JP2004315749A - 着色生分解性プラスチック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】天然蛍光性色素としてリボフラビンがポリ乳酸に含有されている
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、着色生分解性プラスチックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりプラスチックの着色には、染料や顔料が用いられている。染料はオイルカラーと呼ばれており、分散性及び透明性に優れた色調となる。しかし、染料をプラスチックの着色に使用した場合、ブリードやブルームを起こしやすく、色移行しやすいという欠点を有しているため、プラスチックの着色には染料よりも顔料が広く用いられている。こうしたプラスチックの着色用の顔料としては、従来からカドミ系無機顔料、クロム系無機顔料、鉛系無機顔料等の重金属化合物系顔料が広く使用されてきた。これらの重金属化合物系顔料は、耐候性、耐色性、耐色移行性に優れ、価格も安価であるという利点を有している。しかし、重金属による環境汚染が問題とされるにつれて、これらの重金属化合物系顔料は敬遠されるようになり、現在ではイソインドリノン、キナクリドン、フタロシアニン、ジケトピロロピロール、ジオキサジン、ペリレン等に代表されるような、化学合成された有機顔料がプラスチックの着色に用いられている(例えば特許文献1参照)
【特許文献1】
特開昭56−99245号公報
【0003】
そして、上記のプラスチック用の染料や顔料は、生分解性プラスチックにおいても同様に使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら化学合成された有機顔料は、発ガン性や環境ホルモン問題等、人の健康や環境汚染に対する影響が懸念される。特に生分解性プラスチックにおいては、それが環境適応型の素材であるという理由から使用されるものであり、、その着色についても、人の健康に対して無害で、環境汚染を引き起こすおそれのないことが強く望まれている。
【0005】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、人に対する安全性が高く、環境汚染を引き起こすおそれの少ない着色生分解性プラスチックを提供することを解決すべき課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の着色生分解性プラスチックは、天然色素が生分解性プラスチックに含有されていることを特徴とする。天然色素はクチナシ黄色色素やウコン色素に代表されるように、従来より食品添加物として利用されており、化学合成された色素と比較して安全性が高い。このため、例えばコップ、食器、弁当箱のように、人や食べ物と直接接触する製品に本発明の着色生分解性プラスチックを使用したとしても、安全であり、環境汚染を引き起こす恐れも少ない。なお、ここで天然色素とは、自然界の動植物や微生物から取り出された全ての色素のみならず、銅クロロフィリンナトリウム等のように、そうした色素から化学的に誘導された色素も含む概念である。また、これらの天然色素を生分解性プラスチックに2種類以上含有させることももちろん可能である。こうすることによって着色生分解性プラスチックの色合いを調整することが可能となる。
【0007】
さらに、本発明では素材となる生分解性プラスチックも、染料や顔料となる天然色素も、微生物によって分解することができる。このため、本発明の着色生分解性プラスチックが廃棄される場合、そのまま埋め立て処分とすることが可能となる。このため、焼却処分の必要な廃棄物の量を減らすことができる。ここで生分解性樹脂とは、土壌中で微生物により生分解可能な樹脂の総称であり、例えば、澱粉、酢酸セルロース、(キトサン/セルロース/澱粉)重合系等の天然高分子由来のものや、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリエチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)ポリビニルアルコール等の合成高分子、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシバリデート)等の微生物産生系高分子、並びにそれらの混合物(コンパウンド)等が挙げられる。具体的には化学合成系グリーンプラ(登録商標)であるCargill−DOW社製のNature Works(登録商標)、UCC社製のTONE(登録商標)、(株)島津製作所製のラクティ(登録商標)、ユニチカ(株)製のテラマック(登録商標)、昭和高分子(株)のビオノーレ(登録商標)、三菱ガス化学(株)のユーペック(登録商標)、三井化学(株)製のレイシア(登録商標)、(株)日本触媒製のルナーレ(登録商標)、Du Pont社製のBiomax(登録商標)、BASF社製のEcoflex(登録商標)、クラレ社製のポバール(商標)、Eastman Chemicals社製のEaster Bio(登録商標)、日本合成化学工業(株)製のゴーセノール(登録商標)、アイセロ化学(株)製のドロン(登録商標)、IRE CHEMICAL社製のエンポル(商標)、ダイセル化学工業(株)製のセルグリーン(登録商標)等を使用することができる。さらに、これから研究されるであろう全ての生分解性樹脂が使用可能であると期待できる。
【0008】
天然色素は蛍光性を有する蛍光天然色素とすることができる。こうであれば、人に対する安全性が高く、環境汚染を引き起こすおそれが少く、さらに蛍光を発する着色生分解性プラスチックとすることができる。また、蛍光天然色素をマーカーとすることにより、リサイクル時の分別作業を容易にすることも可能となる。すなわち、廃棄物の分別作業において、廃棄物にブラックライト等によって紫外線を照射すれば、蛍光天然色素が含まれる生分解性樹脂が蛍光を発することとなる。このため、その蛍光を検出することができる光センサーを用いたり、目視によってその蛍光を確認したりすることにより、生分解性樹脂をそれ以外の廃棄物から分別して収集することができる。こうして分別された分解性樹脂は、そのまま埋め立て処分とすることが可能であるため、焼却処分の必要な廃棄物の量を減らすことが可能となる。
【0009】
蛍光天然色素としては、リボフラビン、クロロフィル、アロフィコシアニン、フィコシアニン、フィコエリスリン等を用いることができる。この中でも、蛍光天然色素としてのリボフラビンはバクテリアの活動を活発化する補酵素でもあるため、これを生分解性プラスチックに含有させれば、生分解性が向上することが期待される。
【0010】
また、蛍光天然色素は二種以上含有されていることも好ましい。こうであれば、蛍光天然色素間のエネルギー移動により、より強い蛍光を発することが可能となる。発明者らの試験結果によれば、リボフラビンとβ−カロテンとを生分解性プラスチックに含有させた場合には、単独でそれらを生分解性プラスチックに含有させた場合と比較して、遥かに強い蛍光を発することを確認している。
【0011】
天然色素は食用天然色素であることも好ましい。こうであれば、さらに安全性が高い着色生分解性プラスチックとすることができる。ここで、食用天然色素とは、植物や動物等の生物から取り出された色素であって、食品衛生法で食用として認められた色素のことをいう。具体的には、クロロフィル、銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、鉄クロロフィリンナトリウム等のクロロフィル系色素、クチナシ黄色色素、パーム油カロテン、トウガラシ色素、アトナー色素等のカロテノイド系色素、コチニール色素、ラック色素、アカネ色素等のアントラキノン系色素、シソ色素、アカキャベツ色素、アカダイコン色素、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ブドウ果皮色素、エルダーベリー色素、ブドウ果汁色素、ブルーベリー色素等のアントシアニン系色素、カカオ色素、タマリンド色素、カキ色素、コウリャン色素等のフラボノイド系色素、ベニバナ黄色素、ベニバナ赤色素等のカルコン系色素、ウコン色素、ベニコウジ色素、ベニコウジ黄色素、クチナシ赤色素、クチナシ青色素、ビートレッド、スピルリナ色素等がある。
【0012】
食用天然色素のなかでも、クロロフィル系色素やカロテノイド系色素は、鮮やかな色を呈し、安定で退色し難いため、特に好ましい。
【0013】
本発明の着色生分解性プラスチックには、さらに酸化防止剤及び光安定化剤の少なくとも一種が含有されていることがさらに好ましい。酸化防止剤が含有されていれば、生分解性プラスチックの酸化による劣化を防ぐことができるとともに、それに含有されている色素が酸化されて変色や退色することを防止することもできる。また、光安定剤が含有されていれば、生分解性プラスチックの光による酸化劣化を防ぐことができるとともに、それに含有されている色素が光酸化されて変色や退色することを防止することもできる。
【0014】
ここで、酸化防止剤としては特に限定はなく、例えば、2,3−ジブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート 等のフェノール系酸化防止剤、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート 等のイオウ系酸化防止剤、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト 等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤が天然から採取されるルチンであれば、人に対する安全性がさらに高くなり、環境汚染のおそれもさらに少なくなることから、特に好適である。
【0015】
また、光安定化剤としては特に限定はなく、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤や、ヒンダードアミン系光安定化剤、ベンゾエート系光安定化剤等が挙げられる。
【0016】
より具体的にはサリチル酸系紫外線吸収剤として、サリチル酸フェニル(Seesorb 201 日石カルシウム)、サリチル酸p−t−ブチルフェニル(スミソーブ 90 住友化学、Viosorb 90 共同薬品)が挙げられる。
【0017】
また、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤として、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(Viosorb 100 共同薬品)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(Uvinul M−40 BASF)、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン(Viosorb 130 共同薬品)、2,2′−ジヒドロキシ−4−4′−ジメトキシベンゾフェノン(Uvinul 3049 BASF)、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(Cyasorb UV−24 ACC)2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン(Uvinul MS40 BASF)、2,2′−ジヒドロキシ−4−4′−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノンNa塩(Uvinul DS49 BASF)が挙げられる。
【0018】
さらに、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(JF−77 城北化学工業)、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(Tinuvin 320 チバガイギー)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(Tinuvin 326 チバガイギー)、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(Tinuvin 328 チバガイギー)が挙げられる。
【0019】
また、シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート(Uvinul 3039 BASF)、エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート(Uvinul 3035 BASF)が挙げられる。
【0020】
さらに、その他紫外線吸収剤としては、4−ビス(ポリエトキシ)p−アミノ安息香酸ポリエトキシエチルエステル(Uvinul P25 BASF)や、高分子型の2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(RUVA−39 大塚化学)等が挙げられる。
【0021】
また、ヒンダードアミン系光安定化剤としては、例えば、4−ベルゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメルチピペリジン、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)フタレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペジル)セパケート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−メチルピペリジル)セパケート、ジ−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−n−ブチル−2−(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−カルボニルオキシピペリジノ)−p−ジメチルベンジル、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−オキソ−ジスビロ[5・1・9・19]ヘネイコン、ピス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セパケート、ジメチルスクシネート、2−(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニル)エチノール縮合物、[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル−(4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル)イミノ)−ヘキサメチレン−(4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル)イミノ)]等が挙げられる。
【0022】
さらに、ベンゾエート系光安定化剤としては2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシルベンゾエート等が挙げられる。
【0023】
本発明の着色生分解性プラスチックには、層状ケイ酸塩が分散されていることも好ましい。こうであれば、一般的に不安定である天然色素が層状粘土鉱物の層間に挿入されたり、表面に吸着したりして安定化し、天然色素の変色を遅くすることができる。ここで、層状ケイ酸塩としては、2:1型粘土鉱物を主とするものが挙げられ、スメクタイト、バーミキュライト、マイカ等が代表的なものである。スメクタイトの例としては、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイトが挙げられる。バーミキュライトとしては、ジオクタヘドラルバーミキュライト、トリオクタヘドラルバーミキュライト等が挙げられ、マイカの例としては、テニオライト、四珪素マイカ、マスコバイト、イライト、セリサイト、フロゴバイト、バイオタイト等が挙げられる。これらの珪酸塩は天然鉱物でもよく、水熱合成、溶融法、固相法などにより合成されるものであってもよい。また、それらをアルキルカチオン等の界面活性剤で処理したものであってもよい。こうしたアルキルカチオンとして、例えばアルキルアンモニウム、アルキルホスフォニウム等が挙げられ、アルキルアンモニウムにはオクダデシルアンモニウム、オクタデシル−トリメチルアンモニウム等が挙げられ、アルキルホスフォニウムにはヘキサデシルトリt−ブチルホスフォニウム、オクチルt−ブチルホスフォニウム等が挙げられる。なお、こうした、層状ケイ酸塩と天然色素と生分解性プラスチックとの混合は、これら三つを同時に混合してもよく、これらのうち二つを混合してから、さらに残りの一種を混合してもよい。また、層状粘土鉱物は可視光の波長域よりも小さな粒径のものが均一に分散していること(いわゆるナノコンポジット化されていること)が好ましい。こうであれば、着色生分解性プラスチックの透明性を維持することができるとともに、機械的な強度も大きくなるからである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施例1〜8を説明する。
【0025】
(実施例1)
実施例1の着色生分解性プラスチックは、蛍光天然色素としてのリボフラビンがポリ乳酸に含有されているものであり、以下のように調製された。
【0026】
<マスターバッチの調整>
ポリ乳酸(ユニチカ(株)製、商品名:テラマックTE4000、)500gにリボフラビン(ナカライテスク(株)製)を0.05g加え、中型二軸押出機(テクノベル(株)製、KZW15−30TGN)により溶融混練し、マスターバッチ1を得た。この際の設定温度は、上流側から下流側にかけて、4箇所で170°C、200°C、200°C、200°Cに設定した。
【0027】
<着色生分解性プラスチックの成形>
さらに、このマスターバッチ1を100g量り採り、マスターバッチ1を調製するために用いたポリ乳酸と同じポリ乳酸100gに加え、射出成形機(住友重機械工業(株)製 SE18S)により180°Cで射出成形して、実施例1に係るダンベル形状及び直方体形状の試験片を作成した。
【0028】
(実施例2)
実施例2の着色生分解性プラスチックは、食用天然色素としてのβ−カロテンがポリ乳酸に含有されているものであり、以下のように調製された。
【0029】
<マスターバッチの調整>
ポリ乳酸(実施例1と同じもの。以下同様)500gにβ−カロテンを0.5g加え、実施例1と同様の方法で溶融混錬し、マスターバッチ2を得た。
【0030】
<着色生分解性プラスチックの調整>
さらに、このマスターバッチ2を100g量り採り、ポリ乳酸100gに混合し、実施例1と同様の方法で射出成形して、実施例2に係るダンベル形状及び直方体形状の試験片を作成した。
【0031】
(実施例3)
実施例3の着色生分解性プラスチックは、蛍光天然色素としてのリボフラビン及びβ−カロテンがポリ乳酸に含有されているものであり、以下のように調製された。
【0032】
実施例1で使用したマスターバッチ1及び実施例2で使用したマスターバッチ2をそれぞれ100gづつ量り採り、それらを実施例1と同様の方法により、実施例3に係るダンベル形状及び直方体形状の試験片を作成した。
【0033】
(実施例4)
実施例4の着色生分解性プラスチックは、食用天然色素としての銅クロロフィリンナトリウム(ナカライテスク(株)製)を0.05g加え、実施例1と同様の方法により、ダンベル形状及び直方体形状の試験片を作成した。
【0034】
(実施例5)
実施例5の着色生分解性プラスチックは、食用天然色素としてのコチニール色素がポリ乳酸に含有されているものである。すなわち、ポリ乳酸500gにコチニール色素(キリヤ化学(株)製)を5g加え、実施例1と同様の方法により、ダンベル形状及び直方体形状の試験片を作成した。
【0035】
(実施例6)
実施例6の着色生分解性プラスチックは、青色の食用天然色素がポリ乳酸に含有されているものである。すなわち、ポリ乳酸500gに青色の食用天然色素(キリヤ化学(株)製、商品名「キリヤスブルーSP」)を0.5g加え、実施例1と同様の方法により、ダンベル形状及び直方体形状の試験片を作成した。
【0036】
(実施例7)
実施例7の着色生分解性プラスチックは、食用天然色素としてのコチニール色素とともに酸化防止剤としてのルチンがポリ乳酸に含有されているものであり、以下のように調製された。
【0037】
実施例1で使用したものと同じポリ乳酸500gにコチニール色素(キリヤ化学(株)製)5gとルチン(キリヤ化学(株)製)5gを加え、実施例1と同様の方法により、ダンベル形状及び直方体形状の試験片を作成した。
(実施例8)
実施例8の着色生分解性プラスチックは、層状ケイ酸塩が分散されたポリ乳酸に蛍光天然色素としてのリボフラビンが含有されているものであり、以下のように調製された。
【0038】
ナノオーダーの層状ケイ酸塩が均質に分散されたポリ乳酸(ユニチカ(株)製、商品名:テラマックTE6110)500gにリボフラビン0,05gを加え、実施例1と同様の方法により、ダンベル形状及び直方体形状の試験片を作成した。
【0039】
<評価>
(可視光及び紫外線の照射試験)
上記実施例1〜8に係る着色生分解性プラスチックについて、蛍光灯の光をあてて目視により色を観察した。さらに、実施例1〜3、8の着色生分解性プラスチックについては、ブラックライト(東芝ライテック(株)製、商品名:ブラックライト蛍光ランプ FL15BLB−A)を使用して紫外線を照射し、目視により色を観察した。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示すように、実施例1〜8では、それぞれに含まれる色素の色に着色したポリ乳酸樹脂とされており、優れた均質性を示した。なお、実施例7には、ルチンによってコチニール色素の酸化が防止されため、色素の退色が防止される。また、実施例1〜3では紫外線の照射により、蛍光灯下での色とは異なる蛍光を発した。これにより、実施例1〜3に係る着色生分解性プラスチックでは、色の変化による意外性の演出が可能であることが分かる。さらに、これら実施例1〜3に係る着色生分解性プラスチックを食品容器等に用いた場合、紫外線の照射によって発せられる蛍光を光センサーや目視によって検知し、これにより生分解性樹脂のみを分別することができる。また、リボフラビンとβ−カロテンとを両方含む実施例3では、それぞれを単独で含む実施例1や実施例2よりも遥かに明るい蛍光が観察された。
【0042】
(蛍光スペクトル測定)
上記実施例1〜3について、紫外線照射下における蛍光スペクトル測定を行った。その結果、表2に示すように、リボフラビンを含有する実施例1では、495nmに蛍光のピークが認められた。また、β−カロテンを含有する実施例2では、412nmに蛍光のピークが認められた。さらに、リボフラビン及びβ−カロテンを両方含む実施例3では、495nm及び404nmに蛍光のピークが認められた。
【0043】
【表2】
【0044】
(吸収スペクトル測定)
上記実施例1〜6について、吸収スペクトル測定を行った。その結果を表2に示す。
【0045】
この結果からも、天然色素によるポリ乳酸の着色が可能であることが分かる。
Claims (10)
- 天然色素が生分解性プラスチックに含有されていることを特徴とする着色生分解性プラスチック。
- 天然色素は蛍光性を有する蛍光天然色素であることを特徴とする請求項1記載の着色生分解性プラスチック。
- 蛍光天然色素はリボフラビンであることを特徴とする請求項2記載の着色生分解性プラスチック。
- 二種以上の蛍光天然色素が含有されていることを特徴とする請求項2記載の着色生分解性プラスチック。
- 天然色素は食用天然色素であることを特徴とする請求項1記載の着色生分解性プラスチック。
- 食用天然色素はクロロフィル系色素であることを特徴とする請求項5記載の着色生分解性プラスチック。
- 食用天然色素はカロテノイド系色素であることを特徴とする請求項5記載の着色生分解性プラスチック。
- 酸化防止剤及び光安定化剤の少なくとも一種が生分解性プラスチックに含有されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の着色生分解性プラスチック。
- 酸化防止剤はルチンであることを特徴とする請求項8記載の着色生分解性プラスチック。
- 層状ケイ酸塩が生分解性プラスチックに分散されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の着色生分解性プラスチック。
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