JP2004319239A - 温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度ヒューズが溶断したときに続流が生じるのを防止し、固定抵抗素子の発火や発煙を確実に防止する。
【解決手段】本抵抗器は、接続対象回路3からの過電流によって発熱する固定抵抗素子4と、固定抵抗素子の発熱によって溶断されるヒューズ5,6とを備えたヒューズ回路2をケース内に収納し、このケース内部に耐熱性セメントを充填してある。ヒューズは、固定抵抗素子に直列に接続された第一のヒューズ5と、第一のヒューズに並列に接続された第2のヒューズ6から成る。第一のヒューズは、過電流によって生じる固定抵抗素子の発熱によって溶断される温度ヒューズによって構成される。第二のヒューズは、固定抵抗素子よりも小さな抵抗値で、過電流に対して第一のヒューズよりも僅かに遅れて溶断する程度の抵抗値と溶断特性を有するヒューズによって構成される。
【選択図】図1
【解決手段】本抵抗器は、接続対象回路3からの過電流によって発熱する固定抵抗素子4と、固定抵抗素子の発熱によって溶断されるヒューズ5,6とを備えたヒューズ回路2をケース内に収納し、このケース内部に耐熱性セメントを充填してある。ヒューズは、固定抵抗素子に直列に接続された第一のヒューズ5と、第一のヒューズに並列に接続された第2のヒューズ6から成る。第一のヒューズは、過電流によって生じる固定抵抗素子の発熱によって溶断される温度ヒューズによって構成される。第二のヒューズは、固定抵抗素子よりも小さな抵抗値で、過電流に対して第一のヒューズよりも僅かに遅れて溶断する程度の抵抗値と溶断特性を有するヒューズによって構成される。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接続対象回路の異常時に発生した過電流によって固定抵抗素子が発火等するのを確実に防止し得る、温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来の温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器の一例を、図3に示す。
図中符号Cはセラミック製あるいは内部が絶縁された金属製のケースで、このケース内に、2つの固定抵抗素子R1,R2と両抵抗素子間に直列に接続された温度ヒューズFとから成るヒューズ回路FCが収納されている。固定抵抗素子R1,R2は、通常、セラミック製の芯材にニッケルなどの導線をコイル状に巻回して成る。温度ヒューズFは、ウッドメタル(Sn−Bi−Pb−Cd)やセルロー(Sn−Bi−Pb−Cd−In)などの低融点合金や銀ろうなどの中融点合金によって形成された溶融部を有する。
ヒューズ回路FCの収納されたケースCの内部には、図示しない耐熱性セメントが充填されている。ケースCの側端からは、各固定抵抗素子R1,R2の外端を接続対象回路Mに接続するリード線Lが引出されている。
【0003】
上記構造の温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器は、例えば、インバータによる回生制動用の回生放電回路の放電抵抗や、コンデンサ型電源回路の充電電流の制限抵抗器として使用される。
前者の場合には、接続対象回路である直流電力回路の回生エネルギを蓄積するコンデンサの電圧が許容電圧以上になったときに動作し、固定抵抗素子R1,R2が余分な電位を放電消費して、コンデンサを許容電圧以下に保つ。
また、後者の場合には、接続対象回路の電源がONされたときに、固定抵抗素子R1,R2がコンデンサに充電される電流を制限する。コンデンサの充電が完了すると、サイリスタあるいはリレーの接点が閉じ、固定抵抗素子R1,R2への通電は停止される。
【0004】
そして、接続対象回路に異常を生じたとき、例えば本抵抗器を回生放電回路の放電抵抗として使用した場合には、回生放電回路のスイッチング作用を行うトランジスタが何らかの原因によってON動作を継続すると、固定抵抗素子R1,R2に過電流が流れて発熱する。また、電流制限抵抗器として使用した場合には、何らかの原因によってサイリスタやリレーの接点が閉じなくなると、固定抵抗素子R1,R2に過電流が流れて同様に発熱する。
固定抵抗素子R1,R2の温度が上昇すると、その熱によって温度ヒューズFが溶断し、ヒューズ回路を遮断する。この結果、固定抵抗素子R1,R2がそれ以上昇熱して発火したり、発煙したりすることがなくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器の温度ヒューズFは、通常、直流で使用するときに約50V程度の定格電圧しか保証していないものが多い。一方、インバータ等の直流電力回路での使用電圧は、DC141V〜760Vと直流定格電圧に比較してかなり高い。このため、過電流によって固定抵抗素子R1,R2が発熱して温度ヒューズFが溶断しても、印可される高電圧によって溶断部でアーク放電を生じたり、溶断部が溶着して再通電を起こしやすくなる。この結果、温度ヒューズの溶断部で電流が遮断されず、続流によって固定抵抗素子R1,R2が更に昇熱して発火したりする。
【0006】
本発明の目的は、温度ヒューズが溶断したときに続流が生じるのを防止し、固定抵抗素子の発火や発煙を確実に防止することのできる、温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器を提供することにある。
【0007】
【課題を達成するための手段】
本発明は、上記した目的を達成するために次の構成を備える点に特徴がある。すなわち、本発明に係る温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器は、接続対象回路からの過電流によって発熱する固定抵抗素子と、固定抵抗素子の発熱によって溶断されるヒューズとを備えたヒューズ回路をケース内に収納し、このケース内部に耐熱性セメントを充填した温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器を改良したものである。本抵抗器は、上記ヒューズが、固定抵抗素子に直列に接続された第一のヒューズと、第一のヒューズに並列に接続された第2のヒューズから成っている。そして、第一のヒューズは、過電流によって生じる固定抵抗素子の発熱によって溶断される温度ヒューズによって構成されている。また、第二のヒューズは、上記固定抵抗素子よりも小さな抵抗値で、上記過電流に対して第一のヒューズよりも僅かに遅れて溶断する程度の抵抗値と溶断特性を有するヒューズによって構成されている。
【0008】
固定抵抗素子は、直列に接続された2つの抵抗素子によって構成されるようにするのが望ましい。この場合、第一のヒューズは2つの抵抗素子の間に直列に接続され、第二のヒューズは第一のヒューズに並列に接続される。
【0009】
第二のヒューズの抵抗値は、第一のヒューズが溶断されると同時に過電流を並列回路側に誘流させ、溶断部への印可電圧を下げると同時に自らも当該過電流によって溶断してヒューズ回路を速やかに遮断するに必要な範囲内で、第一のヒューズの定格電圧と接続対象回路の使用電圧の関係あるいはヒューズの溶断特性などを考慮して適宜選択される。
【0010】
望ましくは、ヒューズ回路に印加される直流高電圧に対して、第一のヒューズとの並列回路両端に第一のヒューズの定格電圧とほぼ等しいかそれ以下の電圧を低減して印加させる抵抗値に設定される。具体的には、例えば、固定抵抗素子の1/20以下の抵抗値を有する。接続対象回路での使用電圧が比較的高電圧の場合、1/20以上になると、ヒューズ構成材料の溶断特性にもよるが、第二のヒューズの溶断に時間がかかり、固定抵抗素子の加熱状態あるいは接続対象回路の過負荷状態への即応性に欠けるきらいがある。しかし、使用電圧のあまり高くないものにあっては、1/20以上にすることもできる。
また、第二のヒューズは、前記過電流によって溶断可能なコイルタイプの抵抗器によって構成すると良い。
【0011】
【実施の最良の形態】
以下、本発明を図示した実施例に基づいて詳説する。
図1は、本発明の一実施例に係る温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器の概念構成図である。
図中符号1は、耐熱性セラミック材から成るケースで、ヒューズ回路2が収容された内部にはセメント材が充填されている。
ヒューズ回路2は、図3に示す従来例と同様に、接続対象回路3への通電電流値を制限するコイル状をした2つの固定抵抗素子4,4と、その間に直列に接続された温度ヒューズ5を有する。温度ヒューズ5は、本発明における第一のヒューズを構成する。固定抵抗素子4と温度ヒューズ5は、ともに、従来例と同様な構造あるいは電気的性質のものが採用される。
なお、図中符号7は、接続対象回路に接続されるリード線を示す。
【0012】
ヒューズ回路2は、第一のヒューズ5の外に第二のヒューズ6を備える。
第二のヒューズ6は、接続対象回路3の異常運転などによって発生する過電流により、所定のタイミングで溶断可能なコイルタイプの抵抗器から成っている。このヒューズ6の抵抗値は、上記した2つの固定抵抗素子全体の抵抗値よりも小さく、上記過電流に対して第一の温度ヒューズ5よりも僅かに遅れて溶断する程度の抵抗値と溶断特性とを有する。第二のヒューズ6は、例えば、固定抵抗素子と同様な抵抗線であってそれよりも径の小さな抵抗線によって形成される。
【0013】
第二のヒューズ6の抵抗値は、具体的には、本実施例では固定抵抗素子の1/20に設定される。例えば、図1において、固定抵抗素子4がそれぞれ40Ωの抵抗値で固定抵抗素子全体の抵抗値が80Ωであるとした場合、第二のヒューズ6は80/20=4Ωの抵抗値に設定される。第一の温度ヒューズ5は、その溶融特性によって内部抵抗をほとんど0として考えることができる。
【0014】
この設定状態で接続対象回路側の異常稼働によって本抵抗器のリード線間に例えばDC800V(E)の高電圧が印加されると、各固定抵抗素子4,4は温度が急上昇し、その熱が第一の温度ヒューズ5に伝達されて第一の温度ヒューズ5が溶断される。
このとき、第一の温度ヒューズ5及び第二のヒューズ6の並列回路の両端間、すなわち第一の温度ヒューズの両端間の電圧Efは、800V×4/84(Ef=E×《4/(80+4)》)=38となり、温度ヒューズ5の定格電圧(50V)以下になる。このため、溶断部にアークを発生させるに十分な電位を得られず、第一の温度ヒューズ側には電気的な導通路が形成されなくなる(図2参照)。
【0015】
一方、第二のヒューズ6は、第一の温度ヒューズ5の溶断後にも導通状態を保つが、800V/84Ω=9.5Aの電流が流れるため、第一の温度ヒューズ5の溶断後、所定の時間を経過して抵抗線が溶断する。これにより、本抵抗器のヒューズ回路2は、第一のヒューズ5と第二のヒューズ6部分で、断線状態となり、固定抵抗素子4への通電あるいは固定抵抗素子4への通電及び接続対象回路3への通電が停止される。
【0016】
第二のヒューズ6の内部抵抗は、ヒューズ回路2に印加される高電圧を、第一のヒューズ5との並列回路両端に第一のヒューズ5の定格電圧とほぼ等しいかそれ以下の電圧に低減して印加させる抵抗値であれば良い。接続対象回路で用いられる電圧には種々のものがあり、場合によってはヒューズ回路2を構成する固定抵抗素子の抵抗値の1/10にすることもできる。
そして、本抵抗器は、従来の温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器と同様に、リード線を接続対象回路の所定位置に接続することで、回生制動用の回生放電回路の放電抵抗やコンデンサ型電源回路の充電電流の制限抵抗器などとして用いられ、接続対象回路からの過電流によって固定抵抗素子が発火するのを未然に防止することになる。
【0017】
表1は、ヒューズ回路2に印加される電圧を120Vと240V(試験電圧)にし、固定抵抗素子4の抵抗値に対して第二のヒューズ6の抵抗値を1/10にした場合の、第一及び第二のヒューズの並列回路両端に生じる電圧と、第二のヒューズ6が溶断して回路が遮断されるまでの時間を測定した結果を示す。なお、電流値I1は図1において一方の固定抵抗素子、温度ヒューズ、他方の固定抵抗素子の回路を流れる電流値を示し、電流値I2は図2において一方の固定抵抗素子、第二のヒューズ、他方の固定抵抗素子の回路を流れる電流値を示す。
【表1】
【0018】
この測定結果の試料No1から4にから明らかなように、本発明によれば、ヒューズ回路2に印加される電圧が120Vあるいは240Vと比較的に低い場合には、固定抵抗素子4に対して第二ヒューズの抵抗値を1/10に設定しても、アークによる続流の心配はなく(ヒューズ両端電圧Efが第一ヒューズである温度ヒューズの定格電圧(例えば50V)よりも低い)、しかもヒューズ回路の遮断が短時間で行われていることが解る。もちろん、第二のヒューズの溶断時間までに固定抵抗素子が発火したり発煙したるすることはなかった。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果を奏する。
本抵抗器は、固定抵抗素子に温度ヒューズである第一のヒューズを直列に接続し、この第一のヒューズに第2のヒューズを並列に接続してあり、また第二のヒューズを、固定抵抗素子よりも小さな抵抗値で、過電流に対して第一のヒューズよりも僅かに遅れて溶断する程度の抵抗値と溶断特性を有するヒューズによって構成したので、温度ヒューズが溶断したときに、アークの発生や高電圧印加による溶断部の再溶着を阻止して続流が生じるのを防止でき、固定抵抗素子の発火や発煙を防止できるとともに、接続対象回路の内容如何では当該回路への通電停止も確実に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器を示す概念構成図。
【図2】図1の抵抗器の作用を示す概念構成図。
【図3】従来の温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器を示す概念構成図。
【符号の説明】
1 ケース
2 ヒューズ回路
3 接続対象回路
4 固定抵抗素子
5 温度ヒューズ(第一のヒューズ)
6 第二のヒューズ
【発明の属する技術分野】
本発明は、接続対象回路の異常時に発生した過電流によって固定抵抗素子が発火等するのを確実に防止し得る、温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来の温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器の一例を、図3に示す。
図中符号Cはセラミック製あるいは内部が絶縁された金属製のケースで、このケース内に、2つの固定抵抗素子R1,R2と両抵抗素子間に直列に接続された温度ヒューズFとから成るヒューズ回路FCが収納されている。固定抵抗素子R1,R2は、通常、セラミック製の芯材にニッケルなどの導線をコイル状に巻回して成る。温度ヒューズFは、ウッドメタル(Sn−Bi−Pb−Cd)やセルロー(Sn−Bi−Pb−Cd−In)などの低融点合金や銀ろうなどの中融点合金によって形成された溶融部を有する。
ヒューズ回路FCの収納されたケースCの内部には、図示しない耐熱性セメントが充填されている。ケースCの側端からは、各固定抵抗素子R1,R2の外端を接続対象回路Mに接続するリード線Lが引出されている。
【0003】
上記構造の温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器は、例えば、インバータによる回生制動用の回生放電回路の放電抵抗や、コンデンサ型電源回路の充電電流の制限抵抗器として使用される。
前者の場合には、接続対象回路である直流電力回路の回生エネルギを蓄積するコンデンサの電圧が許容電圧以上になったときに動作し、固定抵抗素子R1,R2が余分な電位を放電消費して、コンデンサを許容電圧以下に保つ。
また、後者の場合には、接続対象回路の電源がONされたときに、固定抵抗素子R1,R2がコンデンサに充電される電流を制限する。コンデンサの充電が完了すると、サイリスタあるいはリレーの接点が閉じ、固定抵抗素子R1,R2への通電は停止される。
【0004】
そして、接続対象回路に異常を生じたとき、例えば本抵抗器を回生放電回路の放電抵抗として使用した場合には、回生放電回路のスイッチング作用を行うトランジスタが何らかの原因によってON動作を継続すると、固定抵抗素子R1,R2に過電流が流れて発熱する。また、電流制限抵抗器として使用した場合には、何らかの原因によってサイリスタやリレーの接点が閉じなくなると、固定抵抗素子R1,R2に過電流が流れて同様に発熱する。
固定抵抗素子R1,R2の温度が上昇すると、その熱によって温度ヒューズFが溶断し、ヒューズ回路を遮断する。この結果、固定抵抗素子R1,R2がそれ以上昇熱して発火したり、発煙したりすることがなくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器の温度ヒューズFは、通常、直流で使用するときに約50V程度の定格電圧しか保証していないものが多い。一方、インバータ等の直流電力回路での使用電圧は、DC141V〜760Vと直流定格電圧に比較してかなり高い。このため、過電流によって固定抵抗素子R1,R2が発熱して温度ヒューズFが溶断しても、印可される高電圧によって溶断部でアーク放電を生じたり、溶断部が溶着して再通電を起こしやすくなる。この結果、温度ヒューズの溶断部で電流が遮断されず、続流によって固定抵抗素子R1,R2が更に昇熱して発火したりする。
【0006】
本発明の目的は、温度ヒューズが溶断したときに続流が生じるのを防止し、固定抵抗素子の発火や発煙を確実に防止することのできる、温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器を提供することにある。
【0007】
【課題を達成するための手段】
本発明は、上記した目的を達成するために次の構成を備える点に特徴がある。すなわち、本発明に係る温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器は、接続対象回路からの過電流によって発熱する固定抵抗素子と、固定抵抗素子の発熱によって溶断されるヒューズとを備えたヒューズ回路をケース内に収納し、このケース内部に耐熱性セメントを充填した温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器を改良したものである。本抵抗器は、上記ヒューズが、固定抵抗素子に直列に接続された第一のヒューズと、第一のヒューズに並列に接続された第2のヒューズから成っている。そして、第一のヒューズは、過電流によって生じる固定抵抗素子の発熱によって溶断される温度ヒューズによって構成されている。また、第二のヒューズは、上記固定抵抗素子よりも小さな抵抗値で、上記過電流に対して第一のヒューズよりも僅かに遅れて溶断する程度の抵抗値と溶断特性を有するヒューズによって構成されている。
【0008】
固定抵抗素子は、直列に接続された2つの抵抗素子によって構成されるようにするのが望ましい。この場合、第一のヒューズは2つの抵抗素子の間に直列に接続され、第二のヒューズは第一のヒューズに並列に接続される。
【0009】
第二のヒューズの抵抗値は、第一のヒューズが溶断されると同時に過電流を並列回路側に誘流させ、溶断部への印可電圧を下げると同時に自らも当該過電流によって溶断してヒューズ回路を速やかに遮断するに必要な範囲内で、第一のヒューズの定格電圧と接続対象回路の使用電圧の関係あるいはヒューズの溶断特性などを考慮して適宜選択される。
【0010】
望ましくは、ヒューズ回路に印加される直流高電圧に対して、第一のヒューズとの並列回路両端に第一のヒューズの定格電圧とほぼ等しいかそれ以下の電圧を低減して印加させる抵抗値に設定される。具体的には、例えば、固定抵抗素子の1/20以下の抵抗値を有する。接続対象回路での使用電圧が比較的高電圧の場合、1/20以上になると、ヒューズ構成材料の溶断特性にもよるが、第二のヒューズの溶断に時間がかかり、固定抵抗素子の加熱状態あるいは接続対象回路の過負荷状態への即応性に欠けるきらいがある。しかし、使用電圧のあまり高くないものにあっては、1/20以上にすることもできる。
また、第二のヒューズは、前記過電流によって溶断可能なコイルタイプの抵抗器によって構成すると良い。
【0011】
【実施の最良の形態】
以下、本発明を図示した実施例に基づいて詳説する。
図1は、本発明の一実施例に係る温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器の概念構成図である。
図中符号1は、耐熱性セラミック材から成るケースで、ヒューズ回路2が収容された内部にはセメント材が充填されている。
ヒューズ回路2は、図3に示す従来例と同様に、接続対象回路3への通電電流値を制限するコイル状をした2つの固定抵抗素子4,4と、その間に直列に接続された温度ヒューズ5を有する。温度ヒューズ5は、本発明における第一のヒューズを構成する。固定抵抗素子4と温度ヒューズ5は、ともに、従来例と同様な構造あるいは電気的性質のものが採用される。
なお、図中符号7は、接続対象回路に接続されるリード線を示す。
【0012】
ヒューズ回路2は、第一のヒューズ5の外に第二のヒューズ6を備える。
第二のヒューズ6は、接続対象回路3の異常運転などによって発生する過電流により、所定のタイミングで溶断可能なコイルタイプの抵抗器から成っている。このヒューズ6の抵抗値は、上記した2つの固定抵抗素子全体の抵抗値よりも小さく、上記過電流に対して第一の温度ヒューズ5よりも僅かに遅れて溶断する程度の抵抗値と溶断特性とを有する。第二のヒューズ6は、例えば、固定抵抗素子と同様な抵抗線であってそれよりも径の小さな抵抗線によって形成される。
【0013】
第二のヒューズ6の抵抗値は、具体的には、本実施例では固定抵抗素子の1/20に設定される。例えば、図1において、固定抵抗素子4がそれぞれ40Ωの抵抗値で固定抵抗素子全体の抵抗値が80Ωであるとした場合、第二のヒューズ6は80/20=4Ωの抵抗値に設定される。第一の温度ヒューズ5は、その溶融特性によって内部抵抗をほとんど0として考えることができる。
【0014】
この設定状態で接続対象回路側の異常稼働によって本抵抗器のリード線間に例えばDC800V(E)の高電圧が印加されると、各固定抵抗素子4,4は温度が急上昇し、その熱が第一の温度ヒューズ5に伝達されて第一の温度ヒューズ5が溶断される。
このとき、第一の温度ヒューズ5及び第二のヒューズ6の並列回路の両端間、すなわち第一の温度ヒューズの両端間の電圧Efは、800V×4/84(Ef=E×《4/(80+4)》)=38となり、温度ヒューズ5の定格電圧(50V)以下になる。このため、溶断部にアークを発生させるに十分な電位を得られず、第一の温度ヒューズ側には電気的な導通路が形成されなくなる(図2参照)。
【0015】
一方、第二のヒューズ6は、第一の温度ヒューズ5の溶断後にも導通状態を保つが、800V/84Ω=9.5Aの電流が流れるため、第一の温度ヒューズ5の溶断後、所定の時間を経過して抵抗線が溶断する。これにより、本抵抗器のヒューズ回路2は、第一のヒューズ5と第二のヒューズ6部分で、断線状態となり、固定抵抗素子4への通電あるいは固定抵抗素子4への通電及び接続対象回路3への通電が停止される。
【0016】
第二のヒューズ6の内部抵抗は、ヒューズ回路2に印加される高電圧を、第一のヒューズ5との並列回路両端に第一のヒューズ5の定格電圧とほぼ等しいかそれ以下の電圧に低減して印加させる抵抗値であれば良い。接続対象回路で用いられる電圧には種々のものがあり、場合によってはヒューズ回路2を構成する固定抵抗素子の抵抗値の1/10にすることもできる。
そして、本抵抗器は、従来の温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器と同様に、リード線を接続対象回路の所定位置に接続することで、回生制動用の回生放電回路の放電抵抗やコンデンサ型電源回路の充電電流の制限抵抗器などとして用いられ、接続対象回路からの過電流によって固定抵抗素子が発火するのを未然に防止することになる。
【0017】
表1は、ヒューズ回路2に印加される電圧を120Vと240V(試験電圧)にし、固定抵抗素子4の抵抗値に対して第二のヒューズ6の抵抗値を1/10にした場合の、第一及び第二のヒューズの並列回路両端に生じる電圧と、第二のヒューズ6が溶断して回路が遮断されるまでの時間を測定した結果を示す。なお、電流値I1は図1において一方の固定抵抗素子、温度ヒューズ、他方の固定抵抗素子の回路を流れる電流値を示し、電流値I2は図2において一方の固定抵抗素子、第二のヒューズ、他方の固定抵抗素子の回路を流れる電流値を示す。
【表1】
【0018】
この測定結果の試料No1から4にから明らかなように、本発明によれば、ヒューズ回路2に印加される電圧が120Vあるいは240Vと比較的に低い場合には、固定抵抗素子4に対して第二ヒューズの抵抗値を1/10に設定しても、アークによる続流の心配はなく(ヒューズ両端電圧Efが第一ヒューズである温度ヒューズの定格電圧(例えば50V)よりも低い)、しかもヒューズ回路の遮断が短時間で行われていることが解る。もちろん、第二のヒューズの溶断時間までに固定抵抗素子が発火したり発煙したるすることはなかった。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果を奏する。
本抵抗器は、固定抵抗素子に温度ヒューズである第一のヒューズを直列に接続し、この第一のヒューズに第2のヒューズを並列に接続してあり、また第二のヒューズを、固定抵抗素子よりも小さな抵抗値で、過電流に対して第一のヒューズよりも僅かに遅れて溶断する程度の抵抗値と溶断特性を有するヒューズによって構成したので、温度ヒューズが溶断したときに、アークの発生や高電圧印加による溶断部の再溶着を阻止して続流が生じるのを防止でき、固定抵抗素子の発火や発煙を防止できるとともに、接続対象回路の内容如何では当該回路への通電停止も確実に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器を示す概念構成図。
【図2】図1の抵抗器の作用を示す概念構成図。
【図3】従来の温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器を示す概念構成図。
【符号の説明】
1 ケース
2 ヒューズ回路
3 接続対象回路
4 固定抵抗素子
5 温度ヒューズ(第一のヒューズ)
6 第二のヒューズ
Claims (5)
- 接続対象回路からの過電流によって発熱する固定抵抗素子と、固定抵抗素子の発熱によって溶断されるヒューズとを備えたヒューズ回路をケース内に収納し、このケース内部に耐熱性セメントを充填した温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器であって、
上記ヒューズは、固定抵抗素子に直列に接続された第一のヒューズと、第一のヒューズに並列に接続された第2のヒューズから成り、
第一のヒューズは、過電流によって生じる固定抵抗素子の発熱によって溶断される温度ヒューズによって構成され、
上記第二のヒューズは、上記固定抵抗素子よりも小さな抵抗値で、上記過電流に対して第一のヒューズよりも僅かに遅れて溶断する程度の抵抗値と溶断特性を有するヒューズによって構成される、
ことを特徴とする温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器。 - 前記固定抵抗素子は、直列に接続された2つの抵抗素子によって構成され、
これら2つの抵抗素子の間に上記第一のヒューズと第二のヒューズが接続されている、
請求項1記載の温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器。 - 前記第二のヒューズは、ヒューズ回路に印加される直流高電圧に対して、第一のヒューズとの並列回路両端に第一のヒューズの定格電圧とほぼ等しいかそれ以下の電圧を印加させる抵抗値に設定されている、
請求項1もしくは2記載の温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器。 - 前記第二のヒューズは、前記固定抵抗素子の1/20以下の抵抗値を有する、
請求項1から3のいずれかに記載の温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器。 - 前記第二のヒューズは、前記過電流によって溶断可能なコイルタイプの抵抗器から成る、
請求項1から4のいずれかに記載の温度ヒューズ内蔵セメント抵抗器。
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-
2003
- 2003-04-16 JP JP2003111037A patent/JP2004319239A/ja active Pending
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