JP2004317626A - マウントおよび光送信モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】面発光型発光素子とその出力をモニタする受光素子とを搭載することができ、上記素子や光ファイバの位置決めを容易に行うことができ、少ない部品点数で構成することができるマウントおよび光送信モジュールの提供。
【解決手段】光透過性材料からなり、一対の端面2a,2bと、それらの間に延在する光軸4とを有するマウント本体2を備え、前記マウント本体2は、光軸4から離れるに従って屈折率が次第に小さくなるような屈折率分布を有する屈折率分布部分3と、前記屈折率分布部分3の前記光軸4からずれた位置に形成され、光ファイバ13の先端部を挿入して収容するための貫通穴7とを有することを特徴とするマウント1およびこれを用いた光送信モジュール10。
【選択図】 図2
【解決手段】光透過性材料からなり、一対の端面2a,2bと、それらの間に延在する光軸4とを有するマウント本体2を備え、前記マウント本体2は、光軸4から離れるに従って屈折率が次第に小さくなるような屈折率分布を有する屈折率分布部分3と、前記屈折率分布部分3の前記光軸4からずれた位置に形成され、光ファイバ13の先端部を挿入して収容するための貫通穴7とを有することを特徴とするマウント1およびこれを用いた光送信モジュール10。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、面発光型発光素子の出力をモニタするための受光素子を搭載するマウントおよび光送信モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信装置や大型計算機等の間で信号を送受信するに際し、電気信号と光信号とを相互に変換し、光信号として通信を行うことが盛んに研究されている。光信号により送信を行うためには、発光素子を用いて電気信号を光信号に変換し、得られた光信号を光ファイバなどの光導波路に入射させるようにしている。例えば、特許文献1には、発光素子として面発光型の発光素子(レーザ)を用いた光送信モジュールが記載されている。面発光型レーザでは、レーザ光は該素子の両方の端面から出力されるので、上記光送信モジュールでは、一方の端面からの出力を光ファイバに入射させて送信し、他方の端面からの出力を、フォトダイオード(PD)等の受光素子に入射させてモニタするようにしている。
【0003】
また、近年、生産性などの観点から、発光素子として面発光型レーザ(VCSEL:vertical−cavity surface−emitting laser)が注目されている。VCSELでは、レーザ光は一方のみに出力されるので、面発光型レーザと同様な方法では、出力をモニタすることができない。これを解決するため、特許文献2に記載の光送信モジュールでは、楔状の分光基体を用いて出力レーザ光を2方向に分岐させ、一方を光ファイバにし、他方を受光素子に入射させるようにしている。また、特許文献3に記載の光送信モジュールでは、VCSELからの出力光の一部を光ファイバの端面、または光ファイバを搭載した基板上に形成された溝により反射させ、この反射光を受光素子に入射させてモニタするようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−166187号公報
【特許文献2】
特開2002−072025号公報
【特許文献3】
特開2002−170965号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2に記載の光送信モジュールの場合、VCSELの発光部が非常に小さいので、VCSELと分光基体のわずかな位置ずれにより、分光基体による光の分岐比が大きく変化してしまうことがある。このため、分光基体などの実装について高い位置精度が要求される。また、分光基体が温度の変化に応じて変形すると、使用中に分岐比が変動してしまうおそれがある。また、分光基体を使用する分、部品点数が多くなる。
また、特許文献3に記載の光送信モジュールでは、VCSELの光を光ファイバや受光素子に結合させるまでに、光が空間中をかなり長距離にわたって伝播する必要があり、このため、VCSELや光ファイバ、PDの実装について高い位置精度が要求される。また、光送信モジュール全体の寸法もその分大きくなる。また、光を反射させる反射面の角度も高い精度が必要となる。反射率を高くするため、反射面に金属薄膜などを形成した場合、工程が複雑になり、また製造コストが増大する。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてさなれたものであって、面発光型発光素子とその出力をモニタする受光素子とを搭載することができ、上記素子や光ファイバの位置決めを容易に行うことができ、少ない部品点数で構成することができるマウントおよびそれを用いた光送信モジュールを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、光透過性材料からなり、一対の端面と、該端面間に延在する光軸とを有するマウント本体を備え、前記マウント本体は、光軸から離れるに従って屈折率が次第に小さくなるような屈折率分布を有する屈折率分布部分と、前記屈折率分布部分の前記光軸からずれた位置に、マウント本体の一方の端面から他方の端面の側に貫通した貫通穴とを有することを特徴とするマウントを提供する。
【0008】
前記マウント本体は、屈折率分布部分の光軸を中心軸とする円柱状とすることができる。この場合、マウント本体は側面に平面部を有するハウジング内に固定されて収容されていることが好ましい。ハウジングは直方体形状とすることが好ましい。
また、マウント本体が、円柱状である前記屈折率分布部分と、該屈折率分布部分の周囲に形成され、屈折率が実質的に一様である一様屈折率部分とを有し、前記一様屈折率部分が、側面に平面部を有するものとすることもできる。この場合、マウント本体は直方体形状とすることが好ましい。
このマウントでは、マウント本体の端面に電極を設けることができる。
また、マウント本体の前記一対の端面間の長さが、0.5ピッチの奇数倍であることが好ましい。
【0009】
さらに本発明は、上記マウントを備えることを特徴とする光送信モジュールを提供する。
この光送信モジュールにおいては、マウントの貫通穴に、光ファイバの先端部を収容し、マウントの一対の端面のうち、前記光ファイバの端面に対向する側の端面に面発光型発光素子を搭載し、他方の端面に前記面発光型発光素子の出力をモニタする受光素子を搭載することができる。
マウント本体の前記一対の端面間の長さが、0.5ピッチの奇数倍である場合、受光素子を、マウント本体の光軸に対して面発光型発光素子の反対側に配置することが好ましい。
前記マウントには、前記面発光型発光素子を駆動するための集積回路を搭載することができる。
また、上記光送信モジュールを複数個並べて一体化することにより、アレイ型光送信モジュールとすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の第1実施の形態に係る光送信モジュールの一例を示す概略図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は平面図、図1(c)は左側面図、図1(d)は右側面図である。
図2は、上記第1実施の形態の光送信モジュールの貫通穴に光ファイバの先端部を収容した状態を示す縦断面図である。
【0011】
この光送信モジュール10は、マウント1の貫通穴7に光ファイバ13の先端部が収容され、一対の端面のそれぞれに面発光型発光素子11および受光素子12が搭載されたものである。ここでは、面発光型発光素子11(以下、単に発光素子ということがある)はVCSEL(面発光型レーザ)であり、受光素子12はPD(フォトダイオード)である。
【0012】
マウント1は、光透過性材料からなり略円柱状のマウント本体2と、マウント本体2の一方の端面2aから側面2cまでまたがって取り付けられた第1の電極5,5と、マウント本体2の他方の端面2bから側面2cまでまたがって配設された第2の電極6,6とを備えている。
電極5,6は、それぞれマウント本体2の端面2a,2b上の部分5a,6aと、側面2c上の部分5b,6bとを有し、略L字形になっている。
【0013】
マウント本体2の材料は、十分な光透過性を有すれば、プラスチックやガラスなど特に限定なく用いることができるが、望ましくは、光ファイバ13のクラッド17の屈折率よりも屈折率が高いか同程度の材料を用いる。これにより、詳しくは後述するが、クラッド17から外側に漏出した光が、全反射することなくマウント本体2に入射するようになる。光ファイバ13が石英系のものである場合、マウント本体2の材料としては、Geがドープされた石英系ガラスが例示される。
【0014】
マウント本体2は、その中心軸が光軸4となっており、内部が、下記式(1)および図6(b)に示すように、光軸4から離れるに従って屈折率が次第に小さくなるような屈折率分布を有する屈折率分布部分3となっている。
【0015】
Δn = Δn0{1−(r/r0)α} ・・・・ (1)
【0016】
式(1)において、Δnは、光軸からの距離がrである点における屈折率と周縁部の屈折率との差である。Δn0は、屈折率分布部分3における光軸4上の屈折率と周縁部の屈折率との差である。rは、光軸4からの半径方向の距離である。r0は屈折率分布部分の半径である。αは指数(α>0)である。
【0017】
このような屈折率分布は、図6(a)に示す周知のグレーテッドインデックス型のロッドレンズ90(GRINレンズ)と同様のものである。GRINレンズ90内を伝播する光は、光軸91を中心として一定の周期をもって、光軸91からの距離を変化させるように伝播する。この周期Pを1ピッチという。
【0018】
上述の屈折率分布を有するロッドレンズ90には、その端面92上の光軸91外の一点(点A)に入射した光線93が長手方向に1ピッチの整数倍(1.0ピッチ、2.0ピッチ、3.0ピッチ、…)の長さだけ伝播したとき、光軸91に沿った延長線上の点C、点E、…に集光される性質がある。また、光線93が0.5ピッチの奇数倍(0.5ピッチ、1.5ピッチ、2.5ピッチ、…)の長さだけ伝播したとき、光軸91を中心とした反対側の点B、点D、…に集光される性質がある。
ここで、2点が光軸91を中心とした反対側にあるとは、点Aと点Bの関係を例に説明すれば、点Aと光軸91との距離が、点Bと光軸91との距離と等しく、点Aと光軸91と点Bとで決定される二面角(換言すれば、点Aと光軸91とにより決定される平面と、点Bと光軸91とにより決定される平面とがなす角度)が180°になることである。
【0019】
上記の性質を利用すれば、マウント本体2の長さ(両端面2a,2b間の距離)を、屈折率分布によって決定されるピッチ長に対して適切な比にとることにより、一方の端面2aからの入射光を、他方の端面2b上に集光された状態で出射させることができることになる。マウント本体2の好適な長さは、屈折率分布部分3の屈折率分布に依存するが、望ましくは、0.5ピッチの奇数倍(0.5ピッチ、1.5ピッチ、2.5ピッチ、…)である。
マウント本体2の直径は、各端面2a,2bに電極5,6を取り付け、さらにその上に発光素子11および受光素子12を搭載できるように、直径を0.8〜4mm程度とすることが好ましい。
【0020】
マウント本体2には、他方の端面2bからに一方の端面2aに向けて、貫通穴7が光軸4に平行に形成されている。貫通穴7は、マウント本体2の光軸4からずれた位置に設けられている。この貫通穴7には、光ファイバ13の端面15を含む先端部を挿入して収容できるようになっている(光ファイバ収容穴)。
【0021】
ここでは光ファイバ13は、その端面15付近において、被覆18が除去されて裸光ファイバ14が露出されている。貫通穴7は、裸光ファイバ14が収容される細径部7bと、被覆18付きの光ファイバ13が収容される太径部7dと、これらの細径部7bと太径部7dとを連通するテーパ部7cとを有している。細径部7bの直径は、光ファイバ13の被覆18の直径よりも小さくなっている。
貫通穴7は、マウント本体2の端面2a,2bの間を貫通しており、他方の端面2b側の開口部7eから貫通穴7に挿入された光ファイバ13は、該光ファイバ13の端面15を、一方の端面2a側の開口部7aに臨ませた状態で収容される。この際、光ファイバ13の被覆18の先端がテーパ部7cにぶつかることにより光ファイバ13の過度の押し込みが防止される。
なお、ここでは、貫通穴7が細径部やテーパ部を有する場合を例示したが、特にこれは必須のものではなく、例えば、マウント本体2の長手方向の全長にわたって直径が一様な貫通穴としてもよい。
【0022】
光ファイバ13と貫通穴7との間には、エポキシ系、アクリル系などの光透過性樹脂を充填して接着してもよい。望ましくは、光透過性樹脂の屈折率が、光ファイバ13のクラッド17の屈折率よりも高いか同程度であり、マウント本体2の屈折率よりも低いか同程度のものとする。これにより、詳しくは後述するが、光ファイバ13のクラッド17と光透過性樹脂との界面、および光透過性樹脂とマウント本体2との界面で光が全反射することなく、光ファイバ13のクラッド17から光透過性樹脂を経由してマウント本体2に光を透過させることができる。
【0023】
第1の電極5は、マウント本体2の端面2a上の部分5aに、発光素子11を取り付けられるようになっている。発光素子11は、その発光部11aが、光ファイバ13の端面15と向かい合うような位置に配置される。つまり、貫通穴7と同様に、マウント本体2の光軸4からずれた位置に設けられる。
【0024】
同様に、第2の電極6は、マウント本体2の端面2b上の部分6aに、受光素子12を取り付けられるようになっている。受光素子12の取り付け位置は、発光素子11から出力された光のうち、コア16に伝播されずに光ファイバ13から外に漏れてマウント本体2に入射した光が、該マウント本体2の他方の端面2b上に、受光素子12を用いてモニタするために十分なだけの光量にて集光されるような位置であればよい。
好ましくは、マウント本体2の長さが0.5ピッチの奇数倍である場合に、受光素子12の受光部12aが、光軸4を中心として発光素子11の発光部11aの反対の位置となるようにする。この場合、発光素子11と受光素子12との位置関係を容易に設定できるようになる。
【0025】
発光素子11および受光素子12を第1の電極5および第2の電極6の上に電気的に接続されるように固定する方法としては、図1(b)に示すように、Auバンプ、Au/Snバンプ、半田、導電性接着剤などの導電材料11b,12bを、電極5,6との間に介在させる方法が挙げられる。または、Au等のワイヤにより電気的接続を行う方法もある。なお、図1(a)では、導電材料11b,12bの図示を省略している。
電極5,6には、発光素子11や受光素子12を実装する際に位置決めとするため、マーキングを付しておくとよい。これにより、発光素子11や受光素子12をパッシブアライメント法で実装することができる。
なお、第1および第2の電極5,6のマウント本体2の側面2c上の部分5b,6bは、発光素子11および受光素子12を、外部の電気回路と接続するためのものである。外部の電気回路の種類および接続方法等は、当該分野において公知のものであれば特に限定されるものではない。
【0026】
本実施の形態のマウント1は、例えば、周知の屈折率分布型レンズを適宜の方法で加工して貫通穴7を設けてマウント本体2となし、このマウント本体2の所定の位置(上述)に電極5,6を取り付けることによって製造することができる。また、光送信モジュール10は、上記マウント1の電極5,6上に、それぞれ発光素子11および受光素子12を実装することにより、製造することができる。
【0027】
なお、マウント本体2がGeがドープされた石英系ガラスからなるものの場合、屈折率分布型レンズは、例えば、プラズマCVD法などにより、中心軸付近にドーパント(Geなど)を添加した石英ガラスからなるガラス棒を製造し、このガラス棒を加熱してドーパントを周縁部に向けて熱拡散させることにより、ドーパントの濃度が光軸(上記ガラス棒の中心軸)から離れるに従って低下するような濃度分布を形成し、必要に応じて所望の直径に延伸したり所望の長さに切断したりすることによって製造することができる。
【0028】
この光送信モジュール10によれば、図2に示すように、発光素子11の発光部11aから出射された光のうち、光ファイバ13のコア16に入射された光の多くは、該コア16内を伝播することで、光ファイバ13に導波される。しかし、光ファイバ13の臨界角以上の角度でコア16に入射した場合、コア16からクラッド17に漏出し、条件によっては、さらに、クラッド17から漏出してマウント本体2に入射する。あるいは、発光部11aからクラッド17に入射してクラッド17から漏出してマウント本体2に入射する。あるいは、発光部11aからマウント本体2に直接入射する。
【0029】
マウント本体2に入射した光は、その屈折率分布によって、光路を曲げられながらマウント本体2内を伝播する。マウント本体2の長さが0.5ピッチの奇数倍(0.5ピッチの場合を含む)であると、一方の端面2aからの入射光を、他方の端面2b上に集光された状態で出射させることができる。この集光位置に受光素子12を配置して発光素子11の出力をモニタすれば、受光素子12への光の結合効率を高くすることができる。
なお、図2では、電極5,6や電気的接続用の導電材料11b,12bの図示を省略している。
【0030】
このように、本実施の形態のマウント1によれば、マウント本体2の貫通穴7を通して光ファイバ13の端面15に発光素子11の出力光を入射させることができるとともに、光ファイバ13の外側に漏れ出して、マウント本体2の内部の屈折率分布部分3に入射した光を受光素子12に集光してモニタすることができる。従って、屈折率分布部分3に入射した光を十分に高い結合効率にて受光素子12に入射させることができ、精度の高いモニタリングが可能になる。
また、発光素子11とその出力をモニタする受光素子12とを搭載できるマウント1を、少ない部品点数で構成することができる。
電極5,6や貫通穴7を所定の位置に配置しておくことにより、電極5,6や貫通穴7の位置に合わせて、発光素子11や受光素子12、光ファイバ13の位置決めを容易に行うことができる。
【0031】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る光送信モジュールおよびマウントの例を示す端面図である。図3において、図1,2で用いたのと同一の符号は、上記第1の実施の形態における構成と同一または同様であることを示し、説明を省略することがある。
この光送信モジュール20のマウント21において、マウント本体22は、円柱状の屈折率変化部分3と、該屈折率変化部分3の周囲に一体に形成されている一様屈折率部分23とを有している。屈折率変化部分3は、光軸4から離れるに従って屈折率が次第に小さくなるような屈折率分布を有するものであり、詳しくは上記第1の実施の形態のマウント1におけるマウント本体2と同様にすればよい。
【0032】
図3(b),(c)に示すように、マウント本体22は、一様屈折率部分23に、一面以上の平面部24を有している。これにより、当該平面部24を基準面として、発光素子11や受光素子12を位置合わせするに際し、これらの位置精度を向上できる。平面部24は、発光素子11の発光部11aと受光素子12の受光部12aと光軸4とを含む平面Sに対して、垂直もしくは平行とすることが好ましい。もちろん、垂直・平行以外の角度としてもよい。
【0033】
電極5,6のマウント本体22の側面22c上の部分5b,6bは、平面部24(図3中、符号を区別して平面部24Aとする)に配置するのが好ましい。これにより、電極5,6に他の配線や部品等を接続する作業がやりやすくなる。また、電極5,6が設けられた平面部24Aに対してマウント本体22の側面22c上の反対側(図3(b),3(c)における下側)にも平面部24(図3中、符号を区別して平面部24Bとする)を設けるようにすれば、この平面部24Bの面によりマウント21を基板などの上に載置したとき、電極5,6が設けられた平面部24Aを前記基板等の反対側に配置することができる。これにより、マウント21の配置に必要な面積を小さくできる。また、マウント21を多数並べて配置する場合でも、図3(b),3(c)における左右方向に並べやすい。
【0034】
マウント本体22は、具体的には、例えば、図3(b)に示すように、一様屈折率部分23に四面の平面部24を形成して、直方体状(立方体を包含する)の外形をもつようにすることができる。また、図3(c)に示すように、一様屈折率部分23に平行な二面の平面部24を形成してもよい。
特に、直方体状であれば、隣接するマウント21同士を、左右の平面部24,24(図3中、符号を区別して平面部24C,24Cとする)を対向させて並べるのに好都合である。
【0035】
このような屈折率分布を有するマウント21は、まず、図3(a)に示すように、円柱状の屈折率変化部分3と、その周囲に屈折率変化部分3と同軸の一様屈折率部分23とを有する母材25を作製し、この母材25を研磨あるいは切削して、側面に平面部24を形成することなどにより製造することができる。
母材25は、例えば、上記の屈折率分布を有する円柱状のガラス棒の外周に、一様な屈折率を有するガラス管をかぶせてロッドインチューブ法で一体化し、必要に応じて所望の直径に延伸したり所望の長さに切断したりすることにより製造することができる。
また、例えば、上述したドーパントの熱拡散法によって母材25を製造する場合には、ドーパントが周縁部まで拡散する前に加熱を停止すればよい。この場合、屈折率変化部分3の周縁部と一様屈折率部分23との間で連続な屈折率を有する母材25を得ることができる。
【0036】
本実施の形態のマウント21および光送信モジュール20によれば、高い結合効率にて受光素子12に光を入射させて発光素子11の出力をモニタできるなど、上記第1の実施の形態のマウントと同様の優れた効果を奏するとともに、マウント本体22の一様屈折率部分23に平面部24を形成し、これを基準面とすることにより、貫通穴7や電極5,6の位置決めや、発光素子11や受光素子12の実装作業や光ファイバ13の実装作業などがやりやすくなる。また、マウント21を製造する際に高精度での加工が容易になる。屈折率変化部分3は円柱状としたので、平面部24を設けたことによる屈折率分布への悪影響はほとんどなく、受光素子12への光の結合効率を十分に高くすることができる。
【0037】
図4は、本発明の第3の実施の形態に係るマウントの一例を示す斜視図である。このマウント31は、上記第2の実施の形態のマウント21の改変例ということができる。ここでは、マウント本体の屈折率分布部分の周囲に一様屈折率部分を設ける代わりに、屈折率分布を有する円柱状のマウント本体32の周囲に、側面に平面部34を有するハウジング33を装着するものである。
【0038】
ハウジング33は、マウント本体32を収容できるようにマウント本体収容穴33aを有してスリーブ状に形成されており、マウント本体収容穴33aの両端から、マウント本体32の端面32a,32bが露出されるようになっている。
ハウジング33の材質は光透過性である必要はなく、石英系ガラスやケイ酸塩ガラスなどのガラス、アルミナや窒化アルミニウムなどのセラミックス、プラスチック、樹脂などの種々の材料から適宜選択して用いることができる。
ハウジング33のマウント本体収容穴33aと、マウント本体32の側面32cとの間は、接着剤を充填してマウント本体32を固定するようにしてもよい。
【0039】
ハウジング33の形状は、図4に示すように、直方体状とすることが好ましい。このほか、図3(c)に示したような形状などでもよい。
電極5,6は、マウント本体32とハウジング33とにまたがって形成することができ、ここでは、電極5,6のうち、マウント31の側面上の部分5b,5bは、ハウジング33の平面部34の一面の上に設けられている。
【0040】
本実施の形態のマウントによれば、高い結合効率にて受光素子12に光を入射させて発光素子11の出力をモニタできるなど、上記実施の形態のマウントと同様の優れた効果を奏する。また、ハウジング33に平面部34を形成し、これを基準面とすることにより、貫通穴7や電極5,6の位置決めや、発光素子11や受光素子12の実装作業や光ファイバ13の実装作業などがやりやすくなる。また、マウント1を製造する際に高精度での加工が容易になる。しかも、マウント本体32の研磨や切削を行うことなく、マウント31の側面に平面部34を設けることができるので、生産性が高い。
【0041】
図5は、本発明の第4の実施の形態のマウントおよび光送信モジュールを示す断面図である。本実施の形態のマウント41は、上記実施形態のマウントと同様に、屈折率分布部分の光軸からずれた位置に貫通穴7を有するマウント本体42と、第1および第2の電極5,6とを備えている。
ここでは、一方の電極5のうちマウント本体42の端面42a上の部分5aに発光素子11が取り付けられ、他方の電極6のうちマウント本体42の端面42b上の部分6aに受光素子12が取り付けられ、さらに、一方の電極5のうちマウント本体42の側面42c上の部分5bには、発光素子11を駆動する駆動用IC43が取り付けられている。
駆動用IC43は電極5を介して発光素子11と電気的に接続される。駆動用IC43と電極5とを電気的に接続するための材料としては、金錫半田、金(Au)やAu/Snなどのバンプ、導電性接着剤、金ワイヤなどがある。
【0042】
本実施の形態のマウントによれば、受光素子12への光の結合効率を高くして発光素子11の出力をモニタすることができるなど、上記実施の形態のマウントと同様の優れた効果を奏する。さらに、駆動用IC43をマウント41上に搭載したことにより、発光素子11と駆動用IC43との配線(電極5)の長さを短くすることができるので、高周波特性を改善することができる。また、光送信モジュール40を小型にまとめることができる。
【0043】
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明はこの実施の形態のみに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、上記光送信モジュールを複数個並設して組み合わせることにより、アレイ型光送信モジュールを製造することができる。光送信モジュールを複数個並設する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、共通の基板上に複数のマウントを並設する方法、複数のマウント本体収容穴を有するハウジングを用いて、複数のマウント本体を一個のハウジング内に収容する方法等が挙げられる。このようなアレイ型光送信モジュールによれば、多数の電気信号を各単位の光送信モジュールによって光信号に変換することができ、全体の寸法を小型化して高密度に配置することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマウントおよび光送信モジュールによれば、発光素子から貫通穴を通して光ファイバの端面に向けて出射された光のうち、貫通穴から屈折率分布部分に漏れた光を、モニタ用の受光素子に向けて集光することができる。従って、上記光を受光素子に高い結合効率にて入射させることができる。
【0045】
前記マウント本体が、屈折率分布部分の光軸を中心軸とする円柱状である場合、マウント本体の端面や側面の位置や形状から前記光軸の位置を知ることができるので、マウント本体に他の部品を実装する際に、該部品と光軸との位置関係を容易にすることができ、実装の位置精度を向上することができる。
さらに、マウント本体が側面に平面部を有するハウジング内に固定されて収容されている場合、平面部によりマウントが転がりにくくなり、安定した姿勢にさせて実装作業を行うことができるので、作業性が向上する。
特に、ハウジングが直方体である場合、マウントを並べてアレイとする際に、配置面積を最小化しやすい。
【0046】
前記マウント本体が、円柱状である前記屈折率分布部分と、該屈折率分布部分の周囲に形成され、屈折率が実質的に一様である一様屈折率部分とを有し、一様屈折率部分が側面に平面部を有する場合、平面部によりマウントが転がりにくくなり、安定した姿勢にさせて実装作業を行うことができるので、作業性が向上する。
特に、マウント本体が直方体である場合、マウントを並べてアレイとする際に、配置面積を最小化しやすい。
【0047】
電極がマウント本体の端面および側面に設けられている場合、マウント本体の端面に搭載された発光素子や受光素子と外部電気回路などとの電気的接続を、マウント本体の端面および側面を利用して行うことができるので、駆動用ICを実装するための回路基板を他に設ける必要がなく、マウントおよび光送信モジュールの部品点数を少なくして、小型化することができる。
【0048】
前記マウント本体の前記一対の端面間の長さが0.5ピッチの奇数倍である場合、発光素子と受光素子とを光軸を中心として反対側に配置するだけで、確実に高い結合効率を得ることができる。つまり、発光素子と受光素子との位置関係が、光軸との関係によって決定できるので、発光素子および受光素子を実装する際の位置決めが容易になる。
【0049】
マウントの貫通穴に、光ファイバの先端部が収容されるとともに、前記マウントの一対の端面のうち、前記光ファイバの端面に対向する側の端面に面発光型発光素子が搭載され、他方の端面に前記面発光型発光素子の出力をモニタするための受光素子が搭載された光送信モジュールによれば、光ファイバと発光素子と受光素子との位置関係をマウントにより維持できるとともに、互いに干渉することがなく、光送信モジュールを小型化することができる。
発光素子を駆動するための駆動用ICをマウントに搭載した場合、発光素子と駆動用ICとの配線の長さを短くすることができるので、高周波特性を改善することができる。
光送信モジュールを複数個並べて一体化したアレイ型光送信モジュールによれば、多数の電気信号を各単位の光送信モジュールによって光信号に変換することができ、全体の寸法を小型化して高密度に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る光送信モジュールの一例を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。
【図2】図1に示す光送信モジュールの貫通穴に光ファイバの先端部を挿入した状態を示す縦断面図である。
【図3】(a)本発明の第2実施の形態に係る光送信モジュールを作製するのに用いられる母材の一例を示す端面図である。(b)本発明の第2実施の形態の光送信モジュールの一例を示す端面図である。(c)本発明の第2実施の形態の光送信モジュールの他の例を示す端面図である。
【図4】本発明の第3実施の形態に係るマウントの一例を示す斜視図である。
【図5】本発明の第3実施の形態に係る光送信モジュールの一例を示す断面図である。
【図6】(a)屈折率分布を有する部分の作用を説明する断面図である。(b)屈折率分布を有する部分の屈折率分布を示す図である。
【符号の説明】
1…マウント、2…マウント本体、2a,2b…マウント本体の端面、3…屈折率分布部分、4…光軸、5…第1の電極、6…第2の電極、7…貫通穴、10…光送信モジュール、11…面発光型発光素子(発光素子)、12…受光素子、13…光ファイバ、20…光送信モジュール、21…マウント、22…マウント本体、23…一様屈折率部分、24,24A,24B,24C…マウント本体の平面部、31…マウント、32…マウント本体、32a,32b…マウント本体の端面、33…ハウジング、34…ハウジングの平面部、40…光送信モジュール、41…マウント、42…マウント本体、42a,42b…マウント本体の端面、43…駆動用IC。
【発明の属する技術分野】
本発明は、面発光型発光素子の出力をモニタするための受光素子を搭載するマウントおよび光送信モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信装置や大型計算機等の間で信号を送受信するに際し、電気信号と光信号とを相互に変換し、光信号として通信を行うことが盛んに研究されている。光信号により送信を行うためには、発光素子を用いて電気信号を光信号に変換し、得られた光信号を光ファイバなどの光導波路に入射させるようにしている。例えば、特許文献1には、発光素子として面発光型の発光素子(レーザ)を用いた光送信モジュールが記載されている。面発光型レーザでは、レーザ光は該素子の両方の端面から出力されるので、上記光送信モジュールでは、一方の端面からの出力を光ファイバに入射させて送信し、他方の端面からの出力を、フォトダイオード(PD)等の受光素子に入射させてモニタするようにしている。
【0003】
また、近年、生産性などの観点から、発光素子として面発光型レーザ(VCSEL:vertical−cavity surface−emitting laser)が注目されている。VCSELでは、レーザ光は一方のみに出力されるので、面発光型レーザと同様な方法では、出力をモニタすることができない。これを解決するため、特許文献2に記載の光送信モジュールでは、楔状の分光基体を用いて出力レーザ光を2方向に分岐させ、一方を光ファイバにし、他方を受光素子に入射させるようにしている。また、特許文献3に記載の光送信モジュールでは、VCSELからの出力光の一部を光ファイバの端面、または光ファイバを搭載した基板上に形成された溝により反射させ、この反射光を受光素子に入射させてモニタするようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−166187号公報
【特許文献2】
特開2002−072025号公報
【特許文献3】
特開2002−170965号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2に記載の光送信モジュールの場合、VCSELの発光部が非常に小さいので、VCSELと分光基体のわずかな位置ずれにより、分光基体による光の分岐比が大きく変化してしまうことがある。このため、分光基体などの実装について高い位置精度が要求される。また、分光基体が温度の変化に応じて変形すると、使用中に分岐比が変動してしまうおそれがある。また、分光基体を使用する分、部品点数が多くなる。
また、特許文献3に記載の光送信モジュールでは、VCSELの光を光ファイバや受光素子に結合させるまでに、光が空間中をかなり長距離にわたって伝播する必要があり、このため、VCSELや光ファイバ、PDの実装について高い位置精度が要求される。また、光送信モジュール全体の寸法もその分大きくなる。また、光を反射させる反射面の角度も高い精度が必要となる。反射率を高くするため、反射面に金属薄膜などを形成した場合、工程が複雑になり、また製造コストが増大する。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてさなれたものであって、面発光型発光素子とその出力をモニタする受光素子とを搭載することができ、上記素子や光ファイバの位置決めを容易に行うことができ、少ない部品点数で構成することができるマウントおよびそれを用いた光送信モジュールを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、光透過性材料からなり、一対の端面と、該端面間に延在する光軸とを有するマウント本体を備え、前記マウント本体は、光軸から離れるに従って屈折率が次第に小さくなるような屈折率分布を有する屈折率分布部分と、前記屈折率分布部分の前記光軸からずれた位置に、マウント本体の一方の端面から他方の端面の側に貫通した貫通穴とを有することを特徴とするマウントを提供する。
【0008】
前記マウント本体は、屈折率分布部分の光軸を中心軸とする円柱状とすることができる。この場合、マウント本体は側面に平面部を有するハウジング内に固定されて収容されていることが好ましい。ハウジングは直方体形状とすることが好ましい。
また、マウント本体が、円柱状である前記屈折率分布部分と、該屈折率分布部分の周囲に形成され、屈折率が実質的に一様である一様屈折率部分とを有し、前記一様屈折率部分が、側面に平面部を有するものとすることもできる。この場合、マウント本体は直方体形状とすることが好ましい。
このマウントでは、マウント本体の端面に電極を設けることができる。
また、マウント本体の前記一対の端面間の長さが、0.5ピッチの奇数倍であることが好ましい。
【0009】
さらに本発明は、上記マウントを備えることを特徴とする光送信モジュールを提供する。
この光送信モジュールにおいては、マウントの貫通穴に、光ファイバの先端部を収容し、マウントの一対の端面のうち、前記光ファイバの端面に対向する側の端面に面発光型発光素子を搭載し、他方の端面に前記面発光型発光素子の出力をモニタする受光素子を搭載することができる。
マウント本体の前記一対の端面間の長さが、0.5ピッチの奇数倍である場合、受光素子を、マウント本体の光軸に対して面発光型発光素子の反対側に配置することが好ましい。
前記マウントには、前記面発光型発光素子を駆動するための集積回路を搭載することができる。
また、上記光送信モジュールを複数個並べて一体化することにより、アレイ型光送信モジュールとすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の第1実施の形態に係る光送信モジュールの一例を示す概略図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は平面図、図1(c)は左側面図、図1(d)は右側面図である。
図2は、上記第1実施の形態の光送信モジュールの貫通穴に光ファイバの先端部を収容した状態を示す縦断面図である。
【0011】
この光送信モジュール10は、マウント1の貫通穴7に光ファイバ13の先端部が収容され、一対の端面のそれぞれに面発光型発光素子11および受光素子12が搭載されたものである。ここでは、面発光型発光素子11(以下、単に発光素子ということがある)はVCSEL(面発光型レーザ)であり、受光素子12はPD(フォトダイオード)である。
【0012】
マウント1は、光透過性材料からなり略円柱状のマウント本体2と、マウント本体2の一方の端面2aから側面2cまでまたがって取り付けられた第1の電極5,5と、マウント本体2の他方の端面2bから側面2cまでまたがって配設された第2の電極6,6とを備えている。
電極5,6は、それぞれマウント本体2の端面2a,2b上の部分5a,6aと、側面2c上の部分5b,6bとを有し、略L字形になっている。
【0013】
マウント本体2の材料は、十分な光透過性を有すれば、プラスチックやガラスなど特に限定なく用いることができるが、望ましくは、光ファイバ13のクラッド17の屈折率よりも屈折率が高いか同程度の材料を用いる。これにより、詳しくは後述するが、クラッド17から外側に漏出した光が、全反射することなくマウント本体2に入射するようになる。光ファイバ13が石英系のものである場合、マウント本体2の材料としては、Geがドープされた石英系ガラスが例示される。
【0014】
マウント本体2は、その中心軸が光軸4となっており、内部が、下記式(1)および図6(b)に示すように、光軸4から離れるに従って屈折率が次第に小さくなるような屈折率分布を有する屈折率分布部分3となっている。
【0015】
Δn = Δn0{1−(r/r0)α} ・・・・ (1)
【0016】
式(1)において、Δnは、光軸からの距離がrである点における屈折率と周縁部の屈折率との差である。Δn0は、屈折率分布部分3における光軸4上の屈折率と周縁部の屈折率との差である。rは、光軸4からの半径方向の距離である。r0は屈折率分布部分の半径である。αは指数(α>0)である。
【0017】
このような屈折率分布は、図6(a)に示す周知のグレーテッドインデックス型のロッドレンズ90(GRINレンズ)と同様のものである。GRINレンズ90内を伝播する光は、光軸91を中心として一定の周期をもって、光軸91からの距離を変化させるように伝播する。この周期Pを1ピッチという。
【0018】
上述の屈折率分布を有するロッドレンズ90には、その端面92上の光軸91外の一点(点A)に入射した光線93が長手方向に1ピッチの整数倍(1.0ピッチ、2.0ピッチ、3.0ピッチ、…)の長さだけ伝播したとき、光軸91に沿った延長線上の点C、点E、…に集光される性質がある。また、光線93が0.5ピッチの奇数倍(0.5ピッチ、1.5ピッチ、2.5ピッチ、…)の長さだけ伝播したとき、光軸91を中心とした反対側の点B、点D、…に集光される性質がある。
ここで、2点が光軸91を中心とした反対側にあるとは、点Aと点Bの関係を例に説明すれば、点Aと光軸91との距離が、点Bと光軸91との距離と等しく、点Aと光軸91と点Bとで決定される二面角(換言すれば、点Aと光軸91とにより決定される平面と、点Bと光軸91とにより決定される平面とがなす角度)が180°になることである。
【0019】
上記の性質を利用すれば、マウント本体2の長さ(両端面2a,2b間の距離)を、屈折率分布によって決定されるピッチ長に対して適切な比にとることにより、一方の端面2aからの入射光を、他方の端面2b上に集光された状態で出射させることができることになる。マウント本体2の好適な長さは、屈折率分布部分3の屈折率分布に依存するが、望ましくは、0.5ピッチの奇数倍(0.5ピッチ、1.5ピッチ、2.5ピッチ、…)である。
マウント本体2の直径は、各端面2a,2bに電極5,6を取り付け、さらにその上に発光素子11および受光素子12を搭載できるように、直径を0.8〜4mm程度とすることが好ましい。
【0020】
マウント本体2には、他方の端面2bからに一方の端面2aに向けて、貫通穴7が光軸4に平行に形成されている。貫通穴7は、マウント本体2の光軸4からずれた位置に設けられている。この貫通穴7には、光ファイバ13の端面15を含む先端部を挿入して収容できるようになっている(光ファイバ収容穴)。
【0021】
ここでは光ファイバ13は、その端面15付近において、被覆18が除去されて裸光ファイバ14が露出されている。貫通穴7は、裸光ファイバ14が収容される細径部7bと、被覆18付きの光ファイバ13が収容される太径部7dと、これらの細径部7bと太径部7dとを連通するテーパ部7cとを有している。細径部7bの直径は、光ファイバ13の被覆18の直径よりも小さくなっている。
貫通穴7は、マウント本体2の端面2a,2bの間を貫通しており、他方の端面2b側の開口部7eから貫通穴7に挿入された光ファイバ13は、該光ファイバ13の端面15を、一方の端面2a側の開口部7aに臨ませた状態で収容される。この際、光ファイバ13の被覆18の先端がテーパ部7cにぶつかることにより光ファイバ13の過度の押し込みが防止される。
なお、ここでは、貫通穴7が細径部やテーパ部を有する場合を例示したが、特にこれは必須のものではなく、例えば、マウント本体2の長手方向の全長にわたって直径が一様な貫通穴としてもよい。
【0022】
光ファイバ13と貫通穴7との間には、エポキシ系、アクリル系などの光透過性樹脂を充填して接着してもよい。望ましくは、光透過性樹脂の屈折率が、光ファイバ13のクラッド17の屈折率よりも高いか同程度であり、マウント本体2の屈折率よりも低いか同程度のものとする。これにより、詳しくは後述するが、光ファイバ13のクラッド17と光透過性樹脂との界面、および光透過性樹脂とマウント本体2との界面で光が全反射することなく、光ファイバ13のクラッド17から光透過性樹脂を経由してマウント本体2に光を透過させることができる。
【0023】
第1の電極5は、マウント本体2の端面2a上の部分5aに、発光素子11を取り付けられるようになっている。発光素子11は、その発光部11aが、光ファイバ13の端面15と向かい合うような位置に配置される。つまり、貫通穴7と同様に、マウント本体2の光軸4からずれた位置に設けられる。
【0024】
同様に、第2の電極6は、マウント本体2の端面2b上の部分6aに、受光素子12を取り付けられるようになっている。受光素子12の取り付け位置は、発光素子11から出力された光のうち、コア16に伝播されずに光ファイバ13から外に漏れてマウント本体2に入射した光が、該マウント本体2の他方の端面2b上に、受光素子12を用いてモニタするために十分なだけの光量にて集光されるような位置であればよい。
好ましくは、マウント本体2の長さが0.5ピッチの奇数倍である場合に、受光素子12の受光部12aが、光軸4を中心として発光素子11の発光部11aの反対の位置となるようにする。この場合、発光素子11と受光素子12との位置関係を容易に設定できるようになる。
【0025】
発光素子11および受光素子12を第1の電極5および第2の電極6の上に電気的に接続されるように固定する方法としては、図1(b)に示すように、Auバンプ、Au/Snバンプ、半田、導電性接着剤などの導電材料11b,12bを、電極5,6との間に介在させる方法が挙げられる。または、Au等のワイヤにより電気的接続を行う方法もある。なお、図1(a)では、導電材料11b,12bの図示を省略している。
電極5,6には、発光素子11や受光素子12を実装する際に位置決めとするため、マーキングを付しておくとよい。これにより、発光素子11や受光素子12をパッシブアライメント法で実装することができる。
なお、第1および第2の電極5,6のマウント本体2の側面2c上の部分5b,6bは、発光素子11および受光素子12を、外部の電気回路と接続するためのものである。外部の電気回路の種類および接続方法等は、当該分野において公知のものであれば特に限定されるものではない。
【0026】
本実施の形態のマウント1は、例えば、周知の屈折率分布型レンズを適宜の方法で加工して貫通穴7を設けてマウント本体2となし、このマウント本体2の所定の位置(上述)に電極5,6を取り付けることによって製造することができる。また、光送信モジュール10は、上記マウント1の電極5,6上に、それぞれ発光素子11および受光素子12を実装することにより、製造することができる。
【0027】
なお、マウント本体2がGeがドープされた石英系ガラスからなるものの場合、屈折率分布型レンズは、例えば、プラズマCVD法などにより、中心軸付近にドーパント(Geなど)を添加した石英ガラスからなるガラス棒を製造し、このガラス棒を加熱してドーパントを周縁部に向けて熱拡散させることにより、ドーパントの濃度が光軸(上記ガラス棒の中心軸)から離れるに従って低下するような濃度分布を形成し、必要に応じて所望の直径に延伸したり所望の長さに切断したりすることによって製造することができる。
【0028】
この光送信モジュール10によれば、図2に示すように、発光素子11の発光部11aから出射された光のうち、光ファイバ13のコア16に入射された光の多くは、該コア16内を伝播することで、光ファイバ13に導波される。しかし、光ファイバ13の臨界角以上の角度でコア16に入射した場合、コア16からクラッド17に漏出し、条件によっては、さらに、クラッド17から漏出してマウント本体2に入射する。あるいは、発光部11aからクラッド17に入射してクラッド17から漏出してマウント本体2に入射する。あるいは、発光部11aからマウント本体2に直接入射する。
【0029】
マウント本体2に入射した光は、その屈折率分布によって、光路を曲げられながらマウント本体2内を伝播する。マウント本体2の長さが0.5ピッチの奇数倍(0.5ピッチの場合を含む)であると、一方の端面2aからの入射光を、他方の端面2b上に集光された状態で出射させることができる。この集光位置に受光素子12を配置して発光素子11の出力をモニタすれば、受光素子12への光の結合効率を高くすることができる。
なお、図2では、電極5,6や電気的接続用の導電材料11b,12bの図示を省略している。
【0030】
このように、本実施の形態のマウント1によれば、マウント本体2の貫通穴7を通して光ファイバ13の端面15に発光素子11の出力光を入射させることができるとともに、光ファイバ13の外側に漏れ出して、マウント本体2の内部の屈折率分布部分3に入射した光を受光素子12に集光してモニタすることができる。従って、屈折率分布部分3に入射した光を十分に高い結合効率にて受光素子12に入射させることができ、精度の高いモニタリングが可能になる。
また、発光素子11とその出力をモニタする受光素子12とを搭載できるマウント1を、少ない部品点数で構成することができる。
電極5,6や貫通穴7を所定の位置に配置しておくことにより、電極5,6や貫通穴7の位置に合わせて、発光素子11や受光素子12、光ファイバ13の位置決めを容易に行うことができる。
【0031】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る光送信モジュールおよびマウントの例を示す端面図である。図3において、図1,2で用いたのと同一の符号は、上記第1の実施の形態における構成と同一または同様であることを示し、説明を省略することがある。
この光送信モジュール20のマウント21において、マウント本体22は、円柱状の屈折率変化部分3と、該屈折率変化部分3の周囲に一体に形成されている一様屈折率部分23とを有している。屈折率変化部分3は、光軸4から離れるに従って屈折率が次第に小さくなるような屈折率分布を有するものであり、詳しくは上記第1の実施の形態のマウント1におけるマウント本体2と同様にすればよい。
【0032】
図3(b),(c)に示すように、マウント本体22は、一様屈折率部分23に、一面以上の平面部24を有している。これにより、当該平面部24を基準面として、発光素子11や受光素子12を位置合わせするに際し、これらの位置精度を向上できる。平面部24は、発光素子11の発光部11aと受光素子12の受光部12aと光軸4とを含む平面Sに対して、垂直もしくは平行とすることが好ましい。もちろん、垂直・平行以外の角度としてもよい。
【0033】
電極5,6のマウント本体22の側面22c上の部分5b,6bは、平面部24(図3中、符号を区別して平面部24Aとする)に配置するのが好ましい。これにより、電極5,6に他の配線や部品等を接続する作業がやりやすくなる。また、電極5,6が設けられた平面部24Aに対してマウント本体22の側面22c上の反対側(図3(b),3(c)における下側)にも平面部24(図3中、符号を区別して平面部24Bとする)を設けるようにすれば、この平面部24Bの面によりマウント21を基板などの上に載置したとき、電極5,6が設けられた平面部24Aを前記基板等の反対側に配置することができる。これにより、マウント21の配置に必要な面積を小さくできる。また、マウント21を多数並べて配置する場合でも、図3(b),3(c)における左右方向に並べやすい。
【0034】
マウント本体22は、具体的には、例えば、図3(b)に示すように、一様屈折率部分23に四面の平面部24を形成して、直方体状(立方体を包含する)の外形をもつようにすることができる。また、図3(c)に示すように、一様屈折率部分23に平行な二面の平面部24を形成してもよい。
特に、直方体状であれば、隣接するマウント21同士を、左右の平面部24,24(図3中、符号を区別して平面部24C,24Cとする)を対向させて並べるのに好都合である。
【0035】
このような屈折率分布を有するマウント21は、まず、図3(a)に示すように、円柱状の屈折率変化部分3と、その周囲に屈折率変化部分3と同軸の一様屈折率部分23とを有する母材25を作製し、この母材25を研磨あるいは切削して、側面に平面部24を形成することなどにより製造することができる。
母材25は、例えば、上記の屈折率分布を有する円柱状のガラス棒の外周に、一様な屈折率を有するガラス管をかぶせてロッドインチューブ法で一体化し、必要に応じて所望の直径に延伸したり所望の長さに切断したりすることにより製造することができる。
また、例えば、上述したドーパントの熱拡散法によって母材25を製造する場合には、ドーパントが周縁部まで拡散する前に加熱を停止すればよい。この場合、屈折率変化部分3の周縁部と一様屈折率部分23との間で連続な屈折率を有する母材25を得ることができる。
【0036】
本実施の形態のマウント21および光送信モジュール20によれば、高い結合効率にて受光素子12に光を入射させて発光素子11の出力をモニタできるなど、上記第1の実施の形態のマウントと同様の優れた効果を奏するとともに、マウント本体22の一様屈折率部分23に平面部24を形成し、これを基準面とすることにより、貫通穴7や電極5,6の位置決めや、発光素子11や受光素子12の実装作業や光ファイバ13の実装作業などがやりやすくなる。また、マウント21を製造する際に高精度での加工が容易になる。屈折率変化部分3は円柱状としたので、平面部24を設けたことによる屈折率分布への悪影響はほとんどなく、受光素子12への光の結合効率を十分に高くすることができる。
【0037】
図4は、本発明の第3の実施の形態に係るマウントの一例を示す斜視図である。このマウント31は、上記第2の実施の形態のマウント21の改変例ということができる。ここでは、マウント本体の屈折率分布部分の周囲に一様屈折率部分を設ける代わりに、屈折率分布を有する円柱状のマウント本体32の周囲に、側面に平面部34を有するハウジング33を装着するものである。
【0038】
ハウジング33は、マウント本体32を収容できるようにマウント本体収容穴33aを有してスリーブ状に形成されており、マウント本体収容穴33aの両端から、マウント本体32の端面32a,32bが露出されるようになっている。
ハウジング33の材質は光透過性である必要はなく、石英系ガラスやケイ酸塩ガラスなどのガラス、アルミナや窒化アルミニウムなどのセラミックス、プラスチック、樹脂などの種々の材料から適宜選択して用いることができる。
ハウジング33のマウント本体収容穴33aと、マウント本体32の側面32cとの間は、接着剤を充填してマウント本体32を固定するようにしてもよい。
【0039】
ハウジング33の形状は、図4に示すように、直方体状とすることが好ましい。このほか、図3(c)に示したような形状などでもよい。
電極5,6は、マウント本体32とハウジング33とにまたがって形成することができ、ここでは、電極5,6のうち、マウント31の側面上の部分5b,5bは、ハウジング33の平面部34の一面の上に設けられている。
【0040】
本実施の形態のマウントによれば、高い結合効率にて受光素子12に光を入射させて発光素子11の出力をモニタできるなど、上記実施の形態のマウントと同様の優れた効果を奏する。また、ハウジング33に平面部34を形成し、これを基準面とすることにより、貫通穴7や電極5,6の位置決めや、発光素子11や受光素子12の実装作業や光ファイバ13の実装作業などがやりやすくなる。また、マウント1を製造する際に高精度での加工が容易になる。しかも、マウント本体32の研磨や切削を行うことなく、マウント31の側面に平面部34を設けることができるので、生産性が高い。
【0041】
図5は、本発明の第4の実施の形態のマウントおよび光送信モジュールを示す断面図である。本実施の形態のマウント41は、上記実施形態のマウントと同様に、屈折率分布部分の光軸からずれた位置に貫通穴7を有するマウント本体42と、第1および第2の電極5,6とを備えている。
ここでは、一方の電極5のうちマウント本体42の端面42a上の部分5aに発光素子11が取り付けられ、他方の電極6のうちマウント本体42の端面42b上の部分6aに受光素子12が取り付けられ、さらに、一方の電極5のうちマウント本体42の側面42c上の部分5bには、発光素子11を駆動する駆動用IC43が取り付けられている。
駆動用IC43は電極5を介して発光素子11と電気的に接続される。駆動用IC43と電極5とを電気的に接続するための材料としては、金錫半田、金(Au)やAu/Snなどのバンプ、導電性接着剤、金ワイヤなどがある。
【0042】
本実施の形態のマウントによれば、受光素子12への光の結合効率を高くして発光素子11の出力をモニタすることができるなど、上記実施の形態のマウントと同様の優れた効果を奏する。さらに、駆動用IC43をマウント41上に搭載したことにより、発光素子11と駆動用IC43との配線(電極5)の長さを短くすることができるので、高周波特性を改善することができる。また、光送信モジュール40を小型にまとめることができる。
【0043】
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明はこの実施の形態のみに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、上記光送信モジュールを複数個並設して組み合わせることにより、アレイ型光送信モジュールを製造することができる。光送信モジュールを複数個並設する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、共通の基板上に複数のマウントを並設する方法、複数のマウント本体収容穴を有するハウジングを用いて、複数のマウント本体を一個のハウジング内に収容する方法等が挙げられる。このようなアレイ型光送信モジュールによれば、多数の電気信号を各単位の光送信モジュールによって光信号に変換することができ、全体の寸法を小型化して高密度に配置することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマウントおよび光送信モジュールによれば、発光素子から貫通穴を通して光ファイバの端面に向けて出射された光のうち、貫通穴から屈折率分布部分に漏れた光を、モニタ用の受光素子に向けて集光することができる。従って、上記光を受光素子に高い結合効率にて入射させることができる。
【0045】
前記マウント本体が、屈折率分布部分の光軸を中心軸とする円柱状である場合、マウント本体の端面や側面の位置や形状から前記光軸の位置を知ることができるので、マウント本体に他の部品を実装する際に、該部品と光軸との位置関係を容易にすることができ、実装の位置精度を向上することができる。
さらに、マウント本体が側面に平面部を有するハウジング内に固定されて収容されている場合、平面部によりマウントが転がりにくくなり、安定した姿勢にさせて実装作業を行うことができるので、作業性が向上する。
特に、ハウジングが直方体である場合、マウントを並べてアレイとする際に、配置面積を最小化しやすい。
【0046】
前記マウント本体が、円柱状である前記屈折率分布部分と、該屈折率分布部分の周囲に形成され、屈折率が実質的に一様である一様屈折率部分とを有し、一様屈折率部分が側面に平面部を有する場合、平面部によりマウントが転がりにくくなり、安定した姿勢にさせて実装作業を行うことができるので、作業性が向上する。
特に、マウント本体が直方体である場合、マウントを並べてアレイとする際に、配置面積を最小化しやすい。
【0047】
電極がマウント本体の端面および側面に設けられている場合、マウント本体の端面に搭載された発光素子や受光素子と外部電気回路などとの電気的接続を、マウント本体の端面および側面を利用して行うことができるので、駆動用ICを実装するための回路基板を他に設ける必要がなく、マウントおよび光送信モジュールの部品点数を少なくして、小型化することができる。
【0048】
前記マウント本体の前記一対の端面間の長さが0.5ピッチの奇数倍である場合、発光素子と受光素子とを光軸を中心として反対側に配置するだけで、確実に高い結合効率を得ることができる。つまり、発光素子と受光素子との位置関係が、光軸との関係によって決定できるので、発光素子および受光素子を実装する際の位置決めが容易になる。
【0049】
マウントの貫通穴に、光ファイバの先端部が収容されるとともに、前記マウントの一対の端面のうち、前記光ファイバの端面に対向する側の端面に面発光型発光素子が搭載され、他方の端面に前記面発光型発光素子の出力をモニタするための受光素子が搭載された光送信モジュールによれば、光ファイバと発光素子と受光素子との位置関係をマウントにより維持できるとともに、互いに干渉することがなく、光送信モジュールを小型化することができる。
発光素子を駆動するための駆動用ICをマウントに搭載した場合、発光素子と駆動用ICとの配線の長さを短くすることができるので、高周波特性を改善することができる。
光送信モジュールを複数個並べて一体化したアレイ型光送信モジュールによれば、多数の電気信号を各単位の光送信モジュールによって光信号に変換することができ、全体の寸法を小型化して高密度に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る光送信モジュールの一例を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。
【図2】図1に示す光送信モジュールの貫通穴に光ファイバの先端部を挿入した状態を示す縦断面図である。
【図3】(a)本発明の第2実施の形態に係る光送信モジュールを作製するのに用いられる母材の一例を示す端面図である。(b)本発明の第2実施の形態の光送信モジュールの一例を示す端面図である。(c)本発明の第2実施の形態の光送信モジュールの他の例を示す端面図である。
【図4】本発明の第3実施の形態に係るマウントの一例を示す斜視図である。
【図5】本発明の第3実施の形態に係る光送信モジュールの一例を示す断面図である。
【図6】(a)屈折率分布を有する部分の作用を説明する断面図である。(b)屈折率分布を有する部分の屈折率分布を示す図である。
【符号の説明】
1…マウント、2…マウント本体、2a,2b…マウント本体の端面、3…屈折率分布部分、4…光軸、5…第1の電極、6…第2の電極、7…貫通穴、10…光送信モジュール、11…面発光型発光素子(発光素子)、12…受光素子、13…光ファイバ、20…光送信モジュール、21…マウント、22…マウント本体、23…一様屈折率部分、24,24A,24B,24C…マウント本体の平面部、31…マウント、32…マウント本体、32a,32b…マウント本体の端面、33…ハウジング、34…ハウジングの平面部、40…光送信モジュール、41…マウント、42…マウント本体、42a,42b…マウント本体の端面、43…駆動用IC。
Claims (13)
- 光透過性材料からなり、一対の端面と、該端面間に延在する光軸とを有するマウント本体を備え、
前記マウント本体は、光軸から離れるに従って屈折率が次第に小さくなるような屈折率分布を有する屈折率分布部分と、
前記屈折率分布部分の前記光軸からずれた位置に、マウント本体の一方の端面から他方の端面の側に貫通した貫通穴とを有することを特徴とするマウント。 - 前記マウント本体が、前記屈折率分布部分の光軸を中心軸とする円柱状であることを特徴とする請求項1に記載のマウント。
- 前記マウント本体が、側面に平面部を有するハウジング内に固定されて収容されていることを特徴とする請求項2に記載のマウント。
- 前記ハウジングが直方体形状であることを特徴とする請求項3に記載のマウント。
- 前記マウント本体が、円柱状である前記屈折率分布部分と、該屈折率分布部分の周囲に形成され、屈折率が実質的に一様である一様屈折率部分とを有し、前記一様屈折率部分が、側面に平面部を有することを特徴とする請求項1に記載のマウント。
- 前記マウント本体が直方体形状であることを特徴とする請求項5に記載のマウント。
- 電極が、前記マウント本体の端面に設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のマウント。
- 前記マウント本体の前記一対の端面間の長さが、0.5ピッチの奇数倍であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のマウント。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載のマウントを備えることを特徴とする光送信モジュール。
- 前記マウントの貫通穴に、光ファイバの先端部が収容されるとともに、
前記マウントの一対の端面のうち、前記光ファイバの端面に対向する側の端面に面発光型発光素子が搭載され、他方の端面に前記面発光型発光素子の出力をモニタするための受光素子が搭載されていることを特徴とする請求項9に記載の光送信モジュール。 - 前記マウント本体の前記一対の端面間の長さが、0.5ピッチの奇数倍であり、受光素子が、マウント本体の光軸に対して面発光型発光素子の反対側に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の光送信モジュール。
- 前記マウントには、前記面発光型発光素子を駆動するための駆動用ICが搭載されていることを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の光送信モジュール。
- 請求項9ないし12のいずれかに記載の光送信モジュールを複数個並べて一体化したことを特徴とするアレイ型光送信モジュール。
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Cited By (2)
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WO2009069540A1 (ja) * | 2007-11-26 | 2009-06-04 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | 光モジュール |
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-
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- 2003-04-14 JP JP2003108887A patent/JP2004317626A/ja not_active Withdrawn
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