JP2010149648A - 四輪駆動車の電動機トルク制御装置および方法 - Google Patents

四輪駆動車の電動機トルク制御装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 制御ハンチングの抑制と主駆動輪のグリップ力の維持とを両立できる四輪駆動車の電動機トルク制御装置および方法を提供する。
【解決手段】 4WDコントローラ8は、目標モータトルクTm*を前輪1L,1Rと後輪3L,3Rとの車輪速差ΔVと車速VSPとに基づいて設定し、車速VSPに応じた目標モータトルクを、車速VSPが高いほど増加させ、目標モータトルクTm*に応じてモータ4の出力トルクを制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、四輪駆動車の電動機トルク制御装置の技術分野に関する。
従来の四輪駆動車の電動機トルク制御装置では、主駆動源で前輪のみを駆動して走行する二輪駆動走行モード時、前輪のスリップ率が所定のスリップ率を超えた場合、電動機により後輪を駆動して走行する四輪駆動走行モードへと移行する。
この四輪駆動走行モードでは、前後輪の車輪速差が第1の閾値を超えた場合、電動機の駆動を開始し、前後輪の車輪速が第1の閾値よりも大きい第2の閾値を超えたとき、電動機の目標トルクを電動機の最大トルクに保持している。上記説明に換券する技術の一例は、特許文献1に記載されている。
特開平7−231508号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、車輪速差のみに基づいて電動機の目標トルクを決めているため、第1の閾値と第2の閾値との差を小さく設定すると、電動機の性能により決まる四輪駆動走行モード可能車速域の高車速側で二輪駆動走行モードと四輪駆動走行モードとの制御ハンチングが発生し、逆に差を大きく設定すると、低車速側で前輪のグリップ力維持が困難となる。
本発明の目的は、制御ハンチングの抑制と主駆動輪のグリップ力の維持との両立を図る四輪駆動車の電動機トルク制御装置および方法を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明の四輪駆動車の電動機トルク制御装置では、主駆動源により駆動される主駆動輪と電動機により駆動される従駆動輪との車輪速差と車速とに基づいて前記電動機の目標トルクを設定し、前記車速に応じた前記目標トルクを、車速が所定値以下である場合には前記所定値を超える場合よりも増加させる。
よって、本発明にあっては、車速に応じた電動機の目標トルクを、車速が所定値以下である場合には所定値を超える場合よりも増加させるため、四輪駆動走行モード可能車速域の高車速側における制御ハンチングの抑制と、低車速側における主駆動輪のグリップ力の確保との両立を図ることができる。
以下、本発明の四輪駆動車の電動機トルク制御装置を実現するための最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の四輪駆動車を示す全体システム図、図2は実施例1の四輪駆動車の制御系を示すブロック図である。実施例1の車両は、図1に示すように、左右前輪1L,1R(主駆動輪)を主駆動源であるエンジン2によって駆動し、左右後輪3L,3R(従駆動輪)を電動機であるモータ4によって駆動可能な四輪駆動車である。
図1に示すように、エンジン2の出力トルクTeは、自動MT&デフギア5を介して左右前輪1L,1Rに伝達する。また、エンジン2の出力トルクTeの一部は、無端ベルト6を介して発電機7に伝達する。自動MT&デフギア5は、自動クラッチ50と前進6段後進1段の変速段を選択可能な同期歯車変速機構(不図示)とディファレンシャルギア装置73を有し、変速時に自動クラッチ50を切り離しその間に変速歯車を切り替える。
発電機7は、エンジン回転数Neにプーリ比を乗じた回転数Nhで回転し、4WDコントローラ(電動機トルク制御手段)8によって調整される界磁電流Ifhに応じて、エンジン2に対し負荷となり、その負荷トルクに応じた電力を発電する。その発電機7が発電した電力は、電線9を介してモータ4に供給する。その電線9の途中には、ジャンクションボックス10を設けた。
モータ4の駆動トルクは、ギア減速機11および4WDクラッチ12を介して左右後輪3L,3Rに伝達する。なお、符号13は左右後輪3L,3Rのディファレンシャルギアをあらわす。
エンジン2の吸気管路14(例えば、インテークマニホールド)には、スロットルバルブ15を介装した。このスロットルバルブ15は、アクセルペダル17の踏み込み量等に応じてスロットル開度を調整制御するアクセルバイワイヤ方式である。すなわち、スロットルバルブ15は、ステップモータ19をアクチュエータとし、ステップモータ19のステップ数に応じた回転角によりバルブ開度を調整制御する。ステップモータ19の回転角は、エンジンコントローラ18からの開度信号によって調整制御する。
スロットルバルブ15のバルブ開度を検出するスロットルセンサ16を有し、スロットルセンサ16は、検出したバルブ開度に応じた検出信号を、エンジンコントローラ18および4WDコントローラ8に出力している。
アクセルペダル17の踏み込み量を検出するアクセルセンサ20を有し、アクセルセンサ20は、検出した踏み込み量に応じた検出信号を、エンジンコントローラ18および4WDコントローラ8に出力する。
また、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転数検出センサ21を備え、このエンジン回転数検出センサ21は、検出した踏み込み量に応じた検出信号を、エンジンコントローラ18および4WDコントローラ8に出力する。
エンジンコントローラ18は、所定のサンプリング時間毎に、入力した各信号に基づいてバルブ開度制御処理を行う。
発電機7は、図2に示すように、出力電圧Vを調整するための電圧調整器22を備え、4WDコントローラ8によって界磁電流Ifhを調整することで、エンジン2に対する発電負荷トルクThおよび発電する電圧Vを制御する。電圧調整器22は、4WDコントローラ8から発電機制御指令を入力し、その発電機制御指令に応じた値に発電機7の界磁電流Ifhを調整すると共に、発電機7の出力電圧Vを検出して4WDコントローラ8に出力可能である。なお、発電機7の回転数Nhは、エンジン2の回転数Neからプーリ比に基づき演算できる。
また、ジャンクションボックス10内には、電流センサ23を設け、この電流センサ23は、発電機7からモータ4に供給される電力の電流値Iaを検出し、当該検出した電機子電流信号を4WDコントローラ8に出力する。また、電線9を流れる電圧値(モータ4の電圧)は、4WDコントローラ8で検出する。なお、図2において符号24はリレーであり、4WDコントローラ8からの指令によってモータ4に供給される電力(電流)の遮断および接続を制御する。
また、モータ4は、4WDコントローラ8からの指令によって界磁電流Ifmを制御し、その界磁電流Ifmの調整によって駆動トルクTmを調整する。なお、符号25はモータ4の温度を測定するサーミスタである。
モータ4の駆動軸の回転数Nmを検出するモータ用回転数センサ26を備え、モータ用回転数センサ26は、検出したモータの回転数信号を4WDコントローラ8に出力する。
4WDクラッチ12は、油圧クラッチや電磁クラッチ等により構成し、4WDコントローラ8からのクラッチ制御指令に応じたトルク伝達率でトルクの伝達を行う。
各車輪1L,1R,3L,3Rには、車輪速センサ27FL,27FR,27RL,27RRを設けた。各車輪速センサ27FL,27FR,27RL,27RRは、対応する車輪1L,1R,3L,3Rの回転速度に応じたパルス信号を車輪速検出値として4WDコントローラ8に出力する。
上記4WDコントローラ8は、アクセルセンサ20からのアクセル開度APOに応じた駆動力を発生させるようにモータ4を駆動遷移制御すると共に、左右後輪3L,3Rによりモータ4が回転されるのを防止し、フリクションを低減するため、モータ駆動遷移制御によりモータ4を停止するときには、4WDクラッチ12を切り離す制御を行う。また、4WDコントローラ8には、2WDモード(二輪駆動走行モード)と4WDモード(四輪駆動走行モード)とAUTOモードとを手動操作により選択するモード切り替えスイッチ28からのモード情報が入力されると共に、4WDコントローラ8と自動MTコントローラ30とは、双方向通信線により接続されている。ここで、AUTOモードとは、2WDモードと4WDモードとを走行状態に応じて自動的に切り替える走行モードである。
4WDコントローラ8は、4WDモードでの走行中、前輪1L,1Rと後輪3L,3Rの車輪速差ΔVと車速VSPに応じて設定した目標モータトルク(目標トルク)Tm*に基づいてモータ4を駆動し、前輪1L,1Rのグリップ力が所定値以上となるスリップ率を得るべくモータ4の出力トルクを制御する。具体的には、横軸をスリップ率S、縦軸をμ(摩擦係数)として表したタイヤのμ-S特性において、μが所定値以上となるスリップ率Sの範囲と対応する車輪速差ΔVの範囲の、例えば中間値を目標車輪速差ΔV*とし、実際の車輪速差ΔVが目標車輪速差ΔV*に近づくようにモータ4の出力トルクをフィードバック制御する。
また、4WDコントローラ8は、4WDモードでの走行中に変速が必要であると判断すると、変速直前のモータトルクTmとエンジントルクTeを確認し、その情報から左右後輪3L,3Rのみでの走行を考慮して変速中モータトルクを設定し、変速判断に基づいて実行される自動クラッチ50を切り離しての変速中、モータトルクTmを設定した変速中モータトルクTm_limに制限する制御を行う。
自動MTコントローラ30は、車速VSPやアクセル開度APO等に応じて最適な変速ギア位置を判断し、変速ギア位置を変更する変速時に自動クラッチ50を切り離しその間に変速歯車を切り替える変速制御を行う。
図3(a)は、実施例1のモータ四輪駆動車の自動MT&デフギア5を示すスケルトン図であり、図3(b)は変速機入力軸、変速機出力軸およびアイドラシャフトの配置を示す図である。
自動MT&デフギア5は、自動クラッチ50と前進6段後進1段の変速段を選択可能な同期歯車変速機構とディファレンシャルギア装置73を有する。同期歯車変速機構は、相互に平行配置により設けた変速機入力軸51と変速機出力軸52とアイドラシャフト53と、これら3軸51,52,53上に以下に説明するように設けた歯車とで構成する。なお、図3(a)では便宜上、3軸51,52,53の全てが同一図面上にあらわれるように展開して示したが、実際の3軸51,52,53は、図3(b)に示す相関関係を持って配置される。
変速機入力軸51は、エンジン2のクランクシャフト2aに対し自動クラッチ50を介して断接可能に連結された軸である。そして、変速機入力軸51には、自動クラッチ50側から順に、1速入力ギア56,リバース入力ギア57,2速入力ギア58を一体回転可能に設けると共に、3速入力ギア59,4速入力ギア60,5速入力ギア61,6速入力ギア62を回転自在に設ける。
変速機出力軸52は、自動クラッチ50側端部からファイナルドライブギア組72およびディファレンシャルギア装置73を経過して左右の駆動輪に駆動力を出力する軸である。そして、変速機出力軸52には、1速入力ギア56と噛合する1速出力ギア63,2速入力ギア58と噛合する2速出力ギア64を回転自在に設けると共に、3速入力ギア59と噛合する3速出力ギア65,4速入力ギア60と噛合する4速出力ギア66,5速入力ギア61と噛合する5速出力ギア67,6速入力ギア62と噛合する6速出力ギア68を一体回転可能に設ける。
変速機出力軸52の1速出力ギア63と2速出力ギア64との間、変速機入力軸51の3速入力ギア59と4速入力ギア60との間、および5速入力ギア61と6速入力ギア62との間には、それぞれカップリングスリーブ69,70,71を有するシンクロメッシュ機構を設けている。
カップリングスリーブ69は、これを図3(a)の右側に移動させることで1速出力ギア63が変速機出力軸52に駆動結合されて第1速選択状態が得られ、左側に移動させることで2速出力ギア64が変速機出力軸52に駆動結合されて第2速選択状態が得られる。
カップリングスリーブ70は、これを図3(a)の右側に移動させることで3速入力ギア59が変速機入力軸51に駆動結合されて第3速選択状態が得られ、左側に移動させることで4速入力ギア60が変速機入力軸51に駆動結合されて第4速選択状態が得られる。
カップリングスリーブ71は、これを図3(a)の右側に移動させることで5速入力ギア61が変速機入力軸51に駆動結合されて第5速選択状態が得られ、左側に移動させることで6速入力ギア62が変速機入力軸51に駆動結合されて第6速選択状態が得られる。
上記説明は前進変速段である第1速〜第6速の伝動系の説明であるが、後退段の伝動系は、以下の構成とする。
アイドラシャフト53には、変速機入力軸51上のリバース入力ギア57と噛合するリバースカウンタギア74を一体回転するように設けると共に、自動クラッチ50に近い軸端側にリバースアイドラギア75を回転自在に設ける。このリバースアイドラギア75に対し図3(b)に示すように噛合するリバースメインギア76を、図3(a)に示すように、変速機出力軸52上に一体回転するように設ける。
リバースアイドラギア75とアイドラシャフト53との間には、カップリングスリーブ77を有するシンクロメッシュ機構を設ける。そして、カップリングスリーブ77は、これを図3(a)の右側に移動させることでリバースアイドラギア75がアイドラシャフト53に駆動結合されて、変速機入力軸51への回転を、リバース入力ギア57からリバースカウンタギア74→アイドラシャフト53→リバースアイドラギア75→リバースメインギア76を経て変速出力軸52に伝達する後退(リバース)選択状態が得られる。
[モータトルク制御処理]
図4は、実施例1の4WDコントローラ8により実行されるモータトルク制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。この処理は、AUTOモード選択時、所定の制御周期で繰り返し実行する。
ステップS1では、エンジン2のみを駆動源とし左右前輪1L,1Rを駆動する2WDモードでの走行を確認し、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、例えば、ABSコントローラにて前回停止状況(ABS動作等)から4WD発進が必要とされる低μ路発進シーン等、4WDモードが必要か否かを判断し、YESの場合はステップS3へ移行し、NOの場合はステップS1へ戻る。
ステップS3では、モータ4の目標モータトルクTm*を設定し、ステップS4へ移行する(目標トルク設定手段)。目標モータトルクTm*の設定方法については後述する。
ステップS4では、エンジン2による左右前輪1L,1Rの駆動に加え、ステップS3で設定した目標モータトルクTm*に基づいてモータ4により左右後輪3L,3Rを駆動することにより、モータトルクTmを発生し、ステップS5へ移行する。
ステップS5では、自動MTコントローラ30からの変速情報によりシフトチェンジが必要か否かを判断し、YESの場合はステップS6へ移行し、NOの場合はステップS2平行する。ここで、自動MTコントローラ30からの変速情報とは、あらかじめ設定されている変速スケジュールに基づいて、現在の運転点がアップシフト変速線またはダウンシフト変速線を横切った時に出力される変速フラグ等をいう。
ステップS6では、変速直前のモータトルクTmとエンジン回転(前輪トルク)を確認し、その情報から左右後輪3L,3Rのみでの走行を考慮して変速中(クラッチ解放中)に最適なモータトルクTm_limを設定し、ステップS7へ移行する。
ここで、変速中の最適な後輪トルクとは、モータトルクTmとエンジントルクTeの確認により低μ路走行が推定される場合、変速によりエンジントルクTeが瞬間的に無くなる間、モータ4により左右後輪3L,3Rのみを駆動してもスリップ(車輪速差ΔV)が拡大しないトルクとする。
ステップS7では、自動MT&デフギア5の自動クラッチ50を解放、つまり、シフトチェンジを開始し、ステップS8へ移行する。
ステップS8では、ステップS4にて与えていた目標モータトルクTm*に応じたモータトルクTmを、ステップS6にて設定された変速中のモータトルクTm_limに制限し、ステップS9へ移行する。
ステップS9では、自動MT&デフギア5の自動クラッチ50の締結が完了したか否か、つまり、シフトチェンジが終了したか否かを判断し、YESの場合はステップS10へ移行し、NOの場合はステップS8へ戻る。
ステップS10では、4WDモードの必要性の有無を判断し、4WDモードが必要であると判断した場合には、ステップS3へ戻り、4WDが不要であると判断した場合には、ステップS11へ移行する。
ステップS11では、後輪3L,3Rの駆動力をカットするために、モータトルクTmを徐々に低下させるモータフェードアウト制御を行い、4WDモードを終了し、リターンへ移行する。
次に、目標モータトルクTm*の設定方法について説明する。
図5は、実施例1の車輪速差ΔVおよび車速VSPに基づく目標モータトルク設定マップであり、図5に示すように、目標モータトルクTm*は、車輪速差ΔVが大きいほど増加させ、かつ、車速VSPに対応するモータ4の回転数に対するトルク特性(N-T特性)に比例するように設定する。すなわち、車速VSPに応じた目標モータトルク特性は、N-T特性の横軸を、モータ4の回転数に対応する車速VSPに換算したものである。
また、実施例1では、車輪速差ΔVの増加率に応じた補正ゲインkを車輪速差ΔVおよび車速VSPから求めた目標モータトルクTm*に乗じて目標モータトルクTm*を補正する。図6の車輪速差微分値ΔV'に応じた補正ゲインkの設定マップに示すように、補正ゲインkは、車輪速差ΔVの微分値ΔV'を求め、微分値ΔV'がゼロまたは負の値である場合には1とし、微分値ΔV'が正の値である場合には値が高いほど増加させる。
次に、作用を説明する。
実施例1では、モータ4の目標モータトルクTm*を、前輪1L,1Rと後輪3L,3Rとの車輪速差ΔVと車速VSPとに基づいて設定し、車速VSPに応じた目標モータトルクTm*を、車速VSPに対応するモータ4の回転数に対するトルク特性に近似させた特性とする。
このため、車輪速差ΔVは一定であっても、車速に応じて目標モータトルクTm*を可変とすることができ、以下のような効果を奏する。
モータ4の性能(モータ4の回転数上限値)により決まる4WDモード可能車速域の高車速側では、低車速側よりも同一車輪速差におけるモータトルクTmは小さくなる。このため、車速VSPが高いほど前輪1L,1Rのスリップ率は小さくても車輪速差ΔVが大きくなるのに対し、スリップ率を狙った値に制御し易くなり、2WDモードと4WDモードとの制御ハンチングを抑制できる。
また、4WDモード可能車速域の低車速側では、高車速側よりも同一車輪速差におけるモータトルクTmは大きくなる。このため、低車速側では高車速側よりも前輪1L,1Rのスリップ率制御に要するモータトルクが大きくなるのに対し、スリップ初期段階から大きなモータトルクTmを得ることができ、前輪1L,1Rのグリップ力を維持できる。
実施例1では、目標モータトルクTm*の補正ゲインkを、車輪速差ΔVの微分値ΔV'が高いほど増加させる。通常、前輪1L,1Rのスリップ量が急激に大きくなるシーンでは、スリップ量の増加に対してモータトルクによるスリップ量の抑制が遅れるため、前輪1L,1Rのグリップ力が維持できず、エンジン側でスロットル開度を絞るトラクションコントロール(TC)が行われる。
これに対し、実施例1では、車輪速差の微分値ΔV'の増加量、すなわち車輪速差の増加量が大きいほどモータトルクTmを増加させるため、モータトルクTmのみで前輪1L,1Rのスリップを抑えることができ、トラクションコントロールの介入を抑制できる。トラクションコントロールでは、車両の総駆動力がドライバの要求駆動力に対して小さくなるため、できるだけ回避するのが好ましい。
次に、効果を説明する。
実施例1の四輪駆動車の電動機トルク制御装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1) 4WDコントローラ8は、目標モータトルクTm*を前輪1L,1Rと後輪3L,3Rとの車輪速差ΔVと車速VSPとに基づいて設定し、車速VSPに応じた目標モータトルクTm*を、車速VSPが高いほど増加させ、目標モータトルクTm*に応じてモータ4の出力トルクを制御する。これにより、4WDモード可能車速域の高車速側における制御ハンチングの抑制と、低車速側における前輪1L,1Rのグリップ力の確保との両立を図ることができる。
(2) 4WDコントローラ8は、車速VSPに応じた目標モータトルクTm*を、車速VSPに対応するモータ4の回転数に対するトルク特性に近似させた特性とするため、車速VSPに応じてモータ4が出力可能な最大トルクを出力できる。
(3) 4WDコントローラ8は、目標モータトルクTm*に乗算して目標モータトルクTm*を補正する補正ゲインkを、車輪速差ΔVの微分値ΔV'が高いほど増加させるため、モータトルクTmのみで前輪1L,1Rのスリップを抑えることができる。よって、トラクションコントロールの介入を抑制し、
(4) 4WDコントローラ8は、タイヤのμ-S特性において、μが所定値以上となるスリップ率Sの範囲と対応する車輪速差ΔVの範囲を目標車輪速差ΔV*とし、実際の車輪速差ΔVが目標車輪速差ΔV*に近づくようにモータ4の出力トルクをフィードバック制御するため、後輪3L,3Rの出力トルクを用いて前輪1L,1Rのスリップ率を最適は範囲に維持できる。
実施例2では、目標モータトルクTm*の設定方法のみ実施例1と異なり、全体システムについては図1に示した実施例1と同様であるため、図示ならびに説明を省略する。
図7は、実施例2の目標モータトルク設定マップのうち、車輪速差ΔVに応じた目標モータトルクTm*の特性を示す図であり、実施例2では、車輪速差ΔVに応じた目標モータトルクを、エンジンコントローラ(主駆動源出力抑制手段)18によるトラクションコントロールの目標車輪速差ΔV*以上で最大トルクとなるように設定している。
なお、実施例2の目標モータトルク設定マップのうち、車速VSPに応じた目標モータトルクの特性は、図5に示した実施例1と同一特性としている。
次に、作用を説明する。
エンジンコントローラ18は、例えば、発進・加速時等において、車輪速差ΔVと目標車輪速差ΔV'との偏差が閾値を超えた場合、エンジン2のスロットル開度を絞ることで前輪1L,1Rのスリップを抑制するトラクションコントロールを実行する。つまり、車輪速差ΔV'が目標車輪速差ΔV'以上である場合には、トラクションコントロールの介入によりエンジントルクTeが制限されてしまうため、ドライバの要求駆動力を達成できない。
これに対し、実施例2では、目標車輪速差ΔV'以上では目標モータトルクTm*を最大値とすることで、トラクションコントロールによるエンジントルクTeの減少分をモータトルクTmで補い、車両の総駆動力を要求駆動力に近付けることができる。
次に、効果を説明する。
実施例2の四輪駆動車の電動機トルク制御装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(3)に加え、以下の効果を奏する。
(5) 4WDコントローラ8は、車輪速差ΔVに応じた目標モータトルクTm*を、車輪速差ΔVが目標車輪速差ΔV'以上のとき最大値とするため、トラクションコントロールによる駆動力低下分をモータトルクTmで補い、総駆動力の低下を抑制できる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づく実施例により説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例に示したものに限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない程度の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例では、車速に応じた目標トルクを、車速に対応するモータの回転数に対するトルク特性に近似させた特性としたが、車速に応じた目標トルクを、車速に応じてリニアに、または複数段階で小さくしてもよい。
また、目標モータトルクは、発進時や中間加速時等では、アクセルセンサからのアクセル開度情報に基づき、ドライバの加速要求を表すアクセル開度が高いほど増加させる構成としてもよい。
実施例1の四輪駆動車を示す全体システム図である。 実施例1の四輪駆動車の制御系を示すブロック図である。 (a)は実施例1のモータ四輪駆動車の自動MT&デフギア5を示すスケルトン図であり、(b)は変速機入力軸、変速機出力軸およびアイドラシャフトの配置を示す図である。 実施例1の4WDコントローラ8により実行されるモータトルク制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の車輪速差ΔVおよび車速VSPに基づく目標モータトルク設定マップである。 実施例1の車輪速差微分値ΔV'に応じた補正ゲインkの設定マップである。 実施例2の目標モータトルク設定マップのうち、車輪速差ΔVに応じた目標モータトルクTm*の特性を示す図である。
符号の説明
1L,1R 左右前輪(主駆動輪)
2 エンジン(主駆動源)
3L,3R 左右後輪(従駆動輪)
4 モータ(従駆動源)
8 4WDコントローラ(電動機トルク制御手段)
18 エンジンコントローラ(主駆動源出力抑制手段)
ステップS3(目標トルク設定手段)

Claims (6)

  1. 主駆動輪を駆動する主駆動源と、
    従動輪を駆動可能な電動機と、
    前記電動機の目標トルクを、前記主駆動輪と前記従駆動輪との車輪速差と車速とに基づいて設定し、前記車速に応じた目標トルクを、車速が所定値以下である場合には前記所定値を超える場合よりも増加させる目標トルク設定手段と、
    設定された目標トルクに応じて前記電動機の出力トルクを制御する電動機トルク制御手段と、
    を備えることを特徴とする四輪駆動車の電動機トルク制御装置。
  2. 請求項1に記載の四輪駆動車の電動機トルク制御装置において、
    前記目標トルク設定手段は、前記車速に応じた前記目標トルクを、車速に対応する前記電動機の回転数に対するトルク特性に近似させた特性とすることを特徴とする四輪駆動車の電動機トルク制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の四輪駆動車の電動機トルク制御装置において、
    前記車輪速差が所定の目標車輪速差となるように前記主駆動源の出力トルクを抑制する主駆動源出力抑制手段を備え、
    前記目標トルク設定手段は、前記車輪速差に応じた前記目標トルクを、前記車輪速差が前記目標車輪速差以上のとき出力可能な最大トルクとすることを特徴とする四輪駆動車の電動機トルク制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の四輪駆動車の電動機トルク制御装置において、
    前記目標トルク設定手段は、前記車輪速差の増加率が高い場合には、前記増加率が低い場合よりも前記目標トルクを大きくすることを特徴とする四輪駆動車の電動機トルク制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の四輪駆動車の電動機トルク制御装置において、
    前記電動機トルク制御手段は、前記主駆動輪のグリップ力が所定値以上となるスリップ率となるように前記出力トルクを制御することを特徴とする四輪駆動車の電動機トルク制御装置。
  6. 主駆動源により駆動される主駆動輪と電動機により駆動される従駆動輪との車輪速差と車速とに基づいて前記電動機の目標トルクを設定し、前記車速に応じた前記目標トルクを、車速が所定値以下である場合には前記所定値を超える場合よりも増加させることを特徴とする四輪駆動車の電動機トルク制御装置。
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