JP2004320411A - 弾性表面波デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車搭載用の熱衝撃試験に耐える弾性表面波デバイスを得る。
【解決手段】圧電基板の主表面上に2個の弾性表面波共振子を併置すると共に、弾性表面波共振子の間に複数のパッド電極を設け、該パッド電極にて中央寄りのくし形電極同士を接続し、外側寄りのくし形電極から圧電基板上の周縁部に沿って延在したリード電極を前記パッド電極に接続して、前記2個の弾性表面波共振子を並列接続して弾性表面波デバイスを構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】圧電基板の主表面上に2個の弾性表面波共振子を併置すると共に、弾性表面波共振子の間に複数のパッド電極を設け、該パッド電極にて中央寄りのくし形電極同士を接続し、外側寄りのくし形電極から圧電基板上の周縁部に沿って延在したリード電極を前記パッド電極に接続して、前記2個の弾性表面波共振子を並列接続して弾性表面波デバイスを構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は弾性表面波デバイスに関し、特に小型化すると共に耐熱衝撃性を改善した弾性表面波デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、弾性表面波デバイス(以下、SAWデバイスと称する)は通信分野で広く利用され、高性能、小型、量産性等の優れた特徴を有することから、特に携帯電話機等に多く用いられている。最近では、特に耐久性、信頼性が要求される自動車の搭載部品にSAWデバイスが採用され、小型化と共に携帯電話等に適用される環境試験よりもさらに厳しい環境試験、例えば熱衝撃試験(ヒートサイクル試験)が要求されている。
【0003】
図6は自動車搭載用として用いられる弾性表面波共振子(以下、SAW共振子と称す)の平面図であって、圧電基板21の主表面上に表面波の伝搬方向に沿ってIDT電極22を配置すると共に、その両側にグレーティング反射器(以下、反射器と称す)23、24を配設してSAWデバイス素子25を形成する。IDT電極22は互いに間挿し合う複数の電極指を有するくし形電極22a、22bより構成されている。そして、このSAWデバイス素子25をセラミックパッケージ26の凹陥部27のほぼ中心部に接着剤等を用いて接着固定すると共に、くし形電極22a、22bに繋がるパッド電極と、セラミックパッケージ26に形成した端子電極28a、28bとをボンディングワイヤ29a、29bを用いて電気的に接続する。さらに、パッケージ26の上部の周縁部に形成したメタライズ部30と金属蓋(図示しない)とを抵抗溶接機を用いて気密封止してSAW共振子を構成する。
【0004】
くし形電極22a、22bに繋がるパッド電極と端子電極28a、28bとを接続するボンディングワイヤ29a、29bの形状は、ループ状に余裕を持たせて形成するのが一般的である。これは振動、衝撃あるいは熱衝撃が加えられた際のボンディングワイヤ29a、29bの破損を防止するためである。
【0005】
従来のSAW共振子には形状寸法5mm×5mm×1.5mmのセラミックパッケージが用いられていたが、更なる小型化の要求に応じて形状寸法3mm×3mm×1.2mmのSAW共振子を試作した。図7は従来のSAW共振子(図7a)と試作した小型SAW共振子(図7b)との大きさを比較した平面図である。図7(a)、(b)より明らかなようにパッケージ、圧電基板等が小さくなり、ボンディングワイヤが短くなるもののほぼ同様に構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7(b)に示すようにパッケージ、圧電基板等を小さくし、ボンディングワイヤを短くして構成したSAW共振子に、自動車搭載部品に要求される環境試験、例えば熱衝撃試験(−40°、120°で1000サイクル以上)を行うと、図8に示すように故障が発生し要求仕様を満たすことができないという問題があった。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、自動車搭載部品に要求される環境試験に耐え得るSAW共振子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る弾性表面波デバイスの請求項1記載の発明は、圧電基板の主表面上に表面波の伝搬方向に沿ってIDT電極とその両側にグレーティング反射器とを備えた弾性表面波共振子を2個所定の間隙を隔して併置すると共に、該間隙に第1および第2のパッド電極を配置し、2つの弾性表面波共振子を構成するIDT電極の間隙側のくし形電極同士を前記第1のパッド電極を介して接続し、他方のくし形電極を前記弾性表面波共振子の外側に引き回したリード電極を介して、第2のパッド電極に接続し、前記2つの弾性表面波共振子同士を並列接続したことを特徴とする弾性表面波デバイスである。
請求項2記載の発明は、圧電基板の主表面上に表面波の伝搬方向に沿ってIDT電極とその両側にグレーティング反射器とを備えた弾性表面波共振子を2個所定の間隙を隔して併置すると共に、該間隙に第1のパッド電極と該第1のパッド電極の両側に第2および第3のパッド電極をそれぞれ配置し、前記2つの弾性表面波共振子の各IDT電極を構成する前記間隙側のくし形電極同士を前記第1のパッド電極を介して接続し、他方のくし形電極を前記2つの弾性表面波共振子の外側を周回する環状のリード電極を介して前記第2及び第3のパッド電極と接続し、前記2つの弾性表面波共振子を並列接続したことを特徴とする弾性表面波デバイスである。
請求項3記載の発明は、前記各パッド電極と前記リード電極との膜厚を2つの弾性表面波共振子の膜厚より厚くしたことを特徴とする請求項1又はに記載の弾性表面波デバイスである。
請求項4記載の発明は、前記リード電極と前記弾性表面波共振子を構成するグレーティング反射器とを接続して該グレーティング反射器をリード電極の一部として利用したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の弾性表面波デバイスである。
請求項5記載の発明は、前記第2又は第3のパッド電極が前記間隙を介して対向する2つのグレーティング反射器の間に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の弾性表面波デバイスである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に示した実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係るSAW共振子の構成を示す平面図であって、圧電基板1の主表面上に表面波の伝搬方向に沿ってIDT電極2を配置すると共に、その両側に反射器3a、3bを配設してSAW共振子D1を形成する。さらに、同一圧電基板1上にSAW共振子D1と同様なIDT電極4、反射器5a、5bを備えたSAW共振子D2を所定の間隙(互いに干渉しない)を隔して併設する。該間隙に第1および第2のパッド電極6、7を配置し、IDT電極の間隙側のくし形電極同士を前記第1のパッド電極6を介して接続し、他方のくし形電極を前記SAW共振子の外側に引きましたリード電極を介して、第2のパッド電極7に接続し、前記2つのSAW共振子同士を並列接続するようにして、本発明のSAW共振子を構成する。IDT電極2、4はそれぞれ互いに間挿し合う複数の電極指を有するくし形電極から構成されている。
そして、このSAW共振素子をセラミックパッケージ9の凹陥部10のほぼ中心部に接着剤等を用いて接着固定すると共に、パッド電極6、7とセラミックパッケージ9に形成した端子電極11a、11bとをボンディングワイヤ12a、12bを用いて電気的に接続する。さらに、パッケージ9の上部の周縁部に形成したメタライズ部13と金属蓋(図示しない)とを抵抗溶接等を用いて気密封止して本発明のSAW共振子Sを構成する。
【0009】
図7(b)に示した小型SAW共振子が繰り返し熱衝撃を受けたときに、どの部分に故障が発生すのかを調べたところ、ボンディングワイヤとその接続部に破損が生じていることが判明した。この破損が生じるメカニズムとしては、SAW共振子を構成するセラミックパッケージと圧電基板との間に熱膨張率の差があり、熱衝撃を受ける度に圧電基板上のパッド電極とセラミックパッケージの端子電極とを接続するボンディングワイヤに応力が掛かり、やがてはボンディングワイヤあるいはパッド電極との接続部が破損に至るものと考えられる。
従来のSAW共振子ではセラミックパッケージと圧電基板と間に熱膨張率の差があっても、ボンディングワイヤの長さを十分にとり、その形状をループ状にして余裕を持たせることが可能であったため、熱衝撃により応力が生じてもボンディングワイヤ内でその応力が緩和されるために、熱衝撃に耐え要求の環境試験を満たすことができたものと考えられる。
【0010】
そこで本願発明者はSAW共振子を小型化しても熱衝撃により生じるボンディングワイヤへの応力を緩和するよう十分な長さを確保することを思考した。SAW共振子を図1に示すように2つのSAW共振子D1、D2の並列接続で構成し、ボンディングワイヤ接続用のパッド電極6、7を2のSAW共振子D1、D2の間に、即ち圧電基板の中央部に設けることにより、パッド電極6、7とセラミックパッケージの端子電極11a、11bとの距離を長くすることが出来ることに思い至った。このような構成にすることによりSAW共振子を収容するパッケージの外形寸法を3mm×3mm×1.2mmと小型化してもボンディングワイヤの長さを十分に長くすることができ、熱衝撃によるボンディングワイヤの破損を大幅に減少することができるようになった。
【0011】
図2は本発明に係るSAW共振子Sの熱衝撃試験の結果と、従来のSAW共振子のそれとを重ね書きした図で、本発明のSAW共振素子の耐熱衝撃性が大幅に改善されていることが判明した。
尚、周知のように電極指を短くすると電極膜のオーミックロスが減るから、このような構成とすることによってオーミックロスは1/4に低減され、本発明のSAW共振素子の等価抵抗を低減できるという副次的な効果を奏する。
さらに、本発明に係るSAW共振素子では2つのSAW共振子を並列接続して構成するため、従来の単体のSAW共振子にて構成した場合と同一のインピーダンスを実現するには、各IDT電極のIDT電極対数を同数のままとして電極指の長さを半分とすればIDT電極の交差長が1/2となり、各SAW共振子のインピーダンスは2倍となる。この2つのSAW共振子を並列接続することで従来と同じインピーダンスが得られることになる。
【0012】
図3は図1の変形例であってハッチングで示すように、パッド電極6’、7’の電極膜を厚くすると共に、2つのSAW共振子D1、D2を並列接続するリード電極8’の電極膜も厚くするように構成している。このような構成とすることによりパッド電極6’、7’及びリード電極8’のオーミックロスを低減することが可能で、ひいてはSAW共振素子の等価抵抗を小さくすることができる。
【0013】
図4は、図1と同様にSAW共振子を2個を所定の間隙を隔して併置すると共に、該間隙に第1のパッド電極6と該第1のパッド電極6の両側に第2および第3のパッド電極7、7aをそれぞれ配置し、2つのSAW共振子の各IDT電極を構成する前記間隙側のくし形電極同士を前記第1のパッド電極6を介して接続し、他方のくし形電極を前記2つの弾性表面波共振子の外側を周回する環状のリード電極8、8aを介して前記第2及び第3のパッド電極7、7aと接続し、2つのSAW共振子を並列接続するようにSAW共振子を構成する。
そして、パッド電極7aとセラミックパッケージの端子電極11bとをボンディングワイヤ12cにて接続する。このような構成にすることによりリード電極によるオーミックロスを半減することができる。
【0014】
図5は図1の変形例であって、SAW共振子D1、D2の反射器3b、5bをパッド電極7bにて接続している。さらに、SAW共振子D1、D2の、圧電基板1の外側寄りのくし形電極からそれぞれリード電極8b、8cを圧電基板1上の周縁に沿って延在し、反射器3b、5bに接続し、並列接続型SAW共振子とする。そして、パッド電極7bとセラミックパッケージ9の端子電極11bとをボンディングワイヤ12dにて接続してSAW共振子を構成する。 このような構成にすることによりSAW共振子を小型化することができる。
【0015】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したようにSAW共振子を2つ並列接続し、これらの間に複数のパッド電極を設けるように構成したので、ボンディングワイヤを十分に長く確保することができるようになった。このため請求項1乃至3項に記載の発明は小型であると共に自動車搭載用の環境試験を満足するSAW共振子が得られるという優れた効果を表す。請求項4又は5に記載の発明は自動車搭載用の環境試験を満足すると共にさらに小型化が可能であるという優れた効果を奏す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るSAW共振子の構成を示す平面図である。
【図2】本発明に係るSAW共振子の熱衝撃試験と従来のSAW共振子のそれとの比較した図である。
【図3】変形例1の構成を示す平面図である。
【図4】変形例2の構成を示す平面図である。
【図5】変形例3の構成を示す平面図である。
【図6】従来のSAW共振子の構成を示す平面図である。
【図7】従来のSAW共振子の構成を示す平面図で、(a)は外形寸法が5mm×5mm×1.5mm、(b)は3mm×3mm×1.2mmのSAW共振子である。
【図8】外形寸法を3mm×3mm×1.2mmと小型化した従来のSAW共振子の熱衝撃試験の結果を示す図である。
【符号の説明】
1・・圧電基板
2、4・・IDT電極
3a、3b、5a、5b・・グレーティング反射器
6、6’、7、7’、7a、7b・・パッド電極
8、8’、8a、8b、8c・・リード電極
9・・パッケージ
10・・凹陥部
11a、11b・・パッケージの端子電極
12a、12b、12c、12d・・ボンディングワイヤ
13・・メタライズ
D1、D2・・SAW共振素子
【発明の属する技術分野】
本発明は弾性表面波デバイスに関し、特に小型化すると共に耐熱衝撃性を改善した弾性表面波デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、弾性表面波デバイス(以下、SAWデバイスと称する)は通信分野で広く利用され、高性能、小型、量産性等の優れた特徴を有することから、特に携帯電話機等に多く用いられている。最近では、特に耐久性、信頼性が要求される自動車の搭載部品にSAWデバイスが採用され、小型化と共に携帯電話等に適用される環境試験よりもさらに厳しい環境試験、例えば熱衝撃試験(ヒートサイクル試験)が要求されている。
【0003】
図6は自動車搭載用として用いられる弾性表面波共振子(以下、SAW共振子と称す)の平面図であって、圧電基板21の主表面上に表面波の伝搬方向に沿ってIDT電極22を配置すると共に、その両側にグレーティング反射器(以下、反射器と称す)23、24を配設してSAWデバイス素子25を形成する。IDT電極22は互いに間挿し合う複数の電極指を有するくし形電極22a、22bより構成されている。そして、このSAWデバイス素子25をセラミックパッケージ26の凹陥部27のほぼ中心部に接着剤等を用いて接着固定すると共に、くし形電極22a、22bに繋がるパッド電極と、セラミックパッケージ26に形成した端子電極28a、28bとをボンディングワイヤ29a、29bを用いて電気的に接続する。さらに、パッケージ26の上部の周縁部に形成したメタライズ部30と金属蓋(図示しない)とを抵抗溶接機を用いて気密封止してSAW共振子を構成する。
【0004】
くし形電極22a、22bに繋がるパッド電極と端子電極28a、28bとを接続するボンディングワイヤ29a、29bの形状は、ループ状に余裕を持たせて形成するのが一般的である。これは振動、衝撃あるいは熱衝撃が加えられた際のボンディングワイヤ29a、29bの破損を防止するためである。
【0005】
従来のSAW共振子には形状寸法5mm×5mm×1.5mmのセラミックパッケージが用いられていたが、更なる小型化の要求に応じて形状寸法3mm×3mm×1.2mmのSAW共振子を試作した。図7は従来のSAW共振子(図7a)と試作した小型SAW共振子(図7b)との大きさを比較した平面図である。図7(a)、(b)より明らかなようにパッケージ、圧電基板等が小さくなり、ボンディングワイヤが短くなるもののほぼ同様に構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7(b)に示すようにパッケージ、圧電基板等を小さくし、ボンディングワイヤを短くして構成したSAW共振子に、自動車搭載部品に要求される環境試験、例えば熱衝撃試験(−40°、120°で1000サイクル以上)を行うと、図8に示すように故障が発生し要求仕様を満たすことができないという問題があった。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、自動車搭載部品に要求される環境試験に耐え得るSAW共振子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る弾性表面波デバイスの請求項1記載の発明は、圧電基板の主表面上に表面波の伝搬方向に沿ってIDT電極とその両側にグレーティング反射器とを備えた弾性表面波共振子を2個所定の間隙を隔して併置すると共に、該間隙に第1および第2のパッド電極を配置し、2つの弾性表面波共振子を構成するIDT電極の間隙側のくし形電極同士を前記第1のパッド電極を介して接続し、他方のくし形電極を前記弾性表面波共振子の外側に引き回したリード電極を介して、第2のパッド電極に接続し、前記2つの弾性表面波共振子同士を並列接続したことを特徴とする弾性表面波デバイスである。
請求項2記載の発明は、圧電基板の主表面上に表面波の伝搬方向に沿ってIDT電極とその両側にグレーティング反射器とを備えた弾性表面波共振子を2個所定の間隙を隔して併置すると共に、該間隙に第1のパッド電極と該第1のパッド電極の両側に第2および第3のパッド電極をそれぞれ配置し、前記2つの弾性表面波共振子の各IDT電極を構成する前記間隙側のくし形電極同士を前記第1のパッド電極を介して接続し、他方のくし形電極を前記2つの弾性表面波共振子の外側を周回する環状のリード電極を介して前記第2及び第3のパッド電極と接続し、前記2つの弾性表面波共振子を並列接続したことを特徴とする弾性表面波デバイスである。
請求項3記載の発明は、前記各パッド電極と前記リード電極との膜厚を2つの弾性表面波共振子の膜厚より厚くしたことを特徴とする請求項1又はに記載の弾性表面波デバイスである。
請求項4記載の発明は、前記リード電極と前記弾性表面波共振子を構成するグレーティング反射器とを接続して該グレーティング反射器をリード電極の一部として利用したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の弾性表面波デバイスである。
請求項5記載の発明は、前記第2又は第3のパッド電極が前記間隙を介して対向する2つのグレーティング反射器の間に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の弾性表面波デバイスである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に示した実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係るSAW共振子の構成を示す平面図であって、圧電基板1の主表面上に表面波の伝搬方向に沿ってIDT電極2を配置すると共に、その両側に反射器3a、3bを配設してSAW共振子D1を形成する。さらに、同一圧電基板1上にSAW共振子D1と同様なIDT電極4、反射器5a、5bを備えたSAW共振子D2を所定の間隙(互いに干渉しない)を隔して併設する。該間隙に第1および第2のパッド電極6、7を配置し、IDT電極の間隙側のくし形電極同士を前記第1のパッド電極6を介して接続し、他方のくし形電極を前記SAW共振子の外側に引きましたリード電極を介して、第2のパッド電極7に接続し、前記2つのSAW共振子同士を並列接続するようにして、本発明のSAW共振子を構成する。IDT電極2、4はそれぞれ互いに間挿し合う複数の電極指を有するくし形電極から構成されている。
そして、このSAW共振素子をセラミックパッケージ9の凹陥部10のほぼ中心部に接着剤等を用いて接着固定すると共に、パッド電極6、7とセラミックパッケージ9に形成した端子電極11a、11bとをボンディングワイヤ12a、12bを用いて電気的に接続する。さらに、パッケージ9の上部の周縁部に形成したメタライズ部13と金属蓋(図示しない)とを抵抗溶接等を用いて気密封止して本発明のSAW共振子Sを構成する。
【0009】
図7(b)に示した小型SAW共振子が繰り返し熱衝撃を受けたときに、どの部分に故障が発生すのかを調べたところ、ボンディングワイヤとその接続部に破損が生じていることが判明した。この破損が生じるメカニズムとしては、SAW共振子を構成するセラミックパッケージと圧電基板との間に熱膨張率の差があり、熱衝撃を受ける度に圧電基板上のパッド電極とセラミックパッケージの端子電極とを接続するボンディングワイヤに応力が掛かり、やがてはボンディングワイヤあるいはパッド電極との接続部が破損に至るものと考えられる。
従来のSAW共振子ではセラミックパッケージと圧電基板と間に熱膨張率の差があっても、ボンディングワイヤの長さを十分にとり、その形状をループ状にして余裕を持たせることが可能であったため、熱衝撃により応力が生じてもボンディングワイヤ内でその応力が緩和されるために、熱衝撃に耐え要求の環境試験を満たすことができたものと考えられる。
【0010】
そこで本願発明者はSAW共振子を小型化しても熱衝撃により生じるボンディングワイヤへの応力を緩和するよう十分な長さを確保することを思考した。SAW共振子を図1に示すように2つのSAW共振子D1、D2の並列接続で構成し、ボンディングワイヤ接続用のパッド電極6、7を2のSAW共振子D1、D2の間に、即ち圧電基板の中央部に設けることにより、パッド電極6、7とセラミックパッケージの端子電極11a、11bとの距離を長くすることが出来ることに思い至った。このような構成にすることによりSAW共振子を収容するパッケージの外形寸法を3mm×3mm×1.2mmと小型化してもボンディングワイヤの長さを十分に長くすることができ、熱衝撃によるボンディングワイヤの破損を大幅に減少することができるようになった。
【0011】
図2は本発明に係るSAW共振子Sの熱衝撃試験の結果と、従来のSAW共振子のそれとを重ね書きした図で、本発明のSAW共振素子の耐熱衝撃性が大幅に改善されていることが判明した。
尚、周知のように電極指を短くすると電極膜のオーミックロスが減るから、このような構成とすることによってオーミックロスは1/4に低減され、本発明のSAW共振素子の等価抵抗を低減できるという副次的な効果を奏する。
さらに、本発明に係るSAW共振素子では2つのSAW共振子を並列接続して構成するため、従来の単体のSAW共振子にて構成した場合と同一のインピーダンスを実現するには、各IDT電極のIDT電極対数を同数のままとして電極指の長さを半分とすればIDT電極の交差長が1/2となり、各SAW共振子のインピーダンスは2倍となる。この2つのSAW共振子を並列接続することで従来と同じインピーダンスが得られることになる。
【0012】
図3は図1の変形例であってハッチングで示すように、パッド電極6’、7’の電極膜を厚くすると共に、2つのSAW共振子D1、D2を並列接続するリード電極8’の電極膜も厚くするように構成している。このような構成とすることによりパッド電極6’、7’及びリード電極8’のオーミックロスを低減することが可能で、ひいてはSAW共振素子の等価抵抗を小さくすることができる。
【0013】
図4は、図1と同様にSAW共振子を2個を所定の間隙を隔して併置すると共に、該間隙に第1のパッド電極6と該第1のパッド電極6の両側に第2および第3のパッド電極7、7aをそれぞれ配置し、2つのSAW共振子の各IDT電極を構成する前記間隙側のくし形電極同士を前記第1のパッド電極6を介して接続し、他方のくし形電極を前記2つの弾性表面波共振子の外側を周回する環状のリード電極8、8aを介して前記第2及び第3のパッド電極7、7aと接続し、2つのSAW共振子を並列接続するようにSAW共振子を構成する。
そして、パッド電極7aとセラミックパッケージの端子電極11bとをボンディングワイヤ12cにて接続する。このような構成にすることによりリード電極によるオーミックロスを半減することができる。
【0014】
図5は図1の変形例であって、SAW共振子D1、D2の反射器3b、5bをパッド電極7bにて接続している。さらに、SAW共振子D1、D2の、圧電基板1の外側寄りのくし形電極からそれぞれリード電極8b、8cを圧電基板1上の周縁に沿って延在し、反射器3b、5bに接続し、並列接続型SAW共振子とする。そして、パッド電極7bとセラミックパッケージ9の端子電極11bとをボンディングワイヤ12dにて接続してSAW共振子を構成する。 このような構成にすることによりSAW共振子を小型化することができる。
【0015】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したようにSAW共振子を2つ並列接続し、これらの間に複数のパッド電極を設けるように構成したので、ボンディングワイヤを十分に長く確保することができるようになった。このため請求項1乃至3項に記載の発明は小型であると共に自動車搭載用の環境試験を満足するSAW共振子が得られるという優れた効果を表す。請求項4又は5に記載の発明は自動車搭載用の環境試験を満足すると共にさらに小型化が可能であるという優れた効果を奏す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るSAW共振子の構成を示す平面図である。
【図2】本発明に係るSAW共振子の熱衝撃試験と従来のSAW共振子のそれとの比較した図である。
【図3】変形例1の構成を示す平面図である。
【図4】変形例2の構成を示す平面図である。
【図5】変形例3の構成を示す平面図である。
【図6】従来のSAW共振子の構成を示す平面図である。
【図7】従来のSAW共振子の構成を示す平面図で、(a)は外形寸法が5mm×5mm×1.5mm、(b)は3mm×3mm×1.2mmのSAW共振子である。
【図8】外形寸法を3mm×3mm×1.2mmと小型化した従来のSAW共振子の熱衝撃試験の結果を示す図である。
【符号の説明】
1・・圧電基板
2、4・・IDT電極
3a、3b、5a、5b・・グレーティング反射器
6、6’、7、7’、7a、7b・・パッド電極
8、8’、8a、8b、8c・・リード電極
9・・パッケージ
10・・凹陥部
11a、11b・・パッケージの端子電極
12a、12b、12c、12d・・ボンディングワイヤ
13・・メタライズ
D1、D2・・SAW共振素子
Claims (5)
- 圧電基板の主表面上に表面波の伝搬方向に沿ってIDT電極とその両側にグレーティング反射器とを備えた弾性表面波共振子を2個所定の間隙を隔して併置すると共に、該間隙に第1および第2のパッド電極を配置し、2つの弾性表面波共振子を構成するIDT電極の間隙側のくし形電極同士を前記第1のパッド電極を介して接続し、他方のくし形電極を前記弾性表面波共振子の外側に引き回したリード電極を介して、第2のパッド電極に接続し、前記2つの弾性表面波共振子同士を並列接続したことを特徴とする弾性表面波デバイス。
- 圧電基板の主表面上に表面波の伝搬方向に沿ってIDT電極とその両側にグレーティング反射器とを備えた弾性表面波共振子を2個所定の間隙を隔して併置すると共に、該間隙に第1のパッド電極と該第1のパッド電極の両側に第2および第3のパッド電極をそれぞれ配置し、前記2つの弾性表面波共振子の各IDT電極を構成する前記間隙側のくし形電極同士を前記第1のパッド電極を介して接続し、他方のくし形電極を前記2つの弾性表面波共振子の外側を周回する環状のリード電極を介して前記第2及び第3のパッド電極と接続し、前記2つの弾性表面波共振子を並列接続したことを特徴とする弾性表面波デバイス。
- 前記各パッド電極と前記リード電極との膜厚を2つの弾性表面波共振子の膜厚より厚くしたことを特徴とする請求項1又はに記載の弾性表面波デバイス。
- 前記リード電極と前記弾性表面波共振子を構成するグレーティング反射器とを接続して該グレーティング反射器をリード電極の一部として利用したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の弾性表面波デバイス。
- 前記第2又は第3のパッド電極が前記間隙を介して対向する2つのグレーティング反射器の間に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の弾性表面波デバイス。
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2003
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