JP2004319544A - 半導体メモリ - Google Patents

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Takashi Mitsuida
高 三井田
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Abstract

【課題】チャネルを流れる電流を高精度に制御することができる半導体メモリを提供する。
【解決手段】電気的書込みおよび消去が可能なトランジスタTCを複数含む半導体メモリにおいて、当該トランジスタは、一対のソース・ドレイン領域BL1, BL2と、ソース・ドレイン領域BL1, BL2の間に設けられたチャネル領域13dと、チャネル領域13dに対向するコントロールゲートCGと、チャネル領域13dとコントロールゲートCGとの間に設けられたフローティングゲートFG1, FG2とを含む。フローティングゲートCGへ電荷を注入する際に、ソースBL1を流れるソース電流51を定電流源60により制御する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランジスタを用いた半導体メモリに関する。より詳細には、本発明は、半導体メモリへのデータの書込みに有用な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
EEPROM (Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリは、携帯電話機等に搭載されて、現在広く普及している。通常、EEPROMは、1つのセルトランジスタに1ビットの情報しか書き込めない。しかし、デバイスの小型化を図るためには、セルトランジスタの多値化を図り、1つのセルトランジスタに2ビット以上書き込めることが好ましい。
【0003】
不揮発性メモリは、回路構成や動作方法の違いによって、NOR型、NAND型、AND型、DINOR型に分けられる。また、不揮発性メモリを構成するメモリ素子としては、フローティングゲートを有するメモリトランジスタ、MNOS (Metal Nitride Oxide Semiconductor)構造あるいはMONOS (Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)構造のトランジスタ等が知られている。
【0004】
従来の不揮発性メモリにおいては、書込みの方式として、ホットエレクトロンによる電荷注入方式(以下ではHE注入方式と呼ぶ)と、FN電流 (Fowler Nordheim 電流:ファウラーノルドハイム電流)による電荷注入方式(以下ではFN電流方式と呼ぶ)とがある。HE注入方式では、トランジスタに高いコントロールゲート電圧と高いドレイン電圧を印加して、ホットエレクトロンを発生させ、発生したホットエレクトロンをフローティングゲートに引き込んで、フローティングゲートに電荷を注入する。一方、FN電流方式では、コントロールゲートと基板との間に高電圧を印加し、FN電流を流すことによって、フローティングゲートに電荷を注入する。
【0005】
いずれの場合においても、書込み後のゲートしきい値電圧が所定の範囲内にあることを確かめるために、通常はベリファイ書込みが行われてきた。特に、多値化された従来の不揮発性メモリにおいては、書込み後のしきい値電圧を高精度に制御する必要が有るため、ベリファイ書込みが不可欠であった。ベリファイ書込みとは、少量の電荷注入と、ゲートしきい値電圧を確認するための読出しとを繰り返して行う方法である。そして、書込み後のしきい値電圧が所定の範囲内に納まるまで、この動作が繰り返される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した電荷注入の方法は電荷注入時に、いずれもチャネルを流れる電流を精度よく制御することが難しいという問題があった。これは、トランジスタに同じ動作電圧を印加した場合でも、フローティングゲートにすでに蓄積されている電荷量が異なると、しきい値電圧が異なり、チャネルを流れる電流が異なってしまうためである。
【0007】
たとえば、多値化された不揮発性メモリの場合は、1つのトランジスタに対して、複数ビットの情報を書き込む。そのために、1ビットの情報を書き込んだ後に、次の1ビットの情報を書き込む際に、最初の書込みにおいて、フローティングゲートに電荷が蓄積されたかどうか、すなわち「0」と「1」のうちいずれが書き込まれたかどうかに応じて、フローティングゲートに蓄積されている電荷量が異なる。
【0008】
多値化されていない不揮発性メモリの場合にも、「しきい値電圧が異なり、チャネルを流れる電流が異なってしまう」という問題は生じる。なぜならば、従来、書込みを開始すると、時間とともにフローティングゲートに蓄積されている電荷量が増えるからである。したがって電子を注入する場合、しきい値電圧は書込み中に増加し、トランジスタに外部から印加している電圧は一定のため、実効的なゲート電圧が減少し、電荷注入速度は減少する。
【0009】
さらに、トンネル酸化膜の膜質のばらつきなどの要因によって電荷注入速度がばらつくと、書込み前のトランジスタのしきい値電圧が等しいとしても、徐々にフローティングゲートの電荷蓄積量に差が生じることになる。そして、しきい値電圧に差が生じると、さらに電荷注入量がばらつくという悪循環が生じる。
【0010】
従来のベリファイ書込みは、このような問題を解決する方法の一つである。ベリファイ書き込みでは、少量の電荷を注入するごとに、しきい値電圧の確認を行うため、電荷注入量を高精度に制御する必要がない。しかしながら、ベリファイ書込みは、電荷注入の動作を分割し、その間に読出動作を行うために、本質的に時間がかかるという問題点がある。
【0011】
多値化された不揮発性メモリの場合は、ベリファイ書込みを行わないとしても、書込み開始前に、書込対象のトランジスタに蓄積されているデータの読出しを行って、「0」と「1」のうちいずれが書き込まれているかどうかを確認することが行なわれる場合もあった。
【0012】
本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、チャネルを流れる電流を高精度に制御することができる半導体メモリを提供することを目的とする。本発明によれば、書込対象のトランジスタに蓄積されているデータの書込開始前の読出しや、従来のベリファイが不要となり、書込時間を短縮した不揮発性メモリを提供できる。
【0013】
ところで、ベリファイ書込みにおいても、チャネルを流れる電流を精度よく制御することは重要である。チャネルを流れる電流を高精度に制御することによって、電荷注入動作の分割数を少なくすることができ、ベリファイ書込時間を短縮することができるからである。したがって、ベリファイ方式を用いた書込み方式に本発明を適用しても、ベリファイ書込み時間を短縮できる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、一対のソース・ドレイン領域と、ソース・ドレイン領域の間に設けられたチャネル領域と、チャネル領域に対向するコントロールゲートと、チャネル領域とコントロールゲートとの間に設けられたフローティングゲートとを含み電気的書込みおよび消去が可能なトランジスタを複数含む半導体メモリにおいて、フローティングゲートへ電荷を注入する際に、ソースを流れるソース電流またはドレインを流れるドレイン電流を制御する電流制御手段を含むこととしたものである。
【0015】
本発明では、電流制御手段によりソース電流またはドレイン電流を制御することとしたため、従来のソース電圧やドレイン電圧を制御する方式に比べて、チャネルを流れる電流を精度よく制御できる。
【0016】
従来の書込み方法では、ソース電圧やドレイン電圧を制御する方式であるため、チャネルを流れる電流がメモリトランジスタの電荷蓄積量、したがってしきい値電圧に依存している。その結果、電荷蓄積量が異なるメモリトランジスタはもちろんのこと、1つのメモリトランジスタにおいても時間とともにチャネルを流れる電流は変化し、当該電流の制御が難しかった。
【0017】
このことは、チャネルを流れる電流を高精度に制御するためには、メモリトランジスタの電荷蓄積量、つまりしきい値電圧に依存しない書込み方法が必要であることを意味する。チャネルを流れる電流がメモリトランジスタのしきい値電圧に依存する理由は、書込み時にトランジスタのソース電圧もしくはドレイン電圧を制御するためであり、本発明では、トランジスタのソース電流もしくはドレイン電流を制御することとした。
【0018】
本発明の半導体メモリでは、電流制御手段は、フローティングゲートへ電荷を注入する際に、ソース電流またはドレイン電流を一定に制御することが好ましく、たとえば、定電流源をソースもしくはドレインに接続する。
【0019】
また本発明のトランジスタは、対向する一対の側面を有する凸部が設けられた第1の導電型の半導体基板と、凸部の頂面上に形成された第1の絶縁膜と、凸部の側面とソース・ドレイン領域とを覆う第2の絶縁膜と、フローティングゲート上に形成された第3の絶縁膜とを含み、ソース・ドレイン領域は、凸部を挟む半導体基板の表面に形成されており、第1の導電型とは反対の第2の導電型を有し、フローティングゲートは、凸部の各側面側に設けられていて、第2の絶縁膜を介して側面とソース・ドレイン領域とに対向し、一対のフローティングゲートを成しており、コントロールゲートは、第3の絶縁膜を介して各フローティングゲートと対向していて、かつ第1の絶縁膜を介して凸部の頂面と対向していることが好ましい。
【0020】
また本発明のトランジスタの駆動方法は、上述の課題を解決するために、一対のソース・ドレイン領域と、ソース・ドレイン領域の間に設けられたチャネル領域と、チャネル領域に対向するコントロールゲートと、チャネル領域とコントロールゲートとの間に設けられたフローティングゲートとを含み電気的書込みおよび消去が可能なトランジスタの駆動方法において、フローティングゲートへ電荷を注入する際に、ソースを流れるソース電流またはドレインを流れるドレイン電流を制御することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に添付図面を参照して本発明による半導体メモリの実施例を詳細に説明する。なお、本発明と直接関係のない部分については、図示および説明を省略する。ここで、信号の参照符号はその現れる接続線の参照符号で表す。
【0022】
本実施例の半導体メモリに含まれるトランジスタは、対向する一対の側面を有する凸部が設けられたp型の半導体基板と、凸部の頂面上に形成されたゲート絶縁膜と、凸部を挟む半導体基板の表面に形成されたn型の一対のソース・ドレイン領域と、凸部の側面とソース・ドレイン領域とを覆うトンネル絶縁膜と、凸部の各側面側に設けられ、トンネル絶縁膜を介して側面とソース・ドレイン領域とに対向する一対のフローティングゲートと、各フローティングゲート上に形成されたインターポリ絶縁膜と、インターポリ絶縁膜を介して各フローティングゲートと対向し、かつゲート絶縁膜を介して凸部の頂面と対向するコントロールゲートとを含む。
【0023】
本実施例の半導体メモリは、このトランジスタをコラム方向およびロウ方向に複数配列してなるものであり、フローティングゲートへ電荷を注入する際に、ソースを流れるソース電流を制御する電流制御手段を含む。最初に、トランジスタ単体の構造、動作について説明する。
【0024】
(1)デバイス構造
図1は、本実施例の半導体メモリの切り欠き斜視図である。半導体メモリ10は、一方の導電型の半導体基板、この例ではp型シリコン基板12上に形成されている。また、凸部13aが、p型シリコン基板12に複数設けられている。
【0025】
ビット線BL1〜BL3が、凸部13a, 13a, ・・・を挟むpウエル13の表面に形成されている。ビット線BL1〜BL3は、基板12の表面の所定位置にn型不純物をイオン注入して形成されるものである。各ビット線BL1〜BL3は、ロウ方向に複数形成されており、ロウ方向に垂直なコラム方向に一体化している。
【0026】
また、フローティングゲートFG1, FG2およびコントロールゲートCGが形成されている。これらはいずれもポリシリコンからなる。このうち、コントロールゲートCGは、ロウ方向に一体化しており、コラム方向に複数形成されており、その各々はワード線WLとして機能する。
【0027】
凸部13aは、いくつかおきに、たとえば32個おきに形成されず、その位置に、素子分離領域であるSTI (Shallow Trench Isolation: シャロウ トレンチ アイソレーション) 52を形成している。STI 52の真上のコントロールゲートCG上にコンタクト部54が形成されている。絶縁膜36が、コントロールゲートCG上に設けられており、コンタクト部54により貫通されている。絶縁膜36は、たとえばシリコン酸化膜からなる。
【0028】
絶縁膜36の上にAl(アルミニウム)膜38が、コントロールゲートCGの抵抗を下げるべく設けられている。Al膜38は、コンタクト部54を介してコントロールゲートCGと接続している。抵抗を下げるための膜はアルミニウムに限られるものではなく、バリアメタルとしてタングステンナイトライドを介してタングステン膜を形成してもよい。Al膜38の上に絶縁膜56が設けられ、絶縁膜56の上に保護膜58が、設けられている。
【0029】
図1に示すセルトランジスタTCの拡大断面図を図2に示す。図に示す如く、凸部13aの頂面13cにはゲート絶縁膜15c, 15eが形成されている。また、凸部13aは対向する一対の側面13b, 13bを有し、各側面13b, 13bの表層には、n型領域17, 17が形成されている。ゲート絶縁膜15cは酸化膜であり、ゲート絶縁膜15eは窒化膜である。
【0030】
トンネル絶縁膜15a, 15dは、各側面13b, 13bとビット線BL1, BL2とを覆っている。トンネル絶縁膜15aは、たとえばプラズマ酸化法、熱酸化法あるいはCVD法で形成した酸化膜であり、トンネル絶縁膜15dは、たとえばプラズマ酸化法で形成した窒化膜である。ビット線BL1, BL2は、後述するが、ソース・ドレイン領域としても機能する。したがって、以下ではビット線BL1, BL2のことをソース・ドレイン領域とも称す。
【0031】
フローティングゲートFG1, FG2は、凸部13aの各側面側に設けられており、各々トンネル絶縁膜15a, 15dを介して、ソース・ドレイン領域BL1, BL2および側面13b, 13bと対向している。フローティングゲートFG1, FG2の上端は、凸部13aの頂面より高い位置にある。フローティングゲートFG, FGの各表面には、インターポリ絶縁膜15bが形成されている。インターポリ絶縁膜15bおよびゲート絶縁膜15cは、いずれもシリコン酸化膜からなる。ゲート絶縁膜15eは、シリコン窒化膜からなる。
【0032】
コントロールゲートCGは、インターポリ絶縁膜15bを介してフローティングゲートFG1, FG2と対向し、またゲート絶縁膜15c, 15eを介して頂面13cと対向している。
【0033】
本構造では、チャネルは、凸部13aの両側面13b, 13bと頂面13cの各表層に三次元的に形成されており、従来のように一平面内に形成されていないので、少ない専有面積でチャネル長を稼ぐことができ、デバイスの小型化を図ることができる。
【0034】
凸部13aのp型不純物濃度は、セルトランジスタTCがノーマリーオフとなるように調整される。すなわち、一方のソース・ドレイン領域BL1(BL2)に所定電圧がバイアスされた状態で、このバイアスされたソース・ドレイン領域BL1(BL2)とコントロールゲートCGとの電位差が閾値電圧以下のとき、セルトランジスタTCがオフ状態となり、上記電位差が閾値電圧以上のとき、トランジスタTCがオン状態となるように、上記p型不純物濃度は調整される。なお、ソース・ドレイン領域BL1(BL2)にバイアスされる所定電圧とは、書込動作/読出動作等の各種の動作用の電圧VDDを言い、詳細は後述する。
【0035】
図3は、セルトランジスタTCの等価回路を模式的に表した図であり、さまざまな容量を示している。各容量の意味は次の通りである。
・CCG ・・・コントロールゲートCGと凸部13aの頂面13cとの対向容量である。
・CCF1(CCF2)・・・コントロールゲートCGとフローティングゲートFG1(FG2)との対向容量である。
・CFG1(CFG2)・・・フローティングゲートFG1(FG2)と、凸部13aの側面13bとの対向容量である。
・CFS(CFD)・・・フローティングゲートFG1(FG2)と、ソース・ドレイン領域BL1(BL2)との対向容量である。
【0036】
再び図1を参照すると、上述のセルトランジスタTC, TC, ・・・は、ロウ方向およびコラム方向に複数配列されている。ロウ方向に隣接するセルトランジスタ(例えばTCとTC)は、コントロールゲートCGを共有し、かつ、それらの間のソース・ドレイン領域BL2を共有する。
【0037】
ロウ方向に隣接するセルトランジスタ同士は、ロウ方向の素子分離領域52により電気的に分離されている。セルトランジスタTC, TCは、同一のブロックに属する。また、コラム方向に隣接するセルトランジスタ同士は、ソース・ドレイン領域BL1, BL2が共通であり、コラム方向の素子分離領域により電気的に分離されている。
【0038】
(2) 駆動方法
次に、上述のセルトランジスタTCの駆動方法について説明する。
【0039】
a) 書込動作
まず、書込動作について、図4を参照して説明する。図4は、セルトランジスタTCへの書込動作について示す断面図である。上述の如く、凸部13aの両側方には一対のフローティングゲートFG1, FG2が設けられており、本構造によれば、各フローティングゲートFG1, FG2に独立に電子を注入することができる。
【0040】
例えば、右側のフローティングゲートFG2に電子を注入するには、図4に示すように、コントロールゲートCGにゲート電圧V(この実施例では2.2V)を印加する。そして、電子が注入される側のソース・ドレイン領域BL2に電圧VDD(この実施例では7V)を印加する。電子が注入されない側のソース・ドレイン領域BL1は、定電流源60を介して接地する。
【0041】
これにより、コントロールゲートCGに正電位が印加されるから、頂面13cの表層に反転層13dが形成され、n型領域17, 17同士がこの反転層13dにより電気的に接続される。またn型領域17, 17は、それと同じ導電型すなわちn型のソース・ドレイン領域BL1, BL2に接しているから、結局、ソース・ドレイン領域BL1, BL2が電気的に接続される。
【0042】
したがってキャリア(この実施例では電子)は、同図の矢印50の経路を流れることになる。特に、頂面13cを流れる電子に注目されたい。この電子から見れば、その運動方向に右側のフローティングゲートFG2が位置する。そのため、電子がフローティングゲートFG2に注入される際、従来の構造におけるように電子の運動方向を変える必要が本構造では無いから、電子をフローティングゲートFG2に引き付けるための書込電圧であるゲート電圧Vを、従来よりも下げることができる。
【0043】
しかも、側面13bにn型領域17, 17を設けたことで、側面13bが低抵抗となり、そこでの電圧降下が抑えられる。よって、頂面13cの両端に、ソース・ドレイン領域BL1〜BL2間電圧(約7V)にほぼ等しい電圧が印加されるから、この電圧により電子が頂面13cで勢いよく加速され矢印52のように、フローティングゲートFG2に電子が効率良く注入される。このように、n型領域17, 17も、書込電圧Vを低減することに寄与する。
【0044】
本実施例においては、ソース領域BL1が定電流源60に接続されているため、ソース電流51を精度よく制御することができる。したがって、チャネルを流れる電流を精度よく制御することができる。
【0045】
なお、本実施例では、接地側に吸込型の定電流源60を設けたが、本発明はこれに限られるものではなく、高電圧側に吐出型の定電流源を設けてもよい。その場合は、ドレイン電流を精度よく制御することができる。定電流源の構成例については後述する。
【0046】
ところで本実施例では、HE注入方式を採用しているため、FN方式よりも書込電圧を小さくすることができ、この点からも書込速度が高速になっている。また、HE注入方式の場合、コントロールゲート電圧とドレイン電圧を制御して書込みを行うため、並列書込みが容易であるという利点もある。
【0047】
図4では、右側のフローティングゲートFG2にのみ電子が注入されたが、左側のフローティングゲートFG1に電子を注入するには、ソース・ドレイン領域BL1, BL2の電圧を入れ替えればよい。すなわち、電子が注入される側のソース・ドレイン領域BL1に電圧VDD(この実施例では7V)を印加する。電子が注入されない側のソース・ドレイン領域BL2は、定電流源60を介して接地する。したがって、本構造では、図5(a)〜(d)に示す4つの電荷蓄積すなわち論理状態が得られる。
【0048】
図5(a)は、両フローティングゲートFG1, FG2に電子が注入されていない”(1、1)”論理状態を示す。図5(b), (c)は、フローティングゲートFG1, FG2の一方にのみ電子が注入された”(1、0)”、”(0、1)”論理状態を示す。
【0049】
図5(d)は、両フローティングゲートFG1, FG2に電子が注入された”(0、0)”論理状態を示す。この状態を得るには、例えば、右側のフローティングゲートFG2に電子を注入した後、左側のフローティングゲートFG1に電子を注入すればよい。このように、本実施例では、1つのセルトランジスタTCに2ビットのデータ”(0、0)”〜”(1、1)”を書き込むことができる。
【0050】
本構造ではフローティングゲートFG1, FG2が2つ設けられ、各フローティングゲートFG1, FG2に電子が独立に存在するから、セルのサイズをより縮小したメモリの場合でも、どちらのフローティングゲートFG1, FG2に電子が存在するのかが明確である。
【0051】
b) 読出動作
次に、読出動作について、図6(a)〜(b)を参照して説明する。データを読み出すときは、まず、図6(a)に示すように、コントロールゲートCGに、読出し用のゲート電圧V(この例では2.2V)を印加する。一方のソース・ドレイン領域BL2に低い電圧VDD(この例では1.6V)を印加し、他方のソース・ドレイン領域BL1と基板12とを基準電位に接続、すなわち本例では接地する。
【0052】
この電位配分の場合、コントロールゲートCGが正電位となるから、凸部13aの頂面に反転層13dが形成される。よって、同図の矢印の向きにドレイン電流Id1が流れる。
【0053】
次いで、図6(b)に示すように、ゲート電圧V(=2.2V)はそのままで、ソース・ドレイン領域BL1, BL2の電圧を入れ替える。このようにすると、ソース・ドレイン領域BL1〜BL2間の電位差が反転するから、同図の矢印の向きにドレイン電流Id2が流れる。
【0054】
本構造では、上述のようにソース・ドレイン領域BL1, BL2の電圧を入れ替え、各回のドレイン電流Id1、Id2を計測する。ドレイン電流Id1、Id2の大きさは、4値状態のいずれかをとり、これらは各状態によって後述の如く異なる。よって、各回のドレイン電流値のセット(Id1、Id2)と、各論理状態とを一対一に対応させることにより、どの論理状態がセルに記憶されているかを読み出すことができる。次に、各論理状態”(0、0)”〜”(1、1)”におけるドレイン電流値について説明する。
【0055】
(i)”(1、0)”論理状態
図7(a)〜(b)は、”(1、0)”論理状態を読み出す場合の断面図である。図7において、それぞれの部材に印加する電圧は上述(図6(a))の通りであって、この電圧によりドレイン電流Id1が流れる。
【0056】
図7(a)の状態では、右側のフローティングゲートFG2は、電子が注入されたことにより電位が下がる。しかし、フローティングゲートFG2の電位は、対向容量CCF2、CFDによって、コントロールゲートCG(その電位は2.2V)やソース・ドレインBL2(同1.6V)の正電位側に引き上げられる。
【0057】
よって、結局、フローティングゲートFG2の電位下降が抑えられるから、フローティングゲートFG2の近傍でのチャネル抵抗はそれ程大きくない。したがって、ドレイン電流Id1の電流値は比較的大きくなる。
【0058】
特に、図示のようにn型領域17を設けた場合は、n型領域17はソース・ドレイン領域BL2に接するから、n型領域17の電位がソース・ドレイン領域BL2のそれとほぼ同じとなる。したがって、フローティングゲートFG2の電位は、対向容量CFG2によってもソース・ドレインBL側に引き上げられる。よって、右側のフローティングゲートFG2の近傍のチャネル抵抗が更に小さくなるから、ドレイン電流Id1の電流値はより一層大きくなる。
【0059】
一方、図7(b)は、ソース・ドレインBL1, BL2の電圧を入れ替えて、ドレイン電流Id2を流した場合である。この場合は、注入電子によって、右側のフローティングゲートFG2の電位が下がる。しかも、右側のソース・ドレイン領域BL2が接地されるから、フローティングゲートFG2の電位は、ソース・ドレイン領域BL2との対向容量CFDにより接地側に引き下げられる。よって、フローティングゲートFG2の電位が図7(a)の場合よりも低くなるから、フローティングゲートFG2の近傍のチャネル抵抗が大きくなり、ドレイン電流Id2が先のId1よりも小さくなる。
【0060】
特に、n型領域17を設けると、右側のフローティングゲートFG2の電位は対向容量CFG2によっても接地側に引き下げられ、ドレイン電流Id2がより一層小さくなる。
【0061】
このように、”(1、0)”論理状態は、電流セット(Id1、Id2)の(大、小)の組合せで識別することができる。ドレイン電流Id1, Id2の大小の判定は、不図示のセンスアンプが基準電流と比較して行う。
【0062】
本構造では、各ドレイン電流Id1, Id2の電流量は、対向容量CCF2, CFD, CFG2によって、すなわち絶縁膜の誘電率によって大にしたり小にしたりすることができる。よって、その差(I d1−Id2)を所望のように大きくすることができる。差(I d1−Id2)を電流ウィンドウと呼ぶ。したがって、電流ウィンドウを所望のように広げることができる。電流ウィンドウが広いと、ドレイン電流Id1, Id2と基準電流とのマージンが広くなり、書込データを誤認する危険性が低減できる。
【0063】
(ii)”(0、1)”論理状態
”(0、1)”論理状態は、上述したものとは反対に左側のフローティングゲートFG1に電子が注入されている。よって、各ドレイン電流Id1、Id2の電流値は、上記の議論と同様にして評価され、
・(Id1、Id2)=(小、大)
となる。
【0064】
(iii)”(1、1)”論理状態
”(1、1)”論理状態は、いずれのフローティングゲートFG1, FG2にも電子が注入されていない。したがって、各フローティングゲートFG1, FG2の電位は電子によって引き下げられないから、Id1、Id2の双方とも大となる。また、この状態は、凸部13aを中心として左右対称であるから、Id1とId2とに差は生じず、
・(Id1、Id2)=(大、大)
となる。
【0065】
(iV) ”(0、0)”論理状態
”(0、0)”論理状態は、両方のフローティングゲートFG1, FG2に電子が注入されているから、左右対称となる。したがって、Id1とId2とに差は生じず、
・(Id1、Id2)=(小、小)
となる。
【0066】
c) 消去動作
次に、フローティングゲートFG1, FG2に注入された電子の消去方法について説明する。本実施例の方法では、図8に示すように、コントロールゲートCGに高電位V(この例では12V)を印加し、基板12とソース・ドレイン領域BL1, BL2とを、本実施例では接地する。上記のコントロールゲートCGの電位Vはこれに限られず、電位Vとして、たとえば6V、基板とソース・ドレイン領域BL1, BL2に−6Vを印加するようにしてもよい。このようにすることにより高電圧回路を省略することができる。この電位配分によれば、フローティングゲートFG1(またはFG2)から見ると、コントロールゲートCG側の電位が高いので、蓄積電子はコントロールゲートCGに引き抜かれる。
【0067】
このとき、フローティングゲートFG1(またはFG2)のコントロールゲートCGとの対向面aは、その面積が十分に大きいから、電子は迅速に引き抜かれ、短時間で消去することが可能になる。
【0068】
フローティングゲートFG1, FG2に注入された電子の消去方法は、上記のようにインターポリ絶縁膜を介してコントロールゲートCGに引き抜く方法のほか、トンネル絶縁膜を介して半導体基板に引き抜く方法もある。すなわち、コントロールゲートCGの電位に対して相対的に半導体基板12に12Vの電位差が生じるように半導体基板12に電位を印加する。たとえば、コントロールゲートCGに−6Vを、半導体基板12に+6Vを印加する。このようにすることにより、蓄積電子は半導体基板12に引き抜かれる。
【0069】
ここで、上記の書込み、読出し、消去時の各利点を得るために、フローティングゲートFG1(FG2)とソース・ドレイン領域BL1(BL2)との対向容量CFS(CFD)が重要な役割を果たしていることに注意されたい。本実施例では、フローティングゲートFG1(FG2)をソース・ドレイン領域BL1(BL2)上に覆設することにより、フローティングゲートFG1とフローティングゲートFG2との間の間隔を狭めてデバイスを小型化するとともに、上記対向容量CFS, CFDを大きく稼いで上述の利点を得やすくしている。
【0070】
再び、図1を参照されたい。同図では、セルトランジスタTC, TC, ・・・は数個しか記載されていないが、実際のデバイスでは多数形成されている。セルトランジスタTC, TC, ・・・が多数あると、それに伴いビット線BL1〜BL3もコラム方向に長く延びている。よって、ビット線BL1〜BL3の抵抗が無視できなくなるから、ビット線BL1〜BL3は、できるだけ低抵抗であることが好ましい。
【0071】
本実施例では、ビット線BL1〜BL3にn領域33を設けて、ビット線BL1〜BL3の抵抗を下げている。図1では、n領域33は、その断面しか見えないが、実際には、ビット線BL1〜BL3に平行して延在している。これにより、ビット線BL1〜BL3の抵抗が下がるから、デバイスの動作速度の低下を抑えることができる。
【0072】
(3) 全体の回路構成
図9に本実施例の半導体メモリ全体の回路構成を示す。図9に示す如く、半導体メモリは、上述のセルトランジスタTC, TC, TC, TC, ・・・をコラム方向およびロウ方向に複数配列したものである。各セルトランジスタTC, TC, TC, TC, ・・・のコントロールゲート(すなわちワード線)WL1〜WL2は、ロウセレクタ43の出力と接続されている。ロウセレクタ43は、動作モードに応じて、ワード線WL1〜WL2に所定のゲート電圧VG1, VG2, VG3 を印加する。
【0073】
ロウセレクタ43は、所定ビットのロウセレクト信号RDCを入力されて、当該信号をデコードし、デコード結果に従ってロウセレクト信号RDCに対応するワード線WL1〜WL2を選択する。ロウセレクタ43には、ゲート電圧VG1, VG2, VG3 も入力されている。
【0074】
ロウセレクタ43は、選択されたワード線WL1〜WL2に、入力されたゲート電圧VG1, VG2 を供給する。ロウセレクタ43は、書込み/読出し時にゲート電圧VG2 を供給し、消去時にゲート電圧VG1 を供給する。ゲート電圧VG1 は、12V、ゲート電圧VG2 は、2.2Vである。ロウセレクタ43は、書込み/読出し/消去の各動作時に、選択されなかったワード線WL1〜WL2のすべてにゲート電圧VG3 を供給する。ゲート電圧VG3 は0V、すなわち接地である。
【0075】
一方、各セルトランジスタTC, TC, ・・・のビット線BL1〜BL4は、コラムセレクタ42の出力に接続されている。コラムセレクタ42は、動作モードに応じて、ビット線BL1〜BL3にソース・ドレイン電圧VDD1, VDD2, VDD3 もしくはソース電流I を供給する。コラムセレクタ42は、所定ビットのコラムセレクト信号CDCを入力されて、コラムセレクト信号CDCをデコードし、デコード結果に従って、コラムセレクト信号CDCに対応するビット線BL1〜BL4を選択する。コラムセレクタ42には、電圧VDD1, VDD2, VDD3 および定電流I も供給されている。
【0076】
選択されたビット線BL1〜BL3には電圧VDD1, VDD2, VDD3 もしくは定電流I が供給される。電圧VDD1, VDD2, VDD3 および定電流I は、書込み/読出し/消去の各動作時に所望に切り替えられ、各々の動作用の電圧もしくは定電流が印加される。電圧VDD1 は、書込み時のドレインに印加される電圧であり、その大きさはたとえば7Vであり、電圧VDD2 は読出し時のドレインに印加される電圧であり、その大きさはたとえば1.6Vである。電圧VDD3 は、読出し時のソース、および消去時のドレインおよびソースに印加される電圧であり、その大きさはたとえば0V、すなわち接地である。定電流I は、本実施例では、書込み時のソースに接続される。
【0077】
書込み/読出し/消去の各動作時にコラムセレクタ42は、各動作の対象とならない非選択セルトランジスタのソース・ドレインに接続されたビット線BLには、電圧VDD1, VDD2, VDD3 もしくは定電流I を接続しない。これらのビット線BLは、オープン状態にされる。そのため、これらのビット線BLには電流は流れない。
【0078】
具体的には、たとえば、コラムセレクト信号CDCによりセルトランジスタTC が選択され、他のセルトランジスタTCが非選択とすると、以下のように接続が行なわれる。書込み動作の場合で、セルトランジスタTC のフローティングゲートFG1に電荷を注入するときを考える。この場合、セルトランジスタTC のフローティングゲートFG1側がドレインであり、フローティングゲートFG2側がソースである。
【0079】
書込対象であるセルトランジスタTC のドレインに接続したビット線BL1には、一定電圧である電圧VDD1 が接続され、セルトランジスタTC のソースに接続したビット線BL2には、定電流I が接続される。他のビット線BL3, BL4には、電圧VDD1, VDD2, VDD3 および定電流I のいずれも接続しないで、オープン状態とする。ワード線WL1には、一定電圧である電圧VG2 、それ以外のワード線WL2には、定電圧VG3 が印加される。このように、任意のセルトランジスタTCは、ビット線BLiとワード線WLjとによって選択されて、書込み/読出し/消去の各動作が行われる。
【0080】
図10に定電流源の一例を示す。図10(a)はソース側に定電流源を接続する場合の吸込み型定電流源60である。定電流源60は、端子62に接続される外部負荷の抵抗の大きさによらず、外部負荷に定電流を供給する機能を有する。定電流源60の端子62はセルトランジスタTCのソースに接続され、定電流源60は、端子62から定電流をソースに供給する。定電流源60においては、オペアンプ66の−入力端子68が抵抗RSの端子64に接続され、+入力端子70が基準電源VSに接続されている。したがって、抵抗RSの端子64の電圧が、基準電源VSと等しくなるように、オペアンプ66が機能する。その結果、抵抗RSには、VS/RSの大きさの定電流が流れ、トランジスタ72のコレクタに接続された端子62にも同一の定電流が流れる。なお、トランジスタ72のベース電流は、コレクタ電流に比べて小さいため考慮しなくてもよい。
【0081】
図10(b)は、セルトランジスタTCのドレイン側に定電流源を接続する場合に用いることができる吐出し型定電流源74の一例である。定電流源74の端子76はセルトランジスタTCのドレインに接続され、定電流源74は、端子76から定電流をドレインに供給する。定電流源74においては、オペアンプ78の−入力端子80が抵抗RS1の端子84に接続され、+入力端子82が基準電源VS1に接続されている。したがって、抵抗RS1の端子84の電圧が、基準電源VS1と等しくなるように、オペアンプ78が機能する。抵抗RS1の他端は電源VCCに接続されている。その結果、抵抗RS1には、(VCC−VS1)/RS1の大きさの定電流が流れ、トランジスタ86のコレクタに接続された端子76にも同一の定電流が流れる。
【0082】
本実施例による書込み時のソース電流、HE電流、フローティングゲートへの蓄積電荷量の一例を図11, 12に示す。図11は、2個のフローティングゲートのいずれにも電子が蓄積されていない”(1、1)”状態から、一方のフローティングゲートに電子が蓄積された状態、たとえば”(O、1)”状態への書込を行なったときのソース電流、HE電流、フローティングゲートへの蓄積電荷量のシミュレーション結果である。図11(a)は、ソース電流88とHE電流90の書込開始後の時間変化を示す。縦軸は電流(A)、横軸は時間(nsec)を表す。図に示すようにソース電流88は一定であり、HE電流90は、時間とともに低下する。図11(b)は、フローティングゲートFGへの蓄積電荷量92の書込開始後の時間変化を示す。縦軸は電流(A)、横軸は電子数を表す。書込開始前は、−1200個の電子、すなわち1200個の正孔がフローティングゲートFGにあり、そこへ2400個の電子を注入して、書込み終了時には、約1200個の電子がフローティングゲートFGに蓄積されている。この例では、書込み終了までに200nsecが経過している。
【0083】
図12は、一方のフローティングゲートに電子が蓄積された状態、たとえば”(1、0)”状態から、両方のフローティングゲートに電子が蓄積された状態”(0、0)”状態への書込みを行なったときのソース電流、HE電流、フローティングゲートへの蓄積電荷量のシミュレーション結果である。図12(a)は、ソース電流94とHE電流96の書込開始後の時間変化を示す。縦軸は電流(A)、横軸は時間(nsec)を表す。図に示すようにソース電流94は一定であり、HE電流96は、時間とともに低下する。図12(b)は、フローティングゲートFGへの蓄積電荷量98の書込開始後の時間変化を示す。縦軸は電流(A)、横軸は電子数を表す。書込開始前は、−1200個の電子、すなわち1200個の正孔がフローティングゲートFGにあり、そこへ2400個の電子を注入して、書込み終了時には、約1200個の電子がフローティングゲートFGに蓄積されている。この例では、書込み終了までに80nsecが経過している。
【0084】
以上、本発明を詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されない。例えば、上記実施例では、一方の導電型としてp型を用い、反対の導電型としてn型を用いたが、これに代えて、一方の導電型としてn型を用い、反対の導電型としてp型を用いてもよい。
【0085】
【発明の効果】
このように本発明によれば、ソースを流れるソース電流またはドレインを流れるドレイン電流を制御する電流制御手段を含むため、チャネルを流れる電流を高精度に制御することができる半導体メモリを提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体メモリの一実施例の断面図である。
【図2】図1の半導体メモリの一実施例に含まれるセルトランジスタの拡大断面図である。
【図3】図2のセルトランジスタの等価回路を模式的に表した図である。
【図4】図2のセルトランジスタへの書込動作について示す説明断面図である。
【図5】図2のセルトランジスタが達成し得る4つの論理状態を示す説明断面図である。
【図6】図2のセルトランジスタの読出動作について示す説明断面図である。
【図7】図2のセルトランジスタにおいて、”(1、0)”論理状態を読み出す場合の説明断面図である。
【図8】図2のセルトランジスタにおいて、フローティングゲートに注入された電子の消去方法を示す説明断面図である。
【図9】図1の半導体メモリ全体の回路構成図である。
【図10】図9の半導体メモリに用いられる定電流源の構成例を示す回路図である。
【図11】図2のセルトランジスタにおいて、”(O、1)”状態への書込を行なったときのソース電流、FN電流、フローティングゲートへの蓄積電荷量のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図12】図2のセルトランジスタにおいて、”(0、0)”状態への書込みを行なったときのソース電流、FN電流、フローティングゲートへの蓄積電荷量のシミュレーション結果を示すグラフである。
【符号の説明】
12 p−型シリコン基板
13a 凸部
13b 凸部の側面
13c 凸部の頂面
15a, 15d トンネル絶縁膜
15b インターポリ絶縁膜
15c, 15e ゲート絶縁膜
36 WSi膜
38 Al膜
52 STI (素子分離領域)
54 コンタクト部
60 定電流源
BL1〜BL4 ソース・ドレイン領域
CG コントロールゲート
FG1, FG2 フローティングゲート
TC セルトランジスタ
WL1, WL2 ワード線

Claims (5)

  1. 一対のソース・ドレイン領域と、該ソース・ドレイン領域の間に設けられたチャネル領域と、該チャネル領域に対向するコントロールゲートと、該チャネル領域と該コントロールゲートとの間に設けられたフローティングゲートとを含み電気的書込みおよび消去が可能なトランジスタを複数含む半導体メモリにおいて、該半導体メモリは、
    前記フローティングゲートへ電荷を注入する際に、前記ソースを流れるソース電流または前記ドレインを流れるドレイン電流を制御する電流制御手段を含むことを特徴とする半導体メモリ。
  2. 請求項1に記載の半導体メモリにおいて、前記電流制御手段は、前記フローティングゲートへ電荷を注入する際に、前記ソース電流または前記ドレイン電流を一定に制御することを特徴とする半導体メモリ。
  3. 請求項1または2に記載の半導体メモリにおいて、前記トランジスタは、
    対向する一対の側面を有する凸部が設けられた第1の導電型の半導体基板と、
    前記凸部の頂面上に形成された第1の絶縁膜と、
    前記凸部の側面と前記ソース・ドレイン領域とを覆う第2の絶縁膜と、
    前記フローティングゲート上に形成された第3の絶縁膜とを含み、
    前記ソース・ドレイン領域は、前記凸部を挟む前記半導体基板の表面に形成されており、前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有し、
    前記フローティングゲートは、前記凸部の各側面側に設けられていて、前記第2の絶縁膜を介して該側面と前記ソース・ドレイン領域とに対向し、一対のフローティングゲートを成しており、
    前記コントロールゲートは、前記第3の絶縁膜を介して前記各フローティングゲートと対向していて、かつ前記第1の絶縁膜を介して前記凸部の頂面と対向していることを特徴とする半導体メモリ。
  4. 一対のソース・ドレイン領域と、該ソース・ドレイン領域の間に設けられたチャネル領域と、該チャネル領域に対向するコントロールゲートと、該チャネル領域と該コントロールゲートとの間に設けられたフローティングゲートとを含み電気的書込みおよび消去が可能なトランジスタの駆動方法において、
    前記フローティングゲートへ電荷を注入する際に、前記ソースを流れるソース電流または前記ドレインを流れるドレイン電流を制御することを特徴とするトランジスタの駆動方法。
  5. 請求項4に記載の駆動方法において、前記フローティングゲートへ電荷を注入する際に、前記ソース電流または前記ドレイン電流を一定に制御することを特徴とするトランジスタの駆動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007524178A (ja) * 2003-06-20 2007-08-23 サンディスク コーポレイション 不揮発性メモリのソース制御操作

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