JP2004320995A - 車両用電動駆動装置及びエンジン・モータ複合型の四輪駆動装置 - Google Patents

車両用電動駆動装置及びエンジン・モータ複合型の四輪駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 車両電動駆動装置及びエンジン・モータ複合型車両駆動装置の電装部品の簡略化,小形化を図り、しかも、性能を維持して、コスト低減を図る。
【解決手段】 車輪の一部1がエンジン3により駆動される。車輪2は必要に応じてモータ5により駆動される。モータ5及び発電機13と補機類バッテリ17とを電圧の昇降圧装置16を介して接続する。昇降圧装置16は、運転条件に応じて、バッテリ17の電力を昇圧してモータ5に供給する機能と、発電機13の電力を降圧してバッテリ17及び補機類18に供給する機能とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は車両用電動駆動装置に係り、例えばエンジンを備えた車両において、エンジンによって駆動される車輪とは異なる車輪をモータで駆動するタイプの車両に適した車両用電動駆動装置及びそれを用いたエンジン・モータ複合型の四輪駆動装置に関する。
従来より、前輪,後輪の一方の駆動軸(例えば前輪駆動軸であり、以下、「前輪」と称することもある)をエンジンにより駆動し、他方(例えば後輪駆動軸であり、以下、「後輪」と称することもある)を、必要に応じてモータを制御して駆動する複合型の四輪駆動装置が知られている。
前記エンジンとモータによる四輪駆動は、例えば発進時や登坂走行等のように走行負荷が大きい場合に利用され、負荷が比較的小さい通常走行時(低負荷運転領域)にはエンジンのみの二輪駆動となる。
複合型四輪の駆動装置には、車輪駆動に用いるモータとして、直流モータ或いは交流モータを使用している。前記モータの駆動電源としては、補機用電源(例えば一般の車載電装品に用いる12V或いは14Vのオルタネータ及びバッテリ)とは別に、車輪駆動モータ用の発電機(例えば50V以上の発電出力機能を有するオルタネータ)やそれに対応のモータ専用の高圧バッテリを用いていた(例えば特許文献1)。
これは、補機(スタータ,ライト,エアコンなど一般電装品)用の12V,14Vのバッテリやそれに対応するオルタネータでは、車輪駆動モータの駆動に要する電力確保ができないためである。
そして、車両の発進時に車輪の電動駆動を実行する場合に、エンジン回転数が低く車輪駆動モータ用オルタネータの発電力が低いエンジン始動時には、そのオルタネータが他励モードになって、前記モータ用の高圧バッテリからオルタネータの界磁巻線に界磁電流を供給して、前記オルタネータの発電出力を高め、この発電出力により前記モータを駆動していた。発進後に車速が所定速度(例えば時速20km)に達すると、前記車輪駆動モータ用のオルタネータが、モータ駆動に必要な充分な電力を出力するので、オルタネータは出力電力を自身の界磁巻線の電源として用いる(自励モード)。
また、特許文献2では、車輪駆動用モータの高圧仕様の発電機及び主電池と、補機用の補助電池とを搭載し、高圧仕様の発電機或いは主バッテリからの電力により前記モータを駆動するほかに、この発電機による高圧電源(例えば250V〜350V)をDC−DCコンバータにより低圧(12Vまたは24V)に降圧して補機用の補助バッテリに供給する技術が開示されている。
さらに、この種の複合型電動四駆においては、特許文献3に開示されるように、一方の車輪(例えば後輪)の駆動手段として回生機能付のモータ(モータ/ジェネレータ;MG)を使用し、車両制動時には、モータをジェネレータとして機能させて、このMGから出力される回生電力をモータ駆動専用のキャパシタに蓄えさせる回生制御を行っている。このキャパシタに蓄えられた電力は、通常の路面やドライ路などの高摩擦係数路(高μ路)での発進,加速走行時において、補助的な車輪駆動制御をMGを用いて行うために、MGに供給される。
特開2001−253256号公報(図1、図2に係る実施例)
特開2000−224709号公報(図1、図2に係る実施例) 特開2001−63392号公報(図1、図4、図7、図8、図9に係る実施例)
従来のエンジン・モータ複合型の車両駆動装置においては、補機類の発電機(オルタネータ)と車輪駆動専用の発電機を備えたり、また、蓄電器についてもランプ負荷などの補機類のバッテリとそれよりも容量の大きい車輪駆動モータ専用バッテリを用意しなければならず、電装部品が増加し、コスト高になっていた。
また、回生電力を蓄電する車輪駆動モータ用のキャパシタとしてコンデンサを使用する場合であっても、コンデンサの容量が250〜300V程度の高電圧仕様の容量にするために、大形化する課題が残されていた。
本発明は、電装部品の簡略化,小形化を図り、しかも、性能を維持して、コスト低減に貢献できるエンジン・モータ複合型車両駆動装置及びそれに利用できる車両用電動駆動装置を提供することにある。
本願の代表的な発明の一つは、基本的には、車両駆動用のエンジンにより駆動される発電機と、補機類に使用される車載バッテリと、車両駆動用のモータとを備え、前記モータの駆動電源は、モータ駆動専用バッテリを備えずに、前記エンジンの駆動により前記モータの駆動電圧を出力し得るようにした前記発電機と、昇圧装置を介して前記モータの駆動電圧を出力し得るようにした前記補機類用の車載バッテリとにより構成した。すなわち前記発電機の出力電圧及び前記バッテリの出力電圧の少なくとも一つを前記モータの駆動電圧まで昇圧して、この昇圧された出力電圧によって前記モータを駆動させるように構成した。このような発明の回路構成は、前記発電機と前記モータ間の電力線に前記車載バッテリを昇圧装置を介して接続することで達成される。
また、車輪の一部がエンジンにより駆動される車両に用いられ、前記エンジンにより駆動される車輪以外の車輪をモータにより駆動する車両用電動駆動装置において、次のように構成した。
車両に搭載される補機類の電源となる補機用電圧レベルのバッテリと、前記エンジンの動力によって駆動されて前記モータの駆動電源と前記補機の電源とを兼ねる発電機とを備え、前記モータ及び前記発電機と前記バッテリとを電圧の昇降圧装置を介して接続する。前記昇降圧装置は、運転条件に応じて、前記バッテリの電力を昇圧して前記モータに供給し、前記発電機の電力を降圧して前記バッテリ及び補機に供給するようにした。この場合、前記昇降圧装置は、前記バッテリの電力を昇圧して、前記発電機から出力される電力と合わせて前記モータに供給するか、或いは、前記バッテリの電力を昇圧して前記発電機に代わって前記モータに単独で昇圧電力を供給する。
また、次のような発明を提案する。
車輪駆動用モータは、モータ/ジェネレータを用い、エンジンにより駆動される発電機或いは蓄電器からの電力が力行時に供給されて駆動し、かつ回生時に回生電力を発電するようにする。さらに、前記モータと前記蓄電器との間の電力ラインに昇降圧回路が設けられ、この昇降圧回路により、車両の運転条件に応じて前記蓄電器で蓄えられた電気エネルギーを昇圧して前記モータに駆動用電力を供給し、モータの回生時に発電する回生電力を降圧して前記蓄電器に供給する回路構成とした。
本発明によれば、電装部品の簡略化,小形化を図り、しかも、性能を維持して、コスト低減に貢献できる車両電動駆動装置及びエンジン・モータ複合型車両駆動装置を提供することができる。
本発明の代表的な最良の実施形態の一つは、車両駆動用のエンジンにより駆動される発電機と、補機類に使用される車載バッテリと、車両駆動用のモータとを備え、発電機の出力電圧及びバッテリの出力電圧の少なくとも一つをモータの駆動電圧まで昇圧して、この昇圧された出力電圧によってモータを駆動させるように構成した車両用電動駆動装置にある。
〔実施例1〕
図1は、本発明の一実施例に係る車両用電動駆動装置が適用されるエンジン・モータ複合型の車両駆動装置の構成図である。
例えば前輪1,後輪2の一方(ここでは、前輪とする)はエンジン3(エンジンの種類は問わない)により駆動され、他方(ここでは、後輪とする)は、モータ4により駆動されるものとする。
すなわち、エンジン3は、その動力をトランスミッション(図示省略)及び前輪車輪軸4に伝達して一対の前輪1を駆動する。
モータ5は、その動力をクラッチ6及びディファレンシャルギア7を介して後輪車輪軸8に伝達して、後輪2を駆動する。
後輪2については、必要(運転条件)に応じてモータ4を駆動することにより、駆動される。
本実施例では、モータ5については、一例としてインバータ9により駆動される三相の交流モータ(ACモータ)を使用している。モータ5は、力行(モータ機能)のほかに、回生電力(発電機能)を発生させるモータ/ジェネレータが使用される。このモータ(モータ/ジェネレータ)5は、ルンデル,ブラシレス,誘導機などのいずれかのモータ/ジェネレータで構成する。回生電力は、モータ(モータ/ジェネレータ)5の界磁コイルに流れる電流をコントロールすることにより制御される。
インバータ9は、PWM方式,PAM方式のいずれでも良く、モータ印加電圧の制御と周波数制御を行なうことにより、負荷に応じたトルク及び制御指令に応じた回転数が得られるようにしてある。
エンジン3の動力は、プーリ10,12及びVベルト11を介して三相のオルタネータ(ACジェネレータ)13に伝達される。オルタネータ13は、ACモータ5の駆動電源と、補機(一般電装品)用電源とを兼ね、また、補機の電圧レベルのバッテリ(例えば12V或いは14Vバッテリ)17の充電用電源とを兼ねる。
オルタネータ13は、界磁電流制御で出力電圧を例えば0〜50以上可変とする。オルタネータ10の交流出力は、整流器(図示省略)で直流に変換されてインバータ9に供給され、インバータ9により交流変換され、及び電圧制御,周波数制御を伴ってモータ5に出力される。
モータ5(インバータ9)とオルタネータ13との間を結ぶ電力線Aには、電力線B及び昇降圧装置(例えばDC−DCコンバータ)16を介してバッテリ(蓄電器;キャパシタ)17が接続される。
バッテリ17は、車両の補機(スタータ,プラグ,ランプ,エアコンなどの一般電装品の電気負荷)18対応のものであり、例えば12V或いは14V仕様である。
昇降圧回路16は、オルタネータ13,ACモータ5(インバータ9)間の電力線Aからバッテリ17に向けて供給される電力を降圧する機能と、バッテリ17から前記電力線Aに向けて供給される電圧を昇圧する機能とを有し、制御信号により昇圧,降圧が切替え可能にしてある。
昇降圧回路16の具体的回路例を図3に示している。
昇降圧回路16は、例えば、チョークコイル(リアクトル)L,スイッチング素子S1,S2、バイパスダイオードD1,D2、平滑コンデンサC1を備える。平滑コンデンサC1は、直流電力線Bの(+)線と(−)線との間に接続される。スイッチング素子S2及びリアクトルLは、電力線Bの(+)線に直列に接続される。ダイオードD2はスイッチング素子S2と並列に接続され、バッテリ17から電力線A側に向けて順方向となっている。スイッチング素子S1は、電力線Bの(+)線と(−)線との間に接続される。ダイオードD1は、スイッチング素子S1と並列に接続され、電力線Bの(+)線から(−)線に向けて逆方向に接続されている。
スイッチング素子S1,S2は、図示されない制御ユニット(制御手段)により通電制御される。
ここで、昇降圧回路16の動作原理を図2により説明する。
符号のP1側がバッテリ、P2側がインバータ入力側とする。
バッテリ電圧(P1側)を昇圧する場合には、スイッチング素子S1をオン,オフ制御する。スイッチング素子S1をオンすると、電力線Bの(+)線と(−)線とが短絡され、急峻に電流が立ち上がり、その時点でスイッチング素子S1をオフするとリアクトルL1に電流を流し続けようとする電圧(Ldi/dt)が発生し、ダイオードD2を介してP2側のコンデンサC1を充電し、P2側をP1側よりも高電圧にする。昇圧の電圧制御は、スイッチング素子S1をPWM制御で動作させ、その時に通流率(デューティ)を変えて行う。
インバータ側の電圧(P2側)がバッテリ側(P1)側より高い場合には、スイッチング素子S2をPWM周期の通流率により制御してP2側の電圧を降圧し、出力電圧の平均値がバッテリ充電電圧(例えば12V)になるように制御して、P2側に供給することができる。
電力線A、Bの(+)線には、電力供給のモードを切替える切替えスイッチSw19,20が設けられている。切替えスイッチSwは、半導体素子(無接点素子)を用いている。以下、この切替えスイッチSw19,20により設定される動作モードを、車両の運転条件と関連させて説明する。説明には、図4〜図11が用いられる。
図4は、クラッチ6がある場合の車の運転状態と車両駆動装置との動作を示すフローチャートである。図6〜図11に示す矢印は電流の流れを示す。
エンジンキースイッチがオンすると、電動機動力伝達用のクラッチ6がオンする。運転者がアクセルを踏込むと発進動作モードになる。この場合には、後輪駆動用のモータ5が駆動モードになる(すなわち、前輪はエンジン駆動、後輪は電動駆動の車両四駆状態)。モータ5には、発電電圧がオルタネータ13からの出力電力だけで確保できる場合には、図6に示す切替えスイッチSw動作が行われる。
この場合には、スイッチ20は、電力線Aにおいてa(オルタネータ13)−b(インバータ9、モータ5)間をオン(導通)する。スイッチ19は、b−c(昇降圧回路16,バッテリ17の電力線B)間をオフ(開放)する。
この場合は、オルタネータ13のみでインバータ9ひいてはACモータ5に電力が供給される。インバータ9は直流電力を三相交流電力に変換し、三相ケーブルを介してACモータ5に三相交流電力を供給する。
また、発進時において、モータ5の駆動電力を、オルタネータ13からの出力だけで確保できない場合には、図7に示す切替えスイッチSw動作が行われる。
この場合には、スイッチ20は、a−b間およびb−c間をオンする。また、
昇降圧回路16のスイッチング素子S1,S2をオン・オフ制御することによりバッテリ17の電力がモータ駆動電圧まで昇圧されてインバータ9に供給される
。この場合には、オルタネータ13からの出力とバッテリ17からの昇圧電力がいずれもモータ駆動電圧にあり、これらの電力を合わせてインバータ9に供給されてACモータ5が駆動される。
なお、発進時に、図7のスイッチ切替え動作に代わって、図8に示すようにスイッチ20によりa−b間をオフ、スイッチ19によりb−c間をオンして、バッテリ17の電力を昇圧して発電機13に代わってモータ5に昇圧電力を供給するようにしてもよい。
発進後、通常の低中速走行では、モータ5は駆動されず、エンジンのみの二輪走行になる。
この場合の切替えスイッチSwのスイッチ動作は図9に示され、スイッチ20がa−c間をオンし、スイッチ19はb−c間をオフ状態にしている。
図8では、オルタネータ13の電力は、インバータ9には供給されず、スイッチング素子S1がオン,オフ動作することにより昇降圧回路16の降圧動作により降圧されてバッテリ17及び補機18に供給される。
図4において、車両が加速や登坂走行になると、車両駆動装置も加速,登坂モード(四輪駆動モード)になる。
この場合には、既述した図6同様のスイッチ切替えが行われ、オルタネータ13からインバータ19に電力が供給されてモータ5が駆動する。また、登坂負荷が大きいときなど、登坂の状況に応じて図7同様のスイッチ切替えを行ってもよい。
図5に示すように、予め設定された高速走行モードの運転条件を満たす場合には、クラッチ6がオフする。このときは図6に示す切替えスイッチSwの動作が行われる。この場合には、既述したようにスイッチ20がa−b間をオン、スイッチ19がb−c間をオフする。また、オルタネータ13の界磁電流を小さくすることで小電力がインバータ9に供給される。モータ5は、界磁電流を小さくすることで小出力状態で運転される。クラッチ6がオフになることで、モータ5の負荷を小さくすることができる。
ブレーキペダルが踏まれ車両が制動状態にあるときには、モータ5は回生制動により発電モードになる。クラッチ6はオン状態にある。このときは、図10に示す切替えスイッチSwのスイッチ20がa−b間をオフ、スイッチ19がb−c間をオンにする。モータ5は発電機となり、回生電力(三相交流電力)がインバータ9により直流に変換され、その直流電力が昇降圧回路15のスイッチング素子S2をオン・オフ制御することにより降圧されてバッテリ17及び負荷18に供給される。
上記構成のエンジン・モータ複合型車両駆動装置においては、車両の発進時にモータ5を駆動して発進し、その後、スタータを駆動させずに点火系を駆動させてエンジン始動させることも可能である。
図12〜図14にその制御フローチャート及びそれを実行するスイッチ20の動作状態を示す。図12,図14はクラッチ6を備えた実施例、図13はクラッチレスの実施例である。
図12,図14の場合には、まず、車両の発進に際して、モータ駆動スイッチ(M−4WDキー)をオンすると、クラッチ6がオンする。また、切替えスイッチSwのスイッチ20はa−b間をオフ、スイッチ19はb−c間をオンにしている。それによって、バッテリ電源17からの電力がDC−DCコンバータ16によりモータ駆動電圧まで昇圧されてモータ7にインバータ9を介して供給され、モータ7は駆動する。モータ駆動により車両が発進した後、車輪が回転することでその機械エネルギーによりエンジン7は回転する。そして、エンジンの所要回転数でエンジン燃料噴射系と点火系を動作させてエンジンを始動させる。
エンジン始動後は、四駆の状態では、スイッチ19のほかにスイッチ20もオンさせ(a−b間,b−c間オン)、オルタネータ13からの電力供給とバッテリ17からもDC/DCコンバータ16で昇圧された電力が供給される。すなわち、加速,登坂,高速駆動の場合の動作は図4,5同様であり、図7,図8で示すエンジン及びモータ駆動がなされる。制動動作についても図4,図5同様である。非四駆(二輪駆動)の場合には、図9に示すエンジン駆動がなされる。
図13のクラッチレスの場合にも、基本的な動作は、クラッチを除いて、図12,図14と同様である。
本実施例によれば、次のような効果を奏する。
(1)発進,登坂,高速,加速走行など必要時にエンジンのほかにモータを併用させて車両駆動することにより、燃費の向上、排気ガスの低減を図ることができる。
(2)エンジン・モータ複合型車両駆動装置において、1オルタネータ(1発電機),1バッテリを実現することができる。
(3)力行時にパワー不足の場合は、バッテリ出力を昇圧してバッテリ電力を車両駆動モータに加えることができ、特に、発進時,登坂時の発電機の出力アップを図ることで、車輪の電動駆動のパワーアップを図ることができる。
(4)制動時のエネルギーをバッテリに回生でき、燃費の向上を図ることができる。(5)車両発進をモータ駆動で行い、その後にエンジン始動させるような運転方式を採用した場合には、さらなる燃費向上及び排気ガス低減を図ることができる。
なお、本発明は、上記実施例の態様に限定されるものではなく、例えばモータ駆動を前輪、エンジン駆動を後輪としてもよい。また、ACモータに代えて直流モータ(DCモータ)を使用することも可能である。その一例である図11には、車両駆動モータとしてDCモータ5´のものが例示されている。図11では、オルタネータ13からの出力(直流に整流されたもの)とバッテリ17からの昇圧電力がDCモータ5´に供給されてDCモータ5´が駆動する。或いは、図8と同様にバッテリ17からの出力のみを昇圧してDCモータ5´に供給するようにしてもよい。
さらに、本実施例を図15乃至図17に基づいて詳細に説明する。図15は、4WD制御装置を含む本実施例の車両用電動駆動装置のシステム構成を示す。図16は、4WD制御装置を構成するマイクロプロセッサユニットの機能構成を示す。図17は、本実施例の車両用電動駆動装置を構成する各コンポーネント機器の車両動作状態に対する動作タイミングを示す。
本実施例の車両用電動駆動装置では、前述した制御ユニット(制御手段)として4WD制御装置50(以下、「4WDCU50」という)を備えている。4WDCU50は、外部から入力された信号に基づいて、モータ5の出力、クラッチ6の入切、インバータ9の出力、オルタネータ13の出力、DC/DCコンバータ16の出力及びリレー20の入切を制御する。
4WDCU50には、4WDスイッチ(以下、「4WDSW」という)60から出力された4WDモード信号Sdm、変速機制御装置(以下、「TCU」という)70から出力されたシフト位置信号Ssp、ABS制御装置(以下、「ACU」という)80から出力された車輪速信号Svw、エンジン制御装置(以下、「ECU」という)90から出力されたスロットル開度信号Stoが入力されている。また、4WDCU50には、モータ回転数信号Smn、モータ界磁電流信号Simf、オルタネータ出力電流信号Siaoなどがフィードバックされて入力されている。
4WDSW60は、運転席に設けられた駆動モード切替スイッチであって、運転手が車両の駆動モードを2WDモードから4WDモードに切り替えたい場合、或いは車両の駆動モードを4WDモードから2WDモードに切り替えたい場合、運転手が手動でオン・オフ操作する。
4WDCU50は、マイクロプロセッサユニット(以下、「MPU」という)51、クラッチ制御部52、モータ界磁電流制御部53を備えている。この他にも4WDCU50は、情報を記憶しておくためのメモリ、信号を入出力するためのインターフェース回路などが備えている。尚、本実施例では、メモリやインターフェース回路などの図示を省略している。
MPU51は、前述した入力信号に基づいて四輪駆動に必要な各コンポーネント機器の制御指令信号を出力するための演算処理を実行し、演算処理によって得られた制御指令信号を各コンポーネント機器、4WDCU50内に搭載された各コンポーネント機器の駆動回路や制御回路に出力する。具体的にMPU51は、クラッチ制御部52に対してクラッチ制御指令信号Sc*を出力する。モータ界磁電流制御部53に対してはモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* を出力する。インバータ9に対してはインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipwm* を出力する。オルタネータ13に対してはオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* を出力する。DC/DCコンバータ16に対してはDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* を出力する。リレー20に対してはリレー制御指令信号Sr*を出力する。
クラッチ制御部52は、電磁駆動式であるクラッチ6の駆動回路であり、MPU51から出力されたクラッチ制御指令信号Sc*を受け、クラッチ6の励磁コイルに印加される電圧を制御する電圧調整器である。クラッチ6の励磁コイルは、機械的な締結機構の駆動部を駆動する電磁力を発生する。
モータ界磁電流制御部53は、モータ5の界磁巻線に流れる界磁電流の通電量と通電方向を制御する制御回路であり、MPU51から出力されたモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* を受けて、モータ5の界磁巻線に流れる界磁電流の通電量と通電方向を制御する。具体的にモータ界磁電流制御部53は、MOS−FET(MOS型電界効果トランジスタ)を4つ用いてHブリッジ状に電気的に接続したHブリッジ回路(図示省略)と、4つのMOS−FETをそれぞれ駆動するスイッチング素子駆動回路(図示省略)から構成されている。MPU51から出力されたモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* はスイッチング素子駆動回路に入力される。スイッチング素子駆動回路は、モータ目標界磁電流制御指令信号Simft* に基づいて、4つのMOS−FETをそれぞれオン・オフ動作させるための駆動信号を生成する。駆動信号は、対応するMOS−FETのゲート端子に入力される。これにより、4つのMOS−FETのそれぞれはオン・オフ動作し、モータ5の界磁巻線に流れる界磁電流を制御する。
インバータ9は、モータ5に供給される電力を制御してモータ5の駆動を制御するものであって、MPU51から出力されたインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipwm* を受けて、オルタネータ13或いはDC/DCコンバータ16から出力された直流電力を三相交流電力に変換してモータ5の電機子巻線に供給する変換器である。具体的にインバータ9は、MOS−FETを6つ用いてブリッジ状に電気的に接続した変換回路であり、入力された直流電力を、6つのMOS−FETのそれぞれのオン・オフ動作によって三相交流電力に変換する三相ブリッジ回路9aと、6つのMOS−FETをそれぞれ駆動するスイッチング素子駆動回路9bから構成されている。MPU51から出力されたインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipwm* はスイッチング素子駆動回路9bに入力される。スイッチング素子駆動回路9bは、入力されたインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipwm* に基づいて、6つのMOS−FETをそれぞれオン・オフ動作させるための駆動信号を生成する。駆動信号は、対応するMOS−FETのゲート端子に入力される。これにより、6つのMOS−FETのそれぞれはオン・オフ動作し、インバータ9に入力された直流電力を三相交流電力に変換する。
DC/DCコンバータ16は、オルタネータ13或いはインバータ9からバッテリ17に供給される直流電力を制御し、必要に応じてバッテリ17からインバータ9に供給される直流電力を制御するものであって、MPU51から出力されたDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* を受けて、オルタネータ13或いはインバータ9から供給された直流電力を所定の直流電力に降圧してバッテリ17に供給し、必要に応じてバッテリ17からインバータ9に供給された直流電力を所定の直流電力に昇圧してインバータ9に供給する変換器である。具体的にDC/DCコンバータ16は、前述したように、スイッチング素子、例えばトランジスタ或いはMOS−FETなどから構成された昇圧回路16a及び降圧回路16bと、昇圧回路16aと降圧回路16bのそれぞれのスイッチグ素子を駆動するスイッチング素子駆動回路16cから構成されている。MPU51から出力されたDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* はスイッチング素子駆動回路16cに入力される。スイッチング素子駆動回路16cは、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて、スイッチング素子をオン・オフ動作させるための駆動信号を生成する。駆動信号は、対応するスイッチング素子に入力される。これにより、スイッチング素子はオン・オフ動作し、DC/DCコンバータ16に入力された直流電力は昇圧或るいは降圧される。
リレー20は切替回路(図示省略)と半導体素子駆動回路(図示省略)から構成されている。切替回路は、インバータ9とオルタネータ13とDC/DCコンバータ16との間の電気的な接続を切り替えるものであって、前述したように、複数の半導体素子(無接点素子)から構成されている。半導体素子駆動回路は、切替回路の複数の半導体素子を動作させるためのものである。MPU51から出力されたリレー制御指令信号Sr*は半導体素子駆動回路に入力される。半導体素子駆動回路は、入力されたリレー制御指令信号Sr*に基づいて、半導体素子の各々を動作させるための駆動信号を生成する。生成された駆動信号は、対応する半導体素子に入力され、半導体素子の各々を動作させる。これにより、インバータ9とオルタネータ13とDC/DCコンバータ16との間の電気的な接続は切り替えられる。
次に、MPU51の機能構成を図16に基づいて詳細に説明する。
MPU51は、1つの半導体チップで構成された演算処理装置であり、四輪駆動の制御プログラムを実行し、入力情報に基づいた各コンポーネント機器の制御指令信号を生成して出力している。その構成を機能化して具体的に述べると、MPU51は、運転モード判定部51a、モータ目標トルク算出部51b、モータ目標界磁電流算出部51c、オルタネータ目標界磁電流算出部51d、インバータ制御部51e、DC/DCコンバータ制御部51fを備えている。
運転モード判定部51aは、車両が4WDモードの場合、入力信号に基づいて4WDの各種運転モードを判定し、運転モード判定信号Sdmj を出力する。また、運転モード判定部51aは、判定した運転モードに応じてクラッチ制御指令信号Sc*及びリレー制御指令信号Sr*を出力する。運転モード判定部51aには、4WDモード信号Sdm、スロット開度信号Sto、車輪速信号Svw及びシフト位置信号Sspが入力される。ここで、車輪速信号Svwは各車輪速信号、すなわち左前輪速信号Svflw、右前輪速信号Svfrw、左後輪速信号Svrlw及び右後輪速信号Svrrwを示す。
運転モード判定部51aは、入力信号に基づいて、運転モードを判定するための条件判定(1)〜(6)を行う。条件判定(1)〜(6)は次の通りである。
・条件判定(1):駆動モード判定
運転モード判定部51aは、入力される4WDモード信号Sdmに応じて、運転者の選択した駆動モードを判定する。この場合、運転モード判定部51aは4WDモード信号Sdmの入力の有無によって、運転者の選択した駆動モードを判定する。ここで、4WDモード信号Sdmの入力が有り(4WDSW60がオン)の場合、運転モード判定部51aは、運転者の選択した駆動モードが4WDモードであると判定する。4WDモード信号Sdmの入力が無い(4WDSW60がオフ)の場合、運転モード判定部51aは、運転者の選択した駆動モードが2WDモードであると判定する。
・条件判定(2):アクセルのオン・オフ判定
運転モード判定部51aは、入力されたスロット開度信号Stoに応じて、運転者のアクセルの踏み込み状態(アクセルのオン・オフ)を判定する。この場合、運転モード判定部51aは、スロット開度の割合(スロット全開度に対するスロット開度の割合)と、予め設定した所定のスロット開度割合To1(例えば2%)との比較によってアクセルの踏み込み状態(アクセルのオン・オフ)を判定する。ここで、スロット開度信号Stoによって入力されたスロット開度To の割合がスロット開度割合To1未満の場合、運転モード判定部51aは、運転者がアクセルを踏み込んでいない(アクセルオフ)と判定する。スロット開度信号Stoによって入力されたスロット開度To の割合がスロット開度割合To1以上の場合、運転モード判定部51aは、運転者がアクセルを踏み込んだ(アクセルオン)と判定する。
・条件判定(3):シフトのオン・オフ判定
運転モード判定部51aは、入力されたシフト位置信号Sspに応じてシフトのオン・オフを判定する。この場合、シフト位置信号Sspによって入力されたシフト位置Sp がドライブレンジに対応しているか否かによってシフトのオン・オフを判定する。ここで、シフト位置信号Sspによって入力されたシフト位置Sp がドライブレンジに対応する場合、運転モード判定部51aは、シフトがオンしたと判定する。それ以外の場合、運転モード判定部51aは、シフトがオフしたと判定する。
・条件判定(4):車速判定
運転モード判定部51aは、入力された左前輪速信号Svflw、右前輪速信号Svfrw、左後輪速信号Svrlw及び右後輪速信号Svrrwに応じて車速Vv を判定する。この場合、運転モード判定部51aは、左前輪速信号Svflwによって入力された左前輪速Vflw と、右前輪速信号Svfrwによって入力された右前輪速Vfrw との平均から平均前輪速と、左後輪速信号Svrlwによって入力された左後輪速Vrlw と、右後輪速信号Svrrwによって入力された右後輪速Vrrw との平均から平均後輪速とを求めると共に、求められた平均前輪速と平均後輪速との平均から車輪速Vw を求め、かつ求められた車輪速Vwから車速Vvを判定する。ここで、求められた車輪速Vw が0km/hの場合、運転モード判定部51aは、車速Vv を0km/hと判定する。また、求められた車輪速Vw が所定の車輪速Vw1(例えば20Km/h)以上の場合、運転モード判定部51aは、車速Vv を所定の車輪速Vw1以上と判定する。さらに、求められた車輪速Vw がそれらの中間、すなわち0km/hよりも大きく所定の車輪速Vw1よりも小さい場合、運転モード判定部51aは、車速Vv を0km/hよりも大きく所定の車輪速Vw1よりも小さいと判定する。さらにまた、求められた車輪速Vw が所定の車輪速Vw2、すなわち回生可能な最小速度(0km/hよりも大きく所定の車輪速Vw1よりも小さい速度)以上の場合、運転モード判定部51aは、車速Vv を車輪速Vw2以上と判定する。
・条件判定(5):スリップ判定
運転モード判定部51aは、入力された左前輪速信号Svflw、右前輪速信号Svfrw、左後輪速信号Svrlw及び右後輪速信号Svrrwに応じて車輪がスリップしているか否か(スリップの有無)を判定する。この場合、前述のように求められた平均前輪速と平均後輪速との差から車輪速差ΔVw を求め、求められた車輪速差ΔVw から車輪がスリップしているか否か(スリップの有無)を判定する。ここで、求められた車輪速差ΔVw が所定の車輪速差ΔVw1(例えば5km/h)以下にある場合、運転モード判定部51aは、車輪がスリップしていない(スリップ無し)と判定する。求められた車輪速差ΔVw が所定の車輪速差ΔVw1を超えた場合、運転モード判定部51aは、車輪がスリップしている(スリップ有り)と判定する。
・条件判定(6):クラッチのオン・オフ判定
運転モード判定部51aは、クラッチ制御部52に出力したクラッチ制御指令信号Sc*を記憶しており、クラッチ6の状態(オン・オフ)を認識している。従って、運転モード判定部51aは、記憶されたクラッチ制御指令信号Sc*に応じてクラッチ6のオン・オフを判定する。ここで、記憶されたクラッチ制御指令信号Sc*がクラッチ6のオンに関する信号の場合、運転モード判定部51aは、クラッチ6がオン状態にあると判定する。記憶されたクラッチ制御指令信号Sc*がクラッチ6のオフに関する信号の場合には、クラッチ6がオフ状態にあると判定する。
運転モード判定部51aは、条件判定(1)〜(6)の結果に基づいて4WDの運転モードを判定する。4WDの運転モードにはi〜ixのものがある。4WDの運転モードi〜ixと、4WDの運転モードi〜ixのそれぞれに対応する条件判定(1)〜(6)の結果との関係は次の通りである。
・運転モードi:4WD準備モード
4WDSW60がオン、車速が0km/h、スリップが無し、アクセルがオフ、シフトがオフ、クラッチがオン
・運転モードii:4WD発進時待機モード
4WDSW60がオン、車速が0km/h、スリップが無し、アクセルがオフ、シフトがオン、クラッチがオン
・運転モードiii:4WDクリープモード
4WDSW60がオン、車速が0km/hよりも大きくVw1よりも小さく、スリップが無し、アクセルがオフ、シフトがオン、クラッチがオン
・運転モードiv:4WD通常走行制御モード
4WDSW60がオン、車速が0km/hよりも大きくVw1よりも小さく、スリップが無し、アクセルがオン、シフトがオン、クラッチがオン
・運転モードv:4WD制御停止モード
4WDSW60がオン、車速がVw1以上、スリップが無し、アクセルがオン、シフトがオン、クラッチがオン
・運転モードvi:4WD走行時待機モード
4WDSW60がオン、車速がVw1以上、スリップが無し、アクセルがオン、シフトがオン、クラッチがオフ
・運転モードvii:4WD回生モード
4WDSW60がオン、車速がVw2より大きく、スリップが無し、アクセルがオフ、シフトがオン、クラッチがオン
・運転モードviii:4WDスリップ走行制御モード
4WDSW60がオン、車速が0km/hよりも大きくVw1よりも小さく、スリップが有り、アクセルがオン、シフトがオン、クラッチがオン
・運転モードix:4WD停止モード
4WDSW60がオフ、車速が0km/h、スリップが無し、アクセルがオフ、シフトがオフ、クラッチがオフ
運転モード判定部51aは、4WDの運転モードを判定した結果、判定した運転モードに関する信号を運転モード判定信号Sdmj としてモータ目標トルク算出部51bに出力する。また、運転モード判定信号Sdmj は、モータ目標界磁電流算出部51c、オルタネータ目標界磁電流算出部51d、インバータ制御部51e及びDC/DCコンバータ制御部51fのそれぞれにも入力される。さらに、運転モード判定部51aは、運転モード判定結果に基づいて、クラッチ6のオン・オフを制御するためのクラッチ制御指令信号Sc*をクラッチ制御部52に出力すると共に、リレー20の接続を制御するためのリレー制御指令信号Sr*をリレー制御部51gに出力する。
尚、4WDの運転モードは、キースイッチがオンされてエンジン3が始動されている状態を前提としている。
また、運転者が4WDSW60をオフした場合或いは運転者が4WDSW60をオンしたままキースイッチをオフにして4WDSW60の電源がオフになった場合、運転モード判定部51aの条件判定(1)〜(6)の結果は初期状態にリセットされる。すなわち4WDSW60がオフ、アクセルがオフ、シフトがオフ、クラッチがオフ、車速が0km/h、スリップが無いという状態になる。
さらに、運転者が4WDSW60をオンしたままキースイッチを一旦、オフにした状態から、運転者が再びキースイッチをオンした場合、この時点で4WDSW60の電源がオンになる。これにより、運転者がキースイッチをオンにした時点で4WDSW60もオンになる。
モータ目標トルク算出部51bは、入力信号に基づいて、運転モードi〜ixのいずれかに応じたモータ目標トルクτmtを決定或いは算出し、決定或いは算出したモータ目標トルクτmtに関する信号をモータ目標トルク信号Sτmtとして出力する。モータ目標トルク算出部51bには、スロット開度信号Sto、車輪速信号Svw、運転モード判定信号Sdmj が入力される。ここで、車輪速信号Svwは、運転モード判定部51aに入力される車輪速信号Svwと同様であり、各車輪速信号である。
モータ目標トルクτmtは、運転モードi〜ix毎に、一定のモータ目標トルクや車速或いは車輪速差に応じたモータ目標トルクが設定されている。運転モードi〜ixとモータ目標トルクτmt0〜τmt6との関係は次の通りである。
尚、モータ目標トルク算出部51bは、スロット開度信号Stoによって入力されたスロット開度のスロット全開度に対する割合に応じて、運転モード判定部51aと同様にアクセルのオン・オフを判定している。また、モータ目標トルク算出部51bは、左前輪速信号Svflwによって入力された左前輪速Vflw 、右前輪速信号Svfrwによって入力された右前輪速Vfrw 、左後輪速信号Svrlwによって入力された左後輪速Vrlw 及び右後輪速信号Svrrwによって入力された右後輪速Vrrw に応じて、運転モード判定部51aと同様に車速及び車輪速差を求めている。
・運転モードi:モータ目標トルクτmt0
モータ目標トルクτmt0 は0Nmである。
・運転モードii:モータ目標トルクτmt1
モータ目標トルクτmt1 は一定のトルクであり、例えば0.5Nmである。
・運転モードiii:モータ目標トルクτmt2
モータ目標トルクτmt2 は一定のトルクであって、モータ目標トルクτmt1よりも大きいトルクであり、例えば1.0Nmである。
・運転モードiv:モータ目標トルクτmt3
モータ目標トルクτmt3 は、アクセルがオンになった時、車速Vv とモータ目標トルクτmt3との関係を示す特性マップから車速Vv に応じて算出される。
ここで、特性マップは、車速が、例えば0km/h以上5km/h以下では最大モータ目標トルクτmt3max(例えば4.5Nm)となり、例えば5km/hを超え20km/h以下では、車速Vv が大きくなるに従って最大モータ目標トルクτmt3maxから最小モータ目標トルクτmt3min(例えば0.5Nm)に線形的に低下する特性のものである。尚、特性マップは、車両のスペックや仕様、モータ5の特性などから予め設定されおり、メモリなどに格納されている。この他の特性マップも同様に予め設定されており、同様にメモリなどに格納されている。
・運転モードv:モータ目標トルクτmt4
モータ目標トルクτmt4 は一定のトルクであり、例えば0.5Nmである。
・運転モードvi:モータ目標トルクτmt0
モータ目標トルクτmt0 は0Nmである。
・運転モードvii:モータ目標トルクτmt5
モータ目標トルクτmt5 は、アクセルがオフになった時、車速Vv とモータ目標トルクτmt5 との関係を示す特性マップから車速Vv に応じて算出されるものであり、負のトルクである。
特性マップは、車速Vv がVw2から大きくなるに従って0Nmから最大モータ目標トルクτmt5maxに増加する特性のものである。
・運転モードviii:モータ目標トルクτmt6
モータ目標トルクτm6は、車輪速差ΔVw が所定の車輪速差ΔVw1を超えた時、車輪速差ΔVw とモータ目標トルクτm6との関係を示す特性マップから車輪速差ΔVwに応じて算出される。
特性マップは、車輪速差ΔVw がΔVw1から大きくなるに従って0Nmから漸次大きくなり、所定の車輪速差ΔVw2(例えば7km/h)で最大モータ目標トルクτm6max (例えば10Nm)になる特性のものである。
・運転モードix:モータ目標トルクτmt0
モータ目標トルクτmt0 は0Nmである。
モータ目標トルク算出部51bは、運転モードに応じたモータ目標トルクτm をモータ目標トルク信号Sτm として、モータ目標界磁電流算出部51c、オルタネータ目標界磁電流算出部51d、インバータ制御部51e及びDC/DCコンバータ制御部51fにそれぞれ出力する。
モータ目標界磁電流算出部51cは、入力信号に基づいて、モータ5の界磁巻線に流れる電流を制御するためのモータ目標界磁電流Imft を算出し、算出したモータ目標界磁電流Imft に関する信号をモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* として出力する。モータ目標界磁電流算出部51cには、モータ目標トルク信号Sτmt、モータ回転数信号Snm及びモータ界磁電流信号Simf が入力される。モータ目標界磁電流算出部51cでは、モータ回転数Nmとモータ目標界磁電流Imftとモータ目標トルクτmtとの関係を示す特性マップに基づいて、モータ回転数信号Snmによって入力されたモータ回転数Nm と、モータ目標トルク信号Sτmtによって入力されたモータ目標トルクτmtに応じたモータ目標界磁電流Imft を算出する。そして、モータ目標界磁電流算出部51cでは、算出されたモータ目標界磁電流Imft と、モータ界磁電流信号SImf によって入力されたモータ界磁電流Imfとの差分をとり、これによって得られたモータ目標界磁電流Imft に関する信号をモータ目標界磁電流指令信号Simft* として出力する。出力されたモータ目標界磁電流指令信号Simft* はモータ界磁電流制御部53に入力される。
尚、本実施例では、モータ目標界磁電流算出部51cにモータ回転数信号Snmを入力する場合について説明したが、この代わりに、両後輪の車輪速信号からモータの回転数を求めて入力してもよい。
オルタネータ目標界磁電流算出部51dは、入力信号に基づいて、オルタネータ13の界磁巻線に流れる電流を制御するためのオルタネータ目標界磁電流Iaft を算出し、算出したオルタネータ目標界磁電流Iaft に関する信号をオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* として出力する。オルタネータ目標界磁電流算出部51dには、モータ目標トルク信号Sτmt、モータ目標界磁電流信号Simft及びオルタネータ出力電流信号Siao が入力される。オルタネータ界磁電流算出部51dでは、モータ目標トルクτmtとモータ目標界磁電流Imft とオルタネータ目標出力電流Iaot との関係を示す特性マップに基づいて、モータ目標トルク信号Sτmtによって入力されたモータ目標トルクτmtと、モータ目標界磁電流信号Simftによって入力されたモータ目標界磁電流Imft に応じたオルタネータ目標出力電流Iaot を算出する。そして、オルタネータ目標界磁電流算出部51dでは、算出されたオルタネータ目標出力電流Iaotと、オルタネータ出力電流信号Siaoによって入力されたオルタネータ出力電流Iaoとの差分をとる。さらに、オルタネータ目標界磁電流算出部51dでは、オルタネータ目標界磁電流Iaft とオルタネータ目標出力電流Iaot との関係を示す特性マップに基づいて、差分によって得られたオルタネータ目標出力電流Iaotに応じたオルタネータ目標界磁電流Iaftを算出し、算出されたオルタネータ目標界磁電流Iaft に関する信号をオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* として出力する。出力されたオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* はオルタネータ13の電圧調整器13aに入力される。
インバータ制御部51eは、入力信号に基づいて、インバータ9からモータ5の電機子巻線に供給される電力を制御するためのインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipwm* を出力する。インバータ制御部51eには、モータ目標トルク信号Sτmt、モータ回転子磁極位置信号Sθm 及びモータ入力電流信号Sima が入力される。インバータ制御部51eでは、モータ目標トルクτmtとd軸電流指令値Id*との関係を示す特性マップと、モータ目標トルクτmtとq軸電流指令値Iq*との関係を示す特性マップに基づいて、モータ目標トルク信号Sτmtによって入力されたモータ目標トルクτmtに応じたd軸電流指令値Id*とq軸電流指令値Iq*をそれぞれ算出する。そして、インバータ制御部51eでは、モータ入力電流信号Sima によって入力されたモータ入力電流Imaを、モータ回転子磁極位置信号Sθmによって入力されたモータ回転子磁極位置θmに基づいて2相変換して得られたd軸電流Id及びq軸電流Iqと、算出されたd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*との対応する成分同士による差分をとり、得られた差分に基づいてd軸電圧指令値Vd*とq軸電圧指令値Vq*をそれぞれ算出する。さらに、インバータ制御部51eでは、算出されたd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を、モータ回転子磁極位置信号Sθm によって入力されたモータ回転子磁極位置θm に基づいて3相変換し、これによって得られた三相交流電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に基づいてインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipwm* を出力する。出力されたインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipwm* はインバータ9に入力される。
DC/DCコンバータ制御部51fは、入力信号に基づいて、オルタネータ13或いはインバータ9からバッテリ17に供給される電力をDC/DCコンバータ16によって降圧させるためのDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* を出力する。また、必要に応じてDC/DCコンバータ制御部51fは、入力信号に基づいて、バッテリ17からインバータ9に供給される電力をDC/DCコンバータ16によって昇圧させるためのDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* を出力する。DC/DCコンバータ制御部51fにはモータ目標トルク信号Sτm が入力される。DC/DCコンバータ制王御部51fでは、モータ目標トルクτmtと出力電圧指令値Vo*との関係を示す特性マップに基づいて、モータ目標トルク信号Sτmtによって入力されたモータ目標トルクτmtに応じた出力電圧指令値Vo*を算出し、算出された出力電圧指令値Vo*に基づいてDC/DCコンバタータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* を出力する。出力されたDC/DCコンバタータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* はDC/DCコンバータ16に入力される。
次に、本実施例の車両用電動駆動装置を構成する各コンポーネント機器の動作を図17に基づいて詳細に説明する。以下、車両用電動駆動装置を構成する各コンポーネント機器の動作を時間の経過に沿って説明する。
(1)時間t1
キースイッチがオンされる。これにより、ECU90から出力された制御指令信号に基づいて、エンジン3に供給される空気量及び燃料量、スタータによるエンジン3の回転駆動、点火プラグによる点火などが制御され、エンジン3が始動される。この時点で車両の運転モードは2WDモードである。
(2)時間t2
4WDSW60がオンされる。この時点で車両の運転モードは2WDモードから4WDモードに切り替わる。
尚、本実施例では、判定された運転モード、リレー20の接続モード、クラッチ6の状態、アクセルの状態、シフトの状態、4WDCU50の動作、モータ5の動作、インバータ9の動作、オルタネータ13の動作、DC/DCコンバータ16の動作に分けてそれぞれを説明する。
・運転モード:運転モードi
・リレー20:接続モードI(インバータ9とオルタネータ13とを電気的に接続)
・クラッチ6:オン
・アクセル :オフ
・シフト :オフ
・4WDCU50;
4WDCU50は、クラッチ6のガタ詰処理を(1)制御系の電源をオン、(2)クラッチ6をオン、(3)モータ5の界磁制御を開始、(4)リレー20を接続モードI、(5)オルタネータの界磁制御を開始、(6)インバータ9のPWM制御を開始という順序に従って実施するように制御を行う。
4WDCU50は、リレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*と、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmtの出力に必要なオルタネータ目標界磁電流Iaft に関するオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* と、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmtの出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。尚、当該運転モードではDC/DCコンバータ16の駆動を必要としないので、4WDCU50はDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* を出力しない。
また、4WDCU50は、クラッチ6をオンさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオンするように、バッテリ17から供給された電力の電圧を制御し、クラッチ6の励磁コイルに供給する。さらに、4WDCU50は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmtの出力に必要なモータ目標界磁電流Imft に関するモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* に基づいて、バッテリ17からモータ5に供給される電力の電流を制御し、モータ5の界磁巻線に供給する。
・オルタネータ13;
オルタネータ13は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmtの出力に必要なオルタネータ出力電力を出力するように、オルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* に基づいて、界磁巻線に供給される界磁電流(バッテリ17から供給された電力の電流或いは自己で得られた電力の電流)を制御する。
・インバータ9;
インバータ9は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmtの出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・DC/DCコンバータ16;
当該運転モードでは動作しない。
・モータ5;
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、クラッチ6のガタ詰めに必要なモータトルクを出力する。このモータトルクは、クラッチ6の締結機構のモータ側機構を回転駆動させるために必要なトルクである。モータ5は一定時間、クラッチ6のガタ詰めに必要なモータトルクを出力する。
モータ5から出力されたモータトルクはクラッチ6の締結機構のモータ側機構に伝達される。これにより、クラッチ6の締結機構のモータ側機構が回転し、デファレンシャルギア側機構との締結が調整される。このように、本実施例では、車両の発進前にクラッチ6のガタ詰めを行っているので、車両の発進時におけるクラッチ6のガタによるショックを抑制することができる。
尚、本実施例では、エンジン3の始動後、運転者が4WDSW60をオンにする場合について説明したが、運転者がエンジン3の始動前から4WDSW60をオンにしている場合がある。この場合には、運転者がキースイッチをオンにしてエンジン3を始動する時点で4WDSW60がオンになる。
(3)時間t3;
シフトがオンされる。これにより、車両は発進体勢に入る。
・運転モード:運転モードii
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オフ
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt1 の出力に必要なオルタネータ目標界磁電流Iaft に関するオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* と、モータ目標トルクτmt1 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。尚、当該運転モードでもDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* は出力されない。
また、4WDCU50は、引き続きクラッチ6をオンさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオンするように、バッテリ17から供給された電力の電圧を制御し、クラッチ6の励磁コイルに供給する。さらに、4WDCU50は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmt1 の出力に必要なモータ目標界磁電流Imft に関するモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* に基づいて、バッテリ17からモータ5に供給される電力の電流を制御し、モータ5の界磁巻線に供給する。
・オルタネータ13;
オルタネータ13は、モータ目標トルクτmt1 の出力に必要なオルタネータ出力電力を出力するように、オルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* に基づいて、界磁巻線に供給される界磁電流を制御する。
・インバータ9;
インバータ9は、モータ目標トルクτmt1 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・DC/DCコンバータ16;
当該運転モードでは動作しない。
・モータ5;
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm1を出力する。このモータトルクτm1は、後輪2を回転駆動させるまでに至らないトルクである。モータ5は、シフトがオンになった時点で一定のモータトルクτm1を出力し、ブレーキの踏み込みが解除される時間t4までモータトルクτm1の出力を継続する。
モータ5から出力されたモータトルクτm1はクラッチ6、デファレンシャルギア7を介して後輪2に伝達される。この時、モータ5は実際には回転せず、駆動力を発生した状態で静止している。このように、本実施例では、4WD発進時待機モード時に一定のモータトルクτm1をモータ5から後輪2に対して出力するようにしているので、車両の発進に対して直ちに応答することができ、例えば坂道などにおける車両の後ずさりを抑制することができる。
(4)時間t4;
ブレーキが解除される。車両はエンジン3のクリープトルクとモータ5のクリープトルクによって平坦ドライ(高μ)路上で発進する。
・運転モード:運転モードiii
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オフ
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt2 の出力に必要なオルタネータ目標界磁電流Iaft に関するオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* と、モータ目標トルクτmt2 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。尚、当該運転モードでもDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* は出力されない。
また、4WDCU50は、引き続きクラッチ6をオンさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオンするように、バッテリ17から供給された電力の電圧を制御し、クラッチ6の励磁コイルに供給する。さらに、4WDCU50は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmt2 の出力に必要なモータ目標界磁電流Imft に関するモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* に基づいて、バッテリ17からモータ5に供給される電力の電流を制御し、モータ5の界磁巻線に供給する。
・オルタネータ13;
オルタネータ13は、モータ目標トルクτmt2 の出力に必要なオルタネータ出力電力を出力するように、オルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* に基づいて、界磁巻線に供給される界磁電流を制御する。
・インバータ9;
インバータ9は、モータ目標トルクτmt2 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・DC/DCコンバータ16;
当該運転モードでは動作しない。
・モータ5;
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm2を出力する。このモータトルクτm2は、エンジン3のクリープトルクをアシストするための一定のトルクである。モータ5は、ブレーキの踏み込みが解除された時点で一定のモータトルクτm2を出力し、アクセルがオンになる時間t5までモータトルクτm2の出力を継続する。
モータ5から出力されたモータトルクτm2はクラッチ6、デファレンシャルギア7を介して後輪2に伝達され、後輪2を回転駆動する。このように、本実施例では、エンジン3のクリープトルクをアシストしているので、エンジン3の負荷を軽減でき、エンジン3の燃費向上に寄与することができる。
(5)時間t5;
アクセルがオンされる。車両はエンジン3のトルクとモータ5のトルクによって平坦ドライ(高μ)路で加速走行する。
・運転モード:運転モードiv
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オン
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt3 の出力に必要なオルタネータ目標界磁電流Iaft に関するオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* と、モータ目標トルクτmt3 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。尚、当該運転モードでもDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* は出力されない。
また、4WDCU50は、引き続きクラッチ6をオンさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオンするように、バッテリ17から供給された電力の電圧を制御し、クラッチ6の励磁コイルに供給する。さらに、4WDCU50は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmt3 の出力に必要なモータ目標界磁電流Imft に関するモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* に基づいて、バッテリ17からモータ5に供給される電力の電流を制御し、モータ5の界磁巻線に供給する。
・オルタネータ13;
オルタネータ13は、モータ目標トルクτmt3 の出力に必要なオルタネータ出力電力を出力するように、オルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* に基づいて、界磁巻線に供給される界磁電流を制御する。
・インバータ9;
インバータ9は、モータ目標トルクτmt3 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・DC/DCコンバータ16;
当該運転モードでは動作しない。
・モータ5;
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm3を出力する。このモータトルクτm3は車速Vv に応じて変化するものであり、車速Vv の低い時に大きく、車速Vv が大きくなるに従って小さくなる。モータ5は、アクセルがオンになった時点でモータトルクτm3を出力し、車速Vv が所定の車輪速Vw1以上になる時間t6まで、車速Vv に応じたモータトルクτm3を出力する。
モータ5から出力されたモータトルクτm3はクラッチ6、デファレンシャルギア7を介して後輪2に伝達され、後輪2を回転駆動する。このように、本実施例では、エンジン3のトルクをアシストしているので、エンジン3の負荷を軽減でき、エンジン3の燃費向上に寄与することができる。また、本実施例では、モータ5のアシストによって車両の加速走行時の加速性能を向上させることができる。
尚、本実施例では、オルタネータ13の界磁制御によってインバータ9を介してモータ5に供給されるモータ入力電力を制御しているが、オルタネータ13の界磁制御によって得られるモータ5のトルクよりも、さらに大きなトルクが必要な場合がある。特に重量車や排気量の大きい車両においては軽量車や排気量の小さい車両よりも大きなトルクが要求される。このような場合、本実施例では、DC/DCコンバータ16を動作させ、バッテリ17から供給された電力を昇圧し、オルタネータ13の出力電力と共にインバータ9に供給することができる。この場合、リレー20によってインバータ9とオルタネータ13とDC/DCコンバータ16とを電気的に接続すると共に、モータ目標トルクτmt3 の出力に必要なDC/DCコンバータ出力電力を出力するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて昇圧回路16aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。これにより、オルタネータ13の出力電力と、バッテリ17から供給されて昇圧されたDC/DCコンバータ出力電力とを合わせてインバータ9に供給することができる。従って、モータ5に供給されるモータ入力電力が大きくなり、モータ5から出力されるモータトルクが大きくなる。この場合のDC/DCコンバータ16の動作は点線に示す通りである。
(6)時間t6;
車速Vv がVw1以上になる。車両はエンジン3のトルクによって平坦ドライ(高μ)路を加速走行する。
・運転モード:運転モードv
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オン
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt4 の出力に必要なオルタネータ目標界磁電流Iaft に関するオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* と、モータ目標トルクτmt4 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。尚、当該運転モードでもDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* は出力されない。
また、4WDCU50は、引き続きクラッチ6をオンさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオンするように、バッテリ17から供給された電力の電圧を制御し、クラッチ6の励磁コイルに供給する。さらに、4WDCU50は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmt4 の出力に必要なモータ目標界磁電流Imft に関するモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* に基づいて、バッテリ17からモータ5に供給される電力の電流を制御し、モータ5の界磁巻線に供給する。
・オルタネータ13;
オルタネータ13は、モータ目標トルクτmt4 の出力に必要なオルタネータ出力電力を出力するように、オルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* に基づいて、界磁巻線に供給される界磁電流を制御する。
・インバータ9;
インバータ9は、モータ目標トルクτmt4 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・DC/DCコンバータ16;
当該運転モードでは動作しない。
・モータ5;
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm4を出力する。このモータトルクτm4は、エンジン3のトルクをアシストするための一定のトルクである。モータ5は、車速Vv が所定の車輪速Vw1以上になった時点で一定のモータトルクτm4を出力し、所定時間(時間t7まで)、モータトルクτm4の出力を継続し、所定時間後、モータトルクτm4の出力を停止する。
モータ5から出力されたモータトルクτm4はクラッチ6、デファレンシャルギア7を介して後輪2に伝達され、後輪2を回転駆動する。このように、本実施例では、トルクアシスト停止時に所定時間、モータ5から出力されるモータトルクを一定のモータトルクに保持した後に、モータ5から出力されるモータトルクを0Nmにしているので、車両の加速走行時におけるモータ5のモータトルク出力停止によるトルク抜けを抑制することができる。
(7)時間t7;
4WD制御停止モードが一定時間継続した後、クラッチ6がオフされる。車両はエンジン3のトルクによって平坦ドライ(高μ)路を加速走行する。
・運転モード:運転モードvii
・リレー20:接続モードII(オルタネータ13とDC/DCコンバータ16とを電気的に接続)
・クラッチ6:オフ
・アクセル :オン
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、リレー20を接続モードIIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*と、一定のオルタネータ出力電力を出力するために必要なオルタネータ目標界磁電流Iaft に関するオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* と、オルタネータ出力電力を降圧するために必要なDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* とを出力する。また、4WDCU50は、クラッチ6をオフさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオフするように、バッテリ17からクラッチ6の励磁コイルへの電力の供給を停止する。尚、当該運転モードではモータ5の駆動が不要であるので、4WDCU50はモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* 及びインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* を出力しない。
・オルタネータ13;
オルタネータ13は、一定のオルタネータ出力電力、例えば42vの電力を出力するように、オルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* に基づいて、界磁巻線に供給される界磁電流を制御する。
・インバータ9;
当該運転モードでは動作しない。
・DC/DCコンバータ16;
DC/DCコンバータ16は、オルタネータ出力電力を所定の電力、例えば14v(バッテリ17の充電電圧)の電力に降圧するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて降圧回路16bのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・モータ5;
当該運転モードでは動作しない。
(8)時間t8;
アクセルがオフされ、ブレーキがオンされ、クラッチ6がオンされる。車両は平坦ドライ(高μ)路を減速走行する。
・運転モード:運転モードvii
・リレー20:接続モードIII(インバータ9とDC/DCコンバータ16とを電気的に接続)
・クラッチ6:オン
・アクセル :オフ
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、リレー20を接続モードIIIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*と、モータ5から出力された発電電力を制御するために必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipwm* と、インバータ出力電力を降圧するために必要なDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* とを出力する。尚、当該運転モードではオルタネータ13の駆動が不要であるので、4WDCU50はオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* を出力しない。
また、4WDCU50は、クラッチ6をオンさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオンするように、バッテリ17から供給された電力の電圧を制御し、クラッチ6の励磁コイルに供給する。さらに、4WDCU50は、モータ5をジェネレータとして動作させるために必要なモータ目標界磁電流Imft に関するモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* に基づいて、バッテリ17からモータ5に供給される電力の電流を制御し、モータ5の界磁巻線に供給する。
・オルタネータ13;
当該運転モードでは動作しない。
・インバータ9;
インバータ9は、モータ5の発電電力を制御するために、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・DC/DCコンバータ16;
DC/DCコンバータ16は、インバータ出力電力を所定の電圧の電力、例えばバッテリ17の充電電圧である14vの電力に降圧するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて降圧回路16bのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・モータ5;
モータ5には、後輪2の回転駆動力がデファレンシャルギア7、クラッチ6を介して伝達される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5はジェネレータとして動作し、電機子巻線から発電力が得られる。モータ5は、アクセルがオフになった時点でジェネレータとしての動作し、車速Vv が車輪速Vw2以下になった時点で発電を停止する。
モータ5から得られた発電電力はインバータ9によって直流電力に変換される。変換されて出力されたインバータ出力電力は、DC/DCコンバータ16によって所定の電圧の電力、例えばバッテリ17の充電電圧である14vの電力に降圧され、バッテリ17に供給される。このように、本実施例では、車両の回生エネルギーを回収するようにしているので、車両のエネルギー効率を向上させることができる。
(9)時間t9;
車速Vv が0km/hになり、車両が停止する。運転モードが4WD発進時待機モードとなり、車両は発進体勢を維持する。ここでの動作は、前述した(3)時間t3と同様であるので、詳細な説明は省略する。
(10)時間t10;
ブレーキが解除される。運転モードが4WDクリープモードになり、車両はエンジン3のクリープトルクとモータ5のクリープトルクによって平坦低μ路上で発進する。ここでの動作は、前述した(4)時間t4と同様であるので、詳細な説明は省略する。
(11)時間t11;
アクセルがオンされる。運転モードが4WD通常走行制御モードになり、車両はエンジン3のトルクとモータ5のトルクによって登坂低μ路で加速走行する。このでの動作は、前述した(5)時間t5と同様であるで、詳細な説明は省略する。
(12)時間t12;
登坂低μ路で加速走行中、前輪速と後輪速との間に車輪速差、すなわちスリップが生じる。ここでは、前輪1にスリップが生じる場合を例にとり説明する。
・運転モード:運転モードviii
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オン
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt6 の出力に必要なオルタネータ目標界磁電流Iaft に関するオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* と、モータ目標トルクτmt6 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。尚、当該運転モードでもDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* は出力されない。
また、4WDCU50は、引き続きクラッチ6をオンさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオンするように、バッテリ17から供給された電力の電圧を制御し、クラッチ6の励磁コイルに供給する。さらに、4WDCU50は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmt6 の出力に必要なモータ目標界磁電流Imft に関するモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* に基づいて、バッテリ17からモータ5に供給される電力の電流を制御し、モータ5の界磁巻線に供給する。
・オルタネータ13;
オルタネータ13は、モータ目標トルクτmt6 の出力に必要なオルタネータ出力電力を出力するように、オルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* に基づいて、界磁巻線に供給される界磁電流を制御する。
・インバータ9;
インバータ9は、モータ目標トルクτmt6 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・DC/DCコンバータ16;
当該運転モードでは動作しない。
・モータ5;
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm6を出力する。このモータトルクτm6は車輪速差ΔVw に応じて変化するものであって、所定の車輪速差ΔVw1から車輪速差ΔVw が大きくなるに従って0Nmから漸次大きくなり、所定の車輪速差ΔVw2で最大モータトルクτm6max を出力するようになっている。最大モータトルクτm6max は4WD通常走行制御モードの最大モータトルクτm3max よりも大きく設定されている。モータ5は、車輪速差ΔVw が車輪速差ΔVw1を超えた時点でモータトルクτm6を出力し、車輪速差ΔVw が車輪速差ΔVw1以下になるまで、車輪速差ΔVw に応じたモータトルクτm6を出力する。
モータ5から出力されたモータトルクτm6はクラッチ6、デファレンシャルギア7を介して後輪2に伝達され、後輪2を回転駆動する。このように、本実施例では、スリップが生じた場合、通常走行モード時よりも大きいモータトルクを出力して、スリップを収束させるようにしているので、車両の走行性能、特に低μ路における走行性能を向上させることができる。
また、本実施例では、前述した(5)時間t5と同様に、DC/DCコンバータ16を動作させ、バッテリ17から供給された電力を昇圧し、オルタネータ13の出力電力と共にインバータ9に供給することにより、さらに大きなモータトルクを出力することができ、さらに車両の走行性能を向上させることができる。この場合のDC/DCコンバータ16の動作も点線で示している。
(13)時間t13;
スリップが収束し、再び4WD通常走行制御モードになる。ここでの動作は、前述した(5)時間t5と同様であるで、詳細な説明は省略する。
(14)時間t14;
車速Vv がVw1以上になる。運転モードが4WD停止制御モードになり、車両はエンジン3のトルクによって登坂低μ路を加速走行する。ここでの動作は、前述した(6)時間t6と同様であるで、詳細な説明は省略する。
(15)時間t15;
4WD制御停止モードが一定時間継続した後、クラッチ6がオフになり、運転モードが4WD走行中待機モードになる。車両は登坂低μ路を上りきり、エンジン3のトルクによって平坦ドライ(高μ)路を加速走行する。ここでの動作は、前述した(7)時間t7と同様であるで、詳細な説明は省略する。
(16)時間t16;
アクセルがオフされ、ブレーキがオンされ、クラッチ6がオンされる。運転モードが4WD回生モードとなり、車両は平坦ドライ(高μ)路を減速走行する。ここでの動作は、前述した(8)時間t8と同様であるで、詳細な説明は省略する。
(17)時間t17;
車速Vv が0km/hになり、車両が停止する。運転モードが4WD発進時待機モードとなり、車両は発進体勢を維持する。ここでの動作は、前述した(3)時間t3と同様であるので、詳細な説明は省略する。
(18)時間t18;
シフトがオフされる。運転モードが4WD準備モードになり、クラッチ6がオンされた状態となる。
(19)時間t19;
4WDSW60がオフされる。運転モードが4WD停止モードとなり、クラッチ6がオフ、4WD制御系電源がオフになる。この時点で車両の運転モードは2WDモードから4WDモードに切り替わる。
(20)時間t20;
キースイッチがオフされる。これにより、エンジン3が停止する。
〔実施例2〕
本発明の第2実施例を図18乃至図21に基づいて説明する。
図18は、本発明の第2実施例に係る車両用電動駆動装置が適用されるエンジン・モータ複合型の車両駆動装置の構成を示す。図19は、4WD制御装置を含む本実施例の車両用電動駆動装置のシステム構成を示す。図20は、4WD制御装置を構成するマイクロプロセッサユニットの機能構成を示す。図21は、本実施例の車両用電動駆動装置を構成する各コンポーネント機器の車両動作状態に対する動作タイミングを示す。
本実施例では、DC/DCコンバータ16を前例とは異なる位置に配置しており、インバータ9とリレー20との間に配置している。また、本実施例では、オルタネータ13を従来の補機充電用としている。オルタネータ13はECU90によって制御され、バッテリ17の充電電圧である14vの電力を出力するようになっている。従って、本実施例では、オルタネータ13から出力された14vの電力或いはバッテリ17から放電された放電電圧12vの電力をDC/DCコンバータ16によって昇圧してインバータ9に供給するようにしている。また、本実施例では、インバータ9から供給された電力をDC/DCコンバータ16によって降圧してバッテリ17に供給するようにしている。さらに、本実施例では、オルタネータ13はECU90によって制御されるので、MPU51はオルタネータ目標界磁電流算出部を備えていない。その他の構成及びその機能や動作は前例とほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。
次に、本実施例の車両用電動駆動装置を構成する各コンポーネント機器の動作を図21に基づいて詳細に説明する。以下、車両用電動駆動装置を構成する各コンポーネント機器の動作を時間の経過に沿って説明する。
(1)時間t1
キースイッチがオンされる。これにより、ECU90から出力された制御指令信号に基づいて、エンジン3に供給される空気量及び燃料量、スタータによるエンジン3の回転駆動、点火プラグによる点火などが制御され、エンジン3が始動される。この時点で車両の運転モードは2WDモードである。
(2)時間t2
4WDSW60がオンされる。この時点で車両の運転モードは2WDモードから4WDモードに切り替わる。
尚、本実施例では、判定された運転モード、リレー20の接続モード、クラッチ6の状態、アクセルの状態、シフトの状態、4WDCU50の動作、モータ5の動作、インバータ9の動作、DC/DCコンバータ16の動作に分けてそれぞれを説明する。
・運転モード:運転モードi
・リレー20:接続モードI(オルタネータ13とDC/DCコンバータ16を電気的に接続)
・クラッチ6:オン
・アクセル :オフ
・シフト :オフ
・4WDCU50;
4WDCU50は、クラッチ6のガタ詰処理を(1)制御系の電源をオン、(2)クラッチ6をオン、(3)モータ5の界磁制御を開始、(4)リレー20を接続モードI、(5)DC/DCコンバータ16のオルタネータのPWM制御を開始、(6)インバータ9のPWM制御を開始という順序に従って実施するように制御を行う。
4WDCU50は、リレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*と、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmtの出力に必要なDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* と、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmtの出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。
また、4WDCU50は、クラッチ6をオンさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオンするように、バッテリ17から供給された電力の電圧を制御し、クラッチ6の励磁コイルに供給する。さらに、4WDCU50は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmtの出力に必要なモータ目標界磁電流Imft に関するモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* に基づいて、バッテリ17からモータ5に供給される電力の電流を制御し、モータ5の界磁巻線に供給する。
・DC/DCコンバータ16;
DC/DCコンバータ16は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmtの出力に必要なインバータ入力電力を出力するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて昇圧回路16aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・インバータ9;
インバータ9は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmtの出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・モータ5;
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、クラッチ6のガタ詰めに必要なモータトルクを出力する。このモータトルクは、クラッチ6の締結機構のモータ側機構を回転駆動させるために必要なトルクである。モータ5は一定時間、クラッチ6のガタ詰めに必要なモータトルクを出力する。
モータ5から出力されたモータトルクはクラッチ6の締結機構のモータ側機構に伝達される。これにより、クラッチ6の締結機構のモータ側機構が回転し、デファレンシャルギア側機構との締結が調整される。このように、本実施例では、車両の発進前にクラッチ6のガタ詰めを行っているので、車両の発進時におけるクラッチ6のガタによるショックを抑制することができる。
尚、本実施例では、エンジン3の始動後、運転者が4WDSW60をオンにする場合について説明したが、運転者がエンジン3の始動前から4WDSW60をオンにしている場合がある。この場合には、運転者がキースイッチをオンにしてエンジン3を始動する時点で4WDSW60がオンになる。
(3)時間t3;
シフトがオンされる。これにより、車両は発進体勢に入る。
・運転モード:運転モードii
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オフ
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt1 の出力に必要なDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* と、モータ目標トルクτmt1 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。
また、4WDCU50は、引き続きクラッチ6をオンさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオンするように、バッテリ17から供給された電力の電圧を制御し、クラッチ6の励磁コイルに供給する。さらに、4WDCU50は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmt1 の出力に必要なモータ目標界磁電流Imft に関するモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* に基づいて、バッテリ17からモータ5に供給される電力の電流を制御し、モータ5の界磁巻線に供給する。
・DC/DCコンバータ16;
DC/DCコンバータ16は、モータ目標トルクτmt1 の出力に必要なインバータ入力電力を出力するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて昇圧回路16aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・インバータ9;
インバータ9は、モータ目標トルクτmt1 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・モータ5;
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm1を出力する。このモータトルクτm1は、後輪2を回転駆動させるまでに至らないトルクである。モータ5は、シフトがオンになった時点で一定のモータトルクτm1を出力し、ブレーキの踏み込みが解除される時間t4までモータトルクτm1の出力を継続する。
モータ5から出力されたモータトルクτm1はクラッチ6、デファレンシャルギア7を介して後輪2に伝達される。この時、モータ5は実際には回転せず、駆動力を発生した状態で静止している。このように、本実施例では、4WD発進時待機モード時に一定のモータトルクτm1をモータ5から後輪2に対して出力するようにしているので、車両の発進に対して直ちに応答することができ、例えば坂道などにおける車両の後ずさりを抑制することができる。
(4)時間t4;
ブレーキが解除される。車両はエンジン3のクリープトルクとモータ5のクリープトルクによって平坦ドライ(高μ)路上で発進する。
・運転モード:運転モードiii
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オフ
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt2 の出力に必要なDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* と、モータ目標トルクτmt2 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。
また、4WDCU50は、引き続きクラッチ6をオンさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオンするように、バッテリ17から供給された電力の電圧を制御し、クラッチ6の励磁コイルに供給する。さらに、4WDCU50は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmt2 の出力に必要なモータ目標界磁電流Imft に関するモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* に基づいて、バッテリ17からモータ5に供給される電力の電流を制御し、モータ5の界磁巻線に供給する。
・DC/DCコンバータ16;
DC/DCコンバータ16は、モータ目標トルクτmt2 の出力に必要なインバータ入力電力を出力するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて昇圧回路16aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・インバータ9;
インバータ9は、モータ目標トルクτmt2 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・モータ5;
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm2を出力する。このモータトルクτm2は、エンジン3のクリープトルクをアシストするための一定のトルクである。モータ5は、ブレーキの踏み込みが解除された時点で一定のモータトルクτm2を出力し、アクセルがオンになる時間t5までモータトルクτm2の出力を継続する。
モータ5から出力されたモータトルクτm2はクラッチ6、デファレンシャルギア7を介して後輪2に伝達され、後輪2を回転駆動する。このように、本実施例では、エンジン3のクリープトルクをアシストしているので、エンジン3の負荷を軽減でき、エンジン3の燃費向上に寄与することができる。
(5)時間t5;
アクセルがオンされる。車両はエンジン3のトルクとモータ5のトルクによって平坦ドライ(高μ)路で加速走行する。
・運転モード:運転モードiv
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オン
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt3 の出力に必要なDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* と、モータ目標トルクτmt3 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。
また、4WDCU50は、引き続きクラッチ6をオンさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオンするように、バッテリ17から供給された電力の電圧を制御し、クラッチ6の励磁コイルに供給する。さらに、4WDCU50は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmt3 の出力に必要なモータ目標界磁電流Imft に関するモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* に基づいて、バッテリ17からモータ5に供給される電力の電流を制御し、モータ5の界磁巻線に供給する。
・DC/DCコンバータ16;
DC/DCコンバータ16は、モータ目標トルクτmt3 の出力に必要なインバータ入力電力を出力するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて昇圧回路16aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・インバータ9;
インバータ9は、モータ目標トルクτmt3 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・モータ5;
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm3を出力する。このモータトルクτm3は車速Vv に応じて変化するものであり、車速Vv の低い時に大きく、車速Vv が大きくなるに従って小さくなる。モータ5は、アクセルがオンになった時点でモータトルクτm3を出力し、車速Vv が所定の車輪速Vw1以上になる時間t6まで、車速Vv に応じたモータトルクτm3を出力する。
モータ5から出力されたモータトルクτm3はクラッチ6、デファレンシャルギア7を介して後輪2に伝達され、後輪2を回転駆動する。このように、本実施例では、エンジン3のトルクをアシストしているので、エンジン3の負荷を軽減でき、エンジン3の燃費向上に寄与することができる。また、本実施例では、モータ5のアシストによって車両の加速走行時の加速性能を向上させることができる。
(6)時間t6;
車速Vv がVw1以上になる。車両はエンジン3のトルクによって平坦ドライ(高μ)路を加速走行する。
・運転モード:運転モードv
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オン
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt4 の出力に必要なDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* と、モータ目標トルクτmt4 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。
また、4WDCU50は、引き続きクラッチ6をオンさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオンするように、バッテリ17から供給された電力の電圧を制御し、クラッチ6の励磁コイルに供給する。さらに、4WDCU50は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmt4 の出力に必要なモータ目標界磁電流Imft に関するモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* に基づいて、バッテリ17からモータ5に供給される電力の電流を制御し、モータ5の界磁巻線に供給する。
・DC/DCコンバータ16;
DC/DCコンバータ16は、モータ目標トルクτmt4 の出力に必要なインバータ入力電力を出力するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて昇圧回路16aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・インバータ9;
インバータ9は、モータ目標トルクτmt4 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・モータ5;
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm4を出力する。このモータトルクτm4は、エンジン3のトルクをアシストするための一定のトルクである。モータ5は、車速Vv が所定の車輪速Vw1以上になった時点で一定のモータトルクτm4を出力し、所定時間(時間t7まで)、モータトルクτm4の出力を継続し、所定時間後、モータトルクτm4の出力を停止する。
モータ5から出力されたモータトルクτm4はクラッチ6、デファレンシャルギア7を介して後輪2に伝達され、後輪2を回転駆動する。このように、本実施例では、トルクアシスト停止時に所定時間、モータ5から出力されるモータトルクを一定のモータトルクに保持した後に、モータ5から出力されるモータトルクを0Nmにしているので、車両の加速走行時におけるモータ5のモータトルク出力停止によるトルク抜けを抑制することができる。
(7)時間t7;
4WD制御停止モードが一定時間継続した後、クラッチ6がオフされる。車両はエンジン3のトルクによって平坦ドライ(高μ)路を加速走行する。
・運転モード:運転モードvi
・リレー20:接続モードII(オルタネータ13とバッテリ17とを電気的に接続)
・クラッチ6:オフ
・アクセル :オン
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、リレー20を接続モードIIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*出力する。また、4WDCU50は、クラッチ6をオフさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオフするように、バッテリ17からクラッチ6の励磁コイルへの電力の供給を停止する。尚、当該運転モードではモータ5の駆動が不要であるので、4WDCU50はインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* 、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* 及びモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* を出力しない。
・DC/DCコンバータ16;
当該運転モードでは動作しない。
・インバータ9;
当該運転モードでは動作しない。
・モータ5;
当該運転モードでは動作しない。
(8)時間t8;
アクセルがオフされ、ブレーキがオンされ、クラッチ6がオンされる。車両は平坦ドライ(高μ)路を減速走行する。
・運転モード:運転モードvii
・リレー20:接続モードIII(DC/DCコンバータ16とバッテリ17を電気的に接続)
・クラッチ6:オン
・アクセル :オフ
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、リレー20を接続モードIIIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*と、モータ5から出力された発電電力を制御するために必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipwm* と、インバータ出力電力を降圧するために必要なDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* とを出力する。
また、4WDCU50は、クラッチ6をオンさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオンするように、バッテリ17から供給された電力の電圧を制御し、クラッチ6の励磁コイルに供給する。さらに、4WDCU50は、モータ5をジェネレータとして動作させるために必要なモータ目標界磁電流Imft に関するモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* に基づいて、バッテリ17からモータ5に供給される電力の電流を制御し、モータ5の界磁巻線に供給する。
・DC/DCコンバータ16;
DC/DCコンバータ16は、インバータ出力電力を所定の電圧の電力、例えばバッテリ17の充電電圧である14vの電力に降圧するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて降圧回路16bのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・インバータ9;
インバータ9は、モータ5の発電電力を制御するために、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・モータ5;
モータ5には、後輪2の回転駆動力がデファレンシャルギア7、クラッチ6を介して伝達される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5はジェネレータとして動作し、電機子巻線から発電力が得られる。モータ5は、アクセルがオフになった時点でジェネレータとしての動作し、車速Vv が車輪速Vw2以下になった時点で発電を停止する。
モータ5から得られた発電電力はインバータ9によって直流電力に変換される。変換されて出力されたインバータ出力電力は、DC/DCコンバータ16によって所定の電圧の電力、例えばバッテリ17の充電電圧である14vの電力に降圧され、バッテリ17に供給される。このように、本実施例では、車両の回生エネルギーを回収するようにしているので、車両のエネルギー効率を向上させることができる。
(9)時間t9;
車速Vv が0km/hになり、車両が停止する。運転モードが4WD発進時待機モードとなり、車両は発進体勢を維持する。ここでの動作は、前述した(3)時間t3と同様であるので、詳細な説明は省略する。
(10)時間t10;
ブレーキが解除される。運転モードが4WDクリープモードになり、車両はエンジン3のクリープトルクとモータ5のクリープトルクによって平坦低μ路上で発進する。ここでの動作は、前述した(4)時間t4と同様であるので、詳細な説明は省略する。
(11)時間t11;
アクセルがオンされる。運転モードが4WD通常走行制御モードになり、車両はエンジン3のトルクとモータ5のトルクによって登坂低μ路で加速走行する。このでの動作は、前述した(5)時間t5と同様であるで、詳細な説明は省略する。
(12)時間t12;
登坂低μ路で加速走行中、前輪速と後輪速との間に車輪速差、すなわちスリップが生じる。ここでは、前輪1にスリップが生じる場合を例にとり説明する。
・運転モード:運転モードviii
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オン
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt6 の出力に必要なDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* と、モータ目標トルクτmt6 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。
また、4WDCU50は、引き続きクラッチ6をオンさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオンするように、バッテリ17から供給された電力の電圧を制御し、クラッチ6の励磁コイルに供給する。さらに、4WDCU50は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmt6 の出力に必要なモータ目標界磁電流Imft に関するモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* に基づいて、バッテリ17からモータ5に供給される電力の電流を制御し、モータ5の界磁巻線に供給する。
・DC/DCコンバータ16;
DC/DCコンバータ16は、モータ目標トルクτmt6 の出力に必要なインバータ入力電力を出力するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて昇圧回路16aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
・インバータ9;
インバータ9は、モータ目標トルクτmt6 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aの動作を制御する。
・モータ5;
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm6を出力する。このモータトルクτm6は車輪速差ΔVw に応じて変化するものであって、所定の車輪速差ΔVw1から車輪速差ΔVw が大きくなるに従って0Nmから漸次大きくなり、所定の車輪速差ΔVw2で最大モータトルクτm6max を出力するようになっている。最大モータトルクτm6max は4WD通常走行制御モードの最大モータトルクτm3max よりも大きく設定されている。モータ5は、車輪速差ΔVw が車輪速差ΔVw1を超えた時点でモータトルクτm6を出力し、車輪速差ΔVw が車輪速差ΔVw1以下になるまで、車輪速差ΔVw に応じたモータトルクτm6を出力する。
モータ5から出力されたモータトルクτm6はクラッチ6、デファレンシャルギア7を介して後輪2に伝達され、後輪2を回転駆動する。このように、本実施例では、スリップが生じた場合、通常走行モード時よりも大きいモータトルクを出力して、スリップを収束させるようにしているので、車両の走行性能、特に低μ路における走行性能を向上させることができる。
(13)時間t13;
スリップが収束し、再び4WD通常走行制御モードになる。ここでの動作は、前述した(5)時間t5と同様であるで、詳細な説明は省略する。
(14)時間t14;
車速Vv がVw1以上になる。運転モードが4WD停止制御モードになり、車両はエンジン3のトルクによって登坂低μ路を加速走行する。ここでの動作は、前述した(6)時間t6と同様であるで、詳細な説明は省略する。
(15)時間t15;
4WD制御停止モードが一定時間継続した後、クラッチ6がオフになり、運転モードが4WD走行中待機モードになる。車両は登坂低μ路を上りきり、エンジン3のトルクによって平坦ドライ(高μ)路を加速走行する。ここでの動作は、前述した(7)時間t7と同様であるで、詳細な説明は省略する。
(16)時間t16;
アクセルがオフされ、ブレーキがオンされ、クラッチ6がオンされる。運転モードが4WD回生モードとなり、車両は平坦ドライ(高μ)路を減速走行する。ここでの動作は、前述した(8)時間t8と同様であるで、詳細な説明は省略する。
(17)時間t17;
車速Vv が0km/hになり、車両が停止する。運転モードが4WD発進時待機モードとなり、車両は発進体勢を維持する。ここでの動作は、前述した(3)時間t3と同様であるので、詳細な説明は省略する。
(18)時間t18;
シフトがオフされる。運転モードが4WD準備モードになり、クラッチ6がオンされた状態となる。
(19)時間t19;
4WDSW60がオフされる。運転モードが4WD停止モードとなり、クラッチ6がオフ、4WD制御系電源がオフになる。この時点で車両の運転モードは2WDモードから4WDモードに切り替わる。
(20)時間t20;
キースイッチがオフされる。これにより、エンジン3が停止する。
本発明の一実施例に係るエンジン・モータ複合型の車両駆動装置の構成図。 上記実施例に用いる昇降圧装置の回路図。 上記実施例の動作説明図。 上記実施例の動作を示すフローチャート。 上記実施例の動作を示すフローチャート。 上記実施例の動作(発進、登坂、高速時の四輪駆動)を示す説明図。 上記実施例の動作(発進、登坂、高速時の四輪駆動)を示す説明図。 上記実施例の動作(発進、登坂、高速時の四輪駆動)を示す説明図。 上記実施例の動作(二輪駆動)を示す説明図。 上記実施例の動作(回生制動)を示す説明図。 本発明の他の実施例を示す説明図。 上記実施例の他の動作例を示すフローチャート。 上記実施例の他の動作例を示すフローチャート。 上記実施例の動作(モータによる発進後、エンジン始動)を示す説明図。 4WD制御装置を含む本実施例の車両用電動駆動装置のシステム構成をシステム構成図。 4WD制御装置を構成するマイクロプロセッサユニットの機能構成を示すブロック図。 本実施例の車両用電動駆動装置を構成する各コンポーネント機器の車両動作状態に対する動作タイミングを示すタイムチャート。 本発明の第2実施例に係る車両用電動駆動装置が適用されるエンジン・モータ複合型の車両駆動装置の構成を示す構成図。 4WD制御装置を含む本実施例の車両用電動駆動装置のシステム構成を示すシステム構成図。 4WD制御装置を構成するマイクロプロセッサユニットの機能構成を示すブロック図。 本実施例の車両用電動駆動装置を構成する各コンポーネント機器の車両動作状態に対する動作タイミングを示すタイムチャート。
符号の説明
1,2…車輪、3…エンジン、5…モータ(モータ/ジェネレータ)、9…インバータ、13…オルタネータ(発電機)、16…昇降圧装置、17…バッテリ、18…補機類。

Claims (13)

  1. 車両駆動用のエンジンにより駆動される発電機と、
    補機類に使用される車載バッテリと、
    車両駆動用のモータと、
    を備え、
    前記発電機の出力電圧及び前記バッテリの出力電圧の少なくとも一つを前記モータの駆動電圧まで昇圧して、この昇圧された出力電圧によって前記モータを駆動させるように構成した
    ことを特徴とする車両用電動駆動装置。
  2. 車両駆動用のエンジンにより駆動される発電機と、
    補機類に使用される車載バッテリと、
    車両駆動用のモータと、
    を備え、
    前記モータの駆動電源は、
    モータ駆動専用バッテリを備えずに、前記エンジンの駆動により前記モータの駆動電圧を出力し得るようにした前記発電機と、
    昇圧装置を介して前記モータの駆動電圧を出力し得るようにした前記補機類用の車載バッテリと、
    により構成した
    ことを特徴とする車両用電動駆動装置。
  3. 車両駆動用のエンジンにより駆動される発電機と、
    補機類に使用される車載バッテリと、
    車両駆動用のモータと、
    を備え、
    前記発電機と前記モータ間の電力線に前記車載バッテリを昇圧装置を介して接続して、
    前記モータの駆動電力を、前記発電機の出力及び昇圧された前記車載バッテリの出力の一方もしくは双方によって供給されるように構成した
    ことを特徴とする車両用電動駆動装置。
  4. 車輪の一部がエンジンにより駆動される車両に用いられ、前記エンジンにより駆動される車輪以外の車輪をモータにより駆動する車両用電動駆動装置において、
    車両に搭載される補機類用のバッテリと、
    前記エンジンの動力によって駆動されて前記モータの駆動電源と前記補機類の電源とを兼ねる発電機と、
    を備え、
    前記モータ及び前記発電機と前記バッテリとを電圧の昇降圧装置を介して接続し、
    前記昇降圧装置は、
    運転条件に応じて、前記バッテリの電力を昇圧して前記モータに供給する機能と、
    前記発電機の電力を降圧して前記バッテリ及び補機に供給する機能と
    を有する
    ことを特徴とする車両用電動駆動装置。
  5. 請求項4に記載の車両用電動駆動装置において、
    前記昇降圧装置は、前記バッテリの電力を昇圧して前記発電機から出力される電力と合わせて前記モータに供給する機能を有する
    ことを特徴とする車両用電動駆動装置。
  6. 車輪の一部がエンジンにより駆動される車両に用いられ、前記エンジンにより駆動される車輪以外の車輪をモータにより駆動する車両用電動駆動装置において、
    前記モータは、エンジンにより駆動される発電機或いは蓄電器からの電力が力行時に供給されて駆動し、回生時に回生電力を発電するモータ/ジェネレータより成り、
    前記モータと前記蓄電器との間の電力線に昇降圧回路が設けられ、
    この昇降圧回路により、車両の運転条件に応じて前記蓄電器で蓄えられた電気エネルギーを昇圧して前記モータに駆動用電力を供給し、モータの回生時に発電する回生電力を降圧して前記蓄電器に供給する構成とした
    ことを特徴とする車両用電動駆動装置。
  7. 請求項6に記載の車両用電動駆動装置において、
    前記昇降圧回路は、
    昇圧用のチョークコイル及びコンデンサと、
    制御装置からの指令により前記モータの力行,回生に対応して昇圧,降圧の動作切替えを行う半導体パワー素子及びダイオード
    を備え、
    前記半導体パワー素子をデューティ制御することにより昇圧或いは降圧の電圧値が制御され、
    前記蓄電器は、車両のランプ負荷などの補機類に使用されるバッテリ或いは前記モータの駆動用電圧よりも小さい電圧を蓄電する容量のコンデンサにより構成されている
    ことを特徴とする車両用電動駆動装置。
  8. 請求項6に記載の車両用電動駆動装置において、
    前記車輪駆動用モータとこのモータの駆動源となる前記発電機との間の電力線に、前記蓄電器が前記昇降圧回路を介して接続され、かつ、少なくとも次のモードを実行する制御装置、
    すなわち前記昇降圧回路により昇圧される前記蓄電器の電力と前記発電機の電力とを前記モータに供給するモードと、
    前記モータの回生制動時に前記モータで生じる電力を前記昇降圧回路により降圧して前記蓄電器に供給するモードと、
    前記力行,回生制動以外のモードのときに前記発電機の電力を前記昇降圧回路を介して降圧して前記蓄電器に供給するモードと
    を実行する制御装置を有し、
    前記蓄電器は車両の一般電装品のバッテリとしても機能するよう構成した
    ことを特徴とする車両用電動駆動装置。
  9. 請求項6に記載の車両用電動駆動装置において、
    前記車輪駆動用モータとこのモータの駆動源となる前記発電機との間の電力線に、前記蓄電器が前記昇降圧回路を介して接続され、
    前記モータ,前記発電機間の電力線Aと、この電力線Aと前記蓄電器間を接続する電力線Bとの間に、前記発電機,前記蓄電器,前記モータの三者間の接続を切替える切替えスイッチSwを設けた
    ことを特徴とする車両用電動駆動装置。
  10. 請求項6に記載の車両用電動駆動装置において、
    前記モータは、インバータにより駆動制御される交流モータ、或いは直流モータにより構成されている
    ことを特徴とする車両用電動駆動装置。
  11. 車輪の一部がエンジンにより駆動される車両に用いられ、前記エンジンにより駆動される車輪以外の車輪をモータにより駆動する車両用電動駆動装置において、
    前記モータは、エンジンにより駆動される発電機或いは蓄電器からの電力が力行時に供給されて駆動し、回生時に回生電力を発電するモータ/ジェネレータより成り、
    前記蓄電器は、車両のライト負荷など補機類の電圧レベルの蓄電器であって、前記車輪駆動用モータとこのモータの駆動源となる前記発電機との間の電力線に昇降圧回路を介して接続され、
    この昇降圧回路は、前記発電機,モータ間の電力線から前記蓄電器に向けた降圧動作と、前記蓄電器から前記発電機,モータ間の電力線に向けた昇圧動作とが制御信号により切替え可能な回路構成としてあり、
    且つ、前記発電機の電力と前記昇降圧回路により昇圧される前記蓄電器の電力とを前記モータに供給するモードと、
    前記モータの回生制動時に前記モータで生じる電力を前記昇降圧回路により降圧して前記蓄電器に供給するモードと、
    前記力行,回生制動以外のモードのときに前記発電機の電力を前記昇降圧回路を介して降圧して前記蓄電器に供給するモードと
    を実行するモード切替え制御手段を備える
    ことを特徴とする車両用電動駆動装置。
  12. 前輪,後輪のうち一方の車輪をエンジンにより駆動し、他方の車輪を請求項1ないし11のいずれか1項に記載した車両用電動駆動装置により必要に応じて駆動するエンジン・モータ複合型の四輪駆動装置。
  13. 車輪駆動用のエンジンとモータとを備えたエンジン・モータ複合型の車両駆動装置において、
    車両の発進時に前記モータをバッテリにより駆動させて車両を走行開始させた後に、その回転力をエンジンに伝え且つスタータを動作させないで点火系を作動させることによりエンジンを始動させるように構成した
    ことを特徴とするエンジン・モータ複合型の車両駆動装置。
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