JP2004319264A - 封止機構及びこれを用いた封止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】均一な力で、また精度良く封止対象物同士を貼り合わせることが可能な封止装置を提供する。
【解決手段】本発明の封止機構75は、所定の封止対象物に対して密着可能で移動自在に構成された平面状の押圧面77aを有する押圧板77と、圧縮空気の導入によって膨張し、押圧板77に対し接触して付勢するように構成された付勢部79とを有する。封止機構75には、封止対象物の位置決め用マークを検出するためのCCDカメラ82が設けられ、CCDカメラ82によって検出された情報に基づいて封止対象物の位置決めを行う。
【選択図】 図5
【解決手段】本発明の封止機構75は、所定の封止対象物に対して密着可能で移動自在に構成された平面状の押圧面77aを有する押圧板77と、圧縮空気の導入によって膨張し、押圧板77に対し接触して付勢するように構成された付勢部79とを有する。封止機構75には、封止対象物の位置決め用マークを検出するためのCCDカメラ82が設けられ、CCDカメラ82によって検出された情報に基づいて封止対象物の位置決めを行う。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば有機EL素子用の基板を貼り合わせて封止するための封止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像表示装置等に用いられる発光素子として、有機EL素子が注目されている。
【0003】
有機EL素子は、自己発光する有機層を有しているが、有機層に水分が付着するとその影響により表示品位を著しく低下し著しい輝度の減少も招くことから、従来、外部から本体内に水分が侵入することを防ぐため、素子を収容する容器本体を封止することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、有機EL素子の容器本体を封止するには、デバイス用基板及び封止用基板を貼り合わせるが、近年、有機EL素子の大型化に伴い、デバイス用基板及び封止用基板の大型化が進展しており、封止工程の際に基板に対して均一に加圧することが困難になりつつある。
【0005】
また、従来技術では、基板の変形等の理由により、デバイス用基板及び封止用基板を貼り合わせる際の位置決め精度が良くないという課題もある。
【0006】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、均一な力で、また精度良く封止対象物同士を貼り合わせることが可能な封止機構及びこれを用いた封止装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、所定の封止対象物に対して密着可能で移動自在に構成された平面状の押圧面を有する押圧部と、所定の流体の導入によって膨張し、前記押圧部に対し接触して付勢するように構成された付勢部とを有する封止機構である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記付勢部が、圧縮空気の導入によって膨張するように構成された風船状の付勢部本体を有するものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2のいずれか1項記載の発明において、封止対象物の位置決め用マークを検出するためのセンサを有し、前記センサによって検出された情報に基づいて前記封止対象物の位置決めを行うように構成されているものである。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の発明において、封止対象物を吸着する吸着部を更に有するものである。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の発明において、前記吸着部が、封止対象物を上方から吸着するように構成されているものである。
請求項6記載の発明は、請求項乃至のいずれか1項記載の発明において、前記押圧部を冷却する冷却手段を更に有するものである。
一方、請求項7記載の発明は、所定の不活性ガスを導入するように構成された気密な封止室本体と、所定の封止対象物を載置する載置部と、請求項1乃至6のいずれか1項記載の封止機構とを有する封止装置である。
【0008】
本発明の場合、例えば空気等の流体の導入によって付勢部本体を膨張させて押圧部を付勢することにより封止対象物に対して平面状の押圧面を押圧するようにしたことから、封止対象物に対して均一に加圧することができ、これにより大型の基板に対して偏りのない均一な封止を行うことが可能になる。
【0009】
また、本発明において、封止対象物の位置決め用マークを検出するためのセンサと、このセンサによって検出された情報に基づいて封止対象物の位置決めを行う位置決め機構を更に有する場合には、精度良く封止対象物同士を貼り合わせることが可能になる。
【0010】
さらに、本発明において、封止対象物を例えば上方から吸着する吸着部を更に有する場合には、デバイスの領域に影響を及ぼすことなく封止対象物の中央部分を保持することができるため、封止対象物の変形を防止して位置決め精度を向上させることが可能になる。
【0011】
さらにまた、前記押圧部を冷却する冷却手段を更に有する場合には、貼り合わせの際の熱による封止対象物の変形を防止して高精度の封止を行うことが可能になる。
【0012】
一方、本発明の封止装置によれば、例えば有機EL素子等の水分によって劣化しやすい素子を作成する場合に、素子を劣化させることなく均一で精度の良い封止を行うことが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態の封止システムの全体を示す斜視図、図2は、同封止システムの前処理室の内部構成を示す斜視図、図3は、同封止システムの封止材塗布用ディスペンサー室の内部構成を示す斜視図、図4は、同封止システムの封止室の内部構成を示す斜視図、図5は、本実施の形態の封止装置の概略構成図である。
【0014】
図1に示すように、本実施の形態の封止システム1は、搬送室2の周囲に、搬出入部3、4と、前処理室5と、封止材塗布用ディスペンサー室6と、封止室7とが設けられているマルチチャンバー方式の枚葉式の装置であり、これら各室は、それぞれ図示しない真空排気系に接続されている。
【0015】
本実施の形態の場合、後述する封止済み基板32は移載装置11を用いて移送され、また、後述する封止用のキャップガラス30及びデバイス基板31(封止対象物)は移載装置12によって搬入される。
【0016】
図2に示すように、本実施の形態の前処理室5には、搬送室2の搬送ロボット20によって搬入されたキャップガラス30に対して紫外線を照射するためのUVランプ50が設けられている。
【0017】
また、図3に示すように、本実施の形態の封止材塗布用ディスペンサー室6は、手作業の際内部の様子が見えるように透明な材料で構成された本体60を有し、この本体60の正面側の中腹部分には、ゴム等の気密性を保持可能な材料からなるグローブ61が設けられている。
【0018】
封止材塗布用ディスペンサー室6内には、搬送ロボット20によって搬入されたキャップガラス30に対して封止材を塗布するためのディスペンサー62が設けられている。このディスペンサー62は、搬入されたキャップガラス30の上方を水平移動するように構成されている。
【0019】
本実施の形態の封止室7は、図示しないN2供給源に接続された封止室本体70を有し、図4及び図5に示すように、封止室本体70内には、アライメント用のX−Yテーブル71が設けられ、このX−Yテーブル71上に、後述するUVランプ72(図9(a)参照)と、透光性の封止用石英ガラス板73が設けられている。
【0020】
一方、封止室本体70の内部には、本発明に係る封止装置9が設けられている。
本実施の形態の封止装置9は、封止室本体70の上部に取り付けられた昇降機構90を有している。
【0021】
この昇降機構90は、封止室本体70の内部に延びる4つの支持アーム91を有し、この支持アーム91によってキャップガラス30を支持するようになっている。
【0022】
また、封止室本体70の上部に設けられたハウジング72内には押圧モータ73Aが配設され、この押圧モータ73Aによって駆動され鉛直方向に延びる押圧ロッド74の先端部が、気密を保持した状態で封止室本体70内に挿入されるように構成されている。
【0023】
また、押圧ロッド74は、ハウジング72内に設けられたアライメント用モータ73Bによって回転するように構成され、その先端部には、封止機構75が連結されている。ここで、封止機構75は、水平方向に配置された保持板76と、保持板76の下方に所定の間隔をおいて配置された押圧板(押圧部)77を有している。
【0024】
押圧板77は、その下面に基板より若干大きな面積の平坦な押圧面77aが形成され、鉛直方向に延びるガイド部材78に沿ってバネ78aの弾性力に抗して下方へ移動するように構成されている。
【0025】
さらに、保持板76と押圧板77の間には、ゴム等の弾性材料からなる風船状の付勢部本体79aを有する付勢部79が設けられている。
【0026】
ここで、付勢部本体79aは、保持板76と押圧板77に接触するように配置され、押圧ロッド74に設けられた導入部79bを介して圧縮空気が導入されるように構成されている。
【0027】
一方、押圧板77の内部には、冷却水を循環させるように構成された冷却用配管(冷却手段)80が設けられ、押圧ロッド74に設けられた冷却水導入部80a及び冷却水排出部80bを介して冷却用配管80に水を導入し、また排出するようになっている。
【0028】
さらに、押圧板77には、封止対象物を吸着するための吸着パッド(吸着部)81が設けられている。この吸着パッド81は、押圧板77の押圧面77a側に配置され、押圧ロッド74に設けられた真空排気口81aから真空排気を行うことによって封止対象物を吸着するようになっている。
【0029】
なお、この吸着パッド81は、デバイス基板31の変形を防止する観点から、複数個設けることが好ましい。
【0030】
一方、封止室本体70の上部には、アライメント用のCCDカメラ(センサ)82が設けられている。このCCDカメラ82は、封止室本体70の上部に設けられた窓部70aを介してキャップガラス30及びデバイス基板31上のアライメントマーク(図示せず)を検出するようになっている。
【0031】
図6(a)〜図9(p)は、本実施の形態における封止工程を示す斜視図である。
まず、図6(a)に示すように、搬送室2の搬送ロボット20を用いてキャップガラス30を前処理室5内に搬入し、図6(b)に示すように、UVランプ50によって紫外線を照射してキャップガラス30表面の洗浄を行う。
【0032】
次いで、図6(c)に示すように、搬送ロボット20を用いてキャップガラス30を封止材塗布用ディスペンサー室6内に搬入し、図6(d)に示すように、ディスペンサー62を移動させつつUV硬化樹脂をキャップガラス30の表面に塗布する。
【0033】
そして、図7(e)に示すように、搬送ロボット20を用いてキャップガラス30を封止室本体70内に搬入し、図7(f)に示すように、昇降機構90の支持アーム91にキャップガラス30を支持させ、図7(g)に示すように、キャップガラス30を封止用石英ガラス板73の上に載置する。
【0034】
さらに、図7(h)に示すように、搬送ロボット20を用いてデバイス基板31を封止室本体70内に搬入し、図8(i)(j)に示すように、上述した吸着パッド81によってデバイス基板31を吸着保持する。
【0035】
その後、図8(k)に示すように、封止室本体70内の圧力を減圧して封止機構75を下降させる。
【0036】
そして、図8(l)に示すように、CCDカメラ82を用い、キャップガラス30とデバイス基板31のアライメントマーク(図示せず)を確認し、X−Yテーブル71とアライメント用モータ73Bを動作させてこれらアライメントマーク同士の位置合わせを行う。
【0037】
さらに、付勢部79に圧縮空気を導入することにより付勢部79を膨張させる。これにより、押圧板77の押圧面77aが下降してキャップガラス30に所定の圧力で押し付けられる。
【0038】
この状態でUVランプ72のシャッター(図示せず)を開き、図9(m)に示すように、紫外線UVを照射することによってUV硬化樹脂を硬化させ、キャップガラス30とデバイス基板31同士を接着して封止する。
【0039】
その後、図9(n)〜(p)に示すように、封止機構75を上昇させて昇降機構90の支持アーム91に封止済み基板32を支持させ、搬送ロボット20を用いて封止済み基板32を搬送室2内に搬入し、これにより、1サイクルの封止工程が終了する。
以後、上述した動作を繰り返し、多数の有機EL素子の封止工程を連続的に行う。
【0040】
以上述べたように本実施の形態によれば、圧縮空気の導入によって付勢部本体79aを膨張させて押圧板77を付勢することによりデバイス基板31に対して平面状の押圧面77aを押圧するようにしたことから、キャップガラス30とデバイス基板31に対して均一に加圧することができ、これにより大型の基板に対して偏りのない均一な封止を行うことができる。
【0041】
また、本実施の形態においては、キャップガラス30とデバイス基板31のアライメントマークをCCDカメラ82によって確認して位置決めを行うようにしたことから、精度良くキャップガラス30とデバイス基板31を貼り合わせることができる。
【0042】
さらに、本実施の形態においては、デバイス基板31を上方から吸着する吸着パッド81を設けたことから、デバイスの領域に影響を及ぼすことなくデバイス基板31の中央部分を保持することができるため、封止前におけるデバイス基板31の変形を防止して位置決め精度を向上させることが可能になる。
【0043】
さらにまた、押圧板77に冷却用配管80を設けたことから、貼り合わせの際の熱によるキャップガラス30とデバイス基板31の変形を防止して高精度の封止を行うことができる。
【0044】
そして、このような本実施の形態の封止装置によれば、水分によって劣化しやすい有機EL素子を劣化させることなく均一で精度の良い封止を行うことができる。
【0045】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、上述の実施の形態においては、圧縮空気の導入によって付勢部本体を膨張させるようにしたが、本発明はこれに限られず、他の気体を導入することも可能である。
【0046】
また、上述の実施の形態は、有機EL素子用の封止装置に適用したものであるが、本発明はこれに限られず、他の装置に適用することも可能である。
【0047】
ただし、本発明は、上記実施の形態のような有機EL装置の容器本体を封止する装置に適用した場合に最も有効となるものである。
【0048】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、均一な力で、また精度良く封止対象物同士を貼り合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の封止システムの全体を示す斜視図
【図2】同封止システムの前処理室の内部構成を示す斜視図
【図3】同封止システムの封止材塗布用ディスペンサー室の内部構成を示す斜視図
【図4】同封止システムの封止室の内部構成を示す斜視図
【図5】本実施の形態の封止装置の概略構成図
【図6】(a)〜(d):同実施の形態における封止工程を示す斜視図(その1)
【図7】(e)〜(h):同実施の形態における封止工程を示す斜視図(その2)
【図8】(i)〜(l):同実施の形態における封止工程を示す斜視図(その3)
【図9】(m)〜(p):同実施の形態における封止工程を示す斜視図(その4)
【符号の説明】
1…封止システム 7…封止室 9…封止装置 30…キャップガラス(封止対象物) 31…デバイス基板(封止対象物) 70…封止室本体 75…封止機構 77…押圧板(押圧部) 77a…押圧面 79…付勢部 79a…付勢部本体 80…冷却用配管(冷却手段) 82…CCDカメラ(センサ) 90…昇降機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば有機EL素子用の基板を貼り合わせて封止するための封止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像表示装置等に用いられる発光素子として、有機EL素子が注目されている。
【0003】
有機EL素子は、自己発光する有機層を有しているが、有機層に水分が付着するとその影響により表示品位を著しく低下し著しい輝度の減少も招くことから、従来、外部から本体内に水分が侵入することを防ぐため、素子を収容する容器本体を封止することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、有機EL素子の容器本体を封止するには、デバイス用基板及び封止用基板を貼り合わせるが、近年、有機EL素子の大型化に伴い、デバイス用基板及び封止用基板の大型化が進展しており、封止工程の際に基板に対して均一に加圧することが困難になりつつある。
【0005】
また、従来技術では、基板の変形等の理由により、デバイス用基板及び封止用基板を貼り合わせる際の位置決め精度が良くないという課題もある。
【0006】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、均一な力で、また精度良く封止対象物同士を貼り合わせることが可能な封止機構及びこれを用いた封止装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、所定の封止対象物に対して密着可能で移動自在に構成された平面状の押圧面を有する押圧部と、所定の流体の導入によって膨張し、前記押圧部に対し接触して付勢するように構成された付勢部とを有する封止機構である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記付勢部が、圧縮空気の導入によって膨張するように構成された風船状の付勢部本体を有するものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2のいずれか1項記載の発明において、封止対象物の位置決め用マークを検出するためのセンサを有し、前記センサによって検出された情報に基づいて前記封止対象物の位置決めを行うように構成されているものである。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の発明において、封止対象物を吸着する吸着部を更に有するものである。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の発明において、前記吸着部が、封止対象物を上方から吸着するように構成されているものである。
請求項6記載の発明は、請求項乃至のいずれか1項記載の発明において、前記押圧部を冷却する冷却手段を更に有するものである。
一方、請求項7記載の発明は、所定の不活性ガスを導入するように構成された気密な封止室本体と、所定の封止対象物を載置する載置部と、請求項1乃至6のいずれか1項記載の封止機構とを有する封止装置である。
【0008】
本発明の場合、例えば空気等の流体の導入によって付勢部本体を膨張させて押圧部を付勢することにより封止対象物に対して平面状の押圧面を押圧するようにしたことから、封止対象物に対して均一に加圧することができ、これにより大型の基板に対して偏りのない均一な封止を行うことが可能になる。
【0009】
また、本発明において、封止対象物の位置決め用マークを検出するためのセンサと、このセンサによって検出された情報に基づいて封止対象物の位置決めを行う位置決め機構を更に有する場合には、精度良く封止対象物同士を貼り合わせることが可能になる。
【0010】
さらに、本発明において、封止対象物を例えば上方から吸着する吸着部を更に有する場合には、デバイスの領域に影響を及ぼすことなく封止対象物の中央部分を保持することができるため、封止対象物の変形を防止して位置決め精度を向上させることが可能になる。
【0011】
さらにまた、前記押圧部を冷却する冷却手段を更に有する場合には、貼り合わせの際の熱による封止対象物の変形を防止して高精度の封止を行うことが可能になる。
【0012】
一方、本発明の封止装置によれば、例えば有機EL素子等の水分によって劣化しやすい素子を作成する場合に、素子を劣化させることなく均一で精度の良い封止を行うことが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態の封止システムの全体を示す斜視図、図2は、同封止システムの前処理室の内部構成を示す斜視図、図3は、同封止システムの封止材塗布用ディスペンサー室の内部構成を示す斜視図、図4は、同封止システムの封止室の内部構成を示す斜視図、図5は、本実施の形態の封止装置の概略構成図である。
【0014】
図1に示すように、本実施の形態の封止システム1は、搬送室2の周囲に、搬出入部3、4と、前処理室5と、封止材塗布用ディスペンサー室6と、封止室7とが設けられているマルチチャンバー方式の枚葉式の装置であり、これら各室は、それぞれ図示しない真空排気系に接続されている。
【0015】
本実施の形態の場合、後述する封止済み基板32は移載装置11を用いて移送され、また、後述する封止用のキャップガラス30及びデバイス基板31(封止対象物)は移載装置12によって搬入される。
【0016】
図2に示すように、本実施の形態の前処理室5には、搬送室2の搬送ロボット20によって搬入されたキャップガラス30に対して紫外線を照射するためのUVランプ50が設けられている。
【0017】
また、図3に示すように、本実施の形態の封止材塗布用ディスペンサー室6は、手作業の際内部の様子が見えるように透明な材料で構成された本体60を有し、この本体60の正面側の中腹部分には、ゴム等の気密性を保持可能な材料からなるグローブ61が設けられている。
【0018】
封止材塗布用ディスペンサー室6内には、搬送ロボット20によって搬入されたキャップガラス30に対して封止材を塗布するためのディスペンサー62が設けられている。このディスペンサー62は、搬入されたキャップガラス30の上方を水平移動するように構成されている。
【0019】
本実施の形態の封止室7は、図示しないN2供給源に接続された封止室本体70を有し、図4及び図5に示すように、封止室本体70内には、アライメント用のX−Yテーブル71が設けられ、このX−Yテーブル71上に、後述するUVランプ72(図9(a)参照)と、透光性の封止用石英ガラス板73が設けられている。
【0020】
一方、封止室本体70の内部には、本発明に係る封止装置9が設けられている。
本実施の形態の封止装置9は、封止室本体70の上部に取り付けられた昇降機構90を有している。
【0021】
この昇降機構90は、封止室本体70の内部に延びる4つの支持アーム91を有し、この支持アーム91によってキャップガラス30を支持するようになっている。
【0022】
また、封止室本体70の上部に設けられたハウジング72内には押圧モータ73Aが配設され、この押圧モータ73Aによって駆動され鉛直方向に延びる押圧ロッド74の先端部が、気密を保持した状態で封止室本体70内に挿入されるように構成されている。
【0023】
また、押圧ロッド74は、ハウジング72内に設けられたアライメント用モータ73Bによって回転するように構成され、その先端部には、封止機構75が連結されている。ここで、封止機構75は、水平方向に配置された保持板76と、保持板76の下方に所定の間隔をおいて配置された押圧板(押圧部)77を有している。
【0024】
押圧板77は、その下面に基板より若干大きな面積の平坦な押圧面77aが形成され、鉛直方向に延びるガイド部材78に沿ってバネ78aの弾性力に抗して下方へ移動するように構成されている。
【0025】
さらに、保持板76と押圧板77の間には、ゴム等の弾性材料からなる風船状の付勢部本体79aを有する付勢部79が設けられている。
【0026】
ここで、付勢部本体79aは、保持板76と押圧板77に接触するように配置され、押圧ロッド74に設けられた導入部79bを介して圧縮空気が導入されるように構成されている。
【0027】
一方、押圧板77の内部には、冷却水を循環させるように構成された冷却用配管(冷却手段)80が設けられ、押圧ロッド74に設けられた冷却水導入部80a及び冷却水排出部80bを介して冷却用配管80に水を導入し、また排出するようになっている。
【0028】
さらに、押圧板77には、封止対象物を吸着するための吸着パッド(吸着部)81が設けられている。この吸着パッド81は、押圧板77の押圧面77a側に配置され、押圧ロッド74に設けられた真空排気口81aから真空排気を行うことによって封止対象物を吸着するようになっている。
【0029】
なお、この吸着パッド81は、デバイス基板31の変形を防止する観点から、複数個設けることが好ましい。
【0030】
一方、封止室本体70の上部には、アライメント用のCCDカメラ(センサ)82が設けられている。このCCDカメラ82は、封止室本体70の上部に設けられた窓部70aを介してキャップガラス30及びデバイス基板31上のアライメントマーク(図示せず)を検出するようになっている。
【0031】
図6(a)〜図9(p)は、本実施の形態における封止工程を示す斜視図である。
まず、図6(a)に示すように、搬送室2の搬送ロボット20を用いてキャップガラス30を前処理室5内に搬入し、図6(b)に示すように、UVランプ50によって紫外線を照射してキャップガラス30表面の洗浄を行う。
【0032】
次いで、図6(c)に示すように、搬送ロボット20を用いてキャップガラス30を封止材塗布用ディスペンサー室6内に搬入し、図6(d)に示すように、ディスペンサー62を移動させつつUV硬化樹脂をキャップガラス30の表面に塗布する。
【0033】
そして、図7(e)に示すように、搬送ロボット20を用いてキャップガラス30を封止室本体70内に搬入し、図7(f)に示すように、昇降機構90の支持アーム91にキャップガラス30を支持させ、図7(g)に示すように、キャップガラス30を封止用石英ガラス板73の上に載置する。
【0034】
さらに、図7(h)に示すように、搬送ロボット20を用いてデバイス基板31を封止室本体70内に搬入し、図8(i)(j)に示すように、上述した吸着パッド81によってデバイス基板31を吸着保持する。
【0035】
その後、図8(k)に示すように、封止室本体70内の圧力を減圧して封止機構75を下降させる。
【0036】
そして、図8(l)に示すように、CCDカメラ82を用い、キャップガラス30とデバイス基板31のアライメントマーク(図示せず)を確認し、X−Yテーブル71とアライメント用モータ73Bを動作させてこれらアライメントマーク同士の位置合わせを行う。
【0037】
さらに、付勢部79に圧縮空気を導入することにより付勢部79を膨張させる。これにより、押圧板77の押圧面77aが下降してキャップガラス30に所定の圧力で押し付けられる。
【0038】
この状態でUVランプ72のシャッター(図示せず)を開き、図9(m)に示すように、紫外線UVを照射することによってUV硬化樹脂を硬化させ、キャップガラス30とデバイス基板31同士を接着して封止する。
【0039】
その後、図9(n)〜(p)に示すように、封止機構75を上昇させて昇降機構90の支持アーム91に封止済み基板32を支持させ、搬送ロボット20を用いて封止済み基板32を搬送室2内に搬入し、これにより、1サイクルの封止工程が終了する。
以後、上述した動作を繰り返し、多数の有機EL素子の封止工程を連続的に行う。
【0040】
以上述べたように本実施の形態によれば、圧縮空気の導入によって付勢部本体79aを膨張させて押圧板77を付勢することによりデバイス基板31に対して平面状の押圧面77aを押圧するようにしたことから、キャップガラス30とデバイス基板31に対して均一に加圧することができ、これにより大型の基板に対して偏りのない均一な封止を行うことができる。
【0041】
また、本実施の形態においては、キャップガラス30とデバイス基板31のアライメントマークをCCDカメラ82によって確認して位置決めを行うようにしたことから、精度良くキャップガラス30とデバイス基板31を貼り合わせることができる。
【0042】
さらに、本実施の形態においては、デバイス基板31を上方から吸着する吸着パッド81を設けたことから、デバイスの領域に影響を及ぼすことなくデバイス基板31の中央部分を保持することができるため、封止前におけるデバイス基板31の変形を防止して位置決め精度を向上させることが可能になる。
【0043】
さらにまた、押圧板77に冷却用配管80を設けたことから、貼り合わせの際の熱によるキャップガラス30とデバイス基板31の変形を防止して高精度の封止を行うことができる。
【0044】
そして、このような本実施の形態の封止装置によれば、水分によって劣化しやすい有機EL素子を劣化させることなく均一で精度の良い封止を行うことができる。
【0045】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、上述の実施の形態においては、圧縮空気の導入によって付勢部本体を膨張させるようにしたが、本発明はこれに限られず、他の気体を導入することも可能である。
【0046】
また、上述の実施の形態は、有機EL素子用の封止装置に適用したものであるが、本発明はこれに限られず、他の装置に適用することも可能である。
【0047】
ただし、本発明は、上記実施の形態のような有機EL装置の容器本体を封止する装置に適用した場合に最も有効となるものである。
【0048】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、均一な力で、また精度良く封止対象物同士を貼り合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の封止システムの全体を示す斜視図
【図2】同封止システムの前処理室の内部構成を示す斜視図
【図3】同封止システムの封止材塗布用ディスペンサー室の内部構成を示す斜視図
【図4】同封止システムの封止室の内部構成を示す斜視図
【図5】本実施の形態の封止装置の概略構成図
【図6】(a)〜(d):同実施の形態における封止工程を示す斜視図(その1)
【図7】(e)〜(h):同実施の形態における封止工程を示す斜視図(その2)
【図8】(i)〜(l):同実施の形態における封止工程を示す斜視図(その3)
【図9】(m)〜(p):同実施の形態における封止工程を示す斜視図(その4)
【符号の説明】
1…封止システム 7…封止室 9…封止装置 30…キャップガラス(封止対象物) 31…デバイス基板(封止対象物) 70…封止室本体 75…封止機構 77…押圧板(押圧部) 77a…押圧面 79…付勢部 79a…付勢部本体 80…冷却用配管(冷却手段) 82…CCDカメラ(センサ) 90…昇降機構
Claims (7)
- 所定の封止対象物に対して密着可能で移動自在に構成された平面状の押圧面を有する押圧部と、
所定の流体の導入によって膨張し、前記押圧部に対し接触して付勢するように構成された付勢部とを有する封止機構。 - 前記付勢部が、圧縮空気の導入によって膨張するように構成された風船状の付勢部本体を有する請求項1記載の封止機構。
- 封止対象物の位置決め用マークを検出するためのセンサを有し、前記センサによって検出された情報に基づいて前記封止対象物の位置決めを行うように構成されている請求項1又は2のいずれか1項記載の封止機構。
- 封止対象物を吸着する吸着部を更に有する請求項1乃至3のいずれか1項記載の封止機構。
- 前記吸着部が、封止対象物を上方から吸着するように構成されている請求項1乃至4のいずれか1項記載の封止機構。
- 前記押圧部を冷却する冷却手段を更に有する請求項1乃至5のいずれか1項記載の封止機構。
- 所定の不活性ガスを導入するように構成された気密な封止室本体と、
所定の封止対象物を載置する載置部と、
請求項1乃至6のいずれか1項記載の封止機構とを有する封止装置。
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- 2003-04-16 JP JP2003111627A patent/JP2004319264A/ja active Pending
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