JP2004316761A - 釘および製釘機ならびに釘の製造方法 - Google Patents
釘および製釘機ならびに釘の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】堅固に釘止めしにくい部材でも良好に釘止め可能な釘および製釘機ならびに釘の製造方法を提供する。
【解決手段】頭部12の中心線f1を胴部11の軸線f2から偏心させたので、胴部11の周方向の一部分において、胴部11の外周面から頭部12の外周縁までの長さが長くなる。よって、不織布などを堅固に釘打ちできる。また、従来の製釘機に傾斜手段を設けただけの構成であるので、既製の製釘機を簡単にこの発明の製釘機20に改良できる。また、パンチング前、釘軸部22aを線材22の軸線f2を中心に傾斜させ、その状態で釘軸部22aをパンチングする。これにより、胴部11の外周面から外周縁までの長さが長い頭部12を1回のパンチングで作製でき、釘10の生産性が高まる。
【選択図】 図1
【解決手段】頭部12の中心線f1を胴部11の軸線f2から偏心させたので、胴部11の周方向の一部分において、胴部11の外周面から頭部12の外周縁までの長さが長くなる。よって、不織布などを堅固に釘打ちできる。また、従来の製釘機に傾斜手段を設けただけの構成であるので、既製の製釘機を簡単にこの発明の製釘機20に改良できる。また、パンチング前、釘軸部22aを線材22の軸線f2を中心に傾斜させ、その状態で釘軸部22aをパンチングする。これにより、胴部11の外周面から外周縁までの長さが長い頭部12を1回のパンチングで作製でき、釘10の生産性が高まる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は釘および製釘機ならびにこの釘の製造方法、詳しくは破損しやすい部材または柔軟性を有する部材を継ぎ合わせる(仮止めを含む)のに好都合な釘および製釘機ならびにこの釘の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
釘は、打ち込みにより例えば複数枚の木板同士を継ぎ合わせる金具で、細長い胴部の元側の端に平たい頭部が鍛造されている。釘の先端部は、その用途に応じて、例えば四角錐、六角錐、円錐などに成形されている。
釘の頭部の外径は、胴部の外径の3倍以下であった。これを圧造比に直すと2.5以下であった。圧造比とは、釘軸部の長さがこの釘軸部の外径の何倍かを表す値である。釘軸部とは、ダイスとパンチを用いて、線材(釘材料)から頭部を鍛造する際、ダイスから外方に突出して、パンチによりパンチングされる線材の先端部分をいう。換言すると、圧造比とは、圧造された結果頭部となる釘軸部にあって、その長さがその外径の何倍となるかを表す値である。
【0003】
ところで、従前より釘を連続的に自動製造する製釘機が知られている。すなわち、図6に示すように、この製釘機は、ダイス101およびパンチ102の他に、線材103の自動送り手段(図示せず)と、線材103を切断する切断手段104とを有している。自動送り手段により線材103を所定の長さ分だけピッチ送りし、ダイス101およびパンチ102で線材103の頭部105aを鍛造した後(図6(a),図6(b))、自動送り手段により線材103を釘105の長さ分だけピッチ送りし(図6(c))、線材103の先端部を切断手段104により釘長さ分だけ切断する(図6(d))。釘105は、頭部105aの中心線f1と、軸部105bの軸線f2とが合致している。また、頭部105aの厚さは、クランプ時にダイス101から外方に突出した釘軸部106の外径の22%である。
【0004】
しかしながら、このような釘105では以下の問題点があった。すなわち、例えば防草用の長繊維不織布(ポリエステル長繊維不織布など)を盛土の法面に固定する場合、または、断熱材をコンクリート壁に固定する場合などには、できるだけ大きい頭部105aの方が、釘105による長繊維不織布または断熱材の押さえつけの面積が拡大されて好ましい。
ところが、頭部105aの鍛造には圧造比の制限がある。すなわち、釘軸部106の長さが長くなり過ぎると、鍛造時に釘軸部106が座屈して不良品が生じる。これを避けるには、頭部105aを薄くしなければならない。ところが薄くすると、ハンマなどで釘打ちする際の頭部の強度が保てない。
【0005】
そこで、これを解消する従来技術として、例えば本願特許出願人が先に提出した特許文献1が知られている。これは、釘の頭部を複数回のパンチングにより分割して鍛造することで、上述した圧造比の規制を受けることなく、所定の強度を保って頭部の大径化を可能にしたものである。
【0006】
【特許文献1】特開2000−81009号公報(第1頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特許文献1の釘では、前述したように釘の頭部を複数回にわけてパンチングする。これにより、1本の釘を作製するのに要する釘の製造時間が長くなり、釘の生産性が低下していた。
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、頭部の中心線が胴部の軸線から偏心した釘とすれば、釘による長繊維不織布を固定する力が増大し、1回のパンチングだけで、特許文献1と同様の効果を有する釘が得られることを知見し、この発明を完成させた。
【0008】
釘による長繊維不織布を固定する力は、胴部の外周面から頭部の外周縁までの長さが長いほど大きくなる。この発明の釘では、胴部の周方向の一部分だけを、胴部の外周面から頭部の外周縁までの長さを長くする方法を採用し、それまでの頭部の中心線と胴部の軸線とが合致した釘に比べて、長繊維不織布に対する固定力を増大させるようにした。
【0009】
【発明の目的】
この発明は、堅固に釘止めしにくい部材でも良好に釘止めすることができる釘を提供することを、その目的としている。
また、この発明は、簡単な装置改造を行うだけで、既製の製釘機を、この発明の製釘機とすることができる製釘機ならびに釘の製造方法を提供することを、その目的としている。
さらに、この発明は、外周縁から胴部の外周面までの長さが長い頭部を、1回のパンチングで作製でき、これにより釘の生産性を高めることができる製釘機および釘の製造方法を提供することを、その目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、線材から得られた胴部と頭部とを有し、該頭部は、前記線材の先端部をクランプして所定長さの釘軸部を外方に突出させ、該釘軸部をパンチングして成形することで得られる釘において、前記頭部の中心線を、前記胴部の軸線から偏心させた釘である。
釘の素材は、頭部を鍛造可能な材料であれば限定されない。例えば、軟鉄、ステンレスなどを採用することができる。また、胴部の長さおよび直径も限定されない。
【0011】
釘の種類としては、例えば、先端が丸いボールポイント、先端部が傾斜カットされたベベルド・スクエアポイント、ボールスティクポイント、ブリードクリンチドポイント、バタフライポイント、チゼルポイント、クリンチポイント、カップドポイント、ダイヤモンドポイント、ダックビルポイント、ドルポイント(28度〜44度)、フィッシュマウスポイント、J−クリンチポイント、ロングポイント、ショートポイント、ニードルポイント、ペンシルポイント、パイロットポイント、シャープポイント、シャードスクエアポイント、サイドポイント、ウェッジポイントなどを採用することができる。また、胴部がスクリュー式のものでもよい。ただし、これらに限定されない。
【0012】
釘によって継ぎ合わされる部材は限定されない。例えば、各種の布材、木材、石材、各種のプラスチック材、コンクリート材、金属材、セラミックなどを採用することができる。
頭部の中心線とは、例えば正円板形状を有する頭部の場合、胴部の軸線と平行であって、円形状を有した頭部の表面の中心点を通る仮想線となる。また、楕円板形状を有する頭部の場合には、胴部の軸線と平行であって、楕円形状を有した頭部の表面のうち、短軸と長軸との交差点(中心点)を通る仮想線となる。
頭部の中心線と胴部の軸線との偏心距離は限定されない。例えば、頭部の直径(楕円の場合は長軸)の10〜50%、好ましくは20〜30%である。10%未満では頭部の偏心位置が不安定になる。また、50%を超えると頭部が円形(楕円形も含む)にならない。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記釘軸部の長さが該釘軸部の外径の何倍かを表す圧造比が3.2以上である請求項1に記載の釘である。
好ましい圧造比は3.2〜3.5である。3.2未満では、頭部の径が不充分である。
【0014】
請求項3に記載した発明は、前記胴部の外周面に、螺旋溝が形成されたスクリュー式の釘である請求項1または請求項2に記載の釘である。螺旋溝の断面溝形状、胴部への螺旋溝の形成条数、螺旋溝の溝寸法などは限定されない。
【0015】
請求項4に記載した発明は、線材の先端部をクランプして所定長さの釘軸部を外方に突出させ、該釘軸部をパンチングして頭部を鍛造した後、該線材の先端部を釘長さ分で切断する製釘機において、前記釘軸部を外方に突出して、前記線材の先端部をクランプするダイスと、前記線材を略釘の長さ分だけパンチ側に送り込んで、前記釘軸部をダイスの外方に突出させる線材送り手段と、前記釘軸部をパンチングすることで、前記頭部を鍛造するパンチと、前記頭部の鍛造後、前記線材の先端部を釘の長さに合わせて、所定の切断位置で切断する切断手段とを備えた製釘機において、前記釘軸部のパンチング前に、該釘軸部を、前記線材の軸線を中心にして傾斜させる傾斜手段が設けられた製釘機である。
【0016】
製釘機の駆動形式は限定されない。例えば、ギヤクランク式などを採用することができる。ギヤクランク式の製釘機とは、駆動部により大径なフライホイールおよびクランクアームを回転させることで、送りレバーを介して送り手段を作動させたり、ダイスの線材のクランプ動作、パンチの打撃動作、切断手段の切断動作を所定のタイミングで行う。この製釘機では、1分間に約600本の釘を製造することができる。他の駆動形式としては、例えば線材を略所定の釘長さに切断した後、その切断物を、この切断物の軸方向をベルト幅方向に揃えてベルトコンベアにより間欠搬送する。しかも搬送途中で、釘軸部を外方に突出させた状態で、ダイスにより切断物の先端部付近をクランプし、それからパンチにより釘軸部のパンチングを行うような形式の製釘機でもよい。
【0017】
線材送り手段の構造は限定されない。線材をパンチ側に略釘の長さ分だけ送り込んで、部分釘軸部をダイスの端から突出することができればよい。
切断手段の刃先の形状は、選択された釘の先端部の形状により異なる。
傾斜手段の構造は限定されない。要は、釘軸部を線材の軸線を中心にして傾斜させることができればよい。例えば、切断手段によって釘軸部を切断する前に、釘軸部を所定角度だけ押し倒す構造を有したもの、または、切断手段によって釘軸部を切断すると略同時に、釘軸部を所定角度だけ押し倒す構造を有した手段などを採用することができる。
【0018】
請求項5に記載した発明は、前記切断手段と傾斜手段とは兼用され、前記切断手段は、1対のカッタと、該カッタを近接または離反させるカッタ移動部とを有し、該カッタ移動部は、前記線材の軸線からずれた切断位置まで両カッタを移動させ、前記線材の切断時、次に製造される釘用の釘軸部に対して、前記カッタにより軸線方向に直交する方向から屈曲力を作用させ、前記次に製造される釘用の釘軸部を傾斜させる請求項4に記載の製釘機である。
前記カッタ移動部としては、例えば油圧シリンダ、電動シリンダ、電動モータなどを採用することができる。
前記屈曲力は、釘軸部に対する引っ張り力でもよいし、押し込み力でもよい。
【0019】
請求項6に記載した発明は、線材の先端部をクランプして所定長さの釘軸部を外方に突出させ、該釘軸部をパンチングして頭部を鍛造した後、該線材の先端部を釘長さ分で切断する釘の製造方法において、前記パンチングの前に、前記釘軸部を線材の軸線を中心にして傾斜させ、この傾斜状態で、前記釘軸部をパンチングする釘の製造方法である。
釘軸部の長さは限定されない。頭部を鍛造可能な長さであればよい。
釘軸部の傾斜角度は限定されない。例えば2°〜20°、好ましくは5°〜10°である。2°未満では頭部の偏心位置が不安定になる。また、20°を超えると頭部が円形(楕円形も含む)にならない。
釘軸部を傾斜させる方法は限定されない。例えば、切断手段によって釘軸部を切断する前に、釘軸部を所定角度だけ押し倒す方法を採用することができる。また、切断手段によって釘軸部を切断する前に、釘軸部を所定角度だけ引き倒す方法などを採用することができる。
【0020】
請求項7に記載した発明は、線材の先端部を、外方に所定長さの釘軸部を突出させてダイスによりクランプし、前記釘軸部をパンチによりパンチングして頭部を鍛造した後、前記線材の先端部を切断手段により釘長さ分だけ切断する釘の製造方法において、前記線材を略釘の長さ分だけパンチ側に送り込んで、前記釘軸部をダイスの外方に突出し、この状態で該ダイスにより線材の先端部をクランプするクランプ工程と、該クランプ後、前記釘軸部にパンチを打ちつけるパンチング工程と、該パンチング後、前記クランプ工程を施し、次に前記切断手段を利用して線材の軸線からずれた切断位置で、該線材の先端部を釘長さ分の位置で切断するとともに、次に製造される釘用の釘軸部に対して、その軸線に直交する方向から屈曲力を作用させ、前記次に製造される釘用の釘軸部を傾斜させる釘の製造方法である。
【0021】
【作用】
この発明の釘は、頭部の中心線を胴部の軸線から偏心させることで、胴部の周方向の一部分において、胴部の外周面から頭部の外周縁までの長さを、胴部の周方向の他の部分より長くした釘である。このように、頭部の中心線を胴部の軸線から偏心させたので、釘止めした時の打撃力は、主に、胴部の外周面から頭部の外周縁までの長さが長い頭部の裏面から、継ぎ合わされる部材の表層の広い範囲にわたって分散されていく。その結果、釘止めされる部材が、仮に釘止めに適さない部材、例えば不織布および建築用の断熱材といった破損しやすい部材であっても、釘打ち時またはその後の釘穴からの釘の抜けを防げるように、被釘止物を釘止めすることができる。特に、頭部の圧造比を、例えば3.2以上とすればその効果は増大する。
【0022】
部材同士を釘止めにより継ぎ合わせる場合、継ぎ合わせ強度に最も影響を及ぼすのは、胴部の外周面から頭部の外周縁までの長さである。この寸法が長いほど、部材に対して大きな固定力が発生する。一般には、頭部の表面積が最も重要と考えられる。しかしながら、頭部の表面積が大きい場合でも、例えば胴部の直径が略頭部の直径と略同程度であれば、胴部の外周面から頭部の外周縁までの長さは短い。その結果、釘打ち時または釘打ち後において、釘穴から釘が抜け易い。
【0023】
また、請求項4および請求項5の製釘機によれば、装置の構成上、従来の製釘機に対して、線材の軸線を中心にして釘軸部を傾斜させる傾斜手段を設けただけの構成とした。これにより、簡単な装置改造を施すことで、既製の製釘機をこの発明の製釘機とすることができる。
【0024】
さらに、請求項6および請求項7に記載の釘の製造方法によれば、パンチングの前に、釘軸部を線材の軸線を中心にして傾斜させ、この傾斜状態で、釘軸部をパンチングする。これにより、外周縁から胴部の外周面までの長さが長い頭部を、1回のパンチングで作製でき、これにより釘の生産性を高めることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。なお、ここではギヤクランク式の製釘機により製造され、防草用のポリエステル長繊維不織布を盛土の法面に止める釘を例にとる。
図1において、10はこの発明の一実施例に係るステンレス製の釘で、この釘10は、胴部11の一端に楕円形状の頭部12が鍛造されたものである。なお、胴部11の寸法は、直径d=5mm、長さL=150mmである。また、頭部12の寸法は、長軸a=19.6mm、短軸b=17.8mm、厚さt=1.1mmである。頭部12の中心線f1と、胴部11の軸線f2との偏心距離cは、3.8mmである。頭部12の圧造比は3.2である。
【0026】
このように、一実施例の釘10は、従来の釘と比較した場合、その頭部12が偏心されている(図6(d))。これにより、胴部11の外周面から頭部12の外周縁までの長さが、従来の釘に比べて長くなる。釘止め時、ハンマなどによる打撃力は、主に、胴部11の軸線f2に対して中心線f1が偏心した頭部12の裏面から、図示しない盛土の法面に展張されたポリエステル長繊維不織布の広い範囲にわたって分散されていく。その結果、釘止めされるポリエステル長繊維不織布が、このように破れ易くて釘止めには適さない柔軟な布であっても、釘打ち時またはその後の釘穴からの釘10の抜けを防止して、不織布を盛土の法面に堅固に釘止めすることができる。特に、頭部12の圧造比を、例えば3.2以上とすれば、その効果はさらに増大する。
また、一実施例の釘10では、頭部12の厚さtを、釘軸部22aの外径の22%(従来の釘も22%)としている。これにより、釘打ち時、従来の釘と同等の頭部強度が確保される。
【0027】
次に、図2〜図5に基づいて、一実施例の釘10を製造する際に用いられる製釘機およびそれを使用した製造方法を説明する。なお、説明の都合上、機長方向をX方向、機幅方向をY方向、上下方向をZ方向として説明する。
図2および図3において、20はこの発明の一実施例に係る製釘機で、この製釘機20により、前記頭部12の中心線f1を、胴部11の軸線f2に対して偏心させた釘10の鍛造が可能になる。
以下、製釘機20の具体的な構成を説明する。この製釘機20は、装置ベースとなる架台21と、X方向へピッチ送りされる釘材料である線材22をY方向の両側からクランプする一対のダイス23と、両ダイス23を通り越して外方に突出した釘軸部22a(線材22の先端部)を打撃するパンチ24と、X方向に往復移動して、この線材22を釘10の略長さ分だけピッチ送りする線材送り手段25と、Y方向の両側から1対のカッタ27を近接させ、製造後の釘10を線材22の先端部から切断する切断手段(傾斜手段)50とを備えている。以下、各構成部品を詳細に説明する。
【0028】
架台21は台形の台で、その上部に矩形のテーブル28が水平に固着されている。このテーブル28のX方向の一端中央部には、線材22の送り元側に向かって水平に延びる小テーブル28aが一体的に設けられている。
テーブル28の小テーブル28a側の端部には、線材22をダイス23側に円滑に送り込むガイドボクッス29が設けられている。このガイドボックス29よりテーブル中央側にはダイス23が設けられている。さらに、このダイス23よりテーブル中央側には、切断手段50が設けられている。また、パンチ24は、テーブル28の略中央部上に配置されている。
【0029】
小テーブル28a上には、線材22の供給ラインに沿って、線材送り手段25が設けられている。この線材送り手段25より上流側には、線材22の水平方向の曲がりを矯正する5個一組の矯正ローラ30が、X方向に対し千鳥足状に水平配列されている。また、小テーブル28aの上流側の端の中央部には、Z方向に延びる垂直プレート28bが一体的に形成されている。この垂直プレート28bには、線材22の垂直方向の曲がりを矯正する5個一組の矯正ローラ31が千鳥足状に垂直配列されている。線材22は、これらの矯正ローラ30,31間を通過することで真っ直ぐに矯正され、ダイス23側に送り込まれる。
【0030】
テーブル28のX方向の他端部上には、テーブル28をY方向に横切るように、図外の駆動部(例えば電動モータ)により回転する長尺な駆動軸32が軸支されている。駆動軸32の一端部には、大径なフライホイール33が固着されている。また、駆動軸32の他端部には、クランクディスク34が固着されている。
クランクディスク34の外周部には、クランクピン35を介して、X方向に延びる長尺な送りロッド36の一端部が軸支されている。送りロッド36の他端部は、上記線材送り手段25を操作する、Y方向に延びた送りレバー37の一端部に軸支されている。
【0031】
送りレバー37は、その中央部付近が、小テーブル28aの元部から一側方に延びた突片部28cの先端部に、揺動軸38を介して軸支されている。この軸支により、送りレバー37は、水平面内で揺動可能になっている。
図外の駆動部により駆動軸32が回転すると、クランクディスク34、クランクピン35、送りロッド36、送りレバー37を介して、線材送り手段25がX方向に往復移動し、線材22をパンチ24側に向かって、略釘の長さ分だけピッチ送りする。
【0032】
次に、図2を参照して、切断手段50を詳細に説明する。
図2に示すように、切断手段50は、1対のカッタ27と、両カッタ27を近接または離反させるカッタ移動部51とを有している。カッタ移動部51は、前記駆動軸32を回転させる図外の駆動部を駆動源とし、架台21のY方向の両端部に配設された1対のX方向に延びるクランクシャフト52と、各クランクシャフト52のダイス23側の端部とこれに対応するカッタ27とを、両端の軸受部を介してそれぞれ連結した1対のクランクロッド53と、駆動軸32の両端部に外嵌された1対の傘歯車54と、両傘歯車54に個々に噛合し、対応するクランクシャフト52の駆動軸32側の端部に外嵌された1対の傘歯車55とを有している。両クランクシャフト52は、1対の軸受56を介して架台21の上面に軸支されている。
図外の駆動部により駆動軸32を回転させると、対応する2対の傘歯車54,55を介して、両クランクシャフト52がそれぞれ回転する。この回転に伴い、両クランクロッド53を介して、1対のカッタ27がY方向に往復移動し、両カッタ27の先端面が合致する切断位置Pにおいて、線材22の先端部を釘10の長さに合わせて切断する。このとき、切断位置Pは、線材22の軸線f2からY方向の一側方に若干位置ずれしている。この位置ずれ分だけ、釘軸部22aが傾斜されることになる。この傾斜に伴い、線材22の先端部も斜めになるおそれがある。しかしながら、切断時、両カッタ27間で線材22の先端部が挟持されて姿勢が矯正されるため、問題は生じない。
【0033】
次に、この一実施例の製釘機20を用いた釘10の製造方法を説明する。あらかじめ、釘軸部22aを線材22の先端部がクランプされたダイス23から、切断位置Pに向かって突出させておく(図4(a))。釘軸部22aの突出長さは16mm、釘軸部22aの傾斜角度は5°である。釘軸部22aを突出させる際には、線材22のパンチ24側に向かう移動を伴う。すなわち、図2および図3に示すように、この製釘機20では、図外の駆動部により駆動軸32を回転し、送りロッド36、送りレバー37を介して、線材送り手段25をパンチ24側に移動させる。これにより、クランプされた線材22がパンチ24側に略釘10の長さ分だけピッチ送りされる。このとき、前記駆動軸32の回転に伴って、各1対のクランクシャフト52とクランクロッド53とが回転し、両カッタ27がY方向に往復移動する。これにより、前記切断位置Pにおいて、両カッタ27の先端面が互いに押し付けられる。その結果、線材22の先端部が釘10の長さに合わせて切断される(図4(e))。また、前述したように切断位置Pは、線材22の軸線f2からずれた位置に存在する。そのため、このように線材22の先端部を切断位置Pで切断する場合には、必然的に、次に製造される釘10用の釘軸部22aに対して、その線材22に直交する方向から一方のカッタ27によって屈曲力が作用されることになる。その結果、釘軸部22aは、線材22の先端部の切断と略同時にY方向の一側方に向かって5°だけ傾斜される。
【0034】
その後、この状態でダイス23により線材22の先端部をクランプし、パンチ24により釘軸部22aをパンチングする。これにより、頭部12の鍛造がなされる(図4(b),図4(c))。
このとき、釘軸部22aはあらかじめ5°だけ線材22の軸線f2から傾斜している。そのため、釘軸部22aはパンチング中に強制的に座屈される。その結果、このように釘軸部22aが傾斜した分だけ、線材22の軸線f2から偏心距離cだけ、中心線f1が偏心した頭部12が鍛造される。
【0035】
また、パンチングとほぼ同時に、送りレバー37の戻り側への動作に伴い、線材送り手段25をクランプ解除状態で元の位置まで引き戻す。次いで、線材送り手段25によって線材22をクランプし、送りレバー37により、再度、線材送り手段25をパンチ24側に移動させる。これにより、線材22が略釘の長さ分だけパンチ24側に送り込まれる(図4(d))。その結果、切断手段50の端より外方に、釘10の胴部11の長さ分の線材22が確保される。
その後、ダイス23により線材22をクランプしたまま、切断手段50により、線材22の先端部が切断される。この際、切断手段50の切断面の形状に合わせて、胴部11の先端部が四角錘状に付形される(図4(e))。このとき、さらに次に製造される釘10用の釘軸部22aが傾斜される。
以上、これらの工程を略1分間に600本ほどの釘10が生産できる速さで、順次、繰り返す。
【0036】
一実施例の製釘機20は、その基本的な装置構成上、従来の製釘機(図外)の切断手段において、切断位置Pを線材22の軸線f2から偏心した位置とし、線材22の軸線f2を中心にして釘軸部22aを傾斜させるようにしただけである。これにより、低コストで、かつ簡単な装置改造により、既製の製釘機を、この発明の製釘機20とすることができる。
また、一実施例にあっては、パンチングの前に、釘軸部22aを線材22の軸線f2を中心にして傾斜させ、この傾斜状態で、釘軸部22fをパンチングする。これにより、外周縁から胴部11の外周面までの長さが長い頭部12を、1回のパンチングで作製でき、これにより釘10の生産性を高めることができる。
【0037】
ここで、図5を参照して、この発明の他の実施形態の釘10Aを説明する。
この釘10Aは、4条の螺旋溝11aが外周面に刻設された胴部11の一端に楕円形状の頭部12が鍛造されたスクリュー式の釘である。なお、胴部11の寸法は、直径d=3.75mm、長さL=38mmである。また、頭部12の寸法は、長軸a=13mm、短軸b=12mm、厚さt=1.1mmである。頭部12の中心線f1と胴部11の軸線f2との偏心距離cは1.6mmである。螺旋溝11aの断面は半円形状で、スクリュー部分の長さは胴部11の先端から26mmである。螺旋のピッチは3mmである。頭部12の圧造比は3.3である。
スクリュー式の釘10であるので、例えばワレやカケが発生しやすい断熱材をコンクリート壁に固定する際に、このような傷の発生を抑えて断熱材を固定することができる。
【0038】
【発明の効果】
この発明の釘によれば、頭部の中心線を胴部の軸線から偏心させたので、胴部の周方向の一部分において、胴部の外周面から頭部の外周縁までの長さが長くなる。これにより、釘止めされる部材が、仮に釘止めに適さない部材、例えば不織布および建築用の断熱材といった破損しやすい部材であっても、釘打ち時またはその後の釘穴からの釘の抜けを防止することができる。特に、請求項2のように頭部の圧造比を3.2以上とすれば、その効果はさらに大きくなる。
【0039】
また、請求項4および請求項5の製釘機によれば、装置構成上、従来の製釘機に対して、線材の軸線を中心にして釘軸部を傾斜させる傾斜手段を設けたので、簡単な装置改造を施すだけで、既製の製釘機をこの発明の製釘機とすることができる。
【0040】
さらに、請求項6および請求項7に記載の釘の製造方法によれば、パンチングの前に、釘軸部を線材の軸線を中心にして傾斜させ、この傾斜状態で、釘軸部をパンチングする。これにより、胴部の外周面から外周縁までの長さが長い頭部を、1回のパンチングで作製でき、これにより釘の生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、この発明の一実施例に係る釘の拡大平面図である。
(b)は、この発明の一実施例に係る釘の拡大正面図である。
【図2】この発明の一実施例に係る製釘機の平面図である。
【図3】この発明の一実施例に係る製釘機の正面図である。
【図4】この発明の一実施例に係る釘の頭部の鍛造工程を示す説明図である。
【図5】(a)は、この発明の他の実施形態に係る釘の拡大平面図である。
(b)は、この発明の他の実施形態に係る釘の拡大正面図である。
【図6】従来手段に係る釘の頭部の鍛造工程を示す説明図である。
【符号の説明】
10、10A 釘、
11 胴部、
11a 螺旋溝、
12 頭部、
20 製釘機、
22 線材、
22a 釘軸部、
23 ダイス、
24 パンチ、
25 線材送り手段、
27 カッタ、
50 切断手段(傾斜手段)、
51 カッタ移動部。
【発明の属する技術分野】
この発明は釘および製釘機ならびにこの釘の製造方法、詳しくは破損しやすい部材または柔軟性を有する部材を継ぎ合わせる(仮止めを含む)のに好都合な釘および製釘機ならびにこの釘の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
釘は、打ち込みにより例えば複数枚の木板同士を継ぎ合わせる金具で、細長い胴部の元側の端に平たい頭部が鍛造されている。釘の先端部は、その用途に応じて、例えば四角錐、六角錐、円錐などに成形されている。
釘の頭部の外径は、胴部の外径の3倍以下であった。これを圧造比に直すと2.5以下であった。圧造比とは、釘軸部の長さがこの釘軸部の外径の何倍かを表す値である。釘軸部とは、ダイスとパンチを用いて、線材(釘材料)から頭部を鍛造する際、ダイスから外方に突出して、パンチによりパンチングされる線材の先端部分をいう。換言すると、圧造比とは、圧造された結果頭部となる釘軸部にあって、その長さがその外径の何倍となるかを表す値である。
【0003】
ところで、従前より釘を連続的に自動製造する製釘機が知られている。すなわち、図6に示すように、この製釘機は、ダイス101およびパンチ102の他に、線材103の自動送り手段(図示せず)と、線材103を切断する切断手段104とを有している。自動送り手段により線材103を所定の長さ分だけピッチ送りし、ダイス101およびパンチ102で線材103の頭部105aを鍛造した後(図6(a),図6(b))、自動送り手段により線材103を釘105の長さ分だけピッチ送りし(図6(c))、線材103の先端部を切断手段104により釘長さ分だけ切断する(図6(d))。釘105は、頭部105aの中心線f1と、軸部105bの軸線f2とが合致している。また、頭部105aの厚さは、クランプ時にダイス101から外方に突出した釘軸部106の外径の22%である。
【0004】
しかしながら、このような釘105では以下の問題点があった。すなわち、例えば防草用の長繊維不織布(ポリエステル長繊維不織布など)を盛土の法面に固定する場合、または、断熱材をコンクリート壁に固定する場合などには、できるだけ大きい頭部105aの方が、釘105による長繊維不織布または断熱材の押さえつけの面積が拡大されて好ましい。
ところが、頭部105aの鍛造には圧造比の制限がある。すなわち、釘軸部106の長さが長くなり過ぎると、鍛造時に釘軸部106が座屈して不良品が生じる。これを避けるには、頭部105aを薄くしなければならない。ところが薄くすると、ハンマなどで釘打ちする際の頭部の強度が保てない。
【0005】
そこで、これを解消する従来技術として、例えば本願特許出願人が先に提出した特許文献1が知られている。これは、釘の頭部を複数回のパンチングにより分割して鍛造することで、上述した圧造比の規制を受けることなく、所定の強度を保って頭部の大径化を可能にしたものである。
【0006】
【特許文献1】特開2000−81009号公報(第1頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特許文献1の釘では、前述したように釘の頭部を複数回にわけてパンチングする。これにより、1本の釘を作製するのに要する釘の製造時間が長くなり、釘の生産性が低下していた。
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、頭部の中心線が胴部の軸線から偏心した釘とすれば、釘による長繊維不織布を固定する力が増大し、1回のパンチングだけで、特許文献1と同様の効果を有する釘が得られることを知見し、この発明を完成させた。
【0008】
釘による長繊維不織布を固定する力は、胴部の外周面から頭部の外周縁までの長さが長いほど大きくなる。この発明の釘では、胴部の周方向の一部分だけを、胴部の外周面から頭部の外周縁までの長さを長くする方法を採用し、それまでの頭部の中心線と胴部の軸線とが合致した釘に比べて、長繊維不織布に対する固定力を増大させるようにした。
【0009】
【発明の目的】
この発明は、堅固に釘止めしにくい部材でも良好に釘止めすることができる釘を提供することを、その目的としている。
また、この発明は、簡単な装置改造を行うだけで、既製の製釘機を、この発明の製釘機とすることができる製釘機ならびに釘の製造方法を提供することを、その目的としている。
さらに、この発明は、外周縁から胴部の外周面までの長さが長い頭部を、1回のパンチングで作製でき、これにより釘の生産性を高めることができる製釘機および釘の製造方法を提供することを、その目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、線材から得られた胴部と頭部とを有し、該頭部は、前記線材の先端部をクランプして所定長さの釘軸部を外方に突出させ、該釘軸部をパンチングして成形することで得られる釘において、前記頭部の中心線を、前記胴部の軸線から偏心させた釘である。
釘の素材は、頭部を鍛造可能な材料であれば限定されない。例えば、軟鉄、ステンレスなどを採用することができる。また、胴部の長さおよび直径も限定されない。
【0011】
釘の種類としては、例えば、先端が丸いボールポイント、先端部が傾斜カットされたベベルド・スクエアポイント、ボールスティクポイント、ブリードクリンチドポイント、バタフライポイント、チゼルポイント、クリンチポイント、カップドポイント、ダイヤモンドポイント、ダックビルポイント、ドルポイント(28度〜44度)、フィッシュマウスポイント、J−クリンチポイント、ロングポイント、ショートポイント、ニードルポイント、ペンシルポイント、パイロットポイント、シャープポイント、シャードスクエアポイント、サイドポイント、ウェッジポイントなどを採用することができる。また、胴部がスクリュー式のものでもよい。ただし、これらに限定されない。
【0012】
釘によって継ぎ合わされる部材は限定されない。例えば、各種の布材、木材、石材、各種のプラスチック材、コンクリート材、金属材、セラミックなどを採用することができる。
頭部の中心線とは、例えば正円板形状を有する頭部の場合、胴部の軸線と平行であって、円形状を有した頭部の表面の中心点を通る仮想線となる。また、楕円板形状を有する頭部の場合には、胴部の軸線と平行であって、楕円形状を有した頭部の表面のうち、短軸と長軸との交差点(中心点)を通る仮想線となる。
頭部の中心線と胴部の軸線との偏心距離は限定されない。例えば、頭部の直径(楕円の場合は長軸)の10〜50%、好ましくは20〜30%である。10%未満では頭部の偏心位置が不安定になる。また、50%を超えると頭部が円形(楕円形も含む)にならない。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記釘軸部の長さが該釘軸部の外径の何倍かを表す圧造比が3.2以上である請求項1に記載の釘である。
好ましい圧造比は3.2〜3.5である。3.2未満では、頭部の径が不充分である。
【0014】
請求項3に記載した発明は、前記胴部の外周面に、螺旋溝が形成されたスクリュー式の釘である請求項1または請求項2に記載の釘である。螺旋溝の断面溝形状、胴部への螺旋溝の形成条数、螺旋溝の溝寸法などは限定されない。
【0015】
請求項4に記載した発明は、線材の先端部をクランプして所定長さの釘軸部を外方に突出させ、該釘軸部をパンチングして頭部を鍛造した後、該線材の先端部を釘長さ分で切断する製釘機において、前記釘軸部を外方に突出して、前記線材の先端部をクランプするダイスと、前記線材を略釘の長さ分だけパンチ側に送り込んで、前記釘軸部をダイスの外方に突出させる線材送り手段と、前記釘軸部をパンチングすることで、前記頭部を鍛造するパンチと、前記頭部の鍛造後、前記線材の先端部を釘の長さに合わせて、所定の切断位置で切断する切断手段とを備えた製釘機において、前記釘軸部のパンチング前に、該釘軸部を、前記線材の軸線を中心にして傾斜させる傾斜手段が設けられた製釘機である。
【0016】
製釘機の駆動形式は限定されない。例えば、ギヤクランク式などを採用することができる。ギヤクランク式の製釘機とは、駆動部により大径なフライホイールおよびクランクアームを回転させることで、送りレバーを介して送り手段を作動させたり、ダイスの線材のクランプ動作、パンチの打撃動作、切断手段の切断動作を所定のタイミングで行う。この製釘機では、1分間に約600本の釘を製造することができる。他の駆動形式としては、例えば線材を略所定の釘長さに切断した後、その切断物を、この切断物の軸方向をベルト幅方向に揃えてベルトコンベアにより間欠搬送する。しかも搬送途中で、釘軸部を外方に突出させた状態で、ダイスにより切断物の先端部付近をクランプし、それからパンチにより釘軸部のパンチングを行うような形式の製釘機でもよい。
【0017】
線材送り手段の構造は限定されない。線材をパンチ側に略釘の長さ分だけ送り込んで、部分釘軸部をダイスの端から突出することができればよい。
切断手段の刃先の形状は、選択された釘の先端部の形状により異なる。
傾斜手段の構造は限定されない。要は、釘軸部を線材の軸線を中心にして傾斜させることができればよい。例えば、切断手段によって釘軸部を切断する前に、釘軸部を所定角度だけ押し倒す構造を有したもの、または、切断手段によって釘軸部を切断すると略同時に、釘軸部を所定角度だけ押し倒す構造を有した手段などを採用することができる。
【0018】
請求項5に記載した発明は、前記切断手段と傾斜手段とは兼用され、前記切断手段は、1対のカッタと、該カッタを近接または離反させるカッタ移動部とを有し、該カッタ移動部は、前記線材の軸線からずれた切断位置まで両カッタを移動させ、前記線材の切断時、次に製造される釘用の釘軸部に対して、前記カッタにより軸線方向に直交する方向から屈曲力を作用させ、前記次に製造される釘用の釘軸部を傾斜させる請求項4に記載の製釘機である。
前記カッタ移動部としては、例えば油圧シリンダ、電動シリンダ、電動モータなどを採用することができる。
前記屈曲力は、釘軸部に対する引っ張り力でもよいし、押し込み力でもよい。
【0019】
請求項6に記載した発明は、線材の先端部をクランプして所定長さの釘軸部を外方に突出させ、該釘軸部をパンチングして頭部を鍛造した後、該線材の先端部を釘長さ分で切断する釘の製造方法において、前記パンチングの前に、前記釘軸部を線材の軸線を中心にして傾斜させ、この傾斜状態で、前記釘軸部をパンチングする釘の製造方法である。
釘軸部の長さは限定されない。頭部を鍛造可能な長さであればよい。
釘軸部の傾斜角度は限定されない。例えば2°〜20°、好ましくは5°〜10°である。2°未満では頭部の偏心位置が不安定になる。また、20°を超えると頭部が円形(楕円形も含む)にならない。
釘軸部を傾斜させる方法は限定されない。例えば、切断手段によって釘軸部を切断する前に、釘軸部を所定角度だけ押し倒す方法を採用することができる。また、切断手段によって釘軸部を切断する前に、釘軸部を所定角度だけ引き倒す方法などを採用することができる。
【0020】
請求項7に記載した発明は、線材の先端部を、外方に所定長さの釘軸部を突出させてダイスによりクランプし、前記釘軸部をパンチによりパンチングして頭部を鍛造した後、前記線材の先端部を切断手段により釘長さ分だけ切断する釘の製造方法において、前記線材を略釘の長さ分だけパンチ側に送り込んで、前記釘軸部をダイスの外方に突出し、この状態で該ダイスにより線材の先端部をクランプするクランプ工程と、該クランプ後、前記釘軸部にパンチを打ちつけるパンチング工程と、該パンチング後、前記クランプ工程を施し、次に前記切断手段を利用して線材の軸線からずれた切断位置で、該線材の先端部を釘長さ分の位置で切断するとともに、次に製造される釘用の釘軸部に対して、その軸線に直交する方向から屈曲力を作用させ、前記次に製造される釘用の釘軸部を傾斜させる釘の製造方法である。
【0021】
【作用】
この発明の釘は、頭部の中心線を胴部の軸線から偏心させることで、胴部の周方向の一部分において、胴部の外周面から頭部の外周縁までの長さを、胴部の周方向の他の部分より長くした釘である。このように、頭部の中心線を胴部の軸線から偏心させたので、釘止めした時の打撃力は、主に、胴部の外周面から頭部の外周縁までの長さが長い頭部の裏面から、継ぎ合わされる部材の表層の広い範囲にわたって分散されていく。その結果、釘止めされる部材が、仮に釘止めに適さない部材、例えば不織布および建築用の断熱材といった破損しやすい部材であっても、釘打ち時またはその後の釘穴からの釘の抜けを防げるように、被釘止物を釘止めすることができる。特に、頭部の圧造比を、例えば3.2以上とすればその効果は増大する。
【0022】
部材同士を釘止めにより継ぎ合わせる場合、継ぎ合わせ強度に最も影響を及ぼすのは、胴部の外周面から頭部の外周縁までの長さである。この寸法が長いほど、部材に対して大きな固定力が発生する。一般には、頭部の表面積が最も重要と考えられる。しかしながら、頭部の表面積が大きい場合でも、例えば胴部の直径が略頭部の直径と略同程度であれば、胴部の外周面から頭部の外周縁までの長さは短い。その結果、釘打ち時または釘打ち後において、釘穴から釘が抜け易い。
【0023】
また、請求項4および請求項5の製釘機によれば、装置の構成上、従来の製釘機に対して、線材の軸線を中心にして釘軸部を傾斜させる傾斜手段を設けただけの構成とした。これにより、簡単な装置改造を施すことで、既製の製釘機をこの発明の製釘機とすることができる。
【0024】
さらに、請求項6および請求項7に記載の釘の製造方法によれば、パンチングの前に、釘軸部を線材の軸線を中心にして傾斜させ、この傾斜状態で、釘軸部をパンチングする。これにより、外周縁から胴部の外周面までの長さが長い頭部を、1回のパンチングで作製でき、これにより釘の生産性を高めることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。なお、ここではギヤクランク式の製釘機により製造され、防草用のポリエステル長繊維不織布を盛土の法面に止める釘を例にとる。
図1において、10はこの発明の一実施例に係るステンレス製の釘で、この釘10は、胴部11の一端に楕円形状の頭部12が鍛造されたものである。なお、胴部11の寸法は、直径d=5mm、長さL=150mmである。また、頭部12の寸法は、長軸a=19.6mm、短軸b=17.8mm、厚さt=1.1mmである。頭部12の中心線f1と、胴部11の軸線f2との偏心距離cは、3.8mmである。頭部12の圧造比は3.2である。
【0026】
このように、一実施例の釘10は、従来の釘と比較した場合、その頭部12が偏心されている(図6(d))。これにより、胴部11の外周面から頭部12の外周縁までの長さが、従来の釘に比べて長くなる。釘止め時、ハンマなどによる打撃力は、主に、胴部11の軸線f2に対して中心線f1が偏心した頭部12の裏面から、図示しない盛土の法面に展張されたポリエステル長繊維不織布の広い範囲にわたって分散されていく。その結果、釘止めされるポリエステル長繊維不織布が、このように破れ易くて釘止めには適さない柔軟な布であっても、釘打ち時またはその後の釘穴からの釘10の抜けを防止して、不織布を盛土の法面に堅固に釘止めすることができる。特に、頭部12の圧造比を、例えば3.2以上とすれば、その効果はさらに増大する。
また、一実施例の釘10では、頭部12の厚さtを、釘軸部22aの外径の22%(従来の釘も22%)としている。これにより、釘打ち時、従来の釘と同等の頭部強度が確保される。
【0027】
次に、図2〜図5に基づいて、一実施例の釘10を製造する際に用いられる製釘機およびそれを使用した製造方法を説明する。なお、説明の都合上、機長方向をX方向、機幅方向をY方向、上下方向をZ方向として説明する。
図2および図3において、20はこの発明の一実施例に係る製釘機で、この製釘機20により、前記頭部12の中心線f1を、胴部11の軸線f2に対して偏心させた釘10の鍛造が可能になる。
以下、製釘機20の具体的な構成を説明する。この製釘機20は、装置ベースとなる架台21と、X方向へピッチ送りされる釘材料である線材22をY方向の両側からクランプする一対のダイス23と、両ダイス23を通り越して外方に突出した釘軸部22a(線材22の先端部)を打撃するパンチ24と、X方向に往復移動して、この線材22を釘10の略長さ分だけピッチ送りする線材送り手段25と、Y方向の両側から1対のカッタ27を近接させ、製造後の釘10を線材22の先端部から切断する切断手段(傾斜手段)50とを備えている。以下、各構成部品を詳細に説明する。
【0028】
架台21は台形の台で、その上部に矩形のテーブル28が水平に固着されている。このテーブル28のX方向の一端中央部には、線材22の送り元側に向かって水平に延びる小テーブル28aが一体的に設けられている。
テーブル28の小テーブル28a側の端部には、線材22をダイス23側に円滑に送り込むガイドボクッス29が設けられている。このガイドボックス29よりテーブル中央側にはダイス23が設けられている。さらに、このダイス23よりテーブル中央側には、切断手段50が設けられている。また、パンチ24は、テーブル28の略中央部上に配置されている。
【0029】
小テーブル28a上には、線材22の供給ラインに沿って、線材送り手段25が設けられている。この線材送り手段25より上流側には、線材22の水平方向の曲がりを矯正する5個一組の矯正ローラ30が、X方向に対し千鳥足状に水平配列されている。また、小テーブル28aの上流側の端の中央部には、Z方向に延びる垂直プレート28bが一体的に形成されている。この垂直プレート28bには、線材22の垂直方向の曲がりを矯正する5個一組の矯正ローラ31が千鳥足状に垂直配列されている。線材22は、これらの矯正ローラ30,31間を通過することで真っ直ぐに矯正され、ダイス23側に送り込まれる。
【0030】
テーブル28のX方向の他端部上には、テーブル28をY方向に横切るように、図外の駆動部(例えば電動モータ)により回転する長尺な駆動軸32が軸支されている。駆動軸32の一端部には、大径なフライホイール33が固着されている。また、駆動軸32の他端部には、クランクディスク34が固着されている。
クランクディスク34の外周部には、クランクピン35を介して、X方向に延びる長尺な送りロッド36の一端部が軸支されている。送りロッド36の他端部は、上記線材送り手段25を操作する、Y方向に延びた送りレバー37の一端部に軸支されている。
【0031】
送りレバー37は、その中央部付近が、小テーブル28aの元部から一側方に延びた突片部28cの先端部に、揺動軸38を介して軸支されている。この軸支により、送りレバー37は、水平面内で揺動可能になっている。
図外の駆動部により駆動軸32が回転すると、クランクディスク34、クランクピン35、送りロッド36、送りレバー37を介して、線材送り手段25がX方向に往復移動し、線材22をパンチ24側に向かって、略釘の長さ分だけピッチ送りする。
【0032】
次に、図2を参照して、切断手段50を詳細に説明する。
図2に示すように、切断手段50は、1対のカッタ27と、両カッタ27を近接または離反させるカッタ移動部51とを有している。カッタ移動部51は、前記駆動軸32を回転させる図外の駆動部を駆動源とし、架台21のY方向の両端部に配設された1対のX方向に延びるクランクシャフト52と、各クランクシャフト52のダイス23側の端部とこれに対応するカッタ27とを、両端の軸受部を介してそれぞれ連結した1対のクランクロッド53と、駆動軸32の両端部に外嵌された1対の傘歯車54と、両傘歯車54に個々に噛合し、対応するクランクシャフト52の駆動軸32側の端部に外嵌された1対の傘歯車55とを有している。両クランクシャフト52は、1対の軸受56を介して架台21の上面に軸支されている。
図外の駆動部により駆動軸32を回転させると、対応する2対の傘歯車54,55を介して、両クランクシャフト52がそれぞれ回転する。この回転に伴い、両クランクロッド53を介して、1対のカッタ27がY方向に往復移動し、両カッタ27の先端面が合致する切断位置Pにおいて、線材22の先端部を釘10の長さに合わせて切断する。このとき、切断位置Pは、線材22の軸線f2からY方向の一側方に若干位置ずれしている。この位置ずれ分だけ、釘軸部22aが傾斜されることになる。この傾斜に伴い、線材22の先端部も斜めになるおそれがある。しかしながら、切断時、両カッタ27間で線材22の先端部が挟持されて姿勢が矯正されるため、問題は生じない。
【0033】
次に、この一実施例の製釘機20を用いた釘10の製造方法を説明する。あらかじめ、釘軸部22aを線材22の先端部がクランプされたダイス23から、切断位置Pに向かって突出させておく(図4(a))。釘軸部22aの突出長さは16mm、釘軸部22aの傾斜角度は5°である。釘軸部22aを突出させる際には、線材22のパンチ24側に向かう移動を伴う。すなわち、図2および図3に示すように、この製釘機20では、図外の駆動部により駆動軸32を回転し、送りロッド36、送りレバー37を介して、線材送り手段25をパンチ24側に移動させる。これにより、クランプされた線材22がパンチ24側に略釘10の長さ分だけピッチ送りされる。このとき、前記駆動軸32の回転に伴って、各1対のクランクシャフト52とクランクロッド53とが回転し、両カッタ27がY方向に往復移動する。これにより、前記切断位置Pにおいて、両カッタ27の先端面が互いに押し付けられる。その結果、線材22の先端部が釘10の長さに合わせて切断される(図4(e))。また、前述したように切断位置Pは、線材22の軸線f2からずれた位置に存在する。そのため、このように線材22の先端部を切断位置Pで切断する場合には、必然的に、次に製造される釘10用の釘軸部22aに対して、その線材22に直交する方向から一方のカッタ27によって屈曲力が作用されることになる。その結果、釘軸部22aは、線材22の先端部の切断と略同時にY方向の一側方に向かって5°だけ傾斜される。
【0034】
その後、この状態でダイス23により線材22の先端部をクランプし、パンチ24により釘軸部22aをパンチングする。これにより、頭部12の鍛造がなされる(図4(b),図4(c))。
このとき、釘軸部22aはあらかじめ5°だけ線材22の軸線f2から傾斜している。そのため、釘軸部22aはパンチング中に強制的に座屈される。その結果、このように釘軸部22aが傾斜した分だけ、線材22の軸線f2から偏心距離cだけ、中心線f1が偏心した頭部12が鍛造される。
【0035】
また、パンチングとほぼ同時に、送りレバー37の戻り側への動作に伴い、線材送り手段25をクランプ解除状態で元の位置まで引き戻す。次いで、線材送り手段25によって線材22をクランプし、送りレバー37により、再度、線材送り手段25をパンチ24側に移動させる。これにより、線材22が略釘の長さ分だけパンチ24側に送り込まれる(図4(d))。その結果、切断手段50の端より外方に、釘10の胴部11の長さ分の線材22が確保される。
その後、ダイス23により線材22をクランプしたまま、切断手段50により、線材22の先端部が切断される。この際、切断手段50の切断面の形状に合わせて、胴部11の先端部が四角錘状に付形される(図4(e))。このとき、さらに次に製造される釘10用の釘軸部22aが傾斜される。
以上、これらの工程を略1分間に600本ほどの釘10が生産できる速さで、順次、繰り返す。
【0036】
一実施例の製釘機20は、その基本的な装置構成上、従来の製釘機(図外)の切断手段において、切断位置Pを線材22の軸線f2から偏心した位置とし、線材22の軸線f2を中心にして釘軸部22aを傾斜させるようにしただけである。これにより、低コストで、かつ簡単な装置改造により、既製の製釘機を、この発明の製釘機20とすることができる。
また、一実施例にあっては、パンチングの前に、釘軸部22aを線材22の軸線f2を中心にして傾斜させ、この傾斜状態で、釘軸部22fをパンチングする。これにより、外周縁から胴部11の外周面までの長さが長い頭部12を、1回のパンチングで作製でき、これにより釘10の生産性を高めることができる。
【0037】
ここで、図5を参照して、この発明の他の実施形態の釘10Aを説明する。
この釘10Aは、4条の螺旋溝11aが外周面に刻設された胴部11の一端に楕円形状の頭部12が鍛造されたスクリュー式の釘である。なお、胴部11の寸法は、直径d=3.75mm、長さL=38mmである。また、頭部12の寸法は、長軸a=13mm、短軸b=12mm、厚さt=1.1mmである。頭部12の中心線f1と胴部11の軸線f2との偏心距離cは1.6mmである。螺旋溝11aの断面は半円形状で、スクリュー部分の長さは胴部11の先端から26mmである。螺旋のピッチは3mmである。頭部12の圧造比は3.3である。
スクリュー式の釘10であるので、例えばワレやカケが発生しやすい断熱材をコンクリート壁に固定する際に、このような傷の発生を抑えて断熱材を固定することができる。
【0038】
【発明の効果】
この発明の釘によれば、頭部の中心線を胴部の軸線から偏心させたので、胴部の周方向の一部分において、胴部の外周面から頭部の外周縁までの長さが長くなる。これにより、釘止めされる部材が、仮に釘止めに適さない部材、例えば不織布および建築用の断熱材といった破損しやすい部材であっても、釘打ち時またはその後の釘穴からの釘の抜けを防止することができる。特に、請求項2のように頭部の圧造比を3.2以上とすれば、その効果はさらに大きくなる。
【0039】
また、請求項4および請求項5の製釘機によれば、装置構成上、従来の製釘機に対して、線材の軸線を中心にして釘軸部を傾斜させる傾斜手段を設けたので、簡単な装置改造を施すだけで、既製の製釘機をこの発明の製釘機とすることができる。
【0040】
さらに、請求項6および請求項7に記載の釘の製造方法によれば、パンチングの前に、釘軸部を線材の軸線を中心にして傾斜させ、この傾斜状態で、釘軸部をパンチングする。これにより、胴部の外周面から外周縁までの長さが長い頭部を、1回のパンチングで作製でき、これにより釘の生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、この発明の一実施例に係る釘の拡大平面図である。
(b)は、この発明の一実施例に係る釘の拡大正面図である。
【図2】この発明の一実施例に係る製釘機の平面図である。
【図3】この発明の一実施例に係る製釘機の正面図である。
【図4】この発明の一実施例に係る釘の頭部の鍛造工程を示す説明図である。
【図5】(a)は、この発明の他の実施形態に係る釘の拡大平面図である。
(b)は、この発明の他の実施形態に係る釘の拡大正面図である。
【図6】従来手段に係る釘の頭部の鍛造工程を示す説明図である。
【符号の説明】
10、10A 釘、
11 胴部、
11a 螺旋溝、
12 頭部、
20 製釘機、
22 線材、
22a 釘軸部、
23 ダイス、
24 パンチ、
25 線材送り手段、
27 カッタ、
50 切断手段(傾斜手段)、
51 カッタ移動部。
Claims (7)
- 線材から得られた胴部と頭部とを有し、該頭部は、前記線材の先端部をクランプして所定長さの釘軸部を外方に突出させ、該釘軸部をパンチングして成形することで得られる釘において、
前記頭部の中心線を、前記胴部の軸線から偏心させた釘。 - 前記釘軸部の長さが該釘軸部の外径の何倍かを表す圧造比が3.2以上である請求項1に記載の釘。
- 前記胴部の外周面に、螺旋溝が形成されたスクリュー式の釘である請求項1または請求項2に記載の釘。
- 線材の先端部をクランプして所定長さの釘軸部を外方に突出させ、該釘軸部をパンチングして頭部を鍛造した後、該線材の先端部を釘長さ分で切断する製釘機において、
前記釘軸部を外方に突出して、前記線材の先端部をクランプするダイスと、
前記線材を略釘の長さ分だけパンチ側に送り込んで、前記釘軸部をダイスの外方に突出させる線材送り手段と、
前記釘軸部をパンチングすることで、前記頭部を鍛造するパンチと、
前記頭部の鍛造後、前記線材の先端部を釘の長さに合わせて、所定の切断位置で切断する切断手段とを備えた製釘機において、
前記釘軸部のパンチング前に、該釘軸部を、前記線材の軸線を中心にして傾斜させる傾斜手段が設けられた製釘機。 - 前記切断手段と傾斜手段とは兼用され、
前記切断手段は、1対のカッタと、該カッタを近接または離反させるカッタ移動部とを有し、
該カッタ移動部は、前記線材の軸線からずれた切断位置まで両カッタを移動させ、前記線材の切断時、次に製造される釘用の釘軸部に対して、前記カッタにより軸線方向に直交する方向から屈曲力を作用させ、前記次に製造される釘用の釘軸部を傾斜させる請求項4に記載の製釘機。 - 線材の先端部をクランプして所定長さの釘軸部を外方に突出させ、該釘軸部をパンチングして頭部を鍛造した後、該線材の先端部を釘長さ分で切断する釘の製造方法において、
前記パンチングの前に、前記釘軸部を線材の軸線を中心にして傾斜させ、この傾斜状態で、前記釘軸部をパンチングする釘の製造方法。 - 線材の先端部を、外方に所定長さの釘軸部を突出させてダイスによりクランプし、前記釘軸部をパンチによりパンチングして頭部を鍛造した後、前記線材の先端部を切断手段により釘長さ分だけ切断する釘の製造方法において、
前記線材を略釘の長さ分だけパンチ側に送り込んで、前記釘軸部をダイスの外方に突出し、この状態で該ダイスにより線材の先端部をクランプするクランプ工程と、
該クランプ後、前記釘軸部にパンチを打ちつけるパンチング工程と、
該パンチング後、前記クランプ工程を施し、次に前記切断手段を利用して線材の軸線からずれた切断位置で、該線材の先端部を釘長さ分の位置で切断するとともに、次に製造される釘用の釘軸部に対して、その軸線に直交する方向から屈曲力を作用させ、前記次に製造される釘用の釘軸部を傾斜させる釘の製造方法。
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