JP2004322009A - 平滑被覆膜の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被塗付面に対して、塗材を用いて被塗付面全体に高低差0.5mm〜5.0mmの凸条の塗膜を複数形成させた後、その隣り合う凸条塗膜の間の溝に充填塗材を充填し、平滑面を形成することである。また、その平滑面に対して、更に平滑に仕上げ材を塗付し、平滑な面を形成することである。
さらに、前記平滑面又は平滑な面をより平滑な状態になるように研磨することである。前記凸条塗膜を形成させた後、その凸条塗膜表面の微小凸部を研磨し、凸条塗膜の形状を整えることである。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、建築物の壁面、柱などの比較的平滑な建築部位を塗材により被覆する場合において、その部位の平滑な部位に対して、平滑な塗膜で被覆するための平滑被覆膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、比較的に平滑である建築部位に対して、塗材又は塗料を用いて被覆する場合には、通常の塗装に用いられるスプレーやローラーなどの塗装器具を用いて行われる場合が多い。又、鏝を用いて行われることもある。
【0003】
近年、0.5〜5.0mmの比較的厚く、平滑な塗膜で被覆されることが多くなりつつある。塗材などによる被覆は、塗膜を得るために乾燥させなければならなく、一度に多くの塗材をスプレーやローラーなどの塗装器具で塗装した場合、には、乾燥に長時間要することになる。又、これら塗装器具を用いて、薄い塗膜を何層も積層し、所定の厚みを確保する場合では、何度も乾燥工程を必要とすることになる。
さらに、一度に多くの塗材を塗装した場合、それにより形成される塗膜は、凹凸状のものになり、平滑に仕上げることは、困難である。そのため、塗装器具を用いて、薄い塗膜を何層も積層し、所定の厚みで被覆することになる。
【0004】
しかし、この被覆方法により所定の厚みの塗膜を形成させた場合では、何回も同じ部分に塗装を行わなければならなく、全体の塗装工期が長くなる。このようなことより特開2003−062519の塗装方法が提案されている。
【特許文献1】特開2003−062519
この公開特許公報に記載されている塗装方法は、凹凸状に発泡耐火塗料による塗料層を形成した後、その塗料層の凹部が塗料層の凸部の厚み以上になるようにテーバー式摩耗減量が0.1〜5.0gの範囲の被覆層を形成し、その被覆層が乾燥、硬化した後に、被覆層を平滑に研磨する塗装方法である。
【0005】
この特許文献1にある塗装方法や上記のように何回も塗膜を積層させる塗膜の形成方法では、形成された塗膜が比較的に平滑な面ではあるが、その塗膜全体の中で塗膜の厚みにバラツキが生じることが多い。この平滑な塗膜の厚みのバラツキとは、表面的の形状が平滑であった場合でも、部分的には塗膜の厚みが異なることで、なだらかで緩やかに変化した塗膜や塗膜の断面形状の表面側が緩い傾斜を持ったものである。
【0006】
このようなことから均一な厚みの塗膜により被覆しなければならない耐火被覆などのような塗膜を形成する場合では、塗装による被覆が困難な場合が生じる。そこで、特開2002−201733のようなシート状の塗膜による被覆が提案されている。
【特許文献2】特開2002−201733
この公開特許公報には、記載されているものは、均一な厚みに形成された塗膜をシートとして用い、シートと同じ成分の接着材で、そのシートを被覆する被覆工法である。
この被覆工法によれば、均一な塗膜で平滑に被覆を行うことができる。又、シートと接着材が同じ成分であることで、均一な成分により被覆を行うことができるものである。更に塗膜の表面の乾燥時間がほとんど必要としないものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようにシートによる被覆は、液状のものからシートを製造しなければならなく、被覆作業に際して、シートと接着剤の2種類の材料を用意し、その2種類の材料を使い分けなければならないなど、1種類の被覆材料を用いて行う塗装などの塗付作業による被覆に比べ、被覆作業が困難なものである。又、作業効率においても塗付による被覆に比べても劣るものである。
【0008】
さらに、シートを用いた場合では、そのシートの大きさに限界があり、シートの継ぎ目が発生する。このシートの継ぎ目を目立たなくする方法は、数多く提案されているが、無くすことは、ほとんど不可能である。そのため、平滑な被覆面に段差が生じたように見え意匠的に劣ることがある。
この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、厚みのバラツキが少ない均一で、平滑な塗膜により容易に効率的に被覆することができ、その塗膜の乾燥時間が比較的短い平滑被覆膜の形成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の平滑被覆膜の形成方法は、被塗付面に対して、塗材を用いて被塗付面全体に高低差0.5mm〜5.0mmの凸条の塗膜を複数形成させた後、その隣り合う凸条塗膜の間の溝に充填塗材を充填し、平滑面を形成することである。
【0010】
請求項2に記載の発明の平滑被覆膜の形成方法は、請求項1に記載の発明において、前記平滑面に対して、更に平滑に仕上げ材を塗付し、平滑な面を形成することである。
【0011】
請求項3に記載の発明の平滑被覆膜の形成方法は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記平滑面又は平滑な面をより平滑な状態になるように研磨することである。
【0012】
請求項4に記載の発明の平滑被覆膜の形成方法は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明において、前記凸条塗膜を形成させた後、その凸条塗膜表面の微小凸部を研磨し、凸条塗膜の形状を整えることである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を詳細に説明する。
この発明は、被塗付面に対して、塗材を用いて被塗付面全体に高低差0.5mm〜5.0mmの凸条の塗膜を複数形成させた後、その隣り合う凸条塗膜の間の溝に充填塗材を充填し、平滑面を形成することである。
【0014】
まず、この塗材とは、被塗付面に対して、凸条塗膜を形成させるものであり、後述される充填塗材、仕上げ材と共に被覆膜を形成するものである。この凸条塗膜の形成方法は、被塗付面に対して、凸条塗膜の高さ程度の厚みを持ったテープ状の養生材を複数配置し、塗付面に凹凸形状を形成する。その凹凸形状の凹部分に塗材を入れ、塗材を入れた後又はその塗材が乾燥,硬化した後に養生材を剥がすことで凸条塗膜を形成することができる。又、より容易に形成する方法として、鏝、箆、スプレーガン、ローラーなどの塗装器具を用いて、一度塗材を被塗布面に塗りつけ、凸条塗膜の断面形状と同じ形状の切り欠きを有するクシ目鏝又はクシ目箆を用いて、その形状に合わせて凸条塗膜を形成させる方法が好ましく用いられる。
【0015】
この凸条塗膜は、その高さが0.5〜5.0mmの範囲である。0.5mmより低い場合は、ある程度の連続した凸条塗膜の形成が困難であり、5.0mmより高い場合は、乾燥した凸条塗膜に亀裂などが入り整った凸条塗膜を形成することが難しい。より好ましくは、1〜3mmの範囲である。
また、この凸条塗膜の長さは、被塗付面の一辺の長さであることが好ましい。これにより、被塗付面の縁まで平滑に仕上げることができる。又、被塗付物が円柱状のものである場合では、その円周方向に凸条塗膜を形成することになる。
【0016】
また、隣り合う凸条塗膜の間隔は、0.5〜30.0mmの範囲が好ましく、0.5mmより狭い場合では、充填塗材を十分に充填することが難しく、30.0mmより広い場合では、次工程で塗付される充填塗材の量が多くなり、充填塗材の乾燥,硬化で割れなどが生じることや乾燥に時間が掛かることになる。
より好ましくは、凸条塗膜の高さ程度の0.5〜5.0mmの範囲である。この範囲内であれば、充填塗材の乾燥,硬化の過程での割れなどが少ないものとなる。
【0017】
さらに、この凸条塗膜の断面形状は、矩形に限らず、三角形、多角形や半円形などであっても良く、その高さが前記範囲内で全て同じであれば良い。又、被塗付面に形成された複数の凸条塗膜の形状が1種類である必要は無く、高さが同じであれば複数種類の形状のものが混在していても何ら問題はない。
好ましくは、凸条塗膜の断面形状が単一の形状であることが好ましく、その形状は、矩形又は三角形であることがより好ましい。このことにより凸条塗膜の形成に用いる器具などを得易く、容易に凸条塗膜を得ることができる。
【0018】
また、凸条塗膜を形成することにより、その塗膜の表面積が大きくなることで、単位面積当たりの塗布量が同じである平らな塗膜に比べ乾燥が速くなり、次の工程に速く移ることができる。
このように形成された凸条塗膜は、その形成過程において、凸条塗膜表面に微小凸部が生じることがある。この微小凸部があることで、次工程での充填塗材の充填に際して、十分に充填塗材を充填することができないことがあり、それにより形成された平滑被覆膜中に空隙ができることや正確な平滑面を得ることができないことがある。そのため、凸条塗膜を形成させた後、その凸条塗膜表面の微小凸部を研磨し、凸条塗膜の形状を整えることが好ましい。
【0019】
上記のように凸条塗膜を複数形成し、乾燥させる。それら凸条塗膜のうち2つの隣り合う凸条塗膜により溝が形成される。この溝に充填塗材を充填する。この充填は、凸条塗膜と同じ高さになるように充填し、平滑面を得ることができる。この充填方法は、通常の切り欠きの無い鏝や箆を用い、充填塗材を押し広げながら充填する方法や塗装器具などにより凸条塗膜が形成された被塗付面全体に充填塗材を塗付し、鏝,箆などにより余分な充填塗材を掻き取りながら平滑面を形成する方法などがある。
【0020】
充填塗材を塗布した後掻き取る方法では、充填塗材のロスが多くなることから、鏝,箆などを用いて押し広げながら充填する方法が好ましく用いられる。
上記のような工程を経て得られる平滑面は、均一な高さである凸条塗膜に合わせて、充填塗材を充填することで、厚みのバラツキが少ない均一で、平滑面を得ることができ、それにより効率的で容易に被覆することができる。又、その被覆膜の乾燥時間が比較的短いものである。
【0021】
平滑面は、塗材と充填塗材との材料により形成されていることから、その材料の境界を確認することができ、塗材と充填塗材の色,材質が異なる場合では、塗材と充填塗材の違いが確認することができることがある。この色,材質の違いを模様として用いる場合では、このままの仕上げで良いが、この違いの無い方が良い場合では、この平滑面に対して、平滑に仕上げ材を塗付する。このようにすることにより、より一様で、均一な平滑な面を得ることができる。
【0022】
この仕上げ材の乾燥膜厚は、0.1〜1.0mmの範囲が好ましい。0.1より薄くなる場合では、その仕上げ材の特性にもよるが仕上げ材の塗膜の隠蔽性が悪く、塗材と充填塗材の境界を確認することができることがあり、1.0mmより厚い場合では、塗膜に凹凸が付き易く、平滑面より平滑度の精度が低下することがある。
この仕上げ材の塗付方法は、スプレーガンや塗装ローラーなどの塗装器具により行うことで、作業効率が向上することが多く、好ましく行われる。
【0023】
さらに、乾燥した平滑面,平滑な面を研磨することにより、より精度の高い平滑面を得ることができる。平滑面に仕上げ材を塗付する場合であっても、一度平滑面を研磨して、平滑面の平滑度を向上させた後に、仕上げ材を塗付することで、より平坦な平滑面を得ることができる。
この研磨方法としては、サンドペーパー、サンダー、グラインダー、ミーリングカッターなどの研磨加工用の器具、装置を用いて行うことができる。この内、サンドペーパーがその工具の扱い易さから好適に使用されることが多い。
【0024】
次に、塗材,充填塗材,仕上げ材は、全てが同じ成分のものであっても全て又はいずれか1種が異なる成分のものであっても良く、形成される塗膜の色が全て同じでも全て又はいずれか1種が異なったものでも良い。
全てが同じ成分のものを用いた場合では、単一の成分の塗膜による被覆膜を形成することができる。逆に、全て又はいずれか1種が異なる成分のものを用いた場合では、それぞれの塗膜の特性を生かした被覆膜を得ることができる。
【0025】
好ましくは、塗材,充填塗材が同じ成分のものであることが好ましい。この2つが同じ成分であることで、2つの材料の付着性が良く境界での割れが少ないものであり、被覆膜の多くの割合を占める部分を単一の塗膜とすることができる。
形成される塗膜の色が全て同じである場合では、単一の色の被覆膜を形成することができる。単一の色の被覆膜であることにより、表層部分に欠けなどが生じて目立ち難いものである。
【0026】
仕上げ材を塗布した平滑な面である場合、他の2つが同じ色のものであっても異なる色であっても特に問題はなく、仕上げ塗材の色が表面の色を決定することになる。そのため、仕上げ塗材の色を自由に選択することができる。
仕上げ材を用い無い平滑面での被覆の場合は、塗材と充填塗材の色が同じでであれば、単一の色の被覆膜を形成することができる。逆に、異なった色を用いた場合では、塗材と充填塗材の異なった色の塗膜が被覆膜の表面に現れ模様を形成することができ、その配列により意匠性を向上させた被覆膜を形成することができる。
【0027】
この発明の平滑被覆膜の形成方法は、被塗付物の形状に沿った平滑面を形成することができるものであることで、その被塗付物の形状を保持しつつ被覆膜を形成するものである。この方法によれば、建築物の部材である角型、丸型、H型、更には波型などの鋼材の形状を保持しつつ被覆することができる。
そのため、この方法は、建築の分野に用いられることが多く、これらの鋼材の防錆や耐火のための被覆に用いられる。そのうち、これを好適に用いるものとして、耐火被覆がある。この耐火被覆は、火災時に鋼材へ熱の伝わりを遅くし、建築物の倒壊を防ぐものである。この耐火被覆は、耐火膜の厚みによりその性能が変化するものなので、その耐火膜の厚みを規定厚み以上の均一なものとする必要がある。
【0028】
この耐火被覆の中でも1.0〜5.0mm程度の比較的薄い膜で被覆を行う発泡耐火塗料による被覆は、火災時に発泡し耐火膜を膨張させ、耐火性能を発揮するものである。比較的薄膜での被覆であることから、その耐火膜厚を管理することが難しいことにより、この発明の方法により形成される耐火膜により被覆することで容易に効率的に被覆することができる。
【0029】
この発泡耐火塗料は、耐火膜の付着性、各主成分同士を結合させるための合成樹脂、熱により発泡層を形成するペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール,ポリペンタエリスリトールなどの多価アルコール、熱によりアンモニアガスなどのガスを発生させ、同時に吸熱反応により塗装面の温度を引き下げるリン酸アンモニウム,ポリリン酸アンモニウムなどの難燃性発泡剤を主成分とするものである
【0030】
この発泡耐火塗料により形成される耐火膜は、火災などの熱によりその耐火膜が発泡して、断熱層を形成し、その断熱層により、火災等の急激な温度上昇による鋼材の座屈等を防止するものである。
この発明を発泡耐火塗料による被覆に用いる場合では、塗材及び充填塗材が同じ成分である発泡耐火塗料であることが好ましい。これにより、0.5mm〜5.0mmの範囲で単一の発泡耐火塗料の成分により形成される平滑耐火膜面で被覆することができる。又、仕上げ材を用いる場合では、その仕上げ材も発泡耐火塗料であることがより好ましい。これにより、より一様で、均一な平滑な耐火膜面による耐火被覆膜を得ることができる。
【0031】
以上のように、この実施形態によれば次のような効果が発揮される。
・ 被塗付面に対して、塗材を用いて被塗付面全体に高低差0.5mm〜5.0mmの凸条の塗膜を複数形成させた後、その隣り合う凸条塗膜の間の溝に充填塗材を充填し、平滑面を形成することであることにより、厚みのバラツキが少ない均一で、平滑な塗膜により容易に効率的に被覆することができ、その塗膜の乾燥時間が比較的短い平滑被覆膜を得ることができる。
【0032】
・ 前記平滑面に対して、更に平滑に仕上げ材を塗付し、平滑な面を形成することであることにより、より一様で、均一な平滑な面を得ることができる。
・ 前記平滑面又は平滑な面をより平滑な状態になるように研磨することであることにより、より精度の高い平滑面を得ることができる。平滑面に仕上げ材を塗付する場合であっても、一度平滑面を研磨して、平滑面の平滑度を向上させた後に、仕上げ材を塗付することで、より平坦な平滑面を得ることができる。
【0033】
・ 前記凸条塗膜を形成させた後、その凸条塗膜表面の微小凸部を研磨し、凸条塗膜の形状を整えることであることにより、充填塗材の充填を十分に行うことができ、平滑被覆膜中の空隙が少なく、正確な平滑面を得ることができる。
・ 凸条塗膜が塗装器具を用いて、一度塗材を被塗布面に塗りつけ、凸条塗膜の断面形状と同じ形状の切り欠きを有するクシ目鏝又はクシ目箆を用いて、その形状に合わせて形成させることにより、容易に凸条塗膜を得ることができる。
【0034】
・ 凸条塗膜の長さが被塗付面の一辺の長さであることにより、被塗付面の縁まで平滑に仕上げることができる。
・ 隣り合う凸条塗膜の間隔が0.5〜30.0mmの範囲であることにより、十分に充填塗材を充填することができ、充填塗材の量が適切になり、充填塗材の乾燥,硬化で割れなどが生じることが少なく、乾燥時間も長くなることが少ない。
【0035】
・ 凸条塗膜の断面形状が単一の形状で、その形状が矩形又は三角形であることにより、凸条塗膜の形成に用いる器具などを得易く、容易に凸条塗膜を得ることができる。
・ 仕上げ材の乾燥膜厚が0.1〜1.0mmの範囲であることにより、塗材と充填塗材の境界を確認することが困難であり、平滑な面を得ることができる。
【0036】
・ 塗材,充填塗材,仕上げ材の全てが同じ成分のものを用いた場合では、単一の成分の塗膜による被覆膜を形成することができる。
・ 塗材,充填塗材,仕上げ材の全て又はいずれか1種が異なる成分のものを用いた場合では、それぞれの塗膜の特性を生かした被覆膜を得ることができる。
【0037】
・ 塗材,充填塗材が同じ成分のものであることにより、2つの材料の付着性が良く境界での割れが少ないものであり、被覆膜の多くの割合を占める部分を単一の塗膜とすることができる。
・ 形成される塗膜の色が全て同じである場合では、単一の色の被覆膜を形成することができる。単一の色の被覆膜であることにより、表層部分に欠けなどが生じて目立ち難いものである。
【0038】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記塗材及び充填塗材が防錆材であることにより、厚みのバラツキが少ない均一で、平滑な防錆被覆膜により容易で効率的に被覆することができ、その塗膜の乾燥時間が比較的短い平滑防錆被覆膜を得ることができる。
【0039】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 被塗付面に対して、合成樹脂、多価アルコール、難燃性発泡剤を主成分とする発泡耐火塗料を用いて被塗付面全体に高低差0.5mm〜5.0mmの凸条の耐火膜を複数形成させた後、その隣り合う凸条耐火膜の間の溝に前記発泡耐火塗料を充填し、平滑面を形成することを特徴とする平滑耐火膜の形成方法。
これにより、厚みのバラツキが少ない均一で、平滑な耐火膜により容易に効率的に被覆することができ、その耐火膜が火災などの熱によりその被覆膜が発泡して、断熱層を形成し、その断熱層により、火災等の急激な温度上昇による鋼材の座屈等を防止することができる。
【0040】
・ 前記耐火膜に対して、更に平滑に前記発泡耐火塗料を塗付し、平滑な耐火膜面を形成することを特徴とする前記記載の平滑耐火膜の形成方法。
これにより、より一様で、均一な平滑な耐火膜面を得ることができる。
・ 前記平滑耐火膜面又は平滑な耐火膜面をより平滑な状態になるように研磨することを特徴とする前記記載の平滑被覆膜の形成方法。
・これにより、より精度の高い平滑耐火膜面を得ることができる。平滑耐火膜面に発泡耐火塗料を塗付する場合であっても、一度平滑耐火膜面を研磨して、平滑耐火膜面の平滑度を向上させた後に、発泡耐火塗料を塗付することで、より平坦な平滑耐火膜面を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の平滑被覆膜の形成方法によれば、厚みのバラツキが少ない均一で、平滑な塗膜により容易に効率的に被覆することができ、その塗膜の乾燥時間が比較的短い平滑被覆膜を得ることができる。
【0042】
請求項2に記載の発明の平滑被覆膜の形成方法によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、より一様で、均一な平滑な面を得ることができる。
【0043】
請求項3に記載の発明の平滑被覆膜の形成方法によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、より精度の高い平滑面を得ることができる。平滑面に仕上げ材を塗付する場合であっても、一度平滑面を研磨して、平滑面の平滑度を向上させた後に、仕上げ材を塗付することで、より平坦な平滑面を得ることができる。
【0044】
請求項4に記載の発明の平滑被覆膜の形成方法によれば、請求項1ないし請求項3に記載のいずれか発明の効果に加え、充填塗材の充填を十分に行うことができ、平滑被覆膜中の空隙が少なく、正確な平滑面を得ることができる。
Claims (4)
- 被塗付面に対して、塗材を用いて被塗付面全体に高低差0.5mm〜5.0mmの凸条の塗膜を複数形成させた後、その隣り合う凸条塗膜の間の溝に充填塗材を充填し、平滑面を形成することを特徴とする平滑被覆膜の形成方法。
- 前記平滑面に対して、更に平滑に仕上げ材を塗付し、平滑な面を形成することを特徴とする請求項1に記載の平滑被覆膜の形成方法。
- 前記平滑面又は平滑な面をより平滑な状態になるように研磨することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の平滑被覆膜の形成方法。
- 前記凸条塗膜を形成させた後、その凸条塗膜表面の微小凸部を研磨し、凸条塗膜の形状を整えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の平滑被覆膜の形成方法。
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