JP2004316750A - 除振ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固定ブロック2に上部永久磁石対16と下部永久磁石対18を異なる磁極が対向するように所定の間隙をおいて取り付けるとともに、可動ブロック4に取り付けられた永久磁石26を上記間隙に挿入した。また、可動ブロック4の永久磁石26と上部永久磁石対16とは異なる磁極が対向する一方、可動ブロック4の永久磁石26と下部永久磁石対18とは同じ磁極が対向するようにした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気回路を利用した除振ユニットに関し、例えば、自動車、電車、船舶等の乗り物のシートに用いられるサスペンションユニットやエンジンマウント等に利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
剛性を確保するために、内部減衰の少ない材料で構成されることが多い機械や構造物の振動・騒音対策として、様々な制振材、制振器、制御方法が提案されている。
【0003】
特に、乗り物については高速化が進み、人体の振動暴露による肉体や神経系の損傷が問題とされている。これらは、疲労、頭痛、肩こり、腰痛、視力低下等の症状として表れる。通常、振動絶縁については、金属バネ、空気バネ、ゴム、粘弾性材料、ダンパといったバネと減衰材を最適に組み合せて用いるが、この組み合わせは、動倍率と損失係数のように背反関係にあることが多い。すなわち、低周波特性を改善するために動倍率を小さくすれば、損失係数の小さい硬いバネになり高周波特性が悪くなる。逆に、高周波特性を改善するために損失係数を上げれば、減衰材に近く動倍率の大きい柔らかいバネになり、低周波特性が悪くなる。そのため、動吸振器を含めた受動制振装置や準能動・能動制御により振動を抑制する試みが数多くなされている。
【0004】
このような中で、近年、減衰装置として磁気バネ構造を使用したものが知られており、これに金属バネやゴム等の弾性部材や緩衝部材を組み合わせることにより、全体のバネ定数を略0に設定することが可能な除振機構も提案されている。
【0005】
例えば、従来の除振機構は、所定の間隔をおいて異なる磁極を対向して配置した複数の固定磁石間に、固定磁石の磁界の影響により固定磁石の磁化方向と平行な方向に付勢される移動体を設けた磁気バネ構造を有し、この磁気バネ構造を金属バネやゴム等の緩衝部材と組み合せて全体のバネ定数を略0に設定している(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、固定磁石と動作体との間で形成される吸引系の磁気回路が持つ負のバネ定数に、絶対値が等しい正のバネ定数を持つ金属バネの弾性力を重畳することにより、所定の変位範囲における全体のバネ定数を略0に設定した除振機構も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−349374号公報(第5−6頁、図12)
【特許文献2】
特開2002−21922号公報(第3頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1あるいは2に記載の除振機構は、磁気回路を含む複数のバネの組み合わせにより略0のバネ領域を実現するものであり、部品精度のバラツキ等によりバネ特性が変化し、バネ特性の管理が容易ではなかった。
【0009】
また、磁気回路以外に金属バネ等の他の弾性部材を必要とすることから、部品点数が多く、レイアウトの面でもその自由度に制約があった。
【0010】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、磁気回路のみで略0のバネ領域を実現することのでき、構成が簡素でレイアウトの自由度も向上した除振ユニットを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、固定ブロックと、固定ブロックに対し上下動自在に取り付けられた可動ブロックとを有し、上記固定ブロックに上部永久磁石対と下部永久磁石対を異なる磁極が対向するように所定の間隙をおいて取り付けるとともに、上記可動ブロックに取り付けられた永久磁石を上記間隙に挿入し、上記可動ブロックの永久磁石と上記上部永久磁石対とは異なる磁極が対向する一方、上記可動ブロックの永久磁石と上記下部永久磁石対とは同じ磁極が対向するようにしたことを特徴とする除振ユニットである。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、上記可動ブロックに所定の荷重が加えられた平衡点では、上記上部及び下部永久磁石対と上記可動ブロックの永久磁石により構成される磁気回路のバネ定数が略0であることを特徴とする。
【0013】
さらに、請求項3に記載の発明は、上記上部及び下部永久磁石対の合計高さが上記可動ブロックの永久磁石の高さに略等しいことを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、上記固定ブロックに緩衝部材を取り付け、上記平衡点では、上記緩衝部材と上記可動ブロックとが離間していることを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、上記固定ブロックが互いに離間した二つの対向壁を有し、該対向壁に上下方向に延びるガイド溝を形成し、該ガイド溝に上記可動ブロックの永久磁石取付部を摺動自在に挿入したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1乃至図6は本発明にかかる除振ユニットUを示しており、複数の永久磁石を内蔵する固定ブロック2と、この固定ブロック2に上下動自在に取り付けられた可動ブロック4とを備えている。
【0017】
固定ブロック2は、ベースプレート6と、ベースプレート6上に配設されたケーシング8とを備えており、ケーシング8は、ベースプレート6上に所定の間隔をおいて互いに平行に立設されアルミニウム等の非磁性材料により形成された二枚の側板(対向壁)10と、この側板10の上縁部に接合された天板12とにより構成されている。また、二枚の側板10には、側板10と直交する方向に延在し所定の間隔をおいて配設された二枚のヨーク14の両縁部が接合されており、ヨーク14は鉄等の磁性材料により形成されている。
【0018】
各ヨーク14の内面には二つの矩形状永久磁石(固定磁石)16,18が上下に隣接した状態で接合されており、異なる磁極が同じ方向(内方あるいは外方)に向くように配設されている。また、二つのヨーク14の同じレベル(高さ)に取り付けられた永久磁石対(永久磁石16,18同士)は、所定の間隔をおいて異なる磁極が対向している。
【0019】
図6に示されるように、各側板10の内面には二つの突起10aが形成されており、二つの突起10aの内面は互いに平行に形成され、その間隔は対向する永久磁石16,18間の間隔と略等しく設定されている。
【0020】
さらに、互いに対向する永久磁石16,18間の間隙の上方に位置する天板12には、矩形状開口部12aが穿設されており、この開口部12aの両側(ヨーク14と永久磁石16,18の上方)には円錐形頭部を有するゴム製の緩衝部材20が取り付けられている。
【0021】
一方、可動ブロック4は、上部プレート22と樹脂製作動板24とを備えており、上部プレート22と作動板24はT字状(側面矢視)に接合されている。また、作動板24の下部には永久磁石(可動磁石)26が一体的に取り付けられており、永久磁石26は固定ブロック2の内部間隙に挿入された状態で、この内部間隙の両側に配置された永久磁石16,18のうち、互いに対向する上部永久磁石16に対しては異なる磁極が対向する一方、互いに対向する下部永久磁石18に対しては同一磁極が対向するように配設されている。なお、可動磁石26のサイズは、その両側の各々に配置された固定磁石対(上部及び下部磁石)のサイズに略等しく設定されている。
【0022】
また、作動板24の磁石取付部24aには、固定ブロック2の各側板10と各側板10に形成された二つの突起10aの内面(突起10aにより形成されるガイド溝の側面)と摺動自在に当接する凸部24bが形成されており、凸部24bの周囲の磁石取付部24aと側板10及び突起10aとの間には所定のクリアランスが設けられている。
【0023】
図1乃至図6は、上記構成の除振ユニットUの上部プレート22にある荷重が加えられた状態を示しており、この状態では、作動板24に取り付けられた可動磁石26はその全面が固定ブロック2に設けられた固定磁石16,18に対向している。この状態では、可動磁石26と上部固定磁石16との吸引力と、可動磁石26と下部固定磁石18の反発力とにより上部プレート22に加えられた荷重に対抗しており、上部プレート22は固定ブロック2に設けられた緩衝部材20とは当接せず、所定距離だけ離間している。
【0024】
この状態の可動ブロック4は、固定ブロック2に対し平衡状態にあり、所定範囲の変位に対し、略0のバネ定数を持つ磁気バネを構成しており、固定ブロック2に設けられた緩衝部材20により底付き時の荷重立ち上げを行っている。したがって、この磁気バネを、例えば、乗り物用シートのサスペンションユニットやエンジンマウント等に利用することで、シートに着座した人やエンジンに入力される振動を減少することが可能となる。
【0025】
【実施例】
図7は、固定磁石16,18及び可動磁石26としてネオジム系(ネオジム−鉄−ボロン)磁石を使用し、図5及び図6に示されるサイズを、H=20mm、W=22mm、T=8mmに設定するとともに、磁石間のクリアランスをC=1mmに設定したときの磁気回路の静特性を示しており、図8は磁気回路の静特性を細線で、緩衝部材20の静特性を破線で、磁気回路の静特性に緩衝部材20の静特性を組み合わせた除振ユニットUの静特性を実線で示したものである。
【0026】
このように設定した除振ユニットUは、図8からわかるように、平衡点から所定範囲(約±10mm)の変位に対しては略0のバネ定数を示しており、所定の荷重に対し所望の除振機能を有している。
【0027】
なお、上記実施の形態において、緩衝部材20として、例えばゴム製のものを使用したが、反発系の磁石で構成される磁気回路や、金属バネ等の緩衝手段を使用することもできる。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
固定ブロックに上部永久磁石対と下部永久磁石対を異なる磁極が対向するように所定の間隙をおいて取り付けるとともに、可動ブロックに取り付けられた永久磁石を上記間隙に挿入し、可動ブロックの永久磁石と上部永久磁石対とは異なる磁極が対向する一方、可動ブロックの永久磁石と下部永久磁石対とは同じ磁極が対向するようにしたので、磁気回路のみで略0のバネ領域を実現することができ、構成が簡素な除振ユニットを提供することができる。
【0029】
また、磁気回路のみで除振ユニットを構成することができるので、レイアウトの自由度も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる除振ユニットの斜視図である。
【図2】図1の除振ユニットの部分断面正面図である。
【図3】図1の除振ユニットの部分断面側面図である。
【図4】図1の除振ユニットの部分断面平面図である。
【図5】図2における線V−Vに沿った断面図である。
【図6】図2における線VI−VIに沿った断面図である。
【図7】図1の除振ユニットが持つ磁気回路の静特性を示すグラフである。
【図8】図1の除振ユニットが持つ磁気回路の静特性と緩衝部材の静特性と、両者の静特性を重畳した除振ユニットの静特性を示すグラフである。
【符号の説明】
2 固定ブロック、
4 可動ブロック、
6 ベースプレート、
8 ケーシング、
10 側板、
10a 突起、
12 天板、
14 ヨーク、
16,18 固定永久磁石、
20 緩衝部材、
22 上部プレート、
24 作動板、
24a 磁石取付部、
24b 凸部、
26 可動永久磁石、
U 除振ユニット。
Claims (5)
- 固定ブロックと、固定ブロックに対し上下動自在に取り付けられた可動ブロックとを有し、上記固定ブロックに上部永久磁石対と下部永久磁石対を異なる磁極が対向するように所定の間隙をおいて取り付けるとともに、上記可動ブロックに取り付けられた永久磁石を上記間隙に挿入し、上記可動ブロックの永久磁石と上記上部永久磁石対とは異なる磁極が対向する一方、上記可動ブロックの永久磁石と上記下部永久磁石対とは同じ磁極が対向するようにしたことを特徴とする除振ユニット。
- 上記可動ブロックに所定の荷重が加えられた平衡点では、上記上部及び下部永久磁石対と上記可動ブロックの永久磁石により構成される磁気回路のバネ定数が略0であることを特徴とする請求項1に記載の除振ユニット。
- 上記上部及び下部永久磁石対の合計高さが上記可動ブロックの永久磁石の高さに略等しいことを特徴とする請求項1あるいは2に記載の除振ユニット。
- 上記固定ブロックに緩衝部材を取り付け、上記平衡点では、上記緩衝部材と上記可動ブロックとが離間していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の除振ユニット。
- 上記固定ブロックが互いに離間した二つの対向壁を有し、該対向壁に上下方向に延びるガイド溝を形成し、該ガイド溝に上記可動ブロックの永久磁石取付部を摺動自在に挿入したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の除振ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003110186A JP2004316750A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 除振ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003110186A JP2004316750A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 除振ユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004316750A true JP2004316750A (ja) | 2004-11-11 |
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ID=33471114
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003110186A Pending JP2004316750A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 除振ユニット |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004316750A (ja) |
-
2003
- 2003-04-15 JP JP2003110186A patent/JP2004316750A/ja active Pending
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