JP2004322198A - 各接合部材の接合強度算出方法および接合強度算出装置 - Google Patents

各接合部材の接合強度算出方法および接合強度算出装置 Download PDF

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康雅 中島
Hideki Hiramatsu
秀基 平松
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Abstract

【課題】接合現場で強度試験を行なうことなく、短時間で、接合部材の接合強度を算出する方法を提供する。
【解決手段】取得工程で各接合部材寸法と押込条件とを取得する。次に強度算出工程で、各接合部材寸法および押込条件に基づいて、接合関係情報データベースを参照して、各接合部材の接合強度を算出する。これによって従来技術のように各接合部材の接合ごとに、供試部材の準備、各供試部材の接合、供試部材の強度試験を行なう必要がなく、接合強度を容易にかつ短時間に求めることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の接合部材を押込体によって接合する接合技術に関する。特に、各接合部材に予め挿通孔を形成せずに、パンチリベットを押し込んで接合する接合技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の接合部材をリベットによって接合する方法として、パンチリベットを用いる接合技術がある。たとえば2つの接合部材を接合する場合、2つの接合部材を重ねた被接合物に、パンチリベットを押し付ける。パンチリベットは、被接合物に没入して喰い込む。喰い込んだパンチリベットは、被接合物の内部で変形することによってカシメられて、被接合物から抜出ることが阻止される。これによって、各接合部材が物理的に接合される。パンチリベットは、打込みリベットまたはセルフピアシングリベット(Self Piercing Rivet、略称SPR)と称される場合もある(たとえば特許文献1〜4参照)。
【0003】
特許文献1〜4に記載されるパンチリベットを用いた接合方法では、品質管理を目的として、パンチリベットを押し込む押込荷重およびパンチリベットの押込み量を計測する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第6276050号明細書
【特許文献2】
米国特許出願公開第2001−3859号明細書
【特許文献3】
米国特許出願公開第2001−39718号明細書
【特許文献4】
米国特許出願公開第2001−27597号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術のパンチリベットによる接合方法では、各接合部材の接合強度を接合前に求めることができない。したがって従来では、要求される目標接合強度を得るために、まず各供試部材を準備して、各供試部材を接合した試験体に対して強度試験を行い、強度試験に基づいて、目標接合強度を得ることができる接合条件を試行錯誤して決定している。
【0006】
たとえば2つの接合部材を接合する場合、まず各接合部材に対して材種と形状とが同じ供試部材をそれぞれ準備する。次にリベットの種類を変えて、各供試部材を接合する。次に各供試体を接合した試験体ごとにそれぞれ強度試験を行なう。そして満足する接合強度を維持したうえで、各供試部材を接合しているリベットを、各接合部材の接合に用いるリベットとして選択する。またリベットの選択のほかに、リベットを被接合物に押し込む押込荷重および押込み量なども、同様の方法で決定する。
【0007】
このような従来技術では、供試部材の準備、各供試部材の接合、供試部材の強度試験および接合条件の決定を、接合現場で各接合部材の接合毎に行なう必要があり、接合強度を求めることが容易でない。また適切な接合条件を決定するためには、接合条件をより多く変化させて強度試験を行なう必要があり、適切な接合条件を求めるためには、手間および時間がかかるという問題がある。
【0008】
特許文献1〜4に記載される接合方法では、リベットを被接合物に押し込む押込荷重および押込み量を計測して、各接合部材の接合が正常に行なわれたか否かを判定するだけである。したがって接合強度および適切な接合条件を求めるためには、接合現場で強度試験を行なう必要があり、上述した問題を解決することができない。
【0009】
また実際には、接合すべき各接合部材に板厚の変動がある。この場合、各供試部材から求められた適切な接合条件と、実際に接合すべき接合部材における適切な接合条件とが異なることがあり、被接合物の接合品質がばらつくおそれがある。
【0010】
図26は、リベットの形状、寸法が同じ場合の各接合部材の総板厚tと接合強度Pfとの関係を示すグラフである。各接合部材の総板厚tは、各接合部材のリベット没入方向の厚みを足し合わせた値である。たとえば接合強度Pfは、各接合部材の総板厚tが厚くなるにつれて大きくなる。また接合強度Pfは、総板厚tが厚くなりすぎるとリベットの足が下板に到達しなくなるために低下する。この場合、接合条件を一定に保った状態で、目標とする接合強度Pを満足するためには、総板厚tを、予め定める範囲、すなわち下限値t1以上でかつ上限値t2以下に管理することが必要である。さらに接合強度は、被接合物の総板厚だけでなく、各接合部材のそれぞれの板厚変動によって変化する。しかしながら各接合部材の板厚をばらつきなく管理することは困難であるので、各接合部材ごとに接合品質がばらついてしまう。
【0011】
したがって接合前に想定していた各接合部材のそれぞれの板厚のいずれか一方に変動がある場合には、接合強度の低下を防止するためにその板厚変動に応じて接合条件、たとえば押込荷重を変更する必要がある。従来、接合部材の板厚に変動がある場合には、接合現場において、要求される接合品質を満足する接合条件を試行錯誤して決定している。
【0012】
このように従来技術のパンチリベットによる接合技術では、強度試験を行なわないと接合強度を求めることができず、接合強度を求めるのに手間および時間がかかるという問題がある。また、強度試験を行なわないと適切な接合条件を求めることができないので、接合条件の決定および決定した接合条件による各接合部材の接合もまた時間および手間がかかる。
【0013】
さらに強度試験を行った各供試部材の寸法と、実際に接合する接合部材の寸法とが同じでない場合には、試行錯誤して接合条件を求める必要があるとともに、接合毎に適切な接合条件を得ることができず、接合品質がばらつくという問題がある。
【0014】
したがって本発明の目的は、接合現場で強度試験を行なうことなく、短時間で、接合部材の接合強度を算出する方法を提供することである。
【0015】
また本発明の他の目的は、板厚の変動がある場合でも、要求される接合品質を満足する接合条件を算出するとともに、算出した接合条件で各接合部材を接合する方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する場合の接合強度を算出する方法であって、
各接合部材の寸法である各接合部材寸法を取得する寸法取得工程と、
押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件を取得する押込条件取得工程と、
取得される各接合部材寸法および押込条件に基づいて、各接合部材寸法、押込条件および接合強度の関係を示す接合関係情報データベースを参照して、各接合部材の接合強度を算出する強度算出工程とを含むことを特徴とする接合強度の算出方法である。
【0017】
本発明に従えば、各取得工程で各接合部材寸法と押込条件とを取得する。次に強度算出工程で、各接合部材寸法および押込条件に基づいて、接合関係情報データベースを参照して、各接合部材の接合強度を算出する。これによって従来技術のように各接合部材の接合ごとに、供試部材の準備、各供試部材の接合、供試部材の強度試験を行なう必要がなく、接合強度を容易にかつ短時間に求めることができる。
【0018】
また本発明は、複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する場合の接合強度を算出する方法であって、
各接合部材の寸法である各接合部材寸法を取得する寸法取得工程と、
各接合部材を接合した場合の押込体の埋没状態を表す押込状態値を取得する押込体状態取得工程と、
取得される各接合部材寸法および押込状態値に基づいて、各接合部材寸法、押込状態値および接合強度の関係を示す接合関係式を用いて、接合強度を算出する強度算出工程とを含むことを特徴とする接合強度の算出方法である。
【0019】
本発明に従えば、各取得工程で、各接合部材寸法と押込状態値とを取得する。次に強度算出工程で、取得した各接合部材寸法および押込状態値に基づいて、接合関係式を用いて、各接合部材の接合強度を算出する。これによって従来技術のように各接合部材の接合ごとに、供試部材の準備、各供試部材の接合、供試部材の強度試験を行なう必要がなく、接合強度を短時間に求めることができる。また接合関係式を用いることによって、データベースを有する必要がなく、細かく接合条件を設定することができる。
【0020】
たとえば押込状態値は、押込体または被接合物の変形形状を表わす。押込体状態は、非破壊検査などによって求めていてもよい。押込体または被接合物の形状を測定することは、接合強度を試験によって求める場合に比べて、容易にかつ短時間に求めることができる。たとえば接合後に被接合物の押込状態値を取得することによって、目標とする接合強度が得られているかどうかを容易に判定することができる。
【0021】
また押込状態値は、押込条件から数値計算によって求めてもよい。押込状態値を数値計算によって求めることで、押込状態値を試験的に求める必要がない。これによって実際に各接合部材を接合することなく、接合強度を算出することができる。
【0022】
また本発明は、寸法取得工程は、
予め定められる各接合部材の寸法比を取得する寸法比取得段階と、
各接合部材を合わせた被接合物の全体寸法を取得する全体寸法取得段階と、
取得した寸法比と全体寸法とに基づいて、各接合部材の寸法を算出する寸法算出段階とを有することを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、各取得段階で、各接合部材の寸法比と全体寸法を取得する。次に取得した寸法比と全体寸法に基づいて、各接合部材の寸法をそれぞれ算出する。各接合部材のそれぞれの寸法を測定するよりも、被接合物の全体寸法を測定するほうが、容易である。このように取得が容易な被接合物の全体寸法から各接合部材寸法を算出して取得することによって、さらに容易に接合強度を算出することができる。
【0024】
また本発明は、複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する場合の目標とする接合強度を得るための押込体の押込条件を算出する方法であって、
各接合部材の寸法である各接合部材寸法を取得する寸法取得工程と、
目標とする接合強度を選択する強度選択工程と、
取得される各接合部材寸法および選択される接合強度に基づいて、各接合部材寸法、押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件および接合強度の関係を示す接合関係情報データベースを参照して、押込条件を算出する押込条件算出工程とを含むことを特徴とする押込条件の算出方法である。
【0025】
本発明に従えば、取得工程で各接合部材寸法を取得するとともに、強度選択工程で接合強度を選択する。次に接合条件算出工程で、取得した各接合部材寸法および選択した接合強度に基づいて、接合関係情報データベースを参照して、押込条件を算出する。これによって従来技術のように、強度試験結果に基づいて押込条件を決定する必要がなく、押込条件を手間なく短時間に求めることができる。また強度試験を繰り返して押込条件を求める必要がなく、適切な押込条件を容易にかつ短時間に求めることができる。
【0026】
また本発明は、複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する方法であって、
各接合部材の寸法である各接合部材寸法を取得する寸法取得工程と、
目標とする接合強度を選択する強度選択工程と、
取得される各接合部材寸法および選択される接合強度に基づいて、各接合部材寸法、押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件および接合強度の関係を示す接合関係情報データベースを参照して、押込条件を算出する押込条件算出工程と、
算出される押込条件で押込体を被接合物に押し込む接合工程とを含むことを特徴とする接合方法である。
【0027】
本発明に従えば、寸法取得工程で各接合部材寸法を取得するとともに、強度選択工程で接合強度を選択する。次に接合条件算出工程で、取得した各接合部材寸法および選択した接合強度に基づいて、接合関係情報データベースを参照して、押込条件を算出する。これによって押込条件を手間なく短時間に求めることができる。また押込条件を算出すると、接合工程で、その押込条件によって押込体を被接合物に押し込む。このように接合することによって接合される各接合部材を、目標とする接合強度で接合することができる。
【0028】
たとえば被接合物に関連する各接合部材寸法に変動がある場合、その変動している各接合部材寸法に基づいて、目標となる接合強度を得ることができる押込条件を設定して、各接合部材を接合する。これによって寸法にばらつきがある場合であっても適切な押込条件で各接合部材を接合することができる。接合される各接合部材の接合強度はばらつくことが防がれ、接合品質を向上することができる。
【0029】
また本発明は、複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する場合における、各接合部材の寸法である各接合部材寸法、押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件および接合強度の関係を示す接合関係情報データベースを作成する方法であって、
各接合部材寸法および押込条件のうち少なくともいずれか一方が異なる複数の接合条件で、各接合部材を接合した場合の接合強度を、取得する強度取得工程と、
接合強度が取得された各接合条件と、これら各接合条件おける接合強度とに基づいて、接合強度が取得された各接合条件とは異なる接合条件で、各接合部材を接合した場合の接合強度を、補間して求める補間工程とを含むことを特徴とする接合関係情報データベースの作成方法である。
【0030】
本発明に従えば、各接合部材寸法および押込条件のうち少なくともいずれか一方が異なる複数の接合条件で、各接合部材を接合した場合の接合強度を試験または数値解析によって取得する。次に、接合強度が取得された各接合条件とは異なる接合条件で、各接合部材を接合した場合の接合強度を補間して求める。
【0031】
このようにして接合関係情報データベースを作成することによって、全ての接合強度を試験または数値解析によって求める必要がなく、より短時間に作成することができる。また接合関係情報データベースを用いることによって、各接合部材の接合強度および各接合部材を接合するための接合条件を、強度試験を行なうことなく求めることができ、利便性を向上することができる。
【0032】
また本発明は、複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する場合における、各接合部材の寸法である各接合部材寸法、押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件および接合強度の関係を示す接合関係情報データベースを作成する方法であって、
各接合部材寸法を取得する寸法取得工程と、
押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件を取得する押込条件取得工程と、
取得された押込条件で、各接合部材を接合した場合の押込体の埋没状態を表す押込状態値を取得する押込体状態取得工程と、
各接合部材寸法と押込状態値とに基づいて、各接合部材寸法、押込状態値および接合強度の関係を示す接合関係式を用いて、接合強度を算出する強度算出工程と、
算出される接合強度に基づいて、各接合部材寸法と、押込条件および接合強度の関係を求める接合関係情報算出手段とを含み、
押込体状態取得工程では、押込体の埋没状態を有限要素法解析によって求めることを特徴とする接合関係情報データベースの作成方法である。
【0033】
本発明に従えば、各取得工程で各接合部材寸法を取得するとともに、押込状態値を有限要素法解析によって算出することで取得する。次に取得した各接合部材寸法および押込状態値に基づいて、接合関係式を用いて、接合関係情報データベースを作成する。押込状態値を数値計算によって求めることで、押込状態値を試験的に求める必要がなく、実際に各接合部材を接合することなく、接合強度を算出することができる。
【0034】
また本発明は、複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する場合の接合強度を算出する装置であって、
各接合部材の寸法である各接合部材寸法を取得する寸法取得手段と、
押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件を取得する押込条件取得手段と、
各接合部材寸法、押込条件および接合強度の関係を示す接合関係情報データベースを保有するデータベース手段と、
取得される各接合部材寸法および押込条件に基づいて、接合関係情報データベースを参照して、各接合部材の接合強度を算出する強度算出手段とを含むことを特徴とする接合強度の算出装置である。
【0035】
本発明に従えば、寸法取得手段によって各接合部材寸法を取得し、押込条件取得手段によって押込条件を取得する。強度算出手段は、各取得手段が取得した各接合部材寸法および押込条件に基づいて、データベース手段が保有する接合関係情報データベースを参照して、各接合部材の接合強度を算出する。これによって従来技術のように各接合部材の接合ごとに、供試部材の準備、各供試部材の接合、供試部材の強度試験を行なう必要がなく、接合強度を手間なく短時間に求めることができる。
【0036】
また本発明は、複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する場合の接合強度を算出する装置であって、
各接合部材の寸法である各接合部材寸法を取得する寸法取得手段と、
各接合部材を接合した場合の押込体の埋没状態を表す押込状態値を取得する押込体状態取得手段と、
各接合部材寸法と押込状態値とに基づいて、各接合部材寸法、押込状態値および接合強度の関係を示す接合関係式を用いて、接合強度を算出する強度算出手段とを含むことを特徴とする接合強度の算出装置である。
【0037】
本発明に従えば、各取得手段によって、各接合部材寸法と押込状態値とを取得する。強度算出手段は、各取得手段が取得した各接合部材寸法および押込状態値に基づいて接合関係式を用いて、各接合部材の接合強度を算出する。これによって従来技術のように各接合部材の接合ごとに、供試部材の準備、各供試部材の接合、供試部材の強度試験を行なう必要がなく、接合強度を短時間に求めることができる。
【0038】
また本発明は、複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する場合の目標とする接合強度を得るための押込体の押込条件を算出する装置であって、
各接合部材の寸法である各接合部材寸法を取得する寸法取得手段と、
目標とする接合強度を選択する強度選択手段と、
各接合部材寸法、押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件および接合強度の関係を示す接合関係情報データベースを保有するデータベース手段と、
取得される各接合部材寸法および選択される接合強度に基づいて、接合関係情報データベースを参照して、押込条件を算出する押込条件算出手段とを含むことを特徴とする押込条件の算出装置である。
【0039】
本発明に従えば、寸法取得手段によって各接合部材寸法を取得するとともに強度選択手段が接合強度を選択する。押込条件算出手段は、各接合部材寸法および接合強度に基づいて、接合関係情報データベースを参照して、押込条件を算出する。これによって従来技術のように、強度試験結果に基づいて押込条件を決定する必要がない。したがって適切な押込条件を手間なく短時間に求めることができる。
【0040】
また本発明は、複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する装置であって、
各接合部材の寸法である各接合部材寸法を取得する寸法取得手段と、
目標とする接合強度が入力される強度入力手段と、
各接合部材寸法、押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件および接合強度の関係を示す接合関係情報データベースを保有するデータベース手段と、
取得される各接合部材寸法および選択される接合強度に基づいて、接合関係情報データベースを参照して、押込条件を算出する押込条件算出手段と、
算出される押込条件で押込体を被接合物に押し込む接合手段とを含むことを特徴とする接合装置である。
【0041】
本発明に従えば、寸法取得手段によって各接合部材寸法を取得するとともに、強度入力手段によって接合強度が入力される。取得した各接合部材寸法および入力される接合強度に基づいて、押込条件算出手段は、接合関係情報データベースを参照して、押込条件を算出する。本発明では、このように強度試験を行なう必要がないので、押込条件を手間なく短時間に求めることができる。また押込条件を算出すると、接合手段で、その押込条件によって押込体を被接合物に押し込む。これによって接合される各接合部材を、目標とする接合強度で接合することができる。
【0042】
たとえば各接合部材寸法に変動がある場合、その変動している各接合部材寸法に基づいて、目標となる接合強度を得ることができる押込条件を決定する。この決定した押込条件で各接合部材を接合する。これによって寸法にばらつきがある場合であっても、適切な押込条件で各接合部材を接合することができる。これによって接合される各接合部材の接合強度がばらつくことを防ぎ、接合品質を向上することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態である各接合部材の接合強度算出手順を示すフローチャートである。強度算出方法は、パンチリベット(以下単にリベットと称する場合がある)によって接合される各接合部材の接合強度を算出する。パンチリベットによる各接合部材の接合においては、各接合部材の寸法とパンチリベットが押込まれるときの押込条件とが決定すれば、接合強度が1つに定まるという関係がある。本実施の形態の強度算出方法は、その関係を示す接合関係情報を複数集めて、データベースを予め用意しておくことによって、強度試験を行なうことなく、各接合部材の接合強度を求めることができる。具体的な手順については、後述する。なお本発明において、接合すべき複数の接合部材を含んで構成される構成体を被接合物と称する。
【0044】
図2は、パンチリベット1による各接合部材2,3の接合方法を説明するために打鋲装置の主要部を示す断面図である。また図3は、複数のパンチリベット1を拡大して示す斜視図である。パンチリベット1は、被接合物に押し込まれる押込体となる。パンチリベット1は、有底短筒状に形成され、軸線方向一方に開口8が形成される。パンチリベット1は、軸部4と頭部5とを有する。軸部4は、短円筒状に形成される。頭部5は、軸部4の軸線方向一端部6に連なる。頭部5は、略皿状に形成されて、軸部4の軸線方向一方の開口を塞ぐ。また頭部5は、軸部4の外周部から周方向全周にわたって突出する突出部分5aを有する。
【0045】
パンチリベット1による各接合部材2,3の接合方法は、まず接合すべき複数、たとえば2つの接合部材2,3を準備する。次に、ダイ10とクランプ体11によって、各接合部材2,3のそれぞれの接合面を重ね合わせた状態で挟持する。次に、被接合物9に予め設定される接合位置にパンチリベット1を配置する。具体的には図2(1)に示すように、頭部5と反対側となる軸部4の遊端部7を、被接合物9の接合部分に接触させる。
【0046】
次にパンチ12によって、パンチリベット1の頭部5を押圧し、パンチリベット1を被接合物9に押付ける。パンチリベット1は、被接合物9に没入して喰い込む。喰い込んだパンチリベット1は、被接合物9の内部で変形することによってカシメられ、被接合物9から抜け出ることが阻止される。パンチリベット1が被接合物9に喰い込むことによって、各接合部材2,3が物理的に接合される。なお本発明において、各接合部材2,3のうち、接合にあたってパンチ側となる接合部材をパンチ側接合部材2と称し、接合にあたってダイ側となる接合部材をダイ側接合部材3と称する。
【0047】
パンチリベット1の材質および形状と、各接合部材2,3の材質とが一定の場合には、各接合部材2,3の寸法である各接合部材寸法と、パンチリベット1が被接合物9に押し込まれるとき条件である押込条件と、各接合部材の接合強度とには一定の接合関係がある。言い換えると、各接合部材寸法と、押込条件と、接合強度とのうち、いずれか2つが求まれば、残りの1つを求めることができる。表1は、接合関係情報データベースを示す表である。接合関係情報データベースは、接合部材寸法と、押込条件と、接合強度との関係を示す接合関係情報が複数集まって構成される。各接合関係情報は、試験によって求めてもよく、また後述するように数値解析によって求めてもよい。
【0048】
【表1】
Figure 2004322198
【0049】
各接合部材寸法は、パンチリベット没入前における各接合部材のそれぞれの形状である。具体的には、接合部材寸法は、接合位置におけるパンチリベット没入方向の各接合部材の寸法tu,tlであり、各接合部材2,3のそれぞれの厚み方向寸法である。表1には、パンチ側接合部材2の寸法を上板厚tuとして示し、ダイ側接合部材3の寸法を下板厚tlとして示す。
【0050】
また押込条件は、パンチリベット1が押し込まれるときの条件であって、押込み量dまたは押込荷重Pの少なくともいずれか一方である。押込み量dは、パンチリベット1が被接合物9に押し込まれるときの被接合物9に対する相対変位量である。押込荷重Pは、パンチリベット1を被接合物9に押し込むときに、パンチ12がパンチリベット1に与える荷重である。
【0051】
押込み量dは、パンチリベット1のリベット押圧面1aが、パンチ側接合部材2の一方側表面2aに対して没入または突出する度合いである。ここでリベット押圧面1aは、軸部4と反対側の頭部5の面であって、パンチ12が当接する面である。またパンチ側接合部材2の一方側表面2aは、ダイ側接合部材3に対して反対側の空間に臨む面であり、パンチリベット没入方向下流側の表面である。
【0052】
押込み量dは、リベット押圧面1aが、接合部材2の一方側表面2aに対して没入する変位量を正の値で示す。また押込み量dは、リベット押圧面1aが接合部材2の一方側表面2aに対して突出する変位量を負の値で示す。すなわちリベット押圧面1aと接合部材2の一方側表面2aとが面一になる状態の押込み量dをゼロとする。
【0053】
また接合強度Pfは、被接合物9に外力を与えたときに被接合物9が破壊するまでの荷重であって、本発明の実施の形態では、はく離強度である。このはく離強度は、「日本工業規格、抵抗スポットおよびプロジェクション溶接継手の十字引張試験に対する試験片および試験方法(JIS Z3137)」に準じて求められる強度である。また接合強度Pfは、はく離強度のほか、たとえばせん断強度および引張強度などの他の継手強度を表す強度であってもよく、要求される接合強度に応じて変更してもよい。
【0054】
また接合関係情報データベースは、パンチリベット1の材質と、パンチリベットの形状と、各接合部材2,3のそれぞれの材質との少なくともいずれかが異なる複数種類のパターンを有していてもよい。すなわち接合関係情報として、パンチリベット1の形状ごと、パンチリベットの材質ごと、各接合部材2,3の材質ごとの接合関係情報データベースを複数含んで構成される総合接合関係情報データベースであってもよい。
【0055】
図4は、接合情報算出装置20の電気的構成を示すブロック図である。接合情報算出装置20は、取得手段22と、データベース手段23と、演算手段24と、表示手段25とを含む。接合情報算出装置20は、たとえばコンピュータによって実現される。また接合情報算出装置20は、打鋲装置に設けられてもよい。
【0056】
取得手段22は、各接合部材寸法、押込条件および目標接合強度などを取得する。取得手段22は、たとえばキーボードによって実現されて、作業者から接合情報が入力される。また取得手段22は、取得すべき情報が入力される以外に、取得すべき情報を測定して取得してもよい。
【0057】
データベース手段23は、表1に示すような接合関係情報データベースを保有する。データベース手段23は、接合関係情報データベースを記憶する記憶媒体、たとえばハードディスクによって実現される。
【0058】
本実施の形態では、データベース手段23は、パンチリベット1の軸部4の軸線方向寸法および開口部8の軸線方向深さ寸法が異なる複数の接合関係情報データベースを保有する。またデータベースを構成する接合関係情報のうち、押込条件は、押込み量dと押込荷重Pとの両方を含んでいる。
【0059】
演算手段24は、予め定められる算出プログラムを実行することによって、接合情報を算出することができる。演算手段24は、算出プログラムを実行する演算部26と、算出プログラムが記憶されるプログラム記憶部27とを含む。演算部26は、CPU(Central Processing Unit)によって実現される。またプログラム記憶部27は、ROM(Read Only Memory)によって実現される。表示手段25は、演算手段24によって算出される接合情報を作業者に知らせる報知手段であって、たとえばディスプレイによって実現される。
【0060】
取得手段22は、取得した取得接合情報を演算手段24に与える。演算手段24は、取得手段22から取得接合情報が与えられると、データベース手段23のデータベースを参照して、取得接合情報に基づいて、算出すべき算出接合情報を算出する。演算手段24は、求めた算出接合情報を表示手段25に与える。表示手段25は、演算手段24から与えられた接合情報を表示する。
【0061】
図1を参照して、接合情報算出装置20の強度算出動作について説明する。接合情報算出手段20は、プログラム記憶部27に記憶される接合強度算出プログラムを実行することによって、接合強度算出装置となる。この場合、取得手段22は、各接合部材寸法を取得する寸法取得手段となるとともに、押込条件を取得する押込条件取得手段となる。また演算手段24は、各接合部材の接合強度を算出する強度算出手段となる。
【0062】
まずステップa0で、接合強度を算出するための準備が行われ、準備が完了すると、ステップa1に進み、演算手段24は、強度算出動作を開始する。ステップa1では、演算手段24は、接合すべき各接合部材2,3の材質、接合に用いられるパンチリベットの材質および形状における接合関係情報データベースをデータベース手段23が保有しているかどうかを判定する。保有しているとステップa2に進む。また保有していないと、対応するデータベースをデータベース手段23に保有させる。このようにデータベースを用意するデータベース用意工程が完了すると、ステップa2に進む。
【0063】
ステップa2では、取得手段22によって、接合すべき各接合部材2,3の寸法と、リベット1が被接合物9に押し込まれるときの押込条件を取得する。演算手段24は、取得手段22から各接合情報が与えられて、寸法取得工程および押込条件取得工程が完了するとステップa3に進む。
【0064】
ステップa3では、演算手段24によって、取得される各接合部材寸法および押込条件に基づいて、データベースを参照して、各接合部材2,3の接合強度を算出する。具体的には、取得される各接合部材寸法および押込条件を満足する接合関係情報をデータベースから抽出し、抽出した接合関係情報に示される接合強度を求める。このようにしてデータベースから接合強度を求めて強度算出工程を完了すると、ステップa4に進む。ステップa4では、演算手段24は、求めた接合強度を表示手段25によって表示させ、強度算出動作を終了する。
【0065】
以上のような接合強度算出手順によれば、従来技術のように強度試験を行う必要がなく、各接合部材2,3の接合強度を短時間で求めることができる。また強度試験を行なうための試験体を製造する必要がないので、接合強度を求める手間およびコストを少なくすることができる。
【0066】
また各接合部材2,3を接合する前に、その接合後の接合強度を推測することができる。算出される接合強度が目標範囲から外れた場合に、接合条件を変更して算出しなおすことで、満足する接合強度が得られる接合条件を短時間で求めることができる。また接合条件を変更して接合強度を算出しなおしても、満足する接合強度が算出することができなかった場合には、作業者は、各接合部材2,3における接合箇所、いわゆる打点を増加することによって、各接合部材2,3の接合強度を増加させることができる。また上述した実施例では、強度算出装置20を用いて接合強度を算出したが、手作業で行なっても同様の効果を得ることができる。なお上述した接合情報演算装置20を用いることによって、さらに短時間に接合強度を求めることができる。また高い接合強度を得ることができる各接合部材の組合せを求めることができる。
【0067】
図5は、他の実施例の接合強度算出手順を示すフローチャートである。上述した接合強度算出手順では、接合条件に応じて1つの接合強度を算出したが、他の実施の接合強度算出手順として、各接合部材の板厚変動値に基づいて、最小接合強度を算出してもよい。
【0068】
最小接合強度算出手順について、図5を参照して説明する。まずステップb0で、接合すべき各接合部材2,3の材質、接合に用いられるパンチリベットの材質および形状における接合関係情報データベースが用意されると、ステップb1に進む。
【0069】
ステップb1では、取得手段22によって接合情報を取得する。具体的には、取得手段22は、押込荷重Pまたは押込み量dの少なくともいずれか一方を取得する。また取得手段22は、予想される各接合部材2,3の寸法変動範囲を取得する。すなわち取得手段22は、パンチ側接合部材2の下限寸法値tu1および上限寸法値tu2と、ダイ側接合部材3の下限寸法値tl1および上限寸法値tl2とを取得する。このように取得手段22が各接合情報を取得すると、ステップb2に進む。
【0070】
ステップb2では、演算手段24によって、接合情報関連データベースを参照して、取得された寸法範囲におけるすべての組合せを検索し、ステップb3に進む。ステップb3では、演算手段24によって、ステップb2で求めたそれぞれの組合せの接合関係情報ごとに接合強度を算出し、ステップb4に進む。ステップb4では、演算手段24によって、ステップb3で算出した各接合強度のうち最も小さい最小接合強度を調べ、ステップb5に進む。ステップb5では、演算手段24によって、最小接合強度を表示手段25に表示させ、強度算出動作を終了する。
【0071】
以上のような最小接合強度算出手順によれば、予め接合部材の板厚変動範囲を想定することによって、想定される接合条件のうちから最小の接合強度を求めることができる。
【0072】
パンチリベットの接合において、図24に示すように、各接合部材2,3の総板厚が大きすぎても、小さすぎても接合強度が小さくなり、また各接合部材2,3の板厚比が変化した場合であっても、接合強度が変化する。このように板厚変化と接合強度との関係は複雑である。したがって作業者が、各接合部材2,3の板厚から接合強度を予想することが非常に困難である。
【0073】
しかしながら本発明の第1の実施の他の形態によれば、接合情報算出装置20を用いることによって、最小接合強度を容易に求めることができる。最小接合強度を求めることによって、設計作業をより確実に行うことができる。たとえば目標とする接合強度よりも、算出される最小接合強度が高くなるように、接合条件を選択することができる。たとえば板厚変動があった場合であっても、目標とする接合強度を得ることができる押込条件を決定することができる。このように板厚変動に応じて、接合条件を設定し、その接合条件で接合物を接合することによって、接合される被接合物の信頼性を向上することができる。
【0074】
図6は、本発明の第2の実施の形態であるパンチリベットの選定手順を示すフローチャートである。接合情報算出手段20は、プログラム記憶部27に記憶されるパンチリベットのリベット選定プログラムを実行することによって、リベット選定装置となる。この場合、取得手段22は、各接合部材寸法を取得する寸法取得手段、押込条件を取得する押込条件取得手段、および目標とする接合強度を取得する目標強度取得手段となる。また演算手段24は、目標とする接合品質を得ることができるリベットを選定するリベット選定手段となる。
【0075】
図6を参照して、接合情報算出装置20のリベット選定動作について説明する。まずステップc0で、接合すべき各接合部材2,3の材質、接合に用いられるパンチリベットの材質および形状における接合関係情報データベースを用意すると、ステップc1に進み、演算手段24は、リベット選定動作を開始する。
【0076】
ステップc1では、取得手段22によって、目標接合強度下限値Pflを取得する。また取得手段22によって、押込荷重上限値Puと、押込み量dの許容範囲、すなわち押込み量下限値d1と押込み量上限値d2とを取得する。押込荷重上限値Puは、パンチリベット1を押し込む打鋲装置の仕様によって予め決定されている。また押込み量dの許容範囲は、接合後の被接合物9の外観的要求によって予め決定されている。
【0077】
また取得手段22によって、各接合部材寸法を取得する。各接合部材寸法は、具体的には、上述したようにパンチ側接合部材2の寸法tuと、ダイ側接合部材3の寸法tlとである。このように取得手段22によって、各情報を取得すると、ステップc2に進む。
【0078】
ステップc2では、演算手段24によって、データベースを参照して、取得される各接合部材寸法tu,tlを満足するすべての接合関係情報を抽出し、ステップc3に進む。ステップc3では、演算手段24によって、抽出した接合関係情報のうち、予め定めるリベット選定条件を満足する接合関係情報があるかどうかを調べる。ここでリベット選定条件は、たとえば接合強度Pfが目標接合強度下限値Pflよりも大きいことと、押込荷重Pが押込荷重上限値Puよりも小さいことと、押込み量dが押込み量下限値d1よりも大きくかつ押込み量上限値d2よりも小さいこととの3つを満足するかどうかである。
【0079】
ステップc3において、リベット選定条件を満足する接合関係情報があればステップc4に進み、そうでなければステップc5に進む。ステップc5では、演算手段24によって、表示手段25に「該当する接合条件はない」と表示させ、ステップc8に進み、ステップc8でリベット選定動作を終了する。
【0080】
ステップc3において、リベット選定条件を満足する接合関係情報があればステップc4に進む。ステップc4では、演算手段24によって、リベット選定条件を満足する接合関係情報が複数あるか否かを調べ、複数ある場合には、ステップc6に進み、1つである場合にはステップc7に進む。ステップc7では、演算手段24によって、リベット選定条件を満足する1つの接合関係情報に示されるリベットを選定し、選定した結果を表示手段25に表示させ、ステップc8に進む。ステップc8では、リベット選定動作を終了する。
【0081】
ステップc6では、演算手段24によって、リベット選定条件を満足する複数の接合関係情報のうち、最も接合強度Pfが大きい接合関係情報を選択する。演算手段24は、この接合関係情報に示されるリベットを選定し、選定した結果を表示手段25に表示させ、ステップc8に進む。ステップc8では、リベット選定動作を終了する。
【0082】
以上のようなリベット選定手順によれば、従来技術のようにリベットの種類を変更して、複数の接合条件で接合試験を行う必要がない。これによって目標とする接合状態を得ることができるリベットを短時間で手間なく選定することができる。またステップc6に示すように、接合条件を得ることができるリベットが複数種類ある場合には、最も接合強度が高くなるものを選択することによって、その接合条件で接合される被接合物の信頼性をより高くすることができる。また上述した実施例では、接合情報算出装置20を用いてリベットを選定したが、手作業で行なっても同様の効果を得ることができる。
【0083】
またステップc1で押込み量dを設定することによって、接合部材2,3を接合した後の被接合物9の外観上の制約を満足したリベットを選出することができ、さらに利便性を向上することができる。また上述した手順について、各接合部材寸法の板厚変動を考慮してパンチリベット1を選定してもよい。
【0084】
図7は、本発明の第3の実施の形態である押込荷重の決定手順を示すフローチャートである。接合情報算出手段20は、プログラム記憶部27に記憶される押込荷重決定プログラムを実行することによって、押込荷重決定装置となる。この場合、取得手段22は、各接合部材寸法を取得する寸法取得手段、および目標とする接合強度を取得する目標強度取得手段となる。また演算手段24は、目標とする接合品質を得ることができる押込荷重を決定する押込荷重決定手段となる。
【0085】
図7を参照して、接合情報算出装置20の押込荷重決定動作について説明する。まずステップd0で、接合すべき各接合部材2,3の材質、接合に用いられるパンチリベットの材質および形状における接合関係情報データベースを用意すると、ステップd1に進み、接合情報算出装置20は、押込荷重決定動作を開始する。
【0086】
ステップd1では、取得手段22によって、予想される各接合部材2,3の寸法変動範囲を取得する。すなわち取得手段22は、パンチ側接合部材2の下限寸法値tu1および上限寸法値tu2と、ダイ側接合部材3の下限寸法値tl1および上限寸法値tl2とを取得する。
【0087】
また取得手段22によって、目標接合強度下限値Pflを取得する。また取得手段22によって、押込み量dの許容範囲、すなわち押込み量下限値d1と押込み量上限値d2とを取得する。また押込み量dの許容範囲は、接合後の被接合物9の外観的要求によって予め決定されている。このように取得手段22によって、各情報を取得すると、ステップd2に進む。
【0088】
ステップd2では、演算手段24によって、データベースを参照して、取得される各接合部材寸法tu,tlを満足するすべての接合関係情報を抽出し、ステップd3に進む。ステップd3では、演算手段24によって、抽出した接合関係情報のうち、予め定める押込荷重決定条件を満足する接合関係情報があるかどうかを調べる。ここで押込荷重決定条件は、たとえば接合強度Pfが目標接合強度下限値Pflよりも大きいことと、押込み量dが押込み量下限値d1よりも大きくかつ押込み量上限値d2よりも小さいこととの2つを満足するかどうかである。
【0089】
ステップd3において、押込荷重決定条件を満足する接合関係情報があればステップd4に進み、そうでなければステップd5に進む。ステップd5では、演算手段24によって、表示手段25に「該当する接合条件はない」と表示させ、ステップd8に進み、ステップd8で押込荷重決定動作を終了する。
【0090】
ステップd3において、押込荷重決定条件を満足する接合関係情報があればステップd4に進む。ステップd4では、演算手段24によって、押込荷重決定条件を満足する接合関係情報が複数あるか否かを調べ、複数ある場合には、ステップd6に進み、1つである場合にはステップd7に進む。ステップd7では、演算手段24によって、押込荷重決定条件を満足する1つの接合関係情報に示される押込荷重Pを決定し、決定した1つの押込荷重Pを表示手段25に表示させ、ステップd8に進む。ステップd8では、押込荷重決定動作を終了する。
【0091】
ステップd6では、演算手段24によって、押込荷重決定条件を満足する複数の接合関係情報のうちから、最小の押込荷重P1と最大の押込荷重P2とを調べ、条件を満足する押込荷重Pの変動幅を算出する。演算手段24は、この押込荷重の変動幅を表示手段25に表示させ、ステップd8に進む。ステップd8では、押込荷重決定動作を終了する。
【0092】
接合情報算出装置20は、打鋲装置に設けられる場合には、ステップd6において、予め定める制約条件に基づいて適切な押込荷重を1つ決定する。たとえば制約条件が、ステップd3の条件を満足する押込荷重Pのうちで、最も小さい押込荷重Plを押込荷重Pとして決定すると設定されている場合には、最小の押込荷重Plを決定し、その押込荷重を表示手段25に表示させる。押込荷重Plを表示させるとともに、その押込荷重Plでパンチリベット1を被接合物9に押し込む。
【0093】
以上のような押込荷重決定手順によれば、従来技術のように押込荷重を変更して、複数の接合条件で接合試験を行う必要がない。これによって目標とする接合状態を得ることができる押込荷重を短時間で手間なく決定することができる。またステップd6に示すように、接合条件を得ることができる押込荷重Pが複数種類ある場合には、その制約条件を満足する押込荷重Pの変動幅、または制約条件を満足する押込荷重Pのうち、最小の押込荷重Plを選択する。これによって利便性を向上することができる。
【0094】
たとえば最小の押込荷重Plで接合動作を行うことができるので、打鋲装置がパンチリベットを押し込むために必要な力が小さくてすみ、打鋲装置を小型化することができる。また小型の打鋲装置で各接合部材2,3を接合することができる。上述した実施例では、接合情報算出装置20を用いて押込荷重Pを決定したが、手作業で行なっても同様の効果を得ることができる。
【0095】
またステップd1で押込み量dを設定することによって、接合部材2,3を接合した後の被接合物9の外観上の制約を満足した押込荷重Pを決定することができ、さらに利便性を向上することができる。また上述した手順について、実際に接合部材寸法を計測し、その値をステップd1で取得して押込荷重Pを決定してもよい。この場合、決定した押込荷重Pでリベットを被接合物9に押込むことによって、板厚変動がある場合でも、適切な接合品質を得ることができる。
【0096】
図8は、本発明の第4の実施の形態である押込み量の決定手順を示すフローチャートである。接合情報算出手段20は、プログラム記憶部27に記憶される押込み量決定プログラムを実行することによって、押込み量決定装置となる。この場合、取得手段22は、各接合部材寸法を取得する寸法取得手段、および目標とする押込荷重を取得する目標押込荷重取得手段となる。また演算手段24は、目標とする接合品質を得ることができる押込み量を決定する押込み量決定手段となる。
【0097】
図8を参照して、接合情報算出装置20の押込み量決定動作について説明する。まずステップe0で、接合すべき各接合部材2,3の材質、接合に用いられるパンチリベットの材質および形状における接合関係情報データベースを用意すると、ステップe1に進み、接合情報算出装置20は、押込み量決定動作を開始する。
【0098】
ステップe1では、取得手段22によって、予想される各接合部材2,3の寸法変動範囲を取得する。すなわち取得手段22は、パンチ側接合部材2の下限寸法値tu1および上限寸法値tu2と、ダイ側接合部材3の下限寸法値tl1および上限寸法値tl2とを取得する。
【0099】
また取得手段22によって、目標接合強度下限値Pflを取得する。また取得手段22によって、押込荷重上限値Puを取得する。また押込荷重上限値Puは、パンチリベット1を押し込む打鋲装置の仕様によって予め決定されている。このように取得手段22によって、各情報を取得すると、ステップe2に進む。
【0100】
ステップe2では、演算手段24によって、データベースを参照して、取得される各接合部材寸法tu,tlを満足するすべての接合関係情報を抽出し、ステップd3に進む。ステップe3では、演算手段24によって、抽出した接合関係情報のうち、予め定める押込み量決定条件を満足する接合関係情報があるかどうかを調べる。ここで押込み量決定条件は、たとえば接合強度Pfが目標接合強度下限値Pflよりも大きいことと、押込荷重Pが押込荷重上限値Puよりも小さいこととの2つを満足するかどうかである。
【0101】
ステップe3において、押込み量決定条件を満足する接合関係情報があればステップe4に進み、そうでなければステップe5に進む。ステップe5では、演算手段24によって、表示手段25に「該当する接合条件はない」と表示させ、ステップe8に進み、ステップe8で押込み量決定動作を終了する。
【0102】
ステップe3において、押込み量決定条件を満足する接合関係情報があればステップe4に進む。ステップe4では、演算手段24によって、押込み量決定条件を満足する接合関係情報が複数あるか否かを調べ、複数ある場合には、ステップe6に進み、1つである場合にはステップe7に進む。ステップe7では、演算手段24によって、押込み量決定条件を満足する1つの接合関係情報に示される押込み量dを決定し、決定した1つの押込み量dを表示手段25に表示させ、ステップe8に進む。ステップe8では、押込み量決定動作を終了する。
【0103】
ステップe6では、演算手段24によって、押込み量決定条件を満足する複数の接合関係情報のうちから、最小の押込み量d1と最大の押込み量d2とを調べ、条件を満足する押込み量の変動幅を算出する。演算手段24は、この押込み量の変動幅を表示手段25に表示させ、ステップe8に進む。ステップe8では、押込み量決定動作を終了する。
【0104】
接合情報算出装置20は、打鋲装置に設けられる場合には、ステップe6において、予め定める制約条件に基づいて適切な押込み量dを一つ決定する。たとえば制約条件が、ステップe3の条件を満足する押込み量dのうちで、最も押込み量dがゼロに近いものを、押込み量dとして決定すると設定されている場合には、最も押込み量dがゼロに近いものを押込み量として決定して、その押込み量dを表示手段25に表示させる。押込み量を表示させるとともに、その押込み量dでパンチリベット1を被接合物9に押し込む。
【0105】
以上のような押込み量決定手順によれば、従来技術のように押込み量を変更して、複数の接合条件で接合試験を行う必要がない。これによって目標とする接合状態を得ることができる押込み量を短時間で手間なく決定することができる。またステップe6に示すように、接合条件を得ることができる押込み量dが複数種類ある場合には、その制約条件を満足する押込み量dの変動幅、または制約条件を満足する押込み量dのうち、ゼロに近い押込み量dを選択する。これによって利便性を向上することができる。
【0106】
たとえばゼロに近い押込み量dで接合動作を行うことができるので、打鋲装置がパンチリベットを押し込んだときに、接合物が没入した被接合物9の美観を向上することができる。また上述した実施例では、接合情報算出装置20を用いて押込み量dを決定したが、手作業で行なっても同様の効果を得ることができる。
【0107】
またステップe1で押込荷重Pを設定することによって、打鋲装置の能力に応じた押込み量dを決定することができ、さらに利便性を向上することができる。また上述した手順について、実際に接合部材寸法を計測し、その値をステップe1で取得して押込み量dを決定してもよい。この場合、決定した押込み量dでリベットを被接合物9に押込むことによって、板厚変動がある場合でも、適切な接合品質を得ることができる。
【0108】
図9は、本発明の打鋲装置40の主要な構成を示す断面図である。本発明の実施の一形態である打鋲装置40は、各接合部材2,3が重なる方向となる重畳方向のうち一方側表面にダイ50を当接させて、被接合物9を保持する。この状態で、パンチ51によってパンチリベット1を押圧し、パンチリベット1を被接合物9の重畳方向に没入させる。打鋲装置40は、パンチリベット1を没入することによって、各接合部材2,3を物理的に接合する。
【0109】
打鋲装置40は、各接合部材2,3を局所的に接合するスポット接合に用いられる。打鋲装置40によって、接合される複数の各接合部材2,3は、たとえばプレス成形されるアルミ合金製の薄板材である。パンチリベット1による接合部材の接合は、たとえば自動車ボディ、意匠構造物およびその他の重ね合わせ接合物の製造に用いられる。
【0110】
打鋲装置40は、予め定める基準軸線L1が設定される。基準軸線L1は、打鋲装置40に対して基準となる軸線であって、打鋲装置40に固定して設けられる。打鋲装置40が接合動作を行っているときには、基準軸線L1は、接合される各接合部材2,3が重なり合う重畳方向に沿って延びる。また基準軸線L1に沿って延びる方向を基準方向Zと称する。
【0111】
打鋲装置40は、パンチリベット1を装填可能に保持し、基準軸線L1に沿って移動可能に設けられるパンチ構成体41と、パンチ構成体41を基準軸線L1に沿って変位駆動するパンチ構成体駆動手段42と、パンチ構成体41に対して反対側から被接合物9を支持するダイ構成体43と、ロボットアーム44に連結される基台45とを含んで構成される。
【0112】
基台45は、略U字状に形成される。基台45は、周方向一端部47にパンチ構成体41およびパンチ構成体駆動手段42が連結され、周方向他端部48にダイ構成体43が連結される。パンチ構成体41とダイ構成体43とは、基準軸線L1に沿って並び、互いに対向した位置に設けられる。打鋲装置40は、ロボットアーム44の先端に設けられるエンドエフェクタであって、ロボットアーム44によって互いに直交する3方向に移動可能に構成される。これによって任意の位置に保持される各接合部材2,3の接合位置に移動することができる。
【0113】
パンチ構成体41は、パンチリベット1を装填可能に保持する。パンチリベット1は、その軸線と基準軸線L1とが同軸となる状態でパンチ構成体41に保持される。パンチ構成体41は、パンチ部材52と、クランプ部材53と、回転連結部材54と、クランプ用サーボモータ55とを含んで構成される。パンチ部材52は、基準方向Z一端部がパンチリベット1に当接して、パンチリベット1を押圧するパンチ51となる。
【0114】
パンチ部材52は、本体部56と、本体部56から軸線軸線L1に沿って、ダイ50に向かって突出する突出部57とが形成される。突出部57は、円柱状に形成され、遊端部が保持するパンチリベット1のパンチ当接面1aに当接する。パンチ部材52の突出部57の軸線は、基準軸線L1と同軸に延びる。
【0115】
クランプ用サーボモータ55は、リング状に形成される中空サーボモータによって実現される。中空サーボモータは、軸線方向一端部が軸線方向他端部に対して、軸線まわりに相対的に回転駆動する。クランプ用サーボモータ55は、パンチ部材52に固定され、基準軸線L1と同軸に位置する。クランプ用サーボモータ55は、その内周空間をパンチ部材52の突出部57が挿通する。
【0116】
回転連結部材54は、軸線方向両端に開口がそれぞれ形成されて円筒状に形成される。回転連結部材54は、基準軸線L1と同軸に延びて、その内周空間にパンチ部材52の突出部57が挿通する。また、回転連結部材54は、パンチ部材52の本体部分56に対して回転自在に連結される。具体的には、クランプ用サーボモータ55の軸線方向一端部が、パンチ部材52の本体部分56に固定されるとともに、クランプ用サーボモータ55の軸線方向他端部が、回転連結部材54の軸線方向一端部に固定される。回転連結部材54は、クランプ用サーボモータ55が駆動すると、パンチ部材52に対して基準軸線L1まわりに回転駆動される。
【0117】
クランプ部材53は、軸線方向両端に開口がそれぞれ形成されて円筒状に形成される。クランプ部材53は、基準軸線L1と同軸に延びて、その内周空間にパンチ部材52の突出部57が挿通する。さらにクランプ部材53は、回転連結部材54の内周空間に挿通する。
【0118】
クランプ部材53は、基準軸線L1まわりにまわり止めされるとともに、軸線方向に変位自在に設けられる。クランプ部材53の外周部には、外ねじが形成され、回転連結部材54の内周部には、内ねじが形成される。クランプ部材53の外周部と回転連結部材54の内周部とは螺合して構成される。またクランプ部材53と回転連結部材54とによってボールねじ機構が構成されていてもよい。
【0119】
これによって回転連結部材54が回転することによって、回転連結部材54に対して基準方向L1方向に移動する。回転連結部材54とパンチ部材52とは、基準方向L1に変位することなく連結されている。これによってクランプ用サーボモータ55を動作することによって、クランプ部材53をパンチ部材52に対して基準方向L1に変位駆動させることができる。
【0120】
また基台45は、パンチ構成体41を基準方向Zに案内する案内部58が設けられる。案内部58は、基台45の周方向他端部47に形成される。またパンチ部材52の本体部56には、基台45の案内部58に嵌合する嵌合部59が設けられる。案内部58に嵌合部59が嵌合することによって、パンチ構成体41は、基準方向Z以外に変位することが阻止される。案内部58は、たとえばレールによって実現され、嵌合部59は、スライダによって実現される。このように案内部58と嵌合部59とで直動スライダ機構が実現される。
【0121】
パンチ構成体駆動手段42は、パンチ用サーボモータ60と、回転伝達機構62と、ねじ軸63とを含んで構成される。パンチ用サーボモータ60は、基台45に支持され、その出力軸60aを回転させる。ねじ軸63は、基準軸線L1と同軸に延びて基台45に支持され、基準軸線L1まわりに回転自在に設けられる。回転伝達機構62は、たとえば出力軸60aの回転をベルト61によって減速器64に与え、減速器64が出力軸60aの回転力を減速してねじ軸63に与える。
【0122】
パンチ部材52の本体部分56は、ねじ軸63に螺合する螺合部65が設けられる。これによってねじ軸63が回転させることによって、ねじ軸63に対してパンチ部材52が基準方向Zに移動させることができる。
【0123】
以上のように打鋲装置40は、パンチ用サーボモータ60を動作させることによって、パンチ部材52を基準軸線方向Zに移動させることができる。またクランプ用サーボモータ55を動作させることによって、パンチ部材52に対して、クランプ部材53を独立して基準軸線方向Zに移動させることができる。
【0124】
またパンチ部材52の突出部57は、パンチリベット1を保持する保持機構が設けられる。保持機構は、たとえばリベットを吸着および吸着解除可能なリベット吸着機構(図示せず)である。リベット吸着機構は、突出部57の遊端部に吸引部分68が設けられる。この吸引部分68がクランプ部材53の内周空間となる充填空間67の空気を吸引することによって、パンチリベット1をパンチ部材52の遊端部に保持することができる。保持されたパンチリベット1は、頭部5のパンチ当接面5aが、パンチ部材52の突出部57の遊端部端面に当接する。
【0125】
またクランプ部材53は、その外周部にパンチリベット1をクランプ部材53の内周空間である充填空間67に充填するための充填孔66が形成される。パンチリベット1は、リベット充填装置によって搬送され、充填孔66を通過して充填空間67に充填される。リベット充填装置によって、充填空間67に充填されたパンチリベット1は、吸引部分に吸引されることによってパンチ構成体41に保持される。
【0126】
本実施の形態の打鋲装置40は、さらに各接合部材寸法を計測する測定手段として、たとえば、超音波板厚計70を備える。超音波板厚計70は、超音波によって各接合部材2,3の重畳方向の寸法を測定する装置である。超音波板厚計70は、たとえば超音波パルスが被接合物9を往復する時間を測定することによって、各接合部材2,3の重畳方向寸法の板厚を測定する。被接合物9が複数の接合部材2,3が重なって構成される場合であっても、各接合部材2,3の板厚をそれぞれ測定することができる。超音波板厚計70を用いることによって、各接合部材2,3を破壊することなく、各接合部材2,3のそれぞれの板厚を短時間で計測することができる。
【0127】
ダイ構成体43は、パンチ構成体41に対向するダイ50と、ダイ50を支持するダイ支持部材69とが形成される。ダイ支持部材69は、基台45の周方向一端部48に連結される。ダイ50は、ダイ支持部材69の遊端部に固定される。ダイ50は、パンチリベット1が被接合物9に押し込まれたときに、パンチリベット1が変形しやすいするようにパンチ構成体41に向かって突出する突起50aが形成される。この突起50aは、基準軸線L1と同軸に設けられる。
【0128】
図10は、打鋲装置40の電気的構成を示すブロック図である。打鋲装置40は、上述したようにパンチ用サーボモータ60と、クランプ用サーボモータ55と、超音波厚み測定計70とを含む。また打鋲装置40は、さらに入力手段71と、表示手段72と、制御手段73とを備える。
【0129】
入力手段71は、作業者からの情報が入力される。入力手段71は、入力された情報を制御手段73に与える。入力手段71は、たとえばキーボードなどによって実現される。また表示手段72は、制御手段73から情報が与えられて、その与えられた情報に応じた画像を表示する。表示手段72は、たとえばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイまたは液晶ディスプレイなどによって実現される。
【0130】
制御手段73は、パンチ用サーボモータ60と、クランプ用サーボモータ55と、リベット吸着機構74を制御する。また本実施の形態の制御手段73は、ロボットコントローラを兼用してもよい。この場合には、制御手段73は、ロボットアーム44を変位駆動するロボットアーム駆動手段77と、リベット充填装置78とをさらに制御する。
【0131】
制御手段73は、入力手段71および超音波厚み計測計70などが取得した各情報に基づいて、接合関係情報データベースを参照して、接合条件などを選択する。制御手段73は、予め定められる制御プログラムを実行する演算部75と、制御プログラムが記憶されるプログラム記憶部76とを含む。演算部75は、CPU(Central Processing Unit)によって実現される。またプログラム記憶部76は、ROM(Read Only Memory)などによって実現される。
【0132】
図11は、打鋲装置40の打鋲動作の手順を示すフローチャートであり、図12は、動作を説明するために打鋲装置40を示す断面図である。まずステップf0で、打鋲動作に関する準備が完了すると、ステップf1に進み、制御手段73は、打鋲動作を開始する。ステップf1では、制御手段73は、超音波厚み測定計70および入力手段71から与えられる情報に基づいて、打鋲に関する接合条件を設定し、接合条件を設定すると、ステップf2に進む。
【0133】
ステップf2では、制御手段73は、リベット充填装置78にリベット充填指令情報を与える。リベット充填指令情報を与えられたリベット充填装置78は、充填空間67にパンチリベット1を供給する。また制御手段73は、リベット吸着機構74を動作させる。このようにしてパンチリベット1を充填空間67に保持する。図12(1)に示すように、パンチリベット1の保持が完了すると、ステップf3に進む。
【0134】
ステップf3では、図12(2)に示すように、制御手段73は、被接合物9をクランプする。具体的には、制御手段73は、クランプ用サーボモータ55を制御して、クランプ部材53をダイ50に向けて移動させて、ダイ50とクランプ部材53とによって、被接合物9を協働して挟持する。このとき基準軸線L1は、各接合部材2,3の接合されるべき接合領域をそれぞれ通過する。また基準軸線L1は、各接合部材2,3の重なり合う方向である重畳方向に延びる。被接合物9のクランプが完了すると、ステップf4に進む。
【0135】
ステップf4では、図12(3)および図12(4)に示すように、制御手段73は、保持するパンチリベット1を被接合物9に押し込む。具体的には、制御手段73は、パンチ用サーボモータ60およびクランプ用サーボモータ55を制御する。パンチ用サーボモータ60を回転させてパンチ部材52をダイ50に向かって移動させるとともに、クランプ用サーボモータ55を逆回転させて、クランプ部材53をパンチ部材52の本体部56に近接させる。したがってクランプ部材52が被接合物9に当接した状態で、パンチ部材52が移動する。パンチ部材52は、パンチリベット1を被接合物9に当接させ、さらにパンチリベット1をダイ50に向かって移動させて、パンチリベット1を被接合物9に没入する。
【0136】
制御手段73は、パンチ部材53に設けられるロードセルから、ロードセルに与えられる荷重情報が与えられることによって、パンチリベット1を押し込むときに与えている押込荷重を取得することができる。またパンチ用サーボモータ60に設けられるエンコーダから、そのエンコーダ情報が与えられることによって、パンチリベット1の押込み量dを求めることができる。
【0137】
パンチリベット1は、被接合物9に変形して没入し、パンチ側接合部材2を貫通してダイ側接合部材3に喰い込む。喰い込んだパンチリベット1は、被接合物9の内部で変形することによってカシメられ、被接合物9から抜出ることが阻止される。パンチリベット1が被接合物9に喰い込むことによって、各接合部材2,3が物理的に接合される。このようにパンチリベット1が被接合物9に没入すると、ステップf5に進み、ステップf5で制御手段73は、接合動作を終了する。
【0138】
ステップf1における接合条件設定工程において、制御手段73は、上述したリベット選定動作、押込荷重決定動作および押込み量決定動作の少なくともいずれかを行ってもよい。この場合、制御手段73は、プログラム記憶部76に上述した各動作プログラムが記憶されており、制御手段73が動作プログラムのいずれかを実行することによって、接合条件を選択または決定することができる。この選択または決定した接合条件に応じることによって、目的とする接合品質をより確実に得ることができる。
【0139】
たとえば制御手段73が、取得される接合条件に基づいて、リベットの種類を選択した場合、選択したリベットを供給するようにリベット充填装置78に指令を与え、選択したリベットを被接合物に押し込むことができる。またたとえば制御装置73が、取得される接合条件に基づいて、押込荷重Pまたは押込み量dを決定した場合、決定した押込荷重Pまたは押込み量dでパンチリベット1を押し込むように、パンチ用サーボモータ60を制御する。制御手段73は、パンチ部材に設けられるロードセルに基づいて、パンチリベット1に与える押込荷重Pを制御可能であり、パンチ用サーボモータ60のエンコーダ値に基づいて、パンチリベット1を押し込む押込み量dについて制御可能である。
【0140】
また各接合部材2,3にパンチリベット1を予め定める並列方向に間隔を開けて複数押し込む場合において、制御手段73が算出した算出結果が予め定める目標接合強度よりも小さい場合、複数のパンチリベット1を押し込む並列方向の間隔を小さくして、より多くのパンチリベット1を被接合物9に押し込んでもよい。さらに接合前に超音波厚み測定計70によって各接合部材寸法を測定し、その測定結果を接合情報として用いることによって、適正な接合条件をより正確に求めることができる。これによってさらに接合品質を向上することができる。
【0141】
表1を参照して、接合条件の設定手順の概要について説明すると、第1の手順として、予め想定される接合条件を取得する。たとえば上板厚2.1mm、下板厚2.0mm、押込荷重30000Nおよび目標接合強度2070Nとする。第2の手順として、接合直前に各接合部材2,3の板厚を測定する。この測定した板厚が、上板厚2.1mm、下板厚1.9mmであると、データベースから接合条件を選択し、目標接合強度である2070Nを満足する接合関係情報を検索する。接合関係情報は、複数ある場合もある。次に第3の手順として、第2の手順で検索した接合関係情報に示す条件、たとえば押込み量0.2mm、押込荷重35000Nで、各接合部材2,3を接合する。
【0142】
図13および図14は、制御手段73の接合条件設定動作手順を示すフローチャートである。制御手段73は、図11に示すステップf1の接合条件設定工程において、各接合部材2,3の板厚に応じた適切な接合条件を設定する。そして設定した接合条件で、各接合部材2,3を接合する。
【0143】
まずステップh0で、接合すべき各接合部材2,3の材質、接合に用いられるパンチリベット1の材質および形状における接合関係情報データベースを用意すると、ステップh1に進み、制御手段73は動作を開始する。
【0144】
ステップh1では、入力手段71から設計上想定される各接合部材寸法である想定寸法tua,tlaが入力される。想定寸法tua,tlaは、パンチ側接合部材2の想定寸法tuaと、ダイ側接合部材3の想定寸法tlaとを含む。入力手段71は、入力された情報を制御手段73に与える。制御手段73は、入力手段71からそれらの情報が与えられるとステップh2に進む。
【0145】
またステップh1において、想定寸法tua,tlaのほかにさらに、目標とする接合強度である目標接合強度Prが入力されてもよい。また目標接合強度Prが入力されない場合には、制御手段73は、目標接合強度Prをゼロとする。
【0146】
ステップh2では、制御手段73は、接合関係情報データベースを参照して、上述した想定寸法tua,tlaを満足する接合関係情報のうち、予め定められる押込み量条件を満足する接合関係情報を抽出する。制御手段73は、抽出した接合関係情報に示される算出接合強度Pfaを求め、ステップh3に進む。
【0147】
本実施の形態では、押込み量条件は、押込み量dがゼロに設定されている。この場合、ステップh2で、想定寸法tua,tlaを満足する接合関係情報のうち、押込み量dがゼロとなる接合関係情報を抽出する。
【0148】
ステップh3では、算出される算出接合強度Pfaと、目標接合強度Prとを比較し、算出接合強度Pfaのほうが目標接合強度Prよりも大きい場合には、ステップh5に進む。ステップh5では、制御手段73は、算出された算出接合強度Pfaの値を、目標接合強度Prとして再設定し、ステップh6に進む。
【0149】
ステップh3で、算出接合強度Pfaのほうが目標接合強度Prよりも小さい場合には、ステップh4に進む。ステップh4では、制御手段73が、表示手段72に「想定寸法tua,tlaあるいは目標接合強度を再入力せよ」と表示させ、ステップh1に戻る。またステップh4で、制御手段73は、「目標接合強度を満足する接合条件はない」と表示させて、ステップh19に進み動作を終了してもよい。
【0150】
ステップh6では、制御手段73は、超音波板厚計70によって各接合部材2,3の板厚をそれぞれ測定させ、測定される各寸法を測定寸法tub,tlbとして取得する。ここで測定寸法tub,tlbは、パンチ側接合部材2の測定寸法tubと、ダイ側接合部材3の測定寸法tlbとを含む。制御手段73は、測定寸法tub,tlbが与えられると、ステップh7に進む。
【0151】
ステップh7では、制御手段73が、想定寸法tua,tlaと測定寸法tub,tlbとの差が予め定める許容範囲内であるかどうか調べる。具体的には、パンチ側接合部材2の想定寸法tuaと測定寸法tubとの差がパンチ側許容値tucよりも小さく、かつダイ側接合部材3の想定寸法tlaと測定寸法tlbとの差がダイ側許容値tlcよりも小さいか否かを判定する。想定寸法tua,tlaと測定寸法tub,tlbとの差が予め定める許容範囲内であると、ステップh8に進む。ステップh8では、想定寸法tua,tlaを前提に、ステップh2で抽出した接合関係情報から押込条件を設定し、ステップh18に進む。
【0152】
ステップh7において、想定寸法tua,tlaと測定寸法tub,tlbとの差が予め定める許容範囲外であると、ステップh9に進む。ステップh9では、制御手段73は、接合関係情報データベースを参照して、上述した測定寸法tub,tlbを満足する接合関係情報があるかどうか調べ、ステップh10に進む。
【0153】
ステップh10では、制御手段73は、ステップh9で調べた接合関係情報が存在するか否かを調べる。ステップh9で調べた接合関係情報が存在しない場合には、ステップh11に進む。ステップh11では、制御手段73は、接合関係情報に示される接合部材寸法であるデータ寸法tud,tldのうちから、測定寸法tub,tlbに最も近いものを調べ、ステップh12に進む。ステップh12では、制御手段73は、ステップh11で調べたデータ寸法tud,tldの値を、測定寸法tub,tlbとして再設定し、ステップh7に戻る。
【0154】
ステップh10において、制御手段73は、ステップh9で調べた接合関係情報が存在すると、ステップh13に進む。ステップh13では、ステップh9で調べた接合関係情報に示される算出接合強度Pfと、目標接合強度Prとを比較する。制御手段73は、目標接合強度Prよりも算出接合強度Pfが大きくなる接合関係情報を抽出し、ステップh14に進む。
【0155】
ステップh14では、ステップh13で抽出した接合関係情報のうち、予め定める制約条件を満足する接合関係情報をさらに抽出する。予め定める制約条件を満足する接合関係情報が存在しないと、ステップh15に進む。制約条件は、接合毎に個別に要求される条件であって、接合毎に設定される。たとえば制約条件は、美観上の問題から押込み量はゼロ以上とするといった条件である。
【0156】
ステップh15では、制御手段73が、表示手段72に「制約条件を満足する接合関係情報は存在しない」と表示させ、ステップh19に進んで動作を終了する。
【0157】
ステップh14において、予め定める制約条件を満足する接合関係情報が存在すると、ステップh16に進む。ステップh16では、制御手段73が、制約条件を満足する接合関係情報が複数存在するかどうか調べ、複数存在する場合にはステップh17に進む。また1つしかない場合は、ステップh18に進む。
【0158】
ステップh17では、ステップh14で抽出した接合関係情報のうち、予め定める最適条件を満足する1つの接合関係情報をさらに抽出する。最適条件は、接合毎に個別に要求される条件であって、より望ましいとされる条件である。最適条件は、たとえば制約条件は、押込み量はゼロに最も近いほうが好ましいといった条件である。このように最適条件を満足する1つの接合関係情報を抽出すると、ステップh18に進む。
【0159】
ステップh18では、抽出した1つの接合関係情報に示される押込み量dまたは押込荷重Pのいずれかを接合条件として設定し、接合条件設定動作を終了する。以上のようにして制御手段73は、接合条件を設定すると図11に示すステップf2〜f5の動作を行い、各接合部材2,3を接合する。
【0160】
このように打鋲装置40は、実際に接合する各接合部材2,3の寸法を測定して、接合条件を設定し、その接合条件に基づいて各接合部材2,3を接合する。これによって接合すべき各接合部材2,3に板厚変動がある場合であっても、適切な接合条件で接合することができ、接合品質が低下することを防止することができる。
【0161】
また目標接合強度Prよりも算出接合強度Pfが大きくなるとともに、制約条件を満足する接合関連情報が複数存在する場合には、さらに最適条件を満足する接合関連情報を選択するので、接合毎に最適な接合条件を得ることができ、接合品質を向上することができる。
【0162】
図15は、他の実施例の制御手段73の寸法取得手順を示すフローチャートである。図13および図14に示す条件設定動作では、超音波板厚測定計70によって、各接合部材2,3のそれぞれの測定寸法tub,tlbを求めたが、各接合部材2,3を合わせた被接合物9の全体寸法、すなわち各接合部材2,3の厚みをすべて加算した総板厚を測定して、その総板厚から各測定部材の測定寸法を求めてもよい。たとえば総板厚は、レーザー式非接触変位計によって測定してもよい。
【0163】
図15を参照して、寸法取得動作を説明する。まずステップj0で、全板厚の測定準備が完了すると、ステップj1に進み、寸法取得動作を開始する。ステップj1では、入力手段71から設計上想定される各接合部材2,3の寸法比を示す寸法比情報が入力される。制御手段73は、入力手段71から寸法比情報が入力されると、ステップj2に進む。
【0164】
ステップj2では、制御手段73は、超音波板厚測定計70または他の測定手段を用いて、被接合物9の総板厚を測定させる。制御手段73は、測定手段から、総板厚が与えられると、ステップj3に進む。ステップj3では、測定される全板厚と、入力される寸法比情報とに基づいて、各接合部材寸法を算出し、ステップj4に進む。ステップj4では、制御手段73は、寸法取得動作を終了する。
【0165】
以上のような寸法取得手順によれば、被接合物の総板厚を測定する。各接合部材2,3のそれぞれの板厚を測定するよりも、被接合物9の全体寸法を測定するほうが、容易であるとともに簡単な構成によって実現することができる。このように取得が容易な被接合物9の総板厚全から各接合部材寸法を算出して取得することによって、より容易に接合強度を算出することができる。また上述した寸法取得手順では、寸法比情報として各接合部材2,3の寸法比が入力されたが、寸法比情報として各接合部材寸法の寸法比変動範囲が入力されてもよい。この場合、接合強度が最も低くなる接合部材の組合せを算出し、その組合せに基づいて、各接合条件を求めてもよい。これによって板厚変動があっても、最低接合強度を保証することができ、接合される被接合物の信頼性を向上することができる。
【0166】
図16は、制御手段73の接合品質判定動作の手順を示すフローチャートである。制御手段73は、接合前に、目標とする接合品質が得られるか否かを判定する品質判定動作を行なうことができる。制御手段73は、プログラム記憶部76に記憶される品質判定動作プログラムを実行することによって、品質判定動作を行なうことができる。
【0167】
ステップg0で、接合動作を行なう準備が完了して、入力手段71から接合するための目標接合強度または押込条件の少なくともいずれか一方を取得すると、ステップg1に進み、制御手段73は、品質判定動作を開始する。ステップg1では、制御手段73は、接合関係情報データベースを参照して、取得される目標接合強度および押込条件を達成可能な、各接合部材2,3の適正寸法範囲をそれぞれ求める。たとえば各接合部材2,3の下限寸法値t1および上限寸法値t2を求めてもよい。また条件を達成可能な各接合部材2,3の寸法の組合せを求めてもよい。このように制御手段73が、適正な各接合部材2,3の板厚の範囲または組合せを求めると、ステップg2に進む。
【0168】
ステップg2では、制御手段73は、超音波板厚計70によって測定した各接合部材2,3の測定寸法taをそれぞれ取得し、ステップg3に進む。ステップg3では、制御手段73は、各接合部材2,3の測定寸法taが、適正な板厚の範囲または適正な組合せであると判断すると、ステップg5に進み、ステップg5で品質判定動作を終了する。
【0169】
またステップg3で、各接合部材2,3の測定寸法taが、適正な板厚の範囲または適正な組合せでないと判断すると、ステップg4に進む。ステップg4では、制御手段73は、適正な接合品質を得ることができないことを示す情報を表示手段72に表示させ、ステップg5に進み、ステップg5で品質判定動作を終了する。
【0170】
以上のような品質判定動作を行なうことによって、各接合部材2,3を接合する前に目標とする接合品質が得ることができるか否かを判定することができる。たとえば目標とする接合品質を得ることができない各接合部材2,3が存在する場合には、その接合部材を避けることによって、無駄な作業を行なうことが防がれる。これによって単位時間あたりに接合可能な接合部材をふやすことができる。
【0171】
図17は、パンチリベットによって接合される各接合部材2,3のはく離形態を示す断面図である。各接合部材2,3が重なり合う重畳方向で、互いに離反する方向に各接合部材2,3に荷重をそれぞれ与えた場合、その荷重がはく離強度を超えると、図17に示すように各接合部材2,3は接合状態が解除されてはく離する。
【0172】
接合部材のはく離形態は、少なくとも2つの形態がある。第1形態は、図17(1)に示すように、パンチリベット1とダイ側接合部材3とが一体の接合体に対して、パンチ側接合部材2が分離する形態である。この場合、パンチリベット1がパンチ側接合部材2に接合するパンチ側接合力よりも、パンチリベット1がダイ側接合部材3に接合するダイ側接合力のほうが大きい。
【0173】
また第2形態は、図17(2)に示すように、パンチリベット1とパンチ側接合部材2とが一体の接合体に対して、ダイ側接合部材が分離する形態である。この場合、パンチリベット1がダイ側接合部材3に接合するダイ側接合力よりもパンチリベット1がパンチ側接合部材2に接合するパンチ側接合力のほうが大きい。
【0174】
各接合部材2,3の接合強度Pfは、第1形態における接合強度Pfuと第2形態における接合強度Pflのうち、その値が小さいほうで決定される。したがって接合強度Pfは、以下の接合関係式によって表わされる。
Pf=min(Pfu,Pfl)
【0175】
上式において、Pfは、各接合部材2,3の接合強度を示す。またPfuは、第1形態における接合強度を示し、Pflは、第2形態における接合強度を示す。また関数min(Pfu,Pfl)は、PfuとPflの値のうち、小さいほうを選択することを意味する。
【0176】
第1形態における接合強度Pfuは、以下の式によって表わされる。
Pfu=A×tu
上式において、tuは、パンチ側接合部材の寸法を示す。またAは、リベットの材質、形状、寸法および接合部材の材質、寸法などによって決定される定数である。たとえば強度の単位がニュートンで、寸法の単位がミリである場合、一例としてAは2000で与えられる。すなわち第1形態における接合強度Pfuは、パンチ側接合部材の厚み寸法tuに第1の定数Aを乗算することで求めることができる。第1の定数Aは、予め試験などによって求められる。
【0177】
図18は、第1形態における接合強度Pfuを説明するための断面図である。第1形態における接合強度Pfuは、リベット頭の引っ掛かりをはずすために上板がどれだけ曲がるかで決定される。第1形態における接合強度Pfuは、上板板厚tuが厚ければ厚いほど(上板が曲がりにくければ曲がりにくいほど)大きくなる傾向があり、第1形態における接合強度Pfuは、上板板厚tuと比例関係となる。
【0178】
第2形態における接合強度Pflは、以下の式によって表わされる。
Pfl=C×(α×tl
上式において、tlは、ダイ側接合部材の寸法を示す。αは、リベットの没入状態を示すリベット状態値であり、たとえば後述する喰込度Saで与えられる。リベット状態値は、各接合部材2,3を接合した場合のパンチリベットの埋没状態を表す。埋没状態は、たとえばパンチリベットまたは各接合部材2,3の変形の度合いである。またC、DおよびEは、リベットの材質、形状、寸法および接合部材の材質、寸法などによって決定される定数である。たとえば強度の単位がニュートンで、寸法の単位がミリである場合、一例としてCは2500で与えられ、Dは1.7で与えられ、Eは0.53で与えられる。
【0179】
すなわち第2形態における接合強度Pflは、パンチ側接合部材の厚み寸法tlを第4の定数Dによって指数演算し、その指数演算値とリベット状態値αとを乗算する。次にその乗算演算値を第5の定数Eによって指数演算し、その指数演算値と第3の定数Cを乗算することで求めることができる。第3〜第5の定数C〜Eは、予め試験などによって求められる。またリベット状態値αは、数値計算、たとえば有限要素解析によって算出することができる。
【0180】
図19は、第2形態における接合強度Pflを説明するための断面図である。第2形態における接合強度Pflは、リベット先端の引っ掛かりをはずすために下板がどれだけ曲がるかで決定される。第2形態における接合強度Pflは、リベット先端が軸部4の半径方向に変形する量である喰込量Saが大きければ大きいほど大きく、かつ下板板厚tlが厚ければ厚いほど(下板が曲がりにくければ曲がりにくいほど)大きい傾向がある。この影響は後者の方が大きいため、下板板厚tlに重みをつけるためべき乗数を掛け、実験結果をフィットさせて各定数を決定する。
【0181】
図20は、試験結果と算出結果とを示すグラフである。各接合部材2,3の板厚とリベットの形状とをそれぞれ変化したときの接合強度を試験によって求める。また上述した接合関係式に基づいて、試験における試験条件から接合強度を算出する。図20には、試験による試験接合強度を縦軸とし、試験条件から算出した算出接合強度を横軸として、接合強度のデータ点をプロットしたグラフである。接合強度のデータ点のうち、黒四角および白四角で示されるデータ点は、試験によるはく離形態が第1形態である。また黒丸および白丸で示されるデータ点は、試験によるはく離形態が第2形態である。
【0182】
図20において、破線で示す評価線80に接合強度のデータ点が近づくほど、算出結果が試験結果に近いことを表わす。接合強度のデータ点は、評価線80に近接している。したがって上述した接合関係式を用いることによって、強度試験を行うことなく接合強度を求めることができる。また接合関係式は、リベットの形状、各接合部材2,3の板厚およびはく離形態にかかわらずに求めることができ、利便性がよい。
【0183】
各接合部材2,3の寸法とリベットが押込まれるときの押込条件とを決定すれば、接合強度が1つに定まるとともに、各接合部材寸法tu,tlとリベット状態値αとを決定することによっても、接合強度が1つに定まる。
【0184】
図21は、パンチリベット1の没入状態を拡大して示す断面図である。リベット状態値αは、たとえば喰込度Saで与えられる。喰込度Saは、パンチリベット1の軸部4が変形して、ダイ側接合部材3に対して、軸部4の半径方向104に喰い込む量である。喰込度Saは、図21に示す第1位置102から第2位置103までの半径方向距離である。
【0185】
第1位置102は、パンチリベット1が没入した被接合物9を、リベットの軸線105を含む仮想平面で切断し、さらにそれをリベットの軸線105に沿って2分割したうちの一方側において、パンチ側接合部材2とダイ側接合部材3との境界線100が、パンチリベット外周側で、パンチリベット1の軸線105に最も近接する位置である。また第2位置103は、ダイ側接合部材3にパンチリベット1がパンチリベットの半径方向104に最も没入する位置である。このような喰込度Saを有限要素法によって求めることによって、上述した接合関係式から各接合部材2,3の接合強度を求めることができる。
【0186】
またリベット状態値αは、喰込度Saのほかにインターロック量SHで与えられてもよい。インターロック量SHは、図21に示す第3位置106から第2位置103までの半径方向距離である。
【0187】
第3位置106は、パンチリベット1が没入した被接合物9を、リベットの軸線105を含む仮想平面で切断し、さらにそれをリベットの軸線105に沿って2分割したうちの一方側において、軸部4の外周面101がダイ側接合部材3の表面100に接する位置である。言い換えると第3部分106は、パンチ側接合部材2とダイ側接合部材3との境界に沿って延びる境界線と、パンチリベット1の軸部4の外周面101とが交差する位置である。このようなインターロック量SHを有限要素法によって求めることによって、上述した接合関係式から各接合部材2,3の接合強度を求めることができる。
【0188】
またリベット状態値αは、喰込度Saのほかに出代比Rで与えられてもよい。出代比Rは図21に示す第4位置107からダイ側接合部材3において軸線105方向への変形がない部分の表面108までの軸線方向距離L1を、ダイ側接合部材3の軸線方向寸法L0(=下板板厚t1)で除算した値、すなわちL1/L0によって表わされる。
【0189】
第4位置107は、パンチリベット1が没入した被接合物9を、リベットの軸線105を含む仮想平面で切断し、さらにそれをリベットの軸線105に沿って2分割したうちの一方側において、ダイ側接合部材3にパンチリベット1がパンチリベットの軸線方向105に最も没入する位置である。このような出代比Rを有限要素法によって求めることによって、上述した接合関係式から各接合部材2,3の接合強度を求めることができる。
【0190】
図22は、パンチリベット1の変形状態を示す図である。図22には、変形前の状態を想像線によって示す。リベット状態値αは、喰込度Saのほかに開き度Erまたは縮み度δで与えられてもよい。開き度Erは、パンチリベット1の軸部4のうち、頭部5と反対側の遊端部の半径方向変形量を表わす。開き度Erは、変形前と変形後とで遊端部の半径方向変形量ΔRを、パンチリベット1の軸線104から変形前の遊端部までの半径方向距離Rで除算した値、すなわちΔR/Rによって表わされる。
【0191】
縮み度δは、パンチリベット1の軸部4のうち、頭部5と反対側の遊端部の軸線方向変形量を表わす。縮み度δは、変形前と変形後とで遊端部の軸線方向変形量ΔLを、パンチリベット1の頭部5から変形前の遊端部までの軸線方向距離Lで除算した値、すなわちΔL/Lによって表わされる。このような開き度Erおよび縮み度δを求めることによっても、上述したような接合関係式から各接合部材2,3の接合強度を求めることができる。
【0192】
たとえば図4に示す接合条件算出装置20を用いる場合、接合情報算出手段20は、プログラム記憶部27に記憶される接合関係式から接合強度を算出する接合強度算出プログラムを実行することによって、接合強度を算出することができる。この場合、取得手段22は、各接合部材寸法を取得する寸法取得手段および押込条件を取得する押込条件取得手段となる。
【0193】
まず接合すべき各接合部材2,3の材質、接合に用いられるパンチリベットの材質における接合関係式が予め用意されると、接合情報算出装置20は、接合関係式による接合強度算出動作を実行することができる。
【0194】
接合情報算出装置20は、接合強度を算出するにあたって、まず取得手段によって接合条件を取得する取得工程を行う。接合条件は、接合すべき各接合部材2,3の材質と、接合に用いられるパンチリベットの材質および形状と、各接合部材寸法と、押込条件とを含む。
【0195】
次に、各接合部材2,3を接合した場合のリベットの埋没状態を表すリベット状態値を取得するリベット状態取得工程を行う。リベット状態値は、予めデータベースとして記憶されていてもよく、また有限要素法解析によって算出動作ごとに求めてもよい。
【0196】
次に、取得される各接合部材寸法およびリベット状態値に基づいて、各接合部材寸法、リベット状態値および接合強度の関係を示す接合関係式を用いて、接合強度を算出する強度算出工程を行なう。
【0197】
以上のように接合関係式に基づいて、接合強度を算出することによって、従来技術のように各接合部材2,3の接合ごとに、供試部材の準備、各供試部材の接合、供試部材の強度試験を行なう必要がなく、接合強度を短時間に求めることができる。また接合関係式を用いることによって、データベースを有する必要がなく、細かく接合条件を設定することができる。
【0198】
たとえばリベット状態値αは、非破壊検査などによって求めていてもよい。リベット1または被接合物9の形状を求めることは、接合強度を試験によって求める場合に比べて、容易にかつ短時間に求めることができる。たとえば接合後に被接合物9のリベット状態値αを取得することによって、目標とする接合強度が得られているかどうかを容易に判定することができる。
【0199】
またリベット状態値αは、押込条件から数値計算、たとえば有限要素法解析によって求めてもよい。リベット状態値αを数値計算によって求めることで、リベット状態値αを試験的に求める必要がなく、実際に各接合部材2,3を接合することなく、接合強度Pfを算出することができる。また接合関係式から接合強度を算出した場合には、第1形態で求めた接合強度Pfuと、第2形態で求めた接合強度Pflの小さいほうが、実際のはく離形態となるので、強度試験を行うことなく、第1はく離形態と第2はく離形態とのいずれの状態で、各接合部材2,3がはく離するかを判定することができる。またこのような接合関係式を用いることによって、上板厚と下板厚との組合せについて、異なる押込み量dおよび押込荷重の解を容易に計算することができる。
【0200】
また接合関係式から接合関係情報を複数求めて、接合関係情報データベースを作成してもよい。表2は、接合関係式から作成される接合関係情報データベースを示す表である。
【0201】
【表2】
Figure 2004322198
【0202】
この接合関係情報データベースは、接合部材寸法と、押込条件と、リベット状態値αと、接合強度と、第1および第2形態で求めた接合強度Pfu、Pflと、はく離形態との関係を示す接合関係情報が複数集まって構成される。
【0203】
またデータベースを作成するにあたって、一部の条件で接合関係情報を求めたあと、残りの接合関係情報については、一部の条件で接合関係情報を補間近似して求めてもよい。すなわち各接合部材寸法および押込条件のうち少なくともいずれか一方が異なる複数の接合条件で、各接合部材2,3を接合した場合の接合強度を取得する強度取得工程と、接合強度が取得された各接合条件とこれら各接合条件おける接合強度とに基づいて、接合強度が取得された各接合条件とは異なる接合条件で、各接合部材2,3を接合した場合の接合強度を補間して求める補間工程とによって求めてもよい。
【0204】
表2に示すデータベースは、数値解析によって押込条件が異なる数値解析接合関係情報を複数算出し、1つの数値解析接合関係情報と他の数値解析接合関係情報との間の押込条件の場合については、数値解析接合関係情報を補間して求めている。言い換えると、接合関連情報のうちいくつかを有限要素法を基にして求め、残りを数学的な空間内挿法を用いて接合関係情報データベースを作成する。これによって全ての接合強度を有限要素法解析によって求める必要がなく、より短時間に作成することができる。このように補間する方法は、強度試験から接合関係情報を求めてデータベースを作成する場合に用いることができ、この場合であっても同様の効果を得ることができる。
【0205】
図23は、目標接合強度における各リベット状態値を算出する動作手順を示すフローチャートである。接合条件が選択されれば、上述した各リベット状態値αが1つに決定される。これによって目標とする接合強度となるために必要な被接合物のリベット状態値αを求めることができる。接合情報算出手段20は、プログラム記憶部27に記憶されるリベット状態値算出プログラムを実行することによって、リベット状態値算出装置となる。
【0206】
ステップk0で、接合すべき各接合部材2,3の材質、接合に用いられるパンチリベットの材質および形状、リベット状態値における接合関係情報データベースが用意されると、ステップk1に進む。
【0207】
ステップk1では、取得手段22によって、接合情報を取得する。具体的には、取得手段22は、押込荷重Pまたは押込み量dの少なくともいずれか一方を取得する。また取得手段22は、予想される各接合部材2,3の寸法変動範囲を取得する。すなわち取得手段22は、パンチ側接合部材2の寸法tuおよびダイ側接合部材3の寸法tlを取得する。このように取得手段22が各接合情報を取得すると、ステップk2に進む。
【0208】
ステップk2では、演算手段24によって、接合情報関連データベースを参照して、取得された寸法範囲におけるすべての組合せを検索し、ステップk3に進む。ステップk3では、演算手段24によって、ステップk2で求めた接合関係情報におけるリベット状態値αを算出し、ステップk4に進む。ステップk4では、演算手段24によって、リベット状態値αを表示手段25に表示させ動作を終了する。
【0209】
以上のようなリベット状態値算出手順によれば、予め定められる接合条件で、接合部材2,3が正しく接合された場合におけるリベット状態値α、すなわちリベットの形状を求めることができる。これによって接合後に被接合物を抜き取り検査を行って、リベット状態値αを測定することで正しく接合されたか否かを判定することができる。リベット状態値αは、断面を観察することによって求めることができ、強度試験を行う場合に比べて接合が正しく行なわれたか否かを容易に求めることができる。また逆にリベット状態値αを測定することによって、接合強度を求めることができるので、容易に接合強度を求めることができる。
【0210】
図24は、本発明の他の実施の形態である接合装置200の動作を示す図である。図25は、接合装置200によって接合される各接合部材2,3を拡大して示す断面図である。上述した打鋲装置40以外の接合装置であっても、上述の接合関係式を用いることができる。この場合接合装置ごとに前述した定数が変化する。
【0211】
たとえば図24に示すように、接合装置200は、基準方向に移動可能に設けられるパンチ体201と、パンチ体201を基準方向に変位駆動する変位駆動手段と、パンチ体201に対向して設けられるダイ体202とを含む。パンチ体201は、ショルダー部203と、ショルダー部203から突出するピン部204とを有する。またダイ体202には、ピン部204が没入可能な没入空間205が形成される。この場合、ピン部204が押込体となる。
【0212】
接合装置200は、接合するための準備が完了すると接合動作を開始する。まず接合装置200は、パンチ体201とダイ体202との間に重ね合わされる複数の接合部材2,3が配置される。次に、パンチ体201がダイ体202に向かって移動する。パンチ体201のピン部204は、ダイ体202の没入空間205に進入する。このとき各接合部材2,3は変形して、ピン部204とともに没入空間205に没入する。各接合部材2,3がダイ体202の没入空間205に倣って変形することによって、各接合部材2,3が接合される。また接合された接合物9には、ピン部204が没入したピン孔213が形成される。
【0213】
図25に示すように、接合された各接合部材2,3は、ピン部204に押し込まれてダイ体202に向かって変形した変形領域206が形成される。変形領域206では、パンチ体側接合部材2は、パンチ押圧方向207にダイ側接合部材3に没入する没入部分208が形成される。没入部分208は、カシメられている。具体的には、没入部分208は、パンチ押圧方向に向かうにつれて、パンチ押圧方向に直交する方向に広がって、ダイ側接合部材3に喰い込む。このようにパンチ側接合部材2がカシメられることで、はく離強度を向上することができる。この場合、没入部分208がパンチ押圧方向に直交する直交方向210に広がる度合い、すなわち押圧状態値を求めることによって、各接合部材2,3の接合強度を求めることができる。
【0214】
たとえば喰込度Saを求めて、上述したリベット状態値αに代入することによって、各接合部材2,3の接合強度を求めることができる。喰込度Saは、図23に示す第4位置211から第5位置212までの直交方向距離である。
【0215】
第4位置211は、変形領域206においてパンチ側接合部材2とダイ側接合部材3との境界線209が、ピン孔213に最も近接する位置である。また第5位置212は、変形領域206においてパンチ側接合部材2とダイ側接合部材3との境界線209が、ピン孔213から最も離反する位置である。このような喰込度Saを実験または有限要素法によって求め、喰込度Saをリベット状態値αとし、接合関係式に代入することによって、各接合部材2,3の接合強度を求めることができる。すなわち上述した場合と同様の効果を得ることができる。
【0216】
このように押付体であるピン部204によって押付けて、パンチ側接合部材2をダイ側接合部材3に没入させるとともに、パンチ側接合部材2をピン部没入方向に直交する方向にダイ側接合部材3に喰い込ませる接合形態では、上述した接合関係式を用いて、接合強度、適切な接合条件を短時間で求めることができる。また適切な接合条件で接合動作を行うことができる。
【0217】
上述した構成は、本発明の例示であって、発明の範囲内において構成を変更することができる。たとえばリベットの材質および形状、接合部材の材質などを接合条件に追加してもよい。これによってリベットの材質および形状、接合部材の材質が異なる場合であっても、適切な接合条件を求めることができ、さらに利便性を向上することができる。また接合部材は、2枚でなくてもよく、たとえば3つ以上の接合部材が接合されてもよい。また板厚を測定するのに、超音波板厚計測計またはレーザ式非接触変位計を用いたが、他の測定手段を用いてもよい。また上述した制約条件および適正条件は、本実施の形態の一例示であり、具体的な条件の内容は、上述した内容以外であってもよい。
【0218】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の本発明によれば、各取得工程で取得した各接合部材寸法および押込条件に基づいて、強度算出工程で、接合関係情報データベースを参照して、各接合部材2,3の接合強度を算出する。これによって従来技術のように接合現場で各接合部材の接合ごとに、供試部材の準備、各供試部材の接合、供試部材の強度試験を行なう必要がなく、短時間に容易にかつ短時間に接合強度を求めることができる。
【0219】
また請求項2記載の本発明によれば、各取得工程で各接合部材寸法と押込状態値とを取得する。次に強度算出工程で、取得した各接合部材寸法および押込状態値に基づいて、接合関係式を参照して、各接合部材の接合強度を算出する。これによって従来技術のように各接合部材の接合ごとに、供試部材の準備、各供試部材の接合、供試部材の強度試験を行なう必要がなく、短時間に容易に接合強度を求めることができる。押込状態値は、押込体の形状が異なる場合であっても、接合強度を算出することができる。
【0220】
また請求項3記載の本発明によれば、各取得段階で、各接合部材の寸法比と全体寸法を取得する。次に取得した寸法比と全体寸法に基づいて、各接合部材の寸法をそれぞれ算出する。押込体が没入する方向の各接合部材のそれぞれの寸法を測定するよりも、押込体が没入する方向の各接合部材を合わせた被接合物の全体寸法を測定するほうが、容易であり、簡単な構成によって実現することができる。このように取得が容易な被接合物の全体寸法から、算出して各接合部材寸法を取得することによって、より容易に接合強度を算出することができる。
【0221】
また請求項4記載の本発明によれば、各取得工程で各接合部材寸法を取得するとともに、強度選択工程で接合強度を選択する。次に接合条件算出工程で、取得した各接合部材寸法および選択した接合強度に基づいて、接合関係情報データベースを参照して、押込条件を算出する。これによって従来技術のように、強度試験結果に基づいて押込条件を決定する必要がない。これによって押込条件を手間なく短時間に求めることができる。また強度試験を繰り返して押込条件を求める必要がなく、適切な押込条件を容易にかつ短時間に求めることができる。
【0222】
また請求項5記載の本発明によれば、寸法取得工程で各接合部材寸法を取得するとともに、強度選択工程で接合強度を選択し、取得した各接合部材寸法および選択した接合強度に基づいて、接合関係情報データベースを参照して、押込条件を算出する。これによって従来技術のように、強度試験結果に基づいて押込条件を決定する必要がない。本発明では、このように強度試験を行なう必要がないので、押込条件を手間なく短時間に求めることができる。また押込条件を算出すると、接合工程で、その押込条件によって押込体を被接合物に押し込む。これによって接合される各接合部材を、目標とする接合強度で接合することができる。
【0223】
たとえば被接合物に関連する各接合部材寸法に変動がある場合、その変動している各接合部材寸法に基づいて、目標となる接合強度を得ることができる押込条件を設定して、各接合部材を接合する。これによって寸法にばらつきがある場合であっても、接合される各接合部材の接合強度がばらつくことを防ぎ、接合品質を向上することができる。
【0224】
また請求項6記載の本発明によれば、任意の接合条件における接合強度を試験または数値計算によって求め、残余の接合条件における接合強度を補間して求める。これによって短時間で手間を少なくして接合関係情報データベースを作成することができる。このような接合関係情報データベースを用いることによって、各接合部材の接合強度および各接合部材を接合するための接合条件を、接合現場で強度試験を行なうことなく求めることができ、利便性を向上することができる。
【0225】
また請求項7記載の本発明によれば、各取得工程で、各接合部材寸法と押込状態値とを取得する。次に取得した各接合部材寸法および押込状態値に基づいて、接合関係式を用いて、接合関係情報データベースを作成する。また押込状態値は、有限要素法解析によって算出されることによって、接合関係情報データベースを短時間で作成することができる。
【0226】
また請求項8記載の本発明によれば、各取得手段によって、各接合部材寸法と押込条件とを取得する。強度算出手段は、取得した各接合部材寸法および押込条件に基づいて、接合関係情報データベースを参照して、各接合部材の接合強度を算出する。これによって従来技術のように各接合部材の接合ごとに、供試部材の準備、各供試部材の接合、供試部材の強度試験を行なう必要がなく、短時間に容易に接合強度を求めることができる。
【0227】
また請求項9記載の本発明によれば、各取得手段が各接合部材寸法と押込状態値とを取得する。強度算出手段は、取得した各接合部材寸法および押込状態値に基づいて、接合関係式を参照して、各接合部材の接合強度を算出する。これによって従来技術のように各接合部材の接合ごとに、供試部材の準備、各供試部材の接合、供試部材の強度試験を行なう必要がなく、短時間に容易に接合強度を求めることができる。押込状態値は、押込体の形状に係らず、押込体の形状が異なる場合であっても、接合強度を算出することができる。
【0228】
また請求項10記載の本発明によれば、寸法取得手段が各接合部材寸法を取得するとともに強度選択手段が接合強度を選択する。取得した各接合部材寸法および選択した接合強度に基づいて、押込条件算出手段は、接合関係情報データベースを参照して、各接合部材の接合強度を算出する。これによって従来技術のように、強度試験結果に基づいて押込条件を決定する必要がない。本発明では、このように強度試験を行なう必要がないので、押込条件を手間なく短時間に求めることができる。
【0229】
また請求項11記載の本発明によれば、各接合部材寸法を取得するとともに接合強度を選択し、取得した各接合部材寸法および選択した接合強度に基づいて、接合関係情報データベースを参照して、押込条件を算出する。これによって従来技術のように、強度試験結果に基づいて押込条件を決定する必要がない。本発明では、このように強度試験を行なう必要がないので、押込条件を手間なく短時間に求めることができる。また押込条件を算出すると、接合工程で、その押込条件によって押込体を被接合物に押し込む。これによって接合される各接合部材を、目標とする接合強度で接合することができる。
【0230】
たとえば被接合物に関連する各接合部材寸法に変動がある場合、その変動している各接合部材寸法に基づいて、目標となる接合強度を得ることができる押込条件を設定して、各接合部材を接合する。これによって寸法にばらつきがある場合であっても、接合される各接合部材の接合強度がばらつくことを防ぎ、接合品質を向上することができる。また本発明は、接合関係情報データベースおよび接合関係式に基づく打鋲に関する技術に関し、上述した方法を実現するためのプログラムおよびプログラムが記載される記憶媒体も含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である各接合部材の接合強度算出手順を示すフローチャートである。
【図2】パンチリベット1による各接合部材2,3の接合方法を説明するために打鋲装置の主要部を示す断面図である。
【図3】複数のパンチリベット1を拡大して示す斜視図である。
【図4】接合情報算出装置20の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】他の実施例の接合強度算出手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態であるパンチリベットの選定手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施の形態である押込荷重の決定手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第4の実施の形態である押込み量の決定手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の打鋲装置40の主要な構成を示す断面図である。
【図10】打鋲装置40の電気的構成を示すブロック図である。
【図11】打鋲装置40の打鋲動作の手順を示すフローチャートである。
【図12】動作を説明するために打鋲装置40を示す断面図である。
【図13】制御手段73の接合条件設定動作手順を示すフローチャートである。
【図14】制御手段73の接合条件設定動作手順を示すフローチャートである。
【図15】他の実施例の制御手段73の寸法取得手順を示すフローチャートである。
【図16】制御手段73の接合管理動作の手順を示すフローチャートである。
【図17】パンチリベットによって接合される各接合部材のはく離形態を示す断面図である。
【図18】第1形態における接合強度Pfuを説明するための断面図である。
【図19】第2形態における接合強度Pflを説明するための断面図である。
【図20】試験結果と算出結果とを示すグラフである。
【図21】パンチリベット1の没入状態を拡大して示す断面図である。
【図22】パンチリベット1の変形状態を示す図である。
【図23】目標接合強度における各リベット状態値を算出する動作手順を示すフローチャートである。
【図24】本発明の他の実施の形態である接合装置200の動作を示す図である。
【図25】接合装置200によって接合される各接合部材2,3を拡大して示す断面図である。
【図26】各接合部材の総板厚tと接合強度Pfとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 パンチリベット
2 パンチ側接合部材
3 ダイ側接合部材
9 被接合物
10 ダイ
11 クランプ体
12 パンチ
20 接合情報算出装置
22 取得手段
23 データベース手段
24 演算手段
25 表示手段
26 演算部
27 記憶部
40 打鋲装置
60 パンチ用サーボモータ
55 クランプ用サーボモータ
70 超音波厚み測定計
73 制御手段

Claims (11)

  1. 複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する場合の接合強度を算出する方法であって、
    各接合部材の寸法である各接合部材寸法を取得する寸法取得工程と、
    押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件を取得する押込条件取得工程と、
    取得される各接合部材寸法および押込条件に基づいて、各接合部材寸法、押込条件および接合強度の関係を示す接合関係情報データベースを参照して、各接合部材の接合強度を算出する強度算出工程とを含むことを特徴とする接合強度の算出方法。
  2. 複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する場合の接合強度を算出する方法であって、
    各接合部材の寸法である各接合部材寸法を取得する寸法取得工程と、
    各接合部材を接合した場合の押込体の埋没状態を表す押込状態値を取得する押込体状態取得工程と、
    取得される各接合部材寸法および押込状態値に基づいて、各接合部材寸法、押込状態値および接合強度の関係を示す接合関係式を用いて、接合強度を算出する強度算出工程とを含むことを特徴とする接合強度の算出方法。
  3. 寸法取得工程は、
    予め定められる各接合部材の寸法比を取得する寸法比取得段階と、
    各接合部材を合わせた被接合物の全体寸法を取得する全体寸法取得段階と、
    取得した寸法比と全体寸法とに基づいて、各接合部材の寸法を算出する寸法算出段階とを有することを特徴とする請求項1または2記載の接合強度の算出方法。
  4. 複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する場合の目標とする接合強度を得るための押込体の押込条件を算出する方法であって、
    各接合部材の寸法である各接合部材寸法を取得する寸法取得工程と、
    目標とする接合強度を選択する強度選択工程と、
    取得される各接合部材寸法および選択される接合強度に基づいて、各接合部材寸法、押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件および接合強度の関係を示す接合関係情報データベースを参照して、押込条件を算出する押込条件算出工程とを含むことを特徴とする押込条件の算出方法。
  5. 複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する方法であって、
    各接合部材の寸法である各接合部材寸法を取得する寸法取得工程と、
    目標とする接合強度を選択する強度選択工程と、
    取得される各接合部材寸法および選択される接合強度に基づいて、各接合部材寸法、押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件および接合強度の関係を示す接合関係情報データベースを参照して、押込条件を算出する押込条件算出工程と、
    算出される押込条件で押込体を被接合物に押し込む接合工程とを含むことを特徴とする接合方法。
  6. 複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する場合における、各接合部材の寸法である各接合部材寸法、押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件および接合強度の関係を示す接合関係情報データベースを作成する方法であって、
    各接合部材寸法および押込条件のうち少なくともいずれか一方が異なる複数の接合条件で、各接合部材を接合した場合の接合強度を、取得する強度取得工程と、
    接合強度が取得された各接合条件と、これら各接合条件おける接合強度とに基づいて、接合強度が取得された各接合条件とは異なる接合条件で、各接合部材を接合した場合の接合強度を、補間して求める補間工程とを含むことを特徴とする接合関係情報データベースの作成方法。
  7. 複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する場合における、各接合部材の寸法である各接合部材寸法、押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件および接合強度の関係を示す接合関係情報データベースを作成する方法であって、
    各接合部材寸法を取得する寸法取得工程と、
    押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件を取得する押込条件取得工程と、
    取得された押込条件で、各接合部材を接合した場合の押込体の埋没状態を表す押込状態値を取得する押込体状態取得工程と、
    各接合部材寸法と押込状態値とに基づいて、各接合部材寸法、押込状態値および接合強度の関係を示す接合関係式を用いて、接合強度を算出する強度算出工程と、
    算出される接合強度に基づいて、各接合部材寸法と、押込条件および接合強度の関係を求める接合関係情報算出手段とを含み、
    押込体状態取得工程では、押込体の埋没状態を有限要素法解析によって求めることを特徴とする接合関係情報データベースの作成方法。
  8. 複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する場合の接合強度を算出する装置であって、
    各接合部材の寸法である各接合部材寸法を取得する寸法取得手段と、
    押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件を取得する押込条件取得手段と、
    各接合部材寸法、押込条件および接合強度の関係を示す接合関係情報データベースを保有するデータベース手段と、
    取得される各接合部材寸法および押込条件に基づいて、接合関係情報データベースを参照して、各接合部材の接合強度を算出する強度算出手段とを含むことを特徴とする接合強度の算出装置。
  9. 複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する場合の接合強度を算出する装置であって、
    各接合部材の寸法である各接合部材寸法を取得する寸法取得手段と、
    各接合部材を接合した場合の押込体の埋没状態を表す押込状態値を取得する押込体状態取得手段と、
    各接合部材寸法と押込状態値とに基づいて、各接合部材寸法、押込状態値および接合強度の関係を示す接合関係式を用いて、接合強度を算出する強度算出手段とを含むことを特徴とする接合強度の算出装置。
  10. 複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する場合の目標とする接合強度を得るための押込体の押込条件を算出する装置であって、
    各接合部材の寸法である各接合部材寸法を取得する寸法取得手段と、
    目標とする接合強度を選択する強度選択手段と、
    各接合部材寸法、押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件および接合強度の関係を示す接合関係情報データベースを保有するデータベース手段と、
    取得される各接合部材寸法および選択される接合強度に基づいて、接合関係情報データベースを参照して、押込条件を算出する押込条件算出手段とを含むことを特徴とする押込条件の算出装置。
  11. 複数の接合部材を含んで構成される被接合物に押込体を押し込んで、各接合部材を接合する装置であって、
    各接合部材の寸法である各接合部材寸法を取得する寸法取得手段と、
    目標とする接合強度が入力される強度入力手段と、
    各接合部材寸法、押込体が被接合物に押し込まれるときの押込条件および接合強度の関係を示す接合関係情報データベースを保有するデータベース手段と、
    取得される各接合部材寸法および選択される接合強度に基づいて、接合関係情報データベースを参照して、押込条件を算出する押込条件算出手段と、
    算出される押込条件で押込体を被接合物に押し込む接合手段とを含むことを特徴とする接合装置。
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