制御等を
行うもので、イグニッションスイッチIGがオンされる
ことで、車載電源Bより電力の供給を受けて作動する。
【0032】次に、本実施例の作動を図6に示すタイム
チャートを参照しながら説明する。但し、以下の説明
は、2輪駆動から4輪駆動へ切り換える場合の作動であ
る。乗員により手動スイッチ23がオンされて、電子制
御装置24からモータ駆動回路5へ起動信号が出力され
ることにより、モータ駆動回路5を介してモータ2が通
電される(図中A点)。通電を受けてモータ2が回転す
ることにより、出力軸2aに取り付けられたウォームギ
ヤ6が出力軸2aと一体に回転し、このウォームギヤ6
と噛み合うウォームホイール7が回転する(図2に回転
方向を矢印で示す)。
【0033】ウォームホイール7の回転は、ウォームホ
イール7と共に支持軸14に一体に設けられた小径ギヤ
8を介して大径ギヤ9に伝達される。この大径ギヤ9の
回転は、同期して回転する小径ギヤ10からプレートギ
ヤ11に伝達された後、このプレートギヤ11と同期し
て回転するピニオンギヤ12からラックギヤ13に伝達
されて、ピニオンギヤ12とラックギヤ13との間で軸
方向の推力に変換される。
【0034】このラックギヤ13で変換された推力によ
り、ロッド3が作動(図2の右方向へ移動)してフォー
クシャフト150を駆動する。これにより、フォークシ
ャフト150に固定されたシフトフォーク140を介し
てスライダ130が移動(図4の右方向へ移動)し、前
輪駆動軸110に設けられたスプライン111と噛み合
ったまま、後輪駆動軸120に設けられたスプライン1
21とも噛み合うことで、前輪駆動軸110と後輪駆動
軸120とが連結されて2輪駆動から4輪駆動へ切り換
えられる。
【0035】ここで、シフトフォーク140を介して移
動するスライダ130は、後輪駆動軸120のスプライ
ン121に噛み合う際に、スプライン121の端面に当
接してスムーズな噛み合いが行われない場合が生じる。
この場合、前輪駆動軸110の回転に伴ってスライダ1
30とスプライン121との互いの歯筋が合致するまで
スライダ130の移動が停止される(図中B点)。
【0036】これにより、推力アクチュエータでは、ロ
ッド3がロック(作動停止)することでモータ2の出力
軸2aに掛かる負荷が急増する(図中一点鎖線で示
す)。この時、モータ2は、出力軸2aに発生する出力
トルクが所定値T3 を超えないように負荷電流が制限さ
れるため、出力軸2aに掛かる負荷の方がモータ出力
(出力トルク)より大きくなって、モータ2の回転が停
止する。
【0037】その後、前輪駆動軸110の回転に伴いス
ライダ130と後輪駆動軸120のスプライン121と
の歯筋が合致して両者が噛み合い始めると、出力軸2a
に掛かっている負荷が低減してモータ出力より小さくな
ることで、それまで停止していたモータ2が回転する
(図中C点)。このモータ2の回転により、再びロッド
3が移動してスライダ130とスプライン121との噛
み合いを完了させる。
【0038】その後、フォークシャフト150は、スラ
イダ130と後輪駆動軸120のスプライン121とが
噛み合った状態でさらに移動し、シフトフォーク140
がストッパ170に当接することで停止する(図中D
点)。このシフトフォーク140がストッパ170に当
接して停止することで再び出力軸2aに掛かる負荷が増
大するが、上述したようにモータ2に流れる負荷電流が
制限されることで、モータ出力が所定値T3 以上になる
ことはない。
【0039】モータ2の通電開始から所定時間(1秒)
経過後に通電が停止されることにより、出力軸2aが一
旦停止するが、ロッド3に掛かっている負荷(動力伝達
機構に残存する荷重)が反力となって出力軸2aが逆回
転することにより、ロッド3および動力伝達機構に掛か
っていた負荷が解消される(図中E点)。
【0040】(本実施例の効果)本実施例では、ロッド
3がロックしてモータ2の出力軸2aに過大な負荷が掛
かった時に、モータ2に流れる負荷電流を制限してモー
タ2の出力トルクが所定値T3 を超えないように維持す
ることができる。このため、従来装置のようにモータの
出力トルクをトーションスプリングに蓄える必要がない
ことから、トーションスプリング自体が不要となる。
【0041】また、モータ2の通電が停止された時に、
モータ2が逆回転してロッド3および動力伝達機構に掛
かっていた負荷を解消することができる。これにより、
ロッド3および動力伝達機構を構成する各ギヤ類(ウォ
ームギヤ6、ウォームホイール7、小径ギヤ8、大径ギ
ヤ9、小径ギヤ10、プレートギヤ11、ピニオンギヤ
12、ラックギヤ13)の小型化および樹脂化による軽
量化を図ることができるとともに、それに伴って各ギヤ
類を支持する支持軸14、16、17およびケース4の
樹脂化が可能となり、コストダウンを図ることができ
る。
【0042】また、本実施例では、モータ2の通電時間
が予め設定されており、通電開始から所定時間経過後に
通電停止される。従って、従来装置のように、モータ2
の通電停止タイミングをモータ2の回転量によって検出
する必要がないため、その分、電気配線の簡素化(シス
テムの簡素化)を図ることができる。なお、上述の作動
は、2輪駆動から4輪駆動へ切り換える場合について説
明したものであるが、4輪駆動から2輪駆動へ切り換え
る場合についても同様の作用および効果が得られること
は言うまでもない。
【0043】(第2実施例)第1実施例では、スライダ
130が後輪駆動軸120のスプライン121と噛み合
う直前にロッド3が停止する時、モータ出力の急増によ
って衝撃荷重が掛かることがあるため、動力伝達機構の
各ギヤ類6〜13の強度安全率を高く設定する必要があ
る。そこで、本実施例では、ロッド3がロックしてモー
タ2に掛かる負荷が急増した時に、モータ2に流れる負
荷電流を急増させないで、図7に示すように、所定の増
加率(例えば10mA/msec)で増加させる様にした。こ
のように、電流を所定の増加率で徐々に増加させること
により、上記の衝撃荷重による不具合を解消できるた
め、動力伝達機構に使用する各ギヤ類6〜13の安全率
を低く設定できる。また、小型化が可能となる。
【0044】〔変形例〕本実施例では、モータ2に流れ
る負荷電流を制限することにより、モータ2に掛かる負
荷が急増した時(T3 以上)にモータ2が停止する。こ
のため、例えば高回転型のモータ2を使用していれば、
モータ2の停止に伴う衝撃力が加わるため、この衝撃力
を吸収する衝撃吸収材(例えばトーションスプリング)
を動力伝達機構に介在させても良い。本実施例では、モ
ータ2が逆回転できるように、進み角の大きいウォーム
ギヤ6を使用したが、ウォームギヤ6の代わりに小径の
平歯車を用いても良い。本実施例では、推力アクチュエ
ータ1を2輪駆動と4輪駆動とを切り換える切換装置1
00に適用したが、差動固定装置のロック状態とアンロ
ック状態との切換装置に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】推力アクチュエータの内部構造を示す平面図で
ある。
【図2】推力アクチュエータの内部構造を示す側面断面
図である。
【図3】推力アクチュエータを駆動する電気回路図であ
る。
【図4】推力アクチュエータを含む切換装置の全体断面
図である。
【図5】出力トルクに対する回転数と電流との関係を示
すモータ特性図である。
【図6】第1実施例の作動に係わるタイムチャートであ
る。
【図7】第2実施例の作動に係わるタイムチャートであ
る。
【図8】従来装置の作動に係わるタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
1 推力アクチュエータ 2 モータ 3 ロッド 5 モータ駆動回路 6 ウォームギヤ(動力伝達機構) 7 ウォームホイール(動力伝達機構) 8 小径ギヤ(動力伝達機構) 9 大径ギヤ(動力伝達機構) 10 小径ギヤ(動力伝達機構) 11 プレートギヤ(動力伝達機構) 12 ピニオンギヤ(動力伝達機構) 13 ラックギヤ(動力伝達機構)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)通電を受けて負荷電流に応じた出力ト
    ルクを発生するモータと、 b)軸方向に往復動可能に設けられたロッドと、 c)前記モータの出力トルクを軸方向の推力に変換して
    前記ロッドに伝達するとともに、前記モータへの通電が
    停止された時に、前記ロッドに掛かる負荷を受けて前記
    モータを逆回転できる動力伝達機構と、 d)前記モータを所定時間通電するとともに、前記モー
    タに所定値以上の負荷が掛かった時に、前記モータの出
    力トルクが前記所定値を超えないように前記負荷電流を
    制限するモータ駆動回路とを備えた推力アクチュエー
    タ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した推力アクチュエータに
    おいて、 前記モータ駆動回路は、前記モータに所定値以上の負荷
    が掛かった時に、前記モータに流れる負荷電流を一定に
    保つ定電流回路を有することを特徴とする推力アクチュ
    エータ。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載した推力アクチュ
    エータにおいて、 前記モータ駆動回路は、前記モータに所定値以上の負荷
    が掛かった時に、前記モータに流れる負荷電流を所定の
    増加率で増加させることを特徴とする推力アクチュエー
    タ。
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