JP2004316825A - 多段変速機 - Google Patents

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Yoshiaki Kato
芳章 加藤
Koichi Iizuka
浩一 飯塚
Makoto Yasui
誠 安井
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NTN Corp
JATCO Ltd
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NTN Corp
JATCO Ltd
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

【課題】平行軸常時噛合型変速機において、ドラグトルクが発生することなく、耐久性の向上を図ることが可能な多段変速機を提供すること。
【解決手段】多段変速機において、2ウェイクラッチが解放状態のときは、2ウェイクラッチのローラを保持する保持器に設けられたスリットと、内輪に設けられた突起部が嵌合し、シフトドラムの回転によりシフトフォークを軸方向に移動させ、シフトフォークの移動に伴うシフトスリーブの軸方向の移動によってスリットと前記突起部の嵌合を外すとともに、保持器の延長摩擦部を軸方向外輪端面側に押圧することで延長摩擦部と外輪端面を摩擦係合させ、保持器に回転抵抗を付与することで保持器を回転方向に移動させ、外輪と内輪をローラのカム力により2ウェイクラッチを締結することで各変速段を達成することとした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に用いられる常時噛合式変速機であって、特に、自動変速制御が行われる変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、常時噛合式変速機として、特許文献1に記載の技術では、ローラシンクロ機構を設け、駆動軸と一体に回転するシフトフォークをアクチュエータによって軸方向に移動させることで、変速時に発進クラッチを解放状態にしないで変速を行っている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−338471号公報(図2参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、変速段にかかわらずシフトフォークが常に駆動軸と一体に回転するため、シフトフォークを駆動するアクチュエータとが常に摺動し、ドラグトルクの発生や、摺動部の摩耗を引き起こすという問題があった。
【0005】
本発明は上述のような課題に基づいて成されたもので、平行軸常時噛合型変速機において、ドラグトルクが発生することなく、耐久性の向上を図ることが可能な多段変速機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、複数の平行軸に設けられ、変速段毎の常時噛合歯車のトルク伝達経路を切り換えることで変速を達成する多段変速機構と、を備えた多段変速機であって、前記平行軸と前記常時噛合歯車との締結・解放を行う外輪と内輪を備えた2ウェイクラッチと、軸方向に移動可能なシフトフォークと、該シフトフォークに対して自在に回転しつつ、軸方向はシフトフォークと一体に移動するシフトスリーブと、から構成し、前記2ウェイクラッチが解放状態のときは、保持器を中立位置に保持する回転方向戻し機構及び軸方向戻し機構により、前記2ウェイクラッチのローラを保持する保持器に設けられた凹部(または凸部)と、前記内輪に設けられた凸部(または凹部)が嵌合し、前記2ウェイクラッチが締結状態のときは、シフトスリーブの軸方向の移動によって前記凹部と前記凸部の嵌合を外すとともに、前記保持器の延長摩擦部を軸方向外輪端面側に押圧することで前記延長摩擦部と前記外輪端面を摩擦係合させ、前記保持器に回転力を付与することで前記保持器を回転方向に移動させ、前記外輪と前記内輪をローラのカム力により前記2ウェイクラッチを締結することで各変速段を達成することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明では、複数の平行軸に設けられ、変速段毎の常時噛合歯車のトルク伝達経路を切り換えることで変速を達成する多段変速機構と、を備えた多段変速機であって、前記平行軸と前記常時噛合歯車との締結・解放を行う外輪と内輪を備えた2ウェイクラッチと、軸方向に移動可能なシフトフォークと、該シフトフォークに対して自在に回転しつつ、軸方向はシフトフォークと一体に移動するシフトスリーブと、から構成し、前記2ウェイクラッチが解放状態のときは、保持器を中立位置に保持する回転方向戻し機構及び前記シフトフォークと前記保持器を軸方向に一体に移動させる軸方向戻し機構により、前記2ウェイクラッチのローラを保持する保持器に設けられたスリットと、前記内輪に設けられた凸部が嵌合し、前記2ウェイクラッチが締結状態のときは、シフトスリーブの軸方向の移動によって前記スリットと前記凸部の嵌合を外すと共に、前記保持器の延長摩擦部を軸方向外輪端面側に押圧することで、前記延長摩擦部と前記外輪端面を摩擦係合させ、前記保持器に回転力を付与することで前記保持器を回転方向に移動させ、前記外輪と前記内輪をローラのカム力により前記2ウェイクラッチを締結することで各変速段を達成することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の多段変速機において、前記凸部の先端を、チャンファー形状としたことを特徴とする。
【0009】
【発明の作用および効果】
請求項1記載の多段変速機にあっては、2ウェイクラッチが解放状態のときは、前記2ウェイクラッチのローラを保持する保持器に設けられた凹部(または凸部)と、前記内輪に設けられた凸部(または凹部)が嵌合することで内輪を固定し、また、外輪とシフトフォークが非接触状態となるため、ドラグトルクを発生することがなく、また、摩耗による耐久性の悪化を防止することができる。
【0010】
請求項2記載の多段変速機にあっては、軸方向戻し機構として、シフトフォークと保持器を軸方向に一体に移動する構成としたことで、軸方向戻しバネ等を設ける必要がなく、バネ力に左右されることなく、保持器を確実に軸方向に戻すことができる。また、2ウェイクラッチが解放状態のときは、前記2ウェイクラッチのローラを保持する保持器に設けられたスリットと、前記内輪に設けられた凸部が嵌合することで、内輪を固定し、また、外輪とシフトフォークが非接触状態となるため、ドラグトルクを発生することがなく、また、摩耗による耐久性の悪化を防止することができる。
【0011】
請求項3記載の多段変速機にあっては、突起部の先端を、保持器の回動方向に斜面を有するチャンファー形状としたことで、2ウェイクラッチ締結作動によるシフトフォークの移動によって、突起部とスリットとの嵌合をスムーズに外すことができる。また、2ウェイクラッチ解放作動によるシフトフォークの移動によって、突起部とスリットとを嵌合させる際、シフトフォークを移動させる力が斜面により保持器の中立位置に向かう回転方向への力に変換される。よって、速やかに中立状態が確保されるとともに、中立位置に戻すためのバネ力を弱く設定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における多段変速機の変速制御装置の全体構成を表す概略図である。60はエンジン、61はスロットル開度を電子的に制御する電子制御スロットル、62は燃料噴射量を制御するインジェクタ、50はオイルポンプ、40は電磁多板クラッチ、20は多段変速機、70はエンジンコントロールユニット(以下ECUと記載する)、80は変速機コントロールユニット(以下ATCUと記載する)である。
【0014】
ECU70には、エンジン回転数及びスロットル開度が入力され、ATCU80には、車速及び運転者の選択したレンジ信号であるインヒビタ信号が入力される。ECU70とATCU80は相互に検出された信号をそれぞれ送受信している。ECU70はスロットル開度及び燃料噴射量を制御する制御信号を出力し、ATCU80は変速アクチュエータであるDCモータ25及び電磁多板クラッチ40に制御信号を出力する。
【0015】
次に、多段変速機の詳細な構成について説明する。図2は図4に示す軸方向正面図におけるA−B−C断面図及びD−E−F断面図、図3は図4におけるG−H−I断面図である。まず、A−B−C断面及びD−E−F断面について説明する。
【0016】
第1ケース部材1にはフロントカバー1aがボルトにより取り付けられている。このフロントカバー1aによって画成されたエンジン側のケース内にはダンパ30が収装され、多段変速機20側には電磁多板クラッチ40が収装されている。また、電磁多板クラッチ40の径方向外周側には変速用のDCモータ25(図3参照)が収装されている。
【0017】
第2ケース部材2にはシャフトステータ4がボルトにより取り付けられている。シャフトステータ4は、電磁多板クラッチ40と多段変速機20とを画成する隔壁部4aと、第1駆動軸21を回転可能に支持するシャフト支持部4bと、オイルポンプ50駆動用の被動側チェーンスプロケットを支持するチェーンスプロケット支持部4dから構成されている。
【0018】
ダンパ30はエンジン出力軸と直結するアウタ部材30cと、第1駆動軸21と直結するインナ部材30dと、アウタ部材30cとインナ部材30dの間に設けられたスプリングから構成されている。また、インナ部材30dの内径側にはダンパ側スプラインハブ30aが設けられ、第1駆動軸21とスプライン嵌合した駆動軸側スプラインハブ21aとスプライン嵌合している。これにより、ダンパ側スプラインハブ30a及び駆動軸側スプラインハブ21aや第1ケース部材1を交換するだけで、エンジンの最高出力の違いによって要求されるダンパやモータが異なる場合でも対応することができる。
【0019】
電磁多板クラッチ40は、電磁石35の吸引力により締結するパイロットクラッチ34と、パイロットクラッチ34の締結力を軸方向の推力に変換しトルク増幅するカム機構36と、カム機構36により増幅された軸方向の推力によって締結するメインクラッチ37から構成されている。
【0020】
メインクラッチ37は第1入力ドラム32aと、この第1入力ドラム32aと軸方向摺動可能にスプライン結合された第2入力ドラム32bと、第1駆動軸21とスプライン嵌合したメインクラッチハブ32cとクラッチプレートから構成されている。また、第2入力ドラム32bの内径側には軸方向摺動可能にスプライン結合したロータ33が設けられている。
【0021】
このロータ33にはパイロットクラッチ34を締結する電磁石35が固定されるとともに、ロータ33の先端にはオイルポンプ駆動爪33aが設けられている。エンジンの駆動力は、電磁多板クラッチ40の締結状態に係わらずダンパ30→第1駆動軸21→第1入力ドラム32a→第2入力ドラム32b→ロータ33→駆動側チェーンスプロケットと伝達される。よって、エンジンが駆動しているときは必ずチェーンスプロケットを駆動することで、オイルポンプ50が駆動されるため油圧を確保する。尚、オイルポンプ50は潤滑用の油圧のみ供給すればよいため、容量を小さくすることが可能となり、エンジン負荷の低減を図ることができる。
【0022】
次に、多段変速機20の構成について説明する。第1駆動軸21は電磁多板クラッチ40の出力側と係合されている。この第1駆動軸21には、3速駆動用変速ギヤ203と、4速駆動用変速ギヤ204と、5速駆動用変速ギヤ205と、第1歯車20Aと、3−4速ギヤ用シンクロクラッチ303と、5速ギヤ用シンクロクラッチ304と、3−4速シフトスリーブ313及び5速シフトスリーブ314が設けられている(図3参照)。
【0023】
第2駆動軸22には、1速駆動用変速ギヤ201と、2速駆動用変速ギヤ202と、後退速用第1ギヤ20R1と、第3歯車20Cと、1速ギヤ内蔵2ウェイクラッチ301と、2速ギヤ内蔵2ウェイクラッチ302と、後退ギヤ用シンクロクラッチ305と、1−2速シフトスリーブ311と、後退速シフトスリーブ312が設けられている。
【0024】
第1駆動軸21に設けられた第1歯車20Aは、アイドラ軸24の第2歯車20Bを介して第2駆動軸22の第3歯車20Cと常時噛み合っており、第1駆動軸21の回転を第2駆動軸22に伝達する。
【0025】
出力軸23には、1速駆動用変速ギヤ201と常時噛み合う1速被動用変速ギヤ211と、2速駆動用変速ギヤ202と常時噛み合う2速被動用変速ギヤ212と、3速駆動用変速ギヤ203と常時噛み合う3速被動用変速ギヤ213と、4速駆動用変速ギヤ204と常時噛み合う4速被動用変速ギヤ214と、5速駆動用変速ギヤ205と常時噛み合う5速被動用変速ギヤ215と、後退速用第3ギヤ20R3と駆動側最終減速ギヤ216aが設けられている。1速から5速の各変速ギヤは各シンクロクラッチ及び2ウェイクラッチがロックしていない状態では、トルク伝達に関与せずフリーで空転している。
【0026】
次に、図3のG−H−I断面の構成について説明する。電磁多板クラッチ40の径方向外周側にはシンクロクラッチ及び2ウェイクラッチ切り換え用のDCモータ25が収装されている。DCモータ25にはモータ回転を出力するモータギヤ25aが設けられ、シフトドラム駆動軸27を駆動する。シフトドラム駆動軸27の外周にはシフトドラム26が設けられている。
【0027】
また、シフトフォーク摺動用シャフト324が設けられ、このシャフト上を各ノックピン320,321,322及び323が摺動する。
【0028】
図4は本実施の形態における多段変速装置の軸方向正面図を表す概略図である。後退用第2ギヤ20R2,後退用第1ギヤ20R1及び後退用第3ギヤ20R3は平歯車であり、この後退用第2ギヤ20R2の軸方向移動によって、ドグクラッチと同様の機能を持つ。
【0029】
図5はシフトドラム26の展開図である。シフトドラム26には後退用シフトフォーク320のノックピン320a,1−2速用シフトフォーク321のノックピン321a,3−4速用シフトフォーク322のノックピン322a及び5速用シフトフォーク323のノックピン323a(図3参照)と噛み合うカム溝260a,261a,262a及び263aが設けられている。シフトドラム26の回転に伴い、ノックピンがカム溝に倣うようにシフトフォーク摺動用シャフト324上を軸方向に移動することで各変速段を達成する(図3参照)。ここで、回転位置がdR,dN,d1,d2,d3,d4,d5では、対応するシンクロクラッチ及び2ウェイクラッチの締結により変速段によるトルク伝達を達成し、d10,d20,d30,d40では、ニュートラル状態となる。
【0030】
(1,2速ギヤ内蔵2ウェイクラッチ301,302の作動原理)
図6(b)は2速ギヤ内蔵2ウェイクラッチ302を図中右側から見た正面図、図6(a)は1−2速シフトフォーク311の拡大断面図である。図中上半分は2ウェイクラッチ301,302が中立状態のときを表しており、図中下半分は2ウェイクラッチ301,302が2速締結状態のときを表す。基本的に1速ギヤ内蔵2ウェイクラッチ301と2速ギヤ内蔵2ウェイクラッチ302の作動は同じであるため、2速ギヤ内蔵2ウェイクラッチ302を中心に詳述する。この2ウェイクラッチ302は、第2駆動軸22上に軸受け支持された2速駆動ギヤ202の延長部円筒内周面202aと、第2駆動軸22とスプライン嵌合している内輪202b外周面との間に複数のローラ202cが配置されている。内輪202b外周面は、ローラ202cの数と同数の多面体形状をしている。
【0031】
シフトスリーブ311は、第2駆動軸22にスプライン嵌合している台座312aと滑り軸受け312b、スラスト軸受け312cで浮動状態で、かつ軸方向は台座312aと一体移動できる構造としている。
【0032】
また、シフトスリーブ311には爪部311aが設けられ、保持器202gの延長摩擦部202g’を狭持している。また、2速駆動ギヤ202の延長部シフトスリーブ側端面には永久磁石202eがはめ込まれている。これにより2ウェイクラッチ締結時、すなわち、シフトスリーブ311が軸方向に移動した際、保持器202gが磁力による吸引力によって2速駆動ギヤ202に押圧される。
【0033】
また、202fはバネ力によりローラ202cを回転方向の中立位置に戻そうとする回転方向戻しバネである。この回転方向戻しバネ202fは保持器202g及び内輪202bに設けられた突起部202b’’と係合する屈曲部202f’(図7(b)参照)が設けられている。図6中上段の状態では、ローラ202cは、内輪外周多面体の中央部分に位置しており、内輪202bと、2速駆動ギヤ202の延長部円筒内周面202aとの間に隙間があるため動力の伝達はない。
【0034】
内輪202bのシフトスリーブ311と反対側の端面には突起部202b’が設けられている。この突起部202b’は、保持器202gに設けられたスリット202g’’と嵌合している。突起部202b’には面取りが施され円周方向に傾斜する斜面202b’(チャンファー形状)が設けられている(図8参照)。保持器202gが軸方向移動とともに回転移動した場合、この斜面202b’に沿ってスムーズにスリット202g’’との嵌合が外れ、一方、外れた状態からスムーズに嵌合することができるよう構成されている。
【0035】
図7は2ウェイクラッチの解放状態から締結状態へ至る際の各部材の変化を表す図である。図7(a)は、解放状態を示し、図7(b)は締結状態を示している。図7(a)に示す、解放状態からシフトスリーブ311が保持器202g側にスライドすると、シフトスリーブ311と保持器202gは爪部202g’によって軸方向に一体に移動し、永久磁石202eに吸引される。保持器202gが駆動用変速ギヤ202の端面に当接すると、内輪202bの突起部202b’と保持器202gのスリット202g’’との嵌合が外れ、保持器202gに対して回転方向抵抗力が加わり、回転方向戻しバネ202fのバネ力に抗してローラ202cを移動する。この回転方向への保持器202gの回転移動によってローラ202cが駆動用変速ギヤ202と内輪202bとをロックし、図7(b)に示すように2ウェイクラッチの締結が完了する。このとき、保持器202gの回転移動によって、回転方向戻しバネ202fが押し縮められる。すなわち、締結状態では、回転方向戻しバネ202fが押し縮められた状態となる。また、締結状態では駆動用変速ギヤ202、ローラ202c、保持器202g及び内輪202bが一体となって回転する。
【0036】
次に、締結状態から解放状態に移行するときは、シフトスリーブ311が図中左方へ移動することとなる。すると、保持器202gが軸方向シフトスリーブ側に戻され、延長摩擦部202g’がスムーズに駆動用変速ギヤ202の端面から離され、締結を確実に解除する。すると、保持器202gと駆動用変速ギヤ202との摩擦力が無くなり、保持器202gに対する回転力が無くなる。よって、回転方向戻しバネ202fが広がり、ローラ202cを中立位置に戻し、内輪202bの突起部202b’と保持器202gのスリット202g’’とがスムーズに嵌合する。これにより解放状態に移行する。ここで、図8に斜面202b’の拡大断面図を示す。図に示すように、シフトスリーブ力をTとし、斜面202b’の傾斜角をθとすると、保持器202gには中立位置に戻ろうとする力としてTsinθ・cosθが作用する。よって、保持器202gのスプリング力を小さく設定したとしても、確実に中立位置に戻ることができる。
【0037】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、異なる点についてのみ説明する。図9はシフトスリーブ311と2速用2ウェイクラッチ部分を表す拡大断面図である。
【0038】
ローラ202cを収容している保持器202gの延長摩擦部202g’は、2速駆動ギヤ202の延長端部202hと、シフトスリーブ平面部311dとの間にわずかの隙間を介して対面している。よって、中立状態では、非接触状態を保つことができる。また、延長摩擦部202g’のシフトスリーブ平面部311dとの接触面には摩擦抵抗の小さな摩擦材であるメタル軸受311bが設けられている。これにより、シフトスリーブ311が延長摩擦部202g’を押圧した際、シフトスリーブ311が保持器202gの回転方向への移動を妨げることなく、安定した保持器202gの移動を確保しつつ、耐久性の向上を図っている。また、保持器202gに対し軸方向の付勢力を与える軸方向戻し機構202iが設けられている。
【0039】
実施の形態1では保持器202gと内輪202bとはスリット202b’と突起部202g’’が嵌合していた。これに対し、実施の形態2においては、保持器202gに凹部202g’’’を設け、内輪202bに凸部202b’’を設けた構成とした。すなわち、シフトスリーブ311と保持器202gが一体に移動せず、皿バネのバネ力による軸方向戻し機構202iを備えている場合は、保持器202gと内輪202bとの関係を回転方向に固定可能な凹凸面による係合が成されていれば、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。尚、凹凸面の形状については特に限定しない。例えば図10に示すように、放射線状に設けた凹凸面による係合としてもよい。
【0040】
以上説明したように、実施の形態1,2における多段変速機にあっては、2ウェイクラッチ301,302が解放状態のときは、2ウェイクラッチ301,302のローラ301c,302cを保持する保持器201g,202gに設けられたスリット201g’’,202g’’と、内輪201b,202bに設けられた突起部201b’,202b’が嵌合することで、内輪202bを固定し、また、外輪201,202とシフトフォーク311が非接触状態となるため、ドラグトルクを発生することがなく、また、摩耗による耐久性の悪化を防止することができる。
【0041】
また、突起部201b’,202b’の先端を、保持器の回動方向に斜面201b’,202b’を有するチャンファー形状としたことで、2ウェイクラッチ締結作動によるシフトフォーク311の移動によって、突起部201b’,202b’とスリット201g’’,202g’’との嵌合をスムーズに外すことができる。また、2ウェイクラッチ解放作動によるシフトフォーク311の移動によって、突起部201b’,202b’とスリット201g’’,202g’’とを嵌合させる際、シフトフォーク311を移動させる力が斜面201b’,202b’により保持器201g,202gの中立位置に向かう回転方向への力に変換される。よって、速やかに中立状態が確保されるとともに、中立位置に戻すための回転方向戻しバネ202fのバネ力を弱く設定することができる。
【0042】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態1について説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における多段変速機の全体構成を表すシステム図である。
【図2】実施の形態1における多段変速機のA−B−C断面及びD−E−F断面図である。
【図3】実施の形態1における多段変速機のG−H−I断面図である。
【図4】実施の形態1における多段変速機の軸配置の概略を表す正面図である。
【図5】実施の形態1におけるシフトドラムの展開図である。
【図6】実施の形態1における2ウェイクラッチの断面図及び正面図である。
【図7】実施の形態1における2ウェイクラッチの締結・解放状態を表す図である。
【図8】実施の形態1における保持器と内輪との関係を表す図である。
【図9】実施の形態2における2ウェイクラッチの断面図である。
【図10】その他の実施の形態における保持器と内輪を表す図である。
【符号の説明】
1 ケース部材
1 第1ケース部材
1a フロントカバー
2 第2ケース部材
4 シャフトステータ
4b シャフト支持部
4d チェーンスプロケット支持部
4a 隔壁部
20 多段変速機
21 第1駆動軸
21a 第1駆動軸側スプラインハブ
22 第2駆動軸
23 出力軸
24 アイドラ軸
24a,24b 皿バネ
25 DCモータ
26 シフトドラム
27 シフトドラム駆動軸
30 ダンパ
30a ダンパ側スプラインハブ
30c アウタ部材
30d インナ部材
32c メインクラッチハブ
32a 第1入力ドラム
32b 第2入力ドラム
33 ロータ
33a オイルポンプ駆動爪
34 パイロットクラッチ
35 電磁石
36 トルクカム機構
37 メインクラッチ
40 電磁多板クラッチ
50 オイルポンプ
202g 延長摩擦部
202a 延長部円筒内周面
202b 内輪
202b’ 突起部
202b’ 斜面
202c ローラ
202e 永久磁石
202f 回転方向戻しバネ
202f’ 屈曲部
202g 保持器
202g’ 保持器延長摩擦部
260a,261a,262a,263a カム溝
301,302 2ウェイクラッチ
303,304,305 シンクロクラッチ
311 シフトスリーブ
311b メタル軸受
311d シフトスリーブ平面部
312a 台座
312b 滑り軸受け
312c スラスト軸受け
312d シフトスリーブ平面部
320〜323 シフトフォーク
320a〜323a ノックピン
324 シフトフォーク摺動用シャフト

Claims (3)

  1. 複数の平行軸に設けられ、変速段毎の常時噛合歯車のトルク伝達経路を切り換えることで変速を達成する多段変速機構と、
    を備えた多段変速機であって、
    前記平行軸と前記常時噛合歯車との締結・解放を行う外輪と内輪を備えた2ウェイクラッチと、軸方向に移動可能なシフトフォークと、該シフトフォークに対して自在に回転しつつ、軸方向はシフトフォークと一体に移動するシフトスリーブと、から構成し、
    前記2ウェイクラッチが解放状態のときは、保持器を中立位置に保持する回転方向戻し機構及び軸方向戻し機構により、前記2ウェイクラッチのローラを保持する保持器に設けられた凹部(または凸部)と、前記内輪に設けられた凸部(または凹部)が嵌合し、
    前記2ウェイクラッチが締結状態のときは、シフトスリーブの軸方向の移動によって前記凹部と前記凸部の嵌合を外すとともに、前記保持器の延長摩擦部を軸方向外輪端面側に押圧することで前記延長摩擦部と前記外輪端面を摩擦係合させ、前記保持器に回転力を付与することで前記保持器を回転方向に移動させ、前記外輪と前記内輪をローラのカム力により前記2ウェイクラッチを締結することで各変速段を達成することを特徴とする多段変速機。
  2. 複数の平行軸に設けられ、変速段毎の常時噛合歯車のトルク伝達経路を切り換えることで変速を達成する多段変速機構と、
    を備えた多段変速機であって、
    前記平行軸と前記常時噛合歯車との締結・解放を行う外輪と内輪を備えた2ウェイクラッチと、軸方向に移動可能なシフトフォークと、該シフトフォークに対して自在に回転しつつ、軸方向はシフトフォークと一体に移動するシフトスリーブと、から構成し、
    前記2ウェイクラッチが解放状態のときは、保持器を中立位置に保持する回転方向戻し機構及び前記シフトフォークと前記保持器を軸方向に一体に移動させる軸方向戻し機構により、前記2ウェイクラッチのローラを保持する保持器に設けられたスリットと、前記内輪に設けられた凸部が嵌合し、
    前記2ウェイクラッチが締結状態のときは、シフトスリーブの軸方向の移動によって前記スリットと前記凸部の嵌合を外すと共に、前記保持器の延長摩擦部を軸方向外輪端面側に押圧することで、前記延長摩擦部と前記外輪端面を摩擦係合させ、前記保持器に回転力を付与することで前記保持器を回転方向に移動させ、前記外輪と前記内輪をローラのカム力により前記2ウェイクラッチを締結することで各変速段を達成することを特徴とする多段変速機。
  3. 請求項1または2に記載の多段変速機において、
    前記凸部の先端を、チャンファー形状としたことを特徴とする多段変速機。
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