JP2004316794A - 回転台 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転台を量産した場合にも、いずれの回転台においても常に同一の力で動力伝達機構の2つの伝達体間の連結が解かれるように簡単に調整する。
【解決手段】基台2の上側に載台4を回転可能に設けてあり、モータ26の動力を動力伝達機構16を介して載台4に伝達して、載台4を回転させる。動力伝達機構16が、平歯車18を有し、平歯車18は、基台2側に回転自在に支持され、かつ雄ネジ32が周囲に形成された挿通軸30を有している。挿通軸30に平歯車20が挿通され、平歯車20は、挿通軸30の回りに平歯車18と面接触する部分を有している。挿通軸30に挿通されて、平歯車18と共に平歯車20をクラッチナット34が挟持し、平歯車20を平歯車18に押圧する。平歯車20の上面に所定角度ごとに複数の目盛り38を設け、クラッチナット34の上面に、目盛り38を指示可能な指示体40を設ける。平歯車20にモータ26から動力が伝達され、平歯車18が載台4に駆動力を伝達する。
【選択図】 図1
【解決手段】基台2の上側に載台4を回転可能に設けてあり、モータ26の動力を動力伝達機構16を介して載台4に伝達して、載台4を回転させる。動力伝達機構16が、平歯車18を有し、平歯車18は、基台2側に回転自在に支持され、かつ雄ネジ32が周囲に形成された挿通軸30を有している。挿通軸30に平歯車20が挿通され、平歯車20は、挿通軸30の回りに平歯車18と面接触する部分を有している。挿通軸30に挿通されて、平歯車18と共に平歯車20をクラッチナット34が挟持し、平歯車20を平歯車18に押圧する。平歯車20の上面に所定角度ごとに複数の目盛り38を設け、クラッチナット34の上面に、目盛り38を指示可能な指示体40を設ける。平歯車20にモータ26から動力が伝達され、平歯車18が載台4に駆動力を伝達する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品を載せて、回転させる回転台に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、回転台としては、例えば特許文献1に開示されているものがある。
【0003】
【特許文献1】
実公平4−28141号公報
【0004】
特許文献1の技術は、基台の上側に載台を回転可能に設け、原動機の発生する動力が動力伝達装置を介して載台に伝達され、載台を回転させるものである。この動力伝達装置では、載台側に動力を伝達するように第1の伝達体が設けられ、原動機の動力によって回転するように、かつ、第1の伝達体と面接触するように第2の伝達体が設けられている。第1及び第2の伝達体の接触面間に連結体が設けられている。連結体は、載台が非拘束状態において、第2の伝達体の回転が第1の伝達体に伝達され、載台が拘束状態では、第1及び第2の伝達体間の連結を切り離すように構成されている。具体的には、連結体としては、例えば第1の伝達体の一部に形成した溝と、この溝に係合離脱可能に第2の伝達体に形成した突部とからなるものや、第1の伝達体と第2の伝達体との接触面に塗布されたグリースがある。このように連結体を設けることによって、例えば載台上の物品と、その周囲の壁との間に人の指等が挟まれて、第1の伝達体の回転が拘束されたとき、第1及び第2の伝達体の連結が解除されるので、それ以上、載台が回転することがなく、人が大けがをすることを防止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
溝と突部とを用いた連結体では、溝から突部が離脱して、第1及び第2の伝達体間の連結を解く際に、第2の伝達体が上下動するので、騒音が大きい。グリースを連結体として用いるものでは、騒音の問題は発生しないが、どの程度の力で第1の伝達体が拘束されたときに、第1及び第2の伝達体間の連結が解かれるかは、グリースの粘性に大きく左右される。グリースの粘性は、塗布される厚みや周囲温度によって変化するので、回転台を量産する場合に、いずれの回転台においても、同じ力で第1の回転台が拘束されたときに、第1及び第2の伝達体間の連結が解かれるように調整することが困難であった。
【0006】
本発明は、量産した場合にも、常に同一の力で2つの伝達体間の連結が解かれるように簡単に調整することができる回転台を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による回転台では、基台の上側に載台を回転可能に設けてある。載台には、回転させる必要のある物品、例えばテレビジョン受像機が配置される。原動機、例えば電気モータの発生する動力を動力伝達機構を介して載台に伝達することによって載台を回転させる。動力伝達機構は、第1及び第2の回転伝達体を有している。第1の回転伝達体は、基台側に回転自在に支持されている。この支持は、例えば第1の回転伝達体の1つの面にほぼ垂直に回転軸を設け、この回転軸を軸受することによって行うことができる。基台に直接に第1の回転伝達体を支持することもできるし、或いは、適当なハウジングの底壁に回転自在に第1の回転伝達体を支持し、このハウジングの底壁が基台に接触するようにハウジングを基台に取り付けることもできる。第1の回転伝達体としては、上記回転軸の周囲に複数の波を有する歯車、具体的には平歯車を使用することができる。第1の回転伝達体は、挿通軸も有している。挿通軸は、上記回転軸と同一直線上に位置することが望ましく、例えば上述した平面と平行な別の平面に設けることができる。この挿通軸の周囲に第1のネジが形成されている。第1のネジは、挿通軸の外面に形成した雄ネジ及び挿通軸の内面に形成した雌ネジの一方とすることができる。第2の回転伝達体は、挿通軸に挿通されている。第2の回転伝達体は、挿通軸の回りに、第1の回転伝達体と面接触する部分を有している。この面接触部分は、例えば上述した別の平面と接触するように形成することが望ましい。第2の回転伝達体も上記挿通軸の回りに複数の歯を有する歯車、例えば平歯車とすることができる。挿通軸に押圧部材が挿通されている。押圧部材は、第1の回転伝達体と共に第2の回転伝達体を挟持する。さらに、押圧部材は、第1のネジと螺合する第2のネジを有している。第1のネジが雄ネジの場合、第2のネジは雌ネジであり、この場合、押圧部材はナットによって構成することができる。第1のネジが雌ネジの場合、第2のネジは雄ネジである。この場合、押圧部材は、ボルトによって構成することができる。押圧部材が、挿通軸の回りに回転することによって第1及び第2のネジの螺合状態が変化する。即ち、押圧部材が第2の回転伝達体を第1の回転伝達体に押圧する押圧力が第1及び第2のネジの螺合状態によって調整される。第1及び第2の回転体のうち一方または前記押圧部材の挿通軸にほぼ垂直な面に、複数の目盛りが、挿通軸の回りに沿って所定角度ごとに設けられている。これら目盛りが第1及び第2の回転体のうち一方に設けられている場合、前記押圧部材の挿通軸にほぼ垂直な面に、目盛りを指示可能に指示体が設けられ、目盛りが押圧部材に設けられている場合、第1及び第2の回転体のうち一方の挿通軸にほぼ垂直な面に、目盛りを支持可能に指示体が設けられている。第1の回転伝達体が原動機から動力を受けて回転する場合、第2の回転伝達体が第1の回転伝達体の回転に従って載台に動力を伝達する。逆に、第2の回転伝達体が原動機から動力を受けて回転する場合、第1の回転伝達体が第2の回転伝達体の回転に従って載台に動力を伝達する。なお、第1及び第2の回転伝達体、押圧部材は、例えば合成樹脂によって構成することができる。
【0008】
このように構成した回転台では、押圧部材における第2のネジと挿通軸の第1のネジとの螺合状態によって、第2の回転伝達体を第1の回転伝達体に押圧する押圧力を調整することができる。従って、この調整を適切に行うことによって、第1及び第2の回転伝達体のうち載台に動力を伝達する側が拘束されたとき、第1及び第2の回転伝達体の間でスリップが生じ、動力の伝達が中止される。第2の回転伝達体を大きな力で第1の伝達体に押圧しているときには、このスリップが生じる力を大きくでき、第2の回転伝達体を小さな力で第1の伝達体に押圧しているときには、このスリップが生じる力を小さくできる。そして、1台の回転台において、必要とされる力で第1及び第2の回転伝達体がスリップするように調整が行われたとき、指示体が支持している目盛りの位置を読み取る。そして、同じ構成の他の回転台においても、指示体が同じ目盛りの位置を支持するように、第1及び第2のネジの螺合状態を調整する。これによって、量産される多数の回転台は、全て同じ力で第1及び第2の回転伝達体の一方が拘束されたとき、両者の間でスリップが生じるようになる。
【0009】
第1のネジを挿通軸の外周面に雄ネジとして形成した場合、押圧部材は、挿通軸に挿通される貫通孔を備えたものとすることができる。この場合、この貫通孔の内周面に、第2のネジが雌ネジとして形成される。さらに、第2のネジを雌ネジとした押圧部材は、クラッチナットによって構成することができる。クラッチナットを使用した場合、一度、雄ネジに螺合させておくと、長期にわたって使用していても、自然にクラッチナットが緩むことが無く、第1及び第2の回転伝達体の一方が拘束されたとき、両者の間でスリップが生じる力が変化することがない。
【0010】
押圧部材における第1の回転伝達体側の面に、前記挿通軸の回りに第1の回転伝達体側に突出した環状の突出部を形成することもできる。例えば第2の回転伝達体の1つの面全体で、第1の回転伝達体の1つの面を押すと、押圧部材の大きさ等によって、第1の回転伝達体の1つの面全体に均等に押圧力が加わらず、第1の回転伝達体に歪みが生じる可能性がある。しかし、環状の突出部によって第1の回転伝達体の1つの面を押圧すると、歪みが生じにくい。しかも、第2の押圧部材を、合成樹脂で構成した場合には、幾分の弾性を有するので、この環状突出部がダンパーとしても機能する。
【0011】
また、挿通軸に押圧部材の緩み止め具を取り付けることもできる。緩み止め具を取り付けることによって、押圧部材にある第2のネジの挿通軸にある第1のネジへの螺合状態が継続して維持され、回転台を長年にわたって使用しても、スリップを生じる力が一定となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の1実施形態の回転台は、図3に示すように、基台2を有している。この基台2は、概略円形に形成された底壁部2aを有している。その底壁部2の周縁部全域において上方に向かって底壁部2aにほぼ垂直に立ち上がった周壁部2bが一体に形成されている。これら底壁部2a及び周壁部2bによって、上面が開口した扁平な円柱状に基台2が形成されている。
【0013】
基台2の上面の開口内に、載台4が収容されている。載台4は、基台2の上面開口よりも幾分小さい円板状に形成され、底壁部2aと同心円状に基台2の上面とほぼ同一水平面上に位置するように配置され、かつその中心が回転自在に底壁部2aに支持されている。図3に符号6で示すのが、その回転軸である。図示していないが、載台4の周縁部から基台2内に向かって、周壁部が形成されている。この周壁部の下端は、図3には概略的に示したが、転動体、例えばローラ8に接触している。これらローラ8は、基台2内に所定角度、例えば60度間隔に設けられ、それらの回転軸は、底壁部2aの中心側を向くようにそれぞれ配置されている。このようにローラ8によって支持され、かつ回転軸6が設けられているので、載台4は、回転軸6の回りに回転自在である。載台4の下面の外周縁部よりも幾分内側には、環状に内歯平歯車10が形成されている。この載台4の上面には、被回転物、例えばテレビジョン受像機が配置される。
【0014】
基台2の内歯車10よりも内側の位置に、ギアボックス12が配置されている。このギアボックス12は、図3に概略的に示す歯車、例えば外歯平歯車14を有している。この外歯平歯車14の歯は、内場平歯車10の歯に噛み合っており、外歯平歯車14が回転することによって、載台4が回転する。
【0015】
図4に示すように、外歯平歯車14は、動力伝達機構16の第1の回転伝達体、例えば外歯平歯車18に噛み合っている。この動力伝達機構16は、平歯車18と同軸に配置された第2の回転伝達機構、例えば外歯平歯車20も有している。後述するように、平歯車18、20は、両者が連結された状態と、非連結状体とのいずれかを取るように構成されている。外歯平歯車20は、別の外歯平歯車22と噛み合っている。この外歯平歯車22と同軸に外歯平歯車24が形成されている。この外歯平歯車24は、原動機、例えば電気モータ26の回転軸に結合されたウオームギア28に噛み合っている。従って、モータ26が回転することによって、ウオームギア28が回転し、その回転が、歯車24、22、20、18を介して歯車14に伝達され、載台4が回転する。これら各歯車14、18、20、22及びウオームギア28は、例えば合成樹脂製のものである。
【0016】
図1に示すように、動力伝達機構16の歯車18は、円板状部18aを有し、その一方の面、例えば下面の中央に短円筒状部18bが一体に設けられている。この短円筒状部18は、内部が中空であって、下部が開放されており、その外周面にその外周面に沿って複数の歯18cが形成されている。この短円筒状部18bの中心に回転軸18dが短円筒状部18bの下端から平板状部18bの下面にほぼ垂直に突出するように形成されている。この回転軸18dは、ハウジング12の底壁12aに形成したボス12b内に挿通されている。これによって平歯車18は回転自在に支持されている。ボス12bはその外周面が短円筒状部18bの内周面と接触し、ボス12bの内孔に回転軸18dが挿通されている。なお、ハウジング12の底壁12aは、基台2の底壁部2aに接触するように配置されている。
【0017】
平板状部18aにおいて、短円筒状部18bが設けられている側と反対側の平面、例えば上面側には、短円筒状部18bと同心に、挿通軸30が形成されている。この挿通軸30は、短円筒状部18bとほぼ同一の大きさであって、上部が開放され、内部が中空に形成されている。この挿通軸の外周面には、その長さ方向に沿って第1のネジ、例えば雄ネジ32が形成されている。
【0018】
この挿通軸30に、平歯車20が回転自在に挿通されている。平歯車20は、中心に貫通孔20aを有する円板状部20bの外周面に複数の歯20cを形成したものである。この円板状部20bは、平歯車18の円板状部18aよりも直径が大きなものである。この円板状部20bの挿通軸30の突出側と反対側の面には、平歯車18の円板状部18aが内部に収容可能な凹所20dが形成されている。この凹所20dの内奥面に、平歯車18の円板状部18aの上面が面接触し、両者が摩擦結合されている。なお、この凹所20dは、円板状部20bの下面と円板状部18aの下面とが一致するように、その深さが選択されている。
【0019】
挿通軸30には、さらに押圧部材、例えばクラッチナット34が、平歯車20よりも上方に挿通されている。従って、クラッチナット34は、平歯車18と共に、平歯車20を挟んでいる。このクラッチナット34は、その中央に貫通孔を有し、この貫通孔が、挿通軸30に挿通されている。この貫通孔の内周面に第2のネジ、例えば雌ネジ36が形成されている。この雌ネジ36は、クラッチナット用のものであり、雄ネジ32と螺合すると、容易にその螺合が外れないものである。このクラッチナット34における平板状部20bの上面と対向する面には、挿通軸30と同心に、環状の突部34aが形成されている。この突部34aが、平板状部20bを平板状部18a側に押圧している。
【0020】
雌ネジ36を強固に雄ネジ32に螺合させると、突部34aが平歯車20の平板状部20bを平歯車18の平板状部18a側に強固に押圧する。即ち、平歯車18、20の平板状部18a、20bの摩擦結合が大きくなる。この場合、何らかの原因で、載台4にその回転を阻止する方向の力がかかっても、その力がかなり大きいときに、初めて、平板状部18a、20bがスリップし、載台4は回転を中止する。
【0021】
雌ネジ36を緩く雄ネジ32に螺合させると、突部34aが平歯車20の平板状部20bを平歯車18a側に緩く押圧する。即ち、平歯車18、20の平板状部18a、20bの摩擦結合が小さくなる。この場合、何らかの原因で、載台4にその回転を阻止する方向の力が掛かった場合、その力が比較的小さくても、平板状部18a、20bがスリップし、載台4は回転を中止する。
【0022】
このようにクラッチナット34の螺合状態を調整することによって、平板状部18a、20bがスリップを開始する力を任意に調整することができる。なお、スリップをしている状態で、載台4に加えられている力が取り除かれると、平板状部18a、20bは再び摩擦結合し、載台4は回転を開始する。従って、例えば載台4上のテレビジョン受像機とその周囲の壁との間に、人の指が挟まった状態で、載台4の回転を中止させる状態にも、或いは幼児がテレビジョン受像機とその周囲の壁との間に挟まった状態で、載台4の回転を中止させる状態にも、任意に調整することができる。
【0023】
この押圧は、環状突部34aが、平板状部20bの上面を押圧することによって行っているので、平板状部20bが変形することがない。また、環状突部34aも、クラッチナット34と同様に合成樹脂製であるので、或る程度の弾性を持っているので、ダンパーとしても機能する。
【0024】
ところで、どの程度の力が載台4に加わったときに、平板状部18a、20bがスリップを開始するかについて、ユーザーから微妙な要求がでることがある。例えばあと1Kg大きくして欲しいとか、小さくして欲しいとかというような要求がでることがある。この場合、クラッチナット34の螺合状態を調整するが、どの程度調整すればよいかは、微妙である。このような微妙な調整を、量産している各回転台ごとに行うのは、非常に面倒であり、大量の時間がかかるし、多数の回転台を同一の力が加わったときに、スリップするように調整することもかなり困難である。
【0025】
そこで、この回転台では、図2に示すように、平歯車20の平板状部20bの上面、即ち挿通軸32に対して垂直な面に、それの中心と同心円状に、所定角度、例えば1度ごとに合計360個の目盛り38が形成されている。この目盛り38を支持する指示体40が、クラッチナット34の上面、即ち挿通軸32に対して垂直な面に形成されている。従って、或る回転台において、ユーザーの要求する力において、平板状部18a、20bがスリップするように調整が終了すると、そのとき指示体40が支持している目盛り38の位置を確認し、他の回転台においても、目盛り38の同じ位置を指示体40が指示するように、クラッチナット34を螺合させる。これによって、全ての回転台に同じ力が加わったときに、平板状部18a、20bがスリップするように、各回転台を容易に調整することができる。また、或る力でスリップするように、各回転台において調整が行われていて、その力を別の力に変更するようにユーザーから要求があった場合でも、1台の回転台において、現在指示体40が指示している目盛り34の位置から何目盛り分だけ、どちらの方向にクラッチナット34を回転させればよいかを検討すると、各回転台において、その検討された目盛りの数だけクラッチナット34を回転させることによって、対応することができる。
【0026】
クラッチナット34の上部には、緩み止め部材、例えばワッシャー42と、ボリュームナット44とが設けられている。即ち、ワッシャー42が挿通軸32に挿通され、さらに、ボリュームナット44が挿通軸32に挿通され、クラッチナット34を押圧している。元々、クラッチナット34は緩みにくい上に、ワッシャー42とボリュームナット44とを設けているので、さらにクラッチナット34が緩むことがなく、長年にわたって回転台を使用しても、平板状部18a、20bがスリップを開始する力が変化することはない。
【0027】
上記の実施の形態では、平板状部18aを平板状部20bの凹所20d内に収容したが、必ずしも凹所20dを形成する必要はなく、平板状部18aと平板状部20bとが面接触するように配置すればよい。また、クラッチナット34に環状突部34aを設けたが、場合によっては、これを除去することも可能である。
【0028】
上記の実施の形態では、平板状部20bを平板状部18aよりも大きく形成したが、場合によっては、平板状部20bを平板状部18aよりも小さく形成することもできる。この場合、目盛り38を直径の大きい平板状部18a側に設けることもできる。
【0029】
また、上記の実施の形態では、目盛り38を平板状部20bに設け、クラッチナット34に指示体40を形成したが、逆に目盛り38をクラッチナット34に設け、指示体40を平板状部18a(直径が平板状部20bよりも大きい場合)または平板状部20bに形成することもできる。
【0030】
また、上記の実施の形態では、平歯車20側をモータ26側とし、即ち主軸側とし、平歯車18側を載台4側、即ち従軸側としたが、逆に平歯車20側を従軸側とし、平歯車18側を主軸側としてもよい。
【0031】
また、上記の実施の形態では、クラッチナット34を用いたが、これに限ったものではなく、例えば通常の平ナットを使用することもできる。上記の実施の形態では、押圧部材としてナットを用いたが、例えば挿通軸30の内周面に雌ネジを設け、これに螺合するボルトを設け、このボルトの頭部によって平歯車20の平板状部20bの上面を押圧するように構成することもできる。
【0032】
上記の実施の形態では、ワッシャー42、ボリュームナット44を設けたが、クラッチナット34のみを設けることもできる。上記の実施の形態では、上記の実施の形態では、平歯車14、22、24を設けたが、場合によっては、これらは不要で、平歯車20をウオームギア28によって直接に回転させ、平歯車18によって直接に内歯平歯車10を回転させることもできる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、回転台を量産した場合にも、いずれの回転台においても、常に同一の力で2つの伝達体間の連結が解かれるように簡単に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態の回転台の主要部である動力伝達機構の縦断面図である。
【図2】図1の動力伝達機構の平面図である。
【図3】図1の回転台の平面図である。
【図4】図1の動力伝達機構を備えたギアボックスの内部構造の平面図である。
【符号の説明】
2 基台
4 載台
12 動力伝達機構
18 平歯車(第1の回転伝達体)
20 平歯車(第2の回転伝達体)
30 挿通軸
32 雄ネジ
34 クラッチナット(押圧部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品を載せて、回転させる回転台に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、回転台としては、例えば特許文献1に開示されているものがある。
【0003】
【特許文献1】
実公平4−28141号公報
【0004】
特許文献1の技術は、基台の上側に載台を回転可能に設け、原動機の発生する動力が動力伝達装置を介して載台に伝達され、載台を回転させるものである。この動力伝達装置では、載台側に動力を伝達するように第1の伝達体が設けられ、原動機の動力によって回転するように、かつ、第1の伝達体と面接触するように第2の伝達体が設けられている。第1及び第2の伝達体の接触面間に連結体が設けられている。連結体は、載台が非拘束状態において、第2の伝達体の回転が第1の伝達体に伝達され、載台が拘束状態では、第1及び第2の伝達体間の連結を切り離すように構成されている。具体的には、連結体としては、例えば第1の伝達体の一部に形成した溝と、この溝に係合離脱可能に第2の伝達体に形成した突部とからなるものや、第1の伝達体と第2の伝達体との接触面に塗布されたグリースがある。このように連結体を設けることによって、例えば載台上の物品と、その周囲の壁との間に人の指等が挟まれて、第1の伝達体の回転が拘束されたとき、第1及び第2の伝達体の連結が解除されるので、それ以上、載台が回転することがなく、人が大けがをすることを防止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
溝と突部とを用いた連結体では、溝から突部が離脱して、第1及び第2の伝達体間の連結を解く際に、第2の伝達体が上下動するので、騒音が大きい。グリースを連結体として用いるものでは、騒音の問題は発生しないが、どの程度の力で第1の伝達体が拘束されたときに、第1及び第2の伝達体間の連結が解かれるかは、グリースの粘性に大きく左右される。グリースの粘性は、塗布される厚みや周囲温度によって変化するので、回転台を量産する場合に、いずれの回転台においても、同じ力で第1の回転台が拘束されたときに、第1及び第2の伝達体間の連結が解かれるように調整することが困難であった。
【0006】
本発明は、量産した場合にも、常に同一の力で2つの伝達体間の連結が解かれるように簡単に調整することができる回転台を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による回転台では、基台の上側に載台を回転可能に設けてある。載台には、回転させる必要のある物品、例えばテレビジョン受像機が配置される。原動機、例えば電気モータの発生する動力を動力伝達機構を介して載台に伝達することによって載台を回転させる。動力伝達機構は、第1及び第2の回転伝達体を有している。第1の回転伝達体は、基台側に回転自在に支持されている。この支持は、例えば第1の回転伝達体の1つの面にほぼ垂直に回転軸を設け、この回転軸を軸受することによって行うことができる。基台に直接に第1の回転伝達体を支持することもできるし、或いは、適当なハウジングの底壁に回転自在に第1の回転伝達体を支持し、このハウジングの底壁が基台に接触するようにハウジングを基台に取り付けることもできる。第1の回転伝達体としては、上記回転軸の周囲に複数の波を有する歯車、具体的には平歯車を使用することができる。第1の回転伝達体は、挿通軸も有している。挿通軸は、上記回転軸と同一直線上に位置することが望ましく、例えば上述した平面と平行な別の平面に設けることができる。この挿通軸の周囲に第1のネジが形成されている。第1のネジは、挿通軸の外面に形成した雄ネジ及び挿通軸の内面に形成した雌ネジの一方とすることができる。第2の回転伝達体は、挿通軸に挿通されている。第2の回転伝達体は、挿通軸の回りに、第1の回転伝達体と面接触する部分を有している。この面接触部分は、例えば上述した別の平面と接触するように形成することが望ましい。第2の回転伝達体も上記挿通軸の回りに複数の歯を有する歯車、例えば平歯車とすることができる。挿通軸に押圧部材が挿通されている。押圧部材は、第1の回転伝達体と共に第2の回転伝達体を挟持する。さらに、押圧部材は、第1のネジと螺合する第2のネジを有している。第1のネジが雄ネジの場合、第2のネジは雌ネジであり、この場合、押圧部材はナットによって構成することができる。第1のネジが雌ネジの場合、第2のネジは雄ネジである。この場合、押圧部材は、ボルトによって構成することができる。押圧部材が、挿通軸の回りに回転することによって第1及び第2のネジの螺合状態が変化する。即ち、押圧部材が第2の回転伝達体を第1の回転伝達体に押圧する押圧力が第1及び第2のネジの螺合状態によって調整される。第1及び第2の回転体のうち一方または前記押圧部材の挿通軸にほぼ垂直な面に、複数の目盛りが、挿通軸の回りに沿って所定角度ごとに設けられている。これら目盛りが第1及び第2の回転体のうち一方に設けられている場合、前記押圧部材の挿通軸にほぼ垂直な面に、目盛りを指示可能に指示体が設けられ、目盛りが押圧部材に設けられている場合、第1及び第2の回転体のうち一方の挿通軸にほぼ垂直な面に、目盛りを支持可能に指示体が設けられている。第1の回転伝達体が原動機から動力を受けて回転する場合、第2の回転伝達体が第1の回転伝達体の回転に従って載台に動力を伝達する。逆に、第2の回転伝達体が原動機から動力を受けて回転する場合、第1の回転伝達体が第2の回転伝達体の回転に従って載台に動力を伝達する。なお、第1及び第2の回転伝達体、押圧部材は、例えば合成樹脂によって構成することができる。
【0008】
このように構成した回転台では、押圧部材における第2のネジと挿通軸の第1のネジとの螺合状態によって、第2の回転伝達体を第1の回転伝達体に押圧する押圧力を調整することができる。従って、この調整を適切に行うことによって、第1及び第2の回転伝達体のうち載台に動力を伝達する側が拘束されたとき、第1及び第2の回転伝達体の間でスリップが生じ、動力の伝達が中止される。第2の回転伝達体を大きな力で第1の伝達体に押圧しているときには、このスリップが生じる力を大きくでき、第2の回転伝達体を小さな力で第1の伝達体に押圧しているときには、このスリップが生じる力を小さくできる。そして、1台の回転台において、必要とされる力で第1及び第2の回転伝達体がスリップするように調整が行われたとき、指示体が支持している目盛りの位置を読み取る。そして、同じ構成の他の回転台においても、指示体が同じ目盛りの位置を支持するように、第1及び第2のネジの螺合状態を調整する。これによって、量産される多数の回転台は、全て同じ力で第1及び第2の回転伝達体の一方が拘束されたとき、両者の間でスリップが生じるようになる。
【0009】
第1のネジを挿通軸の外周面に雄ネジとして形成した場合、押圧部材は、挿通軸に挿通される貫通孔を備えたものとすることができる。この場合、この貫通孔の内周面に、第2のネジが雌ネジとして形成される。さらに、第2のネジを雌ネジとした押圧部材は、クラッチナットによって構成することができる。クラッチナットを使用した場合、一度、雄ネジに螺合させておくと、長期にわたって使用していても、自然にクラッチナットが緩むことが無く、第1及び第2の回転伝達体の一方が拘束されたとき、両者の間でスリップが生じる力が変化することがない。
【0010】
押圧部材における第1の回転伝達体側の面に、前記挿通軸の回りに第1の回転伝達体側に突出した環状の突出部を形成することもできる。例えば第2の回転伝達体の1つの面全体で、第1の回転伝達体の1つの面を押すと、押圧部材の大きさ等によって、第1の回転伝達体の1つの面全体に均等に押圧力が加わらず、第1の回転伝達体に歪みが生じる可能性がある。しかし、環状の突出部によって第1の回転伝達体の1つの面を押圧すると、歪みが生じにくい。しかも、第2の押圧部材を、合成樹脂で構成した場合には、幾分の弾性を有するので、この環状突出部がダンパーとしても機能する。
【0011】
また、挿通軸に押圧部材の緩み止め具を取り付けることもできる。緩み止め具を取り付けることによって、押圧部材にある第2のネジの挿通軸にある第1のネジへの螺合状態が継続して維持され、回転台を長年にわたって使用しても、スリップを生じる力が一定となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の1実施形態の回転台は、図3に示すように、基台2を有している。この基台2は、概略円形に形成された底壁部2aを有している。その底壁部2の周縁部全域において上方に向かって底壁部2aにほぼ垂直に立ち上がった周壁部2bが一体に形成されている。これら底壁部2a及び周壁部2bによって、上面が開口した扁平な円柱状に基台2が形成されている。
【0013】
基台2の上面の開口内に、載台4が収容されている。載台4は、基台2の上面開口よりも幾分小さい円板状に形成され、底壁部2aと同心円状に基台2の上面とほぼ同一水平面上に位置するように配置され、かつその中心が回転自在に底壁部2aに支持されている。図3に符号6で示すのが、その回転軸である。図示していないが、載台4の周縁部から基台2内に向かって、周壁部が形成されている。この周壁部の下端は、図3には概略的に示したが、転動体、例えばローラ8に接触している。これらローラ8は、基台2内に所定角度、例えば60度間隔に設けられ、それらの回転軸は、底壁部2aの中心側を向くようにそれぞれ配置されている。このようにローラ8によって支持され、かつ回転軸6が設けられているので、載台4は、回転軸6の回りに回転自在である。載台4の下面の外周縁部よりも幾分内側には、環状に内歯平歯車10が形成されている。この載台4の上面には、被回転物、例えばテレビジョン受像機が配置される。
【0014】
基台2の内歯車10よりも内側の位置に、ギアボックス12が配置されている。このギアボックス12は、図3に概略的に示す歯車、例えば外歯平歯車14を有している。この外歯平歯車14の歯は、内場平歯車10の歯に噛み合っており、外歯平歯車14が回転することによって、載台4が回転する。
【0015】
図4に示すように、外歯平歯車14は、動力伝達機構16の第1の回転伝達体、例えば外歯平歯車18に噛み合っている。この動力伝達機構16は、平歯車18と同軸に配置された第2の回転伝達機構、例えば外歯平歯車20も有している。後述するように、平歯車18、20は、両者が連結された状態と、非連結状体とのいずれかを取るように構成されている。外歯平歯車20は、別の外歯平歯車22と噛み合っている。この外歯平歯車22と同軸に外歯平歯車24が形成されている。この外歯平歯車24は、原動機、例えば電気モータ26の回転軸に結合されたウオームギア28に噛み合っている。従って、モータ26が回転することによって、ウオームギア28が回転し、その回転が、歯車24、22、20、18を介して歯車14に伝達され、載台4が回転する。これら各歯車14、18、20、22及びウオームギア28は、例えば合成樹脂製のものである。
【0016】
図1に示すように、動力伝達機構16の歯車18は、円板状部18aを有し、その一方の面、例えば下面の中央に短円筒状部18bが一体に設けられている。この短円筒状部18は、内部が中空であって、下部が開放されており、その外周面にその外周面に沿って複数の歯18cが形成されている。この短円筒状部18bの中心に回転軸18dが短円筒状部18bの下端から平板状部18bの下面にほぼ垂直に突出するように形成されている。この回転軸18dは、ハウジング12の底壁12aに形成したボス12b内に挿通されている。これによって平歯車18は回転自在に支持されている。ボス12bはその外周面が短円筒状部18bの内周面と接触し、ボス12bの内孔に回転軸18dが挿通されている。なお、ハウジング12の底壁12aは、基台2の底壁部2aに接触するように配置されている。
【0017】
平板状部18aにおいて、短円筒状部18bが設けられている側と反対側の平面、例えば上面側には、短円筒状部18bと同心に、挿通軸30が形成されている。この挿通軸30は、短円筒状部18bとほぼ同一の大きさであって、上部が開放され、内部が中空に形成されている。この挿通軸の外周面には、その長さ方向に沿って第1のネジ、例えば雄ネジ32が形成されている。
【0018】
この挿通軸30に、平歯車20が回転自在に挿通されている。平歯車20は、中心に貫通孔20aを有する円板状部20bの外周面に複数の歯20cを形成したものである。この円板状部20bは、平歯車18の円板状部18aよりも直径が大きなものである。この円板状部20bの挿通軸30の突出側と反対側の面には、平歯車18の円板状部18aが内部に収容可能な凹所20dが形成されている。この凹所20dの内奥面に、平歯車18の円板状部18aの上面が面接触し、両者が摩擦結合されている。なお、この凹所20dは、円板状部20bの下面と円板状部18aの下面とが一致するように、その深さが選択されている。
【0019】
挿通軸30には、さらに押圧部材、例えばクラッチナット34が、平歯車20よりも上方に挿通されている。従って、クラッチナット34は、平歯車18と共に、平歯車20を挟んでいる。このクラッチナット34は、その中央に貫通孔を有し、この貫通孔が、挿通軸30に挿通されている。この貫通孔の内周面に第2のネジ、例えば雌ネジ36が形成されている。この雌ネジ36は、クラッチナット用のものであり、雄ネジ32と螺合すると、容易にその螺合が外れないものである。このクラッチナット34における平板状部20bの上面と対向する面には、挿通軸30と同心に、環状の突部34aが形成されている。この突部34aが、平板状部20bを平板状部18a側に押圧している。
【0020】
雌ネジ36を強固に雄ネジ32に螺合させると、突部34aが平歯車20の平板状部20bを平歯車18の平板状部18a側に強固に押圧する。即ち、平歯車18、20の平板状部18a、20bの摩擦結合が大きくなる。この場合、何らかの原因で、載台4にその回転を阻止する方向の力がかかっても、その力がかなり大きいときに、初めて、平板状部18a、20bがスリップし、載台4は回転を中止する。
【0021】
雌ネジ36を緩く雄ネジ32に螺合させると、突部34aが平歯車20の平板状部20bを平歯車18a側に緩く押圧する。即ち、平歯車18、20の平板状部18a、20bの摩擦結合が小さくなる。この場合、何らかの原因で、載台4にその回転を阻止する方向の力が掛かった場合、その力が比較的小さくても、平板状部18a、20bがスリップし、載台4は回転を中止する。
【0022】
このようにクラッチナット34の螺合状態を調整することによって、平板状部18a、20bがスリップを開始する力を任意に調整することができる。なお、スリップをしている状態で、載台4に加えられている力が取り除かれると、平板状部18a、20bは再び摩擦結合し、載台4は回転を開始する。従って、例えば載台4上のテレビジョン受像機とその周囲の壁との間に、人の指が挟まった状態で、載台4の回転を中止させる状態にも、或いは幼児がテレビジョン受像機とその周囲の壁との間に挟まった状態で、載台4の回転を中止させる状態にも、任意に調整することができる。
【0023】
この押圧は、環状突部34aが、平板状部20bの上面を押圧することによって行っているので、平板状部20bが変形することがない。また、環状突部34aも、クラッチナット34と同様に合成樹脂製であるので、或る程度の弾性を持っているので、ダンパーとしても機能する。
【0024】
ところで、どの程度の力が載台4に加わったときに、平板状部18a、20bがスリップを開始するかについて、ユーザーから微妙な要求がでることがある。例えばあと1Kg大きくして欲しいとか、小さくして欲しいとかというような要求がでることがある。この場合、クラッチナット34の螺合状態を調整するが、どの程度調整すればよいかは、微妙である。このような微妙な調整を、量産している各回転台ごとに行うのは、非常に面倒であり、大量の時間がかかるし、多数の回転台を同一の力が加わったときに、スリップするように調整することもかなり困難である。
【0025】
そこで、この回転台では、図2に示すように、平歯車20の平板状部20bの上面、即ち挿通軸32に対して垂直な面に、それの中心と同心円状に、所定角度、例えば1度ごとに合計360個の目盛り38が形成されている。この目盛り38を支持する指示体40が、クラッチナット34の上面、即ち挿通軸32に対して垂直な面に形成されている。従って、或る回転台において、ユーザーの要求する力において、平板状部18a、20bがスリップするように調整が終了すると、そのとき指示体40が支持している目盛り38の位置を確認し、他の回転台においても、目盛り38の同じ位置を指示体40が指示するように、クラッチナット34を螺合させる。これによって、全ての回転台に同じ力が加わったときに、平板状部18a、20bがスリップするように、各回転台を容易に調整することができる。また、或る力でスリップするように、各回転台において調整が行われていて、その力を別の力に変更するようにユーザーから要求があった場合でも、1台の回転台において、現在指示体40が指示している目盛り34の位置から何目盛り分だけ、どちらの方向にクラッチナット34を回転させればよいかを検討すると、各回転台において、その検討された目盛りの数だけクラッチナット34を回転させることによって、対応することができる。
【0026】
クラッチナット34の上部には、緩み止め部材、例えばワッシャー42と、ボリュームナット44とが設けられている。即ち、ワッシャー42が挿通軸32に挿通され、さらに、ボリュームナット44が挿通軸32に挿通され、クラッチナット34を押圧している。元々、クラッチナット34は緩みにくい上に、ワッシャー42とボリュームナット44とを設けているので、さらにクラッチナット34が緩むことがなく、長年にわたって回転台を使用しても、平板状部18a、20bがスリップを開始する力が変化することはない。
【0027】
上記の実施の形態では、平板状部18aを平板状部20bの凹所20d内に収容したが、必ずしも凹所20dを形成する必要はなく、平板状部18aと平板状部20bとが面接触するように配置すればよい。また、クラッチナット34に環状突部34aを設けたが、場合によっては、これを除去することも可能である。
【0028】
上記の実施の形態では、平板状部20bを平板状部18aよりも大きく形成したが、場合によっては、平板状部20bを平板状部18aよりも小さく形成することもできる。この場合、目盛り38を直径の大きい平板状部18a側に設けることもできる。
【0029】
また、上記の実施の形態では、目盛り38を平板状部20bに設け、クラッチナット34に指示体40を形成したが、逆に目盛り38をクラッチナット34に設け、指示体40を平板状部18a(直径が平板状部20bよりも大きい場合)または平板状部20bに形成することもできる。
【0030】
また、上記の実施の形態では、平歯車20側をモータ26側とし、即ち主軸側とし、平歯車18側を載台4側、即ち従軸側としたが、逆に平歯車20側を従軸側とし、平歯車18側を主軸側としてもよい。
【0031】
また、上記の実施の形態では、クラッチナット34を用いたが、これに限ったものではなく、例えば通常の平ナットを使用することもできる。上記の実施の形態では、押圧部材としてナットを用いたが、例えば挿通軸30の内周面に雌ネジを設け、これに螺合するボルトを設け、このボルトの頭部によって平歯車20の平板状部20bの上面を押圧するように構成することもできる。
【0032】
上記の実施の形態では、ワッシャー42、ボリュームナット44を設けたが、クラッチナット34のみを設けることもできる。上記の実施の形態では、上記の実施の形態では、平歯車14、22、24を設けたが、場合によっては、これらは不要で、平歯車20をウオームギア28によって直接に回転させ、平歯車18によって直接に内歯平歯車10を回転させることもできる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、回転台を量産した場合にも、いずれの回転台においても、常に同一の力で2つの伝達体間の連結が解かれるように簡単に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態の回転台の主要部である動力伝達機構の縦断面図である。
【図2】図1の動力伝達機構の平面図である。
【図3】図1の回転台の平面図である。
【図4】図1の動力伝達機構を備えたギアボックスの内部構造の平面図である。
【符号の説明】
2 基台
4 載台
12 動力伝達機構
18 平歯車(第1の回転伝達体)
20 平歯車(第2の回転伝達体)
30 挿通軸
32 雄ネジ
34 クラッチナット(押圧部材)
Claims (5)
- 基台の上側に載台を回転可能に設けてあり、原動機の発生する動力を動力伝達機構を介して前記載台に伝達して、前記載台を回転させる回転台において、
前記動力伝達機構が、
前記基台側に回転自在に支持され、かつ第1のネジが周囲に形成された挿通軸を有する第1の回転伝達体と、
前記挿通軸に挿通され、前記挿通軸の回りに第1の回転伝達体と面接触する部分を有する第2の回転伝達体と、
前記挿通軸に挿通されて第1の回転伝達体と共に第2の回転伝達体を挟持し、かつ、第1のネジと螺合する第2のネジを有し、前記挿通軸の回りの回転によって第1及び第2のネジの螺合状態が変化する押圧部材と、
第1及び第2の回転体のうち一方並びに前記押圧部材のうち一方の前記挿通軸にほぼ垂直な面に、前記挿通軸の回りに沿って所定角度ごとに設けられた複数の目盛りと、
第1及び第2の回転体のうち一方並びに前記押圧部材のうち他方の前記挿通軸にほぼ垂直な面に、前記目盛りを指示可能に設けられた指示体とを、
具備し、第1及び第2の回転伝達体の一方に前記原動機から動力が伝達され、第1及び第2の回転伝達体の他方が、前記載台に駆動力を伝達する回転台。 - 請求項1記載の回転台において、
第1のネジが、上記挿通軸の外周面に雄ネジとして形成され、前記押圧部材が、前記挿通軸に挿通される貫通孔を有し、この貫通孔の内周面に、第2のネジが雌ネジとして形成されている回転台。 - 請求項2記載の回転台において、前記押圧部材がクラッチナットによって構成されている回転台。
- 請求項1記載の回転台において、
前記押圧部材は、それの第1の回転伝達体側の面に、前記挿通軸の回りに第1の回転伝達体側に突出した環状の突出部を有する回転台。 - 請求項1記載の回転台において、前記挿通軸に前記押圧部材の緩み止め具が取り付けられている回転台。
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-
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- 2003-04-17 JP JP2003112546A patent/JP2004316794A/ja not_active Withdrawn
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