JP2004211834A - 多段変速機及びその変速制御装置 - Google Patents

多段変速機及びその変速制御装置 Download PDF

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Yoshiaki Kato
芳章 加藤
Koichi Iizuka
浩一 飯塚
Makoto Yasui
誠 安井
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Abstract

【課題】平行軸常時噛合型変速機において、変速アクチュエータの大型化を招くことなく、変速時の同期制御を素早く、かつ、精度良く達成することが可能な多段変速機及びその変速制御装置を提供すること。
【解決手段】平行軸常時噛合型変速機において、平行軸と常時噛合歯車との締結・解放を行う2ウェイクラッチと、該2ウェイクラッチの締結・解放を切り換える変速アクチュエータとを設け、シフトドラムの回転によりシフトフォークを軸方向に移動させ、シフトフォークの移動に伴うシフトスリーブの軸方向の移動によって2ウェイクラッチの保持器に設けられた延長摩擦部を軸方向外輪端面側に押圧することで前記延長摩擦部と前記外輪端面を摩擦係合させ、前記保持器に外輪回転方向と同一方向のトルクを付与することで前記保持器を回転方向に移動させ、前記外輪と前記内輪をローラのカム力により2ウェイクラッチを締結することで各変速段を達成することとした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に用いられる常時噛合式変速機であって、特に、自動変速制御が行われる変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、常時噛合式変速機として、特許文献1に記載の技術では変速指令後の回転同期制御を行うために、メインシャフト及びカウンターシャフトの端部に同期用ギヤ軸を設けている。また、特許文献2に記載の技術では、最低変速段と最高変速段にシンクロ機構を設け、同期制御を行っている。また、特許文献3に記載の技術では、ローラシンクロ機構を設け、変速時に発進クラッチを解放状態にしないで変速を行っている。
【0003】
【特許文献1】
特公昭54−28894号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平5−99333号公報
【0005】
【特許文献3】
特開平5−338471号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、下記に示す問題があった。すなわち、特許文献1に記載の技術では、変速指令後の回転同期制御を行うために、メインシャフト及びカウンターシャフトの端部に別の同期用ギヤ軸が必要で、変速機重量が増加するという問題がある。
【0007】
特許文献2に記載の技術では、最低変速段と最高変速段にシンクロ機構が必要であり、同期制御が悪く、更に同期までに時間がかかり、トルク抜け(空走感)が発生するという問題がある。
【0008】
特許文献3に記載の技術では、ローラシンクロ機構を用いているが、変速時に発進クラッチを解放状態にしないで変速させようとするため、特にアップシフト時には、エンジン出力をカットして、駆動側と出力側のトルク関係が無負荷状態になった時点で、ローラシンクロを中立状態にしなければならず、応答性や制御性が悪化するという問題がある。更に、コースト状態でアップシフトの場合には、負荷がかかった状態で、ローラシンクロを中立状態にしなければならず、ローラシンクロの耐久性が悪化するという問題や、変速アクチュエータのパワーが必要となりアクチュエータの大型化を招くという問題があった。
【0009】
また、上記特許文献以外の一般の平行軸常時噛合型変速機においては、発進要素として乾式クラッチを前提とし、油圧力を介して締結・解放を行うため、油温の影響や、クラッチ締結時のサージ圧の影響が大きく、素早い締結・解放をばらつきなく制御することが困難である。また、乾式クラッチの摩耗により変速時の締結・解放タイミングが経時変化するという問題があった。
【0010】
本発明は上述のような課題に基づいて成されたもので、平行軸常時噛合型変速機において、変速アクチュエータの大型化を招くことなく、変速時の同期制御を素早く、かつ、精度良く達成することが可能な多段変速機及びその変速制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、複数の平行軸に設けられ、変速段毎の常時噛合歯車のトルク伝達経路を切り換えることで変速を達成する多段変速機構と、エンジンと前記多段変速機構との動力伝達を行う発進要素であって、電気的な指令信号に基づいて伝達トルクを制御可能な電磁多板クラッチと、を備えた多段変速機であって、前記平行軸と前記常時噛合歯車との締結・解放を行う2ウェイクラッチと、該2ウェイクラッチの締結・解放を切り換える変速アクチュエータとを設け、前記変速アクチュエータを、電動モータにより回転位置が制御されるシフトドラムと、該シフトドラムに設けられたカム溝にならって軸方向に移動可能なシフトフォークと、該シフトフォークに対して自在に回転しつつ、軸方向はシフトフォークと一体に移動するシフトスリーブと、から構成し、前記シフトドラムの回転によりシフトフォークを軸方向に移動させ、シフトフォークの移動に伴うシフトスリーブの軸方向の移動によって前記延長摩擦部を軸方向外輪端面側に押圧することで前記延長摩擦部と前記外輪端面を摩擦係合させ、前記保持器に回転抵抗を付与することで前記保持器を回転方向に移動させ、前記外輪と前記内輪をローラのカム力により前記2ウェイクラッチを締結することで各変速段を達成することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の多段変速機において、前記シフトドラムの軸方向両端部に軸方向中央部に付勢する弾性体を介して回転可能に支持したことを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の多段変速機において、前記平行軸に前記シフトスリーブを回転可能にフローティング支持すると共に、前記平行軸と一体に回転し、軸方向に摺動可能な台座を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3に記載の多段変速機において、前記延長摩擦部の前記シフトスリーブとの当接部に、低摩擦材を介在させたことを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4に記載の多段変速機において、前記保持器を前記外輪端面と前記延長摩擦部が摩擦係合しない位置に軸方向付勢する軸方向戻しバネを設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5に記載の多段変速機と、エンジンの回転数を制御するエンジン制御手段と、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、検出された走行状態に基づいて前記多段変速機の変速段を決定し、前記多段変速機に対し変速指令を出力する変速制御手段と、を備え、前記変速制御手段は、前記電磁多板クラッチの締結状態を制御するクラッチ制御部と、前記電動モータの駆動位置を制御するモータ制御部と、エンジン制御手段に対し変速時の目標エンジン回転数を出力するエンジン制御指令部と、エンジン回転数と目標エンジン回転数が予め設定された所定回転数差未満かどうかを判断する同期判断部を有し、変速指令が出力されたときは、前記クラッチ制御部により前記電磁多板クラッチを解放状態とし、かつ、前記モータ制御部により前記2ウェイクラッチが中立位置となるように前記シフトドラムの回転角制御を実行し、前記エンジン制御指令部により変速後の目標エンジン回転数となるエンジン回転数制御を実行し、前記同期判断部によりエンジン回転数がほぼ目標エンジン回転数に同期したと判断した時点で、前記電磁多板クラッチを締結制御し、それと同時に動力伝達すべき歯車に内蔵された2ウェイクラッチを締結するように前記シフトドラムの回転角制御を実行することを特徴とする。
【0017】
【発明の作用および効果】
請求項1記載の多段変速機にあっては、電磁多板クラッチを適用することにより、電気的に伝達トルクを制御することが可能となり、制御性の向上を図ることができる。更には、短い軸方向寸法で大きなトルクを伝達することができる。
【0018】
また、電磁多板クラッチは締結力を電磁力で得ており、油圧力を用いないため、潤滑用の低圧ポンプのみ備えればよく、エンジン負荷を軽減することができる。
【0019】
また、延長摩擦部と外輪の摩擦力を用いて保持器を回転方向に移動すると、保持器の軸方向及び回転方向への僅かなストロークによって締結・解放を制御することができる。
【0020】
また、電動モータにより駆動される変速アクチュエータにより2ウェイクラッチの締結・解放を制御することで、正確に締結制御を実行することができる。よって、従来のシンクロ機構に比べて極めて応答性が高く、また、ドグクラッチに比べて、正確に締結制御を実行できる。
【0021】
請求項2記載の多段変速機にあっては、シフトドラムの軸方向両端に弾性体を配置したことで、仮にシフトドラム外周に設けられたカム溝にばらつきがあり、シフトスリーブが軸方向に過剰にストロークしたとしても、弾性体に反力が加わりシフトスリーブが軸方向に移動することで、シフトスリーブ,延長摩擦部及び外輪端面との摩擦力を適正に保つことができる。
【0022】
請求項3記載の多段変速機にあっては、シフトスリーブがフローティング支持されたことで、2ウェイクラッチ締結時、すなわち、シフトスリーブが延長摩擦部を押圧した際、シフトスリーブには平行軸からの回転駆動力がほとんど入力されず、押圧力のみ発生させることができる。よって、シフトスリーブ及び延長摩擦部の耐久性の向上を図ると共に、不要なトルクの入力による押圧力のばらつきを防止することができる。
【0023】
請求項4記載の多段変速機にあっては、延長摩擦部とシフトスリーブとの当接部に低摩擦材が介在されたことで、シフトスリーブが延長摩擦部を押圧した際、シフトスリーブが保持器の回転方向への移動を妨げることが無く、安定した保持器の移動を確保しつつ、耐久性の向上を図ることができる。
【0024】
請求項5記載の多段変速機にあっては、軸方向戻しバネを設けたことで、2ウェイクラッチ解放時に、延長摩擦部がスムーズに外輪端面から離され、締結を確実に解除することができる。
【0025】
請求項6記載の多段変速機の変速制御装置にあっては、変速時に電磁多板クラッチを解放することで、多段変速機へのトルクの入力がない状態で2ウェイクラッチを解放することができるため、回転方向戻しバネ及び軸方向戻しバネのバネ力を小さく設定することができる。また、変速時にはエンジン回転数を制御して電磁多板クラッチの締結制御を実行することで、2ウェイクラッチのローラロックに伴うショックを確実に抑制することができる。また、変速時には変速アクチュエータとして、電動モータによりシフトドラムを回転させる。このとき、電動モータにかかる負荷は、軸方向戻しバネのバネ力と保持器が外輪と若干連れ回る程度の軸方向押圧力が回転方向に変換されたものであり、非常に小さな負荷がかかるだけであるため、電動モータの小型化を図ることができる。また、従来のシンクロ機構より遙かに小さな移動ストロークで変速できるため、変速応答性の向上を図ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における多段変速機の変速制御装置の全体構成を表す概略図である。60はエンジン、61はスロットル開度を電子的に制御する電子制御スロットル、62は燃料噴射料を制御するインジェクタ、50はオイルポンプ、40は電磁多板クラッチ、20は多段変速機、70はエンジンコントロールユニット(以下ECUと記載する)、80は変速機コントロールユニット(以下ATCUと記載する)である。
【0028】
ECU70には、エンジン回転数及びスロットル開度が入力され、ATCU80には、車速及び運転者の選択したレンジ信号であるインヒビタ信号が入力される。ECU70とATCU80は相互に検出された信号をそれぞれ送受信している。ECU70はスロットル開度及び燃料噴射料を制御する制御信号を出力し、ATCU80は変速アクチュエータであるDCモータ25及び電磁多板クラッチ40に制御信号を出力する。
【0029】
次に、多段変速機の詳細な構成について説明する。図2は図4に示す軸方向正面図におけるA−B−C断面図及びD−E−F断面図、図3は図4におけるG−H−I断面図である。まず、A−B−C断面及びD−E−F断面について説明する。
【0030】
第1ケース部材1にはフロントカバー1aがボルトにより取り付けられている。このフロントカバー1aによって画成されたエンジン側のケース内にはダンパ30が収装され、多段変速機20側には電磁多板クラッチ40が収装されている。また、電磁多板クラッチ40の径方向外周側には変速用のDCモータ25(図3参照)が収装されている。
【0031】
第2ケース部材2にはシャフトステータ4がボルトにより取り付けられている。シャフトステータ4は、電磁多板クラッチ40と多段変速機20とを画成する隔壁部4aと、第1駆動軸21を回転可能に支持するシャフト支持部4bと、オイルポンプ50駆動用の被動側チェーンスプロケットを支持するチェーンスプロケット支持部4dから構成されている。
【0032】
ダンパ30はエンジン出力軸と直結するアウタ部材30cと、第1駆動軸21と直結するインナ部材30dと、アウタ部材30cとインナ部材30dの間に設けられたスプリングから構成されている。また、インナ部材30dの内径側にはダンパ側スプラインハブ30aが設けられ、第1駆動軸21とスプライン嵌合した駆動軸側スプラインハブ21aとスプライン嵌合している。これにより、ダンパ側スプラインハブ30a及び駆動軸側スプラインハブ21aや第1ケース部材1を交換するだけで、エンジンの最高出力の違いによって要求されるダンパやモータが異なる場合でも対応することができる。
【0033】
電磁多板クラッチ40は、電磁石35の吸引力により締結するパイロットクラッチ34と、パイロットクラッチ34の締結力を軸方向の推力に変換しトルク増幅するカム機構36と、カム機構36により増幅された軸方向の推力によって締結するメインクラッチ37から構成されている。
【0034】
メインクラッチ37は第1入力ドラム32aと、この第1入力ドラム32aと軸方向摺動可能にスプライン結合された第2入力ドラム32bと、第1駆動軸21とスプライン嵌合したメインクラッチハブ32cとクラッチプレートから構成されている。また、第2入力ドラム32bの内径側には軸方向摺動可能にスプライン結合したロータ33が設けられている。
【0035】
このロータ33にはパイロットクラッチ34を締結する電磁石35が固定されるとともに、ロータ33の先端にはオイルポンプ駆動爪33aが設けられている。エンジンの駆動力は、電磁多板クラッチ40の締結状態に係わらずダンパ30→第1駆動軸21→第1入力ドラム32a→第2入力ドラム32b→ロータ33→駆動側チェーンスプロケットと伝達される。よって、エンジンが駆動しているときは必ずチェーンスプロケットを駆動することで、オイルポンプ50が駆動されるため油圧を確保する。尚、オイルポンプ50は潤滑用の油圧のみ供給すればよいため、容量を小さくすることが可能となり、エンジン負荷の低減を図ることができる。
【0036】
次に、多段変速機20の構成について説明する。第1駆動軸21は電磁多板クラッチ40の出力側と係合されている。この第1駆動軸21には、4速駆動用変速ギヤ204と、5速駆動用変速ギヤ205と、第1歯車20Aと、4速ギヤ内蔵2ウェイクラッチ304と、5速ギヤ内蔵2ウェイクラッチ305と、4−5速シフトスリーブ313が設けられている。
【0037】
第2駆動軸22には、1速駆動用変速ギヤ201と、2速駆動用変速ギヤ202と、3速駆動用変速ギヤ203と、後退速用第1ギヤ20R1と、第3歯車20Cと、1速ギヤ内蔵2ウェイクラッチ301と、2速ギヤ内蔵2ウェイクラッチ302と、3速ギヤ内蔵2ウェイクラッチ303と、1速シフトスリーブ311と、2−3速シフトスリーブ312が設けられている。
【0038】
第1駆動軸21に設けられた第1歯車20Aは、アイドラ軸24の第2歯車20Bを介して第2駆動軸22の第3歯車20Cと常時噛み合っており、第1駆動軸21の回転を第2駆動軸22に伝達する。
【0039】
出力軸23には、1速駆動用変速ギヤ201と常時噛み合う1速被動用変速ギヤ211と、2速駆動用変速ギヤ202と常時噛み合う2速被動用変速ギヤ212と、3速駆動用変速ギヤ203と常時噛み合う3速被動用変速ギヤ213と、4速駆動用変速ギヤ204と常時噛み合う4速被動用変速ギヤ214と、5速駆動用変速ギヤ205と常時噛み合う5速被動用変速ギヤ215と、後退速用第3ギヤ20R3と駆動側最終減速ギヤ216aが設けられている。1速から5速の各変速ギヤは2ウェイクラッチがロックしていない状態では、トルク伝達に関与せずフリーで空転している。
【0040】
次に、図3のG−H−I断面の構成について説明する。電磁多板クラッチ40の径方向外周側には2ウェイクラッチ切り換え用のDCモータ25が収装されている。DCモータ25にはモータ回転を出力するモータギヤ25aが設けられ、シフトドラム駆動軸27を駆動する。シフトドラム駆動軸27の外周にはシフトドラム26が設けられている。このシフトドラム26はボールスプライン27’を介してシフトドラム駆動軸27に軸方向摺動可能に支持されている。
【0041】
更にシフトドラム26の軸方向両端には皿バネ24a,24bが設けられ、軸方向の位置を所定の押圧力で規定している。また、シフトフォーク摺動用シャフト324が設けられ、このシャフト上を各ノックピン321,322及び323が摺動する。これにより、仮にシフトドラム外周に設けられた後述するカム溝261a,262a,263aにばらつきがあり、シフトスリーブが軸方向に過剰にストロークしたとしても、皿バネ24a,24bに反力が加わりシフトドラム26が軸方向に移動することで、シフトスリーブ,延長摩擦部及び外輪端面との摩擦力を適正に保つことができる(請求項2に対応)。
【0042】
図4は本実施の形態における多段変速装置の軸方向正面図を表す概略図である。後退用第2ギヤ20R2,後退用第1ギヤ20R1及び後退用第3ギヤ20R3は平歯車であり、この後退用第2ギヤ20R2の軸方向移動によって、ドグクラッチと同様の機能を持つ。
【0043】
図5はシフトドラム26の展開図である。シフトドラム26には1速用シフトフォーク321のノックピン321a,2−3速用シフトフォーク322のノックピン322a及び4−5速用シフトフォーク323のノックピン323a(図3参照)と噛み合うカム溝261a,262a及び263aが設けられている。シフトドラム26の回転に伴い、ノックピンがカム溝に倣うようにシフトフォーク摺動用シャフト324上を軸方向に移動することで各変速段を達成する(図3参照)。ここで、回転位置がdN,d1,d2,d3,d4,d5では、対応する2ウェイクラッチの締結により変速段によるトルク伝達を達成し、d10,d20,d30,d40では、ニュートラル状態となる。
【0044】
(1〜5速ギヤ内蔵2ウェイクラッチ301〜305の作動原理)
図6は2速ギヤ内蔵2ウェイクラッチ302を表す正面図、及び2−3速シフトフォークの拡大断面図である。この2ウェイクラッチ302は、第2駆動軸22上に軸受け支持された2速駆動ギヤ202の延長部円筒内周面202aと、第2駆動軸22とスプライン嵌合している内輪202b外周面との間に複数のローラ202cが配置されている。内輪202b外周面は、ローラ202cの数と同数の多面体形状をしている。シフトスリーブ312は、第2駆動軸22にスプライン嵌合している台座312aと滑り軸受け312b、スラスト軸受け312cで浮動状態で、かつ軸方向は台座312aと一体移動できる構造としている。これにより2ウェイクラッチ締結時、すなわち、シフトスリーブが保持器202gの延長摩擦部202g’を押圧した際、シフトスリーブには平行軸からの回転駆動力がほとんど入力されず、押圧力のみ発生させることができる。よって、シフトスリーブ及び延長摩擦部の耐久性の向上を図ると共に、不要なトルクの入力による押圧力のばらつきを防止することができる(請求項3に対応)。
【0045】
ローラ202cを収容している保持器202gの延長摩擦部202g’は、2速駆動ギヤ202の延長端部(外輪端面)202eと、シフトスリーブ平面部312dとの間にわずかの隙間を介して対面している。また、延長摩擦部202g’のシフトスリーブ平面部312dとの接触面には摩擦抵抗の小さな摩擦材202g’’が設けられている。これにより、シフトスリーブが延長摩擦部202g’を押圧した際、シフトスリーブ312が保持器202gの回転方向への移動を妨げることが無く、安定した保持器202gの移動を確保しつつ、耐久性の向上を図ることができる(請求項4に対応)。
【0046】
また、202fはバネ力によりローラ202cを回転方向の中立位置に戻そうとする回転方向戻しバネである。この回転方向戻しバネ202fは保持器202g及び内輪202bに設けられた突起部202b’と係合する屈曲部202f’(図7参照)が設けられている(請求項1に対応)。図6の状態では、ローラ202cは、内輪外周多面体の中央部分に位置しており、内輪202bと、2速駆動ギヤ202の延長部円筒内周面202aとの間に隙間があるため動力の伝達はない。
【0047】
また、202hは、バネ力により保持器202gの延長摩擦部202g’を2速駆動ギヤ202の延長端面から軸方向シフトスリーブ側に引き離そうとする軸方向戻しバネである。図の状態では、保持器延長摩擦部202g’と2速駆動ギヤ202の延長端面間に軸方向の隙間があるため、動力の伝達はない(請求項5に対応)。
【0048】
図7は2ウェイクラッチの解放状態から締結状態へ至る際の各部材の変化を表す図である。図7(a)は、解放状態を示し、図7(b)は締結状態を示している。図7(a)に示す、解放状態からシフトスリーブ312が保持器202g側にスライドすると、軸方向戻しバネ202hの力に抗して保持器202gを移動する。保持器202gが駆動用変速ギヤ202の端面に当接すると、保持器202gに対して回転方向抵抗力が加わり、回転方向戻しバネ202fのバネ力に抗してローラ202cを移動する。この回転方向への保持器202gの回転移動によってローラ202cが駆動用変速ギヤ202と内輪202bとをロックし、図7(b)に示すように2ウェイクラッチの締結が完了する。このとき、保持器202gの回転移動によって、回転方向戻しバネ202fが押し縮められる。すなわち、締結状態では、軸方向戻しバネ202hと回転方向戻しバネ202fの両方が押し縮められた状態となる。また、締結状態では駆動用変速ギヤ202、ローラ202c、保持器202g及び内輪が一体となって回転する。保持器202gとシフトスリーブ312の間での滑りを摩擦材202g’’で回転トルクの滑り損失を低減している。
【0049】
次に、締結状態から解放状態に移行するときは、シフトスリーブ312が図中右方へ移動することとなる。すると、保持器202gが軸方向戻しバネ202hによって軸方向シフトスリーブ側に戻され、延長摩擦部202g’がスムーズに駆動用変速ギヤ202の端面から離され、締結を確実に解除する。すると、保持器202gと駆動用変速ギヤとの摩擦力が無くなり、保持器202gに対する回転力が無くなる。よって、回転方向戻しバネ202fが広がり、ローラ202cを中立位置に戻す。これにより解放状態に移行する。
【0050】
次に、各変速状態における動力の伝達経路を図2を用いて説明する。
(ニュートラル状態)
シフトドラム26がdNの位置になるようにDCモータ25を回転制御し、各2ウェイクラッチ301〜305を中立状態とする。
【0051】
(1速状態)
1速2ウェイクラッチ301を締結する。エンジン動力は、ダンパ30→電磁多板クラッチ40→第1駆動軸21→第1歯車20A→アイドラ軸24に設けられた第2歯車20B→第2歯車20Bと噛み合う第2駆動軸の第3歯車20C(この時点で、約1.75倍の減速)→第2駆動軸22の1速駆動ギヤ201→出力軸23上の1速被動歯車211→最終減速歯車216a,216bへと伝達される。
【0052】
(2速状態)
2速2ウェイクラッチ302を締結する。エンジン動力は、ダンパ30→電磁多板クラッチ40→第1駆動軸21→第1歯車20A→アイドラ軸24に設けられた第2歯車20B→第2歯車20Bと噛み合う第2駆動軸の第3歯車20C(この時点で、約1.75倍の減速)→第2駆動軸22の2速駆動ギヤ202→出力軸23上の2速被動歯車212→最終減速歯車216a,216bへと伝達される。
【0053】
(3速状態)
3速2ウェイクラッチ303を締結する。エンジン動力は、ダンパ30→電磁多板クラッチ40→第1駆動軸21→第1歯車20A→アイドラ軸24に設けられた第2歯車20B→第2歯車20Bと噛み合う第2駆動軸の第3歯車20C(この時点で、約1.75倍の減速)→第2駆動軸22の3速駆動ギヤ203→出力軸23上の3速被動歯車213→最終減速歯車216a,216bへと伝達される。
【0054】
(4速状態)
4速2ウェイクラッチ304を締結する。エンジン動力は、ダンパ30→電磁多板クラッチ40→第1駆動軸21→第1駆動軸21の4速駆動ギヤ204→出力軸23上の4速被動歯車214→最終減速歯車216a,216bへと伝達される。
【0055】
(5速状態)
5速2ウェイクラッチ305を締結する。エンジン動力は、ダンパ30→電磁多板クラッチ40→第1駆動軸21→第1駆動軸21の5速駆動ギヤ205→出力軸23上の5速被動歯車215→最終減速歯車216a,216bへと伝達される。
【0056】
(リバース状態)
図3に示す後退用第2ギヤ20R2を図示しないシフトフォークで移動させ、第2駆動軸22上の後退用第1ギヤ20R1と出力軸23上の後退用第3ギヤ20R3の両方に噛み合わせる。エンジン動力は、ダンパ30→電磁多板クラッチ40→第1駆動軸21→第1歯車20A→アイドラ軸24に設けられた第2歯車20B→第2歯車20Bと噛み合う第2駆動軸の第3歯車20C(この時点で、約1.75倍の減速)→第2駆動軸22の後退用第1ギヤ20R1→後退用第2ギヤ20R2→出力軸23上の後退用第3ギヤ20R3→最終減速歯車216a,216bへと伝達される。
【0057】
(変速作動)
図8は変速制御を表すフローチャートである。
【0058】
ステップ101では、現時点でのギヤ比i、エンジン回転数Neを読み込む。
【0059】
ステップ102では、Dレンジ、かつ、変速機の変速指令(i→i)があるかどうかを判断し、条件を満たしたときは、ステップ103へ進み、それ以外は本制御を終了する。
【0060】
ステップ103では、電磁多板クラッチ40をOFFし、電子制御スロットルによる目標エンジン回転数制御を行う。ここで、目標エンジン回転数Netは下記の式により算出される。
Net=Ne×(i/i
更に、DCモータ25により変速後の変速ギヤの締結手前の中立位置di0へシフトドラム26を移動し、ニュートラル状態とする。
【0061】
ステップ104では、エンジン回転数Neと目標エンジン回転数Netとの回転数差が許容回転数差ε未満かどうかを判断し、条件を満たしたときはステップ105へ進み、それ以外はステップ103を繰り返す。
【0062】
ステップ105では、電磁多板クラッチ40の締結制御を行い、DCモータ25により変速後の該当する変速段の2ウェイクラッチ締結位置にシフトドラム26を回転駆動する。
【0063】
ステップ106では、エンジン回転数Neが第1駆動軸21の回転数Noと一致したかどうかを判断し、一致したときはステップ107へ進み、それ以外は一致するまでステップ105を繰り返す。尚、第1駆動軸21の回転数は、出力軸回転数をギヤ比で除算した値でもよい。
【0064】
ステップ107では、電磁多板クラッチ40を完全締結し、変速を終了する。
【0065】
次に、図9及び図10のタイムチャートに基づいて上記変速制御を説明する(請求項6に対応)。
(アップシフト時)
図9はアップシフト時の変速制御を表すタイムチャートである。時刻t11において、低変速段から高変速段の変速指令が出力されると、電磁多板クラッチ40をOFFすると共に、DCモータ25によってシフトドラムをdi0まで回転し、一旦ニュートラル状態とする。そして、目標エンジン回転数Netとなるようにエンジン回転数制御を開始する。このとき、第1駆動軸21の回転数は徐々に低下する。次に、時刻t12において、エンジン回転数Neと目標エンジン回転数Netとの回転数差が許容回転数ε未満となると、電磁多板クラッチ40の締結制御を開始すると共に、シフトドラムを回転し、次の高変速段に変速する。時刻t13において、シフトドラムの回転が完了すると第1駆動軸21の回転数は目標エンジン回転数Netとなる。その後、時刻t14において、エンジン回転数が目標エンジン回転数Netまで低下すると、電磁多板クラッチ40を完全締結状態とし、変速が完了する。
【0066】
(ダウンシフト時)
図10はダウンシフト時の変速制御を表すタイムチャートである。時刻t21において、高変速段から低変速段への変速指令が出力されると、電磁多板クラッチ40をOFFすると共に、DCモータ25によってシフトドラムをdi0まで回転し、一旦ニュートラル状態とする。そして、目標エンジン回転数Netとなるようにエンジン回転数制御を開始する。このとき、第1駆動軸21の回転数は徐々に低下する。次に、時刻t22において、エンジン回転数Neと目標エンジン回転数Netとの回転数差が許容回転数ε未満となると、電磁多板クラッチ40の締結制御を開始すると共に、シフトドラムを回転し、次の低変速段に変速する。時刻t23において、シフトドラムの回転が完了すると第1駆動軸21の回転数は目標エンジン回転数Netまで上昇する。その後、時刻t24において、エンジン回転数が目標エンジン回転数Netまで上昇すると、電磁多板クラッチ40を完全締結状態とし、変速が完了する。尚、上記アップシフト変速及びダウンシフト変速は、0.3〜0.4秒で完了する。
【0067】
(1−2変速動作)
次に、具体的な変速作動として、1−2変速を例に説明する。変速指令と共に、電磁多板クラッチ40を解放状態とし、DCモータ25により、シフトドラム26を一定角度回転させる。図5のシフトドラム展開図におけるd10の位置で停止すると、シフトフォーク321は、ノックピン321aがシフトドラム26のカム溝261aに倣うように移動し、シフトスリーブ311による保持器延長摩擦部との摩擦圧接を解放することで2ウェイクラッチが中立状態となる。この状態で、エンジン回転数は2速同期回転数になるように、電子スロットル開度や燃料カット制御を行う。
【0068】
エンジン回転数と2速同期回転数との回転数差が許容回転数差ε未満となったら、電磁多板クラッチ40を締結操作すると共に、DCモータ25で回転制御を行い、図4に示すシフトドラム展開図のd2の位置にすると、シフトフォーク322と一体のノックピン322aが、カム溝262aに倣うように、シフトドラム軸方向両端部に配置された皿バネ24a,bのバネ力に抗して左方移動し、それに伴いシフトスリーブ312の平面部が、保持器延長摩擦部202g’を2速駆動ギヤ202延長端面に摩擦圧接する。このときの摩擦圧接力は皿バネ24a,bのバネ反力である。これにより、2ウェイクラッチがロックし、2速ギヤ202によりトルク伝達が行われる。
【0069】
以上説明したように、実施の形態1における多段変速機の変速制御装置にあっては、電磁多板クラッチ40を適用することにより、電気的に伝達トルクを制御することが可能となり、制御性の向上を図ることができる。特に、パイロットクラッチ34とトルクカム機構36と、メインクラッチ37を備えた構成としたため、パイロットクラッチ34の締結トルクを、トルクカム推力により増幅して大径のメインクラッチトルクとすることが可能であり、短い軸方向寸法で大きなトルクを伝達することができる。
【0070】
また、電磁多板クラッチ40は締結力を電磁力で得ており、油圧力を用いないため、オイルポンプ50として潤滑用の低圧ポンプのみ備えればよく、エンジン負荷を軽減することができる。
【0071】
また、延長摩擦部202g’と外輪の摩擦力を用いて保持器202gを回転方向に移動すると、外輪の内周は円筒状であるのに対し、内輪の外周は直線で結ばれた正多面体である。すなわち、外輪内周と内輪外周との隙間が正多面体各面中央位置よりどちらにずれたとしても狭くなることを利用して、外輪と内輪の間のローラによりカム力を発生させ、2ウェイクラッチ301〜305を締結するため、保持器の軸方向及び回転方向への僅かなストロークによって締結・解放を制御することができる。
【0072】
また、DCモータ25により駆動される変速アクチュエータにより2ウェイクラッチ301〜305の締結・解放を制御することで、正確に締結制御を実行することができる。よって、従来のシンクロ機構に比べて極めて応答性が高く、また、ドグクラッチに比べて、正確に締結制御を実行できる。
【0073】
また、変速時に電磁多板クラッチ40を解放することで、多段変速機20へのトルクの入力がない状態で2ウェイクラッチ301〜305を解放することができるため、回転方向戻しバネ202g’及び軸方向戻しバネ202hのバネ力を小さく設定することができる。
【0074】
また、変速時にはエンジン回転数を制御して電磁多板クラッチ40の締結制御を実行することで、2ウェイクラッチ301〜305のローラロックに伴うショックを確実に抑制することができる。
【0075】
また、DCモータ25モータにかかる負荷は、軸方向戻しバネ202hのバネ力と保持器202gが外輪と若干連れ回る程度の軸方向押圧力が回転方向に変換されたものであり、非常に小さな負荷がかかるだけであるため、DCモータ25の小型化を図ることができる。また、従来のシンクロ機構より遙かに小さな移動ストロークで変速できるため、変速応答性の向上を図ることができる。
【0076】
また、2速用2ウェイクラッチ302の保持器延長面と、3速用2ウェイクラッチ303の保持器延長面は、シフトスリーブ312平面部と対面し、4速用2ウェイクラッチ304の保持器延長面と、5速用2ウェイクラッチ305の保持器延長面は、シフトスリーブ313平面部と対面構成としたため、それぞれの2ウェイクラッチのローラのロックは、シフトスリーブ312,313の中立状態を挟んで、わずかに左右に移動させるのみで達成でき、軸方向寸法を短縮することができる。
【0077】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態1について説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における多段変速機の全体構成を表すシステム図である。
【図2】実施の形態1における多段変速機のA−B−C断面及びD−E−F断面図である。
【図3】実施の形態1における多段変速機のG−H−I断面図である。
【図4】実施の形態1における多段変速機の軸配置の概略を表す正面図である。
【図5】実施の形態1におけるシフトドラムの展開図である。
【図6】実施の形態1における2ウェイクラッチの断面図及び正面図である。
【図7】実施の形態1における2ウェイクラッチの締結・解放状態を表す図である。
【図8】実施の形態1における多段変速機の変速制御内容を表すフローチャートである。
【図9】実施の形態1における多段変速機のアップシフト変速制御を表すタイムチャートである。
【図10】実施の形態1における多段変速機のダウンシフト変速制御を表すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 ケース部材
1 第1ケース部材
1a フロントカバー
2 第2ケース部材
4 シャフトステータ
4b シャフト支持部
4d チェーンスプロケット支持部
4a 隔壁部
20 多段変速機
21 第1駆動軸
21a 第1駆動軸側スプラインハブ
22 第2駆動軸
23 出力軸
24 アイドラ軸
24a,24b 皿バネ
25 DCモータ
26 シフトドラム
27 シフトドラム駆動軸
27’ ボールスプライン
30 ダンパ
30a ダンパ側スプラインハブ
30c アウタ部材
30d インナ部材
32c メインクラッチハブ
32a 第1入力ドラム
32b 第2入力ドラム
33 ロータ
33a オイルポンプ駆動爪
34 パイロットクラッチ
35 電磁石
36 トルクカム機構
37 メインクラッチ
40 電磁多板クラッチ
50 オイルポンプ
202g 延長摩擦部
202a 延長部円筒内周面
202b 内輪
202b’ 突起部
202c ローラ
202e 延長端部(外輪端面)
202f 回転方向戻しバネ
202f’ 屈曲部
202g 保持器
202g’ 保持器延長摩擦部
202g’’ 摩擦材
202h 軸方向戻しバネ
261a,262a,263a カム溝
301〜305 2ウェイクラッチ
312 シフトスリーブ
312a 台座
312b 滑り軸受け
312c スラスト軸受け
312d シフトスリーブ平面部
321 シフトフォーク
321a ノックピン
324 シフトフォーク摺動用シャフト

Claims (6)

  1. 複数の平行軸に設けられ、変速段毎の常時噛合歯車のトルク伝達経路を切り換えることで変速を達成する多段変速機構と、
    エンジンと前記多段変速機構との動力伝達を行う発進要素であって、電気的な指令信号に基づいて伝達トルクを制御可能な電磁多板クラッチと、
    を備えた多段変速機であって、
    前記平行軸と前記常時噛合歯車との締結・解放を行う2ウェイクラッチと、該2ウェイクラッチの締結・解放を切り換える変速アクチュエータとを設け、
    前記変速アクチュエータを、電動モータにより回転位置が制御されるシフトドラムと、該シフトドラムに設けられたカム溝にならって軸方向に移動可能なシフトフォークと、該シフトフォークに対して自在に回転しつつ、軸方向はシフトフォークと一体に移動するシフトスリーブと、から構成し、
    前記シフトドラムの回転によりシフトフォークを軸方向に移動させ、シフトフォークの移動に伴うシフトスリーブの軸方向の移動によって前記延長摩擦部を軸方向外輪端面側に押圧することで前記延長摩擦部と前記外輪端面を摩擦係合させ、前記保持器に回転抵抗を付与することで前記保持器を回転方向に移動させ、前記外輪と前記内輪をローラのカム力により前記2ウェイクラッチを締結することで各変速段を達成することを特徴とする多段変速機。
  2. 請求項1に記載の多段変速機において、
    前記シフトドラムの軸方向両端部に軸方向中央部に付勢する弾性体を介して回転可能に支持したことを特徴とする多段変速機。
  3. 請求項1または2に記載の多段変速機において、
    前記平行軸に前記シフトスリーブを回転可能にフローティング支持すると共に、前記平行軸と一体に回転し、軸方向に摺動可能な台座を設けたことを特徴とする多段変速機。
  4. 請求項1ないし3に記載の多段変速機において、
    前記延長摩擦部の前記シフトスリーブとの当接部に、低摩擦材を介在させたことを特徴とする多段変速機。
  5. 請求項1ないし4に記載の多段変速機において、
    前記保持器を前記外輪端面と前記延長摩擦部が摩擦係合しない位置に軸方向付勢する軸方向戻しバネを設けたことを特徴とする多段変速機。
  6. 請求項1ないし5に記載の多段変速機と、
    エンジンの回転数を制御するエンジン制御手段と、
    車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
    検出された走行状態に基づいて前記多段変速機の変速段を決定し、前記多段変速機に対し変速指令を出力する変速制御手段と、
    を備え、
    前記変速制御手段は、前記電磁多板クラッチの締結状態を制御するクラッチ制御部と、前記電動モータの駆動位置を制御するモータ制御部と、エンジン制御手段に対し変速時の目標エンジン回転数を出力するエンジン制御指令部と、エンジン回転数と目標エンジン回転数が予め設定された所定回転数差未満かどうかを判断する同期判断部を有し、
    変速指令が出力されたときは、前記クラッチ制御部により前記電磁多板クラッチを解放状態とし、かつ、前記モータ制御部により前記2ウェイクラッチが中立位置となるように前記シフトドラムの回転角制御を実行し、前記エンジン制御指令部により変速後の目標エンジン回転数となるエンジン回転数制御を実行し、
    前記同期判断部によりエンジン回転数がほぼ目標エンジン回転数に同期したと判断した時点で、前記電磁多板クラッチを締結制御し、それと同時に動力伝達すべき歯車に内蔵された2ウェイクラッチを締結するように前記シフトドラムの回転角制御を実行することを特徴とする多段変速機の変速制御装置。
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