JP2004317798A - 画像表示装置 - Google Patents
画像表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004317798A JP2004317798A JP2003111690A JP2003111690A JP2004317798A JP 2004317798 A JP2004317798 A JP 2004317798A JP 2003111690 A JP2003111690 A JP 2003111690A JP 2003111690 A JP2003111690 A JP 2003111690A JP 2004317798 A JP2004317798 A JP 2004317798A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- optical system
- image
- display
- optical
- eye
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Lenses (AREA)
Abstract
【課題】軽量で小型の頭部装着型の画像表示装置であって、安価であり、且つ広画角の表示が可能である頭部装着型画像表示装置を提供する。
【解決手段】一枚の画像表示素子と、前記画像表示素子に表示された画像を含む光束をそれぞれ観察者の左右の眼球に導く略鏡面対称な位置に配置された略同一形状の光学要素群より成る左右眼用の表示光学系であって、少なくても一面以上の反射面を有する表示光学系とを有する頭部装着型の画像表示装置において、観察者の左右の眼球瞳からそれぞれ逆光線追跡を行った際の最初の反射面において、左右の眼球瞳からの光束が互いに離れる方向に反射されることを特徴とする画像表示装置を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】一枚の画像表示素子と、前記画像表示素子に表示された画像を含む光束をそれぞれ観察者の左右の眼球に導く略鏡面対称な位置に配置された略同一形状の光学要素群より成る左右眼用の表示光学系であって、少なくても一面以上の反射面を有する表示光学系とを有する頭部装着型の画像表示装置において、観察者の左右の眼球瞳からそれぞれ逆光線追跡を行った際の最初の反射面において、左右の眼球瞳からの光束が互いに離れる方向に反射されることを特徴とする画像表示装置を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、観察者の頭部に装着して観察者の眼に画像を提供する頭部装着型の画像表示装置(ヘッドマウントディスプレイ)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、CRTやLCD等の画像表示素子を用い、これらの表示素子に表示された原画像を光学系を介して拡大表示して観察者に提供する頭部装着型の画像表示装置(ヘッドマウントディスプレイ)が良く知られている。
【0003】
この頭部装着型の画像表示装置は、装置が観察者の頭部に装着されるため、特に装置全体の小型化、軽量化が要望される。また、重量バランスや外観等を考慮すると、観察者の視軸方向に薄型であることが好ましい。また、観察者が観察する画角を大きくして表示される画像に迫力を持たせるために、できるだけ大きな拡大像を提供することが望まれている。一方、コスト面では安価で提供されることが望まれている。
【0004】
これに対する解答の一つとして、単一の画像表示手段を用い、該画像表示手段に表示された単一の原画像を左右それぞれの眼に導く光学系とを組み合わせた単一原画双眼観察HMDが、古くはUSP4322135等に提案されている。この様なHMDにおいて、光学系に偏心自由曲面を持つプリズムを組み合わせ、小型・軽量、安価なタイプの画像表示装置も近年提案されており、特開平9−61748、特開平9−247579、特開2001−177785、特開2001−194618、特開2001−194619等にその構成が開示されている。
【0005】
さらに、これらの要求に加えて、立体表示が可能であることも期待されている。前記の特開2001−194619には、単一原画双眼観察HMDにおいて、偏心自由曲面を持つプリズムを採用し、観察者の左右の眼に入射させる画像を切り換えて表示することで立体映像をみることができる装置が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来方式において、例えば特開平9−61748、特開平9−247579等では、左右眼に提供する画像を単一の表示素子により表示することにより構成を簡素化しているが、一方で左右眼用の光学系がそれぞれ異なる構成を有しているため、それぞれの光学系を構成する光学素子等の構成部品数が増加し、高コストになってしまう。
【0007】
また、特開2001−194619等においては、同様に左右眼に提供する画像を単一の表示素子により表示し、また左右眼用の光学系が共通の光学素子等から構成される。この構成においては、単一の表示素子に表示された画像を、共通の光学素子を用いた左右眼用の光学系を用いて観察者の両眼に提供することに起因して、観察者に提示される画像を広画角化することが困難であった。
【0008】
図14には、単一の表示素子に表示された画像を、同一の光学素子から構成される左右眼用の光学系を用いて観察者の両眼に提供する構成の例を示す。左眼用の光路について、表示手段111から発せられた光は、小型の偏心プリズム112Lの入射面113Lに入射する。そして、プリズム112Lに形成した曲率を有した全反射面114Lと反射面115Lとの間で光束が折り畳まれ、その後、面114Lより偏心プリズム112Lから射出して観察者の左眼ELに導かれる。同様に右眼用の光路について、表示手段111から発せられた光は、小型の偏心プリズム112Rの入射面113Rに入射する。そして、プリズム112Rに形成した曲率を有した全反射面114Rと反射面115Rとの間で光束が折り畳まれ、その後、面114Rより偏心プリズム112Rから射出して観察者の左眼ERに導かれる。このような光学系により、表示素子(LCD)111に表示された単一の原画の虚像が観察者の左右の眼で観察される。また、表示手段111に交互に左右の表示像を表示し、右眼用画像は右眼光学系を介して右眼に入り、左眼用画像は左眼光学系を介して左眼に入る様に表示手段111の照明光源を制御することで立体画像を観察できるように構成できる。
【0009】
しかし、図14に示した構成を逆光線追跡で解析すると、観察者の眼側からの光線は、面114R、Lからプリズムに入射し、偏心反射面である反射面115L,115Rによりそれぞれ表示手段111の設置された両眼の中央方向に折り曲げられる。そして、その後、面114R,Lを全反射面として反射して表示手段111に入射する。
【0010】
この時、面114R,Lを全反射面として反射するためには、当該全反射を行う領域であるEA1L,EA1Rの領域が面114L,114Rに必要であり、画角を広げるためにはこれらの領域EA1L,EA1Rを広げる必要がある。しかし、観察者の左右眼EL,ERの間の距離IPDは観察者に応じて必然的に決まってしまうため、領域EA1L,EA1Rを極端に広げることは不可能である。このように、逆光線追跡において最初の反射面が光線を内側に曲げる構成になっていたため、大幅な広画角の立体映像の表示は望めなかった。
【0011】
本発明は、上記問題点を解決して、単一の表示素子に表示された原画を左右眼に導く光学系であり、且つ左右眼用の光学系を鏡面対称な同一構成の光学系とすることで高い光学性能を確保しながら製造コストを抑えるとともに、コンパクト且つ広画角化に適した光学系を有する画像表示装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明に係る画像表示装置は、一枚の画像表示素子と、前記画像表示素子に表示された画像を含む光束をそれぞれ観察者の左右の眼球に導く略鏡面対称な位置に配置された略同一形状の光学要素群より成る左右眼用の表示光学系であって、少なくても一面以上の反射面を有する表示光学系とを有する頭部装着型の画像表示装置において、観察者の左右の眼球瞳からそれぞれ逆光線追跡を行った際の最初の反射面において、左右の眼球瞳からの光束が互いに離れる方向に反射され、且つ前記画像表示素子を照明する光源は左右の眼球に到達する光束を交互に射出し、前記画像表示素子は前記光源に同期して左右眼用の画像を交互に表示することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は、本発明の画像表示装置の第1実施形態を示す要部構成図である。図中の実線は、表示手段1の表示面SIの中心を発し、左右眼用光学系2,3のそれぞれの瞳中心に到る中心画角主光線を示している。
【0014】
図1に示した画像表示装置の左眼用の光学系においては、左眼用光源5Lにより原画を表示するための透過型の表示手段1を照明する。表示手段1を通過した光束は、光学素子24及び23からなる左眼用光学系2により観察者の左眼瞳孔位置ELに導光される。
【0015】
左眼用光源5Lからの光束により表示手段1を照明する際に、光の利用効率を高め、且つ表示手段1を透過した光が右眼用光学系3に入射することを防ぐために、光学系6Lにより光束を略平行光束とすることが好ましい。また、左眼用光源5Lからの光の配光分布の中心を左眼用光学系2の中心画角主光線と一致させることで、ロスのない明るい表示を行うことが好ましい。
【0016】
光学素子24は、表示手段1からの光束を透過する透過面SL5、透過面SL5から入射した光束を反射する反射面SL4、光学素子23との接合面であって前記光束を光学素子23に入射させる接合面SL2からなるプリズム体である。反射面SL4は、全反射面とすることも可能であるが、光学設計の自由度を上げるためには金属蒸着等により反射膜を施すことが望ましい。
【0017】
光学素子23は、光学素子24との接合面であって光学素子24からの光束を透過し、且つ反射する接合面SL2、接合面SL2を透過して入射した前記光束に対して透過面又は反射面として機能する面SL1、光束を反射する反射面SL3からなるプリズム体である。接合面SL2は透過面及び反射面として機能するため、光学設計の自由度を向上するために半透過反射膜を施すことが好ましい。面SL1は、本実施形態においては、後に説明するような折返し反射面としても機能するため、当該折返し反射を行う領域には反射面が施されている。
【0018】
右眼用光学系3は、左眼用光学系2と略同一の作用を有するように構成され、右眼用光源5Rにより照明された左眼用と共用される表示手段1を通過した光束を、光学素子34及び33により観察者の右眼瞳孔位置ERに導光する。右眼用光学系3は、左眼用光学系2と略同一の光学的作用を有していればその構成を自由に決定することができるが、光学設計の負荷の低減のためには左眼用光学系2と鏡面対称の構成を有することが望ましい。
【0019】
更に、後に詳しく説明するように、本実施形態においては左眼用光学系2と右眼用光学系3とを構成する各光学面は紙面断面に対して面対称形状であることが望ましい。つまり、左眼用光学系2と右眼用光学系3とは表示手段1の表示面SI中心を通る法線CLに対して180°回転した位置に同一要素を配置した構成とすることが望ましい。このように構成することで、左眼用光学系2と右眼用光学系3とが同一の光学要素によって構成できるため、製造コスト低減の効果が得られる。
【0020】
以上説明したように構成された、左右眼で共用される表示手段1、左眼用光学系2と右眼用光学系3、及び光源5L、5Rを用いて、例えば、表示手段1に画像を表示した状態で光源5L、5Rを点灯させることで、両眼に同様の画像を提示することができる。また、眼球の残像時間に対して十分に短い周期で表示手段1に左眼用と右眼用の画像を交互に表示し、それに同期して光源5L、5Rを交互に点灯させることで左右眼に異なる画像を提示することができる。更に、左右眼に提示する画像を視差画像とすることで、観察者に立体像を観察させることができる。
【0021】
また、本実施形態における中心画角主光線を逆光線追跡した場合、眼球位置から光学素子23,24に入射した光線が最初に反射を受ける際に、光束を外側に反射する構成となっており、左右眼の外側の領域に必要な光学作用を行うための光学面を設置可能なため、観察者に対して広画角の画像表示を行うことが可能である。上記逆光線追跡の光束が最初の反射面で反射を受ける方向は、必ずしも図1に示したような同一平面内である必要は無い。つまり、当該反射により両眼からの光束がお互いに離れるような方向性が得られるような反射であれば、必要に応じて上下方向の成分を含む反射であってもよい。
【0022】
図2は、図1に示した本実施形態における中心画角主光線に合わせて最大画角主光線を点線で示す。また、図3は本実施形態における中心画角主光線と共に、中心画角に対する有効瞳径を形成するマージナル光線を点線で示す。
【0023】
図2に示すように、該図の断面で表示手段1の表示面SIの有効表示領域の左右両端を透過した光が、それぞれ観察者の瞳孔位置EL,ERに集まるように、左眼用光学系2及び右眼用光学系3の射出瞳が形成されている。また、図3に示すように、表示手段1の表示面SI中心を発した光線を、左眼用光学系2及び右眼用光学系3により略平行光に変換することにより、観察者が認識する提示される画像の位置を略無限遠、又は実際の表示面SIまでの距離に比して遠い距離にあるものとすることができる。
【0024】
以下、本実施形態において、特に望ましい形態において観察者に画像を提示する機構を、主に左眼用に提示される画像について主に図1を用いて説明する。
【0025】
光源5Lから射出された照明光は光学系6Lで略平行光束に変換され、表示手段1を照明する。この光源5Lの点灯に同期して、表示手段1には左眼用の視差画像が表示されるよう不図示の画像生成装置ならびに画像制御回路などのコントローラで制御する。
【0026】
表示手段1の表示面SIを透過した光束は、面SL5よりプリズム24に入射し、面SL4で反射され、面SL2に導かれる。面SL2はプリズム24とプリズム23との接合面であり、少なくとも一方に半透過反射膜を施して接合されたハーフミラー面である。面SL2に導かれた光束の一部は、面SL2を透過してプリズム23に入射する。プリズム23に入射した光は面SL1で反射され、面SL3で反射されて再度面SL1に向かい、面SL1で面SL3に戻るように反射される。面SL3で再度反射された光は、面SL1で最初に反射された領域側に向かい、面SL1で更に反射される。面SL1で反射された光束の一部は、ハーフミラー面SL2で反射された後、面SL1に向かい、今度は面SL1を透過して観察者の左眼ELに導かれる。
【0027】
右眼用に提示される画像についても同様に、観察者の右眼ERに導かれる。
【0028】
前述した様に、本実施形態では、それぞれの光源5R,5Lからの光の配光分布の中心をそれぞれの表示光学系3,2の中心画角主光線と一致させて構成しており、液晶などの表示手段1の視野角特性から左眼用照明光学系(5L,6L)で照明した左眼用視差画像の光は左眼用光学系2の方向へのみ導かれ、右眼用光学系3へは入射せず、また、右眼用照明光学系(5R,6R)で照明した右眼用視差画像の光は右眼用光学系3の方向へのみ導かれ、左眼用光学系2へは入射しないように構成される。このような構成により、光源5Lと5Rの点灯を交互に行い、それに同期して左右の視差画像を表示手段1に表示することで、観察者の左右の眼に異なる画像を提示することが可能となる。特に、それぞれの眼に視差画像を提示することで、観察者に立体画像を観察させることができる。
【0029】
面SL1での最初の反射及び3回目の反射は、当該面SL1に半透過反射膜を施したハーフミラーでの反射としても良いし、内部全反射を利用するようにしても良い。内部全反射を用いるようにすると、光利用効率が高くなるため、明るい画像表示装置を提供でき好ましい。また、面SL1での透過の際に有効光束が通る領域には反射膜を施さずに内部全反射を用い、それ以外の部位に反射膜を施して反射させるようにすると、全ての反射光束に対し内部全反射を用いる場合に比べてさほど明るさを損なうことなく、光学設計の自由度を上げることができるため、光学性能向上乃至光学系の小型化を図ることが可能となる。
【0030】
また、面SL1での2回目の反射は、偏心反射面SL3で反射して面SL1に入射した光を反射面SL3に向けて反射する折返し反射である。このような折返し反射では光束が面SL1にほぼ垂直に入射する必要があり、内部全反射による反射が利用できないため、当該折返し反射を生じる面SL1上の領域には反射膜を形成することが必須である。
【0031】
このように面SL1上の一部領域には反射膜を施し、また他の領域は光束を透過させる必要があり、更にそれらの領域の間の領域では内部全反射により反射を生じさせる必要がある。このような場合には、反射膜を施す領域と施さない領域の境目付近で、施される反射膜の膜厚を徐々に増すようなグラデーション反射膜とすると、その境界部が目立たなくなるために好ましい。
【0032】
本実施形態において説明する画像表示装置では、先に説明したように、面SL1において偏心反射面SL3で反射して面SL1に入射した光を反射面SL3に向けて略正反対に反射する折返し反射を生じるように構成されている。所定の光学面においてこのような折返し反射を生じさせることで、図1に示した左眼用光学系2の中で面SL2→SL1→SL3→SL1→SL3→SL1→SL2と光路を重複させた往復光路を形成し、実際には非常に小型の光学系内に長い光路長を形成している。
【0033】
このような折返し反射の前後の反射面、例えば面SL3での反射に着目した場合、面SL3への入射方向を示すベクトルと反射方向を示すベクトルの成す外積の方向が往路と復路でそれぞれ略正反対方向となる。このように特徴付けられる折返し面での反射を利用することにより、通常の略対向した二面間でのジグザグ反射に比べて、歪みの発生を抑制しつつ狭い空間に長い光路を納めることが可能となる。また、本実施形態では、例えば面SL3での反射が二回行われる様子を示しているが、本発明はこれに限定されることはなく、複数回の折返しにより所定の反射面を3回以上反射させてその光学パワーを利用してもよい。
【0034】
また、図1においては、折返し面への入射光と反射光が紙面内にある場合を示しているが、必ずしもこのように設定される必要はない。つまり、折返し面で反射される光に紙面に垂直な方向の成分を折返し面により与えられてもよい。この場合には、例えば面SL3での反射に着目した場合、面Aへの入射方向を示すベクトルと反射方向を示すベクトルの成す外積の方向が往路と復路でそれぞれ鈍角である角度を成すこととなる。また、当該外積同士の成す内積が負になることによっても光路の構成が特徴づけられる。さらに、折返し面だけでなく、他の反射面においても紙面に垂直な方向の成分を反射される光に与えてもよい。このようにすることで、各反射面は光線に対して紙面と垂直方向の偏心も有することとなり、光学設計の自由度を向上することができる。
【0035】
このように、光路を折り返して往路と復路をほぼ重複させることにより、実質的に同一の光学面を複数回使用し、光学性能を犠牲にすることなく光学素子を小型にすることができ、画像表示装置全体を小型化可能である。
【0036】
更に、折り畳まれた光路を形成する反射面SL1,SL2,SL3を偏心反射面とすることで、薄型の光学素子内で光路を折り畳むことが可能となり、更に小型且つ薄型の光学系内に長い光路長をとることができる。
【0037】
また、本実施形態において説明する画像表示装置では、左眼用光学系2を構成する偏心反射面SL1,SL2,SL3の3つの反射面のうち、少なくとも一面を曲面として表示手段1の表示面SIに表示された原画を拡大提示するようにしている。これらの偏心反射面のうち、曲面反射面を増やすと、結像乃至収差補正に寄与しない光学要素を削減することが出来るため、コスト削減若しくは光学性能向上をもたらすことができる。
【0038】
また、反射面SL1は、前述した往復光路形成のために、中心画角主光線を略垂直に反射するような角度で配置されているため、必ずしも中心画角主光線に対して偏心している必要はない。ここで略垂直に反射とあるのは、SL3で反射されてSL1に入射して反射され、再度SL3に向かう光束の中心画角主光線について、SL1への入射光線と射出光線のなす角度θ(絶対値)がθ<45°となることをいう。この条件を超えると、面SL3での反射を折り返し反射として機能させることが難しくなり、往復光路の形成が困難になって光学系の小型化が困難となる。
【0039】
SL1への入射光線と射出光線のなす角度は、更に望ましくはθ<30°を満たすことが好ましい。この条件を満たすことで、SL1は十分に折り返し反射の機能を果たし、光学系全体をコンパクトに構成することが可能になる。このため、面SL3は中心画角主光線に対して、全く偏心しておらずにθ=0°となる状態から、上述の条件式範囲内に入る程度の偏心反射面であることが望ましい。
【0040】
また、この折り返し反射面である面SL1を曲面で構成すると、結像乃至収差補正に寄与しない光学要素を削減することが出来るため、コスト削減若しくは光学性能向上をもたらすことができる。このように偏心反射面を曲面とすると、従来の共軸回転対称光学系では発生しなかった非回転対称な収差、所謂偏心収差が発生する。従って、これらの偏心反射面のうち、少なくとも1面に非回転対称形状を適用して、偏心収差を補正することが好ましい。非回転対称の面を増やせばそれだけ偏心収差補正の自由度が増すため、できれば複数の面を非回転対称面とすると良い。更に望ましくは、全ての偏心反射曲面を非回転対称形状とすると、非常に良好な光学性能が達成できる。また、面SL3を非回転対称形状としても、更に偏心収差補正の自由度が高めることができるため、良好な光学性能を提供できる。
【0041】
また、図1に示した左眼用光学系2において、SL2からプリズム23に入射した光束は表示面SI中心を通る法線CLに対して遠ざかる方向を持ってSL1に入射し、更に遠ざかる方向に反射され、SL3で偏向されて面SL1に略垂直に入射する方向に向かう。一方、面SL1で折り返し反射を受けた光束は、前記法線CLに近づく方向を持ちながら反射を繰り返して、SL2で前記法線CLに略平行な方向性を与えられて観察者の左眼ELの方向に向けられる。即ち、逆光線追跡を行った場合には、第1反射面にあたる面SL2で光路を中心軸から遠ざかる方向に折り曲げているため、画角に比して該光線と中心軸との間で光学的に利用する領域が少なく、その分を広画角化に利用することが可能となるため、広画角化を図るのが容易な光学配置となっている。
【0042】
本実施形態では、例えば図3に示すように、SL3からSL1(折り返し反射)に到る箇所に中間像(実像)を結像し、面SL5,SL4,SL2,SL1,SL3,SL1までをリレー光学系、面SL3,SL1,SL2,SL1を接眼光学系として用いている。このような構成にすることで、表示手段1の表示面SIのサイズに対して画角設定の自由度を高めることができ、広画角化を図ることができる。この際、リレー光学系並びに接眼光学系の光学要素削減のため、リレー光学系と接眼光学系とで発生する収差を互いに打ち消しあうように、中間像は適宜湾曲し、非点隔差を持つ構成としても良い。そうすることで、全系の光学性能を保ちつつ、光学要素の増大を抑えることができる。このような構成により、表示手段の表示面SIに表示された原画の中間像を一度形成し、その中間像を拡大し虚像として提示する1回結像の構成をとりつつ光学系をコンパクトに構成することが可能である。
【0043】
以上、左眼用光学系について中心的に説明を行ったが、右眼用光学系においても同様の構成にすることが好ましい。
【0044】
尚、図1に示したような表示手段1の表示面SIと左右眼用光学系2,3のそれぞれの射出瞳中心によって形成される平面に対して、前記非回転対称面が対称な面対称形状であることが望ましい。このように構成すると、基準の面ができるため、製造・組立等が容易になり、コスト低減効果が得られる。特に、該平面を唯一の対称面とすると、製造・組立等の基準の面を残したまま、光学設計の自由度が増し、良好な光学性能を得ることができる。
【0045】
以上、本発明にかかる実施形態において、反射膜とは透過光が実質的に0となるような膜のことであり、一部の光が透過するものは半透過反射膜として区別した。半透過反射膜も透過率と反射率とがほぼ等しいものだけに限定するものではない。
【0046】
図4は、図1中の表示手段1と照明手段4についての別の構成例を示す図である。図4では三角プリズムを貼り合わせてキューブ状に構成した、いわゆるクロスプリズムと呼ばれる光学素子7Aを用いて二つの光源からの光束をそれぞれ別の方向に導光している。光源5Lから射出された照明光は反射凹面鏡6Lで前方へ射出され、レンズ8Lにより略平行光束に変換され、クロスプリズムへ入射する。クロスプリズムは適宜の反射特性を有するハーフミラーが蒸着されており、入射光束の一部を反射させて、表示手段1を所定の入射角で照明する。この入射角は、光源5Lからの光の配光分布の中心軸が表示光学系2の中心画角主光線と一致するように設定され、クロスプリズムの頂角を適宜調節することで実現される。また、光源5Lから射出された照明光のうちクロスプリズムのハーフミラーを透過した光は、対向位置に配置された光源5Rの方へ進み、反射凹面鏡6Rで再度反射され、今度は右眼照明光学系の光として利用されることになり、光量ロスのない明るい照明光学系を構成することができる。右眼用照明光学系もクロスプリズムに対して同様に構成される。
【0047】
図5は、図1中の表示手段1と照明手段4についての更に別の構成例を示す図である。図5では、光源5Lからの光束を表示手段1へ導光する光学素子7Bとしてレンチキュラーレンズを用いている。光源5Lから射出された照明光は反射凹面鏡6Lで前方へ射出され、レンチキュラーレンズ7へ入射する。ここで光源5Lをレンチキュラーレンズの焦点近傍に配置することで、光源5Lからの光束はレンチキュラーレンズにより略平行光束に変換され、表示手段1を所定の入射角で照明する。図5の構成においても、5Lからの光の配光分布の中心を表示光学系2の中心画角主光線と一致させることで、ロスのない明るい表示を実現できる。右眼用照明光学系もレンチキュラーレンズに対して同様に構成される。
【0048】
図6は、図1中の表示手段1と照明手段4についての更に別の構成例を示す図である。図6では光源5Lからの光束を表示手段1へ導光する光学素子7Cとして上述のクロスプリズムを用い、また表示手段1として反射型液晶であるLCoS(Liquid Crystal on Silicon)と呼ばれる素子を用いている。光源5Lから射出された照明光は反射凹面鏡6Lで前方へ射出され、レンズ8Lにより略平行光束に変換され、クロスプリズム7へ入射する。クロスプリズム7は適宜の反射特性を有するハーフミラーが蒸着されており、入射光束の一部を反射させて、表示手段1を所定の入射角で照明する。この入射角は、光源5Lからの光の配光分布の中心軸が表示光学系2の中心画角主光線と一致するように設定され、クロスプリズム7の頂角を適宜調節することで実現される。また、光源5Lから射出された照明光のうちクロスプリズム7のハーフミラーを透過した光は、対向位置に配置された光源5Rの方へ進み、反射凹面鏡6Rで再度反射され、今度は右眼照明光学系の光として利用されることになり、光量ロスのない明るい照明光学系を構成することができる。右眼用照明光学系もクロスプリズムに対して同様に構成される。また、図6の構成をとる場合には、該照明光学を表示光学系の一部として設計時に考慮する必要があり、表示光学系と表示手段1との間に平行平板があるものとして設計する必要がある。
【0049】
図7は、図1中の表示手段1と照明手段4についての更に別の構成例を示す図である。図7では光源5Lからの光束を表示手段1へ導光する光学素子7Dとして三角プリズムを用い、また表示手段1として反射型液晶を用いている。光源5Lから射出された照明光は反射凹面鏡6Lで前方へ射出され略平行光束に変換され、三角プリズムへ入射する。三角プリズム7は適宜の反射特性を有するハーフミラーが蒸着されており、入射光束の一部を反射させて、表示手段1を所定の入射角で照明する。この入射角は、光源5Lからの光の配光分布の中心軸が表示光学系2の中心画角主光線と一致するように設定され、三角プリズムの頂角を適宜調節することで実現される。光源5Rの方へ進み、反射凹面鏡6Rで再度反射され、今度は右眼照明光学系の光として利用されることになり、光量ロスのない明るい照明光学系を三角プリズムのみで構成することができ、大幅なコストダウンにつながっている。右眼用照明光学系も三角プリズムに対して同様に構成される。
【0050】
図8は、図1に示した本実施形態に係る表示装置の他の構成を示す図である。図1においては中心画角主光線が略紙面上に配置される構成を示している。図1に示した構成の場合には、表示手段1及び照明手段4が光学系に比べて観察者側に突出して実際には構成が困難な場合が考えられる。このような場合には、例えば図8中の折り曲げ位置SIZに適宜反射面を設置して光路を紙面面外の上下方向に折り曲げることが望ましい。これにより装置に鼻逃げのスペースが出来るため、バックフォーカスを無理に短く抑える必要がなくなり、光学性能を出しやすくなる。
【0051】
(第2実施形態)
図9は、本発明の画像表示装置の第2実施形態であって、第1実施形態の画像表示装置を利用してビデオシースルー観察が可能な画像観察システムの要部構成図である。本実施形態は、撮像光学系により取得した外界の光景を観察者に提示して、あたかも外界を裸眼で観察しているように観察させる、いわゆるビデオシースルー観察が可能なように構成された画像表示装置に関する。このようなビデオシースルー観察では、現実の外界の光景を観察者に提示する他に、現実の外界の光景にコンピューター等で人工的に作り出した画像や、ビデオ等によって記録された映像を重ね合わせた画像を提示することが可能である。
【0052】
図9において、画像生成装置15で生成した画像を観察者に提示するために、画像制御回路16は、表示手段1に画像を表示させる表示回路17へ画像信号を送るとともに、表示手段1を照明する光源5L、5Rの点灯タイミングを制御する照明手段駆動回路18を制御する。これらの信号に応じて、表示手段1は画像を表示し、光源5L、5Rが点灯する。
【0053】
表示手段1に表示された画像は、実施形態1で説明したものと同様の構成を持つ光学系により観察者に提示される。
【0054】
本実施形態に係る画像観察システムは、表示光学系2,3の前方に撮像光学系9,10をそれぞれ配置している。撮像光学系9は、直角プリズム13L、正の光学的パワーを有する撮像光学系12L、CCDなどの撮像素子11Lを有している。ここでは、直角プリズム13Lを用いて、光路を折り畳んで小型にしているが、13Lの代わりに光を反射させるミラーなどの光学素子で光路を切り換えることも可能である。
【0055】
外界の物体からの光束は直角プリズム13Lで内部反射され、入射平面にて今度は全反射させられ、直角プリズム13Lを出て撮像光学系12Lによって撮像素子11L上に結像される。ここで撮像系9の外界側光軸は、表示系2の入射瞳SLSの主光線光軸CLLの延長線と略一致させてある。また、撮像光学系12Lの入射瞳19Lは主光線光軸CLLの所定の位置に置かれる。
【0056】
左眼用の撮像光学系9で撮像された外界画像情報は信号処理手段14Lで処理され電気信号に変換された後に、画像生成装置15ならびに画像制御回路16で制御され、外界画像情報を表示手段1に表示し、表示光学系2により左眼に導かれる。このとき、あたかも裸眼で外界の物体を観察しているように各部分が構成されている。前述したように、画像生成装置15では、CGなどの仮想の左眼画像を生成しこの画像に撮像光学系9で撮像された外界画像情報をするように構成することも可能である。この時は、CGなどの仮想の左眼画像と外界画像情報を重畳した合成画像をメモリなどに記憶させて、これを表示手段1に表示することも可能である。
【0057】
撮像光学系9の外界像の撮像画角(撮像素子11Lのサイズと結像光学系12Lの焦点距離及びその位置関係で決定される)を、表示光学系2の表示画角(表示手段1の表示素子のサイズと表示光学系2の焦点距離及びその位置関係で決定される)と略一致させることにより、ビデオシースルー観察時(表示手段1の画像情報を観察すること)の外界観察倍率を裸眼観察時のそれと合わせている。
【0058】
尚、本実施形態において、撮像光学系9の撮像画角を、予め表示光学系2の表示画角よりも大き目に設定し、撮影系で撮影した外界像の一部を切り取り表示系の表示画角と同じにして表示光学系2の表示手段1に表示して双方が等倍観察となるようにしても良い。
【0059】
本発明においては図9に示すように、撮像光学系9の結像光学系12L及び撮像素子11Lを外界側にずらして配置している。つまり撮像光学系9の撮像光学系12Lの入射瞳位置19Lを、観察者の眼球光学系の入射瞳位置SLSに対し外界側にずらし量Dだけずらして配置している。
【0060】
このような構成とすることにより、外界空間の位置関係を保ったまま、物体の大きさ知覚を裸眼観察と合致させることができ、違和感の無い外界観察を可能としている。また入射瞳近傍に光学要素を配置することが可能であるため、光学系の小型化を可能としている。
【0061】
本実施形態において、このずらし量Dを大きく取り過ぎると、観察者に近い距離(例えば300mm程度)の空間においては、物体の距離感覚に対しての影響が大きくなり、裸眼で観察した場合に比べ物体が近い位置に感じられてしまう場合がある。
【0062】
そこでずらし量Dは60mm以下が良く、好ましくは5mm以上60mm以下であることが望ましい。また特に10mm以上40mm以下の範囲に設定すると、光学系が大きくならずに、また距離感に対する影響はほとんど知覚されなくなる。
【0063】
左眼側の撮像光学系9について説明したが、右眼用撮像光学系のも同様に構成され、左右眼による立体視が可能となる。
【0064】
以上の様に構成される画像観察システムの、表示手段1に表示する画像としては、左眼用撮像光学系9で撮像された外界画像と、画像生成装置15で生成されたCG画像などの仮想画像と合成した合成画像であったり、外界画像のみであったり、またはCG画像などの仮想画像のみの画像であったりする。いずれの場合も、左眼用の視差画像である。この左眼画像の表示に同期して光源5Lを点灯し、左眼光学系2により左眼で画像を導くことで、左眼画像のみを左眼で観察する。次のタイミングで、光源5Rを点灯し、この点灯に同期して、右眼画像を表示手段1に表示し、右眼光学系3を介して、右眼に導き、右眼画像のみを右眼で観察する、これにより観察者はそれぞれの眼で、それぞれの視差画像を観察することになり、立体画像を観察することができる。
【0065】
(数値実施例1)
図10及び図11は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置の第1の数値実施例を説明するための図である。図10において、SIは画像表示手段の表示面であり、SL1,SL2,SL3,SL4,SL5はそれぞれ左眼用光学系を構成する光学面、SLSは左眼用光学系の射出瞳である。SR1,SR2,SR3,SR4,SR5はそれぞれ右眼用光学系を構成する光学面、SRSは右眼用光学系の射出瞳である。実施形態の説明において述べた通り、左眼用光学系と右眼用光学系とは同一の構成とすることが望ましいので、簡単のために以降は左眼用光学系2のみについて構成を説明する。
【0066】
尚、本数値実施例においては、瞳SLSの中心を原点とし、視軸(SLSとSL1との間の中心画角主光線に一致)をz軸にとり、紙面(中心画角主光線により形成される平面)上にz軸に垂直に図示の方向にy軸をとり、右手系を形成するように図で紙面奥向きを正としてx軸をとった座標系における面配置を、瞳から表示面に到る逆光線追跡の順に面番号を付して表すこととする。従って、図11のように、瞳をS1とし、図10のSL1を逆追跡光線の入射面S2、偏心反射面S4、折り返し反射面S6、偏心反射面S8とし、SL2を偏心反射面S3、透過面S9とし、SL3を偏心反射面S5,S7とし、SL4をS10、SL5をS11として、表示面はそのままSIとして表記する。
【0067】
また、面配置はyz断面においてのみ偏心しており、従ってx軸周りの回転が生じている。これを図で半時計回りの方向を正方向として、A(単位:°)で表す。
【0068】
別に示す光学データ表では、面番号SURFと各面を記述する位置及び回転角を上述の通り、X,Y,Z,Aで表し、曲率半径をR、面定義のタイプをtyp、面の後の媒質の屈折率、及びアッベ数をNd,vdで表している。尚、空気はNd=1,vd=0とし、面が反射する際はNdの符号が変化するように表している。面定義タイプがSPHのものは曲率半径Rの値のみで表される球面、SPSのものはその後に記載の番号に従い、表下欄に示した係数を持つ次式(1)で表される非回転対称面である。表で明示されない係数については、その項の係数が0であることを意味する。
【0069】
【外1】
但し、c=1/R,r=√(x^2+y^2)
【0070】
数値実施例1の実施データを表1に示す。表1に示したデータより、本実施形態では対角約0.5インチ(10.2mm×7.6mm)の表示面を用いて、水平(y方向)画角30°,垂直画角23°程度,瞳径φ10mmの表示を観察者に行う光学系を実現可能である。光学設計的には、無限遠方から瞳S1を通った光束を、面S2より第1のプリズムに入射させ、面S3,S4,S5,S6,S7,S8と順次反射させて面S9より第2のプリズムに入射させ、面S10で反射させ、面S11より射出させて、表示面SIに結像する構成になっている。従って、表示面SIからの光束は上述と逆の経路を辿って瞳S1に導かれ、瞳S1の位置に瞳孔を置いた観察者によって、無限遠方に水平画角30°の拡大虚像が認識される。
【0071】
(数値実施例2)
図12及び図13は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置の変形例に関する第2の数値実施例を説明するための図である。第1の数値実施例との違いは、第1のプリズムP1(第1実施形態の23)における反射回数が4回から3回に減り、SL3を折り返し反射面として光路を往復させるように構成することで、さらに小型化を実現している点と、第2のプリズムP2(第1実施形態の24)を接合していたものを分離し、光学面SL4を実質的に増加させ設計の自由度をあげていることと、第2のプリズムP2における反射回数が増加している点である。
【0072】
図12において、SIは画像表示手段の表示面であり、SL1,SL2,SL3,SL4,SL5,SL6はそれぞれ左眼用光学系を構成する光学面、SLSは左眼用光学系の射出瞳である。SR1,SR2,SR3,SR4,SR5,SR6はそれぞれ右眼用光学系を構成する光学面、SRSは右眼用光学系の射出瞳である。実施形態の説明において述べた通り、左眼用光学系と右眼用光学系とは同一の構成とすることが望ましいので、簡単のために以降は左眼用光学系2のみについて構成を説明する。
【0073】
尚、本数値実施例においては、瞳SLSの中心を原点とし、視軸(SLSとSL1との間の中心画角主光線に一致)をz軸にとり、紙面(中心画角主光線により形成される平面)上にz軸に垂直に図示の方向にy軸をとり、右手系を形成するように図で紙面奥向きを正としてx軸をとった座標系における面配置を、瞳から表示面に到る逆光線追跡の順に面番号を付して表すこととする。
【0074】
表2に数値実施例2の光学データを示す。表2中の記号などについては、前記の第1数値実施例と同様である。但し、typの項がZRN*で表されているものは、表下欄に示した係数を持つ次式(2)で表される非回転対称面である。表で明示されない係数については、その項の係数が0であることを意味する。
z=(1/R)*(x2+y2)/(1+(1−(1+k)*(1/R)2*(x2+y2))(1/2))+c2+c4*y+c5*(x2−y2)+c6*(−1+2*x2+2*y2)+c10*(−2*y+3*x2*y+3*y3)+c11*(3*x2*y−y3)+c12*(x4−6*x2*y2+y4)+c13*(−3*x2+4*x4+3*y2−4*y4)+c14*(1−6*x2+6*x4−6*y2+12*x2*y2+6*y4)+c20*(3*y−12*x2*y+10*x4*y−12*y3+20*x2*y3+10*y5)+c21*(−12*x2*y+15*x4*y+4*y3+10*x2*y3−5*y5)+c22*(5*x4*y−10*x2*y3+y5)+c23*(x6−15*x4*y2+15*x2*y4−y6)+c24*(−5*x4+6*x6+30*x2*y2−30*x4*y2−5*y4−30*x2*y4+6*y6)+c25*(6*x2−20*x4+15*x6−6*y2+15*x4*y2+20*y4−15*x2*y4−15*y6)+c26*(−1+12*x2−30*x4+20*x6+12*y2−60*x2*y2+60*x4*y2−30*y4+60*x2*y4+20*y6) +・・・ (2)
【0075】
表2に示したデータより、本実施形態では対角約0.5インチ(10.2mm×7.6mm)の表示面を用いて、水平(y方向)画角30°,垂直画角23°程度,瞳径φ10mmの表示を観察者に行う光学系を実現可能である。光学設計的には、無限遠方から瞳S1を通った光束を、面S2より第1のプリズムP1に入射させ、面S3,S4,S5,S6と順次反射させて面S7より射出させる。この光束を面S8より第2のプリズムに入射させ、面S9,面S10で反射させ、面S11より射出させて、表示面SIに結像する構成になっている。従って、表示面SIからの光束は上述と逆の経路を辿って瞳S1に導かれ、瞳S1の位置に瞳孔を置いた観察者によって、無限遠方に水平画角30°の拡大虚像が認識される。
【0076】
以上、数値実施例1,2を説明したが、当然のことながらこれらの光学系は第2実施形態に係るビデオシースルー方式の画像観察システムの表示光学系として用いることができる。
【0077】
以上説明した各実施形態から以下のような発明が特定される。
【0078】
(発明1)一枚の画像表示素子と、前記画像表示素子に表示された画像を含む光束をそれぞれ観察者の左右の眼球に導く略鏡面対称な位置に配置された略同一形状の光学要素群より成る左右眼用の表示光学系であって、少なくても一面以上の反射面を有する表示光学系とを有する頭部装着型の画像表示装置において、観察者の左右の眼球瞳からそれぞれ逆光線追跡を行った際の最初の反射面において、左右の眼球瞳からの光束が互いに離れる方向に反射され、且つ前記画像表示素子を照明する光源は左右の眼球に到達する光束を交互に射出し、前記画像表示素子は前記光源に同期して左右眼用の画像を交互に表示することを特徴とする画像表示装置。
【0079】
(発明2)前記表示光学系は少なくてもそれぞれ一面の偏心反射面を有していることを特徴とする発明1に記載の画像表示装置。
【0080】
(発明3)前記表示光学系は光路に対して偏心した所定の反射面での複数回の反射を含み、且つ当該複数回の反射におけるそれぞれの入射光と反射光のベクトルの外積間の内積が負になる場合を含むことを特徴とする発明1乃至2に記載の画像表示装置。
【0081】
(発明4)前記表示光学系中に、前記画像表示素子に表示された画像の中間実像が形成されることを特徴とする発明1乃至3に記載の画像表示装置。
【0082】
(発明5)前記偏心反射面は複数であって、そのうちの少なくとも2つの面が曲面形状の偏心反射曲面であることを特徴とする発明2の画像表示装置。
【0083】
(発明6)前記表示光学系は少なくてもそれぞれ一面の非回転対称反射面を有することを特徴とする発明1乃至5に記載の画像表示装置。
【0084】
(発明7)前記表示光学系はプリズム状光学素子を有し、内部全反射と透過の兼用面を有することを特徴とする発明1乃至6の画像表示装置。
【0085】
(発明8)前記光源からの照明光束の配光分布の中心と前記表示光学系の主光線の光軸が略一致していることを特徴とする発明1乃至7の画像表示装置。
【0086】
(発明9)発明1乃至8に記載の画像表示装置に、左右眼用にそれぞれ外界を撮像する撮像光学系を設け、当該撮像光学系で撮像した画像を観察者の左右眼に提示することを特徴とする画像観察システム。
【0087】
(発明10)前記表示光学系の中心画角の主光線光軸を瞳から前方に延長した軸と、前記撮像光学系の光軸が一致することを特徴とする発明9に記載の画像観察システム。
【0088】
(発明11)前記撮像光学系の入射瞳位置を、前記表示光学系の入射瞳と等価な位置よりも外界側にずらして配置したことを特徴とする発明10に記載の画像観察システム。
【0089】
(発明12)前記撮像光学系の入射瞳位置と、前記表示光学系の入射瞳と等価な位置のずらし量dが、0<d<60(mm)であることを特徴とする発明11に記載の画像観察システム。
【0090】
(発明13)前記当該撮像光学系で撮像した画像に、画像生成手段で生成した画像を重畳して観察者の左右眼に提示することを特徴とする発明9乃至12に記載の画像観察システム。
【0091】
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により単一の表示素子に表示された画像を左右眼用の光学系を用いて観察者の両眼に提供する画像表示装置であって、左右眼用の光学系を鏡面対称な同一構成の光学系とすることで高い光学性能を確保しながら製造コストを抑えるとともに、コンパクト且つ広画角化に適した光学系を有する画像表示装置を提供することが可能となった。また、当該画像表示装置を用いて違和感の無いビデオシースルー観察が可能な画像観察システムを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す要部構成図
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置における最大画角主光線を示す図
【図3】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置において中心画角に対する有効瞳径を形成するマージナル光線を示す
【図4】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置における表示手段と照明手段についての別の構成例を示す図
【図5】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置における表示手段と照明手段についての更に別の構成例を示す図
【図6】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置における表示手段と照明手段についての更に別の構成例を示す図
【図7】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置における表示手段と照明手段についての更に別の構成例を示す図
【図8】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置における表示装置の他の構成を示す図
【図9】本発明の画像表示装置の第2実施形態であるビデオシースルー観察が可能な画像観察システムの要部構成図
【図10】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置の第1の数値実施例を説明するための図
【図11】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置の第1の数値実施例を説明するための図
【図12】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置の第2の数値実施例を説明するための図
【図13】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置の第2の数値実施例を説明するための図
【図14】単一の表示素子に表示された画像を、観察者の両眼に提供する画像表示装置の従来例を示す図
【符号の説明】
1 表示手段
2 左眼用光学系
3 右眼用光学系
4 照明手段
5L 左眼用照明光源
5R 右眼用照明光源
6 照明手段光学系
7 照明手段光学素子
9、10 撮像光学系
15 画像生成装置
16 画像制御回路
17 表示回路
18 照明手段駆動回路
23、24,33,34 光学素子
SL 表示光学系光学面
SI 表示面
【発明の属する技術分野】
本発明は、観察者の頭部に装着して観察者の眼に画像を提供する頭部装着型の画像表示装置(ヘッドマウントディスプレイ)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、CRTやLCD等の画像表示素子を用い、これらの表示素子に表示された原画像を光学系を介して拡大表示して観察者に提供する頭部装着型の画像表示装置(ヘッドマウントディスプレイ)が良く知られている。
【0003】
この頭部装着型の画像表示装置は、装置が観察者の頭部に装着されるため、特に装置全体の小型化、軽量化が要望される。また、重量バランスや外観等を考慮すると、観察者の視軸方向に薄型であることが好ましい。また、観察者が観察する画角を大きくして表示される画像に迫力を持たせるために、できるだけ大きな拡大像を提供することが望まれている。一方、コスト面では安価で提供されることが望まれている。
【0004】
これに対する解答の一つとして、単一の画像表示手段を用い、該画像表示手段に表示された単一の原画像を左右それぞれの眼に導く光学系とを組み合わせた単一原画双眼観察HMDが、古くはUSP4322135等に提案されている。この様なHMDにおいて、光学系に偏心自由曲面を持つプリズムを組み合わせ、小型・軽量、安価なタイプの画像表示装置も近年提案されており、特開平9−61748、特開平9−247579、特開2001−177785、特開2001−194618、特開2001−194619等にその構成が開示されている。
【0005】
さらに、これらの要求に加えて、立体表示が可能であることも期待されている。前記の特開2001−194619には、単一原画双眼観察HMDにおいて、偏心自由曲面を持つプリズムを採用し、観察者の左右の眼に入射させる画像を切り換えて表示することで立体映像をみることができる装置が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来方式において、例えば特開平9−61748、特開平9−247579等では、左右眼に提供する画像を単一の表示素子により表示することにより構成を簡素化しているが、一方で左右眼用の光学系がそれぞれ異なる構成を有しているため、それぞれの光学系を構成する光学素子等の構成部品数が増加し、高コストになってしまう。
【0007】
また、特開2001−194619等においては、同様に左右眼に提供する画像を単一の表示素子により表示し、また左右眼用の光学系が共通の光学素子等から構成される。この構成においては、単一の表示素子に表示された画像を、共通の光学素子を用いた左右眼用の光学系を用いて観察者の両眼に提供することに起因して、観察者に提示される画像を広画角化することが困難であった。
【0008】
図14には、単一の表示素子に表示された画像を、同一の光学素子から構成される左右眼用の光学系を用いて観察者の両眼に提供する構成の例を示す。左眼用の光路について、表示手段111から発せられた光は、小型の偏心プリズム112Lの入射面113Lに入射する。そして、プリズム112Lに形成した曲率を有した全反射面114Lと反射面115Lとの間で光束が折り畳まれ、その後、面114Lより偏心プリズム112Lから射出して観察者の左眼ELに導かれる。同様に右眼用の光路について、表示手段111から発せられた光は、小型の偏心プリズム112Rの入射面113Rに入射する。そして、プリズム112Rに形成した曲率を有した全反射面114Rと反射面115Rとの間で光束が折り畳まれ、その後、面114Rより偏心プリズム112Rから射出して観察者の左眼ERに導かれる。このような光学系により、表示素子(LCD)111に表示された単一の原画の虚像が観察者の左右の眼で観察される。また、表示手段111に交互に左右の表示像を表示し、右眼用画像は右眼光学系を介して右眼に入り、左眼用画像は左眼光学系を介して左眼に入る様に表示手段111の照明光源を制御することで立体画像を観察できるように構成できる。
【0009】
しかし、図14に示した構成を逆光線追跡で解析すると、観察者の眼側からの光線は、面114R、Lからプリズムに入射し、偏心反射面である反射面115L,115Rによりそれぞれ表示手段111の設置された両眼の中央方向に折り曲げられる。そして、その後、面114R,Lを全反射面として反射して表示手段111に入射する。
【0010】
この時、面114R,Lを全反射面として反射するためには、当該全反射を行う領域であるEA1L,EA1Rの領域が面114L,114Rに必要であり、画角を広げるためにはこれらの領域EA1L,EA1Rを広げる必要がある。しかし、観察者の左右眼EL,ERの間の距離IPDは観察者に応じて必然的に決まってしまうため、領域EA1L,EA1Rを極端に広げることは不可能である。このように、逆光線追跡において最初の反射面が光線を内側に曲げる構成になっていたため、大幅な広画角の立体映像の表示は望めなかった。
【0011】
本発明は、上記問題点を解決して、単一の表示素子に表示された原画を左右眼に導く光学系であり、且つ左右眼用の光学系を鏡面対称な同一構成の光学系とすることで高い光学性能を確保しながら製造コストを抑えるとともに、コンパクト且つ広画角化に適した光学系を有する画像表示装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明に係る画像表示装置は、一枚の画像表示素子と、前記画像表示素子に表示された画像を含む光束をそれぞれ観察者の左右の眼球に導く略鏡面対称な位置に配置された略同一形状の光学要素群より成る左右眼用の表示光学系であって、少なくても一面以上の反射面を有する表示光学系とを有する頭部装着型の画像表示装置において、観察者の左右の眼球瞳からそれぞれ逆光線追跡を行った際の最初の反射面において、左右の眼球瞳からの光束が互いに離れる方向に反射され、且つ前記画像表示素子を照明する光源は左右の眼球に到達する光束を交互に射出し、前記画像表示素子は前記光源に同期して左右眼用の画像を交互に表示することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は、本発明の画像表示装置の第1実施形態を示す要部構成図である。図中の実線は、表示手段1の表示面SIの中心を発し、左右眼用光学系2,3のそれぞれの瞳中心に到る中心画角主光線を示している。
【0014】
図1に示した画像表示装置の左眼用の光学系においては、左眼用光源5Lにより原画を表示するための透過型の表示手段1を照明する。表示手段1を通過した光束は、光学素子24及び23からなる左眼用光学系2により観察者の左眼瞳孔位置ELに導光される。
【0015】
左眼用光源5Lからの光束により表示手段1を照明する際に、光の利用効率を高め、且つ表示手段1を透過した光が右眼用光学系3に入射することを防ぐために、光学系6Lにより光束を略平行光束とすることが好ましい。また、左眼用光源5Lからの光の配光分布の中心を左眼用光学系2の中心画角主光線と一致させることで、ロスのない明るい表示を行うことが好ましい。
【0016】
光学素子24は、表示手段1からの光束を透過する透過面SL5、透過面SL5から入射した光束を反射する反射面SL4、光学素子23との接合面であって前記光束を光学素子23に入射させる接合面SL2からなるプリズム体である。反射面SL4は、全反射面とすることも可能であるが、光学設計の自由度を上げるためには金属蒸着等により反射膜を施すことが望ましい。
【0017】
光学素子23は、光学素子24との接合面であって光学素子24からの光束を透過し、且つ反射する接合面SL2、接合面SL2を透過して入射した前記光束に対して透過面又は反射面として機能する面SL1、光束を反射する反射面SL3からなるプリズム体である。接合面SL2は透過面及び反射面として機能するため、光学設計の自由度を向上するために半透過反射膜を施すことが好ましい。面SL1は、本実施形態においては、後に説明するような折返し反射面としても機能するため、当該折返し反射を行う領域には反射面が施されている。
【0018】
右眼用光学系3は、左眼用光学系2と略同一の作用を有するように構成され、右眼用光源5Rにより照明された左眼用と共用される表示手段1を通過した光束を、光学素子34及び33により観察者の右眼瞳孔位置ERに導光する。右眼用光学系3は、左眼用光学系2と略同一の光学的作用を有していればその構成を自由に決定することができるが、光学設計の負荷の低減のためには左眼用光学系2と鏡面対称の構成を有することが望ましい。
【0019】
更に、後に詳しく説明するように、本実施形態においては左眼用光学系2と右眼用光学系3とを構成する各光学面は紙面断面に対して面対称形状であることが望ましい。つまり、左眼用光学系2と右眼用光学系3とは表示手段1の表示面SI中心を通る法線CLに対して180°回転した位置に同一要素を配置した構成とすることが望ましい。このように構成することで、左眼用光学系2と右眼用光学系3とが同一の光学要素によって構成できるため、製造コスト低減の効果が得られる。
【0020】
以上説明したように構成された、左右眼で共用される表示手段1、左眼用光学系2と右眼用光学系3、及び光源5L、5Rを用いて、例えば、表示手段1に画像を表示した状態で光源5L、5Rを点灯させることで、両眼に同様の画像を提示することができる。また、眼球の残像時間に対して十分に短い周期で表示手段1に左眼用と右眼用の画像を交互に表示し、それに同期して光源5L、5Rを交互に点灯させることで左右眼に異なる画像を提示することができる。更に、左右眼に提示する画像を視差画像とすることで、観察者に立体像を観察させることができる。
【0021】
また、本実施形態における中心画角主光線を逆光線追跡した場合、眼球位置から光学素子23,24に入射した光線が最初に反射を受ける際に、光束を外側に反射する構成となっており、左右眼の外側の領域に必要な光学作用を行うための光学面を設置可能なため、観察者に対して広画角の画像表示を行うことが可能である。上記逆光線追跡の光束が最初の反射面で反射を受ける方向は、必ずしも図1に示したような同一平面内である必要は無い。つまり、当該反射により両眼からの光束がお互いに離れるような方向性が得られるような反射であれば、必要に応じて上下方向の成分を含む反射であってもよい。
【0022】
図2は、図1に示した本実施形態における中心画角主光線に合わせて最大画角主光線を点線で示す。また、図3は本実施形態における中心画角主光線と共に、中心画角に対する有効瞳径を形成するマージナル光線を点線で示す。
【0023】
図2に示すように、該図の断面で表示手段1の表示面SIの有効表示領域の左右両端を透過した光が、それぞれ観察者の瞳孔位置EL,ERに集まるように、左眼用光学系2及び右眼用光学系3の射出瞳が形成されている。また、図3に示すように、表示手段1の表示面SI中心を発した光線を、左眼用光学系2及び右眼用光学系3により略平行光に変換することにより、観察者が認識する提示される画像の位置を略無限遠、又は実際の表示面SIまでの距離に比して遠い距離にあるものとすることができる。
【0024】
以下、本実施形態において、特に望ましい形態において観察者に画像を提示する機構を、主に左眼用に提示される画像について主に図1を用いて説明する。
【0025】
光源5Lから射出された照明光は光学系6Lで略平行光束に変換され、表示手段1を照明する。この光源5Lの点灯に同期して、表示手段1には左眼用の視差画像が表示されるよう不図示の画像生成装置ならびに画像制御回路などのコントローラで制御する。
【0026】
表示手段1の表示面SIを透過した光束は、面SL5よりプリズム24に入射し、面SL4で反射され、面SL2に導かれる。面SL2はプリズム24とプリズム23との接合面であり、少なくとも一方に半透過反射膜を施して接合されたハーフミラー面である。面SL2に導かれた光束の一部は、面SL2を透過してプリズム23に入射する。プリズム23に入射した光は面SL1で反射され、面SL3で反射されて再度面SL1に向かい、面SL1で面SL3に戻るように反射される。面SL3で再度反射された光は、面SL1で最初に反射された領域側に向かい、面SL1で更に反射される。面SL1で反射された光束の一部は、ハーフミラー面SL2で反射された後、面SL1に向かい、今度は面SL1を透過して観察者の左眼ELに導かれる。
【0027】
右眼用に提示される画像についても同様に、観察者の右眼ERに導かれる。
【0028】
前述した様に、本実施形態では、それぞれの光源5R,5Lからの光の配光分布の中心をそれぞれの表示光学系3,2の中心画角主光線と一致させて構成しており、液晶などの表示手段1の視野角特性から左眼用照明光学系(5L,6L)で照明した左眼用視差画像の光は左眼用光学系2の方向へのみ導かれ、右眼用光学系3へは入射せず、また、右眼用照明光学系(5R,6R)で照明した右眼用視差画像の光は右眼用光学系3の方向へのみ導かれ、左眼用光学系2へは入射しないように構成される。このような構成により、光源5Lと5Rの点灯を交互に行い、それに同期して左右の視差画像を表示手段1に表示することで、観察者の左右の眼に異なる画像を提示することが可能となる。特に、それぞれの眼に視差画像を提示することで、観察者に立体画像を観察させることができる。
【0029】
面SL1での最初の反射及び3回目の反射は、当該面SL1に半透過反射膜を施したハーフミラーでの反射としても良いし、内部全反射を利用するようにしても良い。内部全反射を用いるようにすると、光利用効率が高くなるため、明るい画像表示装置を提供でき好ましい。また、面SL1での透過の際に有効光束が通る領域には反射膜を施さずに内部全反射を用い、それ以外の部位に反射膜を施して反射させるようにすると、全ての反射光束に対し内部全反射を用いる場合に比べてさほど明るさを損なうことなく、光学設計の自由度を上げることができるため、光学性能向上乃至光学系の小型化を図ることが可能となる。
【0030】
また、面SL1での2回目の反射は、偏心反射面SL3で反射して面SL1に入射した光を反射面SL3に向けて反射する折返し反射である。このような折返し反射では光束が面SL1にほぼ垂直に入射する必要があり、内部全反射による反射が利用できないため、当該折返し反射を生じる面SL1上の領域には反射膜を形成することが必須である。
【0031】
このように面SL1上の一部領域には反射膜を施し、また他の領域は光束を透過させる必要があり、更にそれらの領域の間の領域では内部全反射により反射を生じさせる必要がある。このような場合には、反射膜を施す領域と施さない領域の境目付近で、施される反射膜の膜厚を徐々に増すようなグラデーション反射膜とすると、その境界部が目立たなくなるために好ましい。
【0032】
本実施形態において説明する画像表示装置では、先に説明したように、面SL1において偏心反射面SL3で反射して面SL1に入射した光を反射面SL3に向けて略正反対に反射する折返し反射を生じるように構成されている。所定の光学面においてこのような折返し反射を生じさせることで、図1に示した左眼用光学系2の中で面SL2→SL1→SL3→SL1→SL3→SL1→SL2と光路を重複させた往復光路を形成し、実際には非常に小型の光学系内に長い光路長を形成している。
【0033】
このような折返し反射の前後の反射面、例えば面SL3での反射に着目した場合、面SL3への入射方向を示すベクトルと反射方向を示すベクトルの成す外積の方向が往路と復路でそれぞれ略正反対方向となる。このように特徴付けられる折返し面での反射を利用することにより、通常の略対向した二面間でのジグザグ反射に比べて、歪みの発生を抑制しつつ狭い空間に長い光路を納めることが可能となる。また、本実施形態では、例えば面SL3での反射が二回行われる様子を示しているが、本発明はこれに限定されることはなく、複数回の折返しにより所定の反射面を3回以上反射させてその光学パワーを利用してもよい。
【0034】
また、図1においては、折返し面への入射光と反射光が紙面内にある場合を示しているが、必ずしもこのように設定される必要はない。つまり、折返し面で反射される光に紙面に垂直な方向の成分を折返し面により与えられてもよい。この場合には、例えば面SL3での反射に着目した場合、面Aへの入射方向を示すベクトルと反射方向を示すベクトルの成す外積の方向が往路と復路でそれぞれ鈍角である角度を成すこととなる。また、当該外積同士の成す内積が負になることによっても光路の構成が特徴づけられる。さらに、折返し面だけでなく、他の反射面においても紙面に垂直な方向の成分を反射される光に与えてもよい。このようにすることで、各反射面は光線に対して紙面と垂直方向の偏心も有することとなり、光学設計の自由度を向上することができる。
【0035】
このように、光路を折り返して往路と復路をほぼ重複させることにより、実質的に同一の光学面を複数回使用し、光学性能を犠牲にすることなく光学素子を小型にすることができ、画像表示装置全体を小型化可能である。
【0036】
更に、折り畳まれた光路を形成する反射面SL1,SL2,SL3を偏心反射面とすることで、薄型の光学素子内で光路を折り畳むことが可能となり、更に小型且つ薄型の光学系内に長い光路長をとることができる。
【0037】
また、本実施形態において説明する画像表示装置では、左眼用光学系2を構成する偏心反射面SL1,SL2,SL3の3つの反射面のうち、少なくとも一面を曲面として表示手段1の表示面SIに表示された原画を拡大提示するようにしている。これらの偏心反射面のうち、曲面反射面を増やすと、結像乃至収差補正に寄与しない光学要素を削減することが出来るため、コスト削減若しくは光学性能向上をもたらすことができる。
【0038】
また、反射面SL1は、前述した往復光路形成のために、中心画角主光線を略垂直に反射するような角度で配置されているため、必ずしも中心画角主光線に対して偏心している必要はない。ここで略垂直に反射とあるのは、SL3で反射されてSL1に入射して反射され、再度SL3に向かう光束の中心画角主光線について、SL1への入射光線と射出光線のなす角度θ(絶対値)がθ<45°となることをいう。この条件を超えると、面SL3での反射を折り返し反射として機能させることが難しくなり、往復光路の形成が困難になって光学系の小型化が困難となる。
【0039】
SL1への入射光線と射出光線のなす角度は、更に望ましくはθ<30°を満たすことが好ましい。この条件を満たすことで、SL1は十分に折り返し反射の機能を果たし、光学系全体をコンパクトに構成することが可能になる。このため、面SL3は中心画角主光線に対して、全く偏心しておらずにθ=0°となる状態から、上述の条件式範囲内に入る程度の偏心反射面であることが望ましい。
【0040】
また、この折り返し反射面である面SL1を曲面で構成すると、結像乃至収差補正に寄与しない光学要素を削減することが出来るため、コスト削減若しくは光学性能向上をもたらすことができる。このように偏心反射面を曲面とすると、従来の共軸回転対称光学系では発生しなかった非回転対称な収差、所謂偏心収差が発生する。従って、これらの偏心反射面のうち、少なくとも1面に非回転対称形状を適用して、偏心収差を補正することが好ましい。非回転対称の面を増やせばそれだけ偏心収差補正の自由度が増すため、できれば複数の面を非回転対称面とすると良い。更に望ましくは、全ての偏心反射曲面を非回転対称形状とすると、非常に良好な光学性能が達成できる。また、面SL3を非回転対称形状としても、更に偏心収差補正の自由度が高めることができるため、良好な光学性能を提供できる。
【0041】
また、図1に示した左眼用光学系2において、SL2からプリズム23に入射した光束は表示面SI中心を通る法線CLに対して遠ざかる方向を持ってSL1に入射し、更に遠ざかる方向に反射され、SL3で偏向されて面SL1に略垂直に入射する方向に向かう。一方、面SL1で折り返し反射を受けた光束は、前記法線CLに近づく方向を持ちながら反射を繰り返して、SL2で前記法線CLに略平行な方向性を与えられて観察者の左眼ELの方向に向けられる。即ち、逆光線追跡を行った場合には、第1反射面にあたる面SL2で光路を中心軸から遠ざかる方向に折り曲げているため、画角に比して該光線と中心軸との間で光学的に利用する領域が少なく、その分を広画角化に利用することが可能となるため、広画角化を図るのが容易な光学配置となっている。
【0042】
本実施形態では、例えば図3に示すように、SL3からSL1(折り返し反射)に到る箇所に中間像(実像)を結像し、面SL5,SL4,SL2,SL1,SL3,SL1までをリレー光学系、面SL3,SL1,SL2,SL1を接眼光学系として用いている。このような構成にすることで、表示手段1の表示面SIのサイズに対して画角設定の自由度を高めることができ、広画角化を図ることができる。この際、リレー光学系並びに接眼光学系の光学要素削減のため、リレー光学系と接眼光学系とで発生する収差を互いに打ち消しあうように、中間像は適宜湾曲し、非点隔差を持つ構成としても良い。そうすることで、全系の光学性能を保ちつつ、光学要素の増大を抑えることができる。このような構成により、表示手段の表示面SIに表示された原画の中間像を一度形成し、その中間像を拡大し虚像として提示する1回結像の構成をとりつつ光学系をコンパクトに構成することが可能である。
【0043】
以上、左眼用光学系について中心的に説明を行ったが、右眼用光学系においても同様の構成にすることが好ましい。
【0044】
尚、図1に示したような表示手段1の表示面SIと左右眼用光学系2,3のそれぞれの射出瞳中心によって形成される平面に対して、前記非回転対称面が対称な面対称形状であることが望ましい。このように構成すると、基準の面ができるため、製造・組立等が容易になり、コスト低減効果が得られる。特に、該平面を唯一の対称面とすると、製造・組立等の基準の面を残したまま、光学設計の自由度が増し、良好な光学性能を得ることができる。
【0045】
以上、本発明にかかる実施形態において、反射膜とは透過光が実質的に0となるような膜のことであり、一部の光が透過するものは半透過反射膜として区別した。半透過反射膜も透過率と反射率とがほぼ等しいものだけに限定するものではない。
【0046】
図4は、図1中の表示手段1と照明手段4についての別の構成例を示す図である。図4では三角プリズムを貼り合わせてキューブ状に構成した、いわゆるクロスプリズムと呼ばれる光学素子7Aを用いて二つの光源からの光束をそれぞれ別の方向に導光している。光源5Lから射出された照明光は反射凹面鏡6Lで前方へ射出され、レンズ8Lにより略平行光束に変換され、クロスプリズムへ入射する。クロスプリズムは適宜の反射特性を有するハーフミラーが蒸着されており、入射光束の一部を反射させて、表示手段1を所定の入射角で照明する。この入射角は、光源5Lからの光の配光分布の中心軸が表示光学系2の中心画角主光線と一致するように設定され、クロスプリズムの頂角を適宜調節することで実現される。また、光源5Lから射出された照明光のうちクロスプリズムのハーフミラーを透過した光は、対向位置に配置された光源5Rの方へ進み、反射凹面鏡6Rで再度反射され、今度は右眼照明光学系の光として利用されることになり、光量ロスのない明るい照明光学系を構成することができる。右眼用照明光学系もクロスプリズムに対して同様に構成される。
【0047】
図5は、図1中の表示手段1と照明手段4についての更に別の構成例を示す図である。図5では、光源5Lからの光束を表示手段1へ導光する光学素子7Bとしてレンチキュラーレンズを用いている。光源5Lから射出された照明光は反射凹面鏡6Lで前方へ射出され、レンチキュラーレンズ7へ入射する。ここで光源5Lをレンチキュラーレンズの焦点近傍に配置することで、光源5Lからの光束はレンチキュラーレンズにより略平行光束に変換され、表示手段1を所定の入射角で照明する。図5の構成においても、5Lからの光の配光分布の中心を表示光学系2の中心画角主光線と一致させることで、ロスのない明るい表示を実現できる。右眼用照明光学系もレンチキュラーレンズに対して同様に構成される。
【0048】
図6は、図1中の表示手段1と照明手段4についての更に別の構成例を示す図である。図6では光源5Lからの光束を表示手段1へ導光する光学素子7Cとして上述のクロスプリズムを用い、また表示手段1として反射型液晶であるLCoS(Liquid Crystal on Silicon)と呼ばれる素子を用いている。光源5Lから射出された照明光は反射凹面鏡6Lで前方へ射出され、レンズ8Lにより略平行光束に変換され、クロスプリズム7へ入射する。クロスプリズム7は適宜の反射特性を有するハーフミラーが蒸着されており、入射光束の一部を反射させて、表示手段1を所定の入射角で照明する。この入射角は、光源5Lからの光の配光分布の中心軸が表示光学系2の中心画角主光線と一致するように設定され、クロスプリズム7の頂角を適宜調節することで実現される。また、光源5Lから射出された照明光のうちクロスプリズム7のハーフミラーを透過した光は、対向位置に配置された光源5Rの方へ進み、反射凹面鏡6Rで再度反射され、今度は右眼照明光学系の光として利用されることになり、光量ロスのない明るい照明光学系を構成することができる。右眼用照明光学系もクロスプリズムに対して同様に構成される。また、図6の構成をとる場合には、該照明光学を表示光学系の一部として設計時に考慮する必要があり、表示光学系と表示手段1との間に平行平板があるものとして設計する必要がある。
【0049】
図7は、図1中の表示手段1と照明手段4についての更に別の構成例を示す図である。図7では光源5Lからの光束を表示手段1へ導光する光学素子7Dとして三角プリズムを用い、また表示手段1として反射型液晶を用いている。光源5Lから射出された照明光は反射凹面鏡6Lで前方へ射出され略平行光束に変換され、三角プリズムへ入射する。三角プリズム7は適宜の反射特性を有するハーフミラーが蒸着されており、入射光束の一部を反射させて、表示手段1を所定の入射角で照明する。この入射角は、光源5Lからの光の配光分布の中心軸が表示光学系2の中心画角主光線と一致するように設定され、三角プリズムの頂角を適宜調節することで実現される。光源5Rの方へ進み、反射凹面鏡6Rで再度反射され、今度は右眼照明光学系の光として利用されることになり、光量ロスのない明るい照明光学系を三角プリズムのみで構成することができ、大幅なコストダウンにつながっている。右眼用照明光学系も三角プリズムに対して同様に構成される。
【0050】
図8は、図1に示した本実施形態に係る表示装置の他の構成を示す図である。図1においては中心画角主光線が略紙面上に配置される構成を示している。図1に示した構成の場合には、表示手段1及び照明手段4が光学系に比べて観察者側に突出して実際には構成が困難な場合が考えられる。このような場合には、例えば図8中の折り曲げ位置SIZに適宜反射面を設置して光路を紙面面外の上下方向に折り曲げることが望ましい。これにより装置に鼻逃げのスペースが出来るため、バックフォーカスを無理に短く抑える必要がなくなり、光学性能を出しやすくなる。
【0051】
(第2実施形態)
図9は、本発明の画像表示装置の第2実施形態であって、第1実施形態の画像表示装置を利用してビデオシースルー観察が可能な画像観察システムの要部構成図である。本実施形態は、撮像光学系により取得した外界の光景を観察者に提示して、あたかも外界を裸眼で観察しているように観察させる、いわゆるビデオシースルー観察が可能なように構成された画像表示装置に関する。このようなビデオシースルー観察では、現実の外界の光景を観察者に提示する他に、現実の外界の光景にコンピューター等で人工的に作り出した画像や、ビデオ等によって記録された映像を重ね合わせた画像を提示することが可能である。
【0052】
図9において、画像生成装置15で生成した画像を観察者に提示するために、画像制御回路16は、表示手段1に画像を表示させる表示回路17へ画像信号を送るとともに、表示手段1を照明する光源5L、5Rの点灯タイミングを制御する照明手段駆動回路18を制御する。これらの信号に応じて、表示手段1は画像を表示し、光源5L、5Rが点灯する。
【0053】
表示手段1に表示された画像は、実施形態1で説明したものと同様の構成を持つ光学系により観察者に提示される。
【0054】
本実施形態に係る画像観察システムは、表示光学系2,3の前方に撮像光学系9,10をそれぞれ配置している。撮像光学系9は、直角プリズム13L、正の光学的パワーを有する撮像光学系12L、CCDなどの撮像素子11Lを有している。ここでは、直角プリズム13Lを用いて、光路を折り畳んで小型にしているが、13Lの代わりに光を反射させるミラーなどの光学素子で光路を切り換えることも可能である。
【0055】
外界の物体からの光束は直角プリズム13Lで内部反射され、入射平面にて今度は全反射させられ、直角プリズム13Lを出て撮像光学系12Lによって撮像素子11L上に結像される。ここで撮像系9の外界側光軸は、表示系2の入射瞳SLSの主光線光軸CLLの延長線と略一致させてある。また、撮像光学系12Lの入射瞳19Lは主光線光軸CLLの所定の位置に置かれる。
【0056】
左眼用の撮像光学系9で撮像された外界画像情報は信号処理手段14Lで処理され電気信号に変換された後に、画像生成装置15ならびに画像制御回路16で制御され、外界画像情報を表示手段1に表示し、表示光学系2により左眼に導かれる。このとき、あたかも裸眼で外界の物体を観察しているように各部分が構成されている。前述したように、画像生成装置15では、CGなどの仮想の左眼画像を生成しこの画像に撮像光学系9で撮像された外界画像情報をするように構成することも可能である。この時は、CGなどの仮想の左眼画像と外界画像情報を重畳した合成画像をメモリなどに記憶させて、これを表示手段1に表示することも可能である。
【0057】
撮像光学系9の外界像の撮像画角(撮像素子11Lのサイズと結像光学系12Lの焦点距離及びその位置関係で決定される)を、表示光学系2の表示画角(表示手段1の表示素子のサイズと表示光学系2の焦点距離及びその位置関係で決定される)と略一致させることにより、ビデオシースルー観察時(表示手段1の画像情報を観察すること)の外界観察倍率を裸眼観察時のそれと合わせている。
【0058】
尚、本実施形態において、撮像光学系9の撮像画角を、予め表示光学系2の表示画角よりも大き目に設定し、撮影系で撮影した外界像の一部を切り取り表示系の表示画角と同じにして表示光学系2の表示手段1に表示して双方が等倍観察となるようにしても良い。
【0059】
本発明においては図9に示すように、撮像光学系9の結像光学系12L及び撮像素子11Lを外界側にずらして配置している。つまり撮像光学系9の撮像光学系12Lの入射瞳位置19Lを、観察者の眼球光学系の入射瞳位置SLSに対し外界側にずらし量Dだけずらして配置している。
【0060】
このような構成とすることにより、外界空間の位置関係を保ったまま、物体の大きさ知覚を裸眼観察と合致させることができ、違和感の無い外界観察を可能としている。また入射瞳近傍に光学要素を配置することが可能であるため、光学系の小型化を可能としている。
【0061】
本実施形態において、このずらし量Dを大きく取り過ぎると、観察者に近い距離(例えば300mm程度)の空間においては、物体の距離感覚に対しての影響が大きくなり、裸眼で観察した場合に比べ物体が近い位置に感じられてしまう場合がある。
【0062】
そこでずらし量Dは60mm以下が良く、好ましくは5mm以上60mm以下であることが望ましい。また特に10mm以上40mm以下の範囲に設定すると、光学系が大きくならずに、また距離感に対する影響はほとんど知覚されなくなる。
【0063】
左眼側の撮像光学系9について説明したが、右眼用撮像光学系のも同様に構成され、左右眼による立体視が可能となる。
【0064】
以上の様に構成される画像観察システムの、表示手段1に表示する画像としては、左眼用撮像光学系9で撮像された外界画像と、画像生成装置15で生成されたCG画像などの仮想画像と合成した合成画像であったり、外界画像のみであったり、またはCG画像などの仮想画像のみの画像であったりする。いずれの場合も、左眼用の視差画像である。この左眼画像の表示に同期して光源5Lを点灯し、左眼光学系2により左眼で画像を導くことで、左眼画像のみを左眼で観察する。次のタイミングで、光源5Rを点灯し、この点灯に同期して、右眼画像を表示手段1に表示し、右眼光学系3を介して、右眼に導き、右眼画像のみを右眼で観察する、これにより観察者はそれぞれの眼で、それぞれの視差画像を観察することになり、立体画像を観察することができる。
【0065】
(数値実施例1)
図10及び図11は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置の第1の数値実施例を説明するための図である。図10において、SIは画像表示手段の表示面であり、SL1,SL2,SL3,SL4,SL5はそれぞれ左眼用光学系を構成する光学面、SLSは左眼用光学系の射出瞳である。SR1,SR2,SR3,SR4,SR5はそれぞれ右眼用光学系を構成する光学面、SRSは右眼用光学系の射出瞳である。実施形態の説明において述べた通り、左眼用光学系と右眼用光学系とは同一の構成とすることが望ましいので、簡単のために以降は左眼用光学系2のみについて構成を説明する。
【0066】
尚、本数値実施例においては、瞳SLSの中心を原点とし、視軸(SLSとSL1との間の中心画角主光線に一致)をz軸にとり、紙面(中心画角主光線により形成される平面)上にz軸に垂直に図示の方向にy軸をとり、右手系を形成するように図で紙面奥向きを正としてx軸をとった座標系における面配置を、瞳から表示面に到る逆光線追跡の順に面番号を付して表すこととする。従って、図11のように、瞳をS1とし、図10のSL1を逆追跡光線の入射面S2、偏心反射面S4、折り返し反射面S6、偏心反射面S8とし、SL2を偏心反射面S3、透過面S9とし、SL3を偏心反射面S5,S7とし、SL4をS10、SL5をS11として、表示面はそのままSIとして表記する。
【0067】
また、面配置はyz断面においてのみ偏心しており、従ってx軸周りの回転が生じている。これを図で半時計回りの方向を正方向として、A(単位:°)で表す。
【0068】
別に示す光学データ表では、面番号SURFと各面を記述する位置及び回転角を上述の通り、X,Y,Z,Aで表し、曲率半径をR、面定義のタイプをtyp、面の後の媒質の屈折率、及びアッベ数をNd,vdで表している。尚、空気はNd=1,vd=0とし、面が反射する際はNdの符号が変化するように表している。面定義タイプがSPHのものは曲率半径Rの値のみで表される球面、SPSのものはその後に記載の番号に従い、表下欄に示した係数を持つ次式(1)で表される非回転対称面である。表で明示されない係数については、その項の係数が0であることを意味する。
【0069】
【外1】
但し、c=1/R,r=√(x^2+y^2)
【0070】
数値実施例1の実施データを表1に示す。表1に示したデータより、本実施形態では対角約0.5インチ(10.2mm×7.6mm)の表示面を用いて、水平(y方向)画角30°,垂直画角23°程度,瞳径φ10mmの表示を観察者に行う光学系を実現可能である。光学設計的には、無限遠方から瞳S1を通った光束を、面S2より第1のプリズムに入射させ、面S3,S4,S5,S6,S7,S8と順次反射させて面S9より第2のプリズムに入射させ、面S10で反射させ、面S11より射出させて、表示面SIに結像する構成になっている。従って、表示面SIからの光束は上述と逆の経路を辿って瞳S1に導かれ、瞳S1の位置に瞳孔を置いた観察者によって、無限遠方に水平画角30°の拡大虚像が認識される。
【0071】
(数値実施例2)
図12及び図13は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置の変形例に関する第2の数値実施例を説明するための図である。第1の数値実施例との違いは、第1のプリズムP1(第1実施形態の23)における反射回数が4回から3回に減り、SL3を折り返し反射面として光路を往復させるように構成することで、さらに小型化を実現している点と、第2のプリズムP2(第1実施形態の24)を接合していたものを分離し、光学面SL4を実質的に増加させ設計の自由度をあげていることと、第2のプリズムP2における反射回数が増加している点である。
【0072】
図12において、SIは画像表示手段の表示面であり、SL1,SL2,SL3,SL4,SL5,SL6はそれぞれ左眼用光学系を構成する光学面、SLSは左眼用光学系の射出瞳である。SR1,SR2,SR3,SR4,SR5,SR6はそれぞれ右眼用光学系を構成する光学面、SRSは右眼用光学系の射出瞳である。実施形態の説明において述べた通り、左眼用光学系と右眼用光学系とは同一の構成とすることが望ましいので、簡単のために以降は左眼用光学系2のみについて構成を説明する。
【0073】
尚、本数値実施例においては、瞳SLSの中心を原点とし、視軸(SLSとSL1との間の中心画角主光線に一致)をz軸にとり、紙面(中心画角主光線により形成される平面)上にz軸に垂直に図示の方向にy軸をとり、右手系を形成するように図で紙面奥向きを正としてx軸をとった座標系における面配置を、瞳から表示面に到る逆光線追跡の順に面番号を付して表すこととする。
【0074】
表2に数値実施例2の光学データを示す。表2中の記号などについては、前記の第1数値実施例と同様である。但し、typの項がZRN*で表されているものは、表下欄に示した係数を持つ次式(2)で表される非回転対称面である。表で明示されない係数については、その項の係数が0であることを意味する。
z=(1/R)*(x2+y2)/(1+(1−(1+k)*(1/R)2*(x2+y2))(1/2))+c2+c4*y+c5*(x2−y2)+c6*(−1+2*x2+2*y2)+c10*(−2*y+3*x2*y+3*y3)+c11*(3*x2*y−y3)+c12*(x4−6*x2*y2+y4)+c13*(−3*x2+4*x4+3*y2−4*y4)+c14*(1−6*x2+6*x4−6*y2+12*x2*y2+6*y4)+c20*(3*y−12*x2*y+10*x4*y−12*y3+20*x2*y3+10*y5)+c21*(−12*x2*y+15*x4*y+4*y3+10*x2*y3−5*y5)+c22*(5*x4*y−10*x2*y3+y5)+c23*(x6−15*x4*y2+15*x2*y4−y6)+c24*(−5*x4+6*x6+30*x2*y2−30*x4*y2−5*y4−30*x2*y4+6*y6)+c25*(6*x2−20*x4+15*x6−6*y2+15*x4*y2+20*y4−15*x2*y4−15*y6)+c26*(−1+12*x2−30*x4+20*x6+12*y2−60*x2*y2+60*x4*y2−30*y4+60*x2*y4+20*y6) +・・・ (2)
【0075】
表2に示したデータより、本実施形態では対角約0.5インチ(10.2mm×7.6mm)の表示面を用いて、水平(y方向)画角30°,垂直画角23°程度,瞳径φ10mmの表示を観察者に行う光学系を実現可能である。光学設計的には、無限遠方から瞳S1を通った光束を、面S2より第1のプリズムP1に入射させ、面S3,S4,S5,S6と順次反射させて面S7より射出させる。この光束を面S8より第2のプリズムに入射させ、面S9,面S10で反射させ、面S11より射出させて、表示面SIに結像する構成になっている。従って、表示面SIからの光束は上述と逆の経路を辿って瞳S1に導かれ、瞳S1の位置に瞳孔を置いた観察者によって、無限遠方に水平画角30°の拡大虚像が認識される。
【0076】
以上、数値実施例1,2を説明したが、当然のことながらこれらの光学系は第2実施形態に係るビデオシースルー方式の画像観察システムの表示光学系として用いることができる。
【0077】
以上説明した各実施形態から以下のような発明が特定される。
【0078】
(発明1)一枚の画像表示素子と、前記画像表示素子に表示された画像を含む光束をそれぞれ観察者の左右の眼球に導く略鏡面対称な位置に配置された略同一形状の光学要素群より成る左右眼用の表示光学系であって、少なくても一面以上の反射面を有する表示光学系とを有する頭部装着型の画像表示装置において、観察者の左右の眼球瞳からそれぞれ逆光線追跡を行った際の最初の反射面において、左右の眼球瞳からの光束が互いに離れる方向に反射され、且つ前記画像表示素子を照明する光源は左右の眼球に到達する光束を交互に射出し、前記画像表示素子は前記光源に同期して左右眼用の画像を交互に表示することを特徴とする画像表示装置。
【0079】
(発明2)前記表示光学系は少なくてもそれぞれ一面の偏心反射面を有していることを特徴とする発明1に記載の画像表示装置。
【0080】
(発明3)前記表示光学系は光路に対して偏心した所定の反射面での複数回の反射を含み、且つ当該複数回の反射におけるそれぞれの入射光と反射光のベクトルの外積間の内積が負になる場合を含むことを特徴とする発明1乃至2に記載の画像表示装置。
【0081】
(発明4)前記表示光学系中に、前記画像表示素子に表示された画像の中間実像が形成されることを特徴とする発明1乃至3に記載の画像表示装置。
【0082】
(発明5)前記偏心反射面は複数であって、そのうちの少なくとも2つの面が曲面形状の偏心反射曲面であることを特徴とする発明2の画像表示装置。
【0083】
(発明6)前記表示光学系は少なくてもそれぞれ一面の非回転対称反射面を有することを特徴とする発明1乃至5に記載の画像表示装置。
【0084】
(発明7)前記表示光学系はプリズム状光学素子を有し、内部全反射と透過の兼用面を有することを特徴とする発明1乃至6の画像表示装置。
【0085】
(発明8)前記光源からの照明光束の配光分布の中心と前記表示光学系の主光線の光軸が略一致していることを特徴とする発明1乃至7の画像表示装置。
【0086】
(発明9)発明1乃至8に記載の画像表示装置に、左右眼用にそれぞれ外界を撮像する撮像光学系を設け、当該撮像光学系で撮像した画像を観察者の左右眼に提示することを特徴とする画像観察システム。
【0087】
(発明10)前記表示光学系の中心画角の主光線光軸を瞳から前方に延長した軸と、前記撮像光学系の光軸が一致することを特徴とする発明9に記載の画像観察システム。
【0088】
(発明11)前記撮像光学系の入射瞳位置を、前記表示光学系の入射瞳と等価な位置よりも外界側にずらして配置したことを特徴とする発明10に記載の画像観察システム。
【0089】
(発明12)前記撮像光学系の入射瞳位置と、前記表示光学系の入射瞳と等価な位置のずらし量dが、0<d<60(mm)であることを特徴とする発明11に記載の画像観察システム。
【0090】
(発明13)前記当該撮像光学系で撮像した画像に、画像生成手段で生成した画像を重畳して観察者の左右眼に提示することを特徴とする発明9乃至12に記載の画像観察システム。
【0091】
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により単一の表示素子に表示された画像を左右眼用の光学系を用いて観察者の両眼に提供する画像表示装置であって、左右眼用の光学系を鏡面対称な同一構成の光学系とすることで高い光学性能を確保しながら製造コストを抑えるとともに、コンパクト且つ広画角化に適した光学系を有する画像表示装置を提供することが可能となった。また、当該画像表示装置を用いて違和感の無いビデオシースルー観察が可能な画像観察システムを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す要部構成図
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置における最大画角主光線を示す図
【図3】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置において中心画角に対する有効瞳径を形成するマージナル光線を示す
【図4】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置における表示手段と照明手段についての別の構成例を示す図
【図5】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置における表示手段と照明手段についての更に別の構成例を示す図
【図6】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置における表示手段と照明手段についての更に別の構成例を示す図
【図7】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置における表示手段と照明手段についての更に別の構成例を示す図
【図8】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置における表示装置の他の構成を示す図
【図9】本発明の画像表示装置の第2実施形態であるビデオシースルー観察が可能な画像観察システムの要部構成図
【図10】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置の第1の数値実施例を説明するための図
【図11】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置の第1の数値実施例を説明するための図
【図12】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置の第2の数値実施例を説明するための図
【図13】本発明の第1実施形態に係る画像表示装置の第2の数値実施例を説明するための図
【図14】単一の表示素子に表示された画像を、観察者の両眼に提供する画像表示装置の従来例を示す図
【符号の説明】
1 表示手段
2 左眼用光学系
3 右眼用光学系
4 照明手段
5L 左眼用照明光源
5R 右眼用照明光源
6 照明手段光学系
7 照明手段光学素子
9、10 撮像光学系
15 画像生成装置
16 画像制御回路
17 表示回路
18 照明手段駆動回路
23、24,33,34 光学素子
SL 表示光学系光学面
SI 表示面
Claims (1)
- 一枚の画像表示素子と、
前記画像表示素子に表示された画像を含む光束をそれぞれ観察者の左右の眼球に導く略鏡面対称な位置に配置された略同一形状の光学要素群より成る左右眼用の表示光学系であって、少なくても一面以上の反射面を有する表示光学系とを有する頭部装着型の画像表示装置において、
観察者の左右の眼球瞳からそれぞれ逆光線追跡を行った際の最初の反射面において、左右の眼球瞳からの光束が互いに離れる方向に反射され、且つ前記画像表示素子を照明する光源は左右の眼球に到達する光束を交互に射出し、前記画像表示素子は前記光源に同期して左右眼用の画像を交互に表示することを特徴とする画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003111690A JP2004317798A (ja) | 2003-04-16 | 2003-04-16 | 画像表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003111690A JP2004317798A (ja) | 2003-04-16 | 2003-04-16 | 画像表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004317798A true JP2004317798A (ja) | 2004-11-11 |
Family
ID=33472170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003111690A Withdrawn JP2004317798A (ja) | 2003-04-16 | 2003-04-16 | 画像表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004317798A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010107874A (ja) * | 2008-10-31 | 2010-05-13 | Canon Inc | 画像表示装置 |
JP2011002491A (ja) * | 2009-06-16 | 2011-01-06 | Toppan Printing Co Ltd | 表示体及びラベル付き物品 |
WO2015029912A1 (ja) | 2013-08-26 | 2015-03-05 | 株式会社テレパシーホールディングス | 自然な視界を実現できる接眼型の映像表示装置 |
JP2016166930A (ja) * | 2015-03-09 | 2016-09-15 | セイコーエプソン株式会社 | 画像表示装置 |
JP2018504637A (ja) * | 2015-01-21 | 2018-02-15 | テッセランド・エルエルシーTesseland Llc | 全反射を有するディスプレイ装置 |
JP2019047227A (ja) * | 2017-08-31 | 2019-03-22 | キヤノン株式会社 | 画像表示装置 |
-
2003
- 2003-04-16 JP JP2003111690A patent/JP2004317798A/ja not_active Withdrawn
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010107874A (ja) * | 2008-10-31 | 2010-05-13 | Canon Inc | 画像表示装置 |
JP2011002491A (ja) * | 2009-06-16 | 2011-01-06 | Toppan Printing Co Ltd | 表示体及びラベル付き物品 |
WO2015029912A1 (ja) | 2013-08-26 | 2015-03-05 | 株式会社テレパシーホールディングス | 自然な視界を実現できる接眼型の映像表示装置 |
US9575320B2 (en) | 2013-08-26 | 2017-02-21 | Telepathy Holdings Co., Ltd. | Ocular video display device enabling natural field of view |
JP2018504637A (ja) * | 2015-01-21 | 2018-02-15 | テッセランド・エルエルシーTesseland Llc | 全反射を有するディスプレイ装置 |
JP2016166930A (ja) * | 2015-03-09 | 2016-09-15 | セイコーエプソン株式会社 | 画像表示装置 |
WO2016143246A1 (ja) * | 2015-03-09 | 2016-09-15 | セイコーエプソン株式会社 | 画像表示装置 |
CN107407813A (zh) * | 2015-03-09 | 2017-11-28 | 精工爱普生株式会社 | 图像显示装置 |
CN107407813B (zh) * | 2015-03-09 | 2019-12-24 | 精工爱普生株式会社 | 图像显示装置 |
JP2019047227A (ja) * | 2017-08-31 | 2019-03-22 | キヤノン株式会社 | 画像表示装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0660155B1 (en) | Image display apparatus | |
JP5335375B2 (ja) | 画像表示装置 | |
US8253653B2 (en) | Image observation system | |
JP3755036B2 (ja) | 広視野角ヘッドマウントディスプレイ装置 | |
JP5290092B2 (ja) | 眼鏡型画像表示装置 | |
US9740004B2 (en) | Pupil-expanded biocular volumetric display | |
JP5282358B2 (ja) | 画像表示光学系及び画像表示装置 | |
JP2002258208A (ja) | 光学素子及びそれを用いた複合表示装置 | |
WO2016181459A1 (ja) | プリズム光学系、プリズム光学系を用いた画像表示装置及びプリズム光学系を用いた撮像装置 | |
JP4095422B2 (ja) | 画像表示装置および画像表示システム | |
JP2002323672A (ja) | 光路分割素子及びそれを用いた画像表示装置 | |
JP2012058301A (ja) | 偏心光学系、偏心光学系を用いた画像表示装置及び撮像装置 | |
JP2002228970A (ja) | 光学系及びそれを用いた画像表示装置 | |
JP2004317798A (ja) | 画像表示装置 | |
JP4738798B2 (ja) | 画像観察装置 | |
JP2000310747A (ja) | 画像観察装置 | |
JP3977002B2 (ja) | 画像表示装置及びそれを用いたヘッドマウントディスプレイ | |
JP2004341324A (ja) | 光学系および画像表示装置 | |
JP3542213B2 (ja) | 画像表示装置 | |
JP3957961B2 (ja) | 画像表示装置及びそれを用いたヘッドマウントディスプレイ | |
JP3604979B2 (ja) | 画像観察装置 | |
JP3870073B2 (ja) | 画像表示装置および撮像装置 | |
JP2003149593A (ja) | 表示光学系、画像表示装置、撮像光学系および撮像装置 | |
JP3604990B2 (ja) | 画像観察システム | |
JP2003149588A (ja) | 表示光学系、画像表示装置、撮像光学系および撮像装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060704 |