JP2004317090A - 流体配管構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】種々の気液二相流体や濃度の異なる流体同士等を扱う熱交換器などに用いて好適な、流体を混合して分配する流体配管構造を提供することを課題とする。
【解決手段】流体101を多数の流入管102から流入させる入口側集合管寄せ103と、流体101を多数の流出管104から流出させる出口側集合管寄せ105とを連結する流体配管構造100であって、入口側集合管寄せ103からの流体101を流入させて混合する混合器111と、該混合器111に接続され該混合器で混合された流体101を出口側集合管寄せ105の両端部105a,105bから流入する連結管112を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】流体101を多数の流入管102から流入させる入口側集合管寄せ103と、流体101を多数の流出管104から流出させる出口側集合管寄せ105とを連結する流体配管構造100であって、入口側集合管寄せ103からの流体101を流入させて混合する混合器111と、該混合器111に接続され該混合器で混合された流体101を出口側集合管寄せ105の両端部105a,105bから流入する連結管112を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボイラにおいて多数の管から流出する蒸気と水の混合流体を混合・分配する装置、冷媒の気液混合流体を取り扱う冷凍機や空調機における冷媒の混合・分配装置、あるいは、化学プロセスにおける種々の気液二相流体や濃度の異なる流体同士等を扱う熱交換器などに用いて好適な、流体を混合して分配する流体配管構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は、ボイラにおいて水蒸気と水の気液二相流体の混合・分配に従来用いられていた流体混合分配装置の斜視図である。この流体混合分配装置は、ボイラにおいて多数の流入管6から流入した水蒸気と水との気液二相流体(気体と液体の混合流体)を管寄せ30内で混合し、多数の流出管7へ分配するために使用されている。
【0003】
ところで、管寄せ30に流入する気液二相流体は、流量や気体と液体の割合がそれぞれの流入管6ごとに異なっていたり、一部の流入管6から気体あるいは液体が単独で流入して、しかもそれらの温度が他の流入管6から流入する気液二相流体と異なっていたりする。
【0004】
そのため、図9の流体混合分配装置では、ある流入管6から管寄せ30に流入した流体(気液二相流体あるいは気体,液体単独)は、近接した他の流入管6から流入した流体とある程度は混合するが、管寄せ30の軸線方向に遠く離れた流入管6からの流入流体とは混合することなく、流入した流入管6の近くの流出管7から流出することになる。
【0005】
従って、流入流体全体が管寄せ30内で完全に混合されるわけではないので、混合が不十分で、流出管7へ流出する気液二相流体は流量や気体と液体の割合がそれぞれ異なるものとなって、均等に分配されにくく、温度の均一化についても改善の余地があった。
【0006】
このため、本発明者等は先に、図10に示すような流体混合分配装置を提案した(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
図10において、1は軸線が水平に置かれ、両端が閉じた円筒形の集合管寄せで、この集合管寄せ1に多数の流入管6が接続されている。集合管寄せ1の中央部には、接続管2を介して、軸線が鉛直に置かれ一端が閉じた円筒形の混合器3が接続されている。
【0008】
混合器3の筒周壁には、同一の高さに複数本の分配管4の一端が接続され、それぞれの分配管4の他端は分配管寄せ15に接続されている。分配管寄せ15は、集合管寄せ1と同様に軸線が水平に置かれ両端が閉じた円筒形で、その筒周壁には、同一の高さに多数の流出管7が分岐・接続されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−351506号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図10に示した流体混合分配装置においては、多数の流入管6を流れる流体はすべて混合器3に集められて混合されて分配されるので、分配管4には均等に流体が流されるが、混合器3からまた複数の分配管4を介して分配管寄せ15に供給するので、構造が複雑であり、製造コストがかかるという課題があり、改良の余地があった。
【0011】
本発明は、前項の従来の技術において説明したような、多数の流入管からの流体を混合したあと複数の分配管に分配して流すように構成した流体混合分配装置における課題を解決し、簡易な構造でしかも流体を均等に分配して流すことを可能とする流体配管構造を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する請求項1の発明は、流体を多数の流入管から流入させる入口側集合管寄せと、流体を多数の流出管から流出させる出口側集合管寄せとを連結する流体配管構造であって、入口側集合管寄せからの流体を流入させて混合する混合器と、該混合器に接続され該混合器で混合された流体を出口側集合管寄せの両端部から流入する連結管を有することを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、流体を多数の流入管から流入させる入口側集合管寄せと、流体を多数の流出管から流出させる出口側集合管寄せとを連結する流体配管構造であって、入口側集合管寄せからの流体を出口側集合管寄せに直接流入する連結管を有することを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2において、前記連結管を集合管寄せの軸方向に亙って複数設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明は、請求項2において、前記連結管が入口側集合管寄せと出口側集合管寄せとの両端部を直接連結するものであることを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明は、請求項4において、集合管寄せの軸方向のいずれかに第2の連結管を設けたことを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明は、請求項2又は3又は5において、前記連結管の出口側集合管寄せ側に多孔板を有してなることを特徴とする。
【0018】
請求項7の発明は、ボイラの火炉蒸発管の途中に前記請求項1〜6のいずれか1つに記載の流体配管構造を設けてなることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による流体配管構造を図示した実施形態に基づいて具体的に説明する。以下の実施形態は、いづれも気液二相流体の混合分配に適用されている。
【0020】
(第1実施形態)
まず、図1,図2に示した第1実施形態による流体配管構造について説明する。図1において、流体101を多数の流入管102から流入させる入口側集合管寄せ103と、流体101を多数の流出管104から流出させる出口側集合管寄せ105とを連結する流体配管構造100であって、入口側集合管寄せ103からの流体101を流入させて混合する混合器111と、該混合器111に接続され該混合器で混合された流体101を出口側集合管寄せ105の両端部105a,105bから流入する連結管112を有するものである。
【0021】
前記混合器111としては、特公平6−12165号公報や特公平6−41798号公報に示されたものなど公知の混合装置を適宜使用してよい。
前記混合器111の一例を図3に示す。
前記混合器111は流体が流入する内筒113と連結管である2本の分配管114a,114bを有する外筒115とから構成され、該内筒113の上部側には多孔部116が設けられ、ここで、流体101が均一に混合されている。
分配管114a,114bは、集合管寄せ103と同様に軸線が水平にもうけられ、その端部が出口側集合管寄せ105の両端部105a,105bで連結されている。
【0022】
図1に示した第1実施形態の流体配管構造は以上の構成を有しており、流入管102から入口側集合管寄せ103に流入した気液二相流体101は、連結管112へ分配される前に混合器111にすべて集められ、ここで完全に混合される。混合された気液二相流体101は混合器111から連結管112へ分配される。
【0023】
混合器111内では、気液の密度の違いにより気体が上方に、液体が下方に分離して、液面が形成される。連結管112(分配管114a,114b)が接続される混合器111の左右の出口は同一の高さにあるので、液面は出口のレベルに形成され、気体と液体の両方が出口へ均等に流出する。もし出口に高低差があると、上方の出口からは気体が多く、下方の出口からは液体が多く流出することになり、均等な分配はできない。
【0024】
混合器111は軸対称形であるので、混合器111へ流入した気液二相流体は出口へ等距離で広がるので、左右の出口で同一の流動状態となり、均等に分配される。
【0025】
従って、本実施形態では、混合器111からの2本の連結管112で出口側集合管寄せ105の両端部105a,105bに接続するので、簡易な構成で接続が可能となる。
【0026】
(第2実施形態)
次に、図4に示した第2実施形態による流体配管構造について説明する。なお、本実施形態において、図1に示した第1実施形態の流体配管構造と同じ部分には同一符号を付してあり、重複する説明は省略する。
【0027】
図4において、流体101を多数の流入管102から流入させる入口側集合管寄せ103と、流体101を多数の流出管104から流出させる出口側集合管寄せ105とを連結する流体配管構造であって、入口側集合管寄せ103からの流体101を出口側集合管寄せ105に直接流入する連結管120を有するものである。
【0028】
また、本実施形態では、連結管120の出口側集合管寄せ105側端部には、多孔部116が設けられ、内部に流入する流体101の均一化を図っている。
【0029】
図4に示した第2実施形態による流体配管構造は以上の構成を有しており、出口側集合管寄せ105、多孔部116及び連結管120に混合器の役割を持たせているので、第1実施形態で用いた混合器111を設けることなく、直接連結管120で接続すれば済み、構成が簡略化される。
【0030】
(第3実施形態)
次に、図5に示した第3実施形態について説明する。この第3実施形態は、第2の実施形態において、連結管120A,120Bを複数(本実施形態では2箇所)設けている。これによれば、入口側集合管寄せ103全域にわたるような広範囲での混合が不要である場合、流入管102から流入する流量や気液の割合が比較的均一である場合、等管寄せ軸方向での熱の分布が比較的均一の場合等に用いて好適である。なお、この連結管120A,120Bには多孔部116(図3参照)を有するようにしてもよい。
【0031】
(第4実施形態)
次に、図6に示した第4実施形態について説明する。この第4実施形態は、流体101を多数の流入管102から流入させる入口側集合管寄せ103と、流体101を多数の流出管104から流出させる出口側集合管寄せ105とを連結する流体配管構造であって、入口側集合管寄せ103と出口側集合管寄せ105との両端部同士を直接連結管130A,130Bで接続したものである。
本実施形態では、連結管130A,130Bの径は集合管寄せ103,105と同一径としている。
【0032】
(第5実施形態)
次に、図7に示した第5実施形態について説明する。この第5実施形態は、第4の実施形態において、図4に示した第2実施形態の連結管120を1以上設けるものである。なお、この連結管120には多孔部116(図3参照)を有するようにしてもよい。
【0033】
(第6実施形態)
次に、図8に示した第6実施形態について説明する。この第6実施形態は、ボイラの火炉蒸発管の途中に第1実施形態による流体配管構造を設置した例である。図8において、22は蒸発管を示している。ボイラは多数の蒸発管22をならべて構成された壁で四周を囲んで火炉25を形成し、壁面に設置されたバーナ26に供給された燃料と空気が火炉25内に火炎27を形成して燃焼する。
【0034】
多数の蒸発管22は、入口管寄せ21に接続されており、入口管寄せ21には外部から水が供給され、水は入口管寄せ21で多数の蒸発管22に分配されて、蒸発管22内を上昇しながら、火炎27から熱を受けて蒸発し、蒸気になって出口管寄せ23,24に集められる。出口管寄せ23,24に集められた蒸気は、図示していない経路を通って過熱器28に供給されて、温度がさらに上昇する。
【0035】
燃焼ガスは図の矢印のように流れて、火炉25内上部に設置された過熱器28で蒸気を加熱して火炉25を出る。火炉25内の燃焼状態は、燃料の種類やボイラの負荷によって変化するので、ボイラのあらゆる運転状態で蒸発管22が受ける熱はすべての蒸発管22で一様というわけではなく、各蒸発管22の出口蒸気温度に差異を生じることがある。蒸気温度が異なると各蒸発管22の温度にも差異を生ずる。火炉壁は蒸発管22を接合して構成されているので、温度の高低により蒸発管22に熱伸び差を生じて、温度差が過大であると火炉壁が変形する恐れがある。
【0036】
そこで、この第6実施形態では、蒸発管22の途中に、図1に示した第1実施形態による流体配管構造を設置して、各蒸発管22の蒸気温度がある程度差異を生じた段階で一旦混合して温度を均一化し、均等に各蒸発管22へ分配することにより、出口蒸気温度の差異を低減するように構成したものである。これによって、火炉壁の蒸発管22を流れる気液二相流体は充分に混合された上で均等に分配されるので、火炉壁に温度差による変形を生ずる恐れがない。
【0037】
以上、本発明を図示した実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明がこれらの実施形態に限定されず特許請求の範囲に示す本発明の範囲内で、その具体的構造、構成に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
【0038】
例えば、上記第6実施形態では、第1実施形態による流体配管構造を採用しているが、第2〜5実施形態による流体配管構造を採用してもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明は、流体を多数の流入管から流入させる入口側集合管寄せと、流体を多数の流出管から流出させる出口側集合管寄せとを連結する流体配管構造であって、入口側集合管寄せからの流体を流入させて混合する混合器と、該混合器に接続され該混合器で混合された流体を出口側集合管寄せの両端部から流入する連結管を有するので、簡易な構造で流体をしかも流体を均等に分配して流すことが可能となる。
【0040】
請求項2の発明は、流体を多数の流入管から流入させる入口側集合管寄せと、流体を多数の流出管から流出させる出口側集合管寄せとを連結する流体配管構造であって、入口側集合管寄せからの流体を出口側集合管寄せに直接流入する連結管を有するので、簡易な構造で流体をしかも流体を均等に流すことが可能となる。
【0041】
請求項3の発明は、前記連結管を集合管寄せの軸方向に亙って複数設けたので、流体の流入を効率的に行うことができる。
【0042】
請求項4の発明は、請求項2において、前記連結管が入口側集合管寄せと出口側集合管寄せとの両端部を直接連結するものであるので、流体の流入を効率的に行うことができる。
【0043】
請求項5の発明は、請求項4において、集合管寄せの軸方向のいずれかに第2の連結管を設けたので、流体の流入を効率的に行うことができる。
【0044】
請求項6の発明は、請求項2又は3又は5において、前記連結管の出口側集合管寄せ側に多孔板を有してなるので、流体の混合効率が向上する。
【0045】
請求項7の発明は、ボイラの火炉蒸発管の途中に前記請求項1〜6のいずれか1つに記載の流体配管構造を設けてなるので、各蒸発管を流れる蒸気と水からなる気液二相流体を均等な状態となし、蒸発管の温度差による熱変形が防止され安定した作動を行うボイラを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の流体配管構造の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の斜視概略構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の混合器の概略構成図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の流体配管構造の概略構成図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の流体配管構造の概略構成図である。
【図6】本発明の第4の実施形態の流体配管構造の概略構成図である。
【図7】本発明の第5の実施形態の流体配管構造の概略構成図である。
【図8】本発明の第6の実施形態の流体配管構造をボイラに適用した概略構成図である。
【図9】従来の流体混合分配装置の概略構成図である。
【図10】従来の他の混合分配装置の概略構成図である。
【符号の説明】
101 気液二相流体の流体
102 流入管
103 入口側集合管寄せ
104 流出管
105 出口側集合管寄せ
111 混合器
112 連結管
113 内筒
114a,114b 分配管
115 外筒
116 多孔部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボイラにおいて多数の管から流出する蒸気と水の混合流体を混合・分配する装置、冷媒の気液混合流体を取り扱う冷凍機や空調機における冷媒の混合・分配装置、あるいは、化学プロセスにおける種々の気液二相流体や濃度の異なる流体同士等を扱う熱交換器などに用いて好適な、流体を混合して分配する流体配管構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は、ボイラにおいて水蒸気と水の気液二相流体の混合・分配に従来用いられていた流体混合分配装置の斜視図である。この流体混合分配装置は、ボイラにおいて多数の流入管6から流入した水蒸気と水との気液二相流体(気体と液体の混合流体)を管寄せ30内で混合し、多数の流出管7へ分配するために使用されている。
【0003】
ところで、管寄せ30に流入する気液二相流体は、流量や気体と液体の割合がそれぞれの流入管6ごとに異なっていたり、一部の流入管6から気体あるいは液体が単独で流入して、しかもそれらの温度が他の流入管6から流入する気液二相流体と異なっていたりする。
【0004】
そのため、図9の流体混合分配装置では、ある流入管6から管寄せ30に流入した流体(気液二相流体あるいは気体,液体単独)は、近接した他の流入管6から流入した流体とある程度は混合するが、管寄せ30の軸線方向に遠く離れた流入管6からの流入流体とは混合することなく、流入した流入管6の近くの流出管7から流出することになる。
【0005】
従って、流入流体全体が管寄せ30内で完全に混合されるわけではないので、混合が不十分で、流出管7へ流出する気液二相流体は流量や気体と液体の割合がそれぞれ異なるものとなって、均等に分配されにくく、温度の均一化についても改善の余地があった。
【0006】
このため、本発明者等は先に、図10に示すような流体混合分配装置を提案した(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
図10において、1は軸線が水平に置かれ、両端が閉じた円筒形の集合管寄せで、この集合管寄せ1に多数の流入管6が接続されている。集合管寄せ1の中央部には、接続管2を介して、軸線が鉛直に置かれ一端が閉じた円筒形の混合器3が接続されている。
【0008】
混合器3の筒周壁には、同一の高さに複数本の分配管4の一端が接続され、それぞれの分配管4の他端は分配管寄せ15に接続されている。分配管寄せ15は、集合管寄せ1と同様に軸線が水平に置かれ両端が閉じた円筒形で、その筒周壁には、同一の高さに多数の流出管7が分岐・接続されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−351506号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図10に示した流体混合分配装置においては、多数の流入管6を流れる流体はすべて混合器3に集められて混合されて分配されるので、分配管4には均等に流体が流されるが、混合器3からまた複数の分配管4を介して分配管寄せ15に供給するので、構造が複雑であり、製造コストがかかるという課題があり、改良の余地があった。
【0011】
本発明は、前項の従来の技術において説明したような、多数の流入管からの流体を混合したあと複数の分配管に分配して流すように構成した流体混合分配装置における課題を解決し、簡易な構造でしかも流体を均等に分配して流すことを可能とする流体配管構造を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する請求項1の発明は、流体を多数の流入管から流入させる入口側集合管寄せと、流体を多数の流出管から流出させる出口側集合管寄せとを連結する流体配管構造であって、入口側集合管寄せからの流体を流入させて混合する混合器と、該混合器に接続され該混合器で混合された流体を出口側集合管寄せの両端部から流入する連結管を有することを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、流体を多数の流入管から流入させる入口側集合管寄せと、流体を多数の流出管から流出させる出口側集合管寄せとを連結する流体配管構造であって、入口側集合管寄せからの流体を出口側集合管寄せに直接流入する連結管を有することを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2において、前記連結管を集合管寄せの軸方向に亙って複数設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明は、請求項2において、前記連結管が入口側集合管寄せと出口側集合管寄せとの両端部を直接連結するものであることを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明は、請求項4において、集合管寄せの軸方向のいずれかに第2の連結管を設けたことを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明は、請求項2又は3又は5において、前記連結管の出口側集合管寄せ側に多孔板を有してなることを特徴とする。
【0018】
請求項7の発明は、ボイラの火炉蒸発管の途中に前記請求項1〜6のいずれか1つに記載の流体配管構造を設けてなることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による流体配管構造を図示した実施形態に基づいて具体的に説明する。以下の実施形態は、いづれも気液二相流体の混合分配に適用されている。
【0020】
(第1実施形態)
まず、図1,図2に示した第1実施形態による流体配管構造について説明する。図1において、流体101を多数の流入管102から流入させる入口側集合管寄せ103と、流体101を多数の流出管104から流出させる出口側集合管寄せ105とを連結する流体配管構造100であって、入口側集合管寄せ103からの流体101を流入させて混合する混合器111と、該混合器111に接続され該混合器で混合された流体101を出口側集合管寄せ105の両端部105a,105bから流入する連結管112を有するものである。
【0021】
前記混合器111としては、特公平6−12165号公報や特公平6−41798号公報に示されたものなど公知の混合装置を適宜使用してよい。
前記混合器111の一例を図3に示す。
前記混合器111は流体が流入する内筒113と連結管である2本の分配管114a,114bを有する外筒115とから構成され、該内筒113の上部側には多孔部116が設けられ、ここで、流体101が均一に混合されている。
分配管114a,114bは、集合管寄せ103と同様に軸線が水平にもうけられ、その端部が出口側集合管寄せ105の両端部105a,105bで連結されている。
【0022】
図1に示した第1実施形態の流体配管構造は以上の構成を有しており、流入管102から入口側集合管寄せ103に流入した気液二相流体101は、連結管112へ分配される前に混合器111にすべて集められ、ここで完全に混合される。混合された気液二相流体101は混合器111から連結管112へ分配される。
【0023】
混合器111内では、気液の密度の違いにより気体が上方に、液体が下方に分離して、液面が形成される。連結管112(分配管114a,114b)が接続される混合器111の左右の出口は同一の高さにあるので、液面は出口のレベルに形成され、気体と液体の両方が出口へ均等に流出する。もし出口に高低差があると、上方の出口からは気体が多く、下方の出口からは液体が多く流出することになり、均等な分配はできない。
【0024】
混合器111は軸対称形であるので、混合器111へ流入した気液二相流体は出口へ等距離で広がるので、左右の出口で同一の流動状態となり、均等に分配される。
【0025】
従って、本実施形態では、混合器111からの2本の連結管112で出口側集合管寄せ105の両端部105a,105bに接続するので、簡易な構成で接続が可能となる。
【0026】
(第2実施形態)
次に、図4に示した第2実施形態による流体配管構造について説明する。なお、本実施形態において、図1に示した第1実施形態の流体配管構造と同じ部分には同一符号を付してあり、重複する説明は省略する。
【0027】
図4において、流体101を多数の流入管102から流入させる入口側集合管寄せ103と、流体101を多数の流出管104から流出させる出口側集合管寄せ105とを連結する流体配管構造であって、入口側集合管寄せ103からの流体101を出口側集合管寄せ105に直接流入する連結管120を有するものである。
【0028】
また、本実施形態では、連結管120の出口側集合管寄せ105側端部には、多孔部116が設けられ、内部に流入する流体101の均一化を図っている。
【0029】
図4に示した第2実施形態による流体配管構造は以上の構成を有しており、出口側集合管寄せ105、多孔部116及び連結管120に混合器の役割を持たせているので、第1実施形態で用いた混合器111を設けることなく、直接連結管120で接続すれば済み、構成が簡略化される。
【0030】
(第3実施形態)
次に、図5に示した第3実施形態について説明する。この第3実施形態は、第2の実施形態において、連結管120A,120Bを複数(本実施形態では2箇所)設けている。これによれば、入口側集合管寄せ103全域にわたるような広範囲での混合が不要である場合、流入管102から流入する流量や気液の割合が比較的均一である場合、等管寄せ軸方向での熱の分布が比較的均一の場合等に用いて好適である。なお、この連結管120A,120Bには多孔部116(図3参照)を有するようにしてもよい。
【0031】
(第4実施形態)
次に、図6に示した第4実施形態について説明する。この第4実施形態は、流体101を多数の流入管102から流入させる入口側集合管寄せ103と、流体101を多数の流出管104から流出させる出口側集合管寄せ105とを連結する流体配管構造であって、入口側集合管寄せ103と出口側集合管寄せ105との両端部同士を直接連結管130A,130Bで接続したものである。
本実施形態では、連結管130A,130Bの径は集合管寄せ103,105と同一径としている。
【0032】
(第5実施形態)
次に、図7に示した第5実施形態について説明する。この第5実施形態は、第4の実施形態において、図4に示した第2実施形態の連結管120を1以上設けるものである。なお、この連結管120には多孔部116(図3参照)を有するようにしてもよい。
【0033】
(第6実施形態)
次に、図8に示した第6実施形態について説明する。この第6実施形態は、ボイラの火炉蒸発管の途中に第1実施形態による流体配管構造を設置した例である。図8において、22は蒸発管を示している。ボイラは多数の蒸発管22をならべて構成された壁で四周を囲んで火炉25を形成し、壁面に設置されたバーナ26に供給された燃料と空気が火炉25内に火炎27を形成して燃焼する。
【0034】
多数の蒸発管22は、入口管寄せ21に接続されており、入口管寄せ21には外部から水が供給され、水は入口管寄せ21で多数の蒸発管22に分配されて、蒸発管22内を上昇しながら、火炎27から熱を受けて蒸発し、蒸気になって出口管寄せ23,24に集められる。出口管寄せ23,24に集められた蒸気は、図示していない経路を通って過熱器28に供給されて、温度がさらに上昇する。
【0035】
燃焼ガスは図の矢印のように流れて、火炉25内上部に設置された過熱器28で蒸気を加熱して火炉25を出る。火炉25内の燃焼状態は、燃料の種類やボイラの負荷によって変化するので、ボイラのあらゆる運転状態で蒸発管22が受ける熱はすべての蒸発管22で一様というわけではなく、各蒸発管22の出口蒸気温度に差異を生じることがある。蒸気温度が異なると各蒸発管22の温度にも差異を生ずる。火炉壁は蒸発管22を接合して構成されているので、温度の高低により蒸発管22に熱伸び差を生じて、温度差が過大であると火炉壁が変形する恐れがある。
【0036】
そこで、この第6実施形態では、蒸発管22の途中に、図1に示した第1実施形態による流体配管構造を設置して、各蒸発管22の蒸気温度がある程度差異を生じた段階で一旦混合して温度を均一化し、均等に各蒸発管22へ分配することにより、出口蒸気温度の差異を低減するように構成したものである。これによって、火炉壁の蒸発管22を流れる気液二相流体は充分に混合された上で均等に分配されるので、火炉壁に温度差による変形を生ずる恐れがない。
【0037】
以上、本発明を図示した実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明がこれらの実施形態に限定されず特許請求の範囲に示す本発明の範囲内で、その具体的構造、構成に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
【0038】
例えば、上記第6実施形態では、第1実施形態による流体配管構造を採用しているが、第2〜5実施形態による流体配管構造を採用してもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明は、流体を多数の流入管から流入させる入口側集合管寄せと、流体を多数の流出管から流出させる出口側集合管寄せとを連結する流体配管構造であって、入口側集合管寄せからの流体を流入させて混合する混合器と、該混合器に接続され該混合器で混合された流体を出口側集合管寄せの両端部から流入する連結管を有するので、簡易な構造で流体をしかも流体を均等に分配して流すことが可能となる。
【0040】
請求項2の発明は、流体を多数の流入管から流入させる入口側集合管寄せと、流体を多数の流出管から流出させる出口側集合管寄せとを連結する流体配管構造であって、入口側集合管寄せからの流体を出口側集合管寄せに直接流入する連結管を有するので、簡易な構造で流体をしかも流体を均等に流すことが可能となる。
【0041】
請求項3の発明は、前記連結管を集合管寄せの軸方向に亙って複数設けたので、流体の流入を効率的に行うことができる。
【0042】
請求項4の発明は、請求項2において、前記連結管が入口側集合管寄せと出口側集合管寄せとの両端部を直接連結するものであるので、流体の流入を効率的に行うことができる。
【0043】
請求項5の発明は、請求項4において、集合管寄せの軸方向のいずれかに第2の連結管を設けたので、流体の流入を効率的に行うことができる。
【0044】
請求項6の発明は、請求項2又は3又は5において、前記連結管の出口側集合管寄せ側に多孔板を有してなるので、流体の混合効率が向上する。
【0045】
請求項7の発明は、ボイラの火炉蒸発管の途中に前記請求項1〜6のいずれか1つに記載の流体配管構造を設けてなるので、各蒸発管を流れる蒸気と水からなる気液二相流体を均等な状態となし、蒸発管の温度差による熱変形が防止され安定した作動を行うボイラを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の流体配管構造の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の斜視概略構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の混合器の概略構成図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の流体配管構造の概略構成図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の流体配管構造の概略構成図である。
【図6】本発明の第4の実施形態の流体配管構造の概略構成図である。
【図7】本発明の第5の実施形態の流体配管構造の概略構成図である。
【図8】本発明の第6の実施形態の流体配管構造をボイラに適用した概略構成図である。
【図9】従来の流体混合分配装置の概略構成図である。
【図10】従来の他の混合分配装置の概略構成図である。
【符号の説明】
101 気液二相流体の流体
102 流入管
103 入口側集合管寄せ
104 流出管
105 出口側集合管寄せ
111 混合器
112 連結管
113 内筒
114a,114b 分配管
115 外筒
116 多孔部
Claims (7)
- 流体を多数の流入管から流入させる入口側集合管寄せと、流体を多数の流出管から流出させる出口側集合管寄せとを連結する流体配管構造であって、
入口側集合管寄せからの流体を流入させて混合する混合器と、
該混合器に接続され該混合器で混合された流体を出口側集合管寄せの両端部から流入する連結管を有することを特徴とする流体配管構造。 - 流体を多数の流入管から流入させる入口側集合管寄せと、流体を多数の流出管から流出させる出口側集合管寄せとを連結する流体配管構造であって、
入口側集合管寄せからの流体を出口側集合管寄せに直接流入する連結管を有することを特徴とする流体配管構造。 - 請求項2において、
前記連結管を集合管寄せの軸方向に亙って複数設けたことを特徴とする流体配管構造。 - 請求項2において、
前記連結管が入口側集合管寄せと出口側集合管寄せとの両端部を直接連結するものであることを特徴とする流体配管構造。 - 請求項4において、
集合管寄せの軸方向のいずれかに第2の連結管を設けたことを特徴とする流体配管構造。 - 請求項2又は3又は5において、
前記連結管の出口側集合管寄せ側に多孔板を有してなることを特徴とする流体配管構造。 - ボイラの火炉蒸発管の途中に前記請求項1〜6のいずれか1つに記載の流体配管構造を設けてなることを特徴とするボイラ。
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- 2003-04-21 JP JP2003115211A patent/JP2004317090A/ja active Pending
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