JP2021193155A - 塗料組成物及び塗膜の形成方法 - Google Patents

塗料組成物及び塗膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶剤に溶かす固形成分として、少なくとも空洞を有する粒子状の中空部材と、繊維部材と、バインダー樹脂とを含有する塗料組成物であって、様々な対象面に対して重ね塗りすることなくスムーズ且つ容易に塗装作業を行うことができる塗料組成物を提供することを課題とする。【解決手段】溶剤に溶かす固形成分として、少なくとも空洞を有する粒子状の中空部材と、繊維部材と、バインダー樹脂とを含有する塗料組成物であって、前記バインダー樹脂100質量%に対して、前記中空部材が5〜15質量%の範囲で含有され、前記繊維部材が0.15〜3.0質量%の範囲で含有される。【選択図】図3

Description

本発明は、繊維部材や粒子状の中空部材を含有する塗料組成物及び塗膜の形成方法に関する。
溶剤に溶かす固形成分として、バインダー樹脂の他に、繊維部材や、空洞を有する粒子状の中空部材を含有させることにより、対象面側に塗装した際に、断熱性が高く、ヒビ割れし難い塗膜を形成することができる特許文献1や、特許文献2に記載の塗料組成物が従来公知である。
上記文献では、断熱性及び可撓性に優れる塗膜を形成することができるものであるが、対象面側に下塗り塗装、中塗り塗装、仕上げ塗装と塗装作業を複数回行うこと必要があったり、対象面側に固定された不織布上に前記塗料組成物を塗布し、積層体をプレス成型等することによって、断熱層を形成する必要があったり、塗装作業に手間と時間が掛かるという課題があった。
特開2003−119418号公報 特開2001−240809号公報
本発明は、溶剤に溶かす固形成分として、少なくとも空洞を有する粒子状の中空部材と、繊維部材と、バインダー樹脂とを含有する塗料組成物であって、様々な対象面に対して重ね塗りすることなくスムーズ且つ容易に塗装作業を行うことができる塗料組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、溶剤に溶かす固形成分として、少なくとも空洞を有する粒子状の中空部材と、繊維部材と、バインダー樹脂とを含有する塗料組成物であって、前記バインダー樹脂100質量%に対して、前記中空部材が5〜15質量%の範囲で含有され、前記繊維部材が0.15〜3.0質量%の範囲で含有されることを特徴とする。
第2に、前記溶剤の含有量を、塗料組成物の総質量に対して、37〜50質量%の範囲としたことを特徴とする。
第3に、前記繊維部材として、ナイロン繊維を用いたことを特徴とする。
第4に、前記繊維部材の長さを、1〜7mmの範囲としたことを特徴とする。
第5に、前記繊維部材の太さを、9〜15μmの範囲としたことを特徴とする。
第6に、前記中空部材として、樹脂バルーン及び無機ビーズより選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする。
第7に、前記中空部材として、シラスバルーンを用いたことを特徴とする。
第8に、前記中空部材の粒径を、10〜100μmの範囲としたことを特徴とする。
第9に、前記バインダー樹脂は、アクリル樹脂、シリコン樹脂、及びアクリルシリコン樹脂より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むことを特徴とする。
第10に、前記溶剤が水であることを特徴とする。
第11に、請求項1〜10の何れか一項に記載の塗料組成物を対象物に塗布する工程と、塗布した前記塗料組成物を硬化させる工程とを有し、一度の塗布作業で重ね塗りすることなく塗膜を仕上げることを特徴とする。
第12に、形成される塗膜の厚さを120〜300μmとしたことを特徴とする。
前記塗料の固形成分として前記中空部材と、前記繊維部材とを、前記バインダー樹脂とを特定の割合で含有させたことにより、形成される塗膜に断熱性と、ひび割れ防止性を付与できる他、塗装作業時の下地への高い密着性によって様々な下地に塗膜を形成できるため、汎用性が向上する。また、対象面側への塗装作業時に、重ね塗りすることなく一回の塗装作業で塗膜を形成することができるようになるため、塗装作業の手間と時間も大幅に削減することができる。
塗料の製造工程を示したフロー図である。 塗膜の形成方法を示したフロー図である。 シラスビーズの配合量と膜厚の関係を示した表図である。 テストピースを示した写真である。 (A)及び(B)は、試験体の通常状態と屈曲状態とを示した写真である。 曲げ試験終了後の試験体を示した写真である。
以下、本発明の塗料組成物を適用した塗料の製造方法と、該塗料による塗装作業(塗膜形成作業)について説明する。本願を適用した塗料は、バインダー樹脂と、空洞が形成された粒子状の中空部材と、繊維部材と、顔料とからなる固形成分(固形部材)を、水又は有機溶剤からなる溶剤に溶かすことにより構成されている。以下、各成分について説明する。
前記バインダー樹脂は、アクリル樹脂、シリコン樹脂、及びアクリルシリコン樹脂より選ばれる少なくとも1つの樹脂が用いられ、これらは2種類以上の樹脂を組み合わせたものを用いても良い。なお、該バインダー樹脂としては、対候性が高く、紫外線や水分の影響による劣化をより抑えることができるシリコン樹脂が好ましい。
前記中空部材は、空洞を有する粒子状に形成された部材であって、樹脂バルーンや、シラスバルーン、アルミナ、シリカ等の無機系の無機ビーズが用いられる。これらの中空部材は、単独で使用しても良いし、2種以上の中空部材を選択して組み合わせたものを使用しても良い。
また、前記中空部材には、その粒径が10〜100μm程度の範囲のものを用いた。さらに、前記中空部材の粒径は、40〜50μm程度のものがより好ましい。これにより、塗料に付与する断熱性能と、塗膜強度とを両立させることができる。
なお、該中空部材としては、火山灰を瞬間加熱することで製造される球状発泡体である前記シラスバルーンを用いることによって、より低コストで前記塗料に断熱性・吸音性・吸湿性を付与することができる。該シラスバルーンのサイズは、5〜500μm程度である。
さらに、該中空部材は、前記バインダー樹脂100質量%に対して、5〜15質量%の範囲となる量が投入される。なお、該中空部材は、前記バインダー樹脂100質量%に対して、5〜10質量%の範囲がより好ましい。
前記繊維部材は、樹脂製の繊維状部材であって、特に、塗料にひび割れ防止性や防錆・防水性に優れたナイロン繊維が好ましい。また、該繊維部材としてカーボン繊維を用いることでも同様の効果を発揮できる。なお、上述の樹脂製の繊維部材や、カーボン繊維から2種類以上の繊維を組み合わせたものを用いても良い。
該繊維部材は、その長さが1〜7mmの範囲のものが好ましい。該繊維部材の長さが1mmより短くなると、形成される塗膜の強度向上が不足し、塗膜がヒビ割れし易くなる。その一方で、該繊維部材の長さが7mmより長くなると、塗料(又は塗膜)内で繊維部材が分散し難くなり、塗膜の性能にムラが生じやすくなる。
また、該繊維部材は、その太さ(直径)が9〜15μmの範囲のものが好ましい。該繊維部材の太さが9μm以下となると、形成される塗膜の強度向上が不足し、塗膜がヒビ割れし易くなる。その一方で、該繊維部材の太さが15μmよりも太くなると、塗料(又は塗膜)内で繊維部材が分散し難くなり、塗膜の性能にムラが生じやすくなる。
さらに、該繊維部材は、前記バインダー樹脂100質量%に対して、0.15〜3.0質量%(より好ましくは、0.15〜0.5質量%)の範囲の量が投入される。
前記顔料は、塗膜に着色する粉体であって、天然の鉱石や金属の化学反応によって得られる酸化物等である無機顔料であっても、石油等から合成される有機顔料であっても良い。該顔料を添加することで、塗料によって形成される塗膜を用途によって必要な色に変えることができる。
上述の固形成分を溶かす前記溶剤としては、水又は有機溶剤を用いることができるが、本実施例では水を用いた。前記水は、塗料全体に総重量に対して、37〜50質量%の範囲で含有されるように構成した。これにより、一度の塗装作業による塗膜形成に適した塗料を製造することができる。
より具体的に説明すると、前記水は、塗料全体の総重量に対して、37〜43質量%として、塗装作業を行う前に、作業時の気温・湿度・塗膜形成箇所の状態に応じて、水で0〜10%程度(より好ましくは0〜5%程度)の希釈率で希釈することにより、塗装作業時の作業性を高く保つことができる。
上述の固形成分を水や有機溶剤からなる溶剤に溶かすことにより前記塗料が構成されている。該塗料の具体的な製造工程としては、溶剤にバインダー樹脂を投入する樹脂投入工程と、第1ろ過工程と、中空部材投入工程と、第2ろ過固定と、繊維部材投入工程とを有している(図1参照)。
前記樹脂投入工程は、まず、前記溶剤に前記バインダー樹脂を投入し、十分に撹拌作業を行う。このとき、溶剤として、既に溶剤に顔料が添加された既製品の塗料を用いても良い。
前記第1ろ過工程は、前記中空部材よりも目の細かい濾過機を用いて、前記樹脂投入工程で撹拌された塗料を濾過する。これにより、塗料に混入したゴミ等の小さな固形物を除去することができる。
前記中空部材投入工程は、前記第1ろ過工程によってろ過された塗料に、前記中空部材を投入し、十分に撹拌作業を行う。これにより、前記塗料に前記バインダー樹脂や顔料が均一に分散している状態で、前記中空部材を投入・撹拌するため、前記中空部材をスムーズにむらなく塗料に混ぜることができる。
前記第2ろ過工程は、前記塗料に混ぜるべき前記中空部材の径よりも目の粗い濾過機を用いて、前記樹脂投入工程で撹拌された塗料を濾過する。これにより、塗料に投入された前記中空部材の中に、想定より粒径の大きいものが混入した場合であっても、径の大きい前記中空部材を前記塗料から取り除くことができる。
前記繊維部材投入工程は、前記第2ろ過工程によってろ過された塗料に、前記繊維部材を投入し、十分に撹拌作業を行う。これにより、前記塗料に前記バインダー樹脂、前記中空部材、顔料が均一に分散している状態で、前記繊維部材を投入・撹拌するため、前記繊維部材をスムーズにむらなく塗料に混ぜることができる。
上述の製造工程によれば、前記溶剤に溶かす(投入・撹拌が行われる)前記固形成分を、径の小さいものから順番に行うことによって、前記バインダー樹脂、前記中空部材、前記繊維部材(固形成分)を前記塗料内に均一に分散させ易くなる。なお、各固形成分を、前記溶剤に全部を投入し、一気に撹拌作業を行っても良い。
上述の製造工程によって製造された塗料(塗料組成物)によれば、特定の含有比率で、前記バインダー樹脂と、前記中空部材と、前記繊維部材とを含有したことにより、前記塗料の厚塗り性と、該塗料の濡れ性とが向上するため、対象面への一度の塗装作業で、十分な厚さ(120〜300μm)の塗膜を形成することができる。
すなわち、通常の塗料では、下塗り・中塗り・仕上げ塗りとで複数回に亘って繰り返される塗装作業の工程を、大幅に削減することができるため、塗膜を形成するための作業時間と作業コストを大きく低減させることができるものである。該塗料を用いた具体的な塗膜の形成方法については後述する。
また、前記塗料によれば、対象面への濡れ性(密着性)が高く、一度の塗装作業での厚塗り性、形成される塗膜のひび割れ防止性も高いため、様々な構造物(対象面)に塗膜を形成することができる。具体的には、コンクリート・モルタル・各種鋼板・塩ビシート等、対象面が硬くて凹凸の少ない面に対しても、発泡スチロール等、対象目の凹凸の大きい面に対しても、スムーズに密着させて塗膜を形成することができる。
また、前記塗料によって形成される塗膜は、前記中空部材と前記繊維部材とが含有されることによって、断熱性と、ひび割れ防止性とが付与される。さらに、該塗膜は、錆の原因となる水・塩分が遮断して優れた防錆効果を発揮するとともに、紫外線や酸性雨等による劣化も抑制して優れた対候性を発揮することができる。
ちなみに、上述の製造工程について、前記第1ろ過工程、第2ろ過工程の何れか一方、又は、両方の工程を省略しても良い。
次に、前記塗料を用いた塗膜の形成方法について説明する。図2は、塗膜の形成方法を示したフロー図である。図示されるように、前記塗料を用いた塗膜の形成方法は、前処理工程と、塗布工程と、乾燥工程(硬化工程)とを有している。
前処理工程では、前記塗膜を形成する対象面(下地)を掃除することにより、対象面に付着した油分や埃等の汚れを取り除く。具体的には、一般的な素地調整の他、状況によって(例えば塗膜の塗替え時)は、高圧洗浄等による機械洗浄を行うのが好ましい。
これにより、前記塗料と前記下地との密着性が向上するため、様々な対象物に対して密着性良く前記塗膜を形成できるようになる。
塗布工程では、前処理工程により処理された対象面に対して、前記塗料を用いて塗装作業を行う。具体的には、塗膜を形成する対象面の種類や形成される塗膜の厚さに応じて、ローラ塗装や、エアレススプレーによる吹付塗装等の中から適した塗装方法が適宜選択される。このとき、一度の塗装作業で所望の塗膜厚保が形成されるように前記塗料を塗布する。
また、該塗布工程では、作業時の気温や湿度、塗装面の状態、塗装作業に用いる道具に応じて、塗料を必要な分だけ水で希釈することにより、塗装作業の効率をより高く保つことができる。
乾燥工程では、前記対象面に塗布された塗料から前記溶剤の成分が揮発するまで乾燥させるとともに、前記塗料組成物の固形成分を硬化させることにより、塗膜を形成させる。このとき、前記塗料の乾燥は、自然乾燥でも良いし、別途に熱源等を用いて塗料の乾燥と硬化を促しても良い。
ちなみに、塗装作業後に自然乾燥させる場合には、指触乾燥するまではおよそ30分、硬化乾燥するまではおよそ5日間程度を要する。
以上により、上述の塗料を用いて塗膜を形成する場合には、前記塗料の高い濡れ性と厚塗り性によって、下塗り・中塗り・仕上げ塗りと分ける必要も、重ね塗りする度に乾燥を待つ必要もなく、一度の塗装作業によって塗膜を形成することができる。すなわち、塗膜を形成する手間と時間を大幅に削減することができる。
次に、上述の塗料組成物を含む塗料の性能を示す実験について説明する。溶剤となる水にアクリル樹脂(又はアクリルシリコン樹脂)と顔料とを添加した(溶かした)アクリル樹脂系塗料15kg(該塗料のうち、水は6.4kg)に、前記繊維部材であるナイロン繊維30gとを含有させ、前記中空部材であるシラスビーズ(シラスバルーン)の配合量を、前記アクリル樹脂100質量%に対して、0質量%、5質量%、10質量%、15質量%、20質量%とした塗料をそれぞれ製造し、塗料の厚塗り性を調べた。なお、前記アクリル樹脂系塗料は、前記顔料の他にも(酸化)チタン等の添加物が含有されるものであっても良い。
具体的には、前記シラスビーズの配合量の異なる前記塗料を、金属板に刷毛を用いて一回塗りし、乾燥させて塗膜を形成することによりテストピースを作成した。その後、膜厚計(Elektro・Physik社製:Mini・Test650)を用いて、各塗料によって金属板上に形成された塗膜の中から膜厚を5か所ランダムに測定した。以下、実験結果を示す。
図3は、シラスビーズの配合量と膜厚の関係を示した表図であり、図4は、テストピースを示した写真である。表に示されるように、シラスビーズを配合しなかった場合には、形成された塗膜の膜厚が5か所平均で26・2μmとなり、一度塗りでは十分な膜厚が確保できず、重ね塗りが必要なものとなった。
これに対し、シラスビーズの配合量が前記アクリル樹脂100質量%に対して、5質量%以上配合されたものについては、一度の塗り工程で形成される塗膜の厚さを120μm以上確保できることが確認された。その一方で、シラスビーズの配合量が前記アクリル樹脂100質量%に対して、20質量%以上配合されたものについては、塗膜の厚さは十分に確保できたものの、塗料の粘性が過度に高くなり、金属板に形成された塗膜の均一性(仕上がり)が低下し易くなった。
以上により、前記塗料に含まれる前記シラスビーズが、前記アクリル樹脂100質量%に対して、5質量%以上(5〜20質量%)であれば、一度塗りで十分な膜厚の塗膜を形成することができることが確認された。また、前記アクリル樹脂100質量%に対して、5〜15質量%(より好ましくは、5〜10質量%)であれば、一度の塗り作業で十分な膜厚が形成されるとともに、十分な作業性を確保し、均一な塗膜を形成することができることが確認された。
次に、上述の塗料組成物を含む塗料の性能のうち、繊維の配合量による耐割れ性能を示す実験について説明する。溶剤となる水にアクリル樹脂(又はアクリルシリコン樹脂)と顔料とを添加した(溶かした)アクリル樹脂系塗料15kg(該塗料のうち、水は6.4kg)に、前記中空部材であるシラスバルーン960gを含有させ、前記繊維部材であるナイロン繊維の配合量を、前記アクリル樹脂100質量%に対して、0質量%、0.15質量%、1.0質量%、3.0質量%、5.0質量%とした塗料をそれぞれ製造し、塗料によって形成される塗膜の耐割れ性能を調べた。なお、前記アクリル樹脂系塗料は、前記顔料の他にも(酸化)チタン等の添加物が含有されるものであっても良い。
具体的には、前記ナイロン繊維の配合量の異なる塗料を、縦3.5cm、横8cm、厚み1cmの発泡スチロールからなる試験体の片面側に、前記塗料を刷毛で1回塗りして乾燥させることによって塗膜を形成する。これを繊維の配合量が異なる塗料毎に行う。
その後、前記試験体を通常状態→屈曲状態→通常状態に戻す作業をした後に塗膜の状態を目視で確認する(図5(A)及び(B)参照)。この作業サイクルを繰り返すことにより、各塗料毎に形成された塗膜の耐割れ性能を確認する。
図5(A)及び(B)は、試験体の通常状態と屈曲状態とを示した写真であり、図6は、曲げ試験終了後の試験体を示した写真である。図6に示されるように、前記ナイロン繊維を入れなかった塗料は、試験体を屈曲状態にした際に、塗膜の端部に亀裂が生じ、前記作業サイクルを25回繰り返した際に、塗膜と試験体とが同時に破断した。
これに対し、ナイロン繊維の配合量が前記アクリル樹脂100質量%に対して、0.15質量%以上配合されたものについては、前記作業サイクルを1000回繰り返した時点、いずれの試験体も塗膜及び試験体に亀裂が入ることがなく、形成される塗膜に十分な耐割れ性能を付与できることが確認された。その一方で、ナイロン繊維の配合量が前記アクリル樹脂100質量%に対して、5質量%以上配合されたものについては、塗料の粘性が過度に高くなることで塗布作業の作業性が悪化し、塗膜の均一性(仕上がり)が低下し易くなった。
以上により、前記塗料に含まれるナイロン繊維が、前記アクリル樹脂100質量%に対して、0.15質量%以上(0.15〜3.0質量%)であれば、塗料によって形成される塗膜に十分な防割れ性を付与することができるとともに、塗料を塗布する際の作業性も高い状態を保つことができることが確認された。

Claims (12)

  1. 溶剤に溶かす固形成分として、少なくとも空洞を有する粒子状の中空部材と、繊維部材と、バインダー樹脂とを含有する塗料組成物であって、
    前記バインダー樹脂100質量%に対して、前記中空部材が5〜15質量%の範囲で含有され、前記繊維部材が0.15〜3.0質量%の範囲で含有される
    塗料組成物。
  2. 前記溶剤の含有量を、塗料組成物の総質量に対して、37〜50質量%の範囲とした
    請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 前記繊維部材として、ナイロン繊維を用いた
    請求項1又は2に記載の塗料組成物。
  4. 前記繊維部材の長さを、1〜7mmの範囲とした
    請求項1乃至3の何れかに記載の塗料組成物。
  5. 前記繊維部材の太さを、9〜15μmの範囲とした
    請求項1乃至4の何れかに記載の塗料組成物。
  6. 前記中空部材として、樹脂バルーン及び無機ビーズより選択される少なくとも1つを含む
    請求項1乃至5の何れかに記載の塗料組成物。
  7. 前記中空部材として、シラスバルーンを用いた
    請求項1乃至5の何れかに記載の塗料組成物。
  8. 前記中空部材の粒径を、10〜100μmの範囲とした
    請求項1乃至7の何れかに記載の塗料組成物。
  9. 前記バインダー樹脂は、アクリル樹脂、シリコン樹脂、及びアクリルシリコン樹脂より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む
    請求項1乃至8の何れかに記載の塗料組成物。
  10. 前記溶剤が水である
    請求項1乃至9の何れかに記載の塗料組成物。
  11. 請求項1〜10の何れか一項に記載の塗料組成物を対象物に塗布する工程と、
    塗布した前記塗料組成物を硬化させる工程とを有し、
    一度の塗布作業で重ね塗りすることなく塗膜を仕上げる
    塗膜の形成方法。
  12. 形成される塗膜の厚さを120〜300μmとした
    請求項11に記載の塗膜の形成方法。
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