JP2004319236A - 荷電粒子線観察・加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、たとえば半導体製造装置及び検査,加工装置に用いられる回転テーブルのラジアルおよびスラスト振れ,振動から引き起こされる像障害,加工障害の問題を抑制した荷電粒子線観察・加工装置を提供することを目的とする。
【解決手段】クランプ20は、クランプベース19によって回転可能に軸支されており、クランプ20の先端にはころがり軸受け21が回転可能に軸支された押圧部ベースに取り付けられており、クランプ20他端には、ネジの内部にばねが構成され、ネジを締めこむことによって押圧力を変化させるボールプランジャ23が入るようになっている。ボールプランジャ23により、クランプ20が持ち上げられ回転し、ころがり軸受け21が回転テーブル18の持つ上面が小さくなるような方向の傾斜面を押圧し、回転テーブルのラジアルおよびスラスト振れを抑制し、耐震性を向上させる。
【選択図】 図1
【解決手段】クランプ20は、クランプベース19によって回転可能に軸支されており、クランプ20の先端にはころがり軸受け21が回転可能に軸支された押圧部ベースに取り付けられており、クランプ20他端には、ネジの内部にばねが構成され、ネジを締めこむことによって押圧力を変化させるボールプランジャ23が入るようになっている。ボールプランジャ23により、クランプ20が持ち上げられ回転し、ころがり軸受け21が回転テーブル18の持つ上面が小さくなるような方向の傾斜面を押圧し、回転テーブルのラジアルおよびスラスト振れを抑制し、耐震性を向上させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体製造装置及び検査,加工装置に用いられる荷電粒子線観察・加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子線を用いた半導体製造装置及び検査,加工装置には、真空室内で試料を保持固定し移動,位置決めする手段として多軸ステージ、例えばXYZRTステージ機構がある。試料を回転させる従来の回転ステージ機構、たとえば特許文献1に記載のように、回転テーブルベースに軸支された回転テーブルと回転する駆動車と軸受けに軸支された与圧車とを備え回転テーブルと共に回転可能な与圧車を介して駆動車に押し付けることにより回転テーブルを駆動させるものでは、前述駆動車と予圧車により両側からほぼ均等な力で押圧されており、回転テーブル回転軸のラジアル変位は小さく抑えられるようになっていた。また、特許文献2に記載のように、ウォームとウォームホイールにより駆動させるものにおいては、回転テーブルのバックラッシュを除去する為、ウォームをウォームホイールに押し付けることにより予圧を与えバックラッシを除去する方法が用いられてきた。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−59557号公報
【特許文献2】
特開平10−163299号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、半導体ウエハの大型化に伴い、ウエハステージも大型化している。そのため、回転テーブルも大口径になり、回転テーブルが少し傾斜しただけでも、回転テーブル外周部のスラスト方向のずれ量は非常に大きくなる。同様に、回転ステージ機構の回転駆動機構がもつ回転方向のバックラッシュが小さくても外周部での移動量は非常に大きくなる。しかし、前述の2件の特許文献に開示された技術では、回転ステージ機構のスラスト方向のずれは何ら考慮されておらず、試料を観察する際、焦点ずれや像移動を生じる問題がある。また、ウォームをウォームホイールに押し当て、予圧力を大きくすることではバックラッシュは完全に取りきることは出来ず、ガタが存在し耐震性においても問題がある。本発明は、これらの問題を解決する、荷電粒子線観察・加工装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、回転ステージ機構において、回転テーブルに上面が小さくなるような方向の傾斜面を外周部に持たせ、その傾斜面に押圧部を押圧しラジアル方向およびスラスト方向の振れを同時に抑制した荷電粒子線観察・加工装置である。さらに、前記荷電粒子線観察・加工装置は、回転ステージ機構の回転伝達系に予圧力を与えるのではなく、回転テーブルの持つ傾斜面を直接押圧することにより回転テーブルと回転テーブルベース間のガタを取り、耐震性を向上させるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1ないし図2は、本発明の代表的な実施例として電子線を用いた半導体検査装置の例を以下に述べる。図1は電子線による半導体ウエハ検査装置の要部縦断面構成図である。図1の1は電子光学系であり、電子銃2から引き出された電子線3,排気系4によって真空排気された鏡体5に組み込まれた電子レンズ(収束レンズ6,対物レンズ7)から構成され、電子線3は試料室9の移動ステージ10上の試料保持機13によって機械的に保持されている試料(半導体ウエハ)12上に細く収束される。電子線3は同時に偏向器8により一方向または二次元的に高精度で試料(半導体ウエハ)上を走査される構造となっている。電子線3の走査範囲は小さいため試料(半導体ウエハ)12を移動ステージ10により移動、回転テーブル18により回転させて試料(半導体ウエハ)12の回路パターンの検査を行う。回転テーブルは上面が小さくなるような傾斜面を外周部に有し、回転テーブル押圧機構27により、回転テーブルが有する傾斜面を押圧し回転テーブルのラジアルおよびスラスト方向の振れを抑制し、耐震性を向上させてある。試料(半導体ウエハ)12の位置合わせは、移動ステージ10の位置をレーザ干渉計11で常に計測し位置合わせしている。試料(半導体ウエハ)12からの二次電子は二次電子検出器14で検出される。試料(半導体ウエハ)12の受け渡しは、ゲートバルブ15を通り、排気系4によって真空排気された予備排気室16内で、試料保持機13を介して行われる。図2は電子光学系が斜めに搭載されている半導体検査装置の要部縦断面構成図である。図に示すように電子光学系が斜めに搭載されている半導体検査装置においては、試料12のラジアルおよびスラスト振れによる焦点ずれ(ΔZ),像移動(ΔX)が非常に大きくなることがわかる。特にこのような形態において、回転テーブル18のラジアルおよびスラスト振れの抑制,耐震性を向上させることは非常に重要になる。図3は本発明の回転ステージ機構の例を示している。回転テーブルベース17の上に回転テーブル押圧機構27を配置し、上面が小さくなるような方向の傾斜面を外周部に有する回転テーブル18の傾斜面を押圧することによって、回転テーブル18のラジアルおよびスラスト振れを抑制し、耐震性を向上させ、回路パターンの検査中の像障害を低減させる。
【0007】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。図4は本発明の実施の形態の一例を示す図であり、回転テーブルベース上に配置される回転テーブル押圧機構を示す。18は回転テーブル、17は回転テーブルベース、21はころがり軸受け、22は押圧部ベース、20はクランプ、19はクランプベース、23はネジの内部にばねが構成され、ネジを締めこむことによって押圧力を変化させるボールプランジャである。ころがり軸受け21は押圧部ベース22に取り付けられている。押圧部ベース22はクランプ20に取り付けられており、常に回転テーブルが持つ傾斜面に垂直な方向に押圧するように回転可能に固定されている。クランプ20は回転テーブルベース17に固定されたクランプベース19によって回転可能に軸支されている。クランプ20には押圧部側と反対側にボールプランジャ23が入るようになっている。ボールプランジャ23により、クランプベース19によって回転可能に軸支されているクランプ20が持ち上げられ、回転しころがり軸受け21が回転テーブル18の持つ傾斜面を押圧する。また、クランプ20の回転中心からころがり軸受け21の距離に対しクランプ20の回転中心からボールプランジャ23の距離を長く取ることによって押圧力の微調整が可能になる。また、傾斜面をころがり軸受け21により押圧することにより、回転トルクの増加を抑え、回転テーブル18のラジアルおよびスラスト方向の振れの抑制が可能となる。また、回転テーブル18の傾斜面を押圧することにより、ラジアルとスラスト方向の押圧力のバランスを常に等しくすることができるため調整が短時間となり、小型な構成になる。更に回転テーブル18は駆動時も常に押圧されているため耐震性を向上させる効果を得る。
【0008】
本発明を電子線を用いた半導体製造装置または検査装置で実施した場合、各部材は放出ガス量が少ない部材を用いる。また、各部材が帯電及び磁化してしまうと、装置の仕様に悪影響を及ぼすので帯電及び磁化しにくい材料を用いるか、帯電処理,脱磁処理等を行うことが望ましい。
【0009】
図5は本発明の第2の実施形態を示す図である。尚、第1の実施形態と異なるのは圧力印加手段のみであり、他の点については第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。第2の実施形態では、第1の実施形態で使用した図3のボールプランジャ23の代わりに、圧電素子25を用いることによって電圧制御が可能となり、誰が調整しても同じ効果が望める。また、真空室内での調整が可能になるため、精度を必要としない移動時には、圧電素子25の圧力を下げモータの負荷を低減することができる。さらに、電子線を用いた半導体製造装置および検査装置で問題になる磁場,電場の影響も低減することが出来る。
【0010】
図6は本発明の第3の実施形態を示す図である。第3の実施形態による回転テーブルベース17上に配置される回転テーブル押圧機構は、クランプ20,クランプベース19,すべり軸受け24,押圧部ベース22,ばね26からなる。クランプベース19は回転テーブルベース17上に固定されている。クランプ20はその一端がクランプベース19に回転可能に固定されている。また、押圧部ベース22はクランプ20の他端に回転可能に固定されている。そのため、第1実施形態と同様にすべり軸受け24が摩耗しても常に回転テーブル18が持つ傾斜面に垂直な方向から押圧するようになっている。また、クランプ20のクランプベース19と押圧部ベース22との間にばね26の一端が固定され、もう一端は回転テーブルベース17に固定されており、そのばね26の張力によりすべり軸受け24が回転テーブル18の持つ傾斜面を押圧するようになっている。押圧力は、ばね26の張力を変更する、或いは、ばね26の取り付け位置を変えることによって調整する。第3の実施形態は第1の実施形態と一見構成が異なるが、第1の実施形態と同様な働きをするが、すべり軸受けを押圧することによって、特に耐震性を向上させることに効果がある。
【0011】
図7は本発明の第4の実施形態を示す図である。第4の実施形態による回転テーブルベース17上に配置される回転テーブル押圧機構は、ボールプランジャ23,クランプ20,クランプベース19,すべり軸受け24,押圧部ベース22からなる。クランプベース19は回転テーブルベース17上に固定されている。クランプ20先端に押圧部ベース22が回転可能に軸支されており、第1実施形態と同様にすべり軸受け24が摩耗しても常に回転テーブルが持つ傾斜面に垂直な方向に押圧するようになっている。クランプ20は水平な方向に移動可能にクランプベース19に取り付けられており、クランプベース19に取り付けられたボールプランジャ23によって、クランプ20が水平な方向に押され、すべり軸受け24を回転テーブル18の持つ傾斜面を垂直な方向から押圧するようになっている。第4の実施形態は第1の実施形態と一見構成が異なるが、第1の実施形態と同様な働きをするが、すべり軸受けを押圧することによって、特に耐震性を向上させることに効果がある。
【0012】
図8,図9は本発明を実施する際の配置の形態を示す図である。本発明は回転テーブルを直接押圧することにより予圧を与えるものであり、回転テーブルの外周方向に配置される。また、図8のような3点方向の配置でも、図9のように4点方向でも、本発明を複数個配置することにより効果は得られる。
【0013】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているため、回転テーブルのラジアルおよびスラスト方向の振れを抑制することができ、さらに耐震性を向上することができる。すなわち、たとえば電子線を用いた半導体製造装置及び検査,加工装置でウエハを観察する際の像障害を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が実施される電子線を用いた半導体検査装置の例の要部縦断面図。
【図2】本発明が実施される電子光学系が斜めに搭載された半導体検査装置の例の要部縦断面図。
【図3】図1および図2の回転ステージ機構上の回転テーブル押圧機構の適用図。
【図4】図1および図2の回転ステージ機構上の回転テーブル押圧機構の構成図。
【図5】同じく他の実施例となる図1および図2の回転テーブル押圧機構の構成図。
【図6】同じく他の実施例となる図1および図2の回転テーブル押圧機構の構成図。
【図7】同じく他の実施例となる図1および図2の回転テーブル押圧機構の構成図。
【図8】図1および図2の回転ステージ上の回転テーブル押圧機構の配置図。
【図9】図1および図2の回転ステージ上の回転テーブル押圧機構の配置図。
【符号の説明】
1…電子光学系、2…電子銃、3…電子線、4…排気系、5…鏡体、6…収束レンズ、7…対物レンズ、8…偏向器、9…試料室、10…移動ステージ、11…レーザ干渉計、12…試料、13…試料保持機、14…二次電子検出器、15…ゲートバルブ、16…予備排気室、17…回転テーブルベース、18…回転テーブル、19…クランプベース、20…クランプ、21…ころがり軸受け、22…押圧部ベース、23…ボールプランジャ、24…すべり軸受け、25…圧電素子、26…ばね、27…回転テーブル押圧機構。
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体製造装置及び検査,加工装置に用いられる荷電粒子線観察・加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子線を用いた半導体製造装置及び検査,加工装置には、真空室内で試料を保持固定し移動,位置決めする手段として多軸ステージ、例えばXYZRTステージ機構がある。試料を回転させる従来の回転ステージ機構、たとえば特許文献1に記載のように、回転テーブルベースに軸支された回転テーブルと回転する駆動車と軸受けに軸支された与圧車とを備え回転テーブルと共に回転可能な与圧車を介して駆動車に押し付けることにより回転テーブルを駆動させるものでは、前述駆動車と予圧車により両側からほぼ均等な力で押圧されており、回転テーブル回転軸のラジアル変位は小さく抑えられるようになっていた。また、特許文献2に記載のように、ウォームとウォームホイールにより駆動させるものにおいては、回転テーブルのバックラッシュを除去する為、ウォームをウォームホイールに押し付けることにより予圧を与えバックラッシを除去する方法が用いられてきた。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−59557号公報
【特許文献2】
特開平10−163299号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、半導体ウエハの大型化に伴い、ウエハステージも大型化している。そのため、回転テーブルも大口径になり、回転テーブルが少し傾斜しただけでも、回転テーブル外周部のスラスト方向のずれ量は非常に大きくなる。同様に、回転ステージ機構の回転駆動機構がもつ回転方向のバックラッシュが小さくても外周部での移動量は非常に大きくなる。しかし、前述の2件の特許文献に開示された技術では、回転ステージ機構のスラスト方向のずれは何ら考慮されておらず、試料を観察する際、焦点ずれや像移動を生じる問題がある。また、ウォームをウォームホイールに押し当て、予圧力を大きくすることではバックラッシュは完全に取りきることは出来ず、ガタが存在し耐震性においても問題がある。本発明は、これらの問題を解決する、荷電粒子線観察・加工装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、回転ステージ機構において、回転テーブルに上面が小さくなるような方向の傾斜面を外周部に持たせ、その傾斜面に押圧部を押圧しラジアル方向およびスラスト方向の振れを同時に抑制した荷電粒子線観察・加工装置である。さらに、前記荷電粒子線観察・加工装置は、回転ステージ機構の回転伝達系に予圧力を与えるのではなく、回転テーブルの持つ傾斜面を直接押圧することにより回転テーブルと回転テーブルベース間のガタを取り、耐震性を向上させるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1ないし図2は、本発明の代表的な実施例として電子線を用いた半導体検査装置の例を以下に述べる。図1は電子線による半導体ウエハ検査装置の要部縦断面構成図である。図1の1は電子光学系であり、電子銃2から引き出された電子線3,排気系4によって真空排気された鏡体5に組み込まれた電子レンズ(収束レンズ6,対物レンズ7)から構成され、電子線3は試料室9の移動ステージ10上の試料保持機13によって機械的に保持されている試料(半導体ウエハ)12上に細く収束される。電子線3は同時に偏向器8により一方向または二次元的に高精度で試料(半導体ウエハ)上を走査される構造となっている。電子線3の走査範囲は小さいため試料(半導体ウエハ)12を移動ステージ10により移動、回転テーブル18により回転させて試料(半導体ウエハ)12の回路パターンの検査を行う。回転テーブルは上面が小さくなるような傾斜面を外周部に有し、回転テーブル押圧機構27により、回転テーブルが有する傾斜面を押圧し回転テーブルのラジアルおよびスラスト方向の振れを抑制し、耐震性を向上させてある。試料(半導体ウエハ)12の位置合わせは、移動ステージ10の位置をレーザ干渉計11で常に計測し位置合わせしている。試料(半導体ウエハ)12からの二次電子は二次電子検出器14で検出される。試料(半導体ウエハ)12の受け渡しは、ゲートバルブ15を通り、排気系4によって真空排気された予備排気室16内で、試料保持機13を介して行われる。図2は電子光学系が斜めに搭載されている半導体検査装置の要部縦断面構成図である。図に示すように電子光学系が斜めに搭載されている半導体検査装置においては、試料12のラジアルおよびスラスト振れによる焦点ずれ(ΔZ),像移動(ΔX)が非常に大きくなることがわかる。特にこのような形態において、回転テーブル18のラジアルおよびスラスト振れの抑制,耐震性を向上させることは非常に重要になる。図3は本発明の回転ステージ機構の例を示している。回転テーブルベース17の上に回転テーブル押圧機構27を配置し、上面が小さくなるような方向の傾斜面を外周部に有する回転テーブル18の傾斜面を押圧することによって、回転テーブル18のラジアルおよびスラスト振れを抑制し、耐震性を向上させ、回路パターンの検査中の像障害を低減させる。
【0007】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。図4は本発明の実施の形態の一例を示す図であり、回転テーブルベース上に配置される回転テーブル押圧機構を示す。18は回転テーブル、17は回転テーブルベース、21はころがり軸受け、22は押圧部ベース、20はクランプ、19はクランプベース、23はネジの内部にばねが構成され、ネジを締めこむことによって押圧力を変化させるボールプランジャである。ころがり軸受け21は押圧部ベース22に取り付けられている。押圧部ベース22はクランプ20に取り付けられており、常に回転テーブルが持つ傾斜面に垂直な方向に押圧するように回転可能に固定されている。クランプ20は回転テーブルベース17に固定されたクランプベース19によって回転可能に軸支されている。クランプ20には押圧部側と反対側にボールプランジャ23が入るようになっている。ボールプランジャ23により、クランプベース19によって回転可能に軸支されているクランプ20が持ち上げられ、回転しころがり軸受け21が回転テーブル18の持つ傾斜面を押圧する。また、クランプ20の回転中心からころがり軸受け21の距離に対しクランプ20の回転中心からボールプランジャ23の距離を長く取ることによって押圧力の微調整が可能になる。また、傾斜面をころがり軸受け21により押圧することにより、回転トルクの増加を抑え、回転テーブル18のラジアルおよびスラスト方向の振れの抑制が可能となる。また、回転テーブル18の傾斜面を押圧することにより、ラジアルとスラスト方向の押圧力のバランスを常に等しくすることができるため調整が短時間となり、小型な構成になる。更に回転テーブル18は駆動時も常に押圧されているため耐震性を向上させる効果を得る。
【0008】
本発明を電子線を用いた半導体製造装置または検査装置で実施した場合、各部材は放出ガス量が少ない部材を用いる。また、各部材が帯電及び磁化してしまうと、装置の仕様に悪影響を及ぼすので帯電及び磁化しにくい材料を用いるか、帯電処理,脱磁処理等を行うことが望ましい。
【0009】
図5は本発明の第2の実施形態を示す図である。尚、第1の実施形態と異なるのは圧力印加手段のみであり、他の点については第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。第2の実施形態では、第1の実施形態で使用した図3のボールプランジャ23の代わりに、圧電素子25を用いることによって電圧制御が可能となり、誰が調整しても同じ効果が望める。また、真空室内での調整が可能になるため、精度を必要としない移動時には、圧電素子25の圧力を下げモータの負荷を低減することができる。さらに、電子線を用いた半導体製造装置および検査装置で問題になる磁場,電場の影響も低減することが出来る。
【0010】
図6は本発明の第3の実施形態を示す図である。第3の実施形態による回転テーブルベース17上に配置される回転テーブル押圧機構は、クランプ20,クランプベース19,すべり軸受け24,押圧部ベース22,ばね26からなる。クランプベース19は回転テーブルベース17上に固定されている。クランプ20はその一端がクランプベース19に回転可能に固定されている。また、押圧部ベース22はクランプ20の他端に回転可能に固定されている。そのため、第1実施形態と同様にすべり軸受け24が摩耗しても常に回転テーブル18が持つ傾斜面に垂直な方向から押圧するようになっている。また、クランプ20のクランプベース19と押圧部ベース22との間にばね26の一端が固定され、もう一端は回転テーブルベース17に固定されており、そのばね26の張力によりすべり軸受け24が回転テーブル18の持つ傾斜面を押圧するようになっている。押圧力は、ばね26の張力を変更する、或いは、ばね26の取り付け位置を変えることによって調整する。第3の実施形態は第1の実施形態と一見構成が異なるが、第1の実施形態と同様な働きをするが、すべり軸受けを押圧することによって、特に耐震性を向上させることに効果がある。
【0011】
図7は本発明の第4の実施形態を示す図である。第4の実施形態による回転テーブルベース17上に配置される回転テーブル押圧機構は、ボールプランジャ23,クランプ20,クランプベース19,すべり軸受け24,押圧部ベース22からなる。クランプベース19は回転テーブルベース17上に固定されている。クランプ20先端に押圧部ベース22が回転可能に軸支されており、第1実施形態と同様にすべり軸受け24が摩耗しても常に回転テーブルが持つ傾斜面に垂直な方向に押圧するようになっている。クランプ20は水平な方向に移動可能にクランプベース19に取り付けられており、クランプベース19に取り付けられたボールプランジャ23によって、クランプ20が水平な方向に押され、すべり軸受け24を回転テーブル18の持つ傾斜面を垂直な方向から押圧するようになっている。第4の実施形態は第1の実施形態と一見構成が異なるが、第1の実施形態と同様な働きをするが、すべり軸受けを押圧することによって、特に耐震性を向上させることに効果がある。
【0012】
図8,図9は本発明を実施する際の配置の形態を示す図である。本発明は回転テーブルを直接押圧することにより予圧を与えるものであり、回転テーブルの外周方向に配置される。また、図8のような3点方向の配置でも、図9のように4点方向でも、本発明を複数個配置することにより効果は得られる。
【0013】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているため、回転テーブルのラジアルおよびスラスト方向の振れを抑制することができ、さらに耐震性を向上することができる。すなわち、たとえば電子線を用いた半導体製造装置及び検査,加工装置でウエハを観察する際の像障害を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が実施される電子線を用いた半導体検査装置の例の要部縦断面図。
【図2】本発明が実施される電子光学系が斜めに搭載された半導体検査装置の例の要部縦断面図。
【図3】図1および図2の回転ステージ機構上の回転テーブル押圧機構の適用図。
【図4】図1および図2の回転ステージ機構上の回転テーブル押圧機構の構成図。
【図5】同じく他の実施例となる図1および図2の回転テーブル押圧機構の構成図。
【図6】同じく他の実施例となる図1および図2の回転テーブル押圧機構の構成図。
【図7】同じく他の実施例となる図1および図2の回転テーブル押圧機構の構成図。
【図8】図1および図2の回転ステージ上の回転テーブル押圧機構の配置図。
【図9】図1および図2の回転ステージ上の回転テーブル押圧機構の配置図。
【符号の説明】
1…電子光学系、2…電子銃、3…電子線、4…排気系、5…鏡体、6…収束レンズ、7…対物レンズ、8…偏向器、9…試料室、10…移動ステージ、11…レーザ干渉計、12…試料、13…試料保持機、14…二次電子検出器、15…ゲートバルブ、16…予備排気室、17…回転テーブルベース、18…回転テーブル、19…クランプベース、20…クランプ、21…ころがり軸受け、22…押圧部ベース、23…ボールプランジャ、24…すべり軸受け、25…圧電素子、26…ばね、27…回転テーブル押圧機構。
Claims (6)
- 試料は試料保持器に保持され、試料保持器は回転テーブル上に固定され、回転テーブルは回転テーブルベースに回転可能に支持され、粒子線で前記試料表面を走査、前記試料表面から発生する信号を検出器により検出し、前記検出器で検出された信号により前記試料表面の形状を観察、前記粒子線を前記試料に照射することにより加工する荷電粒子線観察・加工装置において、前記回転テーブルには上面が小さくなるような方向の傾斜面が外周部に形成され、前記傾斜面を押圧するための複数のクランプを有し、前記クランプの先端には前記傾斜面を押圧する押圧部が押圧部ベースに取り付けられ、前記押圧部ベースは、回転可能に軸支され、前記クランプに作用し、前記押圧部を前記傾斜面に押圧する押圧力印加手段を備えることを特徴とする荷電粒子線観察・加工装置。
- 請求項1に記載の荷電粒子線観察・加工装置であって、クランプの先端には傾斜面を押圧する押圧部が押圧部ベースに取り付けられ、前記押圧部ベースは、回転可能に軸支され、前記クランプの他端には押圧力印加手段を備え、前記押圧部ベースと前記押圧力印加手段の間に前記クランプベースが前記回転テーブルベースに取り付けられ、クランプが回転可能にクランプベースに軸支されたことを特徴とする特許請求の範囲第1項の荷電粒子線観察・加工装置。
- 請求項1に記載の荷電粒子線観察・加工装置であって、クランプの先端には傾斜面を押圧する押圧部が押圧部ベースに取り付けられ、前記押圧部ベースは、回転可能に軸支され、前記クランプの他端にはクランプベースが回転テーブルベースに取り付けられ、前記クランプが回転可能に前記クランプベースに軸支され、前記押圧部ベースと前記クランプベースの間に押圧力印加手段を備えたことを特徴とする特許請求の範囲第1項の荷電粒子線観察・加工装置。
- 請求項1に記載の荷電粒子線観察・加工装置であって、クランプの先端には傾斜面を押圧する押圧部が押圧部ベースに取り付けられ、前記押圧部ベースは、回転可能に軸支され、前記クランプはクランプベースに水平な方向に移動可能に支持され、押圧力印加手段による押圧力は前記クランプに対して水平な方向に作用されることを特徴とする特許請求の範囲第1項の荷電粒子線観察・加工装置。
- 押圧部は、ころがり軸受け,すべり軸受けで構成されたことを特徴とする特許請求の範囲第1,2,3,4項の荷電粒子線観察・加工装置。
- 押圧力印加手段として、弾性体,圧電素子、或いはネジを有することを特徴とする特許請求の範囲第1,2,3,4項の荷電粒子線観察・加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003110975A JP2004319236A (ja) | 2003-04-16 | 2003-04-16 | 荷電粒子線観察・加工装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011013196A (ja) * | 2009-07-06 | 2011-01-20 | Hitachi High-Technologies Corp | 走査型電子顕微鏡 |
CN105716650A (zh) * | 2014-12-01 | 2016-06-29 | 昆山康斯特精密机械有限公司 | 第三代轮毂单元的端面跳动及螺栓检测一体机 |
JP2022107302A (ja) * | 2021-01-08 | 2022-07-21 | 日本電子株式会社 | 試料ホルダーおよび荷電粒子線装置 |
-
2003
- 2003-04-16 JP JP2003110975A patent/JP2004319236A/ja active Pending
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JP2011013196A (ja) * | 2009-07-06 | 2011-01-20 | Hitachi High-Technologies Corp | 走査型電子顕微鏡 |
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