JP2004321607A - 内視鏡装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バッテリーを使用する内視鏡装置において、バッテリー出力が低下しても記録媒体への記録動作が適切に行われないことがないようにする内視鏡装置を提供する。
【解決手段】バッテリーによって駆動可能な内視鏡装置は、撮像手段による内視鏡画像を記録媒体に記録する画像記録手段と、前記バッテリーのバッテリー出力を検出し、該バッテリー出力が予め設定された第一の基準値と比較して前記第1の基準値以下になると、第1の判定出力を出力する第1の出力検出手段と、前記第1の判定出力に基いて、第1の警告を出力する警告出力手段と、前記第1の判定出力に基いて、前記画像記録手段による前記記録媒体への前記内視鏡画像の記録動作を禁止する画像記録禁止手段とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】バッテリーによって駆動可能な内視鏡装置は、撮像手段による内視鏡画像を記録媒体に記録する画像記録手段と、前記バッテリーのバッテリー出力を検出し、該バッテリー出力が予め設定された第一の基準値と比較して前記第1の基準値以下になると、第1の判定出力を出力する第1の出力検出手段と、前記第1の判定出力に基いて、第1の警告を出力する警告出力手段と、前記第1の判定出力に基いて、前記画像記録手段による前記記録媒体への前記内視鏡画像の記録動作を禁止する画像記録禁止手段とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡装置に関し、特に、バッテリーによって駆動可能な内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内視鏡装置は、医療分野、工業分野等において広く利用されている。ユーザは、内視鏡装置を利用して、人体、機器等の内部にある被写体の観察部位を、固体撮像装置等の撮像手段を用いて撮像し、モニタ装置等に出力し、観察部位の観察をすることができる。さらに、内視鏡装置において、被写体の観察部位の画像を各種記録媒体に記録することができる。そして、内視鏡装置の中には、例えばポータブル内視鏡装置のように、バッテリーで起動されるタイプのものがある。
【0003】
バッテリー駆動の内視鏡装置にバッテリー残量表示装置を設けることによって、ユーザにバッテリーの消耗状態を認識させ、内視鏡装置の使用中に突然バッテリー切れとなり使用不可能とならないようにする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−155787号公報(第3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、内視鏡装置が、内視鏡画像を記録するために記録媒体を使用している場合に、突然バッテリーの電圧が低下すると、記録媒体へのアクセスが適切に行われなくなる虞がある。具体的には、記録媒体へのアクセス処理の実行中にバッテリー消耗状態となり、バッテリーからの出力が低下又は遮断されてしまうと、例えば、記録媒体への内視鏡画像の記録が正常に完了しない虞がある。
【0006】
たとえ、上述したようなバッテリー残量表示装置が設けられていても、内視鏡装置の使用開始後にバッテリーの出力が低下したときに、内視鏡画像が適切に記録されない場合がある。適切に内視鏡画像が記録されなかったときは、例えば画像記録をするために内視鏡検査を再度実施しなくてはならなくなってしまう。再度、内視鏡による検査ができる状況にある場合はよいが、再度内視鏡による検査ができないような場合には、取り返しがつかないという問題が生じる。
【0007】
本発明は、バッテリーを使用する内視鏡装置において、バッテリー出力が低下しても記録媒体への記録動作が適切に行われないことがないようにする内視鏡装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の内視鏡装置は、バッテリーによって駆動可能な内視鏡装置において、
撮像手段による内視鏡画像を記録媒体に記録する画像記録手段と、前記バッテリーのバッテリー出力を検出し、該バッテリー出力が予め設定された第一の基準値と比較して前記第1の基準値以下になると、第1の判定出力を出力する第1の出力検出手段と、前記第1の判定出力に基いて、第1の警告を出力する警告出力手段と、前記第1の判定出力に基いて、前記画像記録手段による前記記録媒体への前記内視鏡画像の記録動作を禁止する画像記録禁止手段とを有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
まず図1に基づき、本実施の形態に係わる内視鏡装置の構成を説明する。図1は、本実施の形態に係わる内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
【0011】
図1に示す内視鏡装置1は、内視鏡挿入部2と、本体部3とを含む。内視鏡挿入部2の先端には、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像装置11と、LED等の照明装置12が設けられている。内視鏡挿入部2は、本体部3と接続されており、ここでは図示しないが、操作部を介して挿入部2と本体部3は接続されていてもよい。
【0012】
内視鏡装置1は、バッテリーによって駆動可能なタイプであり、ここでは、交流(AC)電源を直流(DC)電源に変換するACアダプター13とバッテリー14のいずれかの電源が使用できるように構成されている。
【0013】
内視鏡装置1は、本体部3に設けられた操作手段15をユーザが操作することによって、内視鏡装置1の機能を実行することができる。例えば、撮像装置11からの画像データを、ハードディスク等の記録媒体へ記録させる機能、LEDを点灯させて観察部位を照明する機能等である。なお、操作手段15は、図示しない操作部に設けられていてもよい。操作手段15の入力は、後述するCPUへの割り込み入力となる。
【0014】
本体部3は、自動切換手段16と、メインスイッチ17と、電力遮断手段18と、第1の出力検出手段19と、警告出力手段20と、第2の出力検出手段21と、記録媒体への記録動作を禁止するための動作禁止手段22と、記録媒体への記録操作を制限する操作制限手段23と、メイン回路24を含む。メイン回路24は、負荷回路であり、DC−DCコンバータ25と、中央処理装置(以下、CPUという)26と、画像記録ユニット27と、画像処理ユニット28と、照明用電源29を含む。メイン回路24は、内視鏡装置1の各種機能を実現するための回路部である。
【0015】
画像記録ユニット27はCPUを内部に有し、CPU26からの指示に基いて、画像処理ユニット28からの画像信号をハードディスク等の記録媒体(図示せず)へ記録したり、あるいはその記録媒体に記録された画像情報を読み出しを行う画像記録再生手段である。
【0016】
自動切換手段16は、ACアダプター13とバッテリー14からの入力を自動的に切り換えて、内視鏡装置1のメイン回路24へ供給する。なお、交流電源を整流して直流電源を供給するACアダプター13が接続されているときには、ACアダプター13からの電力が優先的にメインスイッチ17へ供給される。
【0017】
図2は、自動切換手段16の構成を説明するための図である。図2の(a)は、ショットキーバリアダイオードを2つ含む自動切換手段16の構成を示す図である。図2の(b)は、整流用の通常のダイオードを2つ含む自動切換手段16の構成を示す図である。ショットキーバリアダイオードを利用した場合は、通常のダイオードを利用した場合よりも、順方向の電圧降下が少ないというメリットがある。以下の説明は、バッテリー14からの出力がメインスイッチ17へ供給されている場合である。
【0018】
メインスイッチ17は、内視鏡装置1の電源をオン、すなわち内視鏡装置1を起動するためのスイッチである。メインスイッチ17は、シーソータイプのスイッチであり、一旦オンにされると、ユーザによってオフ操作されない限りオンのままの状態である。
【0019】
メインスイッチ17の出力は、第1の出力検出手段19と、第2の出力検出手段21と、電力遮断手段18へ供給されている。電力遮断手段18は、リレーやFET等のスイッチであり、スイッチがオンになっているときは、メインスイッチ17を介するバッテリー出力を、メイン回路24のDC−DCコンバータ25へ供給し、スイッチがオフになっているときは、メインスイッチ17を介するバッテリー出力を、メイン回路24のDC−DCコンバータ25へ供給しない。
【0020】
第1の出力検出手段19は、予め決められた第1の閾値である第1の基準電圧(以下、TH1と略す)を発生する第1の基準電圧発生回路のTH1と、メインスイッチ17を介するバッテリー出力の電圧値(以下、OUTと略す)とを比較する比較回路を含む。第1の出力検出手段19は、OUTが、TH1以下となったときは、警告出力手段20と、動作禁止手段22と、操作制限手段23へ第1の判定出力C1を出力する。
【0021】
警告出力手段20は、第1の判定出力C1を受信すると、図示しない表示装置等に、バッテリーが消耗状態であることを示す警告出力を供給する。警告出力は、例えば、「BATTERY」の表示、LED等のインジケータの点灯、ブザー音出力、「バッテリーが消耗しています」等の言葉を発生する音声出力のための出力である。警告出力手段20が、例えば、文字等の警告表示を行う場合は、図示しないキャラクタージェネレータからの文字出力データを利用して、警告出力メッセージを生成して出力する。
【0022】
動作禁止手段22は、第1の判定出力C1を受信すると、CPU26と、画像記録ユニット27へ出力信号を出力する。CPU26と画像記録ユニット27は、動作禁止手段22からの出力信号を受信すると、記録媒体(図示せず)への画像情報の書込みを禁止する。書込みを禁止するとは、CPU26から画像記録ユニット27への画像記録コマンドの送信禁止と、画像記録ユニット27の画像記録コマンドに無効フラグを立て、記録媒体への画像情報の書込み動作を行わないような状態に画像記録ユニット27をすること、及び記録媒体への画像情報の書込みを行っている場合には、その書込み動作を完了させ、その完了後はCPU26から画像記録ユニット27への画像記録コマンドの送信禁止と、画像記録ユニット27の画像記録コマンドに無効フラグを立て、記録媒体への画像情報の書込み動作を行わないような状態に画像記録ユニット27をすることである。
【0023】
操作制限手段23は、第1の判定出力C1を受信すると、CPU26と、画像記録ユニット27へ出力信号を出力する。CPU26と画像記録ユニット27は、操作制限手段23からの出力信号を受信すると、操作手段15からの記録操作の指示、すなわち、記録媒体(図示せず)への記録指示に関する操作を制限する。記録媒体(図示せず)への記録操作の指示が制限されるとは、ユーザが操作手段15の画像記録ボタンを押しても、その画像記録ボタンに基いて、CPU26が画像記録ユニット27への記録コマンドを出力しないようにする、及び画像記録ユニット27がその記録コマンドを実行しないように制限することを意味する。具体的には、操作手段15の画像記録ボタンに対応するCPU26への割り込み入力を禁止状態にする。
【0024】
以上の動作は、動作禁止手段22、操作禁止手段23及び警告出力手段20をハードウエア回路で実現してもよいが、ソフトウエアプログラムによって実現してもよい。
【0025】
図10は、動作禁止手段22、操作禁止手段23及び警告出力手段20をソフトウエアで実現した場合に、実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0026】
まず、画像記録ユニット27の画像記録コマンドを初期化、すなわち有効化する(ステップ(以下、Sと略す)1)。第1の出力検出回路19から判定出力C1がでているか否かを判断する(S2)。第1の出力検出回路19から判定出力C1がでている場合は、S2でYESとなり、画像記録コマンドは有効であるかが判断される(S3)。画像記録コマンドが有効であれば、S3でYESとなって、警告表示を行う(S4)。画像記録コマンドが有効でなければ、S3でNOとなって、処理はS2へ戻る。警告表示(S4)の後、CPU26からの画像記録ユニット27への画像記録コマンドの送信を禁止とする(S5)。そして、操作手段15からのCPU26への画像記録指示の受信を禁止する(S6)。画像書込み中か否かを判断し(S7)、画像書込み中は、S7でYESとなって、処理は待ちの状態となる。画像書込み中でなければ、S7でNOとなって、処理は、画像記録ユニット27の画像記録コマンドに無効フラグを立てる(S8)。
【0027】
また、S2でNOの場合は、画像記録コマンドが有効か否かを判断し(S9)、画像記録コマンドが有効であれば、S9でYESとなって、処理はS2へ戻る。画像記録コマンドが有効でなければ、S9でNOとなって、画像記録コマンドに有効フラグを立て(S10)、操作手段15からのCPU26への画像記録指示の受信禁止を解除する(S11)。
【0028】
そして、CPU26からの画像記録ユニット27への画像記録コマンドの送信禁止を解除し(S13)、警告表示を解除する(S13)。
【0029】
以上のような処理を、図示しないCPUに実行させることによって、判定出力C1に対して、動作禁止手段22、操作禁止手段23及び警告出力手段20の機能を実現することができる。
【0030】
第2の出力検出手段21は、予め決められた第2の閾値である第2の基準電圧(以下、TH2と略す)を発生する第2の基準電圧発生回路のTH2と、OUTとを比較する比較回路を含む。第2の出力検出手段21は、OUTが、TH2以下となったときは、電力遮断手段18へ、第2の判定出力C2を出力する。
【0031】
図3は、第1の基準値であるTH1と、第2の基準値であるTH2の関係を説明するための図である。TH1は、TH2よりも高く設定される。内視鏡装置がバッテリー駆動されている場合に、OUTが、TH1以下になった時点t1で、第1の出力検出手段19は、第1の判定出力C1を出力する。時点t1後、内視鏡装置1の使用を続けると、OUTがさらに低下する。OUTが、TH2以下になった時点t2で、第2の出力検出手段21は、第2の判定出力C2を出力する。第2の判定出力C2が出力されると、後述するように、メイン回路24への電力供給をストップすることによって、バッテリー14の寿命に大きく影響を与える過放電状態を防ぐことができる。
【0032】
第2の判定出力C2が出力された場合に電力を遮断する処理は、ハードウエア回路で実現してもよいが、ソフトウエアで実現してもよい。まず、図11を用いてソフトウエアで実現する場合を説明する。
【0033】
図11は、第2の判定出力C2が出力された場合に実行される処理の流れの例を示すフローチャートである。まず、第2の判定出力C2が出力されたか否かを判断し(S11)、第2の判定出力C2が出力されていないときは、S11でNOとなって、処理は何もしない。第2の判定出力C2が出力されたときは、S11でYESとなって、電力遮断を行う(S12)。具体的には、電力遮断手段18に対して電力を遮断するためのコマンドを送信する。次にハードウエア回路で実現する場合について説明する。
【0034】
図4は、過放電防止回路である第2の出力検出手段21の構成を示すブロック図である。図4において、31は、第2の基準値であるTH2に対応した電圧を発生する電圧発生回路であり、32は、遅延回路である。33は、コンパレータであり、34は、制限回路である。35、36、37と38は、抵抗器である。コンパレータ33の第1の入力端には、抵抗器35と36によって、OUTを分圧した電圧が入力される。コンパレータ33の第2の入力端には、遅延回路32の出力が入力される。コンパレータ33は、第1の入力端の電圧が、第2の入力端の電圧以下になると、HIGHの信号を出力するが、第1の入力端の電圧が、第2の入力端の電圧以下になっていないとき、LOWの信号を出力している。さらに、コンパレータ33は、正帰還抵抗である37を有し、コンパレータ33の出力は、OUTを抵抗器38を介して加算されることによって、ヒステリシス特性を有している。
【0035】
制限回路34は、HIGH信号を受信すると、電力遮断手段18へ第2の判定出力を供給し、電力遮断手段18をオフにする。その結果、電力遮断手段18は、メイン回路24のDC−DCコンバータ25へ、メインスイッチ17の出力の供給を停止する。
【0036】
コンパレータ33の出力は、抵抗器37を介して正帰還されており、その結果、コンパレータ33は、ヒステリシスを有するコンパレータを形成している。よって、一旦、HIGHの信号が出力されると、第2の入力端の電圧は上昇し、コンパレータ33は、第1の入力端の電圧が、第3の閾値である第3の基準電圧(以下、TH3と略す)を超えない限り、コンパレータ33の出力はLOWにならない。コンパレータ33の出力がLOWにならないということは、電力遮断手段18は、オンとならないので、メイン回路24は、動作しない。
【0037】
図5は、第1の基準値であるTH1と、第2の基準値であるTH2と、第3の基準値であるTH3の関係を説明するための図である。内視鏡装置1がバッテリー駆動されていて、OUTが、TH1以下になった時点t11において、上述したように、警告出力と、記録媒体への記録動作が禁止され、さらに、内視鏡操作部からの記録指示に応じて記録媒体への記録動作を行うことができないように記録操作が制限、すなわち無効となる。さらにOUTが下がって、時点t12でTH2以下になったことが検出されると、時点t13で電力遮断手段18はオフにされる。よって、図5において、R1で示す期間は、電力遮断手段18はオン(接続)状態であり、R2で示す期間は、電力遮断手段18はオフ(開放)状態である。
【0038】
バッテリー14はその特性から、一旦使用が止められると、バッテリー出力の電圧が上昇するという現象がある。その結果、一旦TH2以下になって、電力遮断しても、その後出力電圧が上昇して時点t14でTH2以上になって、電力を供給してしまうことになる。しかし、バッテリー14のOUTは、既に一旦電圧が低下しているため、メイン回路24に電源を供給を開始しても直ぐにまた、OUTが第2のTH2以下になってしまう。その結果、電力遮断手段18がオンオフを繰り返す、いわゆるチャタリング現象が発生し、バッテリーが過放電することになる。バッテリーは、過放電をすると、消耗し、その性能が著しく低下する。
【0039】
よって、図5に示すように、一旦t13で、電力遮断手段18がオフとなったら、コンパレータ33は、OUTが、バッテリーの定格出力よりも高い、TH3以上にならない限り、LOWの信号を出力しないようにして、バッテリーの過放電を防止している。具体的には、コンパレータ33のヒステリシス特性による高い基準値の電圧であるTH3を、バッテリー14の最大電圧以上に設定する。その結果、OUTが上昇しても、コンパレータ33の出力が反転してLOWとなって電力遮断手段18をオンにすることがない。
【0040】
また、遅延回路32は、TH2の電圧レベルを遅延させているが、もし遅延回路32がない状態でバッテリー14からOUTがメイン回路24に供給されると、メインスイッチ17のオン直後、瞬間的にメイン回路24内の各種コンデンサ成分(図示せず)に電力を蓄積するために多くの電流が流れる。その結果、バッテリー14の内部抵抗で電圧低下が生じ、バッテリー14からのOUTが低下する(後述する、図7のt22及び図9のt32の時点参照)。
【0041】
メインスイッチ17のオン直後に、OUTが、TH2よりも低くなると、コンパレータ33は、制御回路34を駆動させ、制御回路34からは電力遮断手段18に制御信号を送り、電力遮断手段10はバッテリー1とメイン回路12とを未接続(開放)させてしまい、バッテリー消耗状態と同じ状態に陥ることとなる。そこで、遅延回路32を用いてTH2の電圧レベルを遅延させることによって、メイン回路24へのOUTの供給直後にコンパレータ33が誤った出力信号を制御回路34に送らないようにしている。
【0042】
図6は、遅延回路32の構成例を示す回路図である。遅延回路32は、所定の時間が経過した後に、TH2の電圧を出力させるようにする回路である。図6の回路は、抵抗器41とコンデンサ42からなる時定数回路である。図7は、図6の回路の出力の状態を説明するための図である。
【0043】
図7に示すように、メインスイッチ17をオンしたt21時点から徐々に遅延回路32の出力電圧は上昇し、所定時間経過したt23時点でTH2の電圧になるので、バッテリー電圧が電源をオンした直後に一時的に低下して、TH2以下になっても、t22時点でコンパレータ33の出力はHIGHにならない。具体的には、ラッシュ電流により最も電圧低下するt22の時点において、遅延回路32からの出力電圧がOUTよりも低くなるように、遅延回路32からの出力電圧は、徐々に上昇する。
【0044】
同様に、図8は、遅延回路32の他の構成例を示す回路図である。図9は、図8の回路出力の状態を説明するための図である。図8の回路は、いわゆるリセットICであり、メインスイッチ17をオンしたt31時点から所定時間経過した後のt33において、遅延回路32はTH2の電圧出力を出すので、バッテリー電圧が電源をオンした直後に一時的に低下して、TH2以下になっても、t32時点でコンパレータ33の出力はHIGHにならないように、遅延回路32の出力は、t33時点まで出ない。
【0045】
以上のように、上述した本実施の形態によれば、バッテリーを使用する内視鏡装置において、バッテリー出力が低下しても記録媒体への記録動作が適切に行われないことがないようにする内視鏡装置を実現することができる。
【0046】
特に、第1の出力検出手段は、バッテリーのバッテリー出力を検出し、バッテリー出力が予め設定された第一の基準値と比較して前記第1の基準値以下になると、第1の判定出力を出力する。警告出力手段は、第1の判定出力に基いて、第1の警告を出力し、画像記録禁止手段は、第1の判定出力に基いて、画像記録手段による記録媒体への内視鏡画像の記録動作を禁止し、さらに、画像記録操作制限手段は、第1の判定出力に基いて、内視鏡操作部からの記録媒体への内視鏡画像の記録操作を制限する。
【0047】
さらに、バッテリー過放電防止回路である第2の出力検出手段21はヒステリシス特性を有しているので、バッテリー14が消耗して、電力遮断手段18をオフにしてバッテリー14の放電を停止した後に、バッテリーの内部インピーダンスに起因したOUTが上昇し、再びバッテリー14からの放電が開始されるといった、いわゆるオン/オフ繰返しのチャタリング現象を防いでいる。さらに、第2の出力検出手段21には、負荷回路への起動直後のラッシュ電流により発生するバッテリー電圧低下をバッテリー消耗状態と誤検知しないようにするために、バッテリー14の出力OUTと比較するための、第二の基準値TH2の出力を遅延回路32を用いて立上り電圧を遅延させている。
【0048】
なお、上述したように、上述した各種手段は、ハードウエア回路で実現してもよいし、ソフトウエアプログラムによって実現してもよい。
【0049】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、バッテリーを使用する内視鏡装置において、バッテリー出力が低下しても記録媒体への記録動作が適切に行われないことがないようにする内視鏡装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
【図2】自動切換手段の構成を説明するための図である。
【図3】第1の基準値であるTH1と、第2の基準値であるTH2の関係を説明するための図である。
【図4】過放電防止回路である第2の出力検出手段の構成を示すブロック図である。
【図5】第1の基準値であるTH1と、第2の基準値であるTH2と、第3の基準値であるTH3の関係を説明するための図である。
【図6】遅延回路の構成例を示す回路図である。
【図7】図6の回路の出力の状態を説明するための図である。
【図8】遅延回路の他の構成例を示す回路図である。
【図9】図8の回路出力の状態を説明するための図である。
【図10】動作禁止手段、操作禁止手段及び警告出力手段をソフトウエアで実現した場合に、実行される処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図11】第2の判定出力C2が出力された場合に実行される処理の流れの例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・内視鏡装置、2・・・挿入部、3・・・本体部、24・・・メイン回路代理人
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡装置に関し、特に、バッテリーによって駆動可能な内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内視鏡装置は、医療分野、工業分野等において広く利用されている。ユーザは、内視鏡装置を利用して、人体、機器等の内部にある被写体の観察部位を、固体撮像装置等の撮像手段を用いて撮像し、モニタ装置等に出力し、観察部位の観察をすることができる。さらに、内視鏡装置において、被写体の観察部位の画像を各種記録媒体に記録することができる。そして、内視鏡装置の中には、例えばポータブル内視鏡装置のように、バッテリーで起動されるタイプのものがある。
【0003】
バッテリー駆動の内視鏡装置にバッテリー残量表示装置を設けることによって、ユーザにバッテリーの消耗状態を認識させ、内視鏡装置の使用中に突然バッテリー切れとなり使用不可能とならないようにする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−155787号公報(第3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、内視鏡装置が、内視鏡画像を記録するために記録媒体を使用している場合に、突然バッテリーの電圧が低下すると、記録媒体へのアクセスが適切に行われなくなる虞がある。具体的には、記録媒体へのアクセス処理の実行中にバッテリー消耗状態となり、バッテリーからの出力が低下又は遮断されてしまうと、例えば、記録媒体への内視鏡画像の記録が正常に完了しない虞がある。
【0006】
たとえ、上述したようなバッテリー残量表示装置が設けられていても、内視鏡装置の使用開始後にバッテリーの出力が低下したときに、内視鏡画像が適切に記録されない場合がある。適切に内視鏡画像が記録されなかったときは、例えば画像記録をするために内視鏡検査を再度実施しなくてはならなくなってしまう。再度、内視鏡による検査ができる状況にある場合はよいが、再度内視鏡による検査ができないような場合には、取り返しがつかないという問題が生じる。
【0007】
本発明は、バッテリーを使用する内視鏡装置において、バッテリー出力が低下しても記録媒体への記録動作が適切に行われないことがないようにする内視鏡装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の内視鏡装置は、バッテリーによって駆動可能な内視鏡装置において、
撮像手段による内視鏡画像を記録媒体に記録する画像記録手段と、前記バッテリーのバッテリー出力を検出し、該バッテリー出力が予め設定された第一の基準値と比較して前記第1の基準値以下になると、第1の判定出力を出力する第1の出力検出手段と、前記第1の判定出力に基いて、第1の警告を出力する警告出力手段と、前記第1の判定出力に基いて、前記画像記録手段による前記記録媒体への前記内視鏡画像の記録動作を禁止する画像記録禁止手段とを有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
まず図1に基づき、本実施の形態に係わる内視鏡装置の構成を説明する。図1は、本実施の形態に係わる内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
【0011】
図1に示す内視鏡装置1は、内視鏡挿入部2と、本体部3とを含む。内視鏡挿入部2の先端には、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像装置11と、LED等の照明装置12が設けられている。内視鏡挿入部2は、本体部3と接続されており、ここでは図示しないが、操作部を介して挿入部2と本体部3は接続されていてもよい。
【0012】
内視鏡装置1は、バッテリーによって駆動可能なタイプであり、ここでは、交流(AC)電源を直流(DC)電源に変換するACアダプター13とバッテリー14のいずれかの電源が使用できるように構成されている。
【0013】
内視鏡装置1は、本体部3に設けられた操作手段15をユーザが操作することによって、内視鏡装置1の機能を実行することができる。例えば、撮像装置11からの画像データを、ハードディスク等の記録媒体へ記録させる機能、LEDを点灯させて観察部位を照明する機能等である。なお、操作手段15は、図示しない操作部に設けられていてもよい。操作手段15の入力は、後述するCPUへの割り込み入力となる。
【0014】
本体部3は、自動切換手段16と、メインスイッチ17と、電力遮断手段18と、第1の出力検出手段19と、警告出力手段20と、第2の出力検出手段21と、記録媒体への記録動作を禁止するための動作禁止手段22と、記録媒体への記録操作を制限する操作制限手段23と、メイン回路24を含む。メイン回路24は、負荷回路であり、DC−DCコンバータ25と、中央処理装置(以下、CPUという)26と、画像記録ユニット27と、画像処理ユニット28と、照明用電源29を含む。メイン回路24は、内視鏡装置1の各種機能を実現するための回路部である。
【0015】
画像記録ユニット27はCPUを内部に有し、CPU26からの指示に基いて、画像処理ユニット28からの画像信号をハードディスク等の記録媒体(図示せず)へ記録したり、あるいはその記録媒体に記録された画像情報を読み出しを行う画像記録再生手段である。
【0016】
自動切換手段16は、ACアダプター13とバッテリー14からの入力を自動的に切り換えて、内視鏡装置1のメイン回路24へ供給する。なお、交流電源を整流して直流電源を供給するACアダプター13が接続されているときには、ACアダプター13からの電力が優先的にメインスイッチ17へ供給される。
【0017】
図2は、自動切換手段16の構成を説明するための図である。図2の(a)は、ショットキーバリアダイオードを2つ含む自動切換手段16の構成を示す図である。図2の(b)は、整流用の通常のダイオードを2つ含む自動切換手段16の構成を示す図である。ショットキーバリアダイオードを利用した場合は、通常のダイオードを利用した場合よりも、順方向の電圧降下が少ないというメリットがある。以下の説明は、バッテリー14からの出力がメインスイッチ17へ供給されている場合である。
【0018】
メインスイッチ17は、内視鏡装置1の電源をオン、すなわち内視鏡装置1を起動するためのスイッチである。メインスイッチ17は、シーソータイプのスイッチであり、一旦オンにされると、ユーザによってオフ操作されない限りオンのままの状態である。
【0019】
メインスイッチ17の出力は、第1の出力検出手段19と、第2の出力検出手段21と、電力遮断手段18へ供給されている。電力遮断手段18は、リレーやFET等のスイッチであり、スイッチがオンになっているときは、メインスイッチ17を介するバッテリー出力を、メイン回路24のDC−DCコンバータ25へ供給し、スイッチがオフになっているときは、メインスイッチ17を介するバッテリー出力を、メイン回路24のDC−DCコンバータ25へ供給しない。
【0020】
第1の出力検出手段19は、予め決められた第1の閾値である第1の基準電圧(以下、TH1と略す)を発生する第1の基準電圧発生回路のTH1と、メインスイッチ17を介するバッテリー出力の電圧値(以下、OUTと略す)とを比較する比較回路を含む。第1の出力検出手段19は、OUTが、TH1以下となったときは、警告出力手段20と、動作禁止手段22と、操作制限手段23へ第1の判定出力C1を出力する。
【0021】
警告出力手段20は、第1の判定出力C1を受信すると、図示しない表示装置等に、バッテリーが消耗状態であることを示す警告出力を供給する。警告出力は、例えば、「BATTERY」の表示、LED等のインジケータの点灯、ブザー音出力、「バッテリーが消耗しています」等の言葉を発生する音声出力のための出力である。警告出力手段20が、例えば、文字等の警告表示を行う場合は、図示しないキャラクタージェネレータからの文字出力データを利用して、警告出力メッセージを生成して出力する。
【0022】
動作禁止手段22は、第1の判定出力C1を受信すると、CPU26と、画像記録ユニット27へ出力信号を出力する。CPU26と画像記録ユニット27は、動作禁止手段22からの出力信号を受信すると、記録媒体(図示せず)への画像情報の書込みを禁止する。書込みを禁止するとは、CPU26から画像記録ユニット27への画像記録コマンドの送信禁止と、画像記録ユニット27の画像記録コマンドに無効フラグを立て、記録媒体への画像情報の書込み動作を行わないような状態に画像記録ユニット27をすること、及び記録媒体への画像情報の書込みを行っている場合には、その書込み動作を完了させ、その完了後はCPU26から画像記録ユニット27への画像記録コマンドの送信禁止と、画像記録ユニット27の画像記録コマンドに無効フラグを立て、記録媒体への画像情報の書込み動作を行わないような状態に画像記録ユニット27をすることである。
【0023】
操作制限手段23は、第1の判定出力C1を受信すると、CPU26と、画像記録ユニット27へ出力信号を出力する。CPU26と画像記録ユニット27は、操作制限手段23からの出力信号を受信すると、操作手段15からの記録操作の指示、すなわち、記録媒体(図示せず)への記録指示に関する操作を制限する。記録媒体(図示せず)への記録操作の指示が制限されるとは、ユーザが操作手段15の画像記録ボタンを押しても、その画像記録ボタンに基いて、CPU26が画像記録ユニット27への記録コマンドを出力しないようにする、及び画像記録ユニット27がその記録コマンドを実行しないように制限することを意味する。具体的には、操作手段15の画像記録ボタンに対応するCPU26への割り込み入力を禁止状態にする。
【0024】
以上の動作は、動作禁止手段22、操作禁止手段23及び警告出力手段20をハードウエア回路で実現してもよいが、ソフトウエアプログラムによって実現してもよい。
【0025】
図10は、動作禁止手段22、操作禁止手段23及び警告出力手段20をソフトウエアで実現した場合に、実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0026】
まず、画像記録ユニット27の画像記録コマンドを初期化、すなわち有効化する(ステップ(以下、Sと略す)1)。第1の出力検出回路19から判定出力C1がでているか否かを判断する(S2)。第1の出力検出回路19から判定出力C1がでている場合は、S2でYESとなり、画像記録コマンドは有効であるかが判断される(S3)。画像記録コマンドが有効であれば、S3でYESとなって、警告表示を行う(S4)。画像記録コマンドが有効でなければ、S3でNOとなって、処理はS2へ戻る。警告表示(S4)の後、CPU26からの画像記録ユニット27への画像記録コマンドの送信を禁止とする(S5)。そして、操作手段15からのCPU26への画像記録指示の受信を禁止する(S6)。画像書込み中か否かを判断し(S7)、画像書込み中は、S7でYESとなって、処理は待ちの状態となる。画像書込み中でなければ、S7でNOとなって、処理は、画像記録ユニット27の画像記録コマンドに無効フラグを立てる(S8)。
【0027】
また、S2でNOの場合は、画像記録コマンドが有効か否かを判断し(S9)、画像記録コマンドが有効であれば、S9でYESとなって、処理はS2へ戻る。画像記録コマンドが有効でなければ、S9でNOとなって、画像記録コマンドに有効フラグを立て(S10)、操作手段15からのCPU26への画像記録指示の受信禁止を解除する(S11)。
【0028】
そして、CPU26からの画像記録ユニット27への画像記録コマンドの送信禁止を解除し(S13)、警告表示を解除する(S13)。
【0029】
以上のような処理を、図示しないCPUに実行させることによって、判定出力C1に対して、動作禁止手段22、操作禁止手段23及び警告出力手段20の機能を実現することができる。
【0030】
第2の出力検出手段21は、予め決められた第2の閾値である第2の基準電圧(以下、TH2と略す)を発生する第2の基準電圧発生回路のTH2と、OUTとを比較する比較回路を含む。第2の出力検出手段21は、OUTが、TH2以下となったときは、電力遮断手段18へ、第2の判定出力C2を出力する。
【0031】
図3は、第1の基準値であるTH1と、第2の基準値であるTH2の関係を説明するための図である。TH1は、TH2よりも高く設定される。内視鏡装置がバッテリー駆動されている場合に、OUTが、TH1以下になった時点t1で、第1の出力検出手段19は、第1の判定出力C1を出力する。時点t1後、内視鏡装置1の使用を続けると、OUTがさらに低下する。OUTが、TH2以下になった時点t2で、第2の出力検出手段21は、第2の判定出力C2を出力する。第2の判定出力C2が出力されると、後述するように、メイン回路24への電力供給をストップすることによって、バッテリー14の寿命に大きく影響を与える過放電状態を防ぐことができる。
【0032】
第2の判定出力C2が出力された場合に電力を遮断する処理は、ハードウエア回路で実現してもよいが、ソフトウエアで実現してもよい。まず、図11を用いてソフトウエアで実現する場合を説明する。
【0033】
図11は、第2の判定出力C2が出力された場合に実行される処理の流れの例を示すフローチャートである。まず、第2の判定出力C2が出力されたか否かを判断し(S11)、第2の判定出力C2が出力されていないときは、S11でNOとなって、処理は何もしない。第2の判定出力C2が出力されたときは、S11でYESとなって、電力遮断を行う(S12)。具体的には、電力遮断手段18に対して電力を遮断するためのコマンドを送信する。次にハードウエア回路で実現する場合について説明する。
【0034】
図4は、過放電防止回路である第2の出力検出手段21の構成を示すブロック図である。図4において、31は、第2の基準値であるTH2に対応した電圧を発生する電圧発生回路であり、32は、遅延回路である。33は、コンパレータであり、34は、制限回路である。35、36、37と38は、抵抗器である。コンパレータ33の第1の入力端には、抵抗器35と36によって、OUTを分圧した電圧が入力される。コンパレータ33の第2の入力端には、遅延回路32の出力が入力される。コンパレータ33は、第1の入力端の電圧が、第2の入力端の電圧以下になると、HIGHの信号を出力するが、第1の入力端の電圧が、第2の入力端の電圧以下になっていないとき、LOWの信号を出力している。さらに、コンパレータ33は、正帰還抵抗である37を有し、コンパレータ33の出力は、OUTを抵抗器38を介して加算されることによって、ヒステリシス特性を有している。
【0035】
制限回路34は、HIGH信号を受信すると、電力遮断手段18へ第2の判定出力を供給し、電力遮断手段18をオフにする。その結果、電力遮断手段18は、メイン回路24のDC−DCコンバータ25へ、メインスイッチ17の出力の供給を停止する。
【0036】
コンパレータ33の出力は、抵抗器37を介して正帰還されており、その結果、コンパレータ33は、ヒステリシスを有するコンパレータを形成している。よって、一旦、HIGHの信号が出力されると、第2の入力端の電圧は上昇し、コンパレータ33は、第1の入力端の電圧が、第3の閾値である第3の基準電圧(以下、TH3と略す)を超えない限り、コンパレータ33の出力はLOWにならない。コンパレータ33の出力がLOWにならないということは、電力遮断手段18は、オンとならないので、メイン回路24は、動作しない。
【0037】
図5は、第1の基準値であるTH1と、第2の基準値であるTH2と、第3の基準値であるTH3の関係を説明するための図である。内視鏡装置1がバッテリー駆動されていて、OUTが、TH1以下になった時点t11において、上述したように、警告出力と、記録媒体への記録動作が禁止され、さらに、内視鏡操作部からの記録指示に応じて記録媒体への記録動作を行うことができないように記録操作が制限、すなわち無効となる。さらにOUTが下がって、時点t12でTH2以下になったことが検出されると、時点t13で電力遮断手段18はオフにされる。よって、図5において、R1で示す期間は、電力遮断手段18はオン(接続)状態であり、R2で示す期間は、電力遮断手段18はオフ(開放)状態である。
【0038】
バッテリー14はその特性から、一旦使用が止められると、バッテリー出力の電圧が上昇するという現象がある。その結果、一旦TH2以下になって、電力遮断しても、その後出力電圧が上昇して時点t14でTH2以上になって、電力を供給してしまうことになる。しかし、バッテリー14のOUTは、既に一旦電圧が低下しているため、メイン回路24に電源を供給を開始しても直ぐにまた、OUTが第2のTH2以下になってしまう。その結果、電力遮断手段18がオンオフを繰り返す、いわゆるチャタリング現象が発生し、バッテリーが過放電することになる。バッテリーは、過放電をすると、消耗し、その性能が著しく低下する。
【0039】
よって、図5に示すように、一旦t13で、電力遮断手段18がオフとなったら、コンパレータ33は、OUTが、バッテリーの定格出力よりも高い、TH3以上にならない限り、LOWの信号を出力しないようにして、バッテリーの過放電を防止している。具体的には、コンパレータ33のヒステリシス特性による高い基準値の電圧であるTH3を、バッテリー14の最大電圧以上に設定する。その結果、OUTが上昇しても、コンパレータ33の出力が反転してLOWとなって電力遮断手段18をオンにすることがない。
【0040】
また、遅延回路32は、TH2の電圧レベルを遅延させているが、もし遅延回路32がない状態でバッテリー14からOUTがメイン回路24に供給されると、メインスイッチ17のオン直後、瞬間的にメイン回路24内の各種コンデンサ成分(図示せず)に電力を蓄積するために多くの電流が流れる。その結果、バッテリー14の内部抵抗で電圧低下が生じ、バッテリー14からのOUTが低下する(後述する、図7のt22及び図9のt32の時点参照)。
【0041】
メインスイッチ17のオン直後に、OUTが、TH2よりも低くなると、コンパレータ33は、制御回路34を駆動させ、制御回路34からは電力遮断手段18に制御信号を送り、電力遮断手段10はバッテリー1とメイン回路12とを未接続(開放)させてしまい、バッテリー消耗状態と同じ状態に陥ることとなる。そこで、遅延回路32を用いてTH2の電圧レベルを遅延させることによって、メイン回路24へのOUTの供給直後にコンパレータ33が誤った出力信号を制御回路34に送らないようにしている。
【0042】
図6は、遅延回路32の構成例を示す回路図である。遅延回路32は、所定の時間が経過した後に、TH2の電圧を出力させるようにする回路である。図6の回路は、抵抗器41とコンデンサ42からなる時定数回路である。図7は、図6の回路の出力の状態を説明するための図である。
【0043】
図7に示すように、メインスイッチ17をオンしたt21時点から徐々に遅延回路32の出力電圧は上昇し、所定時間経過したt23時点でTH2の電圧になるので、バッテリー電圧が電源をオンした直後に一時的に低下して、TH2以下になっても、t22時点でコンパレータ33の出力はHIGHにならない。具体的には、ラッシュ電流により最も電圧低下するt22の時点において、遅延回路32からの出力電圧がOUTよりも低くなるように、遅延回路32からの出力電圧は、徐々に上昇する。
【0044】
同様に、図8は、遅延回路32の他の構成例を示す回路図である。図9は、図8の回路出力の状態を説明するための図である。図8の回路は、いわゆるリセットICであり、メインスイッチ17をオンしたt31時点から所定時間経過した後のt33において、遅延回路32はTH2の電圧出力を出すので、バッテリー電圧が電源をオンした直後に一時的に低下して、TH2以下になっても、t32時点でコンパレータ33の出力はHIGHにならないように、遅延回路32の出力は、t33時点まで出ない。
【0045】
以上のように、上述した本実施の形態によれば、バッテリーを使用する内視鏡装置において、バッテリー出力が低下しても記録媒体への記録動作が適切に行われないことがないようにする内視鏡装置を実現することができる。
【0046】
特に、第1の出力検出手段は、バッテリーのバッテリー出力を検出し、バッテリー出力が予め設定された第一の基準値と比較して前記第1の基準値以下になると、第1の判定出力を出力する。警告出力手段は、第1の判定出力に基いて、第1の警告を出力し、画像記録禁止手段は、第1の判定出力に基いて、画像記録手段による記録媒体への内視鏡画像の記録動作を禁止し、さらに、画像記録操作制限手段は、第1の判定出力に基いて、内視鏡操作部からの記録媒体への内視鏡画像の記録操作を制限する。
【0047】
さらに、バッテリー過放電防止回路である第2の出力検出手段21はヒステリシス特性を有しているので、バッテリー14が消耗して、電力遮断手段18をオフにしてバッテリー14の放電を停止した後に、バッテリーの内部インピーダンスに起因したOUTが上昇し、再びバッテリー14からの放電が開始されるといった、いわゆるオン/オフ繰返しのチャタリング現象を防いでいる。さらに、第2の出力検出手段21には、負荷回路への起動直後のラッシュ電流により発生するバッテリー電圧低下をバッテリー消耗状態と誤検知しないようにするために、バッテリー14の出力OUTと比較するための、第二の基準値TH2の出力を遅延回路32を用いて立上り電圧を遅延させている。
【0048】
なお、上述したように、上述した各種手段は、ハードウエア回路で実現してもよいし、ソフトウエアプログラムによって実現してもよい。
【0049】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、バッテリーを使用する内視鏡装置において、バッテリー出力が低下しても記録媒体への記録動作が適切に行われないことがないようにする内視鏡装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
【図2】自動切換手段の構成を説明するための図である。
【図3】第1の基準値であるTH1と、第2の基準値であるTH2の関係を説明するための図である。
【図4】過放電防止回路である第2の出力検出手段の構成を示すブロック図である。
【図5】第1の基準値であるTH1と、第2の基準値であるTH2と、第3の基準値であるTH3の関係を説明するための図である。
【図6】遅延回路の構成例を示す回路図である。
【図7】図6の回路の出力の状態を説明するための図である。
【図8】遅延回路の他の構成例を示す回路図である。
【図9】図8の回路出力の状態を説明するための図である。
【図10】動作禁止手段、操作禁止手段及び警告出力手段をソフトウエアで実現した場合に、実行される処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図11】第2の判定出力C2が出力された場合に実行される処理の流れの例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・内視鏡装置、2・・・挿入部、3・・・本体部、24・・・メイン回路代理人
Claims (4)
- バッテリーによって駆動可能な内視鏡装置において、
撮像手段による内視鏡画像を記録媒体に記録する画像記録手段と、
前記バッテリーのバッテリー出力を検出し、該バッテリー出力が予め設定された第一の基準値と比較して前記第1の基準値以下になると、第1の判定出力を出力する第1の出力検出手段と、
前記第1の判定出力に基いて、第1の警告を出力する警告出力手段と、
前記第1の判定出力に基いて、前記画像記録手段による前記記録媒体への前記内視鏡画像の記録動作を禁止する画像記録禁止手段とを有することを特徴とする内視鏡装置。 - さらに、前記第1の判定出力に基いて、内視鏡操作部からの前記記録媒体への前記内視鏡画像の記録操作を制限する画像記録操作制限手段を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
- 前記バッテリーと前記内視鏡装置の負荷回路との間に設けられた電力遮断手段と、
前記バッテリーのバッテリー出力を検出し、前記第1の基準値よりも低く、予め設定された第2の基準値と比較して前記バッテリー出力が前記第2の基準値以下になると、第2の判定出力を出力する第2の出力検出手段とを、さらに有し、
前記第2の出力検出手段は、前記第2の判定出力に基いて、前記負荷回路への前記バッテリー出力を遮断するように前記電力遮断手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。 - 前記第2の出力検出手段は、前記バッテリー電圧と前記第2の基準値とをヒステリシス特性を有して比較し、さらに前記第2の基準値の出力を遅延回路を用いて立上りを遅延させたことを特徴とする請求項3に記載の内視鏡装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003122823A JP2004321607A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | 内視鏡装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003122823A JP2004321607A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | 内視鏡装置 |
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Family Applications (1)
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JP2003122823A Withdrawn JP2004321607A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | 内視鏡装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004321607A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008192037A (ja) * | 2007-02-07 | 2008-08-21 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 電源管理装置 |
JP2016202203A (ja) * | 2015-04-15 | 2016-12-08 | オリンパス株式会社 | 電源管理システム |
JP2017026721A (ja) * | 2015-07-17 | 2017-02-02 | オリンパス株式会社 | 内視鏡装置 |
-
2003
- 2003-04-25 JP JP2003122823A patent/JP2004321607A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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