JP2004317739A - カラー画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的簡単な構成でありながら、単色画像及び2色以上のカラー画像を形成したときに中間転写ベルトに速度ムラが生じないようにする。
【解決手段】選択されたモードが単色使用モードであるか複数色使用モードであるかに応じて、その各作像モードにおける中間転写ベルト10のベルト速度の変動や外乱に対応した最適な補正制御パラメータを設定して中間転写ベルト10のベルト速度を補正する。それにより、複数の感光体40のうち、画像形成に使用しない各感光体40を中間転写ベルト10から離間させることによって、中間転写ベルト10に加わる負荷が変動するようになっても、中間転写ベルト10のベルト速度に速度ムラが生じないようにすることができる。したがって、2色以上のカラー画像に色ズレや色合いの変化が生じないようにすることができる。
【選択図】 図3
【解決手段】選択されたモードが単色使用モードであるか複数色使用モードであるかに応じて、その各作像モードにおける中間転写ベルト10のベルト速度の変動や外乱に対応した最適な補正制御パラメータを設定して中間転写ベルト10のベルト速度を補正する。それにより、複数の感光体40のうち、画像形成に使用しない各感光体40を中間転写ベルト10から離間させることによって、中間転写ベルト10に加わる負荷が変動するようになっても、中間転写ベルト10のベルト速度に速度ムラが生じないようにすることができる。したがって、2色以上のカラー画像に色ズレや色合いの変化が生じないようにすることができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、回動するベルトの全周に亘って設けたスケールをセンサで読み取ってそのベルトの実際の速度を検出し、それに応じてベルトの速度を目標の速度に補正制御するようにしたカラー画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式を使用した画像形成装置である例えば複写機やプリンタは、市場からの要求に伴い、フルカラーの画像を形成可能なものが多くなってきている。
このようなカラー画像の形成が可能なカラー画像形成装置には、1つの感光体のまわりに各色のトナーで現像を行う複数の現像装置を備え、それらの現像装置により感光体上の潜像にトナーを付着させてフルカラーの合成トナー画像を形成し、そのトナー画像を記録材であるシート上に転写してカラー画像を得る、いわゆる1ドラム型のものがある。
また、複数の感光体を並べて配置すると共にその各感光体に対応させて異なる色のトナーで現像をする現像装置をそれぞれ設け、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成し、その単色のトナー画像をベルト上あるいはシート上に順次転写していくことによりベルト上あるいはシート上にフルカラーの合成カラー画像を形成する、いわゆるタンデム型のものもある。
【0003】
この1ドラム型の画像形成装置とタンデム型の画像形成装置とを比較すると、前者は感光体が1つであることから装置全体を比較的小型化することができ、それに伴ってコストもその分だけ安価になるという利点がある。しかしながら、1つの感光体を複数回(フルカラーの場合には4回)回転させてフルカラー画像を1枚形成する構成であるため、画像形成速度の高速化は困難であるという欠点を有する。
また、後者のタンデム型の画像形成装置の場合には、感光体を複数必要とするため逆に装置が大型化する傾向があり、その分だけコストも高くなってしまうという欠点はあるが、画像形成速度の高速化が図れるという利点がある。
そこで、最近はフルカラーの画像もモノクロ並みの画像形成スピードが望まれていることから、後者のタンデム型の画像形成装置が注目されている。
【0004】
このタンデム型の画像形成装置には、図19に示すように、一直線上にそれぞれ配置した各感光体91Y,91M,91C,91K上のトナー画像を、矢示A方向に回動するシート搬送ベルト93上に担持されて搬送されるシートP上に各転写装置92により順次転写していき、そのシートP上にフルカラーの画像を形成する直接転写方式のものと、図20に示すように、複数の各感光体91Y,91M,91C,91K上のトナー画像を矢示B方向に回動する中間転写ベルト94上に順次重ね合わせていくように転写していき、その中間転写ベルト94上の画像を2次転写装置95によりシートP上に一括転写する間接転写方式のものとがある。
【0005】
この2つの転写方式を比べると、前者は複数の感光体91を並べたその上流側に給紙装置96を、下流側に定着装置97をそれぞれ配置する構成となるため、装置全体がどうしてもシートの搬送方向に長くなって大型化してしまうという欠点がある。
これに対し、後者は2次転写位置を比較的自由に設定することができるため、図20に示した例のように2次転写装置95を中間転写ベルト94の下側に配置すると共に、給紙装置96もその中間転写ベルト94の下側に配置することができるので、装置を幅方向(図20で左右方向)に小型化することができる利点がある。
【0006】
さらに、前者の直接転写方式のタンデム型は、装置を幅方向にできるだけ小さくしようとすると、定着装置97をシート搬送ベルト93に接近させて配置するようになる。このようにすると、シートPの先端が定着装置97のニップに達した際に、そのシートPがシート搬送ベルト93と定着装置97との線速差(定着装置97の方が遅い)により撓もうとしても、シート搬送ベルト93から定着装置97までの距離が極めて短いために、特に厚いシートの場合にはその先端が定着装置97のニップに達した際の衝撃等によりシート全体に振動が生じ、それが画像に影響を与えやすいという欠点があった。
【0007】
これに対し、後者の間接転写方式のタンデム型の場合には、2次転写装置95を中間転写ベルト94の下側に配置することができるため、装置を幅方向に小型化しても定着装置97を中間転写ベルト94から離して配置できる余裕が生まれる。したがって、シートの先端が定着装置97のニップに達したときでも、シートは中間転写ベルト94と定着装置97との線速差に対して余裕をもって撓むことによりその線速差を吸収してしまうので、画像に悪影響が出ないようにすることができる。
このように、間接転写方式のタンデム型の画像形成装置は利点が多いので、最近では特に注目されている。
【0008】
ところで、各色のトナーに対応させて複数の感光体を並べて配置するタンデム型の画像形成装置では、その各感光体上に形成した異なる色のトナー画像をシート上あるいは中間転写ベルト上に重ね合わせてカラー画像を形成するため、その各色の画像の重ね合わせ位置が狙いの位置に対してずれてしまうと、画像上において色ズレや微妙な色合いに変化が生じてしまうようになるので画像品質が低下してしまう。したがって、その各色のトナー画像の位置ズレ(色ズレ)は重要な問題であった。
その色ズレが発生する原因の一つとして、間接転写方式の転写装置の場合には中間転写ベルト(直接転写方式の場合にはシート搬送ベルト)の速度ムラがあるということが解っている。
そこで、従来の転写ベルトを使用したカラーの画像形成装置には、例えば特許文献1に記載されているように、転写ベルトの速度ムラを補正するようにしたものがある。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−24507号公報(第3〜4頁、第1図)
【0010】
上記文献には、駆動ローラを1本含む5本の支持ローラ間に中間転写ベルト(転写ベルト)を回動可能に張架し、その中間転写ベルトの外周面に、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの4色のトナー画像を順次重ね合わせ状態に転写していくことによりフルカラーの画像を形成するカラー複写機が記載されている。
このカラー複写機の中間転写ベルトの内面には、微細且つ精密な目盛で形成したスケールを設けて、そのスケールを光学型の検出器で読み取って中間転写ベルトの移動速度を正確に検知し、その検出した移動速度をフィードバック制御系によりフィードバック制御して中間転写ベルトを正確な移動速度になるように制御している。
【0011】
そして、そのフィードバックの制御系に、上記検出器の他に位置制御回路,速度制御回路,電力変換回路,位置検出回路,速度検出回路等を設け、その位置制御回路で位置検出回路からの正確且つ微細な位置信号と中間転写ベルトの目標位置との偏差を演算し、それにより中間転写ベルトの目標速度を正確に算出し、それを速度制御回路に出力するようにしている。その速度制御回路は、位置制御回路から入力した正確な目標速度と、速度検出回路から入力する速度信号との偏差を演算し、それにより中間転写ベルトを駆動するモータに供給する正確な電気量を算出してそれを電力変換回路に出力し、上記モータの駆動を制御することにより中間転写ベルトの移動を正確な移動速度にしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように中間転写ベルトの移動速度を検出して、それをフィードバック制御することにより中間転写ベルトを目標速度に正確に補正制御するには高精度の速度検知システムを備えたフィードバック制御系が必要となるため、それを実現しようとするとかなりコストアップになってしまうという問題点があった。
すなわち、中間転写ベルトの速度ムラを発生させる要因は多種多様であり、それら要因の全てについて検知して、それを補正しようとすれば、複雑且つ高精度の速度検知システムが必要となるため、構成が複雑になると共にコストアップにもなる。
【0013】
また、フルカラーの画像を形成可能なタンデム型のカラー画像形成装置では、カラーモード(フルカラーの画像形成モード)時にはイエロー,シアン,マゼンタ,ブラック(以下Y,C,M,Kで示す)の4色のトナーを使用して作像するが、白黒モードではK1色のみのトナーを使用して作像する。
したがって、この白黒モード(単色モード)時には、K以外の感光体ドラム,現像装置,帯電装置,中間転写用高圧電源は停止させておいたほうが、トナーの無駄な消費を防止できると共に、電力の節約にもなる。
【0014】
ところが、そのK以外のY,C,Mの各感光体ドラムを中間転写ベルトに接触させた状態のまま停止させると、その停止状態にある感光体ドラムが回動する中間転写ベルトに多大な負荷(摩擦負荷)を与えるようになるため、4個全ての感光体ドラムを回転させているときに比べてベルト駆動の負荷特性が異なるようになる。
したがって、この場合には、全ての感光体ドラムが回転しているときとベルト速度の変動周期も異なる。そのため、このようなカラー画像形成装置では、ベルト補正制御のパラメータをカラーモード時と白黒モード時とで同じに設定すると、中間転写ベルトに加わる負荷の変動により中間転写ベルトの速度ムラが大きくなって色ズレが発生しやすくなるという問題点があった。
【0015】
また、白黒モード時にK以外のY,C,Mの各感光体ドラムを中間転写ベルトに接触させた状態のまま停止させた場合には、その停止状態にある各感光体ドラムの表面が中間転写ベルトとそれぞれ摺接するようになるので、それによって中間転写ベルトに傷が付きやすくなるという問題点もあった。
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、比較的簡単な構成で低コストにできながら、白黒画像のような単色画像を形成したときと、2色以上のトナーを使用して形成するカラー画像を形成したときとで、共に中間転写ベルトの速度を最適な状態に補正して、形成したカラー画像に色ズレや色合いの変化が生じないようにすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、複数の感光体とその各感光体に接する中間転写ベルトとを備え、そのベルトに全周に亘って設けたスケールをセンサで読み取ることにより中間転写ベルトの実際の速度を検知し、その実際の速度に応じて中間転写ベルトの速度を目標速度に補正制御するようにしたタンデム型のカラー画像形成装置において、
上記中間転写ベルトの速度を補正制御する際の補正制御パラメータを、選択された作像モードに対応する補正制御パラメータにする補正制御パラメータ設定手段を設けたものである。
その補正制御パラメータ設定手段は、選択された作像モードが複数色使用モードであるときには複数色使用モード用の補正制御パラメータを設定する手段であるようにするとよい。
また、その補正制御パラメータ設定手段は、選択された作像モードが単色使用モードであるときには単色使用モード用の補正制御パラメータを設定する手段であるようにするとよい。
【0017】
そして、上記補正制御パラメータは、比例ゲインとしたり、フィルタ係数としたりするとよい。
また、上記カラー画像形成装置において、中間転写ベルトを複数の感光体に対して接離させるベルト接離手段を設け、複数色使用モードでフルカラーの画像を形成するモードが選択されたときには上記ベルト接離手段により中間転写ベルトを複数の感光体の全てに接触させるようにする手段を設けるとよい。
さらに、上記カラー画像形成装置において、中間転写ベルトを複数の感光体の中で選択した感光体に対してのみ接離させるベルト接離手段を設け、単色使用モードが選択されたときには上記ベルト接離手段により中間転写ベルトを複数の感光体の中で選択した感光体に対してのみ接触させるようにする手段を設けるとよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明の一実施形態例であるカラー画像形成装置のベルト移動速度制御に関する制御系を示すブロック図、図2は同じくそのカラー画像形成装置の一例を示す全体構成図、図3は同じくそのカラー画像形成装置の作像部に設けられている中間転写ベルトとそのベルト移動速度制御に関する制御系を示す概略構成図である。
図2にカラー画像形成装置の一例として示すカラー複写機は、イエロー(Y),シアン(C),マゼンタ(M),ブラック(K)の4つの画像形成部18を構成する4個のドラム状の感光体40Y,40C,40M,40K(以下、特定しない場合には単に感光体40と呼ぶ)と、その各感光体40に接する中間転写ベルト10とを備え、その中間転写ベルト10に全周に亘って図3に示すように設けたスケール5をセンサ6で読み取ることにより中間転写ベルト10の実際の速度を検知し、その実際の速度に応じて中間転写ベルト10の速度(以下、単にベルト速度ともいう)を目標速度に補正制御するようにしたタンデム型のカラー画像形成装置である。
【0019】
このカラー画像形成装置は、給紙テーブル2上に複写機本体1を載置している。その複写機本体1の上にはスキャナ3を取り付けると共に、その上に原稿自動給送装置(ADF)4を取り付けている。
複写機本体1内には、その略中央に無端ベルト状の中間転写ベルト10を有する転写装置20を設けており、その中間転写ベルト10は駆動ローラ9と2つの従動ローラ15,16の間に張架されて図2で時計回り方法に回動するようになっている。また、この中間転写ベルト10は、従動ローラ15の左方に設けられているクリーニング装置17により、その表面に画像転写後に残留する残留トナーが除去されるようになっている。
【0020】
その中間転写ベルト10の駆動ローラ9と従動ローラ15の間に架け渡された直線部分の上方には、その中間転写ベルト10の移動方向に沿って、上述した4個の各感光体40を、それぞれ図2で反時計回り方向に回転可能に設けている。そして、その各感光体上に形成された各画像(トナー画像)が、中間転写ベルト10上に直接重ね合わせ状態に順次転写されていくようになっている。
そのドラム状の感光体40の回りには、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64をそれぞれ設けている。そして、その感光体の上方に、露光装置21を設けている。
【0021】
一方、中間転写ベルト10の下側には、その中間転写ベルト10上の画像を記録材であるシートPに転写する転写部となる2次転写装置22を設けている。その2次転写装置22は、2つのローラ23,23間に無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡したものであり、その2次転写ベルト24が中間転写ベルト10を介して従動ローラ16に押し当たるようになっている。この2次転写装置22は、2次転写ベルト24と中間転写ベルト10との間に送り込まれるシートPに、中間転写ベルト10上のトナー画像を一括転写する。
その2次転写装置22のシート搬送方向下流側には、シートP上のトナー画像を定着する定着装置25があり、そこでは無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27が押し当てられている。
なお、2次転写装置22は、画像転写後のシートを定着装置25へ搬送する機能も果たす。また、この2次転写装置22は、転写ローラや非接触のチャージャを使用した転写装置であってもよい。
その2次転写装置22の下側には、シートの両面に画像を形成する際にシートを反転させるシート反転装置28を設けている。
【0022】
このカラー複写機は、カラーのコピーをとるときは、原稿自動給送装置4の原稿台30上に原稿をセットする。また、手動で原稿をセットする場合には、原稿自動給送装置4を開いてスキャナ3のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動給送装置4を閉じてそれを押える。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動給送装置4に原稿をセットしたときは、その原稿がコンタクトガラス32上に給送される。また、手動で原稿をコンタクトガラス32上にセットしたときは、直ちにスキャナ3が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行を開始する。そして、第1走行体33の光源から光が原稿に向けて照射され、その原稿面からの反射光が第2走行体34に向かうと共に、その光が第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入射して、原稿の内容が読み取られる。
【0023】
また、上述したスタートスイッチの押下により、中間転写ベルト10が回動を開始する。さらに、それと同時に各感光体40Y,40C,40M,40Kが回転を開始して、その各感光体上にイエロー(Y),シアン(C),マゼンタ(M),ブラック(K)の各単色画像を形成する動作を開始する。そして、その各感光体上に形成された各色の画像は、図2で時計回り方向に回動する中間転写ベルト10上に重ね合わせ状態に順次転写されていき、そこにフルカラーの合成カラー画像が形成される。
一方、上述したスタートスイッチの押下により、給紙テーブル2内の選択された給紙段の給紙ローラ42が回転し、ペーパーバンク43の中の選択された1つの給紙カセット44からシートPが繰り出され、それが分離ローラ45により1枚に分離されて給紙路46に搬送される。
【0024】
そのシートPは、搬送ローラ47により複写機本体1内の給紙路48に搬送され、レジストローラ49に突き当たって一旦停止する。
また、手差し給紙の場合には、手差しトレイ51上にセットされたシートPが給紙ローラ50の回転により繰り出され、それが分離ローラ52により1枚に分離されて手差し給紙路53に搬送され、レジストローラ49に突き当たって一旦停止状態になる。
そのレジストローラ49は、中間転写ベルト10上の合成カラー画像に合わせた正確なタイミングで回転を開始し、一旦停止状態にあったシートPを中間転写ベルト10と2次転写装置22との間に送り込む。そして、そのシートP上に2次転写装置22でカラー画像が転写される。
【0025】
その画像が転写されたシートPは、搬送装置としての機能も有する2次転写装置22により定着装置25へ搬送され、そこで熱と加圧力が加えられることにより転写画像が定着される。その後、そのシートPは、切換爪55により排出側に案内され、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出されてそこにスタックされる。
また、両面コピーモードが選択されているときには、片面に画像を形成したシートPを切換爪55によりシート反転装置28側に搬送し、そこで反転させてて再び転写位置へ導き、今度は裏面に画像を形成した後に、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出する。
【0026】
図3に示したセンサ6は、中間転写ベルト10の外面に全周に亘って設けられたスケール5(図2では見えないので図4を参照)を読み取り可能な位置に配設されており、そのセンサ6がスケール5を検知した情報から中間転写ベルト10の実際の速度を検出して、その実際の速度に応じて中間転写ベルト10の速度を目標速度に制御装置70が補正する。
そして、このカラー複写機では、中間転写ベルト10のベルトの速度変動のうち、装置の駆動中に発生する小さな高周波の変動周波数成分以外のゆっくりとベルト速度が変化していく低周波の変動周波数成分のみを補正して中間転写ベルト10を目標速度にするためのフィードバックループ80を設けている。
なお、このフィードバックループ80及び中間転写ベルト10の速度変動における高周波の変動周波数成分と、低周波の変動周波数成分についての詳しい説明は後述する。
【0027】
制御装置70は、各種判断及び処理機能を有する中央処理装置(CPU)と、各処理プログラム及び固定データを格納したROMと、処理データを格納するデータメモリであるRAMと、入出力回路(I/O)とからなるマイクロコンピュータを備えている。
そして、この制御装置70には、図1に示すように、センサ6がスケール5を検知した実際のベルト位置の情報と目標ベルト位置の情報との誤差を演算する比較演算部74と、その位置情報の誤差を入力する補正制御コントローラ71と、そこから出力される情報を入力すると共に中間転写ベルト10の目標速度(基本速度)も入力する比較演算部72と、その比較演算部72から出力される信号(PWM信号)を入力して中間転写ベルト10を駆動するパルスモータであるベルト駆動モータ7を駆動制御するドライブ回路73とが設けられている。
【0028】
補正制御コントローラ71は、フィルタ部71aと比例ゲイン部71bとで構成されていて、中間転写ベルト10の速度を補正制御する際の補正制御パラメータであるフィルタ係数や比例ゲインを、選択された作像モードに対応する補正制御パラメータにする補正制御パラメータ設定手段として機能するものである。
フィルタ部71aは、制御帯域に応じてフィルタ係数を設定して誤差信号をフィルタリングするものであり、ある周波数以上をカットする。また、比例ゲイン部71bは、制御帯域に応じて比例ゲインを設定し、補正量の大きさを決定する。実際には制御帯域が高いほど、早く変動を補正する必要があるので、その場合にはゲインを大きくする。
なお、この実施の形態では、補正制御コントローラ71を、フィルタ部71aと比例ゲイン部71bで構成した場合の例について示したが、その補正制御コントローラ71は、パラメータを有する全てのアルゴリズムのコントローラが含まれる。
【0029】
比較演算部72は、補正制御コントローラ71から入力した中間転写ベルト10の実際の速度と、中間転写ベルト10の目標速度とを比較演算し、その結果をドライブ回路73に出力する。
ドライブ回路73は、その入力した情報から中間転写ベルト10の実際の速度が目標速度と同じであると判断できる速度差内にあるときには、そのまま目標速度でベルト駆動モータ7を駆動制御し続けるが、補正を必要とする速度差になっていれば、その速度差に応じてベルト駆動モータ7の回転数を制御してベルト速度を補正する。なお、このベルト速度補正に関する詳しい説明は後述する。
また、ベルト駆動モータ7は、パルスモータに限るものではなく、それをDCサーボモータ等の速度制御が可能なモータにしてもよい。
【0030】
次に、中間転写ベルト10の駆動系及びその中間転写ベルト10のベルト速度検出系について、図4及び図5をも参照して説明する。
図3に示したように、ベルト駆動モータ7の回転力は、中間転写ベルト10を回動可能に張架すると共にそのベルトを駆動する駆動ローラ9に伝達される。中間転写ベルト10は、例えば弗素系樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリイミド樹脂等で形成するベルトであり、そのベルトの全層や、その一部を弾性部材で形成するようにした弾性ベルトを使用したりする。
【0031】
ベルト駆動モータ7は、駆動ローラ9を回転させることにより中間転写ベルト10を矢示C方向に回動させるが、その間の回転力の伝達は直接であってもよいし、間にギヤを介したものであってもよい。
中間転写ベルト10には、感光体40Y,40C,40M,40Kの順に、そこに形成されている異なる色の単色画像(トナー像)が順次重ね合わせ状態に転写されていく。
なお、中間転写ベルト10の外面には、前述したスケール5を全周に亘って図4に示すように当間隔に形成しているが(図3には一部のみ図示)、そのスケール5のベルト幅方向の位置は、図4に示したように感光体の端部に対応する位置にしている。また、図3に示したセンサ6の配設位置は、中間転写ベルト10が直線状に張架された部分のベルト面のスケール5を検知できる位置であれば、いずれの場所であってもかまわない。
【0032】
そのセンサ6は、その一例を図5に示すように、例えば一対の発光素子6aと受光素子6bを備えた反射型光学センサであり、発光素子6aからスケール5に向けて照射した光の反射光を受光素子6bで受光し、その際にスケール5のスリット部5aとそれ以外の部分5bとで異なる反射光量を検出する。
すなわち、センサ6はスケール5のスリット部5aとそれ以外の部分5bとで異なる反射率の違いにより、HighとLowの2値の信号を出力する。
ここで、例えばセンサ6のタイプが、受光素子6bが光を受光するとHigh信号を出力するタイプのものだとすると、スケール5のスリット部5aの反射率がスリット以外の部分5bよりも高くなるように形成されていれば、センサ6から出力される信号は図5のtの範囲が、スリット部5aがセンサ6を通過している間の出力となる。したがって、中間転写ベルト10が回動するに伴い、センサ6の検出範囲を通過するスリット部5aの有無により、センサ6の出力がHigh、Lowを図示のように繰り返す。
【0033】
したがって、その信号がLowからHighに変化した時点から次のLowからHighに変化するまでの時間Tを求めることにより、中間転写ベルト10の表面の移動速度(以下、単にベルト速度ともいう)を検出することができる。
なお、これはあくまで中間転写ベルト10のベルト速度を検出する方法の一例であり、中間転写ベルト10に形成したスケールを検知することによりそのベルトの移動速度を検出することができるものであれば、そこに使用するセンサやスケールの種類はいずれのものであってもよいし、その検出方法もいずれの検出方法を用いてもよい。
【0034】
次に、中間転写ベルト10のベルト速度の制御について図6を参照して説明する。
図3に示した制御装置70が有するのマイクロコンピュータは、所定のタイミングで図6に示す中間転写ベルトの移動速度補正処理をスタートさせ、以下説明するベルト移動速度補正方法を実行する。
まずステップ1で、ベルト駆動モータ7をONにして、それを目標速度である基本速度Vで回転させるようにし(図1のドライブ回路73が制御)、ステップ2へ進む。そこでは、ベルト駆動モータ7をOFFにする信号を入力しているか否かを判断し、OFF信号を入力していればステップ3へ進んでベルト駆動モータ7をOFFにして、この処理を終了する。
また、ステップ2でOFF信号を入力していなくてステップ4へ進んだときには、そこでフィードバックされるセンサ6からの信号を入力し、その情報から中間転写ベルト10の表面の実際の速度V′を検出する。そして、次のステップ5で、基本速度Vと実際の速度V′との速度比較を行う。
【0035】
次のステップ6では、その基本速度Vと実際の速度V′とが同じでないか(V≠V)を判断し、その基本速度Vと実際の速度V′が同じで、その間に速度差がなければ(許容できる速度差)、中間転写ベルト10は基本速度Vと同じ速度でベルト表面が回転していると判断できるので、そのまま基本速度Vで制御を継続してステップ2へ戻り、再びそのステップ2以降の判断及び処理を繰り返す。
また、ステップ6の判断で、基本速度Vと実際の速度V′とが同じでないときにはステップ7に進んで、そこで基本速度Vと中間転写ベルト10の実際の速度V′とのベルト表面の速度差V″を計算する。
そして、ステップ8で、その速度差V″がV″>0であるか否かを判断し、V″>0であれば(YESの判断)、基本速度Vよりも、中間転写ベルト10の実際の速度V′の方が遅いと判断できるので、基本速度Vに速度差V″を加えた速度V1になるように、ベルト駆動モータ7の回転数を制御し、その後ステップ2へ戻る。
【0036】
また、ステップ8の判断で速度差V″がV″>0でないときには、速度差V″はV″<0であって中間転写ベルト10の実際の速度V′のベルト表面速度が基本速度Vよりも速いと判断できるので、ステップ10へ進んで、そこで基本速度Vから速度差V″を差し引いた速度V2になるように、ベルト駆動モータ7の回転数を制御し、その後ステップ2へ戻る。
そして、そのステップ2以降の判断及び処理を繰返すことにより、中間転写ベルト10の表面の実際の速度V′が基本速度Vになるように補正制御する。そして、ステップ2でベルト駆動モータ7をOFFにする信号の入力を判断するとステップ3へ進んで、ベルト駆動モータ7をOFFにして、この処理を終了する。
【0037】
ところで、中間転写ベルト10のベルトの速度変動には、装置の駆動中に発生する小さな高周波の変動周波数成分と、その高周波の変動周波数成分以外のゆっくりとベルト速度が変化していく低周波の変動周波数成分とがあることを前述した。
その速度変動における高周波の変動周波数成分と低周波の変動周波数成分は、図7に示すように、横軸にベルトの回転時間を取り、縦軸に速度変動量を取ってベルトの目標速度(理想的な基本速度となる)を速度変動の中央に直線で示すと、中間転写ベルト10が一回動(一周)する間に図示のように比較的ゆっくりと速度が変化していく速度変動が低周波の変動周波数成分f1(以下、単に低周波成分f1ともいう)となり、瞬間的に速度が小きざみに変化する速度変動が高周波の変動周波数成分f2(以下、単に高周波成分f2ともいう)となる。
【0038】
そして、その低周波成分f1は、図3に示した中間転写ベルト10又はその中間転写ベルト10のベルト駆動系を構成する駆動ローラ9等のベルト駆動系構成部品に起因して周期的に繰返し現れる変動周波数成分である。
この速度変動における低周波成分f1と、高周波成分f2の両者を補正するためには、その補正周波数レンジを高周波側に合わせる必要があるので、そのためには、かなりの高精度で且つ複雑な構成の制御回路が必要となる。なぜならば、補正精度は、その制御ループの周期とセンサの検知精度が問題になるからである。
この点について、図8及び図9を参照して説明する。
【0039】
図8はこの転写装置が有する低周波変動周波数補正手段として機能するフィードバックループ80を示すものであり、このフィードバックループ80は、中間転写ベルト10の全周に亘って設けられたスケール5をセンサ6で読み取り、そのセンサ6が検知したスケール6から中間転写ベルト10の実際の速度を検知してその実際の速度に応じてベルト駆動モータ7を制御することにより中間転写ベルト10の速度を補正制御するベルト移動速度補正方法を実行する。
そして、補正するのはベルトの速度変動のうち、図7で説明した装置の駆動中に発生する小さな高周波の変動周波数成分f2以外のゆっくりとベルト速度が変化していく低周波の変動周波数成分f1のみとしている。
【0040】
このフィードバックループ80は、中間転写ベルト10上のスケール5をセンサ6で読み取り、その検出結果から中間転写ベルト10の実際の位相を検出し、その位相を目標値と比較してズレ量を検出する。そして、そのズレ量に応じて中間転写ベルト10のベルト速度を目標速度に一致させるための必要な制御量を算出し、その制御量を目標値に対して増減する計算を行う。この制御量の増減は、図6のフローチャートで説明したように、中間転写ベルト10の実際の速度が目標速度に対して速いか遅いかによって判断される。
そして、その増減がなされた制御量によりベルト駆動モータ7の回転数を制御して、中間転写ベルト10のベルト速度を目標速度に一致させる。このようにして、このフィードバックループ80は、中間転写ベルト10のベルト速度を目標速度に一致させるようにフィードバック制御する。
【0041】
このフィードバックループ80の制御ループ一周を周期Aとすると、この制御ループの周期Aが、図9に示すように低周波成分f1の低周波周期Cに比べ十分に短ければ、同図に示したズレ制御量δを検出することは可能である。したがって、フィードバックループ80の制御ループが1ループ終了したときにその実際の速度と目標速度(基本速度)との速度差であるズレ制御量δを補正することで、中間転写ベルト10の速度を目標速度に一致させることができる。
すなわち、A>C(周期Aが低周波周期Cに比べ十分に速いという意味)であれば、ズレ制御量δを補正することができる。
【0042】
ところが、高周波成分f2の高周波周期Bは、図9に示したようにフィードバックループ80の制御ループの周期Aよりも短い周期となるため、この高周波周期Bで現れる中間転写ベルト10の高周波成分f2の速度変動を検知することはできない。したがって、当然、その高周波成分f2の速度変動補正もできない。すなわち、B>A(高周波周期Bが周期Aに比べて速いという意味)となるときは、中間転写ベルト10の高周波成分f2の速度変動補正をするのは不可能である。
そのため、この高周波成分f2の速度変動について補正しようとすれば、それよりも短い周期の制御ループを構成する必要がある。
【0043】
一般的に、制御範囲に収めるためには、対象となる補正周波数の数十倍の周期で補正する必要があるとされている。そのため上述した高周波周期Bで現れる中間転写ベルト10の高周波成分f2の速度変動を補正しようとすれば、それを補正するための制御ループの周期はかなり短くしなければならなくなる。したがって、それを実現しようとすれば、その制御ループを構成する各部品の精度を高める必要があると共に、バラツキを抑える必要がある。
さらに、中間転写ベルト10の移動速度を検出するセンサの精度も高める必要がある。また、中間転写ベルト10上に設けるスケールも高分解能が必要となると共に高精度のものが必要となる。したがって、このようなものを製作するためには加工が困難となるため、それを実現しようとすれば高コストのシステムになってしまう。
【0044】
そこで、この実施の形態による転写装置及びそれを備えた画像形成装置では、中間転写ベルト10の高周波成分f2の速度変動に比べてベルト移動速度の補正が比較的容易に行える低周波成分f1についてのみベルト速度を補正する点に着目し、図8で説明したように、中間転写ベルト10のベルトの速度変動のうち、装置の駆動中に発生する小さな高周波の変動周波数成分以外のゆっくりとベルト速度が変化していく低周波の変動周波数成分のみを補正して中間転写ベルト10を目標速度にする低周波変動周波数補正手段として機能する上述したフィードバックループ80を設けている。
【0045】
このフィードバックループ80では、高周波成分f2の速度変動の補正は行わないが、そのようにしても画像に問題となる影響が出ない点について、以下図10を参照して説明する。
タンデム型のカラー画像形成装置の場合には、図10に示すように中間転写ベルト10の直線状に張られた部分に、複数の感光体40Y,40C(図10では説明の簡略化により2個のみ図示している)を間隔を置いて配置するのが普通であるので、その構成上から中間転写ベルト10上の同じ位置に同時に感光体上のトナー画像が転写されることはあり得ない。
すなわち、感光体40Y上の第1色目のトナー画像T1を中間転写ベルト10上に転写した後は、その中間転写ベルト10上のトナー画像T1が第2色目のトナー画像T2を形成する感光体40Cの転写位置まで移動するまでに時間差taがあり、その第1色目のトナー画像T1が感光体40Cの転写位置に達したタイミングで、その感光体40C上のトナー画像T2が第1色目のトナー画像T1に重ね合わせるように転写される。
【0046】
このように、複数の感光体を並べたタンデム型のカラー画像形成装置を使用して複数色のカラー画像を形成する場合には、最初の画像転写から次の画像転写まで時間差(図10のta)が存在し、フルカラー画像の場合には更にその後に3色目、4色目の各画像がそれぞれ時間差を持って重ね合わせ状態に転写されていき、それにより4色を同じ位置に重ね合わせた画像が形成される。
このとき、例えば第1色目を扱う感光体40Yと、その隣りの第2色目を扱う感光体40Cとの転写タイミングの時間差taよりも遅い低周波周期の速度変動が中間転写ベルト10に発生した場合には、中間転写ベルト10に転写される第2色目の画像は、正規の位置すなわち第1色目の画像位置に対して上記ベルトの速度変動分(遅れ)だけ遅れて第2色目の画像転写位置に到達するようになってしまうので、その結果、色ズレが発生してしまう。
【0047】
また、逆に目標速度に対して速い低周波周期の速度変動が中間転写ベルト10に発生した場合には、上記の場合と逆になり、やはり第2色目の画像は第1色目の画像位置に対して上記ベルトの早まった速度変動分だけ速く第2色目の画像転写位置に到達してしまうので、同様に色ズレが発生してしまう。
ところが、その第1色目の画像転写位置から第2色目の画像転写位置まで中間転写ベルト10が目標速度で移動する時間よりも短い周期となる高周波成分f2の速度変動が発生したとしても、中間転写ベルト10が第2色目の画像転写位置に到達したときに、その中間転写ベルト10の速度が目標速度に戻ってさえいれば、中間転写ベルト10全体の位置ズレにはならないので、中間転写ベルト10上の第1色目の画像位置に対して第2色目の画像が正確に重ね合わされることになる。したがって、第3色目,第4色目も同様に重ね合わされていくので、4色フルカラーの画像を形成しても、色ズレは殆ど現れることがなく、仮に現れたとしても、それは僅かであって画像上において色ズレとしてはわからない程度のものとなる。
【0048】
したがって、この実施の形態のように、中間転写ベルト10のベルトの速度変動のうち、高周波の変動周波数成分以外のゆっくりとベルト速度が変化していく低周波の変動周波数成分のみを補正して中間転写ベルト10を目標速度に補正しても、色ズレを防止することができる。
そして、一般的に上述した高周波周期は数kHz以上であるのに対し、低周波周期は数十Hz以下であるので、その低周波周期を扱う図8に示したフィードバックループ80を低コストで構成することができる。
【0049】
ところで、中間転写ベルト10の速度変動のうち低周波の変動周波数成分f1が、図9で説明した低周波周期Cで現れる要因としては、中間転写ベルト10の1周期(1回動)に起因する要因が大きい。
これは、この実施形態のカラー複写機(図2)がタンデム型であり、そこで使用できる転写紙サイズをA3サイズ等の比較的大型サイズまで使用可能にしている関係で、中間転写ベルト10の周長が比較的長いので、それにより中間転写ベルト10が1周するのに要する時間が、図8で説明した制御ループによる制御ループ周期A(図9)に比べてかなり長い時間になってしまうためである。
【0050】
そして、その中間転写ベルト10に周期的な速度変動を誘発させる要因としては、その中間転写ベルト10自体のベルト厚さの精度や、ベルト駆動系を構成する各ベルト駆動系構成部品の部品製作誤差や、メカ的な各部品のレイアウトの積み上げ公差等が一般的に考えられる。
図11はベルトの変動周波数とベルトの速度変動量との関係を示した線図である。
この線図において、中間転写ベルト10のベルト厚さの精度や、ベルト駆動系を構成する各ローラ等の各ベルト駆動系構成部品の部品製作誤差等に起因して、ゆっくりと周期的に繰返し現れてベルト速度が変化していくのが低周波の変動周波数成分f1であり、中間転写ベルト10のベルト厚さの精度や各ベルト駆動系構成部品の部品製作誤差等に起因しない変動周波数が高周波の変動周波数成分f2であって、この変動周波数成分f2は回転力伝達用のギヤの歯のピッチ変動等により装置の駆動中に発生する小さな高周波の変動周波数成分である。
【0051】
上述した事項から、この実施の形態による転写装置とそれを備えた画像形成装置及びその転写装置を使用して実施するベルト移動速度補正方法の実施形態では、ベルト速度変動を生じさせる要因のうち、前者の中間転写ベルト10のベルト厚さの精度や、ベルト駆動系を構成する各ローラ等の各ベルト駆動系構成部品の部品製作誤差等に起因する要因についてのみ限定して、それによるベルト速度を補正している。すなわち、画像上に殆ど影響を与えない高周波の変動周波数成分を無視することにより、低コストの構成のフィードバックループ80(図8)にしている。
以下、低周波のベルト速度変動を生じさせる要因について、順を追って詳しく説明する。
【0052】
まず最初に、中間転写ベルト10の低周波の変動周波数成分による速度変動が、中間転写ベルト10の厚さむらに起因するものである場合について、図12及び図13を参照して説明する。
図12は中間転写ベルトの厚さむらによりその中間転写ベルトの表面の移動速度が変動ことを説明するための説明図である。
この図12では、説明を簡略化するために便宜上中間転写ベルト10を張架するローラを駆動ローラ9と従動ローラ15の2個としている(正確には図3を参照)。また、同様に説明を簡略化するため、中間転写ベルト10の厚さむらは、厚い部分と薄い部分を1箇所ずつとしているが、この厚さむらは複数箇所ある場合であっても、以下に説明する内容は同様に説明されるものである。
中間転写ベルト10は、駆動ローラ9と従動ローラ15とによって矢示G方向に回動可能に張架されている。そして、駆動ローラ9が矢示J方向に回転することにより中間転写ベルト10が矢示G方向に回動される。
【0053】
また、図12において点Dは、中間転写ベルト10の表面のベルト厚が一番厚い部分を示しており、点Eはベルト厚が一番薄い部分を示している。さらに、この図12では、点Dが駆動ローラ9側の図示の位置にあって、点Eが従動ローラ15側の図示の位置にある時の中間転写ベルト10の状態を実線で示している。
また、その中間転写ベルト10が回動し、上記と逆の位置になって点Dが従動ローラ15側の位置に、点Eが駆動ローラ9側の位置になったときの中間転写ベルト10の状態を破線で示している。
そして、点Dが駆動ローラ9側にあるときの点Dの部分におけるベルトの厚さをX、点Eが駆動ローラ9側にある時の点Eの部分におけるベルトの厚さをxとしている。すなわち、X>xとなる。
また、ここでは駆動ローラ9に偏芯がないものとして説明するので、その駆動ローラ9の半径は一定となるため、駆動ローラ9の回転中心からベルト表面の点Dまでのベルト回転半径はR(最大半径)、点Eまでのベルト回転半径はr(最小半径)となり、その差は、X−xと同じになる。すなわち、(R−r)=(X−x)となる。
【0054】
ここで、ベルト表面の点D、点Eにおける表面速度は、その回転半径が上記のようにRとrで異なるため、中間転写ベルト10の表面速度は点Eの部分に比べて点Dの方が速くなる。
すなわち、中間転写ベルト10が矢示G方向に回動し、ベルトの厚さが他の部分に比べて最も厚い点Dの部分が駆動ローラ9の位置に達すると、ベルトの表面速度は一番速くなり、その後ベルトが回転し続けるとそのベルトの表面速度は徐々に遅くなり、ベルトの一番薄い点Eの部分が駆動ローラ9の位置に達すると、ベルトの表面速度は一番遅くなる。したがって、このベルトの表面速度差が、ベルト速度ムラとして現れることになる。
このベルト表面の速度ムラは、上述した説明モデルの場合には、中間転写ベルト10が円弧状に曲げられる駆動ローラ9の部分で一番顕著になり、その駆動ローラ9から離れた位置になるほど速度ムラは小さくなる。
【0055】
次に、中間転写ベルトの厚さむらにより、その中間転写ベルトの表面の移動速度が変動することを図13に示す他の説明モデルを使用して別の角度から説明する。
図13は中間転写ベルト10の内側に凸状に膨出した部分があってそれによりベルトが厚さむらを生じている場合を示したものである。ここで、中間転写ベルト10が図示のように駆動ローラ9(煩雑となるため図示を省略しているので図12を参照)の円弧上に位置しているときに、その円弧部分に沿うベルト内周面の距離が、ベルト凸部10aがなかった同図に破線で示す部分が距離Lで、ベルト凸部10aがあった場合にベルト内周面に沿う距離が距離L′であるとすると、当然のことながら距離L′は距離Lよりも長くなる。
そのため、駆動ローラ9は、中間転写ベルト10の内面に接してそれを移動させるので、ベルト凸部10aがある場合にはそれが無い場合に比べて距離L′−Lの距離差分だけ多く回転しなければベルト凸部10aが無い場合と同距離を移動させることができない。すなわち、距離L′−Lの距離差分だけ中間転写ベルト10全体の移動速度が遅くなる。したがって、この場合には中間転写ベルト10の駆動ローラ9から離れた直線部分においてもベルトの移動速度が遅くなる。
【0056】
このように、中間転写ベルト10の厚さむらは、そのベルトの移動速度を変動させる要因となるが、そのベルトの厚さを全て均一にすることはベルト製造上及び工程上から一般的に不可能である。したがって、この中間転写ベルト10の厚さむらに起因するベルトの速度ムラは、必ず発生するものである。
そして、このベルトの厚さむらは、実際にはベルトの周方向に比較的少ない箇所にできるものであるため、このベルトの厚さむらが上述した低周数周期で現れるベルト速度ムラとなる。それ故、このベルト速度ムラが、カラー画像を形成した場合に位置ズレの要因となり、それが原因で画像上に色むらができることになる。
なお、このベルト厚さむらは、通常、その製造工程上から数Hz以下となる。
【0057】
以上、述べたように、この実施の形態では、中間転写ベルト10の低周波の変動周波数成分による速度変動が、中間転写ベルト10の厚さむらに起因するものである点に着目し、それによって生じる中間転写ベルト10の速度ムラを図8に示したフィードバックループ80を使用して補正するので、低コストの構成で対応することができる。
また、このように補正する周波数を限定することにより、当然フィードバック制御における位相検出レンジを限定でき、その結果、目標速度に対する位相比較、速度のズレ量検出をより高精度に行うことができるので、より安定したベルト速度の制御ができる。
【0058】
次に、ベルトの低周波の変動周波数成分による速度変動が、中間転写ベルトを駆動するベルト駆動系構成部品である駆動ローラの偏芯に起因するものである場合について、図14を参照して説明する。
この図14においても、説明を簡略化するために便宜上中間転写ベルト10(ベルト厚を誇張して図示している)を張架するローラを駆動ローラ9と従動ローラ15の2個としている(正確には図3を参照)。中間転写ベルト10は、駆動ローラ9と従動ローラ15とによって矢示G方向に回動可能に張架されて、駆動ローラ9が矢示J方向に回転することにより矢示G方向に回動する。
いま、図示のように、駆動ローラ9には偏芯があるものとし、その駆動ローラ9のベルト接触面方向に一番膨らんだ最大偏芯位置でのローラ回転中心からベルト接触面までの半径をR、逆にベルト接触面とは反対側に一番膨らんだときの最小偏芯位置でのローラ回転中心からベルト接触面までの半径をrとする。
【0059】
ここで、説明を容易にするため、中間転写ベルト10の厚さは均一であると仮定する(X=x)。このとき、ベルト表面速度は、駆動ローラ9の最大偏芯位置(一番膨らんだ位置)で駆動されたときと、最小偏芯位置で駆動されたときとでは(R−r)分だけ速度差を生じる。したがって、その分だけ中間転写ベルト10の表面速度に変動が生じる。
そして、一般的に駆動ローラは、その半径が大きいものが多いので、この速度変動は低周波周期となって現れやすい。したがって、それが前述したような画像の位置ズレとなって、画像上に色むらとして現れやすい。
この低周波周期も、一般的に数Hzから数十Hz程度であるため、この低周波の変動周波数成分による速度変動の要因となる駆動ローラ9の偏芯に着目し、その低周波の変動周波数成分による速度変動のみを補正することにより、より低コストで、且つ安定した速度制御を実現することができる。
なお、環境温度の変化に伴う駆動ローラ9の偏芯量の変化をも含んだもので上述したベルトの低周波の変動周波数成分による速度変動の補正を行うようにすれば、より補正精度が向上する。
【0060】
ところで、中間転写ベルトのベルト速度変動を誘発する要因は多種多様であるが、その中で低周波周期によるベルト速度変動につてベルト速度を補正することについては、上述したとおりである。
ここで、その低周波周期で起るベルト速度変動の要因として、実際にどのようなものが要因となるのかについては、その時の対象とする装置のシステム構成、すなわち中間転写ベルトのベルト材質や、そのベルト周長、さらにはその中間転写ベルトを張架するローラ数、感光体ピッチ、各部品の精度等によって異なる。
そのため、ベルト速度変動の要因の全てについて、それぞれ補正を行うことは困難な場合がある。一般的に、ベルトの速度変動が画像品質の低下に影響を与えるのは、低周波の変動周波数成分によるベルトの速度変動である場合が多く、これらは100Hz程度まで補正できれば十分である。
したがって、このベルト速度を補正する補正範囲を、図15に示すように100Hz以下の低周波の変動周波数成分に限定すれば、図8に示したフィードバックループ80を低コストで構成することができる。
【0061】
ところで、図3に画像形成部を示したタンデム型のカラー複写機では、複数色使用モードとなるカラーモード(フルカラーの画像形成モード)時にはY,C,M,Kの4色のトナーを使用して作像するが、単色モードとなる白黒モードではK1色のみのトナーを使用して作像するため、トナーの無駄な消費と電力の節約を考えると、カラーモード時にはY,C,M,K用の4個の感光体40を全て中間転写ベルト10に接触させ、白黒モード時にはK以外の感光体40は中間転写ベルト10に対して非接触にすることが好ましい。
そこで、この実施の形態では、図3に示したように中間転写ベルト10を4個の感光体40に対して接離させるベルト接離手段であるベルト接離機構81を設け、カラーモード(複数色使用モード)でフルカラーの画像を形成するモードが選択されたときには、ベルト接離機構81により中間転写ベルト10を4個の感光体40の全てに接触させるようにしている。そして、この制御は制御装置70が行う。
【0062】
なお、ベルト接離機構81は、例えばソレノイドを使用して従動ローラ15を図3で上下方向に移動させるものであり、その従動ローラ15を図3に示した位置まで押し上げたときに、中間転写ベルト10が4個の感光体40の全てに接触するものである。
また、このベルト接離機構81は、中間転写ベルト10を4個の感光体40の中で選択した感光体40に対してのみ接離させるベルト接離手段としても機能し、制御装置70は図16に示すように白黒モード(単色使用モード)が選択されたときには、ベルト接離機構81により従動ローラ15を図示の位置まで引き下げて、中間転写ベルト10を複数の感光体40の中で選択したK色用の感光体40Kに対してのみ接触させるように制御する。
【0063】
このように、カラーモードと白黒モードとで中間転写ベルト10に接する感光体40の数を異ならせた場合には、中間転写ベルト10の回動時における負荷(感光体40から受ける摩擦負荷)は、カラーモードと白黒モードとで異なると共に、ベルト速度の変動周期も異なるようになる。
したがって、このカラー複写機では、図1に示した補正制御コントローラ71で設定するベルト補正制御のパラメータであるフィルタ係数と比例ゲインを、カラーモード時と白黒モード時とで同じに設定すると、中間転写ベルト10に加わる負荷の変動により中間転写ベルト10の速度ムラが大きくなって色ズレが発生しやすくなるので、選択された作像モードごとに対応させて変えるようにしている。
すなわち、この実施の形態によるカラー複写機では、補正制御コントローラ(補正制御パラメータ設定手段)71が、選択された作像モードがカラーモードであるときにはカラーモードに適した最適な補正制御パラメータを設定し、選択された作像モードが白黒モードであるときには白黒モードに適した最適な補正制御パラメータを設定する。
【0064】
図17はその補正制御コントローラ71が行う補正制御パラメータ設定処理のルーチンを示すフロー図である。
補正制御コントローラ71は、所定のタイミングで図17に示すルーチンをスタートさせる。すると、まず最初にステップ1で、カラーモード(フルカラーの複数色使用モード)が選択されているか否かを判断し、カラーモードが選択されていればステップ2へ進んで、4つの感光体40が全て中転転写ベルト10に接しているときのベルトの振動特性を補正制御するのに最適なゲインG=G1を設定すると共に、フィルタ係数F=F1を設定する。
また、ステップ1の判断でカラーモードが選択されていなくてステップ3へ進んだときには、そこで白黒モードが選択されているか否かを判断し、白黒モードが選択されていればステップ4へ進んで、Kの感光体40の1個だけが中間転写ベルト10に接しているときのベルトの振動特性を補正制御するのに最適なゲインG=G2を設定すると共に、フィルタ係数F=F2を設定する。
そして、ステップ3の判断で白黒モードが選択されていないときには他のモードが選択されているので、このルーチンの処理を終了する。
【0065】
次に、カラーモード及び白黒モードで設定する最適なゲインG及びフィルタ係数Fについて、図18を参照して説明する。
図18はカラーモード及び白黒モードにおける中間転写ベルトの振動成分を周波数分析(FFT)にかけた結果を示す図である。
この図において、横軸は周波数であり、縦軸は変動振幅である。また、実線がカラーモード時の実験結果であり、破線が白黒モード時の実験結果である。
なお、図18では見やすいようにするため、カラーモード時と白黒モード時とにおける同一周波数での変動振幅を横軸方向に若干ずらして図示している。
【0066】
この実験結果によれば、振動成分の周波数は、0.6Hz、2.0Hz、2.4Hzであり、それぞれの発生源は周波数的に中間転写ベルト周期、駆動ローラ周期、従動ローラ周期などが考えられる。
モード別の特性としては、カラーモードでは振幅の大きさに0.6Hz<2.4Hz<2.0Hzの関係が見られる。また、白黒モードでは振幅の大きさに2.4Hz<2.0Hz<0.6Hzの関係が見られる。そして、カラーモードの0.6Hzにおける振動成分と白黒モードの2.4Hzにおける振動成分は振幅レベルが最も低く、補正必要振幅レベル以下になっているので、これらは補正対象から除くことができる。
【0067】
この実験結果から、図18に示すようにカラーモードおける補正範囲Ac及び白黒モードにおける補正範囲Amは、それぞれ図示のように補正対象周波数(補正必要振幅レベルを超える変動振幅となる周波数)を包含する図示の範囲となり、これを基にしてカラーモードと白黒モードとで、モード別にそれぞれの補正範囲及びレベルの高い周波数成分補正に最適なゲイン、フィルタ係数(図17のG1,G2、F1,F2)を設定する。
なお、この実施の形態では、複数色使用モードとなるカラーモードが4色のトナーを使用するフルカラーの場合で、単色使用モードが黒一色を使用する白黒モードの場合について説明したが、この発明は2色あるいは3色のトナーを使用する複数色使用モードを選択した場合と、黒以外の色を1色を使用した単色使用モードとで、感光体と中間転写ベルトの接離状態を切り変えるようにした場合についても、同様にその選択した各モード毎に最適な補正制御パラメータ(ゲイン、フィルタ係数)を設定することも含むものである。
【0068】
このように、このカラー複写機は、選択されたモードが単色使用モードであるか複数色使用モードであるかに応じて、その各モードにおけるベルト速度の変動や外乱に対応した最適な補正制御パラメータを設定して中間転写ベルト10のベルト速度を補正するので、4個の感光体40のうち、画像形成に使用しない各感光体40を中間転写ベルト10から離間させても、中間転写ベルト10の速度を最適な状態に補正することができる。それにより、比較的簡単な構成で低コストにできながら、形成した2色以上のカラー画像に色ズレや色合いの変化が生じないようにすることができる。
また、白黒モード時にも中間転写ベルト10の速度ムラを抑制することができると共に、ベルトの回動時にK以外のY,C,Mの各感光体ドラムを中間転写ベルトに接触させた状態のまま停止させるようなことをしないので、その停止状態にある各感光体40によって中間転写ベルト10の表面が摺接されるようなことがない。それにより、中間転写ベルト10が傷付くのを防止することができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によるカラー画像形成装置によれば、中間転写ベルトの速度を補正制御する際の補正制御パラメータを、選択された作像モードに対応する補正制御パラメータにする補正制御パラメータ設定手段を設けたので、選択された作像モードに応じた最適な制御パラメータにより中間転写ベルトの速度を補正することができる。それにより、比較的簡単な構成で低コストにできながら、選択された作像モード如何に係らず、常に中間転写ベルトの速度ムラを抑制して形成される画像の色ズレを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態例であるカラー画像形成装置のベルト移動速度制御に関する制御系を示すブロック図である。
【図2】同じくそのカラー画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
【図3】同じくそのカラー画像形成装置の作像部に設けられている中間転写ベルトとそのベルト移動速度制御に関する制御系を示す概略構成図である。
【図4】ベルト速度検出用のスケールが全周に亘って設けられた中間転写ベルトの一部を示す平面図である。
【図5】中間転写ベルトに設けたスケールを読み取るセンサとそのセンサが出力するセンサ信号を示す概略図である。
【図6】中間転写ベルトの移動速度補正処理を示すフロー図である。
【図7】ベルトの速度変動における高周波の変動周波数成分と低周波の変動周波数成分を説明するための波形図である。
【図8】図2のカラー画像形成装置が行う中間転写ベルトの移動速度補正に関する一連の制御のフィードバックループを示すブロック図である。
【図9】ベルトの速度変動における高周波成分の高周波周期が制御ループの周期よりも早い周期になるとその高周波成分の速度変動を補正できないことを説明するための波形図である。
【図10】色ズレが発生する転写時間差とベルト移動速度との関係を説明するための概略図である。
【図11】ベルトの変動周波数とベルトの速度変動量との関係を示した線図である。
【図12】中間転写ベルトの厚さむらによりその中間転写ベルトの表面の移動速度が変動ことを説明するための説明図である。
【図13】同じく中間転写ベルトの厚さむらによりその中間転写ベルト全体に速度変動が生じることを説明するための説明図である。
【図14】駆動ローラの偏芯によりその中間転写ベルト全体に速度変動が生じることを説明するための説明図である。
【図15】変動周波数と画像の位置ずれとの関係を示す線図である。
【図16】白黒モード選択時における中間転写ベルトの位置を示す図3と同様な概略構成図である。
【図17】図1の補正制御コントローラが行う補正制御パラメータ設定処理のルーチンを示すフロー図である。
【図18】カラーモード及び白黒モード時における中間転写ベルトの振動成分を周波数分析にかけた結果を示す図である。
【図19】従来の直接転写方式の画像形成装置の一例を画像形成部のみ示す構成図である。
【図20】従来の間接転写方式の画像形成装置の一例を画像形成部のみ示す構成図である。
【符号の説明】
5:スケール 6:センサ
10:中間転写ベルト
40Y,40M,40C,40K:感光体
70:制御装置
71:補正制御コントローラ(補正制御パラメータ設定手段)
81:ベルト接離機構(ベルト接離手段)
【発明の属する技術分野】
この発明は、回動するベルトの全周に亘って設けたスケールをセンサで読み取ってそのベルトの実際の速度を検出し、それに応じてベルトの速度を目標の速度に補正制御するようにしたカラー画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式を使用した画像形成装置である例えば複写機やプリンタは、市場からの要求に伴い、フルカラーの画像を形成可能なものが多くなってきている。
このようなカラー画像の形成が可能なカラー画像形成装置には、1つの感光体のまわりに各色のトナーで現像を行う複数の現像装置を備え、それらの現像装置により感光体上の潜像にトナーを付着させてフルカラーの合成トナー画像を形成し、そのトナー画像を記録材であるシート上に転写してカラー画像を得る、いわゆる1ドラム型のものがある。
また、複数の感光体を並べて配置すると共にその各感光体に対応させて異なる色のトナーで現像をする現像装置をそれぞれ設け、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成し、その単色のトナー画像をベルト上あるいはシート上に順次転写していくことによりベルト上あるいはシート上にフルカラーの合成カラー画像を形成する、いわゆるタンデム型のものもある。
【0003】
この1ドラム型の画像形成装置とタンデム型の画像形成装置とを比較すると、前者は感光体が1つであることから装置全体を比較的小型化することができ、それに伴ってコストもその分だけ安価になるという利点がある。しかしながら、1つの感光体を複数回(フルカラーの場合には4回)回転させてフルカラー画像を1枚形成する構成であるため、画像形成速度の高速化は困難であるという欠点を有する。
また、後者のタンデム型の画像形成装置の場合には、感光体を複数必要とするため逆に装置が大型化する傾向があり、その分だけコストも高くなってしまうという欠点はあるが、画像形成速度の高速化が図れるという利点がある。
そこで、最近はフルカラーの画像もモノクロ並みの画像形成スピードが望まれていることから、後者のタンデム型の画像形成装置が注目されている。
【0004】
このタンデム型の画像形成装置には、図19に示すように、一直線上にそれぞれ配置した各感光体91Y,91M,91C,91K上のトナー画像を、矢示A方向に回動するシート搬送ベルト93上に担持されて搬送されるシートP上に各転写装置92により順次転写していき、そのシートP上にフルカラーの画像を形成する直接転写方式のものと、図20に示すように、複数の各感光体91Y,91M,91C,91K上のトナー画像を矢示B方向に回動する中間転写ベルト94上に順次重ね合わせていくように転写していき、その中間転写ベルト94上の画像を2次転写装置95によりシートP上に一括転写する間接転写方式のものとがある。
【0005】
この2つの転写方式を比べると、前者は複数の感光体91を並べたその上流側に給紙装置96を、下流側に定着装置97をそれぞれ配置する構成となるため、装置全体がどうしてもシートの搬送方向に長くなって大型化してしまうという欠点がある。
これに対し、後者は2次転写位置を比較的自由に設定することができるため、図20に示した例のように2次転写装置95を中間転写ベルト94の下側に配置すると共に、給紙装置96もその中間転写ベルト94の下側に配置することができるので、装置を幅方向(図20で左右方向)に小型化することができる利点がある。
【0006】
さらに、前者の直接転写方式のタンデム型は、装置を幅方向にできるだけ小さくしようとすると、定着装置97をシート搬送ベルト93に接近させて配置するようになる。このようにすると、シートPの先端が定着装置97のニップに達した際に、そのシートPがシート搬送ベルト93と定着装置97との線速差(定着装置97の方が遅い)により撓もうとしても、シート搬送ベルト93から定着装置97までの距離が極めて短いために、特に厚いシートの場合にはその先端が定着装置97のニップに達した際の衝撃等によりシート全体に振動が生じ、それが画像に影響を与えやすいという欠点があった。
【0007】
これに対し、後者の間接転写方式のタンデム型の場合には、2次転写装置95を中間転写ベルト94の下側に配置することができるため、装置を幅方向に小型化しても定着装置97を中間転写ベルト94から離して配置できる余裕が生まれる。したがって、シートの先端が定着装置97のニップに達したときでも、シートは中間転写ベルト94と定着装置97との線速差に対して余裕をもって撓むことによりその線速差を吸収してしまうので、画像に悪影響が出ないようにすることができる。
このように、間接転写方式のタンデム型の画像形成装置は利点が多いので、最近では特に注目されている。
【0008】
ところで、各色のトナーに対応させて複数の感光体を並べて配置するタンデム型の画像形成装置では、その各感光体上に形成した異なる色のトナー画像をシート上あるいは中間転写ベルト上に重ね合わせてカラー画像を形成するため、その各色の画像の重ね合わせ位置が狙いの位置に対してずれてしまうと、画像上において色ズレや微妙な色合いに変化が生じてしまうようになるので画像品質が低下してしまう。したがって、その各色のトナー画像の位置ズレ(色ズレ)は重要な問題であった。
その色ズレが発生する原因の一つとして、間接転写方式の転写装置の場合には中間転写ベルト(直接転写方式の場合にはシート搬送ベルト)の速度ムラがあるということが解っている。
そこで、従来の転写ベルトを使用したカラーの画像形成装置には、例えば特許文献1に記載されているように、転写ベルトの速度ムラを補正するようにしたものがある。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−24507号公報(第3〜4頁、第1図)
【0010】
上記文献には、駆動ローラを1本含む5本の支持ローラ間に中間転写ベルト(転写ベルト)を回動可能に張架し、その中間転写ベルトの外周面に、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの4色のトナー画像を順次重ね合わせ状態に転写していくことによりフルカラーの画像を形成するカラー複写機が記載されている。
このカラー複写機の中間転写ベルトの内面には、微細且つ精密な目盛で形成したスケールを設けて、そのスケールを光学型の検出器で読み取って中間転写ベルトの移動速度を正確に検知し、その検出した移動速度をフィードバック制御系によりフィードバック制御して中間転写ベルトを正確な移動速度になるように制御している。
【0011】
そして、そのフィードバックの制御系に、上記検出器の他に位置制御回路,速度制御回路,電力変換回路,位置検出回路,速度検出回路等を設け、その位置制御回路で位置検出回路からの正確且つ微細な位置信号と中間転写ベルトの目標位置との偏差を演算し、それにより中間転写ベルトの目標速度を正確に算出し、それを速度制御回路に出力するようにしている。その速度制御回路は、位置制御回路から入力した正確な目標速度と、速度検出回路から入力する速度信号との偏差を演算し、それにより中間転写ベルトを駆動するモータに供給する正確な電気量を算出してそれを電力変換回路に出力し、上記モータの駆動を制御することにより中間転写ベルトの移動を正確な移動速度にしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように中間転写ベルトの移動速度を検出して、それをフィードバック制御することにより中間転写ベルトを目標速度に正確に補正制御するには高精度の速度検知システムを備えたフィードバック制御系が必要となるため、それを実現しようとするとかなりコストアップになってしまうという問題点があった。
すなわち、中間転写ベルトの速度ムラを発生させる要因は多種多様であり、それら要因の全てについて検知して、それを補正しようとすれば、複雑且つ高精度の速度検知システムが必要となるため、構成が複雑になると共にコストアップにもなる。
【0013】
また、フルカラーの画像を形成可能なタンデム型のカラー画像形成装置では、カラーモード(フルカラーの画像形成モード)時にはイエロー,シアン,マゼンタ,ブラック(以下Y,C,M,Kで示す)の4色のトナーを使用して作像するが、白黒モードではK1色のみのトナーを使用して作像する。
したがって、この白黒モード(単色モード)時には、K以外の感光体ドラム,現像装置,帯電装置,中間転写用高圧電源は停止させておいたほうが、トナーの無駄な消費を防止できると共に、電力の節約にもなる。
【0014】
ところが、そのK以外のY,C,Mの各感光体ドラムを中間転写ベルトに接触させた状態のまま停止させると、その停止状態にある感光体ドラムが回動する中間転写ベルトに多大な負荷(摩擦負荷)を与えるようになるため、4個全ての感光体ドラムを回転させているときに比べてベルト駆動の負荷特性が異なるようになる。
したがって、この場合には、全ての感光体ドラムが回転しているときとベルト速度の変動周期も異なる。そのため、このようなカラー画像形成装置では、ベルト補正制御のパラメータをカラーモード時と白黒モード時とで同じに設定すると、中間転写ベルトに加わる負荷の変動により中間転写ベルトの速度ムラが大きくなって色ズレが発生しやすくなるという問題点があった。
【0015】
また、白黒モード時にK以外のY,C,Mの各感光体ドラムを中間転写ベルトに接触させた状態のまま停止させた場合には、その停止状態にある各感光体ドラムの表面が中間転写ベルトとそれぞれ摺接するようになるので、それによって中間転写ベルトに傷が付きやすくなるという問題点もあった。
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、比較的簡単な構成で低コストにできながら、白黒画像のような単色画像を形成したときと、2色以上のトナーを使用して形成するカラー画像を形成したときとで、共に中間転写ベルトの速度を最適な状態に補正して、形成したカラー画像に色ズレや色合いの変化が生じないようにすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、複数の感光体とその各感光体に接する中間転写ベルトとを備え、そのベルトに全周に亘って設けたスケールをセンサで読み取ることにより中間転写ベルトの実際の速度を検知し、その実際の速度に応じて中間転写ベルトの速度を目標速度に補正制御するようにしたタンデム型のカラー画像形成装置において、
上記中間転写ベルトの速度を補正制御する際の補正制御パラメータを、選択された作像モードに対応する補正制御パラメータにする補正制御パラメータ設定手段を設けたものである。
その補正制御パラメータ設定手段は、選択された作像モードが複数色使用モードであるときには複数色使用モード用の補正制御パラメータを設定する手段であるようにするとよい。
また、その補正制御パラメータ設定手段は、選択された作像モードが単色使用モードであるときには単色使用モード用の補正制御パラメータを設定する手段であるようにするとよい。
【0017】
そして、上記補正制御パラメータは、比例ゲインとしたり、フィルタ係数としたりするとよい。
また、上記カラー画像形成装置において、中間転写ベルトを複数の感光体に対して接離させるベルト接離手段を設け、複数色使用モードでフルカラーの画像を形成するモードが選択されたときには上記ベルト接離手段により中間転写ベルトを複数の感光体の全てに接触させるようにする手段を設けるとよい。
さらに、上記カラー画像形成装置において、中間転写ベルトを複数の感光体の中で選択した感光体に対してのみ接離させるベルト接離手段を設け、単色使用モードが選択されたときには上記ベルト接離手段により中間転写ベルトを複数の感光体の中で選択した感光体に対してのみ接触させるようにする手段を設けるとよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明の一実施形態例であるカラー画像形成装置のベルト移動速度制御に関する制御系を示すブロック図、図2は同じくそのカラー画像形成装置の一例を示す全体構成図、図3は同じくそのカラー画像形成装置の作像部に設けられている中間転写ベルトとそのベルト移動速度制御に関する制御系を示す概略構成図である。
図2にカラー画像形成装置の一例として示すカラー複写機は、イエロー(Y),シアン(C),マゼンタ(M),ブラック(K)の4つの画像形成部18を構成する4個のドラム状の感光体40Y,40C,40M,40K(以下、特定しない場合には単に感光体40と呼ぶ)と、その各感光体40に接する中間転写ベルト10とを備え、その中間転写ベルト10に全周に亘って図3に示すように設けたスケール5をセンサ6で読み取ることにより中間転写ベルト10の実際の速度を検知し、その実際の速度に応じて中間転写ベルト10の速度(以下、単にベルト速度ともいう)を目標速度に補正制御するようにしたタンデム型のカラー画像形成装置である。
【0019】
このカラー画像形成装置は、給紙テーブル2上に複写機本体1を載置している。その複写機本体1の上にはスキャナ3を取り付けると共に、その上に原稿自動給送装置(ADF)4を取り付けている。
複写機本体1内には、その略中央に無端ベルト状の中間転写ベルト10を有する転写装置20を設けており、その中間転写ベルト10は駆動ローラ9と2つの従動ローラ15,16の間に張架されて図2で時計回り方法に回動するようになっている。また、この中間転写ベルト10は、従動ローラ15の左方に設けられているクリーニング装置17により、その表面に画像転写後に残留する残留トナーが除去されるようになっている。
【0020】
その中間転写ベルト10の駆動ローラ9と従動ローラ15の間に架け渡された直線部分の上方には、その中間転写ベルト10の移動方向に沿って、上述した4個の各感光体40を、それぞれ図2で反時計回り方向に回転可能に設けている。そして、その各感光体上に形成された各画像(トナー画像)が、中間転写ベルト10上に直接重ね合わせ状態に順次転写されていくようになっている。
そのドラム状の感光体40の回りには、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64をそれぞれ設けている。そして、その感光体の上方に、露光装置21を設けている。
【0021】
一方、中間転写ベルト10の下側には、その中間転写ベルト10上の画像を記録材であるシートPに転写する転写部となる2次転写装置22を設けている。その2次転写装置22は、2つのローラ23,23間に無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡したものであり、その2次転写ベルト24が中間転写ベルト10を介して従動ローラ16に押し当たるようになっている。この2次転写装置22は、2次転写ベルト24と中間転写ベルト10との間に送り込まれるシートPに、中間転写ベルト10上のトナー画像を一括転写する。
その2次転写装置22のシート搬送方向下流側には、シートP上のトナー画像を定着する定着装置25があり、そこでは無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27が押し当てられている。
なお、2次転写装置22は、画像転写後のシートを定着装置25へ搬送する機能も果たす。また、この2次転写装置22は、転写ローラや非接触のチャージャを使用した転写装置であってもよい。
その2次転写装置22の下側には、シートの両面に画像を形成する際にシートを反転させるシート反転装置28を設けている。
【0022】
このカラー複写機は、カラーのコピーをとるときは、原稿自動給送装置4の原稿台30上に原稿をセットする。また、手動で原稿をセットする場合には、原稿自動給送装置4を開いてスキャナ3のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動給送装置4を閉じてそれを押える。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動給送装置4に原稿をセットしたときは、その原稿がコンタクトガラス32上に給送される。また、手動で原稿をコンタクトガラス32上にセットしたときは、直ちにスキャナ3が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行を開始する。そして、第1走行体33の光源から光が原稿に向けて照射され、その原稿面からの反射光が第2走行体34に向かうと共に、その光が第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入射して、原稿の内容が読み取られる。
【0023】
また、上述したスタートスイッチの押下により、中間転写ベルト10が回動を開始する。さらに、それと同時に各感光体40Y,40C,40M,40Kが回転を開始して、その各感光体上にイエロー(Y),シアン(C),マゼンタ(M),ブラック(K)の各単色画像を形成する動作を開始する。そして、その各感光体上に形成された各色の画像は、図2で時計回り方向に回動する中間転写ベルト10上に重ね合わせ状態に順次転写されていき、そこにフルカラーの合成カラー画像が形成される。
一方、上述したスタートスイッチの押下により、給紙テーブル2内の選択された給紙段の給紙ローラ42が回転し、ペーパーバンク43の中の選択された1つの給紙カセット44からシートPが繰り出され、それが分離ローラ45により1枚に分離されて給紙路46に搬送される。
【0024】
そのシートPは、搬送ローラ47により複写機本体1内の給紙路48に搬送され、レジストローラ49に突き当たって一旦停止する。
また、手差し給紙の場合には、手差しトレイ51上にセットされたシートPが給紙ローラ50の回転により繰り出され、それが分離ローラ52により1枚に分離されて手差し給紙路53に搬送され、レジストローラ49に突き当たって一旦停止状態になる。
そのレジストローラ49は、中間転写ベルト10上の合成カラー画像に合わせた正確なタイミングで回転を開始し、一旦停止状態にあったシートPを中間転写ベルト10と2次転写装置22との間に送り込む。そして、そのシートP上に2次転写装置22でカラー画像が転写される。
【0025】
その画像が転写されたシートPは、搬送装置としての機能も有する2次転写装置22により定着装置25へ搬送され、そこで熱と加圧力が加えられることにより転写画像が定着される。その後、そのシートPは、切換爪55により排出側に案内され、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出されてそこにスタックされる。
また、両面コピーモードが選択されているときには、片面に画像を形成したシートPを切換爪55によりシート反転装置28側に搬送し、そこで反転させてて再び転写位置へ導き、今度は裏面に画像を形成した後に、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出する。
【0026】
図3に示したセンサ6は、中間転写ベルト10の外面に全周に亘って設けられたスケール5(図2では見えないので図4を参照)を読み取り可能な位置に配設されており、そのセンサ6がスケール5を検知した情報から中間転写ベルト10の実際の速度を検出して、その実際の速度に応じて中間転写ベルト10の速度を目標速度に制御装置70が補正する。
そして、このカラー複写機では、中間転写ベルト10のベルトの速度変動のうち、装置の駆動中に発生する小さな高周波の変動周波数成分以外のゆっくりとベルト速度が変化していく低周波の変動周波数成分のみを補正して中間転写ベルト10を目標速度にするためのフィードバックループ80を設けている。
なお、このフィードバックループ80及び中間転写ベルト10の速度変動における高周波の変動周波数成分と、低周波の変動周波数成分についての詳しい説明は後述する。
【0027】
制御装置70は、各種判断及び処理機能を有する中央処理装置(CPU)と、各処理プログラム及び固定データを格納したROMと、処理データを格納するデータメモリであるRAMと、入出力回路(I/O)とからなるマイクロコンピュータを備えている。
そして、この制御装置70には、図1に示すように、センサ6がスケール5を検知した実際のベルト位置の情報と目標ベルト位置の情報との誤差を演算する比較演算部74と、その位置情報の誤差を入力する補正制御コントローラ71と、そこから出力される情報を入力すると共に中間転写ベルト10の目標速度(基本速度)も入力する比較演算部72と、その比較演算部72から出力される信号(PWM信号)を入力して中間転写ベルト10を駆動するパルスモータであるベルト駆動モータ7を駆動制御するドライブ回路73とが設けられている。
【0028】
補正制御コントローラ71は、フィルタ部71aと比例ゲイン部71bとで構成されていて、中間転写ベルト10の速度を補正制御する際の補正制御パラメータであるフィルタ係数や比例ゲインを、選択された作像モードに対応する補正制御パラメータにする補正制御パラメータ設定手段として機能するものである。
フィルタ部71aは、制御帯域に応じてフィルタ係数を設定して誤差信号をフィルタリングするものであり、ある周波数以上をカットする。また、比例ゲイン部71bは、制御帯域に応じて比例ゲインを設定し、補正量の大きさを決定する。実際には制御帯域が高いほど、早く変動を補正する必要があるので、その場合にはゲインを大きくする。
なお、この実施の形態では、補正制御コントローラ71を、フィルタ部71aと比例ゲイン部71bで構成した場合の例について示したが、その補正制御コントローラ71は、パラメータを有する全てのアルゴリズムのコントローラが含まれる。
【0029】
比較演算部72は、補正制御コントローラ71から入力した中間転写ベルト10の実際の速度と、中間転写ベルト10の目標速度とを比較演算し、その結果をドライブ回路73に出力する。
ドライブ回路73は、その入力した情報から中間転写ベルト10の実際の速度が目標速度と同じであると判断できる速度差内にあるときには、そのまま目標速度でベルト駆動モータ7を駆動制御し続けるが、補正を必要とする速度差になっていれば、その速度差に応じてベルト駆動モータ7の回転数を制御してベルト速度を補正する。なお、このベルト速度補正に関する詳しい説明は後述する。
また、ベルト駆動モータ7は、パルスモータに限るものではなく、それをDCサーボモータ等の速度制御が可能なモータにしてもよい。
【0030】
次に、中間転写ベルト10の駆動系及びその中間転写ベルト10のベルト速度検出系について、図4及び図5をも参照して説明する。
図3に示したように、ベルト駆動モータ7の回転力は、中間転写ベルト10を回動可能に張架すると共にそのベルトを駆動する駆動ローラ9に伝達される。中間転写ベルト10は、例えば弗素系樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリイミド樹脂等で形成するベルトであり、そのベルトの全層や、その一部を弾性部材で形成するようにした弾性ベルトを使用したりする。
【0031】
ベルト駆動モータ7は、駆動ローラ9を回転させることにより中間転写ベルト10を矢示C方向に回動させるが、その間の回転力の伝達は直接であってもよいし、間にギヤを介したものであってもよい。
中間転写ベルト10には、感光体40Y,40C,40M,40Kの順に、そこに形成されている異なる色の単色画像(トナー像)が順次重ね合わせ状態に転写されていく。
なお、中間転写ベルト10の外面には、前述したスケール5を全周に亘って図4に示すように当間隔に形成しているが(図3には一部のみ図示)、そのスケール5のベルト幅方向の位置は、図4に示したように感光体の端部に対応する位置にしている。また、図3に示したセンサ6の配設位置は、中間転写ベルト10が直線状に張架された部分のベルト面のスケール5を検知できる位置であれば、いずれの場所であってもかまわない。
【0032】
そのセンサ6は、その一例を図5に示すように、例えば一対の発光素子6aと受光素子6bを備えた反射型光学センサであり、発光素子6aからスケール5に向けて照射した光の反射光を受光素子6bで受光し、その際にスケール5のスリット部5aとそれ以外の部分5bとで異なる反射光量を検出する。
すなわち、センサ6はスケール5のスリット部5aとそれ以外の部分5bとで異なる反射率の違いにより、HighとLowの2値の信号を出力する。
ここで、例えばセンサ6のタイプが、受光素子6bが光を受光するとHigh信号を出力するタイプのものだとすると、スケール5のスリット部5aの反射率がスリット以外の部分5bよりも高くなるように形成されていれば、センサ6から出力される信号は図5のtの範囲が、スリット部5aがセンサ6を通過している間の出力となる。したがって、中間転写ベルト10が回動するに伴い、センサ6の検出範囲を通過するスリット部5aの有無により、センサ6の出力がHigh、Lowを図示のように繰り返す。
【0033】
したがって、その信号がLowからHighに変化した時点から次のLowからHighに変化するまでの時間Tを求めることにより、中間転写ベルト10の表面の移動速度(以下、単にベルト速度ともいう)を検出することができる。
なお、これはあくまで中間転写ベルト10のベルト速度を検出する方法の一例であり、中間転写ベルト10に形成したスケールを検知することによりそのベルトの移動速度を検出することができるものであれば、そこに使用するセンサやスケールの種類はいずれのものであってもよいし、その検出方法もいずれの検出方法を用いてもよい。
【0034】
次に、中間転写ベルト10のベルト速度の制御について図6を参照して説明する。
図3に示した制御装置70が有するのマイクロコンピュータは、所定のタイミングで図6に示す中間転写ベルトの移動速度補正処理をスタートさせ、以下説明するベルト移動速度補正方法を実行する。
まずステップ1で、ベルト駆動モータ7をONにして、それを目標速度である基本速度Vで回転させるようにし(図1のドライブ回路73が制御)、ステップ2へ進む。そこでは、ベルト駆動モータ7をOFFにする信号を入力しているか否かを判断し、OFF信号を入力していればステップ3へ進んでベルト駆動モータ7をOFFにして、この処理を終了する。
また、ステップ2でOFF信号を入力していなくてステップ4へ進んだときには、そこでフィードバックされるセンサ6からの信号を入力し、その情報から中間転写ベルト10の表面の実際の速度V′を検出する。そして、次のステップ5で、基本速度Vと実際の速度V′との速度比較を行う。
【0035】
次のステップ6では、その基本速度Vと実際の速度V′とが同じでないか(V≠V)を判断し、その基本速度Vと実際の速度V′が同じで、その間に速度差がなければ(許容できる速度差)、中間転写ベルト10は基本速度Vと同じ速度でベルト表面が回転していると判断できるので、そのまま基本速度Vで制御を継続してステップ2へ戻り、再びそのステップ2以降の判断及び処理を繰り返す。
また、ステップ6の判断で、基本速度Vと実際の速度V′とが同じでないときにはステップ7に進んで、そこで基本速度Vと中間転写ベルト10の実際の速度V′とのベルト表面の速度差V″を計算する。
そして、ステップ8で、その速度差V″がV″>0であるか否かを判断し、V″>0であれば(YESの判断)、基本速度Vよりも、中間転写ベルト10の実際の速度V′の方が遅いと判断できるので、基本速度Vに速度差V″を加えた速度V1になるように、ベルト駆動モータ7の回転数を制御し、その後ステップ2へ戻る。
【0036】
また、ステップ8の判断で速度差V″がV″>0でないときには、速度差V″はV″<0であって中間転写ベルト10の実際の速度V′のベルト表面速度が基本速度Vよりも速いと判断できるので、ステップ10へ進んで、そこで基本速度Vから速度差V″を差し引いた速度V2になるように、ベルト駆動モータ7の回転数を制御し、その後ステップ2へ戻る。
そして、そのステップ2以降の判断及び処理を繰返すことにより、中間転写ベルト10の表面の実際の速度V′が基本速度Vになるように補正制御する。そして、ステップ2でベルト駆動モータ7をOFFにする信号の入力を判断するとステップ3へ進んで、ベルト駆動モータ7をOFFにして、この処理を終了する。
【0037】
ところで、中間転写ベルト10のベルトの速度変動には、装置の駆動中に発生する小さな高周波の変動周波数成分と、その高周波の変動周波数成分以外のゆっくりとベルト速度が変化していく低周波の変動周波数成分とがあることを前述した。
その速度変動における高周波の変動周波数成分と低周波の変動周波数成分は、図7に示すように、横軸にベルトの回転時間を取り、縦軸に速度変動量を取ってベルトの目標速度(理想的な基本速度となる)を速度変動の中央に直線で示すと、中間転写ベルト10が一回動(一周)する間に図示のように比較的ゆっくりと速度が変化していく速度変動が低周波の変動周波数成分f1(以下、単に低周波成分f1ともいう)となり、瞬間的に速度が小きざみに変化する速度変動が高周波の変動周波数成分f2(以下、単に高周波成分f2ともいう)となる。
【0038】
そして、その低周波成分f1は、図3に示した中間転写ベルト10又はその中間転写ベルト10のベルト駆動系を構成する駆動ローラ9等のベルト駆動系構成部品に起因して周期的に繰返し現れる変動周波数成分である。
この速度変動における低周波成分f1と、高周波成分f2の両者を補正するためには、その補正周波数レンジを高周波側に合わせる必要があるので、そのためには、かなりの高精度で且つ複雑な構成の制御回路が必要となる。なぜならば、補正精度は、その制御ループの周期とセンサの検知精度が問題になるからである。
この点について、図8及び図9を参照して説明する。
【0039】
図8はこの転写装置が有する低周波変動周波数補正手段として機能するフィードバックループ80を示すものであり、このフィードバックループ80は、中間転写ベルト10の全周に亘って設けられたスケール5をセンサ6で読み取り、そのセンサ6が検知したスケール6から中間転写ベルト10の実際の速度を検知してその実際の速度に応じてベルト駆動モータ7を制御することにより中間転写ベルト10の速度を補正制御するベルト移動速度補正方法を実行する。
そして、補正するのはベルトの速度変動のうち、図7で説明した装置の駆動中に発生する小さな高周波の変動周波数成分f2以外のゆっくりとベルト速度が変化していく低周波の変動周波数成分f1のみとしている。
【0040】
このフィードバックループ80は、中間転写ベルト10上のスケール5をセンサ6で読み取り、その検出結果から中間転写ベルト10の実際の位相を検出し、その位相を目標値と比較してズレ量を検出する。そして、そのズレ量に応じて中間転写ベルト10のベルト速度を目標速度に一致させるための必要な制御量を算出し、その制御量を目標値に対して増減する計算を行う。この制御量の増減は、図6のフローチャートで説明したように、中間転写ベルト10の実際の速度が目標速度に対して速いか遅いかによって判断される。
そして、その増減がなされた制御量によりベルト駆動モータ7の回転数を制御して、中間転写ベルト10のベルト速度を目標速度に一致させる。このようにして、このフィードバックループ80は、中間転写ベルト10のベルト速度を目標速度に一致させるようにフィードバック制御する。
【0041】
このフィードバックループ80の制御ループ一周を周期Aとすると、この制御ループの周期Aが、図9に示すように低周波成分f1の低周波周期Cに比べ十分に短ければ、同図に示したズレ制御量δを検出することは可能である。したがって、フィードバックループ80の制御ループが1ループ終了したときにその実際の速度と目標速度(基本速度)との速度差であるズレ制御量δを補正することで、中間転写ベルト10の速度を目標速度に一致させることができる。
すなわち、A>C(周期Aが低周波周期Cに比べ十分に速いという意味)であれば、ズレ制御量δを補正することができる。
【0042】
ところが、高周波成分f2の高周波周期Bは、図9に示したようにフィードバックループ80の制御ループの周期Aよりも短い周期となるため、この高周波周期Bで現れる中間転写ベルト10の高周波成分f2の速度変動を検知することはできない。したがって、当然、その高周波成分f2の速度変動補正もできない。すなわち、B>A(高周波周期Bが周期Aに比べて速いという意味)となるときは、中間転写ベルト10の高周波成分f2の速度変動補正をするのは不可能である。
そのため、この高周波成分f2の速度変動について補正しようとすれば、それよりも短い周期の制御ループを構成する必要がある。
【0043】
一般的に、制御範囲に収めるためには、対象となる補正周波数の数十倍の周期で補正する必要があるとされている。そのため上述した高周波周期Bで現れる中間転写ベルト10の高周波成分f2の速度変動を補正しようとすれば、それを補正するための制御ループの周期はかなり短くしなければならなくなる。したがって、それを実現しようとすれば、その制御ループを構成する各部品の精度を高める必要があると共に、バラツキを抑える必要がある。
さらに、中間転写ベルト10の移動速度を検出するセンサの精度も高める必要がある。また、中間転写ベルト10上に設けるスケールも高分解能が必要となると共に高精度のものが必要となる。したがって、このようなものを製作するためには加工が困難となるため、それを実現しようとすれば高コストのシステムになってしまう。
【0044】
そこで、この実施の形態による転写装置及びそれを備えた画像形成装置では、中間転写ベルト10の高周波成分f2の速度変動に比べてベルト移動速度の補正が比較的容易に行える低周波成分f1についてのみベルト速度を補正する点に着目し、図8で説明したように、中間転写ベルト10のベルトの速度変動のうち、装置の駆動中に発生する小さな高周波の変動周波数成分以外のゆっくりとベルト速度が変化していく低周波の変動周波数成分のみを補正して中間転写ベルト10を目標速度にする低周波変動周波数補正手段として機能する上述したフィードバックループ80を設けている。
【0045】
このフィードバックループ80では、高周波成分f2の速度変動の補正は行わないが、そのようにしても画像に問題となる影響が出ない点について、以下図10を参照して説明する。
タンデム型のカラー画像形成装置の場合には、図10に示すように中間転写ベルト10の直線状に張られた部分に、複数の感光体40Y,40C(図10では説明の簡略化により2個のみ図示している)を間隔を置いて配置するのが普通であるので、その構成上から中間転写ベルト10上の同じ位置に同時に感光体上のトナー画像が転写されることはあり得ない。
すなわち、感光体40Y上の第1色目のトナー画像T1を中間転写ベルト10上に転写した後は、その中間転写ベルト10上のトナー画像T1が第2色目のトナー画像T2を形成する感光体40Cの転写位置まで移動するまでに時間差taがあり、その第1色目のトナー画像T1が感光体40Cの転写位置に達したタイミングで、その感光体40C上のトナー画像T2が第1色目のトナー画像T1に重ね合わせるように転写される。
【0046】
このように、複数の感光体を並べたタンデム型のカラー画像形成装置を使用して複数色のカラー画像を形成する場合には、最初の画像転写から次の画像転写まで時間差(図10のta)が存在し、フルカラー画像の場合には更にその後に3色目、4色目の各画像がそれぞれ時間差を持って重ね合わせ状態に転写されていき、それにより4色を同じ位置に重ね合わせた画像が形成される。
このとき、例えば第1色目を扱う感光体40Yと、その隣りの第2色目を扱う感光体40Cとの転写タイミングの時間差taよりも遅い低周波周期の速度変動が中間転写ベルト10に発生した場合には、中間転写ベルト10に転写される第2色目の画像は、正規の位置すなわち第1色目の画像位置に対して上記ベルトの速度変動分(遅れ)だけ遅れて第2色目の画像転写位置に到達するようになってしまうので、その結果、色ズレが発生してしまう。
【0047】
また、逆に目標速度に対して速い低周波周期の速度変動が中間転写ベルト10に発生した場合には、上記の場合と逆になり、やはり第2色目の画像は第1色目の画像位置に対して上記ベルトの早まった速度変動分だけ速く第2色目の画像転写位置に到達してしまうので、同様に色ズレが発生してしまう。
ところが、その第1色目の画像転写位置から第2色目の画像転写位置まで中間転写ベルト10が目標速度で移動する時間よりも短い周期となる高周波成分f2の速度変動が発生したとしても、中間転写ベルト10が第2色目の画像転写位置に到達したときに、その中間転写ベルト10の速度が目標速度に戻ってさえいれば、中間転写ベルト10全体の位置ズレにはならないので、中間転写ベルト10上の第1色目の画像位置に対して第2色目の画像が正確に重ね合わされることになる。したがって、第3色目,第4色目も同様に重ね合わされていくので、4色フルカラーの画像を形成しても、色ズレは殆ど現れることがなく、仮に現れたとしても、それは僅かであって画像上において色ズレとしてはわからない程度のものとなる。
【0048】
したがって、この実施の形態のように、中間転写ベルト10のベルトの速度変動のうち、高周波の変動周波数成分以外のゆっくりとベルト速度が変化していく低周波の変動周波数成分のみを補正して中間転写ベルト10を目標速度に補正しても、色ズレを防止することができる。
そして、一般的に上述した高周波周期は数kHz以上であるのに対し、低周波周期は数十Hz以下であるので、その低周波周期を扱う図8に示したフィードバックループ80を低コストで構成することができる。
【0049】
ところで、中間転写ベルト10の速度変動のうち低周波の変動周波数成分f1が、図9で説明した低周波周期Cで現れる要因としては、中間転写ベルト10の1周期(1回動)に起因する要因が大きい。
これは、この実施形態のカラー複写機(図2)がタンデム型であり、そこで使用できる転写紙サイズをA3サイズ等の比較的大型サイズまで使用可能にしている関係で、中間転写ベルト10の周長が比較的長いので、それにより中間転写ベルト10が1周するのに要する時間が、図8で説明した制御ループによる制御ループ周期A(図9)に比べてかなり長い時間になってしまうためである。
【0050】
そして、その中間転写ベルト10に周期的な速度変動を誘発させる要因としては、その中間転写ベルト10自体のベルト厚さの精度や、ベルト駆動系を構成する各ベルト駆動系構成部品の部品製作誤差や、メカ的な各部品のレイアウトの積み上げ公差等が一般的に考えられる。
図11はベルトの変動周波数とベルトの速度変動量との関係を示した線図である。
この線図において、中間転写ベルト10のベルト厚さの精度や、ベルト駆動系を構成する各ローラ等の各ベルト駆動系構成部品の部品製作誤差等に起因して、ゆっくりと周期的に繰返し現れてベルト速度が変化していくのが低周波の変動周波数成分f1であり、中間転写ベルト10のベルト厚さの精度や各ベルト駆動系構成部品の部品製作誤差等に起因しない変動周波数が高周波の変動周波数成分f2であって、この変動周波数成分f2は回転力伝達用のギヤの歯のピッチ変動等により装置の駆動中に発生する小さな高周波の変動周波数成分である。
【0051】
上述した事項から、この実施の形態による転写装置とそれを備えた画像形成装置及びその転写装置を使用して実施するベルト移動速度補正方法の実施形態では、ベルト速度変動を生じさせる要因のうち、前者の中間転写ベルト10のベルト厚さの精度や、ベルト駆動系を構成する各ローラ等の各ベルト駆動系構成部品の部品製作誤差等に起因する要因についてのみ限定して、それによるベルト速度を補正している。すなわち、画像上に殆ど影響を与えない高周波の変動周波数成分を無視することにより、低コストの構成のフィードバックループ80(図8)にしている。
以下、低周波のベルト速度変動を生じさせる要因について、順を追って詳しく説明する。
【0052】
まず最初に、中間転写ベルト10の低周波の変動周波数成分による速度変動が、中間転写ベルト10の厚さむらに起因するものである場合について、図12及び図13を参照して説明する。
図12は中間転写ベルトの厚さむらによりその中間転写ベルトの表面の移動速度が変動ことを説明するための説明図である。
この図12では、説明を簡略化するために便宜上中間転写ベルト10を張架するローラを駆動ローラ9と従動ローラ15の2個としている(正確には図3を参照)。また、同様に説明を簡略化するため、中間転写ベルト10の厚さむらは、厚い部分と薄い部分を1箇所ずつとしているが、この厚さむらは複数箇所ある場合であっても、以下に説明する内容は同様に説明されるものである。
中間転写ベルト10は、駆動ローラ9と従動ローラ15とによって矢示G方向に回動可能に張架されている。そして、駆動ローラ9が矢示J方向に回転することにより中間転写ベルト10が矢示G方向に回動される。
【0053】
また、図12において点Dは、中間転写ベルト10の表面のベルト厚が一番厚い部分を示しており、点Eはベルト厚が一番薄い部分を示している。さらに、この図12では、点Dが駆動ローラ9側の図示の位置にあって、点Eが従動ローラ15側の図示の位置にある時の中間転写ベルト10の状態を実線で示している。
また、その中間転写ベルト10が回動し、上記と逆の位置になって点Dが従動ローラ15側の位置に、点Eが駆動ローラ9側の位置になったときの中間転写ベルト10の状態を破線で示している。
そして、点Dが駆動ローラ9側にあるときの点Dの部分におけるベルトの厚さをX、点Eが駆動ローラ9側にある時の点Eの部分におけるベルトの厚さをxとしている。すなわち、X>xとなる。
また、ここでは駆動ローラ9に偏芯がないものとして説明するので、その駆動ローラ9の半径は一定となるため、駆動ローラ9の回転中心からベルト表面の点Dまでのベルト回転半径はR(最大半径)、点Eまでのベルト回転半径はr(最小半径)となり、その差は、X−xと同じになる。すなわち、(R−r)=(X−x)となる。
【0054】
ここで、ベルト表面の点D、点Eにおける表面速度は、その回転半径が上記のようにRとrで異なるため、中間転写ベルト10の表面速度は点Eの部分に比べて点Dの方が速くなる。
すなわち、中間転写ベルト10が矢示G方向に回動し、ベルトの厚さが他の部分に比べて最も厚い点Dの部分が駆動ローラ9の位置に達すると、ベルトの表面速度は一番速くなり、その後ベルトが回転し続けるとそのベルトの表面速度は徐々に遅くなり、ベルトの一番薄い点Eの部分が駆動ローラ9の位置に達すると、ベルトの表面速度は一番遅くなる。したがって、このベルトの表面速度差が、ベルト速度ムラとして現れることになる。
このベルト表面の速度ムラは、上述した説明モデルの場合には、中間転写ベルト10が円弧状に曲げられる駆動ローラ9の部分で一番顕著になり、その駆動ローラ9から離れた位置になるほど速度ムラは小さくなる。
【0055】
次に、中間転写ベルトの厚さむらにより、その中間転写ベルトの表面の移動速度が変動することを図13に示す他の説明モデルを使用して別の角度から説明する。
図13は中間転写ベルト10の内側に凸状に膨出した部分があってそれによりベルトが厚さむらを生じている場合を示したものである。ここで、中間転写ベルト10が図示のように駆動ローラ9(煩雑となるため図示を省略しているので図12を参照)の円弧上に位置しているときに、その円弧部分に沿うベルト内周面の距離が、ベルト凸部10aがなかった同図に破線で示す部分が距離Lで、ベルト凸部10aがあった場合にベルト内周面に沿う距離が距離L′であるとすると、当然のことながら距離L′は距離Lよりも長くなる。
そのため、駆動ローラ9は、中間転写ベルト10の内面に接してそれを移動させるので、ベルト凸部10aがある場合にはそれが無い場合に比べて距離L′−Lの距離差分だけ多く回転しなければベルト凸部10aが無い場合と同距離を移動させることができない。すなわち、距離L′−Lの距離差分だけ中間転写ベルト10全体の移動速度が遅くなる。したがって、この場合には中間転写ベルト10の駆動ローラ9から離れた直線部分においてもベルトの移動速度が遅くなる。
【0056】
このように、中間転写ベルト10の厚さむらは、そのベルトの移動速度を変動させる要因となるが、そのベルトの厚さを全て均一にすることはベルト製造上及び工程上から一般的に不可能である。したがって、この中間転写ベルト10の厚さむらに起因するベルトの速度ムラは、必ず発生するものである。
そして、このベルトの厚さむらは、実際にはベルトの周方向に比較的少ない箇所にできるものであるため、このベルトの厚さむらが上述した低周数周期で現れるベルト速度ムラとなる。それ故、このベルト速度ムラが、カラー画像を形成した場合に位置ズレの要因となり、それが原因で画像上に色むらができることになる。
なお、このベルト厚さむらは、通常、その製造工程上から数Hz以下となる。
【0057】
以上、述べたように、この実施の形態では、中間転写ベルト10の低周波の変動周波数成分による速度変動が、中間転写ベルト10の厚さむらに起因するものである点に着目し、それによって生じる中間転写ベルト10の速度ムラを図8に示したフィードバックループ80を使用して補正するので、低コストの構成で対応することができる。
また、このように補正する周波数を限定することにより、当然フィードバック制御における位相検出レンジを限定でき、その結果、目標速度に対する位相比較、速度のズレ量検出をより高精度に行うことができるので、より安定したベルト速度の制御ができる。
【0058】
次に、ベルトの低周波の変動周波数成分による速度変動が、中間転写ベルトを駆動するベルト駆動系構成部品である駆動ローラの偏芯に起因するものである場合について、図14を参照して説明する。
この図14においても、説明を簡略化するために便宜上中間転写ベルト10(ベルト厚を誇張して図示している)を張架するローラを駆動ローラ9と従動ローラ15の2個としている(正確には図3を参照)。中間転写ベルト10は、駆動ローラ9と従動ローラ15とによって矢示G方向に回動可能に張架されて、駆動ローラ9が矢示J方向に回転することにより矢示G方向に回動する。
いま、図示のように、駆動ローラ9には偏芯があるものとし、その駆動ローラ9のベルト接触面方向に一番膨らんだ最大偏芯位置でのローラ回転中心からベルト接触面までの半径をR、逆にベルト接触面とは反対側に一番膨らんだときの最小偏芯位置でのローラ回転中心からベルト接触面までの半径をrとする。
【0059】
ここで、説明を容易にするため、中間転写ベルト10の厚さは均一であると仮定する(X=x)。このとき、ベルト表面速度は、駆動ローラ9の最大偏芯位置(一番膨らんだ位置)で駆動されたときと、最小偏芯位置で駆動されたときとでは(R−r)分だけ速度差を生じる。したがって、その分だけ中間転写ベルト10の表面速度に変動が生じる。
そして、一般的に駆動ローラは、その半径が大きいものが多いので、この速度変動は低周波周期となって現れやすい。したがって、それが前述したような画像の位置ズレとなって、画像上に色むらとして現れやすい。
この低周波周期も、一般的に数Hzから数十Hz程度であるため、この低周波の変動周波数成分による速度変動の要因となる駆動ローラ9の偏芯に着目し、その低周波の変動周波数成分による速度変動のみを補正することにより、より低コストで、且つ安定した速度制御を実現することができる。
なお、環境温度の変化に伴う駆動ローラ9の偏芯量の変化をも含んだもので上述したベルトの低周波の変動周波数成分による速度変動の補正を行うようにすれば、より補正精度が向上する。
【0060】
ところで、中間転写ベルトのベルト速度変動を誘発する要因は多種多様であるが、その中で低周波周期によるベルト速度変動につてベルト速度を補正することについては、上述したとおりである。
ここで、その低周波周期で起るベルト速度変動の要因として、実際にどのようなものが要因となるのかについては、その時の対象とする装置のシステム構成、すなわち中間転写ベルトのベルト材質や、そのベルト周長、さらにはその中間転写ベルトを張架するローラ数、感光体ピッチ、各部品の精度等によって異なる。
そのため、ベルト速度変動の要因の全てについて、それぞれ補正を行うことは困難な場合がある。一般的に、ベルトの速度変動が画像品質の低下に影響を与えるのは、低周波の変動周波数成分によるベルトの速度変動である場合が多く、これらは100Hz程度まで補正できれば十分である。
したがって、このベルト速度を補正する補正範囲を、図15に示すように100Hz以下の低周波の変動周波数成分に限定すれば、図8に示したフィードバックループ80を低コストで構成することができる。
【0061】
ところで、図3に画像形成部を示したタンデム型のカラー複写機では、複数色使用モードとなるカラーモード(フルカラーの画像形成モード)時にはY,C,M,Kの4色のトナーを使用して作像するが、単色モードとなる白黒モードではK1色のみのトナーを使用して作像するため、トナーの無駄な消費と電力の節約を考えると、カラーモード時にはY,C,M,K用の4個の感光体40を全て中間転写ベルト10に接触させ、白黒モード時にはK以外の感光体40は中間転写ベルト10に対して非接触にすることが好ましい。
そこで、この実施の形態では、図3に示したように中間転写ベルト10を4個の感光体40に対して接離させるベルト接離手段であるベルト接離機構81を設け、カラーモード(複数色使用モード)でフルカラーの画像を形成するモードが選択されたときには、ベルト接離機構81により中間転写ベルト10を4個の感光体40の全てに接触させるようにしている。そして、この制御は制御装置70が行う。
【0062】
なお、ベルト接離機構81は、例えばソレノイドを使用して従動ローラ15を図3で上下方向に移動させるものであり、その従動ローラ15を図3に示した位置まで押し上げたときに、中間転写ベルト10が4個の感光体40の全てに接触するものである。
また、このベルト接離機構81は、中間転写ベルト10を4個の感光体40の中で選択した感光体40に対してのみ接離させるベルト接離手段としても機能し、制御装置70は図16に示すように白黒モード(単色使用モード)が選択されたときには、ベルト接離機構81により従動ローラ15を図示の位置まで引き下げて、中間転写ベルト10を複数の感光体40の中で選択したK色用の感光体40Kに対してのみ接触させるように制御する。
【0063】
このように、カラーモードと白黒モードとで中間転写ベルト10に接する感光体40の数を異ならせた場合には、中間転写ベルト10の回動時における負荷(感光体40から受ける摩擦負荷)は、カラーモードと白黒モードとで異なると共に、ベルト速度の変動周期も異なるようになる。
したがって、このカラー複写機では、図1に示した補正制御コントローラ71で設定するベルト補正制御のパラメータであるフィルタ係数と比例ゲインを、カラーモード時と白黒モード時とで同じに設定すると、中間転写ベルト10に加わる負荷の変動により中間転写ベルト10の速度ムラが大きくなって色ズレが発生しやすくなるので、選択された作像モードごとに対応させて変えるようにしている。
すなわち、この実施の形態によるカラー複写機では、補正制御コントローラ(補正制御パラメータ設定手段)71が、選択された作像モードがカラーモードであるときにはカラーモードに適した最適な補正制御パラメータを設定し、選択された作像モードが白黒モードであるときには白黒モードに適した最適な補正制御パラメータを設定する。
【0064】
図17はその補正制御コントローラ71が行う補正制御パラメータ設定処理のルーチンを示すフロー図である。
補正制御コントローラ71は、所定のタイミングで図17に示すルーチンをスタートさせる。すると、まず最初にステップ1で、カラーモード(フルカラーの複数色使用モード)が選択されているか否かを判断し、カラーモードが選択されていればステップ2へ進んで、4つの感光体40が全て中転転写ベルト10に接しているときのベルトの振動特性を補正制御するのに最適なゲインG=G1を設定すると共に、フィルタ係数F=F1を設定する。
また、ステップ1の判断でカラーモードが選択されていなくてステップ3へ進んだときには、そこで白黒モードが選択されているか否かを判断し、白黒モードが選択されていればステップ4へ進んで、Kの感光体40の1個だけが中間転写ベルト10に接しているときのベルトの振動特性を補正制御するのに最適なゲインG=G2を設定すると共に、フィルタ係数F=F2を設定する。
そして、ステップ3の判断で白黒モードが選択されていないときには他のモードが選択されているので、このルーチンの処理を終了する。
【0065】
次に、カラーモード及び白黒モードで設定する最適なゲインG及びフィルタ係数Fについて、図18を参照して説明する。
図18はカラーモード及び白黒モードにおける中間転写ベルトの振動成分を周波数分析(FFT)にかけた結果を示す図である。
この図において、横軸は周波数であり、縦軸は変動振幅である。また、実線がカラーモード時の実験結果であり、破線が白黒モード時の実験結果である。
なお、図18では見やすいようにするため、カラーモード時と白黒モード時とにおける同一周波数での変動振幅を横軸方向に若干ずらして図示している。
【0066】
この実験結果によれば、振動成分の周波数は、0.6Hz、2.0Hz、2.4Hzであり、それぞれの発生源は周波数的に中間転写ベルト周期、駆動ローラ周期、従動ローラ周期などが考えられる。
モード別の特性としては、カラーモードでは振幅の大きさに0.6Hz<2.4Hz<2.0Hzの関係が見られる。また、白黒モードでは振幅の大きさに2.4Hz<2.0Hz<0.6Hzの関係が見られる。そして、カラーモードの0.6Hzにおける振動成分と白黒モードの2.4Hzにおける振動成分は振幅レベルが最も低く、補正必要振幅レベル以下になっているので、これらは補正対象から除くことができる。
【0067】
この実験結果から、図18に示すようにカラーモードおける補正範囲Ac及び白黒モードにおける補正範囲Amは、それぞれ図示のように補正対象周波数(補正必要振幅レベルを超える変動振幅となる周波数)を包含する図示の範囲となり、これを基にしてカラーモードと白黒モードとで、モード別にそれぞれの補正範囲及びレベルの高い周波数成分補正に最適なゲイン、フィルタ係数(図17のG1,G2、F1,F2)を設定する。
なお、この実施の形態では、複数色使用モードとなるカラーモードが4色のトナーを使用するフルカラーの場合で、単色使用モードが黒一色を使用する白黒モードの場合について説明したが、この発明は2色あるいは3色のトナーを使用する複数色使用モードを選択した場合と、黒以外の色を1色を使用した単色使用モードとで、感光体と中間転写ベルトの接離状態を切り変えるようにした場合についても、同様にその選択した各モード毎に最適な補正制御パラメータ(ゲイン、フィルタ係数)を設定することも含むものである。
【0068】
このように、このカラー複写機は、選択されたモードが単色使用モードであるか複数色使用モードであるかに応じて、その各モードにおけるベルト速度の変動や外乱に対応した最適な補正制御パラメータを設定して中間転写ベルト10のベルト速度を補正するので、4個の感光体40のうち、画像形成に使用しない各感光体40を中間転写ベルト10から離間させても、中間転写ベルト10の速度を最適な状態に補正することができる。それにより、比較的簡単な構成で低コストにできながら、形成した2色以上のカラー画像に色ズレや色合いの変化が生じないようにすることができる。
また、白黒モード時にも中間転写ベルト10の速度ムラを抑制することができると共に、ベルトの回動時にK以外のY,C,Mの各感光体ドラムを中間転写ベルトに接触させた状態のまま停止させるようなことをしないので、その停止状態にある各感光体40によって中間転写ベルト10の表面が摺接されるようなことがない。それにより、中間転写ベルト10が傷付くのを防止することができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によるカラー画像形成装置によれば、中間転写ベルトの速度を補正制御する際の補正制御パラメータを、選択された作像モードに対応する補正制御パラメータにする補正制御パラメータ設定手段を設けたので、選択された作像モードに応じた最適な制御パラメータにより中間転写ベルトの速度を補正することができる。それにより、比較的簡単な構成で低コストにできながら、選択された作像モード如何に係らず、常に中間転写ベルトの速度ムラを抑制して形成される画像の色ズレを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態例であるカラー画像形成装置のベルト移動速度制御に関する制御系を示すブロック図である。
【図2】同じくそのカラー画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
【図3】同じくそのカラー画像形成装置の作像部に設けられている中間転写ベルトとそのベルト移動速度制御に関する制御系を示す概略構成図である。
【図4】ベルト速度検出用のスケールが全周に亘って設けられた中間転写ベルトの一部を示す平面図である。
【図5】中間転写ベルトに設けたスケールを読み取るセンサとそのセンサが出力するセンサ信号を示す概略図である。
【図6】中間転写ベルトの移動速度補正処理を示すフロー図である。
【図7】ベルトの速度変動における高周波の変動周波数成分と低周波の変動周波数成分を説明するための波形図である。
【図8】図2のカラー画像形成装置が行う中間転写ベルトの移動速度補正に関する一連の制御のフィードバックループを示すブロック図である。
【図9】ベルトの速度変動における高周波成分の高周波周期が制御ループの周期よりも早い周期になるとその高周波成分の速度変動を補正できないことを説明するための波形図である。
【図10】色ズレが発生する転写時間差とベルト移動速度との関係を説明するための概略図である。
【図11】ベルトの変動周波数とベルトの速度変動量との関係を示した線図である。
【図12】中間転写ベルトの厚さむらによりその中間転写ベルトの表面の移動速度が変動ことを説明するための説明図である。
【図13】同じく中間転写ベルトの厚さむらによりその中間転写ベルト全体に速度変動が生じることを説明するための説明図である。
【図14】駆動ローラの偏芯によりその中間転写ベルト全体に速度変動が生じることを説明するための説明図である。
【図15】変動周波数と画像の位置ずれとの関係を示す線図である。
【図16】白黒モード選択時における中間転写ベルトの位置を示す図3と同様な概略構成図である。
【図17】図1の補正制御コントローラが行う補正制御パラメータ設定処理のルーチンを示すフロー図である。
【図18】カラーモード及び白黒モード時における中間転写ベルトの振動成分を周波数分析にかけた結果を示す図である。
【図19】従来の直接転写方式の画像形成装置の一例を画像形成部のみ示す構成図である。
【図20】従来の間接転写方式の画像形成装置の一例を画像形成部のみ示す構成図である。
【符号の説明】
5:スケール 6:センサ
10:中間転写ベルト
40Y,40M,40C,40K:感光体
70:制御装置
71:補正制御コントローラ(補正制御パラメータ設定手段)
81:ベルト接離機構(ベルト接離手段)
Claims (7)
- 複数の感光体とその各感光体に接する中間転写ベルトとを備え、該ベルトに全周に亘って設けたスケールをセンサで読み取ることにより前記中間転写ベルトの実際の速度を検知し、その実際の速度に応じて前記中間転写ベルトの速度を目標速度に補正制御するようにしたタンデム型のカラー画像形成装置において、
前記中間転写ベルトの速度を補正制御する際の補正制御パラメータを、選択された作像モードに対応する補正制御パラメータにする補正制御パラメータ設定手段を設けたことを特徴とするカラー画像形成装置。 - 前記補正制御パラメータ設定手段は、選択された作像モードが複数色使用モードであるときには複数色使用モード用の補正制御パラメータを設定する手段であることを特徴とする請求項1記載のカラー画像形成装置。
- 前記補正制御パラメータ設定手段は、選択された作像モードが単色使用モードであるときには単色使用モード用の補正制御パラメータを設定する手段であることを特徴とする請求項1記載のカラー画像形成装置。
- 前記補正制御パラメータは、比例ゲインであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカラー画像形成装置。
- 前記補正制御パラメータは、フィルタ係数であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカラー画像形成装置。
- 請求項2記載のカラー画像形成装置において、前記中間転写ベルトを前記複数の感光体に対して接離させるベルト接離手段を設け、前記複数色使用モードでフルカラーの画像を形成するモードが選択されたときには前記ベルト接離手段により前記中間転写ベルトを前記複数の感光体の全てに接触させるようにする手段を設けたことを特徴とするカラー画像形成装置。
- 請求項3記載のカラー画像形成装置において、前記中間転写ベルトを前記複数の感光体の中で選択した感光体に対してのみ接離させるベルト接離手段を設け、前記単色使用モードが選択されたときには前記ベルト接離手段により前記中間転写ベルトを前記複数の感光体の中で選択した感光体に対してのみ接触させるようにする手段を設けたことを特徴とするカラー画像形成装置。
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