JP2003126240A - 医療用パッチ - Google Patents
医療用パッチInfo
- Publication number
- JP2003126240A JP2003126240A JP2001323665A JP2001323665A JP2003126240A JP 2003126240 A JP2003126240 A JP 2003126240A JP 2001323665 A JP2001323665 A JP 2001323665A JP 2001323665 A JP2001323665 A JP 2001323665A JP 2003126240 A JP2003126240 A JP 2003126240A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyurethane
- patch
- core
- core portion
- medical patch
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Materials For Medical Uses (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、患部の切除および損傷
部位の修復等を行うことが可能で、特に心膜、胸膜、横
隔膜、腹膜などを補修する用途として用いることが出
来、心膜、胸膜、横隔膜、腹膜などとの癒着防止性を有
し、十分な縫合強度を有し、縫合による損傷を防止し、
生体適合性に優れ、移植後の収縮伸長などの形状変化が
少ない膜状のパッチ材の提供を目的とするものである。 【解決手段】 芯部と該芯部の両面にポリウレ
タン層を有する少なくとも3層の医療用パッチであっ
て、芯部は0〜5%の収縮率であり、かつ不織布、編織
組物及び樹脂製フィルムから選択されることを特徴とす
る医療用パッチ。
部位の修復等を行うことが可能で、特に心膜、胸膜、横
隔膜、腹膜などを補修する用途として用いることが出
来、心膜、胸膜、横隔膜、腹膜などとの癒着防止性を有
し、十分な縫合強度を有し、縫合による損傷を防止し、
生体適合性に優れ、移植後の収縮伸長などの形状変化が
少ない膜状のパッチ材の提供を目的とするものである。 【解決手段】 芯部と該芯部の両面にポリウレ
タン層を有する少なくとも3層の医療用パッチであっ
て、芯部は0〜5%の収縮率であり、かつ不織布、編織
組物及び樹脂製フィルムから選択されることを特徴とす
る医療用パッチ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、胸膜、心膜、脳硬
膜、漿膜などの生体内膜状組織、心臓、肺、肝臓などの
各種臓器及び血管、消化器管などの生体内管腔器官など
の疾病又は傷害などで失われた欠損部を補填、補綴、シ
ールなど代替えする用途に利用され、生体適合性に優
れ、縫合が可能であり、生体組織との癒着防止性に優れ
る平面的な又は扁平な医療用パッチに関するものであ
る。
膜、漿膜などの生体内膜状組織、心臓、肺、肝臓などの
各種臓器及び血管、消化器管などの生体内管腔器官など
の疾病又は傷害などで失われた欠損部を補填、補綴、シ
ールなど代替えする用途に利用され、生体適合性に優
れ、縫合が可能であり、生体組織との癒着防止性に優れ
る平面的な又は扁平な医療用パッチに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】特開昭53−28996号公報には、管
状の繊維織物が埋没されて管状芯部を形成し、かつ内側
が抗血栓性ポリマー層からなり、外側が内側とは異なる
補強性ポリマー層からなる多層構造を有する抗血栓性管
状物が開示されている。
状の繊維織物が埋没されて管状芯部を形成し、かつ内側
が抗血栓性ポリマー層からなり、外側が内側とは異なる
補強性ポリマー層からなる多層構造を有する抗血栓性管
状物が開示されている。
【0003】実公昭61−25454号公報には、媒質
の流過に役立つ可撓性の人工補整ホースを備えているか
或いはこのような人工補整ホースからなる人体部分或い
は動物体部分内に移植するための可撓性中空器官、特に
血管人工調整において、人工補整ホースの壁部に可撓性
で弾性的な糸からなる中空編組体として造られた襞のな
い少なくとも1つの編組ホース体を設け、これらが人工
補整ホースの当該領域内においてこの人工補整ホースに
座屈と圧縮に対する高い抵抗を与えるように構成した、
上記中腔器官が開示されている。
の流過に役立つ可撓性の人工補整ホースを備えているか
或いはこのような人工補整ホースからなる人体部分或い
は動物体部分内に移植するための可撓性中空器官、特に
血管人工調整において、人工補整ホースの壁部に可撓性
で弾性的な糸からなる中空編組体として造られた襞のな
い少なくとも1つの編組ホース体を設け、これらが人工
補整ホースの当該領域内においてこの人工補整ホースに
座屈と圧縮に対する高い抵抗を与えるように構成した、
上記中腔器官が開示されている。
【0004】特開昭61−87563号公報には、セグ
メントポリウレタン及び/又はセグメントポリウレタン
ウレアで構成されたチューブ状又はシート状の医療用成
形物であって、その少なくとも断面が多孔質になってい
ることを特徴とする医療用成形物が開示されている。
メントポリウレタン及び/又はセグメントポリウレタン
ウレアで構成されたチューブ状又はシート状の医療用成
形物であって、その少なくとも断面が多孔質になってい
ることを特徴とする医療用成形物が開示されている。
【0005】特開昭63−175182号公報には、ポ
リウレタン不織布又はその成型物とポリウレタン多孔性
層とが一体化されていることを特徴とするポリウレタン
多孔性構造物が開示されている。
リウレタン不織布又はその成型物とポリウレタン多孔性
層とが一体化されていることを特徴とするポリウレタン
多孔性構造物が開示されている。
【0006】特開昭63−305860号公報には、ポ
リウレタン及び/又はポリウレタンウレアからなる層と
繊維集合体からなる層が複合されてなる人工血管であっ
て、(i)内腔面がポリウレタン及び/又はポリウレタ
ンウレアからなり、(ii)該繊維集合体からなる層が
繊維間に細胞が生育しうる間隙を有していることを特徴
とする人工血管が開示されている。
リウレタン及び/又はポリウレタンウレアからなる層と
繊維集合体からなる層が複合されてなる人工血管であっ
て、(i)内腔面がポリウレタン及び/又はポリウレタ
ンウレアからなり、(ii)該繊維集合体からなる層が
繊維間に細胞が生育しうる間隙を有していることを特徴
とする人工血管が開示されている。
【0007】特開平1−64649号公報及び特開平1
−64650号公報には、ポリウレタン及び/又はポリ
ウレタンウレアの複数層からなる管壁全体が多孔質の人
工血管が開示されている。
−64650号公報には、ポリウレタン及び/又はポリ
ウレタンウレアの複数層からなる管壁全体が多孔質の人
工血管が開示されている。
【0008】特許第2842649号公報には、ヒトを
含む哺乳類における軟組織構造上の傷害部位に、該傷害
部位での組織の分離および組織治癒の促進のために、配
置する材料であって、ポリヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ
酪酸とヒドロキシ吉草酸との共重合体、またはヒドロキ
シ酪酸とヒドロキシ吉草酸との共重合体およびポリヒド
ロキシ酪酸の組み合わせから本質的になる多孔性軟質シ
ートまたはチューブよりなり、そのシートまたはチュー
ブは約10μm〜1mmの範囲の厚さと約0.1〜30
μmの範囲の孔径を有し、水および塩を通すが、細胞お
よび他の組織粒子を中に入れない、前記の材料が開示さ
れている。
含む哺乳類における軟組織構造上の傷害部位に、該傷害
部位での組織の分離および組織治癒の促進のために、配
置する材料であって、ポリヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ
酪酸とヒドロキシ吉草酸との共重合体、またはヒドロキ
シ酪酸とヒドロキシ吉草酸との共重合体およびポリヒド
ロキシ酪酸の組み合わせから本質的になる多孔性軟質シ
ートまたはチューブよりなり、そのシートまたはチュー
ブは約10μm〜1mmの範囲の厚さと約0.1〜30
μmの範囲の孔径を有し、水および塩を通すが、細胞お
よび他の組織粒子を中に入れない、前記の材料が開示さ
れている。
【0009】特開平9−131362号公報には、ファ
イバーマトリックスを用いて、欠陥を有する自然組織部
分と置き換え可能なインプラントを製造する方法であっ
て、その方法は、前記ファイバーマトリックスに有機溶
媒を充填する工程と、その有機溶媒は所定量のポリウレ
タンを溶解していることと、前記ファイバーマトリック
スを湿った雰囲気中に配置することにより、前記有機溶
媒中のポリウレタンの溶解度を低下させ、ポリウレタン
粒子を形成する工程と、前記ファイバーマトリックス及
び有機溶媒を加熱することにより、前記有機溶媒中のポ
リウレタン粒子を移動させて、前記ファイバーマトリッ
クスの表面に膜を形成する工程とからなる方法が開示さ
れている。
イバーマトリックスを用いて、欠陥を有する自然組織部
分と置き換え可能なインプラントを製造する方法であっ
て、その方法は、前記ファイバーマトリックスに有機溶
媒を充填する工程と、その有機溶媒は所定量のポリウレ
タンを溶解していることと、前記ファイバーマトリック
スを湿った雰囲気中に配置することにより、前記有機溶
媒中のポリウレタンの溶解度を低下させ、ポリウレタン
粒子を形成する工程と、前記ファイバーマトリックス及
び有機溶媒を加熱することにより、前記有機溶媒中のポ
リウレタン粒子を移動させて、前記ファイバーマトリッ
クスの表面に膜を形成する工程とからなる方法が開示さ
れている。
【0010】特開平12−271207号公報には、コ
ラーゲン繊維からなる不織布層の表面に、ゼラチン又は
ヒアルロン酸を含む被覆層を有することを特徴とする縫
合可能な癒着防止膜が開示されている。
ラーゲン繊維からなる不織布層の表面に、ゼラチン又は
ヒアルロン酸を含む被覆層を有することを特徴とする縫
合可能な癒着防止膜が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】各種の外科手術におい
ては、患部の切除および損傷部位の修復等を行うことが
多く、特に心膜、胸膜、横隔膜、腹膜などを補修する用
途で用いられるパッチ材では柔軟性を維持し、移植後の
組織癒着、収縮伸長による形状変化を少なくする必要が
ある。また、これらの補綴、補填部位でのパッチ材の縫
合固定が不良であると、該処置を行った臓器自身の機能
はかろうじて維持できたとしても、これらの臓器から滲
出または漏出した体液、消化液、内容物などにより、感
染したり、他臓器への攻撃、浸食を引き起こして生命の
危機を招くことも考えられる。そのため、本発明は、患
部の切除および損傷部位の修復等を行うことが可能で、
特に心膜、胸膜、横隔膜、腹膜などを補修する用途とし
て用いることが出来、心膜、胸膜、横隔膜、腹膜などと
の癒着防止性を有し、十分な縫合強度を有し、縫合によ
る損傷を防止し、生体適合性に優れ、移植後の収縮伸長
などの形状変化が少ない膜状のパッチ材の提供を目的と
するものである。
ては、患部の切除および損傷部位の修復等を行うことが
多く、特に心膜、胸膜、横隔膜、腹膜などを補修する用
途で用いられるパッチ材では柔軟性を維持し、移植後の
組織癒着、収縮伸長による形状変化を少なくする必要が
ある。また、これらの補綴、補填部位でのパッチ材の縫
合固定が不良であると、該処置を行った臓器自身の機能
はかろうじて維持できたとしても、これらの臓器から滲
出または漏出した体液、消化液、内容物などにより、感
染したり、他臓器への攻撃、浸食を引き起こして生命の
危機を招くことも考えられる。そのため、本発明は、患
部の切除および損傷部位の修復等を行うことが可能で、
特に心膜、胸膜、横隔膜、腹膜などを補修する用途とし
て用いることが出来、心膜、胸膜、横隔膜、腹膜などと
の癒着防止性を有し、十分な縫合強度を有し、縫合によ
る損傷を防止し、生体適合性に優れ、移植後の収縮伸長
などの形状変化が少ない膜状のパッチ材の提供を目的と
するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、芯部と該芯部
の両面にポリウレタン層を有する少なくとも3層の医療
用パッチであって、芯部は0〜5%の収縮率であり、か
つ不織布、編織組物及び樹脂製フィルムから選択される
ことを特徴とする医療用パッチを提供することが出来
る。好ましくは、本発明は、上記の芯部が、0〜5%の
伸長率であることを特徴とする医療用パッチを提供する
ことが出来る。さらに好ましくは、本発明は、上記ポリ
ウレタン層が、孔径20μm以下の表面を有する層であ
ることを特徴とする医療用パッチを提供することが出来
る。さらに好ましくは本発明は、上記芯部が、不織布及
び編織組物から選択されることを特徴とする医療用パッ
チを提供することが出来る。
の両面にポリウレタン層を有する少なくとも3層の医療
用パッチであって、芯部は0〜5%の収縮率であり、か
つ不織布、編織組物及び樹脂製フィルムから選択される
ことを特徴とする医療用パッチを提供することが出来
る。好ましくは、本発明は、上記の芯部が、0〜5%の
伸長率であることを特徴とする医療用パッチを提供する
ことが出来る。さらに好ましくは、本発明は、上記ポリ
ウレタン層が、孔径20μm以下の表面を有する層であ
ることを特徴とする医療用パッチを提供することが出来
る。さらに好ましくは本発明は、上記芯部が、不織布及
び編織組物から選択されることを特徴とする医療用パッ
チを提供することが出来る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の医療用パッチは、芯部と
該芯部の両面にポリウレタン層を有する少なくとも3層
の医療用パッチであって、芯部は0〜5%の収縮率であ
り、かつ不織布、編織組物及び樹脂製フィルムから選択
されることを特徴とする医療用パッチを提供することが
出来る。
該芯部の両面にポリウレタン層を有する少なくとも3層
の医療用パッチであって、芯部は0〜5%の収縮率であ
り、かつ不織布、編織組物及び樹脂製フィルムから選択
されることを特徴とする医療用パッチを提供することが
出来る。
【0014】本発明の芯部は、収縮率が0〜5%、好ま
しくは0〜4%、さらに好ましくは0〜3%、より好ま
しくは0〜2%、特に好ましくは0〜1.5%であり、
伸長率が好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0〜4
%、より好ましくは0〜3%、特に好ましくは0〜1.
5%が好ましい。芯部は、不織布、編織組物及び樹脂製
フィルムから選択される1種又は、2種以上組み合わせ
たものを用いることが出来る。
しくは0〜4%、さらに好ましくは0〜3%、より好ま
しくは0〜2%、特に好ましくは0〜1.5%であり、
伸長率が好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0〜4
%、より好ましくは0〜3%、特に好ましくは0〜1.
5%が好ましい。芯部は、不織布、編織組物及び樹脂製
フィルムから選択される1種又は、2種以上組み合わせ
たものを用いることが出来る。
【0015】本発明の医療用パッチのポリウレタン層
は、好ましくは孔径20μm以下、さらに好ましくは孔
径15μm以下、より好ましくは孔径10μm以下、特
に好ましくは5μm以下の表面を有することが好まし
く、さらに多孔性層が好ましい。本発明の医療用パッチ
のポリウレタン層において、好ましくは孔径20μm以
下、さらに好ましくは孔径15μm以下、より好ましく
は孔径10μm以下、特に好ましくは5μm以下の孔を
表面に有していてもよく、表面に孔がなくてもよい。本
発明の医療用パッチのポリウレタン層において、表面の
孔は、裏面に連通していてもよく、連通していなくても
よく、また連通している部分と連通していない部分とを
有しているてもよい。本発明において、多孔性層とは、
微細な孔を有する表面部分と比較的大きな空洞を有する
多孔質部分とからなる層を意味する。本発明において、
ポリウレタン層の表面の孔径が上記範囲より小さいと、
本発明の医療用パッチに結合組織が浸入しにくくなるた
め、結合組織が新生され、安定な組織として治癒する際
に、本発明の医療用パッチの収縮が抑制されるために好
ましい。
は、好ましくは孔径20μm以下、さらに好ましくは孔
径15μm以下、より好ましくは孔径10μm以下、特
に好ましくは5μm以下の表面を有することが好まし
く、さらに多孔性層が好ましい。本発明の医療用パッチ
のポリウレタン層において、好ましくは孔径20μm以
下、さらに好ましくは孔径15μm以下、より好ましく
は孔径10μm以下、特に好ましくは5μm以下の孔を
表面に有していてもよく、表面に孔がなくてもよい。本
発明の医療用パッチのポリウレタン層において、表面の
孔は、裏面に連通していてもよく、連通していなくても
よく、また連通している部分と連通していない部分とを
有しているてもよい。本発明において、多孔性層とは、
微細な孔を有する表面部分と比較的大きな空洞を有する
多孔質部分とからなる層を意味する。本発明において、
ポリウレタン層の表面の孔径が上記範囲より小さいと、
本発明の医療用パッチに結合組織が浸入しにくくなるた
め、結合組織が新生され、安定な組織として治癒する際
に、本発明の医療用パッチの収縮が抑制されるために好
ましい。
【0016】本発明の芯部は、不織布及び編織組物から
選択されることが、十分な縫合強度を有し、縫合部での
鉗子などの針による針穴が縮小するために好ましい。
選択されることが、十分な縫合強度を有し、縫合部での
鉗子などの針による針穴が縮小するために好ましい。
【0017】ポリウレタン層は、
ウレタン系ポリマーをTダイ成形、押出成形などで成
形されたフィルム状に成形されたもの、さらに得られた
フィルムを一軸、二軸又は多軸延伸された延伸フィル
ム、 ウレタン系ポリマーを溶媒に溶解及び/又は懸濁さ
せ、流延後乾燥又は凝固させたもの、凝固させたもの、 ウレタン系ポリマーを溶媒に溶解及び/又は懸濁さ
せ、浸漬、含浸、被覆、吹き付けなどの方法で芯部の表
面及び/又は内部に含浸、被覆又は付着させ、乾燥、乾
燥後凝固又は凝固させたものを用いることが出来る。
形されたフィルム状に成形されたもの、さらに得られた
フィルムを一軸、二軸又は多軸延伸された延伸フィル
ム、 ウレタン系ポリマーを溶媒に溶解及び/又は懸濁さ
せ、流延後乾燥又は凝固させたもの、凝固させたもの、 ウレタン系ポリマーを溶媒に溶解及び/又は懸濁さ
せ、浸漬、含浸、被覆、吹き付けなどの方法で芯部の表
面及び/又は内部に含浸、被覆又は付着させ、乾燥、乾
燥後凝固又は凝固させたものを用いることが出来る。
【0018】ポリウレタン層は、厚みが5μm〜100
μmの範囲が好ましい。
μmの範囲が好ましい。
【0019】ポリウレタン層は、ポリウレタンやポリウ
レタンウレアなどのウレタン系ポリマーと、これらとシ
リコーンポリマーとのブレンド物又は相互侵入網目構造
などを用いることが出来る。また、これらには、ポリジ
アルキルシロキサン系、ポリエステル系、ポリカーボネ
ート系又はポリエーテル系のセグメントを有するセグメ
ント化ポリウレタン又はセグメント化ポリウレタンウレ
ア、さらに主鎖中にポリジメチルシロキサンなどのポリ
ジアルキルシロキサンを含むもの、ハード、ソフトセグ
メントにフッ素を含むものを含む。前記ポリウレタン等
のポリエーテルセグメントを構成するポリエーテルとし
てはポリテトラメチレンオキシドが最も好ましいが、そ
の他のポリアルキレンオキシド(但しアルキレンの炭素
数は2〜3)も好ましい。ポリアルキレンオキシドの具
体例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレン
オキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重
合体又はブロック共重合体が挙げられる。また同一主鎖
中にポリテトラメチレンオキシドセグメントとポリアル
キレンオキシド(但しアルキレンの炭素数は2〜3)と
を含む親水性と力学的特性とを兼ねそなえたポリウレタ
ンを用いてもよい。このポリウレタンは抗血性能、生体
道合性が群を抜いて優れているため好ましい。これらの
ソフトセグメントを形成するポリエーテルの分子量は好
ましくは400〜3000の範囲であり、さらに好まし
くは450〜2500、より好ましくは500〜250
0の範囲であり、中でも最も優れたポリエーテルセグメ
ントは分子量800〜2500、特に分子量1300〜
2000のポリテトラメチレンオキシド鎖である。
レタンウレアなどのウレタン系ポリマーと、これらとシ
リコーンポリマーとのブレンド物又は相互侵入網目構造
などを用いることが出来る。また、これらには、ポリジ
アルキルシロキサン系、ポリエステル系、ポリカーボネ
ート系又はポリエーテル系のセグメントを有するセグメ
ント化ポリウレタン又はセグメント化ポリウレタンウレ
ア、さらに主鎖中にポリジメチルシロキサンなどのポリ
ジアルキルシロキサンを含むもの、ハード、ソフトセグ
メントにフッ素を含むものを含む。前記ポリウレタン等
のポリエーテルセグメントを構成するポリエーテルとし
てはポリテトラメチレンオキシドが最も好ましいが、そ
の他のポリアルキレンオキシド(但しアルキレンの炭素
数は2〜3)も好ましい。ポリアルキレンオキシドの具
体例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレン
オキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重
合体又はブロック共重合体が挙げられる。また同一主鎖
中にポリテトラメチレンオキシドセグメントとポリアル
キレンオキシド(但しアルキレンの炭素数は2〜3)と
を含む親水性と力学的特性とを兼ねそなえたポリウレタ
ンを用いてもよい。このポリウレタンは抗血性能、生体
道合性が群を抜いて優れているため好ましい。これらの
ソフトセグメントを形成するポリエーテルの分子量は好
ましくは400〜3000の範囲であり、さらに好まし
くは450〜2500、より好ましくは500〜250
0の範囲であり、中でも最も優れたポリエーテルセグメ
ントは分子量800〜2500、特に分子量1300〜
2000のポリテトラメチレンオキシド鎖である。
【0020】ウレタン系ポリマーの合成は、公知や市販
のジイソシアネートとジアミン及び/又はジオールと
を、常法により行うことが出来る。さらに、両未端水酸
基の上述のポリエーテルを、4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネートなど公知のポリウレタ
ン合成に用いるジイソシアネートと反応させて末端イソ
シアネートのプレポリマーをつくり、これをエチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、ポリジメチルシロキサンを有するジアミンなどのジ
アミンや、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ポリジメチルシロキサンを有する
ジオールなどのようなジオールで鎖延長する常法を用い
て合成してもよい。
のジイソシアネートとジアミン及び/又はジオールと
を、常法により行うことが出来る。さらに、両未端水酸
基の上述のポリエーテルを、4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネートなど公知のポリウレタ
ン合成に用いるジイソシアネートと反応させて末端イソ
シアネートのプレポリマーをつくり、これをエチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、ポリジメチルシロキサンを有するジアミンなどのジ
アミンや、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ポリジメチルシロキサンを有する
ジオールなどのようなジオールで鎖延長する常法を用い
て合成してもよい。
【0021】ウレタン系ポリマーは、ウレタン系ポリマ
ーを溶解又は懸濁させる溶媒に溶かして又は懸濁させて
用いることが出来る。溶媒として、環状エーテル溶剤、
アミド溶剤及びスルホキシド溶剤を挙げることができ
る。これらの溶剤は単独或いは混合して用いることがで
きる。環状エーテル溶剤として、テトラヒドロフラン、
ジオキサンなどを挙げることが出来る。アミド溶剤とし
て、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど
を挙げることが出来る。スルホキシド溶剤として、ジメ
チルスルホキシドなどを挙げることが出来る。
ーを溶解又は懸濁させる溶媒に溶かして又は懸濁させて
用いることが出来る。溶媒として、環状エーテル溶剤、
アミド溶剤及びスルホキシド溶剤を挙げることができ
る。これらの溶剤は単独或いは混合して用いることがで
きる。環状エーテル溶剤として、テトラヒドロフラン、
ジオキサンなどを挙げることが出来る。アミド溶剤とし
て、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど
を挙げることが出来る。スルホキシド溶剤として、ジメ
チルスルホキシドなどを挙げることが出来る。
【0022】ポリウレタン層は、ウレタン系ポリマーを
溶解又は懸濁させる溶媒に溶解又は懸濁させた溶液を、
水、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低分
子のアルコール類、アセトンなどのケトン類などの凝固
液と接触や浸漬させることにより、ポリマー成分を凝固
させることにより製造することが出来る。
溶解又は懸濁させる溶媒に溶解又は懸濁させた溶液を、
水、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低分
子のアルコール類、アセトンなどのケトン類などの凝固
液と接触や浸漬させることにより、ポリマー成分を凝固
させることにより製造することが出来る。
【0023】芯部の樹脂製フィルムとしては、生体内に
埋入したときに、生体拒否反応が少なく、生体内で劣化
が生じ難い樹脂製フィルムであればどのようなものでも
用いることが出来、具体的には、ポリエチレン,ポリプ
ロピレン,エチレン−α−オレフィン共重合体などのポ
リオレフィン、ポリアミド、ポリスルホン、ウレタン系
ポリマー、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレン
テレフタレート,ポリシクロヘキサンテレフタレート,
ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステ
ル、PTFEやETFEなどフッ素樹脂などを挙げるこ
とができる。さらに好ましくは、化学的に安定で耐久性
が大きく、組織反応の少ない、PTFEやETFEなど
のフッ素樹脂、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反
応の少ない、引張り強度等機械的物性の優れたポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど
のポリエステルが好ましい。
埋入したときに、生体拒否反応が少なく、生体内で劣化
が生じ難い樹脂製フィルムであればどのようなものでも
用いることが出来、具体的には、ポリエチレン,ポリプ
ロピレン,エチレン−α−オレフィン共重合体などのポ
リオレフィン、ポリアミド、ポリスルホン、ウレタン系
ポリマー、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレン
テレフタレート,ポリシクロヘキサンテレフタレート,
ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステ
ル、PTFEやETFEなどフッ素樹脂などを挙げるこ
とができる。さらに好ましくは、化学的に安定で耐久性
が大きく、組織反応の少ない、PTFEやETFEなど
のフッ素樹脂、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反
応の少ない、引張り強度等機械的物性の優れたポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど
のポリエステルが好ましい。
【0024】芯部の不織布及び/又は編織組物は、生体
適合性の優れた樹脂であればどのような樹脂でも用いる
ことが出来、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,
エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィ
ン、ポリアミド、ポリスルホン、ウレタン系ポリマー、
ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレ
ート,ポリシクロヘキサンテレフタレート,ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、PTF
EやETFEなどフッ素樹脂などを挙げることができ
る。さらに好ましくは、化学的に安定で耐久性が大き
く、組織反応の少ない、PTFEやETFEなどのフッ
素樹脂、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反応の少
ない、引張り強度等機械的物性の優れたポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリ
エステルが好ましい。
適合性の優れた樹脂であればどのような樹脂でも用いる
ことが出来、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,
エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィ
ン、ポリアミド、ポリスルホン、ウレタン系ポリマー、
ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレ
ート,ポリシクロヘキサンテレフタレート,ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、PTF
EやETFEなどフッ素樹脂などを挙げることができ
る。さらに好ましくは、化学的に安定で耐久性が大き
く、組織反応の少ない、PTFEやETFEなどのフッ
素樹脂、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反応の少
ない、引張り強度等機械的物性の優れたポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリ
エステルが好ましい。
【0025】芯部の不織布及び/又は編織組物は、単糸
や、0.001〜5デニール、さらに0.005〜4デ
ニール、特に0.008〜3デニールのモノフィラメン
ト数〜数百本、さらに10〜700本、特に10〜10
0本を束ねた糸やそれらを撚った糸からなる不織布及び
/又は編織組物を用いることが出来る。芯部の編織組物
は、編み物、織物及び組み物から選択されるものであ
り、編み物、織物及び組み物から選択される1種類又は
2種類以上を組み合わせたものでもよい。特に芯部とし
て、平織り、綾織りなどの織物が、十分な縫合強度を有
し、縫合部での鉗子などの針などによる針穴が縮小する
ために好ましい。
や、0.001〜5デニール、さらに0.005〜4デ
ニール、特に0.008〜3デニールのモノフィラメン
ト数〜数百本、さらに10〜700本、特に10〜10
0本を束ねた糸やそれらを撚った糸からなる不織布及び
/又は編織組物を用いることが出来る。芯部の編織組物
は、編み物、織物及び組み物から選択されるものであ
り、編み物、織物及び組み物から選択される1種類又は
2種類以上を組み合わせたものでもよい。特に芯部とし
て、平織り、綾織りなどの織物が、十分な縫合強度を有
し、縫合部での鉗子などの針などによる針穴が縮小する
ために好ましい。
【0026】芯部は多孔性が好ましく、例えば芯部の有
孔度は、好ましくは1〜1000ml/(cm2・mi
n)、さらに好ましくは50〜800ml/(cm2・
min)、より好ましくは70〜500ml/(cm2
・min)、特に好ましくは90〜300ml/(cm
2・min)が好ましい。有孔度とは、芯部に用いるも
のを約20mm×20mmのにカットし、測定面積が
1.0cm2である円形の穴を開けた測定冶具に固定す
る。120mmHgの水圧(37℃)を負荷して、流水
開始後30〜90秒の1分間に、漏れ出た水量の容積で
ある。
孔度は、好ましくは1〜1000ml/(cm2・mi
n)、さらに好ましくは50〜800ml/(cm2・
min)、より好ましくは70〜500ml/(cm2
・min)、特に好ましくは90〜300ml/(cm
2・min)が好ましい。有孔度とは、芯部に用いるも
のを約20mm×20mmのにカットし、測定面積が
1.0cm2である円形の穴を開けた測定冶具に固定す
る。120mmHgの水圧(37℃)を負荷して、流水
開始後30〜90秒の1分間に、漏れ出た水量の容積で
ある。
【0027】医療用パッチの厚みは、12〜500μm
の範囲、さらに好ましくは100〜300μmの範囲、
特に100〜250μmの範囲が好ましい。
の範囲、さらに好ましくは100〜300μmの範囲、
特に100〜250μmの範囲が好ましい。
【0028】芯部、ポリウレタン層及び/又は医療用パ
ッチは、ヘパリン、コラーゲン、アセチルサリチル酸、
ゼラチンなどの公知の抗血栓性材料で被覆処理されてい
るものを用いることが出来る。
ッチは、ヘパリン、コラーゲン、アセチルサリチル酸、
ゼラチンなどの公知の抗血栓性材料で被覆処理されてい
るものを用いることが出来る。
【0029】医療用パッチ又は芯部は、容易に曲げるこ
とができ、柔軟性に優れていることが好まし。本発明の
医療用パッチは、ナイフや鋏を用いて、特定形状にカッ
トすることができる。
とができ、柔軟性に優れていることが好まし。本発明の
医療用パッチは、ナイフや鋏を用いて、特定形状にカッ
トすることができる。
【0030】本発明の医療用パッチは、芯部と該芯部の
両面にポリウレタン層を有する少なくとも3層の医療用
パッチであり、 ポリウレタン層、芯部及びポリウレタン層との少なく
とも3層を積層する、 フィルム状のポリウレタン層と芯部との少なくとも2
層を融着や接着などにより積層したもの及び、 ウレタン系ポリマーを溶媒に溶解させたポリウレタン
溶液を、芯部の片面又は両面に、塗布、含浸、浸漬又は
吹き付けなどの方法により、芯部に含浸、被覆又は付着
させた後、乾燥及び/又は凝固させたもの、 等から選択される方法より製造することが出来る。本発
明の医療用パッチは、芯部とポリウレタン層とが部分的
に密着しているもの又は部分的に張り合されているもの
を含む。
両面にポリウレタン層を有する少なくとも3層の医療用
パッチであり、 ポリウレタン層、芯部及びポリウレタン層との少なく
とも3層を積層する、 フィルム状のポリウレタン層と芯部との少なくとも2
層を融着や接着などにより積層したもの及び、 ウレタン系ポリマーを溶媒に溶解させたポリウレタン
溶液を、芯部の片面又は両面に、塗布、含浸、浸漬又は
吹き付けなどの方法により、芯部に含浸、被覆又は付着
させた後、乾燥及び/又は凝固させたもの、 等から選択される方法より製造することが出来る。本発
明の医療用パッチは、芯部とポリウレタン層とが部分的
に密着しているもの又は部分的に張り合されているもの
を含む。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明する。但し、本発明は下記実施例により制限される
ものでない。
説明する。但し、本発明は下記実施例により制限される
ものでない。
【0032】・収縮率測定方法
長さ5cm×幅2cmの大きさの芯部を高圧蒸気滅菌器
を用いて121℃、20分間、加熱処理を行い、加熱前
後での試料の長さを測定する。式1に従い、収縮率
(%)を算出する。測定は、温度23℃、湿度60%の
恒温室で行った。
を用いて121℃、20分間、加熱処理を行い、加熱前
後での試料の長さを測定する。式1に従い、収縮率
(%)を算出する。測定は、温度23℃、湿度60%の
恒温室で行った。
【数1】
【0033】・伸長率測定方法
長さ10cm×幅2cmの大きさの芯部を長さ方向の上
下をチャックで挟み、チャック間を4cmとし、チャッ
ク下部に5kgの加重をかけ、1分後の伸びを測定す
る。式2に従い、伸長率(%)を算出する。測定は、温
度23℃、湿度65%の恒温室で行った。
下をチャックで挟み、チャック間を4cmとし、チャッ
ク下部に5kgの加重をかけ、1分後の伸びを測定す
る。式2に従い、伸長率(%)を算出する。測定は、温
度23℃、湿度65%の恒温室で行った。
【数2】
【0034】[実施例1]ポリカーボネートウレタン
[商品名:Bionate PCU、The Poly
mer Technology Group社製]を
N,N−ジメチルホムアミドに溶解して、固形7重量%
の溶液を調整した。有孔度100ccのポリエステル平
織り織布(厚み:140μm、収縮率:0.9%、伸長
率:1.0%)を、中心部を10×10cm角で切り抜
いた厚さ0.2mmのステンレス板2枚に挟み、上記固
形分7重量%の溶液に漬け、その後溶液を含浸したポリ
エステル平織り織布を挟んだ2枚のステンレス板をロー
ラー間隔を0.5mmに調整したローラーに通し、余分
な溶液を除去した後、直ちに20℃の水浴に浸漬した。
その後エチルアルコールで十分に洗浄した後、22℃で
乾燥し、厚み220μmの3層構造の多層フィルムを得
た。多層フィルムは容易に曲げることが出来、柔軟性に
優れていた。体重15kgの雑種成犬を用い、右心室を
覆う生体心膜を剥し、ここに上記の多層フィルムを約8
×8cmにカットして、生体心膜を剥した部分を覆い、
右心室の生体心膜と縫合した。埋植2ヶ月後、開胸し右
心室を覆う多層フィルムを肉眼観察したところ、多層フ
ィルムは収縮伸長していないことが観察できた。さら
に、多層フィルムを右心室より剥したところ、組織との
癒着は認められず容易に剥すことができた。ポリエステ
ル平織り織布は、1.0デニールのポリエチレンテレフ
タレート製モノフィラメントを多数本撚糸した50デニ
ールの繊維を用いて、平織りしたものである。多層フィ
ルムの断面の走査型電子顕微鏡写真を図1に、表面の走
査型電子顕微鏡写真を図2に示す。図1より、ポリウレ
タン層は多孔性層と認められる。図1より、多層フィル
ムのポリウレタン層の表面の孔は、部分的又は完全にポ
リウレタン層を連通していないことが観察できる。図2
より、多層フィルムの表面には、孔径7μm以下の孔が
多数認められる。
[商品名:Bionate PCU、The Poly
mer Technology Group社製]を
N,N−ジメチルホムアミドに溶解して、固形7重量%
の溶液を調整した。有孔度100ccのポリエステル平
織り織布(厚み:140μm、収縮率:0.9%、伸長
率:1.0%)を、中心部を10×10cm角で切り抜
いた厚さ0.2mmのステンレス板2枚に挟み、上記固
形分7重量%の溶液に漬け、その後溶液を含浸したポリ
エステル平織り織布を挟んだ2枚のステンレス板をロー
ラー間隔を0.5mmに調整したローラーに通し、余分
な溶液を除去した後、直ちに20℃の水浴に浸漬した。
その後エチルアルコールで十分に洗浄した後、22℃で
乾燥し、厚み220μmの3層構造の多層フィルムを得
た。多層フィルムは容易に曲げることが出来、柔軟性に
優れていた。体重15kgの雑種成犬を用い、右心室を
覆う生体心膜を剥し、ここに上記の多層フィルムを約8
×8cmにカットして、生体心膜を剥した部分を覆い、
右心室の生体心膜と縫合した。埋植2ヶ月後、開胸し右
心室を覆う多層フィルムを肉眼観察したところ、多層フ
ィルムは収縮伸長していないことが観察できた。さら
に、多層フィルムを右心室より剥したところ、組織との
癒着は認められず容易に剥すことができた。ポリエステ
ル平織り織布は、1.0デニールのポリエチレンテレフ
タレート製モノフィラメントを多数本撚糸した50デニ
ールの繊維を用いて、平織りしたものである。多層フィ
ルムの断面の走査型電子顕微鏡写真を図1に、表面の走
査型電子顕微鏡写真を図2に示す。図1より、ポリウレ
タン層は多孔性層と認められる。図1より、多層フィル
ムのポリウレタン層の表面の孔は、部分的又は完全にポ
リウレタン層を連通していないことが観察できる。図2
より、多層フィルムの表面には、孔径7μm以下の孔が
多数認められる。
【0035】さらに、実施例1で得られた多層フィルム
に、鉗子を用いて医療用縫合糸[商品名:4−0プロリ
ーン、ETHICON社製]を通した時の針穴を図5に
示す。図5より、針穴は、鉗子の径より縮小しているこ
とが確認できた。
に、鉗子を用いて医療用縫合糸[商品名:4−0プロリ
ーン、ETHICON社製]を通した時の針穴を図5に
示す。図5より、針穴は、鉗子の径より縮小しているこ
とが確認できた。
【0036】[実施例2]シリコーンポリカーボネート
ウレタン[商品名:Carbosil−10、The
Polymer Technology Group社
製]をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解して、固形
分10重量%の溶液を調整した。有孔度100ccのポ
リエステル平織り織布(厚み:140μm、収縮率:
0.9%、伸長率:1.0%)を、中心部を10×10
cm角で切り抜いた厚さ0.2mmのステンレス板2枚
に挟み、上記固形分7重量%の溶液に漬け、その後溶液
を含浸したポリエステル平織り織布を挟んだ2枚のステ
ンレス板をローラー間隔を0.5mmに調整したローラ
ーに通し、余分な溶液を除去した後、直ちに20℃の水
浴に浸漬した。その後エチルアルコールで十分に洗浄し
た後、22℃で乾燥し、厚み240μmの3層構造の多
層フィルムを得た。多層フィルムは容易に曲げることが
出来、柔軟性に優れていた。体重15kgの雑種成犬を
用い、腹部の皮下に約2×3cmの大きさの上記多層フ
ィルムを埋植した。埋植2ヶ月後、多層フィルムを埋植
部位から取り出す時、肉眼観察したところ、埋植した多
層フィルムは収縮伸長が認められず、組織との癒着が認
められず容易に剥すことができた。ポリエステル平織り
織布は、1.0デニールのポリエチレンテレフタレート
製モノフィラメントを多数本撚糸した50デニールの繊
維を用いて、平織りしたものである。多層フィルムの断
面の走査型電子顕微鏡写真を図3に、表面の走査型電子
顕微鏡写真を図4に示す。図3より、ポリウレタン層は
多孔性層と認められる。図3より、多層フィルムのポリ
ウレタン層の表面の孔は、部分的又は完全にポリウレタ
ン層を連通していないことが観察できる。図4より、多
層フィルムの表面には、孔径2μm以下の孔が多数認め
られる。
ウレタン[商品名:Carbosil−10、The
Polymer Technology Group社
製]をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解して、固形
分10重量%の溶液を調整した。有孔度100ccのポ
リエステル平織り織布(厚み:140μm、収縮率:
0.9%、伸長率:1.0%)を、中心部を10×10
cm角で切り抜いた厚さ0.2mmのステンレス板2枚
に挟み、上記固形分7重量%の溶液に漬け、その後溶液
を含浸したポリエステル平織り織布を挟んだ2枚のステ
ンレス板をローラー間隔を0.5mmに調整したローラ
ーに通し、余分な溶液を除去した後、直ちに20℃の水
浴に浸漬した。その後エチルアルコールで十分に洗浄し
た後、22℃で乾燥し、厚み240μmの3層構造の多
層フィルムを得た。多層フィルムは容易に曲げることが
出来、柔軟性に優れていた。体重15kgの雑種成犬を
用い、腹部の皮下に約2×3cmの大きさの上記多層フ
ィルムを埋植した。埋植2ヶ月後、多層フィルムを埋植
部位から取り出す時、肉眼観察したところ、埋植した多
層フィルムは収縮伸長が認められず、組織との癒着が認
められず容易に剥すことができた。ポリエステル平織り
織布は、1.0デニールのポリエチレンテレフタレート
製モノフィラメントを多数本撚糸した50デニールの繊
維を用いて、平織りしたものである。多層フィルムの断
面の走査型電子顕微鏡写真を図3に、表面の走査型電子
顕微鏡写真を図4に示す。図3より、ポリウレタン層は
多孔性層と認められる。図3より、多層フィルムのポリ
ウレタン層の表面の孔は、部分的又は完全にポリウレタ
ン層を連通していないことが観察できる。図4より、多
層フィルムの表面には、孔径2μm以下の孔が多数認め
られる。
【0037】
【発明の効果】そのため、本発明は、患部の切除および
損傷部位の修復等を行うことが可能で、特に心膜、胸
膜、横隔膜、腹膜などを補修する用途として用いること
が出来、心膜、胸膜、横隔膜、腹膜などとの癒着防止性
を有し、十分な縫合強度を有し、縫合による損傷を防止
し、生体適合性に優れ、移植後の収縮伸長などの形状変
化が少ない膜状のパッチ材の提供を目的とするものであ
る。特に、芯部として編織組物を用いた場合、柔軟性に
優れる。
損傷部位の修復等を行うことが可能で、特に心膜、胸
膜、横隔膜、腹膜などを補修する用途として用いること
が出来、心膜、胸膜、横隔膜、腹膜などとの癒着防止性
を有し、十分な縫合強度を有し、縫合による損傷を防止
し、生体適合性に優れ、移植後の収縮伸長などの形状変
化が少ない膜状のパッチ材の提供を目的とするものであ
る。特に、芯部として編織組物を用いた場合、柔軟性に
優れる。
【図1】 本発明の実施例1の多層フィルムの断面の走
査型電子顕微鏡写真である。
査型電子顕微鏡写真である。
【図2】 本発明の実施例1の多層フィルムのポリウレ
タン層表面の走査型電子顕微鏡写真である。
タン層表面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】 本発明の実施例2の多層フィルムの断面の走
査型電子顕微鏡写真である。
査型電子顕微鏡写真である。
【図4】 本発明の実施例2の多層フィルムのポリウレ
タン層表面の走査型電子顕微鏡写真である。
タン層表面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】 本発明の実施例1の多層フィルムに、鉗子を
用いて医療用縫合糸を通した時の針穴である。
用いて医療用縫合糸を通した時の針穴である。
【図6】 フッ素樹脂製の多孔フィルムに、鉗子を用い
て医療用縫合糸を通した時の針穴である。
て医療用縫合糸を通した時の針穴である。
Claims (4)
- 【請求項1】芯部と該芯部の両面にポリウレタン層を有
する少なくとも3層の医療用パッチであって、芯部は0
〜5%の収縮率であり、かつ不織布、編織組物及び樹脂
製フィルムから選択されることを特徴とする医療用パッ
チ。 - 【請求項2】芯部は、0〜5%の伸長率であることを特
徴とする請求項1に記載の医療用パッチ。 - 【請求項3】ポリウレタン層は、孔径20μm以下の表
面を有する層であることを特徴とする請求項1又は請求
項2のいずれか1項に記載の医療用パッチ。 - 【請求項4】芯部は、不織布及び編織組物から選択され
ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
の医療用パッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001323665A JP2003126240A (ja) | 2001-10-22 | 2001-10-22 | 医療用パッチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001323665A JP2003126240A (ja) | 2001-10-22 | 2001-10-22 | 医療用パッチ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003126240A true JP2003126240A (ja) | 2003-05-07 |
Family
ID=19140525
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001323665A Pending JP2003126240A (ja) | 2001-10-22 | 2001-10-22 | 医療用パッチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003126240A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015532845A (ja) * | 2012-09-21 | 2015-11-16 | テクノロヒアス アバンサダス インスピラリア ス.ル.Tecnologias Avanzadas Inspiralia S.L.(25) | 心臓修復パッチの新しいスキャフォールド |
CN109908401A (zh) * | 2019-03-11 | 2019-06-21 | 武汉杨森生物技术有限公司 | 一种促进内皮细胞攀附的人工血管的制作方法及其产品 |
-
2001
- 2001-10-22 JP JP2001323665A patent/JP2003126240A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015532845A (ja) * | 2012-09-21 | 2015-11-16 | テクノロヒアス アバンサダス インスピラリア ス.ル.Tecnologias Avanzadas Inspiralia S.L.(25) | 心臓修復パッチの新しいスキャフォールド |
CN109908401A (zh) * | 2019-03-11 | 2019-06-21 | 武汉杨森生物技术有限公司 | 一种促进内皮细胞攀附的人工血管的制作方法及其产品 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0157178B1 (en) | Artificial vessel and process for preparing the same | |
JP4401165B2 (ja) | 複合ePTFE/繊維プロテーゼ | |
EP1471952B1 (en) | Coated vascular prosthesis and methods of manufacture and use. | |
DE60115712T2 (de) | Beschichtete gefässtransplantate und verwendungsverfahren | |
US6117535A (en) | Biocompatible devices | |
EP0216149A2 (en) | Artificial vessel having excellent patency | |
US20050107868A1 (en) | Scaffold for tissue engineering, artificial blood vessel, cuff, and biological implant covering member | |
JP2016519222A (ja) | コア−シース繊維ならびにそれを作製するための方法およびそれを使用するための方法 | |
US4871361A (en) | Artificial vessel | |
JP2003126240A (ja) | 医療用パッチ | |
JP2004321785A (ja) | 医療用パッチ及びその製造方法 | |
EP0217115B1 (en) | Artificial vessel | |
JP7456104B2 (ja) | 医療用補綴材 | |
JP2553522B2 (ja) | 医療用チユ−ブ及びその製造方法 | |
JPH0262264B2 (ja) | ||
JPH0436020B2 (ja) | ||
JPS63305860A (ja) | 人工血管 | |
JPH0471547B2 (ja) | ||
JPS625354A (ja) | 人工血管 | |
JPH0457345B2 (ja) | ||
JPS63270047A (ja) | 人工血管 | |
JPH0231988B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071204 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080826 |