JP2004321785A - 医療用パッチ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、患部の切除および損傷部位の修復等を行うことが可能で、特に心膜、胸膜、横隔膜、腹膜などを補修する用途として用いることが出来、その柔軟性から皺が寄りにくく、透明性に優れ縫合も容易であり、心膜、胸膜、横隔膜、腹膜などとの癒着防止性を有し、十分な縫合強度を有し、縫合による損傷を防止し、生体適合性に優れている膜状のパッチ材の提供を目的とするものである。
さらに移植後の収縮伸長などの形状変化が少ない膜状のパッチ材の提供を目的とするものである。また、パッチ材の簡便な製造法を提供することである。
【解決手段】 基材と該基材の片面又は両面にシリコーン層を有する医療用パッチであり、
基材は不織布、編物、織物、組物及び樹脂製フィルムから選択されることを特徴とする医療用パッチ及びこの製造方法を提供すること。
【選択図】 図1
さらに移植後の収縮伸長などの形状変化が少ない膜状のパッチ材の提供を目的とするものである。また、パッチ材の簡便な製造法を提供することである。
【解決手段】 基材と該基材の片面又は両面にシリコーン層を有する医療用パッチであり、
基材は不織布、編物、織物、組物及び樹脂製フィルムから選択されることを特徴とする医療用パッチ及びこの製造方法を提供すること。
【選択図】 図1
Description
本発明は、胸膜、心膜、脳硬膜、漿膜などの生体内膜状組織、心臓、肺、肝臓などの各種臓器及び血管、消化器管などの生体内管腔器官などの疾病又は傷害などで失われた欠損部を補填、補綴、シールなど代替えする用途に利用され、生体適合性に優れ、縫合が可能であり、生体組織との癒着防止性に優れる医療用パッチ及びその製造方法に関するものである。
例えば、特許文献1には、ポリウレタン不織布又はその成型物とポリウレタン多孔性層とが一体化されていることを特徴とするポリウレタン多孔性構造物が開示されている。
特許文献2には、コラーゲン繊維からなる不織布層の表面に、ゼラチン又はヒアルロン酸を含む被覆層を有することを特徴とする縫合可能な癒着防止膜が開示されている。
また非特許文献1、非特許文献2及び非特許文献3には、癒着防止材料にシリコーンシートを用いたものが開示されている。
各種の外科手術においては、患部の切除および損傷部位の修復等を行うことが多く、特に心膜、胸膜、横隔膜、腹膜などを補修する用途で用いられるパッチ材では柔軟性を維持し、皺が寄りにくく透明性で縫合が容易であり、移植後の組織癒着、収縮伸長による形状変化を少なくする必要がある。また、これらの補綴、補填部位でのパッチ材の縫合固定が不良であると、該処置を行った臓器自身の機能はかろうじて維持できたとしても、これらの臓器から滲出または漏出した体液、消化液、内容物などにより、感染したり、他臓器への攻撃、浸食を引き起こして生命の危機を招くことも考えられる。
本発明は、患部の切除および損傷部位の修復等を行うことが可能で、特に心膜、胸膜、横隔膜、腹膜などを補修する用途として用いることが出来、その柔軟性から皺が寄りにくく、透明性に優れ縫合も容易であり、心膜、胸膜、横隔膜、腹膜などとの癒着防止性を有し、十分な縫合強度を有し、縫合による損傷を防止し、生体適合性に優れている膜状のパッチ材の提供を目的とするものである。
さらに移植後の収縮伸長などの形状変化が少ない膜状のパッチ材の提供を目的とするものである。
また、パッチ材の簡便な製造法を提供することである。
さらに移植後の収縮伸長などの形状変化が少ない膜状のパッチ材の提供を目的とするものである。
また、パッチ材の簡便な製造法を提供することである。
本発明の第一は、基材と該基材の片面又は両面にシリコーン層を有する医療用パッチであり、
基材は不織布、編物、織物、組物及び樹脂製フィルムから選択されることを特徴とする医療用パッチを提供すること。
基材は不織布、編物、織物、組物及び樹脂製フィルムから選択されることを特徴とする医療用パッチを提供すること。
本発明の第二は、本発明の第一の医療用パッチの製造方法であり、
不織布、編物、織物、組物及び樹脂製フィルムから選択される基材の片面又は両面に、熱架橋性シリコーンを塗布、浸漬又は吹き付けにより熱架橋性シリコーン層を有する基材を作成し、
熱架橋性シリコーン層を有する基材を、加圧プレスを用いて、加圧プレス下で加熱することにより熱架橋性シリコーンを熱架橋させ、医療用パッチを製造することを特徴とする医療用パッチの製造方法を提供すること。
熱架橋性シリコーンは、溶媒で希釈したものを用いることが出来る。
不織布、編物、織物、組物及び樹脂製フィルムから選択される基材の片面又は両面に、熱架橋性シリコーンを塗布、浸漬又は吹き付けにより熱架橋性シリコーン層を有する基材を作成し、
熱架橋性シリコーン層を有する基材を、加圧プレスを用いて、加圧プレス下で加熱することにより熱架橋性シリコーンを熱架橋させ、医療用パッチを製造することを特徴とする医療用パッチの製造方法を提供すること。
熱架橋性シリコーンは、溶媒で希釈したものを用いることが出来る。
本発明の第一及び/又は第二の好ましい態様を次に示す。
医療用パッチは、明度が20以上であることが好ましい。
基材の収縮率は、0〜5%であることが好ましい。
基材の伸長率は、0〜5%であることが好ましい。
シリコーンは、ショアA硬度が10〜150であることが好ましい。
シリコーンは、熱により架橋可能な熱架橋性シリコーン又は熱により架橋されたシリコーンであることが好ましい。
医療用パッチは、厚さが、50〜500μmであることが好ましい。
医療用パッチは、明度が20以上であることが好ましい。
基材の収縮率は、0〜5%であることが好ましい。
基材の伸長率は、0〜5%であることが好ましい。
シリコーンは、ショアA硬度が10〜150であることが好ましい。
シリコーンは、熱により架橋可能な熱架橋性シリコーン又は熱により架橋されたシリコーンであることが好ましい。
医療用パッチは、厚さが、50〜500μmであることが好ましい。
本発明は、患部の切除および損傷部位の修復等を行うことが可能で、特に心膜、胸膜、横隔膜、腹膜などを補修する用途として用いることが出来、生体組織との癒着防止性を有し、その優れた柔軟性から容易に縫合することが出来、十分な縫合強度を有し、縫合による損傷を防止し、生体適合性に優れ、移植後の収縮伸長などの形状変化が少ない、透明性に優れる膜状のパッチ材を提供することができる。
特に、基材として編織組物を用いた場合、強度及び柔軟性に優れる。
特に、基材として編織組物を用いた場合、強度及び柔軟性に優れる。
本発明の医療用パッチは、基材と該基材の片面又は両面にシリコーン層を有する医療用パッチであり、
基材は不織布、編物、織物、組物及び樹脂製フィルムから選択されることを特徴とする医療用パッチである。
基材は不織布、編物、織物、組物及び樹脂製フィルムから選択されることを特徴とする医療用パッチである。
本発明は、胸膜、心膜、脳硬膜、漿膜などの生体内膜状組織、心臓、肺、肝臓などの各種臓器及び血管、消化器管などの生体内管腔器官などの疾病又は傷害などで失われた欠損部を補填、補綴、シールなど代替えする用途に利用され、生体適合性に優れ、その柔軟性から容易に縫合することが可能であり、生体組織との癒着防止性に優れる平面的な又は扁平な或いは曲面を有する医療用パッチに関するものである。
本発明の医療用パッチは、透明性に優れるため、生体内管腔器官などの表面を肉眼で観察することが出来る。
本発明の医療用パッチは、透明性に優れるため、生体内管腔器官などの表面を肉眼で観察することが出来る。
基材は、収縮率が0〜5%、好ましくは0〜4%、さらに好ましくは0〜3%、より好ましくは0〜2%、特に好ましくは0〜1.5%であり、
伸長率が好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0〜4%、より好ましくは0〜3%、特に好ましくは0〜1.5%が好ましい。
基材は、不織布、編物、織物、組物及び樹脂製フィルムから選択される1種又は、2種以上組み合わせたものを用いることが出来、平面状、曲面状を用いることが出来る。
基材は、不織布、編物、織物及び組物から選択されることが、十分な縫合強度を有し、縫合部での針付縫合糸等による針穴が縮小するために好ましい。
伸長率が好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0〜4%、より好ましくは0〜3%、特に好ましくは0〜1.5%が好ましい。
基材は、不織布、編物、織物、組物及び樹脂製フィルムから選択される1種又は、2種以上組み合わせたものを用いることが出来、平面状、曲面状を用いることが出来る。
基材は、不織布、編物、織物及び組物から選択されることが、十分な縫合強度を有し、縫合部での針付縫合糸等による針穴が縮小するために好ましい。
本発明の医療用パッチにおいて、基材と該基材の片面又は両面にシリコーンを被覆した医療用パッチ又は、基材と該基材の片面又は両面にシリコーン層を有する医療用パッチとは、
(1)シリコーンをTダイ成形、押出成形などでフィルム状に成形されたもの、さらに得られたフィルムを一軸、二軸又は多軸延伸された延伸フィルムを、基材の片面又は両面に積層した積層体や貼り合わせた積層体、
(2)シリコーンを溶媒に溶解及び/又は懸濁させ、流延後乾燥又は凝固させたものを、基材の片面又は両面に積層した積層体や貼り合わせた積層体、
(3)シリコーンを溶媒に溶解及び/又は懸濁させ、浸漬、含浸、塗布、吹き付けなどの方法で基材の片面又は両面に含浸、被覆又は付着させ、乾燥、又は乾燥後凝固させたもの、
(4)シリコーンを浸漬、含浸、塗布、吹き付けなどの方法で基材の片面又は両面に含浸、被覆又は付着させ、乾燥、又は乾燥後凝固させたもの、
(5)熱架橋性シリコーンを浸漬、含浸、塗布、吹き付けなどの方法で基材の片面又は両面に含浸、被覆又は付着させ、
熱架橋性シリコーン層を有する基材を所定厚みのスペーサーを用いて、2枚の金属板に挟み又は高い圧力をかけて挟み、熱架橋性シリコーンの架橋可能な温度に加熱し、熱架橋性シリコーンを熱架橋させたものなど、公知の方法でシリコーンを基材に被覆又は積層したものを用いることが出来る。
(1)シリコーンをTダイ成形、押出成形などでフィルム状に成形されたもの、さらに得られたフィルムを一軸、二軸又は多軸延伸された延伸フィルムを、基材の片面又は両面に積層した積層体や貼り合わせた積層体、
(2)シリコーンを溶媒に溶解及び/又は懸濁させ、流延後乾燥又は凝固させたものを、基材の片面又は両面に積層した積層体や貼り合わせた積層体、
(3)シリコーンを溶媒に溶解及び/又は懸濁させ、浸漬、含浸、塗布、吹き付けなどの方法で基材の片面又は両面に含浸、被覆又は付着させ、乾燥、又は乾燥後凝固させたもの、
(4)シリコーンを浸漬、含浸、塗布、吹き付けなどの方法で基材の片面又は両面に含浸、被覆又は付着させ、乾燥、又は乾燥後凝固させたもの、
(5)熱架橋性シリコーンを浸漬、含浸、塗布、吹き付けなどの方法で基材の片面又は両面に含浸、被覆又は付着させ、
熱架橋性シリコーン層を有する基材を所定厚みのスペーサーを用いて、2枚の金属板に挟み又は高い圧力をかけて挟み、熱架橋性シリコーンの架橋可能な温度に加熱し、熱架橋性シリコーンを熱架橋させたものなど、公知の方法でシリコーンを基材に被覆又は積層したものを用いることが出来る。
シリコーン層の厚みは、本発明の特性を失うことなく実用として取り扱える厚みであればよく特に制限されないが、好ましくは5〜500μm、さらに好ましくは10〜300μm、特に好ましくは30〜150μmが、取扱い性及び操作性に優れるために好ましい。
シリコーンは、医療用シリコーンを用いることが出来、生体適合性の良い架橋シリコーンを用いることが出来、さらに機械的強度などの特性に優れたものを用いることが出来る。
シリコーンは、医療用シリコーンを用いることが出来、生体適合性の良い架橋シリコーンを用いることが出来、さらに機械的強度などの特性に優れたものを用いることが出来る。
シリコーンのショアA硬度は、本発明の特性を失うことなく実用として取り扱える硬度であればよく特に制限されない、特に10〜150、好ましくは10〜100、さらに好ましくは15〜90、より好ましくは25〜80、特に好ましくは23〜75のシリコーンを用いることが、生体との力学特性のマッチングや加工性、操作性などの理由により好ましい。
シリコーンの明度は、好ましくは20以上、さらに好ましくは25以上、より好ましくは30以上であることが、透明性に優れ生体内管腔器官などの表面を肉眼で観察することが出来る。
シリコーンとして、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサンなどのポリシロキサンおよびその架橋物を用いることが出来る。これは一液型でも二液型でも良く、架橋の触媒にはプラチナおよびオキシム型などを用いることが出来る。
シリコーンとしては、熱架橋型のシリコーンが好ましい。
具体的な商品としては、ダウコーニング社製のシリコーン樹脂であるSilasticの、メディカルグレード、バイオメディカルグレード、クラスVIグレードなどを用いることが出来る。
シリコーンとしては、熱架橋型のシリコーンが好ましい。
具体的な商品としては、ダウコーニング社製のシリコーン樹脂であるSilasticの、メディカルグレード、バイオメディカルグレード、クラスVIグレードなどを用いることが出来る。
基材としては、生体内に埋入したときに、生体拒否反応が少なく、生体内で劣化が生じ難いものであればどのようなものでも用いることが出来、具体的には、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリスルホン、ウレタン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリシクロヘキサンテレフタレート,ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、PTFEやEPTFEなどフッ素樹脂などを挙げることができる。さらに好ましくは、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反応の少ない、PTFEやEPTFEなどのフッ素樹脂、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反応の少ない、引張り強度等機械的物性の優れたポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルが好ましい。
基材の厚みは、本発明の特性を失うことなく実用として取り扱える厚みであればよく特に制限されない。
基材がフィルムの場合、厚みは、好ましくは5〜500μm、さらに好ましくは10〜400μm、より好ましくは15〜300μm、特に好ましくは20〜200μmが好ましい。
基材が不織布、編物、織物及び組物の場合、厚みは、好ましくは5〜500μm、さらに好ましくは10〜400μm、より好ましくは30〜300μm、特に好ましくは50〜200μmが好ましい。
基材がフィルムの場合、厚みは、好ましくは5〜500μm、さらに好ましくは10〜400μm、より好ましくは15〜300μm、特に好ましくは20〜200μmが好ましい。
基材が不織布、編物、織物及び組物の場合、厚みは、好ましくは5〜500μm、さらに好ましくは10〜400μm、より好ましくは30〜300μm、特に好ましくは50〜200μmが好ましい。
基材の不織布、編物、織物及び組物としては、単糸や、0.001〜5デニール、さらに0.005〜4デニール、特に0.008〜3デニールのモノフィラメント数〜数百本、さらに10〜700本、特に10〜200本を束ねた糸やそれらを撚った糸からなる不織布、編物、織物及び組物を用いることが出来る。
基材は、不織布、編物、織物及び組み物から選択されるものが好ましく、不織布、編み物、織物及び組み物から選択される1種類又は2種類以上を組み合わせたものでもよい。
特に基材として、平織り、綾織りなどの織物が、十分な縫合強度を有し、縫合部での針付縫合糸等による針穴が縮小するために好ましい。
基材は、不織布、編物、織物及び組み物から選択されるものが好ましく、不織布、編み物、織物及び組み物から選択される1種類又は2種類以上を組み合わせたものでもよい。
特に基材として、平織り、綾織りなどの織物が、十分な縫合強度を有し、縫合部での針付縫合糸等による針穴が縮小するために好ましい。
基材は多孔性が好ましく、例えば基材の有孔度は、好ましくは1〜1000ml/(cm2・min)、さらに好ましくは50〜800ml/(cm2・min)、より好ましくは60〜500ml/(cm2・min)、特に好ましくは70〜400ml/(cm2・min)が好ましい。
有孔度とは、基材に用いるものを約20mm×20mmにカットし、測定面積が1.0cm2である円形の穴を開けた測定冶具に固定する。120mmHgの水圧(37℃)を負荷して、流水開始後30〜90秒の1分間に、漏れ出た水量の容積である。
有孔度とは、基材に用いるものを約20mm×20mmにカットし、測定面積が1.0cm2である円形の穴を開けた測定冶具に固定する。120mmHgの水圧(37℃)を負荷して、流水開始後30〜90秒の1分間に、漏れ出た水量の容積である。
医療用パッチの厚みは、好ましくは10〜1000μm、さらに好ましくは50〜500μm、より好ましくは75〜400μm、特に100〜300μmが、作業性、取り扱い性に優れるために好ましい。
基材、シリコーン層及び/又は医療用パッチは、ヘパリン、コラーゲン、アセチルサリチル酸、ゼラチンなどの公知の生体由来或いは合成の抗血栓性材料、ポリ乳酸、ポリカプロラクトンなどの生体由来或いは合成の生分解性ポリマー、生体適合性材料などを混合又は被覆したものを用いることができる。
医療用パッチ又は基材は、容易に曲げることができ、柔軟性に優れ、皺が寄りにくいことが好ましい。
本発明の医療用パッチは、ナイフや鋏を用いて、特定形状にカットすることができる。
本発明の医療用パッチは、ナイフや鋏を用いて、特定形状にカットすることができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるものでない。
・収縮率測定方法:
長さ5cm×幅2cmの大きさの基材を高圧蒸気滅菌器を用いて121℃、20分間、加熱処理を行い、加熱前後での試料の長さを測定する。式1に従い、収縮率(%)を算出する。測定は、温度23℃、湿度60%の恒温室で行った。
長さ5cm×幅2cmの大きさの基材を高圧蒸気滅菌器を用いて121℃、20分間、加熱処理を行い、加熱前後での試料の長さを測定する。式1に従い、収縮率(%)を算出する。測定は、温度23℃、湿度60%の恒温室で行った。
・伸長率測定方法:
長さ10cm×幅2cmの大きさの基材を長さ方向の上下をチャックで挟み、チャック間を4cmとし、チャック下部に5kgの加重をかけ、1分後の伸びを測定する。式2に従い、伸長率(%)を算出する。測定は、温度23℃、湿度65%の恒温室で行った。
長さ10cm×幅2cmの大きさの基材を長さ方向の上下をチャックで挟み、チャック間を4cmとし、チャック下部に5kgの加重をかけ、1分後の伸びを測定する。式2に従い、伸長率(%)を算出する。測定は、温度23℃、湿度65%の恒温室で行った。
・明度の測定方法:
多層フィルムの透明性は、測色色差計(東京電色(株)製:MODEL TC−8600A)を用いて測定した。得られるL値の値を明度とした。
尚、市販のEPTFEパッチII(心膜用シート)の明度は、1.8であった。
多層フィルムの透明性は、測色色差計(東京電色(株)製:MODEL TC−8600A)を用いて測定した。得られるL値の値を明度とした。
尚、市販のEPTFEパッチII(心膜用シート)の明度は、1.8であった。
[実施例1]
二液性シリコーン[商品名:Silastic、Dow Corning社製、ショアA硬度44]を有孔度300ml/(cm2・min)のポリエステル製平織り織布(厚み:140μm、収縮率:4.1%、伸長率:0.1%)の両面に塗布した。
加熱可能な圧力プレスを用い、平坦な金属製のプレス台に、両面塗布した基材を置き、25μmのスペーサーを挟んだ後、150℃、150kg/cm2の条件で5分間加熱プレスし、厚み約250μmの3層構造の多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの断面の走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)を図1に示す。
二液性シリコーン[商品名:Silastic、Dow Corning社製、ショアA硬度44]を有孔度300ml/(cm2・min)のポリエステル製平織り織布(厚み:140μm、収縮率:4.1%、伸長率:0.1%)の両面に塗布した。
加熱可能な圧力プレスを用い、平坦な金属製のプレス台に、両面塗布した基材を置き、25μmのスペーサーを挟んだ後、150℃、150kg/cm2の条件で5分間加熱プレスし、厚み約250μmの3層構造の多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの断面の走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)を図1に示す。
得られた多層フィルムは容易に曲げることが出来、皺がなく、柔軟性及び透明性に優れていた。多層フィルムの明度は、29.9であった。
得られた多層フィルムに、医療用針付縫合糸[商品名:4−0プロリーン、ETHICON社製]を通した時の針穴を図2に示す。図2より、針穴は針の径より縮小していることが確認できた。
さらに、得られた多層フィルムをEOG滅菌後、犬心膜の切除部分に縫合埋植した。埋植1ヶ月後、開胸して埋植した多層フィルムを肉眼観察したところ、多層フィルムは収縮伸長していないことが観察できた。さらに、多層フィルムを剥がしたところ、組織との癒着は認められず容易に剥がすことができた。
得られた多層フィルムに、医療用針付縫合糸[商品名:4−0プロリーン、ETHICON社製]を通した時の針穴を図2に示す。図2より、針穴は針の径より縮小していることが確認できた。
さらに、得られた多層フィルムをEOG滅菌後、犬心膜の切除部分に縫合埋植した。埋植1ヶ月後、開胸して埋植した多層フィルムを肉眼観察したところ、多層フィルムは収縮伸長していないことが観察できた。さらに、多層フィルムを剥がしたところ、組織との癒着は認められず容易に剥がすことができた。
[実施例2]
有孔度100ml/(cm2・min)のポリエステル平織り織布(厚み:130μm、収縮率:1.7%、伸長率:0.2%)を用いた以外は、実施例と同様の方法で、厚み約250μmの3層構造の多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの断面の走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)を図3に示す。
得られた多層フィルムは容易に曲げることが出来、皺がなく、柔軟性及び透明性に優れていた。多層フィルムの明度は、32.5であった。
得られた多層フィルムに、医療用針付縫合糸[商品名:4−0プロリーン、ETHICON社製]を通した時の針穴を図4に示す。図4より、針穴は針の径より縮小していることが確認できた。
さらに、得られた多層フィルムをEOG滅菌後、犬心膜の切除部分に縫合埋植した。埋植1ヶ月後、開胸して埋植した多層フィルムを肉眼観察したところ、多層フィルムは収縮伸長していないことが観察できた。さらに、多層フィルムを剥がしたところ、組織との癒着は認められず容易に剥がすことができた。
有孔度100ml/(cm2・min)のポリエステル平織り織布(厚み:130μm、収縮率:1.7%、伸長率:0.2%)を用いた以外は、実施例と同様の方法で、厚み約250μmの3層構造の多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの断面の走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)を図3に示す。
得られた多層フィルムは容易に曲げることが出来、皺がなく、柔軟性及び透明性に優れていた。多層フィルムの明度は、32.5であった。
得られた多層フィルムに、医療用針付縫合糸[商品名:4−0プロリーン、ETHICON社製]を通した時の針穴を図4に示す。図4より、針穴は針の径より縮小していることが確認できた。
さらに、得られた多層フィルムをEOG滅菌後、犬心膜の切除部分に縫合埋植した。埋植1ヶ月後、開胸して埋植した多層フィルムを肉眼観察したところ、多層フィルムは収縮伸長していないことが観察できた。さらに、多層フィルムを剥がしたところ、組織との癒着は認められず容易に剥がすことができた。
比較として、市販のフッ素樹脂製の多孔フィルムに、医療用針付縫合糸を通した時の針穴の走査型電子顕微鏡写真を図5に示す。市販のフッ素樹脂製の多孔フィルムでは、針穴は針の径とほぼ同じ大きさであった。
Claims (5)
- 基材と該基材の片面又は両面にシリコーン層を有する医療用パッチであり、
基材は不織布、編物、織物、組物及び樹脂製フィルムから選択されることを特徴とする医療用パッチ。 - 医療用パッチの明度が20以上であることを特徴とする請求項1に記載の医療用パッチ。
- 基材は収縮率が0〜5%であり、伸長率が0〜5%であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の医療用パッチ。
- シリコーンは、ショアA硬度が10〜150であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療用パッチ。
- 請求項1〜4に記載の医療用パッチの製造方法であり、
不織布、編物、織物、組物及び樹脂製フィルムから選択される基材の片面又は両面に、熱架橋性シリコーンを塗布、浸漬又は吹き付けにより熱架橋性シリコーン層を有する基材を作成し、
熱架橋性シリコーン層を有する基材を、加圧プレスを用いて、加圧プレス下で加熱することにより熱架橋性シリコーンを熱架橋させ、医療用パッチを製造することを特徴とする医療用パッチの製造方法。
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