JP2004320083A - 復調装置、受信装置、無線通信システム、復調方法、受信方法及び無線通信方法 - Google Patents
復調装置、受信装置、無線通信システム、復調方法、受信方法及び無線通信方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】消費電力を低減しつつ、正確に送信情報を復調することができる復調装置、受信装置、無線通信システム、復調方法、受信方法及び無線通信方法を提供する。
【解決手段】UWB通信システム1は、情報源11とクロック信号生成部12と変調部13とパルス生成部14と送信アンテナ15とを備える送信装置10と、受信アンテナ21とクロック信号生成部22と復調部23とを備える受信装置20と、から構成される。復調部23は、全波整流回路231と積分器232と検出部233とを備え、受信した正弦波パルスを全波整流回路231において全波整流して絶対値パルスに変換し、該変換した絶対値パルスを積分して積分パルスに変換する。復調部23は、該変換した積分パルスと所定の閾値との大小関係に基づいて該正弦波パルスを元のデジタル情報に復調して出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】UWB通信システム1は、情報源11とクロック信号生成部12と変調部13とパルス生成部14と送信アンテナ15とを備える送信装置10と、受信アンテナ21とクロック信号生成部22と復調部23とを備える受信装置20と、から構成される。復調部23は、全波整流回路231と積分器232と検出部233とを備え、受信した正弦波パルスを全波整流回路231において全波整流して絶対値パルスに変換し、該変換した絶対値パルスを積分して積分パルスに変換する。復調部23は、該変換した積分パルスと所定の閾値との大小関係に基づいて該正弦波パルスを元のデジタル情報に復調して出力する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、復調装置、受信装置、無線通信システム、復調方法、受信方法及び無線通信方法に関し、特に、消費電力を低減しつつ、正確に送信情報を復調することができる復調装置、受信装置、無線通信システム、復調方法、受信方法及び無線通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信の分野において、低消費電力で高速通信が可能な通信方式としてUWB(Ultra Wide Band)通信が注目を集めている。このUWB通信は、非常に細かいパルス幅(例えば1ns(ナノセコンド)以下)のパルス列からなる信号を用いて、情報を伝送する伝送方式である。
【0003】
UWB通信の送信装置は、デジタル情報に応じてクロック信号を変調し、この変調されたクロック信号をトリガとして電気パルスを生成する。UWB通信の送信装置は、この電気パルスから送信アンテナで電磁パルスを生成し、空中に放射することにより、デジタル情報を搬送波を用いずに送信する。
【0004】
UWB通信の受信装置は、受信した電磁パルスを電気パルスに変換し、変換したパルスに対してウィンドウ処理を施す。このウィンドウ処理とは、電気パルスの中心波形を取り出し、電気パルスの有無や位置の判定を行い、送信されたデジタル情報を復調することである。則ち、受信装置は、受信し、変換した電気パルスにウィンドウ処理を施し、送信装置の変調方式に対応した復調方式により、送信されたデジタル情報を復調して出力する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−325071号公報(第6−9頁、第1図)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したUWB通信システムの受信装置は、電気パルスの有無や位置の判定を行うに際し、幅1ns以下の非常に細かいパルスに対してウィンドウ処理を行うため、このパルス幅(1ns以下)の逆数の周期(数GHz(ギガヘルツ))の動作が求められる。さらに、受信装置は、電気パルスの有無や位置の判定を正確に行うためウィンドウの中心位置を電気パルスの中心位置に合わせる必要もある。この位置合わせを行うために、受信装置には、更に細かい動作(ps(ピコセカンド)レベルの動作)が求められる。
【0007】
一般に、消費電力は動作周波数に比例して大きくなるものであるため、上述のようにGHzレベルの動作が求められる受信装置の消費電力は、非常に大きなものとなる。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたのもであって、消費電力を低減しつつ、正確に送信情報を復調することができる復調装置、受信装置、無線通信システム、復調方法、受信方法及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る復調装置は、
情報に従って所定の変調がされた正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換する全波整流手段と、
前記全波整流手段により変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調する復調手段と、
を備える。
【0010】
また、上記構成において、前記全波整流手段により変換された絶対値パルスを積分して積分パルスに変換する積分手段をさらに備え、
前記復調手段は、前記積分手段により変換された積分パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記送信対象の情報を復調してもよい。
【0011】
さらに、上記構成において、前記所定の変調は、情報に従って正弦波パルスの振幅を変更するパルス振幅変調(Pulse Amplitude Modulation)であって、
前記復調手段は、前記全波整流手段により変換された絶対値パルス又は前記積分手段により積分された積分パルスの大きさが前記所定の閾値を超えているか否かを検出し、検出結果に基づいて前記情報を復調してもよい。
【0012】
また、上記構成において、前記所定の変調は、情報に従って正弦波パルスの配置を変更するパルス位置変調(Pluse Position Modulation)であって、
前記復調手段は、前記全波整流手段により変換された絶対値パルス又は前記積分手段により積分された積分パルスの大きさが前記所定の閾値を超えている位置を検出し、該検出した位置に基づいて前記情報を復調してもよい。
【0013】
また、上記構成において、前記所定の変調は、情報に従って正弦波パルスの位相を変更するパルス位相変調(Pulse Phase Modulation)であって、
前記パルス位相変調された正弦波パルスを受信し、該受信した正弦波パルスを半波整流して正極性又は負極性パルスの変換する半波整流手段をさらに備え、
前記積分手段は、前記半波整流手段により変換された正極性又は負極性パルスを積分して積分パルスに変換し、
前記復調手段は、前記積分手段により変換された積分パルスが閾値を超えているタイミングを検出し、該検出したタイミングに基づいて前記情報を復調してもよい。
【0014】
さらに、上記構成において、前記復調装置は、UWB(Ultra Wide Band)通信方式により無線通信された正弦波パルスを復調してもよい。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る受信装置は、
情報に従って所定の変調がされ、搬送波を用いずに送信された正弦波パルスを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換する全波整流手段と、
前記全波整流手段により変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調して出力する復調手段と、
を備える。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る無線通信システムは、
情報に従って所定の変調をした正弦波パルスを搬送波を用いずに送信する送信装置と、
前記送信装置により送信された正弦波パルスを受信し、該受信した正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換し、該変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調して出力する受信装置と、
を備える。
【0017】
また、上記構成において、前記無線通信システムは、UWB(Ultra Wide Band)通信システムであってもよい。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係る復調方法は、
情報に従って所定の変調がされた正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換する全波整流工程と、
前記全波整流工程により変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調する復調工程と、
を備える。
【0019】
上記目的を達成するため、本発明の第5の観点に係る受信方法は、
情報に従って所定の変調がされ、搬送波を用いずに送信された正弦波パルスを受信する受信工程と、
前記受信工程により受信した正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換する全波整流工程と、
前記全波整流工程により変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調して出力する復調工程と、
を備える。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明の第6の観点に係る無線通信方法は、
情報に従って所定の変調をした正弦波パルスを搬送波を用いずに送信する送信工程と、
前記送信工程により送信された正弦波パルスを受信する受信工程と、
前記受信工程により受信した正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換する全波整流工程と、
前記全波整流工程により変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調して出力する復調工程と、
を備える。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係るUWB通信システムについて説明する。
【0022】
なお、UWB通信とは、極めて広い周波数帯域(超広帯域)を使って通信する技術であり、搬送波を使わずに、非常に細かいパルス幅(例えば1ns以下)のパルス(インパルス)列からなる信号を用いて、情報を伝送する伝送方式である。このUWB通信には、以下に述べるメリットがある。
【0023】
UWB通信の第1のメリットは、インパルスを用いることにより、単位時間当たりにより多くの情報を伝送できることである。例えば、パルス幅が1nsを用いれば、例えば、1ビットのデータを1秒間に10億個(1ギガビットのデータ)を伝送することができる。
【0024】
UWB通信の第2のメリットは、搬送波を用いずに、インパルスを用いるため、送信側の消費電力を低減できることである。これは、搬送波を使う場合だと、送信側にて常に電波を発信し続けなければならないのに対し、インパルスを使うと、インパルスを発信するタイミングにだけ電圧等を印加すればよいため、送信側の消費電力の低減を図ることができる。
【0025】
UWB通信の第3のメリットは、このような極めて広い周波数帯域を使って通信するため、ノイズの影響を受けにくいということである。例えば、ある周波数成分にノイズが発生したとしても、影響を受けるのは、インパルスを構成する周波数成分の一部である。このため、受信側において、情報の受信(例えば、1ビットのデータ値の判別)には、ほとんど不都合が生じない。
【0026】
上述のメリットを有する本発明の実施の形態に係るUWB通信システム1の構成について図面を参照して説明する。
【0027】
UWB通信システム1は、図1に示すように、送信装置10と、受信装置20と、から構成される。
【0028】
送信装置10は、情報源11と、クロック信号生成部12と、変調部13と、パルス生成部14と、送信アンテナ15と、から構成される。送信装置10は、送信対象のデジタル情報に応じてクロック信号を位置変調(Pluse Position Modulation)し、この変調されたクロック信号をトリガとして正弦波パルスを生成する。送信装置10は、この正弦波パルスを送信アンテナ15において電磁パルスに変換し、該電磁パルスを空中に放射することにより、送信対象のデジタル情報を搬送波を用いずに送信する。
【0029】
情報源11は、送信対象である”0”と”1”とからなる1ビットのデジタル情報を生成し、変調部13に供給する。
【0030】
クロック信号生成部12は、図2Aに示すような、電気モノサイクル・パルスからなるクロック信号を生成し、変調部13に供給する。なお、この電気モノサイクル・パルスは、パルス間隔が25〜1000nsで、パルス幅が0.2〜1.50nsで、あることが望ましい。
【0031】
変調部13は、送信対象のデジタル情報の0/1に応じてクロック信号を位置変調し、出力信号のタイミングを微妙に前後させる。変調部13は、例えば、図2Bに示すように、入力されたデジタル情報が”0”の場合、タイミングT0だけ遅らせてクロック信号を出力し、入力されたデジタル情報が”1”の場合、T0より遅いタイミングT1だけ遅らせてクロック信号を出力する。
【0032】
パルス生成部14は、変調部13から出力されるクロック信号をトリガとして該クロック信号の遅延に応じた正弦波パルスを生成し、出力する。パルス生成部14は、例えば、図2Bに示すクロック信号が供給された場合、図2Cに示す正弦波パルスを生成する。
【0033】
送信アンテナ15は、パルス生成部14から出力された正弦波パルスを電磁パルスに変換し、変換した電磁パルスを空中に放射することにより、送信対象のデジタル情報を搬送波を用いずに受信装置20に送信する。送信アンテナ15は、例えば、図2Cに示す正弦波パルスが供給された場合、図2Dに示す電磁パルスを放射する。
【0034】
受信装置20は、受信アンテナ21と、クロック信号生成部22と、復調部23と、から構成され、送信装置10により空中に放射された電磁パルスを受信し、該電磁パルスを元のデジタル情報に復調して出力する。
【0035】
受信アンテナ21は、送信アンテナ15により空中に放射された電磁パルスを受信し、正弦波パルスに変換して、復調部23に供給する。
受信アンテナ21は、例えば、図3Aに示す電磁パルスを受信し、該受信した電磁パルスを図3Bに示す正弦波パルスに変換する。
【0036】
クロック信号生成部22は、送信装置10のクロック信号生成部12が生成するクロック信号と同じクロック信号を生成し、復調部23に供給する。
【0037】
復調部23は、全波整流回路231と、積分器232と、検出部233と、から構成され、クロック信号生成部22から供給されるクロック信号を用いて、受信アンテナ21から供給された正弦波パルスを元のデジタル情報に復調して、出力する。
【0038】
全波整流回路231は、図4に示すように、例えば、パルス入力端子Pinと、2個のオペアンプOP1,OP2と、2個のダイオードD1,D2と、5個の抵抗R1〜R5と、パルス出力端子Poutと、から構成されている。全波整流回路231は、受信アンテナ21から供給される正弦波パルスを全波整流して該正弦波の絶対値に対応したパルス(絶対値パルス)に変換し、出力する。なお、上記の抵抗R1〜R4の抵抗値は、R2/R1=R4/(2・R3)を満たす。
【0039】
オペアンプOP1の負入力端子は、その一端がパルス入力端子Pinと接続された抵抗R1の他端と、抵抗R2の一端と、ダイオードD1のカソード端と、に接続されており、オペアンプOP1の正入力端子は、接地されている。オペアンプOP1の出力端子は、ダイオードD1のアノード端とダイオードD2のカソード端とに接続され、このダイオードD2のアノード端は、抵抗R2の他端と、抵抗R3の一端と、に接続されている。
【0040】
オペアンプOP2の負入力端子は、抵抗R3の一端と、パルス入力端子Pinとその一端が接続された抵抗R4の他端と、パルス出力端子Poutとその他端が接続された抵抗R5の一端と、に接続されている。また、オペアンプOP2の正入力端子は、接地されている。オペアンプOP2の出力端子は、抵抗R5の他端と、パルス出力端子Poutと、に接続されている。
【0041】
全波整流回路231において、パルス入力端子Pinには、受信アンテナ21から、例えば、図3Bに示す正弦波パルスが入力され、オペアンプOP1の負入力端子には、電圧が印加される。
【0042】
入力された正弦波パルスが正極性のとき、オペアンプOP1の負入力端子には正極性の電圧が印可され、オペアンプOP1の出力端子には負極性の電圧が印可されるため、ダイオードD1はONし、ダイオードD2はOFFする。これにより、オペアンプOP2の負入力端子には負極性の電圧が印可され、オペアンプOP2の出力端子には正極性の電圧が印可されるため、パルス出力端子Poutからは正極性の正弦波パルスが出力される。
【0043】
一方、入力された正弦波パルスが負極性のとき、オペアンプOP1の負入力端子には負極性の電圧が印可され、オペアンプOP1の出力端子には正極性の電圧が印可されるため、ダイオードD1はOFFし、ダイオードD2はONする。これにより、オペアンプOP2の負入力端子には負極性の電圧が印可され、オペアンプOP2の出力端子には正極性の電圧が印可されるため、パルス出力端子Poutからは正極性の正弦波パルスが出力される。
【0044】
上述のように、全波整流回路231は、正弦波パルスが正極性のとき極性を反転させずそのまま出力し、正弦波パルスが負極性のとき極性を反転させて出力する。このため、全波整流回路231は、受信アンテナ21から供給された正弦波パルスを、例えば、図3Cに示す絶対値パルスに変換して出力することができる。
【0045】
積分器232は、全波整流回路231から出力された絶対値パルスを積分し、例えば、図3Dに示す積分パルスを検出部233に供給する。
【0046】
検出部233は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成され、積分器232から供給される積分パルスの大きさと閾値とを比較して正弦波パルスの有無を判別する。
【0047】
検出部233は、例えば、図5A及びBに示すように、積分パルスの大きさが閾値より大きい場合、”正弦波パルス有”と判別し、積分パルスの大きさが閾値より小さい場合、”正弦波パルス無”と判別する。また、検出部233は、”正弦波パルス有”と判別したタイミングを検出する。
【0048】
さらに、検出部233は、”正弦波パルス有”と判別したタイミングと、クロック信号生成部22からクロック信号が供給されるタイミングと、のタイミングのずれを検出する。検出部233は、正弦波パルスがクロック信号が供給されたタイミングよりT0だけ遅れて検出した場合、”0”と、T1だけ遅れて検出した場合、”1”と、判別する。
【0049】
復調部23は、この判別結果に基づいて送信対象のデジタル情報を復調し、復調したデジタル情報を出力する。
【0050】
次に、上記構成を備えるUWB通信システム1の送信・受信動作について図面を参照して説明する。
【0051】
図6Aは、送信装置10における送信動作を説明するためのフローチャート図であり、図6Bは、受信装置20における受信動作を説明するためのフローチャート図である。これらの送信・受信動作は、UWB通信システム1に通信開始を指示することにより開始する。
【0052】
情報源11は、送信対象である”0”と”1”とからなる1ビットのデジタル情報を生成し、変調部13に供給する(ステップS601)。
【0053】
この供給されたデジタル信号が”0”の場合、変調部13は、第1のクロック信号生成部12から供給されるクロック信号をタイミングT0だけ遅れせて出力する。一方、この供給されたデジタル信号が”1”の場合、変調部13は、第1のクロック信号生成部12から供給されるクロック信号をタイミングT1だけ遅らせて出力する(ステップS602)。
【0054】
パルス生成部14は、変調部13から出力されるクロック信号をトリガとして該クロック信号の遅延に応じた正弦波パルスを生成し、出力する(ステップS603)。
【0055】
送信アンテナ15は、パルス生成部14から出力された正弦波パルスを電磁パルスに変換し、変換した電磁パルスを空中に放射することにより、送信対象のデジタル情報を搬送波を用いずに受信装置20に送信する(ステップS604)。
【0056】
受信装置20は、受信アンテナ21において、送信された電磁パルスを受信し、受信した電磁パルスを元の正弦波パルスに変換し、変換した正弦波パルスを復調部23の全波整流回路231に供給する(ステップS605)。
【0057】
全波整流回路231は、受信アンテナ21から供給された正弦波パルスを絶対値パルスに変換して出力する(ステップS606)。
【0058】
積分器232は、全波整流回路231から出力された絶対値パルスを積分し、積分して得られた積分パルスを検出部233に供給する(ステップS607)。
【0059】
検出部233は、供給された積分パルスの大きさが閾値より大きい場合、”正弦波パルス有”と判別し、積分パルスの大きさが閾値より小さい場合、”正弦波パルス無”と判別する(ステップS608)。
【0060】
また、検出部233は、”正弦波パルス有”と判別した場合(ステップS608にてYES)、該判別したタイミングを検出する(ステップS609)。
【0061】
さらに、検出部233は、”正弦波パルス有”と判別したタイミングとクロック信号が供給されるタイミングとのタイミングのずれを検出し、正弦波パルスがクロック信号が供給されたタイミングよりT0だけ遅れて検出した場合、”0”と、T1だけ遅れて検出した場合、”1”と、判別する(ステップS610)。
【0062】
復調部23は、この判別結果に基づいて送信対象のデジタル情報を復調し、該復調したデジタル情報を出力する(ステップS611)。
【0063】
このように、本発明の実施の形態に係るUWB通信システム1の受信装置20は、受信した正弦波パルスを全波整流及び積分したパルスと閾値とを比較することにより、パルスに対してウィンドウ処理を行わなくても、パルスの有無及び位置を判別することができる。このため、受信装置20は、通常のパルス幅程度の動作周期で正弦波パルスを元のデジタル情報に復調することができ、消費電力を低減することができる。
【0064】
また、受信装置20は、受信した正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換してから積分するため、積分の際にパルスの正成分と負成分とを互いに打ち消し合うことなく、正弦波パルスを積分することができる。
【0065】
さらに、正弦波パルスを全波整流して積分したパルスの大きさは、元の正弦波パルスの大きさよりも大きいため、受信装置20は、正弦波パルスをそのまま閾値により判別するときよりも正確に正弦波パルスの有無及び位置を判別することができる。
【0066】
本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記実施の形態の変形態様について、説明する。
【0067】
上記実施の形態において、無線通信システムは、UWB通信システムとした。しかし、本発明は、これに限定されず、パルスを用いて情報を伝送する他の無線通信システムであってもよい。
【0068】
また、上記実施の形態において、タイミングT1はタイミングT0より遅いものとした。しかし、本発明は、これに限定されず、タイミングの遅さは逆であってもよい。
【0069】
さらに、上記実施の形態において、正弦波パルスは、位相のずれていないものを用いた。しかし、本発明は、これに限定されず、例えば、位相が180°ずれた正弦波パルスを用いてもよい。
【0070】
また、上記実施の形態において、UWB通信システム1は、変調方式として、パルス位置変調を用いた。しかし、本発明は、これに限定されず、送信対象の情報に従って正弦波パルスの振幅を変更するパルス振幅変調(Pulse Amplitude Modulation)を用いてもよい。
この場合、受信装置20は、送信装置10により振幅変調された正弦波パルスを全波整流回路231において全波整流して絶対値パルスに変換する。受信装置20は、この絶対値パルスを積分器232において積分し、検出部233において該積分したパルス(積分パルス)の大きさと閾値とを比較して正弦波パルスの有無を判別する。
例えば、受信装置20は、積分パルスの大きさが閾値より大きい場合、”1”と判別し、積分パルスの大きさが閾値より小さい場合、”0”と判別し、この判別結果に基づいて送信対象のデジタル情報を復調し、該復調したデジタル情報を出力する。
このように変調方式としてパルス振幅変調を用いた場合でも、受信装置20は、受信した正弦波パルスを全波整流し、さらに積分したパルスを用いて正弦波パルスの有無を判別するため、通常のパルス幅程度の動作周期で正弦波パルスを元のデジタル情報に復調することができ、消費電力を低減することができる。
【0071】
さらに、上記実施の形態において、UWB通信システム1は、変調方式として、パルス位置変調を用いた。しかし、本発明は、これに限定されず、送信対象の情報に従って正弦波パルスの位相を変更するパルス位相変調(Pulse Phase Modulation)を用いてもよい。
この場合、送信装置10は、例えば、図7A及びBに示す正弦波パルスをデジタル情報の0/1に基づき変調し、生成するとともに、該生成した正弦波パルスを受信装置20に送信する。受信装置20は、送信装置10により振幅変調された正弦波パルスを全波整流回路231に供給し、図4に示す全波整流回路231の中間出力端子Pmidから図8A及びBに示す半波整流パルスを抽出する。受信装置20は、この半端整流パルスを積分器232において積分し、検出部233において該積分されたパルス(積分パルス)の大きさと閾値とを比較して正弦波パルスの有無を判別する。さらに、受信装置20は、”正弦波パルス有”と判別されたタイミングを検出し、この判別結果に基づいて送信対象のデジタル情報を復調し、該復調したデジタル情報を出力する。
例えば、受信装置20は、積分パルスの大きさが閾値より大きい場合、”正弦波パルス有”と判別し、積分パルスの大きさが閾値より小さい場合、”正弦波パルス無”と判別する。また、受信装置20は、”正弦波パルス有”と判別したタイミングが第1のタイミングのとき、”0”と判別し、第2のタイミングのとき、”1”と判別する。
このように変調方式としてパルス位相変調を用いた場合でも、受信装置20は、全波整流回路231から半波整流パルスを抽出することにより、デジタル情報の”0”と”1”を判別し、正弦波パルスを元のデジタル情報に復調することができる。
なお、半波整流は、上述のごとく全波整流回路231から半端整流パルスを抽出する場合に限定されず、受信アンテナ21と積分器232との間に半端整流回路やダイオードを設けてることにより行ってもよい。
【0072】
また、上記実施の形態において、受信装置20は、正弦波パルスを全波整流回路231において全波整流して絶対値パルスに変換し、該変換した絶対値パルスを積分器232において積分した後に、正弦波パルスの有無を判別していた。しかし、本発明は、これに限定されず、図9に示す復調器93を用いて、全波整流回路231において変換された絶対値パルスから正弦波パルスの有無を判別してもよい。
この場合、受信装置20は、送信装置10により振幅変調された正弦波パルスを全波整流回路231において全波整流して絶対値パルスに変換し、検出部233において該絶対値パルスの大きさと閾値とを比較して正弦波パルスの有無を判別する。
例えば、受信装置20は、絶対値パルスの大きさが閾値より大きい場合、”正弦波パルス有”と判別し、積分パルスの大きさが閾値より小さい場合、”正弦波パルス無”と判別する。
このように、本発明の実施の形態に係るUWB通信システム1の受信装置20は、受信した正弦波パルスを全波整流したパルスと閾値とを比較することにより、パルスに対してウィンドウ処理を行わなくても、パルスの有無及び位置を判別することができる。このため、受信装置20は、通常のパルス幅程度の動作周期で正弦波パルスを元のデジタル情報に復調することができ、消費電力を低減することができる。
また、この場合、図10に示すように、絶対値パルスの大きさと閾値とを2回比較して正弦波パルスの有無及び位置を判別するため、受信装置20は、正弦波パルスをそのまま閾値により判別するときよりも正確に正弦波パルスの有無及び位置を判別することができる。
【0073】
さらに、上記実施の形態において、送信装置10は、デジタル情報のみに基づいて正弦波パルスを生成し、送信するものとした。しかし、本発明は、これに限定されず、送信装置10は、デジタル情報に拡散符号を掛け合わせた信号に基づいて正弦波パルス列を生成し、送信してもよい。
この場合、送信装置10は、デジタル情報(例えば、”1”)に拡散符号(例えば、(0,1,0,0))を掛け合わせた信号に基づいて、図11に示す所定のパターンを有する正弦波パルス列を生成し、送信する。受信装置20は、受信したパルス列を逆拡散して該所定にパターンを検出することにより、受信した信号の中から送信対象の正弦波パルスを特定し、特定した正弦波パルスを抽出する。
このように送信装置10が拡散された正弦波パルス列を送信することにより、受信装置20は、受信した信号から適切にノイズを分離し、所望の正弦波パルスのみを抽出することができる。
【0074】
また、上記実施の形態において、送信装置10は、1つのデジタル情報に対して1つの正弦波パルスを生成して送信していた。しかし、本発明は、これに限定されず、送信装置10は、正弦波パルスに冗長性を持たせて送信してもよい。
この場合、送信装置10は、デジタル情報(例えば、”0”)に冗長符号(例えば、(1,1,1,1))を掛け合わせた信号に基づいて、図12に示す冗長化された正弦波パルス列を生成し、送信する。受信装置20は、該冗長符号が掛け合わされた正弦波パルス列に含まれる正弦波パルス毎に0/1を判別する。受信装置20は、この正弦波パルス毎の判別結果に基づいて確率的に元のデジタル情報の0/1を判別し、復調する。
このように送信装置10が生成した正弦波パルスに冗長性を持たせることにより、受信装置20は、複数の正弦波パルスから確率的に0/1を判別するができ、ノイズの影響を少なくして正確に送信情報を復調することができる。
なお、上述の場合では、デジタル情報に冗長符号を掛け合わせることにより正弦波パルスに冗長性を持たせていたが、正弦波パルスを複数回連続して送信することによって、正弦波パルスに冗長性を持たせてもよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明により、消費電力を低減しつつ、正確に送信情報を復調することができる復調装置、受信装置、無線通信システム、復調方法、受信方法及び無線通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るUWB通信システムのブロック図である。
【図2】Aは、クロック信号生成部において生成されたクロック信号の波形図であり、Bは、変調部において変調されたクロック信号の波形図であり、Cは、パルス生成部において生成された正弦波パルスの波形図であり、Dは、送信アンテナにおいて送信された電磁パルスの波形図である。
【図3】Aは、受信アンテナにおいて受信された電磁パルスの波形図であり、Bは、受信アンテナにおいて変換された正弦波パルスの波形図であり、Cは、全波整流回路において全波整流された絶対値パルスの波形図であり、Dは、積分器において積分された積分パルスの波形図である。
【図4】全波整流回路の回路図である。
【図5】積分パルスの大きさと閾値との大小関係によりパルスの有無を判別する方法を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るUWB通信システムの送信・受信動作を示すフローチャート図である。
【図7】送信装置において位相変調された正弦波パルスの波形図である。
【図8】全波整流回路において半波整流された半波整流パルスの波形図である。
【図9】復調器の変形例を示す図である。
【図10】絶対値パルスの大きさと閾値との大小関係によりパルスの有無を判別する方法を説明するための図である。
【図11】拡散された正弦波パルス列の波形図である。
【図12】冗長化された正弦波パルス列の波形図である。
【符号の説明】
1…UWB通信システム、10…送信装置、11…情報源、12…クロック信号生成部、13…変調部、14…パルス生成部、15…送信アンテナ、21…受信アンテナ、22…クロック信号生成部、23…復調部、231…全波整流回路、232…積分器、233…検出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、復調装置、受信装置、無線通信システム、復調方法、受信方法及び無線通信方法に関し、特に、消費電力を低減しつつ、正確に送信情報を復調することができる復調装置、受信装置、無線通信システム、復調方法、受信方法及び無線通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信の分野において、低消費電力で高速通信が可能な通信方式としてUWB(Ultra Wide Band)通信が注目を集めている。このUWB通信は、非常に細かいパルス幅(例えば1ns(ナノセコンド)以下)のパルス列からなる信号を用いて、情報を伝送する伝送方式である。
【0003】
UWB通信の送信装置は、デジタル情報に応じてクロック信号を変調し、この変調されたクロック信号をトリガとして電気パルスを生成する。UWB通信の送信装置は、この電気パルスから送信アンテナで電磁パルスを生成し、空中に放射することにより、デジタル情報を搬送波を用いずに送信する。
【0004】
UWB通信の受信装置は、受信した電磁パルスを電気パルスに変換し、変換したパルスに対してウィンドウ処理を施す。このウィンドウ処理とは、電気パルスの中心波形を取り出し、電気パルスの有無や位置の判定を行い、送信されたデジタル情報を復調することである。則ち、受信装置は、受信し、変換した電気パルスにウィンドウ処理を施し、送信装置の変調方式に対応した復調方式により、送信されたデジタル情報を復調して出力する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−325071号公報(第6−9頁、第1図)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したUWB通信システムの受信装置は、電気パルスの有無や位置の判定を行うに際し、幅1ns以下の非常に細かいパルスに対してウィンドウ処理を行うため、このパルス幅(1ns以下)の逆数の周期(数GHz(ギガヘルツ))の動作が求められる。さらに、受信装置は、電気パルスの有無や位置の判定を正確に行うためウィンドウの中心位置を電気パルスの中心位置に合わせる必要もある。この位置合わせを行うために、受信装置には、更に細かい動作(ps(ピコセカンド)レベルの動作)が求められる。
【0007】
一般に、消費電力は動作周波数に比例して大きくなるものであるため、上述のようにGHzレベルの動作が求められる受信装置の消費電力は、非常に大きなものとなる。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたのもであって、消費電力を低減しつつ、正確に送信情報を復調することができる復調装置、受信装置、無線通信システム、復調方法、受信方法及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る復調装置は、
情報に従って所定の変調がされた正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換する全波整流手段と、
前記全波整流手段により変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調する復調手段と、
を備える。
【0010】
また、上記構成において、前記全波整流手段により変換された絶対値パルスを積分して積分パルスに変換する積分手段をさらに備え、
前記復調手段は、前記積分手段により変換された積分パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記送信対象の情報を復調してもよい。
【0011】
さらに、上記構成において、前記所定の変調は、情報に従って正弦波パルスの振幅を変更するパルス振幅変調(Pulse Amplitude Modulation)であって、
前記復調手段は、前記全波整流手段により変換された絶対値パルス又は前記積分手段により積分された積分パルスの大きさが前記所定の閾値を超えているか否かを検出し、検出結果に基づいて前記情報を復調してもよい。
【0012】
また、上記構成において、前記所定の変調は、情報に従って正弦波パルスの配置を変更するパルス位置変調(Pluse Position Modulation)であって、
前記復調手段は、前記全波整流手段により変換された絶対値パルス又は前記積分手段により積分された積分パルスの大きさが前記所定の閾値を超えている位置を検出し、該検出した位置に基づいて前記情報を復調してもよい。
【0013】
また、上記構成において、前記所定の変調は、情報に従って正弦波パルスの位相を変更するパルス位相変調(Pulse Phase Modulation)であって、
前記パルス位相変調された正弦波パルスを受信し、該受信した正弦波パルスを半波整流して正極性又は負極性パルスの変換する半波整流手段をさらに備え、
前記積分手段は、前記半波整流手段により変換された正極性又は負極性パルスを積分して積分パルスに変換し、
前記復調手段は、前記積分手段により変換された積分パルスが閾値を超えているタイミングを検出し、該検出したタイミングに基づいて前記情報を復調してもよい。
【0014】
さらに、上記構成において、前記復調装置は、UWB(Ultra Wide Band)通信方式により無線通信された正弦波パルスを復調してもよい。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る受信装置は、
情報に従って所定の変調がされ、搬送波を用いずに送信された正弦波パルスを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換する全波整流手段と、
前記全波整流手段により変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調して出力する復調手段と、
を備える。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る無線通信システムは、
情報に従って所定の変調をした正弦波パルスを搬送波を用いずに送信する送信装置と、
前記送信装置により送信された正弦波パルスを受信し、該受信した正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換し、該変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調して出力する受信装置と、
を備える。
【0017】
また、上記構成において、前記無線通信システムは、UWB(Ultra Wide Band)通信システムであってもよい。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係る復調方法は、
情報に従って所定の変調がされた正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換する全波整流工程と、
前記全波整流工程により変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調する復調工程と、
を備える。
【0019】
上記目的を達成するため、本発明の第5の観点に係る受信方法は、
情報に従って所定の変調がされ、搬送波を用いずに送信された正弦波パルスを受信する受信工程と、
前記受信工程により受信した正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換する全波整流工程と、
前記全波整流工程により変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調して出力する復調工程と、
を備える。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明の第6の観点に係る無線通信方法は、
情報に従って所定の変調をした正弦波パルスを搬送波を用いずに送信する送信工程と、
前記送信工程により送信された正弦波パルスを受信する受信工程と、
前記受信工程により受信した正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換する全波整流工程と、
前記全波整流工程により変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調して出力する復調工程と、
を備える。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係るUWB通信システムについて説明する。
【0022】
なお、UWB通信とは、極めて広い周波数帯域(超広帯域)を使って通信する技術であり、搬送波を使わずに、非常に細かいパルス幅(例えば1ns以下)のパルス(インパルス)列からなる信号を用いて、情報を伝送する伝送方式である。このUWB通信には、以下に述べるメリットがある。
【0023】
UWB通信の第1のメリットは、インパルスを用いることにより、単位時間当たりにより多くの情報を伝送できることである。例えば、パルス幅が1nsを用いれば、例えば、1ビットのデータを1秒間に10億個(1ギガビットのデータ)を伝送することができる。
【0024】
UWB通信の第2のメリットは、搬送波を用いずに、インパルスを用いるため、送信側の消費電力を低減できることである。これは、搬送波を使う場合だと、送信側にて常に電波を発信し続けなければならないのに対し、インパルスを使うと、インパルスを発信するタイミングにだけ電圧等を印加すればよいため、送信側の消費電力の低減を図ることができる。
【0025】
UWB通信の第3のメリットは、このような極めて広い周波数帯域を使って通信するため、ノイズの影響を受けにくいということである。例えば、ある周波数成分にノイズが発生したとしても、影響を受けるのは、インパルスを構成する周波数成分の一部である。このため、受信側において、情報の受信(例えば、1ビットのデータ値の判別)には、ほとんど不都合が生じない。
【0026】
上述のメリットを有する本発明の実施の形態に係るUWB通信システム1の構成について図面を参照して説明する。
【0027】
UWB通信システム1は、図1に示すように、送信装置10と、受信装置20と、から構成される。
【0028】
送信装置10は、情報源11と、クロック信号生成部12と、変調部13と、パルス生成部14と、送信アンテナ15と、から構成される。送信装置10は、送信対象のデジタル情報に応じてクロック信号を位置変調(Pluse Position Modulation)し、この変調されたクロック信号をトリガとして正弦波パルスを生成する。送信装置10は、この正弦波パルスを送信アンテナ15において電磁パルスに変換し、該電磁パルスを空中に放射することにより、送信対象のデジタル情報を搬送波を用いずに送信する。
【0029】
情報源11は、送信対象である”0”と”1”とからなる1ビットのデジタル情報を生成し、変調部13に供給する。
【0030】
クロック信号生成部12は、図2Aに示すような、電気モノサイクル・パルスからなるクロック信号を生成し、変調部13に供給する。なお、この電気モノサイクル・パルスは、パルス間隔が25〜1000nsで、パルス幅が0.2〜1.50nsで、あることが望ましい。
【0031】
変調部13は、送信対象のデジタル情報の0/1に応じてクロック信号を位置変調し、出力信号のタイミングを微妙に前後させる。変調部13は、例えば、図2Bに示すように、入力されたデジタル情報が”0”の場合、タイミングT0だけ遅らせてクロック信号を出力し、入力されたデジタル情報が”1”の場合、T0より遅いタイミングT1だけ遅らせてクロック信号を出力する。
【0032】
パルス生成部14は、変調部13から出力されるクロック信号をトリガとして該クロック信号の遅延に応じた正弦波パルスを生成し、出力する。パルス生成部14は、例えば、図2Bに示すクロック信号が供給された場合、図2Cに示す正弦波パルスを生成する。
【0033】
送信アンテナ15は、パルス生成部14から出力された正弦波パルスを電磁パルスに変換し、変換した電磁パルスを空中に放射することにより、送信対象のデジタル情報を搬送波を用いずに受信装置20に送信する。送信アンテナ15は、例えば、図2Cに示す正弦波パルスが供給された場合、図2Dに示す電磁パルスを放射する。
【0034】
受信装置20は、受信アンテナ21と、クロック信号生成部22と、復調部23と、から構成され、送信装置10により空中に放射された電磁パルスを受信し、該電磁パルスを元のデジタル情報に復調して出力する。
【0035】
受信アンテナ21は、送信アンテナ15により空中に放射された電磁パルスを受信し、正弦波パルスに変換して、復調部23に供給する。
受信アンテナ21は、例えば、図3Aに示す電磁パルスを受信し、該受信した電磁パルスを図3Bに示す正弦波パルスに変換する。
【0036】
クロック信号生成部22は、送信装置10のクロック信号生成部12が生成するクロック信号と同じクロック信号を生成し、復調部23に供給する。
【0037】
復調部23は、全波整流回路231と、積分器232と、検出部233と、から構成され、クロック信号生成部22から供給されるクロック信号を用いて、受信アンテナ21から供給された正弦波パルスを元のデジタル情報に復調して、出力する。
【0038】
全波整流回路231は、図4に示すように、例えば、パルス入力端子Pinと、2個のオペアンプOP1,OP2と、2個のダイオードD1,D2と、5個の抵抗R1〜R5と、パルス出力端子Poutと、から構成されている。全波整流回路231は、受信アンテナ21から供給される正弦波パルスを全波整流して該正弦波の絶対値に対応したパルス(絶対値パルス)に変換し、出力する。なお、上記の抵抗R1〜R4の抵抗値は、R2/R1=R4/(2・R3)を満たす。
【0039】
オペアンプOP1の負入力端子は、その一端がパルス入力端子Pinと接続された抵抗R1の他端と、抵抗R2の一端と、ダイオードD1のカソード端と、に接続されており、オペアンプOP1の正入力端子は、接地されている。オペアンプOP1の出力端子は、ダイオードD1のアノード端とダイオードD2のカソード端とに接続され、このダイオードD2のアノード端は、抵抗R2の他端と、抵抗R3の一端と、に接続されている。
【0040】
オペアンプOP2の負入力端子は、抵抗R3の一端と、パルス入力端子Pinとその一端が接続された抵抗R4の他端と、パルス出力端子Poutとその他端が接続された抵抗R5の一端と、に接続されている。また、オペアンプOP2の正入力端子は、接地されている。オペアンプOP2の出力端子は、抵抗R5の他端と、パルス出力端子Poutと、に接続されている。
【0041】
全波整流回路231において、パルス入力端子Pinには、受信アンテナ21から、例えば、図3Bに示す正弦波パルスが入力され、オペアンプOP1の負入力端子には、電圧が印加される。
【0042】
入力された正弦波パルスが正極性のとき、オペアンプOP1の負入力端子には正極性の電圧が印可され、オペアンプOP1の出力端子には負極性の電圧が印可されるため、ダイオードD1はONし、ダイオードD2はOFFする。これにより、オペアンプOP2の負入力端子には負極性の電圧が印可され、オペアンプOP2の出力端子には正極性の電圧が印可されるため、パルス出力端子Poutからは正極性の正弦波パルスが出力される。
【0043】
一方、入力された正弦波パルスが負極性のとき、オペアンプOP1の負入力端子には負極性の電圧が印可され、オペアンプOP1の出力端子には正極性の電圧が印可されるため、ダイオードD1はOFFし、ダイオードD2はONする。これにより、オペアンプOP2の負入力端子には負極性の電圧が印可され、オペアンプOP2の出力端子には正極性の電圧が印可されるため、パルス出力端子Poutからは正極性の正弦波パルスが出力される。
【0044】
上述のように、全波整流回路231は、正弦波パルスが正極性のとき極性を反転させずそのまま出力し、正弦波パルスが負極性のとき極性を反転させて出力する。このため、全波整流回路231は、受信アンテナ21から供給された正弦波パルスを、例えば、図3Cに示す絶対値パルスに変換して出力することができる。
【0045】
積分器232は、全波整流回路231から出力された絶対値パルスを積分し、例えば、図3Dに示す積分パルスを検出部233に供給する。
【0046】
検出部233は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成され、積分器232から供給される積分パルスの大きさと閾値とを比較して正弦波パルスの有無を判別する。
【0047】
検出部233は、例えば、図5A及びBに示すように、積分パルスの大きさが閾値より大きい場合、”正弦波パルス有”と判別し、積分パルスの大きさが閾値より小さい場合、”正弦波パルス無”と判別する。また、検出部233は、”正弦波パルス有”と判別したタイミングを検出する。
【0048】
さらに、検出部233は、”正弦波パルス有”と判別したタイミングと、クロック信号生成部22からクロック信号が供給されるタイミングと、のタイミングのずれを検出する。検出部233は、正弦波パルスがクロック信号が供給されたタイミングよりT0だけ遅れて検出した場合、”0”と、T1だけ遅れて検出した場合、”1”と、判別する。
【0049】
復調部23は、この判別結果に基づいて送信対象のデジタル情報を復調し、復調したデジタル情報を出力する。
【0050】
次に、上記構成を備えるUWB通信システム1の送信・受信動作について図面を参照して説明する。
【0051】
図6Aは、送信装置10における送信動作を説明するためのフローチャート図であり、図6Bは、受信装置20における受信動作を説明するためのフローチャート図である。これらの送信・受信動作は、UWB通信システム1に通信開始を指示することにより開始する。
【0052】
情報源11は、送信対象である”0”と”1”とからなる1ビットのデジタル情報を生成し、変調部13に供給する(ステップS601)。
【0053】
この供給されたデジタル信号が”0”の場合、変調部13は、第1のクロック信号生成部12から供給されるクロック信号をタイミングT0だけ遅れせて出力する。一方、この供給されたデジタル信号が”1”の場合、変調部13は、第1のクロック信号生成部12から供給されるクロック信号をタイミングT1だけ遅らせて出力する(ステップS602)。
【0054】
パルス生成部14は、変調部13から出力されるクロック信号をトリガとして該クロック信号の遅延に応じた正弦波パルスを生成し、出力する(ステップS603)。
【0055】
送信アンテナ15は、パルス生成部14から出力された正弦波パルスを電磁パルスに変換し、変換した電磁パルスを空中に放射することにより、送信対象のデジタル情報を搬送波を用いずに受信装置20に送信する(ステップS604)。
【0056】
受信装置20は、受信アンテナ21において、送信された電磁パルスを受信し、受信した電磁パルスを元の正弦波パルスに変換し、変換した正弦波パルスを復調部23の全波整流回路231に供給する(ステップS605)。
【0057】
全波整流回路231は、受信アンテナ21から供給された正弦波パルスを絶対値パルスに変換して出力する(ステップS606)。
【0058】
積分器232は、全波整流回路231から出力された絶対値パルスを積分し、積分して得られた積分パルスを検出部233に供給する(ステップS607)。
【0059】
検出部233は、供給された積分パルスの大きさが閾値より大きい場合、”正弦波パルス有”と判別し、積分パルスの大きさが閾値より小さい場合、”正弦波パルス無”と判別する(ステップS608)。
【0060】
また、検出部233は、”正弦波パルス有”と判別した場合(ステップS608にてYES)、該判別したタイミングを検出する(ステップS609)。
【0061】
さらに、検出部233は、”正弦波パルス有”と判別したタイミングとクロック信号が供給されるタイミングとのタイミングのずれを検出し、正弦波パルスがクロック信号が供給されたタイミングよりT0だけ遅れて検出した場合、”0”と、T1だけ遅れて検出した場合、”1”と、判別する(ステップS610)。
【0062】
復調部23は、この判別結果に基づいて送信対象のデジタル情報を復調し、該復調したデジタル情報を出力する(ステップS611)。
【0063】
このように、本発明の実施の形態に係るUWB通信システム1の受信装置20は、受信した正弦波パルスを全波整流及び積分したパルスと閾値とを比較することにより、パルスに対してウィンドウ処理を行わなくても、パルスの有無及び位置を判別することができる。このため、受信装置20は、通常のパルス幅程度の動作周期で正弦波パルスを元のデジタル情報に復調することができ、消費電力を低減することができる。
【0064】
また、受信装置20は、受信した正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換してから積分するため、積分の際にパルスの正成分と負成分とを互いに打ち消し合うことなく、正弦波パルスを積分することができる。
【0065】
さらに、正弦波パルスを全波整流して積分したパルスの大きさは、元の正弦波パルスの大きさよりも大きいため、受信装置20は、正弦波パルスをそのまま閾値により判別するときよりも正確に正弦波パルスの有無及び位置を判別することができる。
【0066】
本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記実施の形態の変形態様について、説明する。
【0067】
上記実施の形態において、無線通信システムは、UWB通信システムとした。しかし、本発明は、これに限定されず、パルスを用いて情報を伝送する他の無線通信システムであってもよい。
【0068】
また、上記実施の形態において、タイミングT1はタイミングT0より遅いものとした。しかし、本発明は、これに限定されず、タイミングの遅さは逆であってもよい。
【0069】
さらに、上記実施の形態において、正弦波パルスは、位相のずれていないものを用いた。しかし、本発明は、これに限定されず、例えば、位相が180°ずれた正弦波パルスを用いてもよい。
【0070】
また、上記実施の形態において、UWB通信システム1は、変調方式として、パルス位置変調を用いた。しかし、本発明は、これに限定されず、送信対象の情報に従って正弦波パルスの振幅を変更するパルス振幅変調(Pulse Amplitude Modulation)を用いてもよい。
この場合、受信装置20は、送信装置10により振幅変調された正弦波パルスを全波整流回路231において全波整流して絶対値パルスに変換する。受信装置20は、この絶対値パルスを積分器232において積分し、検出部233において該積分したパルス(積分パルス)の大きさと閾値とを比較して正弦波パルスの有無を判別する。
例えば、受信装置20は、積分パルスの大きさが閾値より大きい場合、”1”と判別し、積分パルスの大きさが閾値より小さい場合、”0”と判別し、この判別結果に基づいて送信対象のデジタル情報を復調し、該復調したデジタル情報を出力する。
このように変調方式としてパルス振幅変調を用いた場合でも、受信装置20は、受信した正弦波パルスを全波整流し、さらに積分したパルスを用いて正弦波パルスの有無を判別するため、通常のパルス幅程度の動作周期で正弦波パルスを元のデジタル情報に復調することができ、消費電力を低減することができる。
【0071】
さらに、上記実施の形態において、UWB通信システム1は、変調方式として、パルス位置変調を用いた。しかし、本発明は、これに限定されず、送信対象の情報に従って正弦波パルスの位相を変更するパルス位相変調(Pulse Phase Modulation)を用いてもよい。
この場合、送信装置10は、例えば、図7A及びBに示す正弦波パルスをデジタル情報の0/1に基づき変調し、生成するとともに、該生成した正弦波パルスを受信装置20に送信する。受信装置20は、送信装置10により振幅変調された正弦波パルスを全波整流回路231に供給し、図4に示す全波整流回路231の中間出力端子Pmidから図8A及びBに示す半波整流パルスを抽出する。受信装置20は、この半端整流パルスを積分器232において積分し、検出部233において該積分されたパルス(積分パルス)の大きさと閾値とを比較して正弦波パルスの有無を判別する。さらに、受信装置20は、”正弦波パルス有”と判別されたタイミングを検出し、この判別結果に基づいて送信対象のデジタル情報を復調し、該復調したデジタル情報を出力する。
例えば、受信装置20は、積分パルスの大きさが閾値より大きい場合、”正弦波パルス有”と判別し、積分パルスの大きさが閾値より小さい場合、”正弦波パルス無”と判別する。また、受信装置20は、”正弦波パルス有”と判別したタイミングが第1のタイミングのとき、”0”と判別し、第2のタイミングのとき、”1”と判別する。
このように変調方式としてパルス位相変調を用いた場合でも、受信装置20は、全波整流回路231から半波整流パルスを抽出することにより、デジタル情報の”0”と”1”を判別し、正弦波パルスを元のデジタル情報に復調することができる。
なお、半波整流は、上述のごとく全波整流回路231から半端整流パルスを抽出する場合に限定されず、受信アンテナ21と積分器232との間に半端整流回路やダイオードを設けてることにより行ってもよい。
【0072】
また、上記実施の形態において、受信装置20は、正弦波パルスを全波整流回路231において全波整流して絶対値パルスに変換し、該変換した絶対値パルスを積分器232において積分した後に、正弦波パルスの有無を判別していた。しかし、本発明は、これに限定されず、図9に示す復調器93を用いて、全波整流回路231において変換された絶対値パルスから正弦波パルスの有無を判別してもよい。
この場合、受信装置20は、送信装置10により振幅変調された正弦波パルスを全波整流回路231において全波整流して絶対値パルスに変換し、検出部233において該絶対値パルスの大きさと閾値とを比較して正弦波パルスの有無を判別する。
例えば、受信装置20は、絶対値パルスの大きさが閾値より大きい場合、”正弦波パルス有”と判別し、積分パルスの大きさが閾値より小さい場合、”正弦波パルス無”と判別する。
このように、本発明の実施の形態に係るUWB通信システム1の受信装置20は、受信した正弦波パルスを全波整流したパルスと閾値とを比較することにより、パルスに対してウィンドウ処理を行わなくても、パルスの有無及び位置を判別することができる。このため、受信装置20は、通常のパルス幅程度の動作周期で正弦波パルスを元のデジタル情報に復調することができ、消費電力を低減することができる。
また、この場合、図10に示すように、絶対値パルスの大きさと閾値とを2回比較して正弦波パルスの有無及び位置を判別するため、受信装置20は、正弦波パルスをそのまま閾値により判別するときよりも正確に正弦波パルスの有無及び位置を判別することができる。
【0073】
さらに、上記実施の形態において、送信装置10は、デジタル情報のみに基づいて正弦波パルスを生成し、送信するものとした。しかし、本発明は、これに限定されず、送信装置10は、デジタル情報に拡散符号を掛け合わせた信号に基づいて正弦波パルス列を生成し、送信してもよい。
この場合、送信装置10は、デジタル情報(例えば、”1”)に拡散符号(例えば、(0,1,0,0))を掛け合わせた信号に基づいて、図11に示す所定のパターンを有する正弦波パルス列を生成し、送信する。受信装置20は、受信したパルス列を逆拡散して該所定にパターンを検出することにより、受信した信号の中から送信対象の正弦波パルスを特定し、特定した正弦波パルスを抽出する。
このように送信装置10が拡散された正弦波パルス列を送信することにより、受信装置20は、受信した信号から適切にノイズを分離し、所望の正弦波パルスのみを抽出することができる。
【0074】
また、上記実施の形態において、送信装置10は、1つのデジタル情報に対して1つの正弦波パルスを生成して送信していた。しかし、本発明は、これに限定されず、送信装置10は、正弦波パルスに冗長性を持たせて送信してもよい。
この場合、送信装置10は、デジタル情報(例えば、”0”)に冗長符号(例えば、(1,1,1,1))を掛け合わせた信号に基づいて、図12に示す冗長化された正弦波パルス列を生成し、送信する。受信装置20は、該冗長符号が掛け合わされた正弦波パルス列に含まれる正弦波パルス毎に0/1を判別する。受信装置20は、この正弦波パルス毎の判別結果に基づいて確率的に元のデジタル情報の0/1を判別し、復調する。
このように送信装置10が生成した正弦波パルスに冗長性を持たせることにより、受信装置20は、複数の正弦波パルスから確率的に0/1を判別するができ、ノイズの影響を少なくして正確に送信情報を復調することができる。
なお、上述の場合では、デジタル情報に冗長符号を掛け合わせることにより正弦波パルスに冗長性を持たせていたが、正弦波パルスを複数回連続して送信することによって、正弦波パルスに冗長性を持たせてもよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明により、消費電力を低減しつつ、正確に送信情報を復調することができる復調装置、受信装置、無線通信システム、復調方法、受信方法及び無線通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るUWB通信システムのブロック図である。
【図2】Aは、クロック信号生成部において生成されたクロック信号の波形図であり、Bは、変調部において変調されたクロック信号の波形図であり、Cは、パルス生成部において生成された正弦波パルスの波形図であり、Dは、送信アンテナにおいて送信された電磁パルスの波形図である。
【図3】Aは、受信アンテナにおいて受信された電磁パルスの波形図であり、Bは、受信アンテナにおいて変換された正弦波パルスの波形図であり、Cは、全波整流回路において全波整流された絶対値パルスの波形図であり、Dは、積分器において積分された積分パルスの波形図である。
【図4】全波整流回路の回路図である。
【図5】積分パルスの大きさと閾値との大小関係によりパルスの有無を判別する方法を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るUWB通信システムの送信・受信動作を示すフローチャート図である。
【図7】送信装置において位相変調された正弦波パルスの波形図である。
【図8】全波整流回路において半波整流された半波整流パルスの波形図である。
【図9】復調器の変形例を示す図である。
【図10】絶対値パルスの大きさと閾値との大小関係によりパルスの有無を判別する方法を説明するための図である。
【図11】拡散された正弦波パルス列の波形図である。
【図12】冗長化された正弦波パルス列の波形図である。
【符号の説明】
1…UWB通信システム、10…送信装置、11…情報源、12…クロック信号生成部、13…変調部、14…パルス生成部、15…送信アンテナ、21…受信アンテナ、22…クロック信号生成部、23…復調部、231…全波整流回路、232…積分器、233…検出部
Claims (12)
- 情報に従って所定の変調がされた正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換する全波整流手段と、
前記全波整流手段により変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調する復調手段と、
を備える復調装置。 - 前記全波整流手段により変換された絶対値パルスを積分して積分パルスに変換する積分手段をさらに備え、
前記復調手段は、前記積分手段により変換された積分パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記送信対象の情報を復調する、
ことを特徴とする請求項1に記載の復調装置。 - 前記所定の変調は、情報に従って正弦波パルスの振幅を変更するパルス振幅変調(Pulse Amplitude Modulation)であって、
前記復調手段は、前記全波整流手段により変換された絶対値パルス又は前記積分手段により積分された積分パルスの大きさが前記所定の閾値を超えているか否かを検出し、検出結果に基づいて前記情報を復調する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の復調装置。 - 前記所定の変調は、情報に従って正弦波パルスの配置を変更するパルス位置変調(Pluse Position Modulation)であって、
前記復調手段は、前記全波整流手段により変換された絶対値パルス又は前記積分手段により積分された積分パルスの大きさが前記所定の閾値を超えている位置を検出し、該検出した位置に基づいて前記情報を復調する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の復調装置。 - 前記所定の変調は、情報に従って正弦波パルスの位相を変更するパルス位相変調(Pulse Phase Modulation)であって、
前記パルス位相変調された正弦波パルスを受信し、該受信した正弦波パルスを半波整流して正極性又は負極性パルスの変換する半波整流手段をさらに備え、
前記積分手段は、前記半波整流手段により変換された正極性又は負極性パルスを積分して積分パルスに変換し、
前記復調手段は、前記積分手段により変換された積分パルスが閾値を超えているタイミングを検出し、該検出したタイミングに基づいて前記情報を復調する、
ことを特徴とする請求項2に記載の復調装置。 - 前記復調装置は、UWB(Ultra Wide Band)通信方式により無線通信された正弦波パルスを復調する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の復調装置。 - 情報に従って所定の変調がされ、搬送波を用いずに送信された正弦波パルスを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換する全波整流手段と、
前記全波整流手段により変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調して出力する復調手段と、
を備える受信装置。 - 情報に従って所定の変調をした正弦波パルスを搬送波を用いずに送信する送信装置と、
前記送信装置により送信された正弦波パルスを受信し、該受信した正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換し、該変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調して出力する受信装置と、
を備える無線通信システム。 - 前記無線通信システムは、UWB(Ultra Wide Band)通信システムである、
ことを特徴とする請求項8に記載の無線通信システム。 - 情報に従って所定の変調がされた正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換する全波整流工程と、
前記全波整流工程により変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調する復調工程と、
を備える復調方法。 - 情報に従って所定の変調がされ、搬送波を用いずに送信された正弦波パルスを受信する受信工程と、
前記受信工程により受信した正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換する全波整流工程と、
前記全波整流工程により変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調して出力する復調工程と、
を備える受信方法。 - 情報に従って所定の変調をした正弦波パルスを搬送波を用いずに送信する送信工程と、
前記送信工程により送信された正弦波パルスを受信する受信工程と、
前記受信工程により受信した正弦波パルスを全波整流して絶対値パルスに変換する全波整流工程と、
前記全波整流工程により変換された絶対値パルスの大きさと所定の閾値との大小関係に基づいて前記情報を復調して出力する復調工程と、
を備える無線通信方法。
Priority Applications (1)
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JP2003107133A JP2004320083A (ja) | 2003-04-10 | 2003-04-10 | 復調装置、受信装置、無線通信システム、復調方法、受信方法及び無線通信方法 |
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JP2003107133A JP2004320083A (ja) | 2003-04-10 | 2003-04-10 | 復調装置、受信装置、無線通信システム、復調方法、受信方法及び無線通信方法 |
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JP2003107133A Pending JP2004320083A (ja) | 2003-04-10 | 2003-04-10 | 復調装置、受信装置、無線通信システム、復調方法、受信方法及び無線通信方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007036593A (ja) * | 2005-07-26 | 2007-02-08 | Matsushita Electric Works Ltd | 無線受信装置及び無線受信方法 |
US7795971B2 (en) | 2008-05-08 | 2010-09-14 | Seiko Epson Corporation | Electronic circuit and electronic device |
US7994852B2 (en) | 2008-11-26 | 2011-08-09 | Seiko Epson Corporation | Electronic circuit and electronic device |
CN113448279A (zh) * | 2020-12-17 | 2021-09-28 | 芯创通(南京)半导体科技有限公司 | 一种新型的远程低功耗通信解调方式 |
-
2003
- 2003-04-10 JP JP2003107133A patent/JP2004320083A/ja active Pending
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