JP2004321878A - 水殺菌装置および水殺菌方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属イオン溶出体の表面に水垢などの皮膜が付着して、金属イオンの溶出効果を低下させていた。
【解決手段】銀イオン溶出体21または銅イオン溶出体22を容器体10内において水流により撹拌し、表面同士を互いに接触させ、表面に付着する水垢などの皮膜を除去することにより、銀イオンまたは銅イオンの溶出効果の低下を防ぐことができる。したがって、殺菌効果のある銀イオン水あるいは銅イオン水を、長期間に渡って、効率的に生成することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】銀イオン溶出体21または銅イオン溶出体22を容器体10内において水流により撹拌し、表面同士を互いに接触させ、表面に付着する水垢などの皮膜を除去することにより、銀イオンまたは銅イオンの溶出効果の低下を防ぐことができる。したがって、殺菌効果のある銀イオン水あるいは銅イオン水を、長期間に渡って、効率的に生成することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽、プール、温泉や工業用用水設備などの、殺菌された水を必要とする設備に使用して好適な水殺菌装置および水殺菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の水の殺菌処理に関する技術としては、容器に浴槽水を通す多数個の透孔を設け、容器内に銀メッキが施された抗菌部材を備えた、浴槽用殺菌器具が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
上記浴槽用殺菌器具においては、浴槽内に上記浴槽用殺菌器具を置くことにより、浴槽水が透孔から容器内へ流入し、銀メッキが施された抗菌部材を通過する。そして、上記浴槽水が抗菌部材を通過する際に発生する銀イオンの殺菌作用によって、浴槽中のレジオネラ菌や大腸菌などを殺菌処理することを可能にしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−296271号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1に記載された浴槽用殺菌器具では、長期間使用すると銀メッキを施した抗菌部材の表面に水垢などの皮膜が付着し、銀イオンの溶出効果が低下するという課題があった。
また、抗菌部材の表面に水垢などの皮膜が付着して銀イオンの溶出効果が低下した場合に、溶出効果を回復させるためには、抗菌部材を取り替えなければいけないという課題があった。
【0006】
本発明は、上記課題にかんがみてされたもので、長期間、安定した殺菌効果を奏することが可能な水殺菌装置および水殺菌方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、入水管と出水管を備える容器体と、当該容器体に収容されて水流の撹拌作用により互いに摩擦動作を継続しつつ金属イオンを溶出する金属イオン溶出体とを具備する構成としてある。
【0008】
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、水流が入水管から容器体に入水すると、水流は容器体内を還流する。金属イオン溶出体は、容器体内の水流の撹拌作用により、互いに接触して、摩擦動作を繰り返しつつ金属イオンを溶出する。そして、金属イオンが溶出した金属イオン水が出水管より出水する。
【0009】
上記金属イオン溶出体は互いに表面を摩擦しあう動作を繰り返すことにより、金属イオン溶出体の表面上に付着する水垢などの皮膜をこすり落とす。したがって、金属イオン溶出体の表面上に水垢などの皮膜が付着することによる、金属イオン溶出効果の低下を防ぐことができる。
また、水流は入水管から入水して出水管から出水するまでの間に、上記容器体内を還流する。すなわち、水流は上記容器体内を還流するために、上記容器体内に滞在する時間が長くなり、金属イオンを発生させる部材を収容する区間を一定方向に水流が通過する場合などと比較して、金属イオンの溶出効果が高くなる。
【0010】
ここで、上記金属イオン溶出体は、水流の撹拌作用により互いに摩擦しあう場合に、表面を効率よく接触させることができる形状であることが望ましい。そこで、請求項2にかかる発明は、上記請求項1に記載の水殺菌装置において、上記金属イオン溶出体は、円筒状である構成としてある。
【0011】
上記のように構成した請求項2にかかる発明においては、上記金属イオン溶出体は、円筒状の形状をしている。形状が円筒状であるために、水流が金属イオン溶出体を撹拌する際に、金属イオン溶出体は互いに円筒表面を満遍なく摩擦することができる。したがって、金属イオン溶出体の表面上に付着する水垢などの皮膜が効率よく除去される。
【0012】
また、金属イオン溶出体の表面を効率よく接触させることができる他の形状として、請求項3にかかる発明は、上記請求項1に記載の水殺菌装置において、上記金属イオン溶出体は、球状である構成としてある。
【0013】
上記のように構成した請求項3にかかる発明においては、上記金属イオン溶出体は、球状の形状をしている。形状が球状であるために、水流によって撹拌されるときに、各金属イオン溶出体はあらゆる方向に回転が可能となる。したがって、金属イオン溶出体は、互いに球の表面を満遍なく摩擦することができ、表面上の水垢などの皮膜が効率よく除去される。さらに、金属イオン溶出体は、容器体内を水流によって撹拌されるときに容器体の内壁に衝突しても、形状が球状であるために滑らかに回転する。したがって、容器体内を水流および金属イオン溶出体が滞りなく還流し、容器体の損傷も少なくて済む。
【0014】
また、請求項4にかかる発明は、上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記金属イオン溶出体は、内部が空洞である構成としてある。
【0015】
上記のように構成した請求項4にかかる発明においては、上記金属イオン溶出体は、その内部が空洞となっている。金属イオン溶出体の内部を空洞にすることにより、金属イオン溶出体の一つ当たりの質量を減らすことができる。したがって、高い水圧の水流によらなくとも、効率よく金属イオン溶出体を上記容器体内で撹拌することが可能となる。
【0016】
ここで、請求項5にかかる発明は、上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記入水管は、上記容器体と接する入水口に、入水する水流を所定の方向に保つための整流板を備える構成としてある。
【0017】
上記のように構成した請求項5にかかる発明においては、上記入水管は、上記容器体と接する入水口に、入水する水流を所定の方向に保つための整流板を備えている。整流板の設置態様の一例としては、容器体内へ入水してくる水流を容器体の内壁に沿った方向に誘導する設置態様が考えられる。かかる整流弁を設置することにより、水流が入水管から容器体内に流入したときに容器体内で流れを散乱させてしまうことを防ぐことができ、水流が容器体内を還流しやすくなる。
【0018】
金属イオンの溶出効果を高めるには、水流が上記入水管から入水して出水管から出水するまでの間に、上記容器体内を十分に還流して、金属イオン溶出体を撹拌する必要がある。そこで、請求項6にかかる発明は、上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記入水管と出水管は、高低差を設けて設置されている構成としてある。
【0019】
上記のように構成した請求項6にかかる発明においては、上記入水管と出水管は、高低差を設けて設置されている。したがって、入水管から上記容器体内に入水した水流が、直ちに出水管から出水していくことは無い。上記容器体内に、入水管と出水管の高低差分による水流が生成され、より複雑な流れとなることで、水流の上記容器体内における滞在時間が長くなる。そして、水流は容器体内を還流しながら金属イオン溶出体を撹拌し、金属イオン溶出体から金属イオンを溶出させた上で、出水管から出水する。すなわち、上記請求項6にかかる構成を採ることによって、水流は金属イオン溶出体の表面と接触する時間をより長く確保することが可能となり、金属イオンの溶出効果の高い水殺菌装置を提供することができる。
【0020】
また、上記容器体の形状の一例として、請求項7にかかる発明は、上記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記容器体は、断面形状が略円形状である構成としてある。
【0021】
上記のように構成した請求項7にかかる発明においては、上記容器体は、断面形状が略円形状である。容器体の断面形状が略円形状であることにより、水流は容器体内を滞りなく還流することができ、上記金属イオン溶出体も効果的に撹拌される。ここで、略円形状の断面形状としては、円形状の他にも、楕円形状や八角形状、十角形状などの、円形状に近い形状が含まれる。
【0022】
また、上記入水管と出水管の設置態様の一例として、請求項8にかかる発明は、上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記入水管と出水管は、上記容器体の側面部において、上記容器体の軸芯と垂直の方向から所定の角度へずらした方向に配向されている構成としてある。
【0023】
上記のように構成した請求項8にかかる発明においては、上記入水管と出水管は、上記容器体の側面部において、上記容器体の軸芯と垂直の方向から所定の角度へずらした方向に配向されている。すなわち、入水管および出水管ともに、容器体の軸芯を通らない方向に向かって設置されているため、容器体に入水した水流は、軸芯を中心として回転するように容器体内を流れる。したがって、水流は、容器体内を滞りなく還流し、金属イオン溶出体を効果的に撹拌する。
なお、入水管と出水管は容器体の軸芯上を通る方向で配向されていなければ良いので、上記所定の角度としては様々な角度が考えられる。また、入水管と出水管の設置角度がそれぞれ異なっていてもよい。
【0024】
上述したように、上記容器体の側面部における、入水管と出水管の設置の方向は種々の方向が考えられ、容器体の外周に接する方向で設置されていても良い。そこで、請求項9にかかる発明は、上記請求請求項8に記載の水殺菌装置において、上記入水管は、上記容器体の下方側面部において、上記容器体の外周に接する角度で設置され、上記出水管は、上記容器体の上方側面部において、上記容器体の外周に接する角度で設置されている構成としてある。
【0025】
上記のように構成した請求項9にかかる発明においては、水流は上記容器体の下方側面部において容器体の外周に接する角度で設置されている入水管から容器体内に入水し、上記容器体の上方側面部において容器体の外周に接する角度で設置されている出水管から出水する。したがって、容器体内には、軸芯を中心として回転する乱れの少ない水流が発生し、金属イオン溶出体は効果的に撹拌される。
【0026】
また、上記出水管は、必ずしも上記容器体の側面部に設置されている必要はなく、上記容器体の上面部または下面部に設置されていても良い。そこで、請求項10にかかる発明は、上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記出水管は、上記容器体の上面部または下面部において、略中央部位に設置されている構成としてある。
【0027】
上記のように構成した請求項10にかかる発明においては、上記出水管は、上記容器体の上面部または下面部において、略中央部位に設置されている。上記出水管が上記容器体の上面部に設置されている場合は、容器体へ入水した水流が、容器体内で上方に向かいながら回転する螺旋状の流れを形成しつつ、上面部の略中央部位より出水する。一方、上記出水管が上記容器体の下面部に設置されている場合は、容器体へ入水した水流が、容器体内で下方に向かいながら回転する螺旋状の流れを形成しつつ、下面部の略中央部位から出水する。
【0028】
また、請求項11にかかる発明は、上記請求項10に記載の水殺菌装置において、上記出水管は、上記容器体の上面部において、垂直方向に設置されている構成としてある。
【0029】
上記のように構成した請求項11にかかる発明においては、上記出水管は、上記容器体の上面部において、垂直方向に設置されている。すなわち、容器体へ入水した水流が、容器体内で上方に向かいながら回転する螺旋状の流れを形成しつつ、上面部より垂直方向に出水する。
【0030】
ここで、請求項12にかかる発明は、上記請求項1〜請求項11のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記容器体は、外部容器と側面部に複数の透孔を形成する内部容器とから構成されている。
【0031】
上記のように構成した請求項12にかかる発明においては、上記容器体は、外部容器と内部容器とから構成されており、同内部容器の側面部には複数の透孔が形成されている。そして、内部容器内に金属イオン溶出体を収容することとすれば、水流を入水管から金属イオン溶出体を収容する空間に直接流入させずに、内部容器の側面部の透孔を通して流入させることが可能となる。すなわち、入水管から一筋の流れとして容器体内に入水した水流が、金属イオン溶出体を収容する空間へ流入する際に複数の透孔を通過し、複数の水流に分けられる。そして、入水管から入水した水流を複数の水流に分けることにより、金属イオン溶出体を収容する空間内に、回転する水流を効果的に形成することができる。
また、上記透孔を入水管の入水口より小さい面積とすれば、上記透孔を水流が通過する際に圧力がかかり、透孔を通過した水流の流速が増す。したがって、水流は入水管から入水したときと比較して、強い勢いで内部容器内に流入する。
【0032】
上記請求項12にかかる構成を採ることにより、入水管から金属イオン溶出体を収容する空間内に水流を直接入水させる場合と比較して、効果的に、金属イオン溶出体を収容する空間内に回転する水流を形成することが可能となる。また、効果的に形成された前記水流によって、金属イオン溶出体は強く撹拌され、互いに摩擦動作を繰り返しながら金属イオンを溶出する。
【0033】
ここで、水の殺菌処理を実行する手法は必ずしも実体のある装置に限られる必要はなく、その方法としても機能することは容易に理解できる。
このため、請求項13にかかる発明は、入水管と出水管を備える容器体に金属イオン溶出体を収容し、上記入水管から上記出水管へ水を通過させることにより、上記金属イオン溶出体を撹拌し、上記金属イオン溶出体に互いに摩擦動作を継続させつつ金属イオンを溶出させる構成としてある。
すなわち、必ずしも実体のある装置に限らず、その方法としても有効であることに相違はない。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1にかかる発明は、金属イオン溶出体の表面上に付着する水垢などの皮膜による金属イオン溶出効果の低下を防ぎつつ、効果的に金属イオンを溶出することが可能な水殺菌装置を提供することができる。
さらに、請求項2および請求項3にかかる発明によれば、金属イオン溶出体の表面上の水垢などの皮膜を効率よく除去することができる。
さらに、請求項4にかかる発明によれば、金属イオン溶出体を、容器体内において容易に撹拌することができる。
【0035】
さらに、請求項5にかかる発明によれば、入水管から容器体内に入水した水流の方向を誘導することにより、水流が容器体内を還流しやすくなる。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、水流は金属イオン溶出体の表面と接触する時間をより長く確保することが可能なので、金属イオンの溶出効果の高い水殺菌装置を提供することができる。
さらに、請求項7にかかる発明によれば、水流は、容器体内を滞りなく還流し、金属イオン溶出体を効果的に撹拌することができる。
さらに、請求項8および請求項9にかかる発明によれば、水流は、軸芯を中心として回転するように容器体内を還流し、金属イオン溶出体を効果的に撹拌することができる。
さらに、請求項10および請求項11にかかる発明によれば、出水管の設置態様についての変形例を提供することができる。
【0036】
さらに、請求項12にかかる発明によれば、金属イオン溶出体を収容する空間内に、回転する水流を効果的に形成することができる。
さらに、請求項13にかかる発明によれば、金属イオン溶出体の表面上に付着する水垢などの皮膜による金属イオン溶出効果の低下を防ぎつつ、効果的に金属イオンを溶出することが可能な水殺菌方法を提供することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
下記の順序に従って、本発明の実施形態を説明する。
(1)全体構成の説明
(2)銀イオン溶出体の説明
(3)測定方法と測定結果の説明
(4)その他の実施形態の説明
【0038】
(1)全体構成の説明
図1は、本発明の一実施形態にかかる、水殺菌装置の概略斜視図である。
同図において、水殺菌装置の容器体10は、円筒形の外部容器11と、同外部容器11の中に全体を収容できる大きさの円筒形の内部容器12とから構成されている。なお、同図においては、外部容器11の内部に収容される内部容器12などを破線により表示している。また、容器体10は、入水管13と出水管14を備えている。本実施形態では、入水管13は容器体10の下方側面部において、外部容器11に接続している。一方、出水管14は容器体10の上方側面部において、内部容器12に接続している。
さらに、本実施形態においては、外部容器11は、入水管13と出水管14の間の高さに位置する遮断板15を備えている。当該遮断板15は、外部容器11の内周と内部容器12の外周の間の隙間を塞いでおり、ドーナツ型円盤状の形状をしている。さらに、本実施形態においては、内部容器12は、遮断板15より下位に位置する側面部に複数の透孔16を形成している。
【0039】
上記構成の容器体10においては、入水管13から入水した水流は、遮断板15と、遮断板15より下位に位置する外部容器11の内壁と、遮断板15より下位に位置する内部容器12の外壁に囲まれた空間(第一の空間)に流入する。次に、水流は上記第一の空間内を一定方向に循環しながら、透孔16を通って内部容器12内(第二の空間)へ流入する。そして、水流は上記第二の空間内を還流し、内部容器12に接続された出水管14を通って、容器体10の外部へ出水する。
【0040】
本実施形態においては、同図に示すように、内部容器12内に金属イオン溶出体20を収容している。透孔16から内部容器12内に流入した水流は、第二の空間である内部容器12内を還流し、金属イオン溶出体20を撹拌する。金属イオン溶出体20は水流によって撹拌されることにより、互いに接触して、表面同士を摩擦しあう。金属イオン溶出体20はかかる摩擦動作を繰り返しつつ、水中に金属イオンを溶出する。なお、本実施形態においては、金属イオン溶出体として、銀イオン溶出体を用いている。
【0041】
図2は、上記容器体10をA1,A2部分で切断した断面図である。なお、同図においては、金属イオン溶出体20の表示を省略してある。
遮断板15と、遮断板15より上位に位置する外部容器11の内壁と、遮断板15より上位に位置する内部容器12の外壁に囲まれた空間を、第三の空間とする。遮断板15は、第一の空間を循環する水流を、全て透孔16を通って第二の空間へ流入させている。
【0042】
図3は、上記容器体10を上から見た状態を示している。なお、図3においては、内部容器12と出水管14の一部を破線で表示している。
入水管13は外部容器11の外周に対して接線方向に接続する角度で設置されており、出水管14は、内部容器12の外周に対して接線方向に接続する角度で設置されている。接線方向で接続することにより、後述するように水流が容器体10内を循環しやすくなっている。ただし、入水管13および出水管14の設置態様は上記のものに限られず、容器体10の側面部、上面部あるいは下面部において、あらゆる方向で設置可能である。
【0043】
図4は、上記容器体10をB1,B2部分で切断した断面図である。
透孔16は内部容器12の側面部に8箇所形成されており、第一の空間を循環する水流が当該透孔16を通って、第二の空間に流入する。ただし、透孔16の数や大きさ、内部容器12への透孔16の入射角などは、これらに限定されるものではない。透孔16の数や大きさ、内部容器12への透孔16の入射角などは、入水管13および出水管14の口径や設置位置、または水流の水圧の違いなど、種々の条件によって様々に変更可能である。
同図に示すように、透孔16を内部容器12の側面に対して斜めに入射するように形成すると、透孔16を通って流入する水流が第二の空間内において、一定方向へ回転する流れを形成しやすくなる。
【0044】
(2)銀イオン溶出体の説明
次に、容器体10に収容する銀イオン溶出体21について説明する。容器体10に収容する銀イオン溶出体21の個数は、任意の数を選択可能である。
図5は、本実施形態において使用する銀イオン溶出体21aを一部破断正面図により示している。
同図において、銀イオン溶出体21aは球状の形状をしている。球状であることにより、銀イオン溶出体21aは内部容器12内で水流に撹拌されながら、内部容器12内を滑らかに回転したり、移動したりすることができる。当該形状においては、銀イオン溶出体21aは、撹拌されながら互いの表面上を満遍なく摩擦しあうことができ、表面上に付着する水垢などの皮膜を除去するのに適している。当該形状を採用することにより、表面に付着する水垢などの皮膜による銀イオン溶出効果の低下を防ぐことができ、銀イオン溶出体21aを交換する回数は少なくて済む。実質的には、銀イオン溶出体21aの銀部分が著しく磨耗して銀イオンの溶出効果が低下した場合にのみ交換すればよいので、交換する必要はほとんど無く、当該水殺菌装置のメンテナンスは非常に容易になる。
【0045】
同図の右半分は上記銀イオン溶出体21aの垂直断面を表わしており、銀イオン溶出体21aの内部が空洞であることを示している。すなわち、銀イオン溶出体21aの内部には球状の空洞部21a1が形成されている。
内部が空洞であることにより、銀イオン溶出体21aの一つ当たりの質量を減らすことができる。したがって、上記内部容器12内に流入する水流によって、効率的に銀イオン溶出体21aを撹拌することが可能となる。ここで、銀イオン溶出体21aは、純銀や高濃度の銀で形成してもよいし、球状の担体表面に銀メッキなどの表面処理を施して形成しても良い。
【0046】
図6は、容器体10に収容する銀イオン溶出体21の、他の形状の例を示している。
同図において、銀イオン溶出体21bは円筒状の形状をしている。当該形状にかかる銀イオン溶出体21bは、水流によって撹拌されながら互いの側面上を満遍なく摩擦しあうことができ、当該銀イオン溶出体21bの表面上に付着する水垢などの皮膜を除去するのに適している。
【0047】
図7は、上記銀イオン溶出体21bの一部破断正面図であり、上記銀イオン溶出体21aと同様に、銀イオン溶出体21bは内部が空洞であることを示している。すなわち、銀イオン溶出体21bの内部には円筒状の空洞部21b1が形成されている。銀イオン溶出体21bは、上記銀イオン溶出体21aと同様に、純銀や高濃度の銀で形成してもよいし、円筒状の担体表面に銀メッキなどの表面処理を施して形成しても良い。
なお、銀イオン溶出体21は、上述した二つの形状に限られるものではなく、板状、楕円状、その他の多面体など、様々な形状を採用することが可能である。
【0048】
次に、銀イオンの効能について説明する。
一般に、銀イオンには強い殺菌効果があることが知られている。特に、銀イオンはレジオネラ菌に対しても殺菌効果が強いことが知られており、水中に混入したレジオネラ菌に対して、微量で短時間の作用で殺菌効果を示す。また、レジオネラ菌の感染症は、増殖したレジオネラ菌を吸入することによって引き起こされるものであるが、レジオネラ菌は、水中の藻やアメーバと共生して増殖する。ここで、銀イオンは、各種細菌の細胞に強く吸着して細菌を死滅させるので、各種細菌の発生が抑制され、藻やアメーバの発生を防止することができる。すなわち、レジオネラ菌の増殖原因となる藻やアメーバの発生をも防止することができる。 他にも、銀イオンには、O‐157病原性大腸菌、大腸菌、抗酸菌(老人性結核菌)、MRSA、一般病原菌などに対する殺菌効果がある。
【0049】
また、銀イオン水には、塩素系薬剤による刺激臭、肌荒れ、異臭味が一切無いので、浴槽、プール、貯水タンクなどの殺菌処理に好適である。
さらに、銀イオンによっては、配管、機器設備品、その他の建材、サッシなどの腐食も起こらないので、水殺菌処理に用いる装置の劣化もほとんど進まない。
【0050】
次に、銀イオンの水への溶出量について説明する。
水温摂氏25度の水100gに対する銀の溶解度は2.8×10**(−5)gである(「日本化学学会編」改定4版 化学便覧 基礎編II:水に対する単体及び無機化合物の溶解度)。したがって、水1リットル(1,000mg)中の溶解度は、2.8×10**(−4)gである。ただし、**はべき乗を表わしている。
水の殺菌消毒に用いる場合の銀イオンは、0.01mg/リットルで充分効果があるとされる。上記の値から、水1リットル(1,000mg)中の銀の溶出量は0.28mg/リットルである。したがって、殺菌に必要な量としては充分な量の銀イオンを水中に溶出させることが可能である。
また、固体の溶解度は、一般に温度上昇とともに増加する傾向にあるので、入浴に使用される水温(40度前後)などにした場合は、銀イオンの溶解度が増え、殺菌効果の増大を期待できる。
【0051】
図8は、本実施形態において、上記銀イオン溶出体21aが、内部容器12内で、水流によって撹拌される状態を斜視図により示している。なお、同図においては、内部容器12および出水管14を二点鎖線により表示している。
透孔16を通過して内部容器12内へ流入した水流は、内部容器12内で一定方向へ回転する流れを形成する。銀イオン溶出体21aは、当該回転する水流によって撹拌され、互いの表面上を接触させ、摩擦しあいながら内部容器12内を回転する。
銀イオン溶出体21aは、表面上を互いに摩擦させることで、表面上に付着する水垢などの皮膜を互いに除去しあう。つまり、水流の撹拌作用により常に表面を摩擦しあう動作を繰り返すことで、水流が容器体10内を還流している間は、銀イオン溶出体21aの表面上に上記皮膜がほとんど定着しない状態が保たれる。したがって、水流は、上記皮膜に阻まれることなく、銀イオン溶出体21aの表面に直接触れながら内部容器12内を還流することが可能となり、銀イオンの溶出効果は高いまま保たれる。
また、本実施形態においては、水流が銀イオン溶出体21aの表面と接触することによる銀イオンの溶出効果だけでなく、銀イオン溶出体21aが互いに表面を摩擦しあって、表面を磨耗させることによる銀イオンの溶出効果もある。
【0052】
(3)測定方法と測定結果の説明
次に、上述の容器体10および銀イオン溶出体21aを具備する水殺菌装置を用いて行った、銀イオン溶出量の測定についての実施例を説明する。なお、測定は以下の二通りの条件でそれぞれ行った。
【0053】
[実施例1]
実施例1は、10分間で、300リットルの水道水を、入水管13から出水管14へと一度通過させる条件で行った。当該300リットルという水量は、およそ平均的な家庭用浴槽に貯水する水量に相当する。また、内部容器12には4個の銀イオン溶出体21aを収容した。当該銀イオン溶出体21aは、直径20ミリの球状であって、内部は空洞である。また、当該銀イオン溶出体21aの板厚は1ミリである。
【0054】
上記実施例1の結果、出水管14より出水した水からは、1リットル当たり0.025mgの銀イオンが検出された。上述したように、水の殺菌消毒に用いる場合の銀イオンは、1リットル当たり0.01mgで充分効果があるとさている。したがって、上記実施例1によって溶出した銀イオンの量は、殺菌効果としては充分なものであると言える。したがって、本実施形態にかかる水殺菌装置を、浴槽、プール、温泉施設、貯水タンクなど、水の殺菌処理を必要とする設備に取り付けることにより、銀イオンの殺菌効果を利用して効果的に水の殺菌処理を行うことができる。
【0055】
[実施例2]
一方、実施例2は、6時間に渡って、100リットルの水道水を、繰り返し入水管13から出水管14へと循環させる条件で行った。なお、当該実施例2においても、上記実施例1と同様の個数および形状の銀イオン溶出体21aを用いた。
【0056】
上記実施例2の結果、6時間に渡って繰り返し循環させた水からは、1リットル当たり0.09mgの銀イオンが検出された。上記実施例2によって検出された銀イオンの溶出量は、上記実施例1の結果を大きく上回るものである。
すなわち、本実施形態においては、一定量の流水を繰り返し入水管13から出水管14へと循環させることで、より殺菌効果の高い銀イオン水が得られる。したがって、本実施形態にかかる水殺菌装置は、24時間風呂やプールなどの、一定量の水を繰り返し循環させる設備における殺菌処理に高い効果を発揮する。
【0057】
(4)その他の実施形態の説明
水殺菌装置による水の殺菌処理には、上記実施形態に用いた容器体10の他にも種々の容器体を用いることが可能である。
図9は、本発明の第二の実施形態にかかる、水殺菌装置の容器体の概略構成を斜視図により示している。
同図において、容器体30は、円筒形の外部容器31と、同外部容器31の中に全体を収容できる大きさの円筒形の内部容器32とから構成されている。なお、同図においては、外部容器31の内部に収容される内部容器32などを破線により表示している。
【0058】
容器体30は、入水管33と出水管34を備えている。本実施形態では、入水管33は容器体30の下方側面部において、出水管34は容器体30の上方側面部において、それぞれ外部容器31に接続している。
また、外部容器31は、入水管33と出水管34の間の高さに位置する遮断板35を備えている。当該遮断板35は、外部容器31の内周と内部容器32の外周の間の隙間を塞いでおり、ドーナツ型円盤状の形状をしている。さらに、内部容器32は、遮断板35より下位に位置する側面部に複数の透孔36を形成している。
【0059】
ここで、上記内部容器32の高さは、上記遮断板35が設置されている高さまでとなっている。また、内部容器32の円筒上面部は塞がれておらず、遮断板35の上面と、遮断板35より上位に位置する外部容器31の内壁に囲まれた空間に対して開放されている。
入水管33から入水した水流は、内部容器32の透孔36から内部容器32内に流入した後、内部容器32内を還流しながら、当該内部容器32に収容される銀イオン溶出体21を撹拌する。次に水流は、開放された内部容器32の上面部から、上記遮断板35の上面と遮断板35より上位に位置する外部容器31の内壁に囲まれた空間に流入する。そして、上記遮断板35の上面と遮断板35より上位に位置する外部容器31の内壁に囲まれた空間を還流しながら、水流は外部容器31に接続された上記出水管34より出水する。
【0060】
すなわち、本実施形態では、図1において説明した容器体10と異なり、遮断板35より上位に位置する外部容器31内の空間を水流が還流する構成となっている。当該構成を採用することにより、水流が還流する空間を拡げることができる。また、水流が還流する空間を上記容器体10と同程度の体積分だけ確保する場合には、容器体30の高さを低くすることができるので、本実施例にかかる水殺菌装置全体をコンパクト化することが可能となる。さらに、内部容器32の上面部が塞がれていないので、上記容器体10と比較して、容易に上記銀イオン溶出体21を内部容器32内へ収容し、あるいは内部容器32から取り出すことが可能となる。
【0061】
図10は、本発明の第三の実施形態にかかる、水殺菌装置の容器体の概略構成を斜視図により示している。
同図において、容器体40は円筒形の形状をしている。本実施形態にかかる容器体40は、上記容器体10または容器体30と異なり、内部容器と外部容器に分けられておらず、一の容器によって構成されている。さらに、上記容器体10または容器体30と異なり、容器体40には遮断板と透孔が形成されていない。一方、入水管41は容器体40の下方側面部において、出水管42は容器体40の上方側面部において、それぞれ容器体40に接続している。
上記銀イオン溶出体21は容器体40内に収容している。水流は、入水管41から銀イオン溶出体21を収容する空間に直接流入し、同容器体40内を還流しながら銀イオン溶出体21を撹拌する。そして、容器体40内を還流しながら、水流は上記出水管42から出水する。
【0062】
上記のように、本実施形態にかかる容器体40は、上記容器体10または容器体30と比較して非常に簡易な構成をしている。したがって、上記容器体10または容器体30を製造する場合と比較して、上記容器体40の製造は容易であり、製造コストも低く抑えることができる。
【0063】
図11は、上記第三の実施形態にかかる容器体40を上から見た状態を示している。
同図において、入水管41および出水管42は、容器体40の軸芯上を通過しない方向に設置されている。また、容器体40を上から見た場合に、入水管41と出水管42は互いに向き合う方向に設置されている。上記のように入水管41および出水管42を設置すると、入水管41から入水した水流が、容器体40内にて、容器体40の軸芯を中心として回転するように還流する。そして、出水する際も、回転の方向に沿って滞りなく出水管42より出水することができる。
【0064】
なお、上記入水管41および出水管42の設置態様は一例に過ぎず、容器体40の側面部、上面部あるいは下面部においてあらゆる方向で設置することが可能である。
図12は、整流板50を入水管41と容器体40が接する入水口に設置した場合に、容器体40を入水管41の設置された高さにおいて切断した横断面図である。入水管41が容器体40に接続される入水口に整流板50を設置すれば、入水する水流の方向を任意に変えることができ、例えば、容器体40の内壁に沿った方向に向けた場合、効果的に回転する水流を形成できる。
【0065】
以上では、水殺菌装置が収容する金属イオン溶出体20として、銀イオン溶出体21を用いて説明を行ってきた。しかし、金属イオン溶出体20は銀イオン溶出体21に限られるものではなく、銅イオン溶出体22を用いて、殺菌処理を行うことも可能である。
すなわち、上記各実施形態において、銀イオン溶出体21の代わりに、銅イオン溶出体22を容器体内に収容すれば、入水管から容器体内に入水した水流によって当該銅イオン溶出体22が撹拌される。銅イオン溶出体22は互いに摩擦動作を繰り返しつつ、銅イオンを溶出し、出水管より、銅イオンが溶出した銅イオン水が出水する。
【0066】
銅イオン溶出体22も、上記銀イオン溶出体21と同様に、互いに摩擦動作を繰り返すことにより表面上に付着する水垢などの皮膜を除去する。したがって、銅イオン溶出体22を長期に渡って使用しても、水垢などの皮膜が付着することによる銅イオンの溶出効果の低下を防ぐことができる。
なお、銅イオン溶出体22の形状としては、上記銀イオン溶出体21と同様に、図5,6において示した球状や円筒状をはじめ、様々な形状を採用可能である。
【0067】
ここで、銅イオンの効能について説明する。
一般に、銅イオンには強い殺菌効果があることが知られており、レジオネラ菌、サルモネラ菌、ブドウ球菌など、各種の病原菌に対する殺菌効果がある。また、特に銅イオンは殺藻効果が高いことが知られている。銅イオンは、藻類に吸着して藻類を死滅させ、藻類の発生、増殖を抑える働きをする。レジオネラ菌は、藻類やアメーバと共生することにより増殖するので、殺藻効果の高い銅イオンを用いて、水の殺菌処理を行えば、水中のレジオネラ菌の増殖を抑制することができる。
また、銅イオンは、上記銀イオンよりは殺菌効果が低いので、水中の有用な細菌を死滅させずに、有用な細菌の浄化能力を利用して、水を浄化することが可能となる。
【0068】
銅イオン水には、塩素系薬剤による刺激臭、肌荒れ、異臭味が一切無く、人体に無害である。したがって、銅イオンは、浴槽、プール、貯水タンクなどの殺菌処理に好適である。また、銅イオン水によっては、配管、機器設備品、その他の建材、サッシなどの腐食も無いので、水殺菌処理に用いる装置の劣化もほとんど進まない。
【0069】
すなわち、金属イオン溶出体20として銅イオン溶出体22を用いた水殺菌装置を、浴槽、プール、温泉施設、貯水タンクなど、水の殺菌処理を必要とする設備に取り付けることにより、銅イオンの殺菌効果を利用して効果的に水の殺菌処理を行うことができる。
【0070】
以上では、銀イオン溶出体21または銅イオン溶出体22のいずれかを容器体内に収容する場合について説明を行ったが、銀イオン溶出体21と銅イオン溶出体22を混合して容器体内に収容することも当然考えられる。銀イオン溶出体21と銅イオン溶出体22を混合して容器体内に収容すれば、銀イオン水と銅イオン水を同時に生成することができ、銀イオンと銅イオンがぞれぞれ持つ殺菌効果によって、水の殺菌処理を行うことが可能となる。また、容器体に収容する金属イオン溶出体20は、上記銀イオン溶出体21と銅イオン溶出体22に限定されるものでは無く、殺菌効果や腐食防止効果などを有する各種金属イオンを溶出する金属イオン溶出体が含まれる。
【0071】
このように、銀イオン溶出体21または銅イオン溶出体22を容器体10内において水流により撹拌し、表面同士を互いに接触させ、表面に付着する水垢などの皮膜を除去することにより、銀イオンまたは銅イオンの溶出効果の低下を防ぐことができる。したがって、殺菌効果のある銀イオン水あるいは銅イオン水を、長期間に渡って、効率的に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる、水殺菌装置の概略斜視図である。
【図2】容器体の縦断面図である。
【図3】容器体を上から見た状態を示した図である。
【図4】容器体の、透孔が形成されている高さにおける横断面図である。
【図5】銀イオン溶出体の一の形状にかかる一部破断正面図である。
【図6】銀イオン溶出体の他の形状を示した図である。
【図7】銀イオン溶出体の他の形状にかかる一部破断正面図である。
【図8】内部容器内において銀イオン溶出体が撹拌される状態を、内部容器を透視して示した斜視図である。
【図9】本発明の第二の実施形態にかかる、水殺菌装置の容器体の概略斜視図である。
【図10】本発明の第三の実施形態にかかる、水殺菌装置の容器体の概略斜視図である。
【図11】第三の実施形態にかかる容器体を上から見た状態を示した図である。
【図12】第三の実施形態にかかる容器体に整流板を設置した場合に、容器体を入水管の設置された高さにおいて切断した横断面図である。
【符号の説明】
10…容器体
11…外部容器
12…内部容器
13…入水管
14…出水管
15…遮断板
16…透孔
20…金属イオン溶出体
21…銀イオン溶出体
21a…銀イオン溶出体
21b…銀イオン溶出体
22…銅イオン溶出体
30…容器体
31…外部容器
32…内部容器
33…入水管
34…出水管
35…遮断板
36…透孔
40…容器体
41…入水管
42…出水管
50…整流板
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽、プール、温泉や工業用用水設備などの、殺菌された水を必要とする設備に使用して好適な水殺菌装置および水殺菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の水の殺菌処理に関する技術としては、容器に浴槽水を通す多数個の透孔を設け、容器内に銀メッキが施された抗菌部材を備えた、浴槽用殺菌器具が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
上記浴槽用殺菌器具においては、浴槽内に上記浴槽用殺菌器具を置くことにより、浴槽水が透孔から容器内へ流入し、銀メッキが施された抗菌部材を通過する。そして、上記浴槽水が抗菌部材を通過する際に発生する銀イオンの殺菌作用によって、浴槽中のレジオネラ菌や大腸菌などを殺菌処理することを可能にしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−296271号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1に記載された浴槽用殺菌器具では、長期間使用すると銀メッキを施した抗菌部材の表面に水垢などの皮膜が付着し、銀イオンの溶出効果が低下するという課題があった。
また、抗菌部材の表面に水垢などの皮膜が付着して銀イオンの溶出効果が低下した場合に、溶出効果を回復させるためには、抗菌部材を取り替えなければいけないという課題があった。
【0006】
本発明は、上記課題にかんがみてされたもので、長期間、安定した殺菌効果を奏することが可能な水殺菌装置および水殺菌方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、入水管と出水管を備える容器体と、当該容器体に収容されて水流の撹拌作用により互いに摩擦動作を継続しつつ金属イオンを溶出する金属イオン溶出体とを具備する構成としてある。
【0008】
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、水流が入水管から容器体に入水すると、水流は容器体内を還流する。金属イオン溶出体は、容器体内の水流の撹拌作用により、互いに接触して、摩擦動作を繰り返しつつ金属イオンを溶出する。そして、金属イオンが溶出した金属イオン水が出水管より出水する。
【0009】
上記金属イオン溶出体は互いに表面を摩擦しあう動作を繰り返すことにより、金属イオン溶出体の表面上に付着する水垢などの皮膜をこすり落とす。したがって、金属イオン溶出体の表面上に水垢などの皮膜が付着することによる、金属イオン溶出効果の低下を防ぐことができる。
また、水流は入水管から入水して出水管から出水するまでの間に、上記容器体内を還流する。すなわち、水流は上記容器体内を還流するために、上記容器体内に滞在する時間が長くなり、金属イオンを発生させる部材を収容する区間を一定方向に水流が通過する場合などと比較して、金属イオンの溶出効果が高くなる。
【0010】
ここで、上記金属イオン溶出体は、水流の撹拌作用により互いに摩擦しあう場合に、表面を効率よく接触させることができる形状であることが望ましい。そこで、請求項2にかかる発明は、上記請求項1に記載の水殺菌装置において、上記金属イオン溶出体は、円筒状である構成としてある。
【0011】
上記のように構成した請求項2にかかる発明においては、上記金属イオン溶出体は、円筒状の形状をしている。形状が円筒状であるために、水流が金属イオン溶出体を撹拌する際に、金属イオン溶出体は互いに円筒表面を満遍なく摩擦することができる。したがって、金属イオン溶出体の表面上に付着する水垢などの皮膜が効率よく除去される。
【0012】
また、金属イオン溶出体の表面を効率よく接触させることができる他の形状として、請求項3にかかる発明は、上記請求項1に記載の水殺菌装置において、上記金属イオン溶出体は、球状である構成としてある。
【0013】
上記のように構成した請求項3にかかる発明においては、上記金属イオン溶出体は、球状の形状をしている。形状が球状であるために、水流によって撹拌されるときに、各金属イオン溶出体はあらゆる方向に回転が可能となる。したがって、金属イオン溶出体は、互いに球の表面を満遍なく摩擦することができ、表面上の水垢などの皮膜が効率よく除去される。さらに、金属イオン溶出体は、容器体内を水流によって撹拌されるときに容器体の内壁に衝突しても、形状が球状であるために滑らかに回転する。したがって、容器体内を水流および金属イオン溶出体が滞りなく還流し、容器体の損傷も少なくて済む。
【0014】
また、請求項4にかかる発明は、上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記金属イオン溶出体は、内部が空洞である構成としてある。
【0015】
上記のように構成した請求項4にかかる発明においては、上記金属イオン溶出体は、その内部が空洞となっている。金属イオン溶出体の内部を空洞にすることにより、金属イオン溶出体の一つ当たりの質量を減らすことができる。したがって、高い水圧の水流によらなくとも、効率よく金属イオン溶出体を上記容器体内で撹拌することが可能となる。
【0016】
ここで、請求項5にかかる発明は、上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記入水管は、上記容器体と接する入水口に、入水する水流を所定の方向に保つための整流板を備える構成としてある。
【0017】
上記のように構成した請求項5にかかる発明においては、上記入水管は、上記容器体と接する入水口に、入水する水流を所定の方向に保つための整流板を備えている。整流板の設置態様の一例としては、容器体内へ入水してくる水流を容器体の内壁に沿った方向に誘導する設置態様が考えられる。かかる整流弁を設置することにより、水流が入水管から容器体内に流入したときに容器体内で流れを散乱させてしまうことを防ぐことができ、水流が容器体内を還流しやすくなる。
【0018】
金属イオンの溶出効果を高めるには、水流が上記入水管から入水して出水管から出水するまでの間に、上記容器体内を十分に還流して、金属イオン溶出体を撹拌する必要がある。そこで、請求項6にかかる発明は、上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記入水管と出水管は、高低差を設けて設置されている構成としてある。
【0019】
上記のように構成した請求項6にかかる発明においては、上記入水管と出水管は、高低差を設けて設置されている。したがって、入水管から上記容器体内に入水した水流が、直ちに出水管から出水していくことは無い。上記容器体内に、入水管と出水管の高低差分による水流が生成され、より複雑な流れとなることで、水流の上記容器体内における滞在時間が長くなる。そして、水流は容器体内を還流しながら金属イオン溶出体を撹拌し、金属イオン溶出体から金属イオンを溶出させた上で、出水管から出水する。すなわち、上記請求項6にかかる構成を採ることによって、水流は金属イオン溶出体の表面と接触する時間をより長く確保することが可能となり、金属イオンの溶出効果の高い水殺菌装置を提供することができる。
【0020】
また、上記容器体の形状の一例として、請求項7にかかる発明は、上記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記容器体は、断面形状が略円形状である構成としてある。
【0021】
上記のように構成した請求項7にかかる発明においては、上記容器体は、断面形状が略円形状である。容器体の断面形状が略円形状であることにより、水流は容器体内を滞りなく還流することができ、上記金属イオン溶出体も効果的に撹拌される。ここで、略円形状の断面形状としては、円形状の他にも、楕円形状や八角形状、十角形状などの、円形状に近い形状が含まれる。
【0022】
また、上記入水管と出水管の設置態様の一例として、請求項8にかかる発明は、上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記入水管と出水管は、上記容器体の側面部において、上記容器体の軸芯と垂直の方向から所定の角度へずらした方向に配向されている構成としてある。
【0023】
上記のように構成した請求項8にかかる発明においては、上記入水管と出水管は、上記容器体の側面部において、上記容器体の軸芯と垂直の方向から所定の角度へずらした方向に配向されている。すなわち、入水管および出水管ともに、容器体の軸芯を通らない方向に向かって設置されているため、容器体に入水した水流は、軸芯を中心として回転するように容器体内を流れる。したがって、水流は、容器体内を滞りなく還流し、金属イオン溶出体を効果的に撹拌する。
なお、入水管と出水管は容器体の軸芯上を通る方向で配向されていなければ良いので、上記所定の角度としては様々な角度が考えられる。また、入水管と出水管の設置角度がそれぞれ異なっていてもよい。
【0024】
上述したように、上記容器体の側面部における、入水管と出水管の設置の方向は種々の方向が考えられ、容器体の外周に接する方向で設置されていても良い。そこで、請求項9にかかる発明は、上記請求請求項8に記載の水殺菌装置において、上記入水管は、上記容器体の下方側面部において、上記容器体の外周に接する角度で設置され、上記出水管は、上記容器体の上方側面部において、上記容器体の外周に接する角度で設置されている構成としてある。
【0025】
上記のように構成した請求項9にかかる発明においては、水流は上記容器体の下方側面部において容器体の外周に接する角度で設置されている入水管から容器体内に入水し、上記容器体の上方側面部において容器体の外周に接する角度で設置されている出水管から出水する。したがって、容器体内には、軸芯を中心として回転する乱れの少ない水流が発生し、金属イオン溶出体は効果的に撹拌される。
【0026】
また、上記出水管は、必ずしも上記容器体の側面部に設置されている必要はなく、上記容器体の上面部または下面部に設置されていても良い。そこで、請求項10にかかる発明は、上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記出水管は、上記容器体の上面部または下面部において、略中央部位に設置されている構成としてある。
【0027】
上記のように構成した請求項10にかかる発明においては、上記出水管は、上記容器体の上面部または下面部において、略中央部位に設置されている。上記出水管が上記容器体の上面部に設置されている場合は、容器体へ入水した水流が、容器体内で上方に向かいながら回転する螺旋状の流れを形成しつつ、上面部の略中央部位より出水する。一方、上記出水管が上記容器体の下面部に設置されている場合は、容器体へ入水した水流が、容器体内で下方に向かいながら回転する螺旋状の流れを形成しつつ、下面部の略中央部位から出水する。
【0028】
また、請求項11にかかる発明は、上記請求項10に記載の水殺菌装置において、上記出水管は、上記容器体の上面部において、垂直方向に設置されている構成としてある。
【0029】
上記のように構成した請求項11にかかる発明においては、上記出水管は、上記容器体の上面部において、垂直方向に設置されている。すなわち、容器体へ入水した水流が、容器体内で上方に向かいながら回転する螺旋状の流れを形成しつつ、上面部より垂直方向に出水する。
【0030】
ここで、請求項12にかかる発明は、上記請求項1〜請求項11のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記容器体は、外部容器と側面部に複数の透孔を形成する内部容器とから構成されている。
【0031】
上記のように構成した請求項12にかかる発明においては、上記容器体は、外部容器と内部容器とから構成されており、同内部容器の側面部には複数の透孔が形成されている。そして、内部容器内に金属イオン溶出体を収容することとすれば、水流を入水管から金属イオン溶出体を収容する空間に直接流入させずに、内部容器の側面部の透孔を通して流入させることが可能となる。すなわち、入水管から一筋の流れとして容器体内に入水した水流が、金属イオン溶出体を収容する空間へ流入する際に複数の透孔を通過し、複数の水流に分けられる。そして、入水管から入水した水流を複数の水流に分けることにより、金属イオン溶出体を収容する空間内に、回転する水流を効果的に形成することができる。
また、上記透孔を入水管の入水口より小さい面積とすれば、上記透孔を水流が通過する際に圧力がかかり、透孔を通過した水流の流速が増す。したがって、水流は入水管から入水したときと比較して、強い勢いで内部容器内に流入する。
【0032】
上記請求項12にかかる構成を採ることにより、入水管から金属イオン溶出体を収容する空間内に水流を直接入水させる場合と比較して、効果的に、金属イオン溶出体を収容する空間内に回転する水流を形成することが可能となる。また、効果的に形成された前記水流によって、金属イオン溶出体は強く撹拌され、互いに摩擦動作を繰り返しながら金属イオンを溶出する。
【0033】
ここで、水の殺菌処理を実行する手法は必ずしも実体のある装置に限られる必要はなく、その方法としても機能することは容易に理解できる。
このため、請求項13にかかる発明は、入水管と出水管を備える容器体に金属イオン溶出体を収容し、上記入水管から上記出水管へ水を通過させることにより、上記金属イオン溶出体を撹拌し、上記金属イオン溶出体に互いに摩擦動作を継続させつつ金属イオンを溶出させる構成としてある。
すなわち、必ずしも実体のある装置に限らず、その方法としても有効であることに相違はない。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1にかかる発明は、金属イオン溶出体の表面上に付着する水垢などの皮膜による金属イオン溶出効果の低下を防ぎつつ、効果的に金属イオンを溶出することが可能な水殺菌装置を提供することができる。
さらに、請求項2および請求項3にかかる発明によれば、金属イオン溶出体の表面上の水垢などの皮膜を効率よく除去することができる。
さらに、請求項4にかかる発明によれば、金属イオン溶出体を、容器体内において容易に撹拌することができる。
【0035】
さらに、請求項5にかかる発明によれば、入水管から容器体内に入水した水流の方向を誘導することにより、水流が容器体内を還流しやすくなる。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、水流は金属イオン溶出体の表面と接触する時間をより長く確保することが可能なので、金属イオンの溶出効果の高い水殺菌装置を提供することができる。
さらに、請求項7にかかる発明によれば、水流は、容器体内を滞りなく還流し、金属イオン溶出体を効果的に撹拌することができる。
さらに、請求項8および請求項9にかかる発明によれば、水流は、軸芯を中心として回転するように容器体内を還流し、金属イオン溶出体を効果的に撹拌することができる。
さらに、請求項10および請求項11にかかる発明によれば、出水管の設置態様についての変形例を提供することができる。
【0036】
さらに、請求項12にかかる発明によれば、金属イオン溶出体を収容する空間内に、回転する水流を効果的に形成することができる。
さらに、請求項13にかかる発明によれば、金属イオン溶出体の表面上に付着する水垢などの皮膜による金属イオン溶出効果の低下を防ぎつつ、効果的に金属イオンを溶出することが可能な水殺菌方法を提供することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
下記の順序に従って、本発明の実施形態を説明する。
(1)全体構成の説明
(2)銀イオン溶出体の説明
(3)測定方法と測定結果の説明
(4)その他の実施形態の説明
【0038】
(1)全体構成の説明
図1は、本発明の一実施形態にかかる、水殺菌装置の概略斜視図である。
同図において、水殺菌装置の容器体10は、円筒形の外部容器11と、同外部容器11の中に全体を収容できる大きさの円筒形の内部容器12とから構成されている。なお、同図においては、外部容器11の内部に収容される内部容器12などを破線により表示している。また、容器体10は、入水管13と出水管14を備えている。本実施形態では、入水管13は容器体10の下方側面部において、外部容器11に接続している。一方、出水管14は容器体10の上方側面部において、内部容器12に接続している。
さらに、本実施形態においては、外部容器11は、入水管13と出水管14の間の高さに位置する遮断板15を備えている。当該遮断板15は、外部容器11の内周と内部容器12の外周の間の隙間を塞いでおり、ドーナツ型円盤状の形状をしている。さらに、本実施形態においては、内部容器12は、遮断板15より下位に位置する側面部に複数の透孔16を形成している。
【0039】
上記構成の容器体10においては、入水管13から入水した水流は、遮断板15と、遮断板15より下位に位置する外部容器11の内壁と、遮断板15より下位に位置する内部容器12の外壁に囲まれた空間(第一の空間)に流入する。次に、水流は上記第一の空間内を一定方向に循環しながら、透孔16を通って内部容器12内(第二の空間)へ流入する。そして、水流は上記第二の空間内を還流し、内部容器12に接続された出水管14を通って、容器体10の外部へ出水する。
【0040】
本実施形態においては、同図に示すように、内部容器12内に金属イオン溶出体20を収容している。透孔16から内部容器12内に流入した水流は、第二の空間である内部容器12内を還流し、金属イオン溶出体20を撹拌する。金属イオン溶出体20は水流によって撹拌されることにより、互いに接触して、表面同士を摩擦しあう。金属イオン溶出体20はかかる摩擦動作を繰り返しつつ、水中に金属イオンを溶出する。なお、本実施形態においては、金属イオン溶出体として、銀イオン溶出体を用いている。
【0041】
図2は、上記容器体10をA1,A2部分で切断した断面図である。なお、同図においては、金属イオン溶出体20の表示を省略してある。
遮断板15と、遮断板15より上位に位置する外部容器11の内壁と、遮断板15より上位に位置する内部容器12の外壁に囲まれた空間を、第三の空間とする。遮断板15は、第一の空間を循環する水流を、全て透孔16を通って第二の空間へ流入させている。
【0042】
図3は、上記容器体10を上から見た状態を示している。なお、図3においては、内部容器12と出水管14の一部を破線で表示している。
入水管13は外部容器11の外周に対して接線方向に接続する角度で設置されており、出水管14は、内部容器12の外周に対して接線方向に接続する角度で設置されている。接線方向で接続することにより、後述するように水流が容器体10内を循環しやすくなっている。ただし、入水管13および出水管14の設置態様は上記のものに限られず、容器体10の側面部、上面部あるいは下面部において、あらゆる方向で設置可能である。
【0043】
図4は、上記容器体10をB1,B2部分で切断した断面図である。
透孔16は内部容器12の側面部に8箇所形成されており、第一の空間を循環する水流が当該透孔16を通って、第二の空間に流入する。ただし、透孔16の数や大きさ、内部容器12への透孔16の入射角などは、これらに限定されるものではない。透孔16の数や大きさ、内部容器12への透孔16の入射角などは、入水管13および出水管14の口径や設置位置、または水流の水圧の違いなど、種々の条件によって様々に変更可能である。
同図に示すように、透孔16を内部容器12の側面に対して斜めに入射するように形成すると、透孔16を通って流入する水流が第二の空間内において、一定方向へ回転する流れを形成しやすくなる。
【0044】
(2)銀イオン溶出体の説明
次に、容器体10に収容する銀イオン溶出体21について説明する。容器体10に収容する銀イオン溶出体21の個数は、任意の数を選択可能である。
図5は、本実施形態において使用する銀イオン溶出体21aを一部破断正面図により示している。
同図において、銀イオン溶出体21aは球状の形状をしている。球状であることにより、銀イオン溶出体21aは内部容器12内で水流に撹拌されながら、内部容器12内を滑らかに回転したり、移動したりすることができる。当該形状においては、銀イオン溶出体21aは、撹拌されながら互いの表面上を満遍なく摩擦しあうことができ、表面上に付着する水垢などの皮膜を除去するのに適している。当該形状を採用することにより、表面に付着する水垢などの皮膜による銀イオン溶出効果の低下を防ぐことができ、銀イオン溶出体21aを交換する回数は少なくて済む。実質的には、銀イオン溶出体21aの銀部分が著しく磨耗して銀イオンの溶出効果が低下した場合にのみ交換すればよいので、交換する必要はほとんど無く、当該水殺菌装置のメンテナンスは非常に容易になる。
【0045】
同図の右半分は上記銀イオン溶出体21aの垂直断面を表わしており、銀イオン溶出体21aの内部が空洞であることを示している。すなわち、銀イオン溶出体21aの内部には球状の空洞部21a1が形成されている。
内部が空洞であることにより、銀イオン溶出体21aの一つ当たりの質量を減らすことができる。したがって、上記内部容器12内に流入する水流によって、効率的に銀イオン溶出体21aを撹拌することが可能となる。ここで、銀イオン溶出体21aは、純銀や高濃度の銀で形成してもよいし、球状の担体表面に銀メッキなどの表面処理を施して形成しても良い。
【0046】
図6は、容器体10に収容する銀イオン溶出体21の、他の形状の例を示している。
同図において、銀イオン溶出体21bは円筒状の形状をしている。当該形状にかかる銀イオン溶出体21bは、水流によって撹拌されながら互いの側面上を満遍なく摩擦しあうことができ、当該銀イオン溶出体21bの表面上に付着する水垢などの皮膜を除去するのに適している。
【0047】
図7は、上記銀イオン溶出体21bの一部破断正面図であり、上記銀イオン溶出体21aと同様に、銀イオン溶出体21bは内部が空洞であることを示している。すなわち、銀イオン溶出体21bの内部には円筒状の空洞部21b1が形成されている。銀イオン溶出体21bは、上記銀イオン溶出体21aと同様に、純銀や高濃度の銀で形成してもよいし、円筒状の担体表面に銀メッキなどの表面処理を施して形成しても良い。
なお、銀イオン溶出体21は、上述した二つの形状に限られるものではなく、板状、楕円状、その他の多面体など、様々な形状を採用することが可能である。
【0048】
次に、銀イオンの効能について説明する。
一般に、銀イオンには強い殺菌効果があることが知られている。特に、銀イオンはレジオネラ菌に対しても殺菌効果が強いことが知られており、水中に混入したレジオネラ菌に対して、微量で短時間の作用で殺菌効果を示す。また、レジオネラ菌の感染症は、増殖したレジオネラ菌を吸入することによって引き起こされるものであるが、レジオネラ菌は、水中の藻やアメーバと共生して増殖する。ここで、銀イオンは、各種細菌の細胞に強く吸着して細菌を死滅させるので、各種細菌の発生が抑制され、藻やアメーバの発生を防止することができる。すなわち、レジオネラ菌の増殖原因となる藻やアメーバの発生をも防止することができる。 他にも、銀イオンには、O‐157病原性大腸菌、大腸菌、抗酸菌(老人性結核菌)、MRSA、一般病原菌などに対する殺菌効果がある。
【0049】
また、銀イオン水には、塩素系薬剤による刺激臭、肌荒れ、異臭味が一切無いので、浴槽、プール、貯水タンクなどの殺菌処理に好適である。
さらに、銀イオンによっては、配管、機器設備品、その他の建材、サッシなどの腐食も起こらないので、水殺菌処理に用いる装置の劣化もほとんど進まない。
【0050】
次に、銀イオンの水への溶出量について説明する。
水温摂氏25度の水100gに対する銀の溶解度は2.8×10**(−5)gである(「日本化学学会編」改定4版 化学便覧 基礎編II:水に対する単体及び無機化合物の溶解度)。したがって、水1リットル(1,000mg)中の溶解度は、2.8×10**(−4)gである。ただし、**はべき乗を表わしている。
水の殺菌消毒に用いる場合の銀イオンは、0.01mg/リットルで充分効果があるとされる。上記の値から、水1リットル(1,000mg)中の銀の溶出量は0.28mg/リットルである。したがって、殺菌に必要な量としては充分な量の銀イオンを水中に溶出させることが可能である。
また、固体の溶解度は、一般に温度上昇とともに増加する傾向にあるので、入浴に使用される水温(40度前後)などにした場合は、銀イオンの溶解度が増え、殺菌効果の増大を期待できる。
【0051】
図8は、本実施形態において、上記銀イオン溶出体21aが、内部容器12内で、水流によって撹拌される状態を斜視図により示している。なお、同図においては、内部容器12および出水管14を二点鎖線により表示している。
透孔16を通過して内部容器12内へ流入した水流は、内部容器12内で一定方向へ回転する流れを形成する。銀イオン溶出体21aは、当該回転する水流によって撹拌され、互いの表面上を接触させ、摩擦しあいながら内部容器12内を回転する。
銀イオン溶出体21aは、表面上を互いに摩擦させることで、表面上に付着する水垢などの皮膜を互いに除去しあう。つまり、水流の撹拌作用により常に表面を摩擦しあう動作を繰り返すことで、水流が容器体10内を還流している間は、銀イオン溶出体21aの表面上に上記皮膜がほとんど定着しない状態が保たれる。したがって、水流は、上記皮膜に阻まれることなく、銀イオン溶出体21aの表面に直接触れながら内部容器12内を還流することが可能となり、銀イオンの溶出効果は高いまま保たれる。
また、本実施形態においては、水流が銀イオン溶出体21aの表面と接触することによる銀イオンの溶出効果だけでなく、銀イオン溶出体21aが互いに表面を摩擦しあって、表面を磨耗させることによる銀イオンの溶出効果もある。
【0052】
(3)測定方法と測定結果の説明
次に、上述の容器体10および銀イオン溶出体21aを具備する水殺菌装置を用いて行った、銀イオン溶出量の測定についての実施例を説明する。なお、測定は以下の二通りの条件でそれぞれ行った。
【0053】
[実施例1]
実施例1は、10分間で、300リットルの水道水を、入水管13から出水管14へと一度通過させる条件で行った。当該300リットルという水量は、およそ平均的な家庭用浴槽に貯水する水量に相当する。また、内部容器12には4個の銀イオン溶出体21aを収容した。当該銀イオン溶出体21aは、直径20ミリの球状であって、内部は空洞である。また、当該銀イオン溶出体21aの板厚は1ミリである。
【0054】
上記実施例1の結果、出水管14より出水した水からは、1リットル当たり0.025mgの銀イオンが検出された。上述したように、水の殺菌消毒に用いる場合の銀イオンは、1リットル当たり0.01mgで充分効果があるとさている。したがって、上記実施例1によって溶出した銀イオンの量は、殺菌効果としては充分なものであると言える。したがって、本実施形態にかかる水殺菌装置を、浴槽、プール、温泉施設、貯水タンクなど、水の殺菌処理を必要とする設備に取り付けることにより、銀イオンの殺菌効果を利用して効果的に水の殺菌処理を行うことができる。
【0055】
[実施例2]
一方、実施例2は、6時間に渡って、100リットルの水道水を、繰り返し入水管13から出水管14へと循環させる条件で行った。なお、当該実施例2においても、上記実施例1と同様の個数および形状の銀イオン溶出体21aを用いた。
【0056】
上記実施例2の結果、6時間に渡って繰り返し循環させた水からは、1リットル当たり0.09mgの銀イオンが検出された。上記実施例2によって検出された銀イオンの溶出量は、上記実施例1の結果を大きく上回るものである。
すなわち、本実施形態においては、一定量の流水を繰り返し入水管13から出水管14へと循環させることで、より殺菌効果の高い銀イオン水が得られる。したがって、本実施形態にかかる水殺菌装置は、24時間風呂やプールなどの、一定量の水を繰り返し循環させる設備における殺菌処理に高い効果を発揮する。
【0057】
(4)その他の実施形態の説明
水殺菌装置による水の殺菌処理には、上記実施形態に用いた容器体10の他にも種々の容器体を用いることが可能である。
図9は、本発明の第二の実施形態にかかる、水殺菌装置の容器体の概略構成を斜視図により示している。
同図において、容器体30は、円筒形の外部容器31と、同外部容器31の中に全体を収容できる大きさの円筒形の内部容器32とから構成されている。なお、同図においては、外部容器31の内部に収容される内部容器32などを破線により表示している。
【0058】
容器体30は、入水管33と出水管34を備えている。本実施形態では、入水管33は容器体30の下方側面部において、出水管34は容器体30の上方側面部において、それぞれ外部容器31に接続している。
また、外部容器31は、入水管33と出水管34の間の高さに位置する遮断板35を備えている。当該遮断板35は、外部容器31の内周と内部容器32の外周の間の隙間を塞いでおり、ドーナツ型円盤状の形状をしている。さらに、内部容器32は、遮断板35より下位に位置する側面部に複数の透孔36を形成している。
【0059】
ここで、上記内部容器32の高さは、上記遮断板35が設置されている高さまでとなっている。また、内部容器32の円筒上面部は塞がれておらず、遮断板35の上面と、遮断板35より上位に位置する外部容器31の内壁に囲まれた空間に対して開放されている。
入水管33から入水した水流は、内部容器32の透孔36から内部容器32内に流入した後、内部容器32内を還流しながら、当該内部容器32に収容される銀イオン溶出体21を撹拌する。次に水流は、開放された内部容器32の上面部から、上記遮断板35の上面と遮断板35より上位に位置する外部容器31の内壁に囲まれた空間に流入する。そして、上記遮断板35の上面と遮断板35より上位に位置する外部容器31の内壁に囲まれた空間を還流しながら、水流は外部容器31に接続された上記出水管34より出水する。
【0060】
すなわち、本実施形態では、図1において説明した容器体10と異なり、遮断板35より上位に位置する外部容器31内の空間を水流が還流する構成となっている。当該構成を採用することにより、水流が還流する空間を拡げることができる。また、水流が還流する空間を上記容器体10と同程度の体積分だけ確保する場合には、容器体30の高さを低くすることができるので、本実施例にかかる水殺菌装置全体をコンパクト化することが可能となる。さらに、内部容器32の上面部が塞がれていないので、上記容器体10と比較して、容易に上記銀イオン溶出体21を内部容器32内へ収容し、あるいは内部容器32から取り出すことが可能となる。
【0061】
図10は、本発明の第三の実施形態にかかる、水殺菌装置の容器体の概略構成を斜視図により示している。
同図において、容器体40は円筒形の形状をしている。本実施形態にかかる容器体40は、上記容器体10または容器体30と異なり、内部容器と外部容器に分けられておらず、一の容器によって構成されている。さらに、上記容器体10または容器体30と異なり、容器体40には遮断板と透孔が形成されていない。一方、入水管41は容器体40の下方側面部において、出水管42は容器体40の上方側面部において、それぞれ容器体40に接続している。
上記銀イオン溶出体21は容器体40内に収容している。水流は、入水管41から銀イオン溶出体21を収容する空間に直接流入し、同容器体40内を還流しながら銀イオン溶出体21を撹拌する。そして、容器体40内を還流しながら、水流は上記出水管42から出水する。
【0062】
上記のように、本実施形態にかかる容器体40は、上記容器体10または容器体30と比較して非常に簡易な構成をしている。したがって、上記容器体10または容器体30を製造する場合と比較して、上記容器体40の製造は容易であり、製造コストも低く抑えることができる。
【0063】
図11は、上記第三の実施形態にかかる容器体40を上から見た状態を示している。
同図において、入水管41および出水管42は、容器体40の軸芯上を通過しない方向に設置されている。また、容器体40を上から見た場合に、入水管41と出水管42は互いに向き合う方向に設置されている。上記のように入水管41および出水管42を設置すると、入水管41から入水した水流が、容器体40内にて、容器体40の軸芯を中心として回転するように還流する。そして、出水する際も、回転の方向に沿って滞りなく出水管42より出水することができる。
【0064】
なお、上記入水管41および出水管42の設置態様は一例に過ぎず、容器体40の側面部、上面部あるいは下面部においてあらゆる方向で設置することが可能である。
図12は、整流板50を入水管41と容器体40が接する入水口に設置した場合に、容器体40を入水管41の設置された高さにおいて切断した横断面図である。入水管41が容器体40に接続される入水口に整流板50を設置すれば、入水する水流の方向を任意に変えることができ、例えば、容器体40の内壁に沿った方向に向けた場合、効果的に回転する水流を形成できる。
【0065】
以上では、水殺菌装置が収容する金属イオン溶出体20として、銀イオン溶出体21を用いて説明を行ってきた。しかし、金属イオン溶出体20は銀イオン溶出体21に限られるものではなく、銅イオン溶出体22を用いて、殺菌処理を行うことも可能である。
すなわち、上記各実施形態において、銀イオン溶出体21の代わりに、銅イオン溶出体22を容器体内に収容すれば、入水管から容器体内に入水した水流によって当該銅イオン溶出体22が撹拌される。銅イオン溶出体22は互いに摩擦動作を繰り返しつつ、銅イオンを溶出し、出水管より、銅イオンが溶出した銅イオン水が出水する。
【0066】
銅イオン溶出体22も、上記銀イオン溶出体21と同様に、互いに摩擦動作を繰り返すことにより表面上に付着する水垢などの皮膜を除去する。したがって、銅イオン溶出体22を長期に渡って使用しても、水垢などの皮膜が付着することによる銅イオンの溶出効果の低下を防ぐことができる。
なお、銅イオン溶出体22の形状としては、上記銀イオン溶出体21と同様に、図5,6において示した球状や円筒状をはじめ、様々な形状を採用可能である。
【0067】
ここで、銅イオンの効能について説明する。
一般に、銅イオンには強い殺菌効果があることが知られており、レジオネラ菌、サルモネラ菌、ブドウ球菌など、各種の病原菌に対する殺菌効果がある。また、特に銅イオンは殺藻効果が高いことが知られている。銅イオンは、藻類に吸着して藻類を死滅させ、藻類の発生、増殖を抑える働きをする。レジオネラ菌は、藻類やアメーバと共生することにより増殖するので、殺藻効果の高い銅イオンを用いて、水の殺菌処理を行えば、水中のレジオネラ菌の増殖を抑制することができる。
また、銅イオンは、上記銀イオンよりは殺菌効果が低いので、水中の有用な細菌を死滅させずに、有用な細菌の浄化能力を利用して、水を浄化することが可能となる。
【0068】
銅イオン水には、塩素系薬剤による刺激臭、肌荒れ、異臭味が一切無く、人体に無害である。したがって、銅イオンは、浴槽、プール、貯水タンクなどの殺菌処理に好適である。また、銅イオン水によっては、配管、機器設備品、その他の建材、サッシなどの腐食も無いので、水殺菌処理に用いる装置の劣化もほとんど進まない。
【0069】
すなわち、金属イオン溶出体20として銅イオン溶出体22を用いた水殺菌装置を、浴槽、プール、温泉施設、貯水タンクなど、水の殺菌処理を必要とする設備に取り付けることにより、銅イオンの殺菌効果を利用して効果的に水の殺菌処理を行うことができる。
【0070】
以上では、銀イオン溶出体21または銅イオン溶出体22のいずれかを容器体内に収容する場合について説明を行ったが、銀イオン溶出体21と銅イオン溶出体22を混合して容器体内に収容することも当然考えられる。銀イオン溶出体21と銅イオン溶出体22を混合して容器体内に収容すれば、銀イオン水と銅イオン水を同時に生成することができ、銀イオンと銅イオンがぞれぞれ持つ殺菌効果によって、水の殺菌処理を行うことが可能となる。また、容器体に収容する金属イオン溶出体20は、上記銀イオン溶出体21と銅イオン溶出体22に限定されるものでは無く、殺菌効果や腐食防止効果などを有する各種金属イオンを溶出する金属イオン溶出体が含まれる。
【0071】
このように、銀イオン溶出体21または銅イオン溶出体22を容器体10内において水流により撹拌し、表面同士を互いに接触させ、表面に付着する水垢などの皮膜を除去することにより、銀イオンまたは銅イオンの溶出効果の低下を防ぐことができる。したがって、殺菌効果のある銀イオン水あるいは銅イオン水を、長期間に渡って、効率的に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる、水殺菌装置の概略斜視図である。
【図2】容器体の縦断面図である。
【図3】容器体を上から見た状態を示した図である。
【図4】容器体の、透孔が形成されている高さにおける横断面図である。
【図5】銀イオン溶出体の一の形状にかかる一部破断正面図である。
【図6】銀イオン溶出体の他の形状を示した図である。
【図7】銀イオン溶出体の他の形状にかかる一部破断正面図である。
【図8】内部容器内において銀イオン溶出体が撹拌される状態を、内部容器を透視して示した斜視図である。
【図9】本発明の第二の実施形態にかかる、水殺菌装置の容器体の概略斜視図である。
【図10】本発明の第三の実施形態にかかる、水殺菌装置の容器体の概略斜視図である。
【図11】第三の実施形態にかかる容器体を上から見た状態を示した図である。
【図12】第三の実施形態にかかる容器体に整流板を設置した場合に、容器体を入水管の設置された高さにおいて切断した横断面図である。
【符号の説明】
10…容器体
11…外部容器
12…内部容器
13…入水管
14…出水管
15…遮断板
16…透孔
20…金属イオン溶出体
21…銀イオン溶出体
21a…銀イオン溶出体
21b…銀イオン溶出体
22…銅イオン溶出体
30…容器体
31…外部容器
32…内部容器
33…入水管
34…出水管
35…遮断板
36…透孔
40…容器体
41…入水管
42…出水管
50…整流板
Claims (13)
- 入水管と出水管を備える容器体と、
当該容器体に収容されて水流の撹拌作用により互いに摩擦動作を継続しつつ金属イオンを溶出する金属イオン溶出体と、
を具備することを特徴とする水殺菌装置。 - 上記金属イオン溶出体は、円筒状であることを特徴とする上記請求項1に記載の水殺菌装置。
- 上記金属イオン溶出体は、球状であることを特徴とする上記請求項1に記載の水殺菌装置。
- 上記金属イオン溶出体は、内部が空洞であることを特徴とする上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の水殺菌装置。
- 上記入水管は、上記容器体と接する入水口に、入水する水流を所定の方向に保つための整流板を備えることを特徴とする上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の水殺菌装置。
- 上記入水管と出水管は、高低差を設けて設置されていることを特徴とする上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の水殺菌装置。
- 上記容器体は、断面形状が略円形状であることを特徴とする上記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の水殺菌装置。
- 上記入水管と出水管は、上記容器体の側面部において、上記容器体の軸芯と垂直の方向から所定の角度へずらした方向に配向されていることを特徴とする上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の水殺菌装置。
- 上記入水管は、上記容器体の下方側面部において、上記容器体の外周に接する角度で設置され、上記出水管は、上記容器体の上方側面部において、上記容器体の外周に接する角度で設置されていることを特徴とする上記請求請求項8に記載の水殺菌装置。
- 上記出水管は、上記容器体の上面部または下面部において、略中央部位に設置されていることを特徴とする上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の水殺菌装置。
- 上記出水管は、上記容器体の上面部において、垂直方向に設置されていることを特徴とする上記請求項10に記載の水殺菌装置。
- 上記容器体は、外部容器と側面部に複数の透孔を形成する内部容器とから構成されていることを特徴とする上記請求項1〜請求項11のいずれかに記載の水殺菌装置。
- 入水管と出水管を備える容器体に金属イオン溶出体を収容し、上記入水管から上記出水管へ水を通過させることにより、上記金属イオン溶出体を撹拌し、上記金属イオン溶出体に互いに摩擦動作を継続させつつ金属イオンを溶出させることを特徴とする水殺菌方法。
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