JP2005089676A - 熱可塑性樹脂組成物および該樹脂組成物を用いて成る成形物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物および該樹脂組成物を用いて成る成形物 Download PDF

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Abstract

【課題】 抗菌性、耐着色性を有する熱可塑性樹脂成形物を提供すること。
【解決手段】
熱可塑性樹脂と、抗菌剤及びブリード促進剤とを含む熱可塑性樹脂組成物であって、抗菌剤が桂皮酸または桂皮酸誘導体である熱可塑性樹脂組成物。抗菌剤がクマル酸、クマリン、コーヒー酸、フェルラ酸のいずれかである熱可塑性樹脂組成物。ブリード促進剤が、グリセリンと高級脂肪酸とからなるエステル化合物、アルコール、界面活性剤のいずれかである熱可塑性樹脂組成物。上記熱可塑性樹脂組成物を用いて得られる成形物。

Description

本発明は、熱可塑性樹脂に特定の抗菌剤とブリード促進剤を含み、優れた抗菌性を有する熱可塑性樹脂組成物および該樹脂組成物を用いて成る成形物に関する。
近年は若年者を中心に抗菌・殺菌に関する要求が強まっており、玩具、トイレ用品、まな板、包丁等の台所用品、箸、皿等の食品容器、入浴用品、歯ブラシ等の家庭用品から工業用品に至るまで抗菌性を有するものが使用されている。
また、病院等の医療設備においては黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌等の院内感染が大きな社会的問題となっており、免疫力の低下した病人にも安全な衛生的環境を得るうえで、壁材、床材、天井材、階段手すり等の材料に対して抗菌性の要求はより高度のものとなっている。
これらの製品に抗菌性を付与するために、熱可塑性樹脂に各種の抗菌剤を添加したり、抗菌剤を含有する合成樹脂塗料を塗布することが行われている。
銀などの特定の金属に抗菌作用があることは古くから知られており、これら金属を用いた抗菌剤としては、ゼオライト、シリカゲル、ヒドロキシアパタイト等の各種の無機化合物を上記金属で変成した無機系抗菌剤または各種の有機酸の上記金属塩が知られている。
しかし、金属塩類が多過ぎたり遊離アルカリが存在すると、銀イオン等が反応性に富むため呈色反応を起こす危険があり、特に、熱可塑性樹脂のような添加剤が多い系では変色が著しい欠点もあるため、その用途は限定されたものでしかなかった。そこで、銀イオンの反応性を抑制する為にフッ素皮膜を行うこと(例えば特許文献1参照)も試みられたが、呈色は満足行くものではなかった。
また、有機系の抗菌剤として、ハロゲンや硫黄を含有する有機化合物等が知られているが、これら有機化合物は抗菌性には優れるものの人体に有害な化合物が多い。また、無機系抗菌剤に比べて耐熱性、安定性に乏しいために、熱可塑性樹脂に添加して加工を行う際に、分解したり製品から逃失して効力を失うばかりでなく、臭気の発生や高分子材料の物性低下等の好ましくない作用をも奏するため、用途が制限されていた。
安全性の高い天然由来の抗菌剤として、竹類抽出物を配合したポリ塩化ビニル樹脂またはポリオレフィン樹脂から成る抗菌・抗藻性成形物が提案されている(例えば特許文献2参照)が、竹類抽出物の抗菌・抗藻効果は小さく、多量に添加しなければ効果を奏さない欠点があった。
さらに、天然由来としてリグニン化合物と熱可塑性樹脂とを特定の割合で含有させることにより抗菌性を持たせる事が提案されている(例えば特許文献3参照)が、リグニンの耐熱性が悪く十分な抗菌性が得られていないのが現状であった。
特開平8−203714号公報 特開平8−59935号公報 特開平11−152410号公報
このため、熱可塑性樹脂の加工温度に耐えられる、安定な抗菌性を有し、製品の価値を損なうような着色がない熱可塑性樹脂成形物が強く要望されていた。従って、本発明の目的は、優れた抗菌性、耐着色性を有する熱可塑性樹脂組成物および該樹脂組成物を用いて成る成形物を提供することにある。
すなわち本発明の第1の発明は、熱可塑性樹脂と、抗菌剤及びブリード促進剤とを含む熱可塑性樹脂組成物であって、抗菌剤が桂皮酸または桂皮酸誘導体である熱可塑性樹脂組成物である。
第2の発明は、抗菌剤がクマル酸、クマリン、コーヒー酸、フェルラ酸のいずれかである第1の発明に記載の熱可塑性樹脂組成物である。
第3の発明は、ブリード促進剤が、グリセリンと高級脂肪酸とからなるエステル化合物、アルコール、界面活性剤のいずれかである第1又は第2の発明に記載の熱可塑性樹脂組成物である。
第4の発明は、グリセリンと高級脂肪酸とからなるエステル化合物が、モノグリセライドである第3の発明に記載の熱可塑性樹脂組成物である。
第5の発明は、界面活性剤がジエタノールアルキルアミンである第3又は第4の発明に記載の熱可塑性樹脂組成物である。
第6の発明は、第1〜第5の発明いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形物である。
第7の発明は、抗菌剤を0.01〜15重量%と、ブリード促進剤を0.01〜15重量%とを含有する第6の発明に記載の成形物である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、抗菌剤及びブリード促進剤とを含み、抗菌剤が桂皮酸または桂皮酸誘導体であるので安定で耐熱性が良好である。また、両者が相乗的に作用して優れた抗菌性を有する。更に、抗菌剤による着色が生じないため、変色の抑制が可能である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、抗菌剤がクマル酸、クマリン、コーヒー酸、フェルラ酸のいずれかなので、更に抗菌性に優れる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ブリード促進剤が、グリセリンと高級脂肪酸とからなるエステル化合物、アルコール、界面活性剤のいずれかなので、更に抗菌性に優れる。
また、グリセリンと高級脂肪酸とからなるエステル化合物が、モノグリセライドなので、更に抗菌性に優れる。
また、界面活性剤がジエタノールアルキルアミンなので、更に抗菌性に優れる。
上記の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる本発明の成形物は、優れた抗菌性を有するとともに着色の程度が低い。
本発明の成形物は、抗菌剤を0.01〜15重量%と、ブリード促進剤を0.01〜15重量%とを含有するので、更に優れた抗菌性を有し、かつ着色の程度が低い。
好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物のベース樹脂や成形物における成形樹脂として使用される熱可塑性樹脂としては、従来各種の成形物の製造に使用されている熱可塑性樹脂はいずれも使用することができ、特に制限されない。
例えば高密度、低密度または直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−3−メチルペンテン等のα−オレフィン重合体またはエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン及びこれらの共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−シクロヘキシルマレイミド共重合体、塩化ビニル−シクロヘキシルマレイミド共重合体等の含ハロゲン樹脂、
石油樹脂、クマロン樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、スチレン及び/又はα−メチルスチレンと他の単量体(例えば、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、メタクリル酸メチル、ブタジエン、アクリロニトリル等)との共重合体(例えば、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、耐熱ABS樹脂等)、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエチレンテレフタレート及びポリテトラメチレンテレフタレート等の直鎖ポリエステル、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ポリカプロラクタム及びポリヘキサメチレンアジパミド等のポリアミド、ポリカーボネート、分岐ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン、繊維素系樹脂等の熱可塑性合成樹脂及びこれらのブレンド物あるいはフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。更に、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム等のエラストマーであっても良い。上記材料の中でもポリオレフィンが好ましい。
本発明で使用される抗菌剤は、桂皮酸または桂皮酸誘導体である。桂皮酸誘導体とは、桂皮酸より誘導可能な桂皮酸と化学構造類似の物質をいい、代表例としてクマル酸が挙げられる。その他、クマリン、コーヒー酸(カフェ酸)、フェルラ酸、コニフェリールアルコール、シナピン酸、シナピルアルコール、クマリルアルコール、フェニルアラニン等が挙げられる。好ましい桂皮酸誘導体はクマル酸、クマリン、コーヒー酸、フェルラ酸である。これらの抗菌剤は単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの抗菌剤は、リグニン分解生成物や天然精油から分離したもの、或いは合成反応生成物等として入手することができる。
ブリード促進剤は、熱可塑性樹脂に練り込んで成形した場合、ブリード促進剤自身だけでなく抗菌剤をも効率よく表面へ移行させるものである。
本発明で使用されるブリード促進剤としては、グリセリンと脂肪族または芳香族カルボン酸とからなるエステル化合物、界面活性剤、アルコール等が好ましい。これらは単独で用いても良いし、または併用することもできる。
グリセリンと高級脂肪酸とからなるエステル化合物において用いられる高級脂肪酸としては、脂肪族または芳香族カルボン酸が挙げられる。例えば、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン酸、ネオデカン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、ブラシジン酸および獣脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、綿実油脂肪酸等の天然油脂から得られる脂肪酸混合物、安息香酸、トルイル酸、エチル安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、キシリル酸等が挙げられ、なかでもラウリン酸が好ましい。
グリセリンと高級脂肪酸とからなるエステル化合物としては、FDA認可のあるモノグリセリドが好ましい。ラウリン酸モノグリセリドが特に好ましく用いられる。
界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等が挙げられる。アニオン系界面活性剤は主にアルキルスルホン酸ナトリウム、カチオン系界面活性剤は四級アンモニウム塩、非イオン系界面活性剤は、脂肪酸と多価アルコールの部分エステルや脂肪酸のエタノールアミド、ポリエチレングリコールのエステルないしエーテル等が代表的なものである。
好ましい界面活性剤としては、特に下記化学式(1)に示されるジエタノールアルキルアミンが挙げられる。
Figure 2005089676
式中のRは炭素数1以上のアルキル基を示し、炭素数8以上が好ましい。アルキル基炭素数12のジエタノールドデシルアミンが最も好ましい。
アルコールとは、化学式(2)に示すものである。
Figure 2005089676
式中のRは炭素数1以上のアルキル基を示し、炭素数12以上が好ましい。アルキル基炭素数18のオクタデシルアルコールが最も好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、抗菌剤と、ブリード促進剤とを熱可塑性樹脂に加え、エクストルーダー、2軸ニーダー、ロールミル等の混練機を用いて均一に混合することにより得られる。ペレット状やマーブル状等の所望の形状に成形してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、抗菌剤やブリード促進剤の濃度の高いマスターバッチでも良い。マスターバッチの場合、成形物製造の際に成形樹脂を添加しマスターバッチを希釈して成形物が得られる。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、抗菌剤やブリード促進剤の濃度が成形物と同じ組成であるコンパウンドでも良い。コンパウンドの場合、そのままの組成で成形物を製造できる。
本発明の成形物としては容器、キャップ、部品等の3次元成形物、フィルム、シート、テープ等の2次元成形物等が挙げられる。これらの成形物は多層構成でも良い。
3次元成形物は、その成形物に応じて射出成形、押し出し成形、中空成形、回転成形、粉末成形、真空成形等公知の方法で成形される。その具体例としては食品、洗剤、医薬品、化粧品、飲料製品等の透明容器及びそのキャップ類が挙げられる。
2次元成形物は、熱可塑性樹脂のフィルム化に用いられるインフレーション加工、多層インフレーション加工、Tダイフィルム加工、フラットフィルム法による縦横同時二軸延伸法、又は縦横逐次二軸延伸法、チューブラフィルム法等公知の方法で成形される。このようにして得られた2次元成形物は食品包装、繊維包装、雑貨包装、薬品類の包装、テープ、絶縁材料、農業用フィルム、各種シート等通常の熱可塑性樹脂フィルムが用いられる分野と同様の分野で用いられる。
また、フィルムは各種基材即ちクラフト紙や上質紙などの紙類、プラスチックフィルム類、アルミニウム等の金属箔等と密着させてラミネートとすることが出来る。得られたラミネートは牛乳、酒類等の食品容器、医薬品の包装材料、食品の包装材料、各種シート等の用途がある。
成形物における抗菌剤の含有量は0.01〜15重量%が好ましい。0.01%未満であると十分な抗菌性が得られない。15%を超えて添加すると、その水分による発泡や着色によって成形物に不具合が生じる可能性がある。
また、成形物におけるブリード促進剤の含有量は0.01〜15重量%が好ましい。0.01重量%未満であると十分な抗菌性が得られず、15重量%を超えて添加すると、樹脂の可塑化不良等の加工上で大きな問題が生じる可能性がある。更に、抗菌剤量の1/20〜1倍量が好ましく、特に1/20〜1/4倍量が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物や成形物には、上記成分以外に顔料又は染料を添加できる。例えばアゾ系、アンスラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、フタロシアニン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダスレン系、キノフタロン系等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、群青、コバルトブルー、カーボンブラック、チタンイエロー等の有色無機顔料、硫酸バリウム、カオリン、タルク等の体質顔料、アンスラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、モノアゾ系、メチン系、複素環系、ラクトン系、フタロシアニン系等の油溶性染料、分散染料が使用できる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物や成形物には、熱可塑性成形物に使用される酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、金属不活性剤等の添加剤を配合することができる。酸化防止剤としてはフェノール系、ホスファイト系等が使用できる。フェノール系としては、例えばジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等を挙げることができる。ホスファイト系としては、例えばトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト等を挙げることができる。紫外線防止剤としてはベンゾトリアゾール系、トリアジン系等が使用できる。ベンゾトリアゾール系としては、例えば2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]]、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール等を挙げることができる。トリアジン系としては、例えば2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等を挙げることができる。
光安定剤としてはヒンダードアミン系等が使用できる。ヒンダードアミン系としては、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物等を挙げることができる。金属不活性剤としては、例えば2,3-ビス[[3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド等を挙げることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、滑剤として金属石鹸すなわち高級脂肪酸の金属塩、またはオキシカルボン酸金属塩を用いることができる。具体的にはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸リチウム、ラウリル酸カルシウム、ラウリル酸亜鉛、ラウリル酸マグネシウム、オキシカルボン酸金属塩としてα−ヒドロキシミリスチン酸、α−ヒドロキシパルミチン酸、α−ヒドロキシステアリン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラエイコサン酸、α−ヒドロキシヘキサエイコサン酸、α−ヒドロキシオクタエイコサン酸、α−ヒドロキシトリアコンタン酸、β−ヒドロキシミリスチン酸、10−ヒドロキシデカン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸等の金属塩が挙げられる。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物や成形物は、上記以外の公知の無機系および/または有機系の抗菌剤や防黴剤を併用することによって、抗菌性をより広範なものとすることもできる。これらの添加剤は、本発明の熱可塑性樹脂組成物や成形物を作製する際に粉末のまま添加しても良い。また、これらをコンパウンドやマスターバッチの形態で用いても良い。
以下、本発明を具体的に実施例をもって説明する。以下の記載において、部は重量部を、%は重量%をそれぞれ表す。
(1)マスターバッチの製造
[実施例1〜18]
表1に示すように、成分(ア)〜成分(オ)を均一混合し、直径30mm二軸押出機にてスクリュー回転数250rpmにて溶融混練し、マスターバッチを製造した。溶融混練の際の温度は、成分(オ)が低密度ポリエチレンの場合は設定温度160℃、ポリプロピレンの場合は設定温度240℃で行った。
Figure 2005089676
[比較例3〜14]
表2に示すように、成分(ア)〜成分(オ)を均一混合し、実施例1と同様にしてマスターバッチを得た。
Figure 2005089676
(2)コンパウンドの製造
[実施例19〜36]
表3に示すように、成分(ア)〜成分(オ)を均一混合し、直径30mm二軸押出機にてスクリュー回転数250rpmにて溶融混練し、コンパウンドを得た。溶融混練の際の温度は、成分(オ)がLDPEの場合は設定温度160℃、PPの場合は設定温度240℃で行った。
Figure 2005089676
[比較例1、2]
表4に示すように、成分(オ)のみを用い、実施例19と同様にしてコンパウンドを得た。
[比較例15〜26]
表4に示すように、成分(ア)〜成分(オ)を均一混合し、実施例19と同様にしてコンパウンドを得た。
Figure 2005089676
尚、実施例、比較例で用いた「LDPE」は低密度ポリエチレン(MFR=7)、「PP」はポリプロピレン(MFR=7)である。
「孟宗竹」は孟宗竹抽出液、「銀系抗菌剤」は銀ゼオライト、「モノグリセリド」はラウリン酸モノグリセリド、「アルコール」はオクタデシルアルコール、「DEA」はジエタノールドデシルアミンを用いた。
[評価試験]
以上の実施例及び比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物(マスターバッチとコンパウンド)を用いて以下の評価を行い、結果を表5に示した。
[試験用フィルムの作製]
実施例19〜36、比較例15〜26で得られたコンパウンドは、そのままの組成のものをラボプラストミル(東洋精機社製)にてTダイを用いて成形し、フィルムを得た。比較例1、2は樹脂をそのまま同様の加工方法で成形しフィルムを得た。
また、実施例1〜18、比較例3〜14で得られたマスターバッチは、それぞれベース樹脂(各々成分(エ)で用いた樹脂と同じ樹脂を用いた。)で10倍希釈されるように混合した。その混合物をラボプラストミル(東洋精機社製)にてTダイを用いて成形し、フィルムを得た。
a.抗菌性評価
各フィルムについて、2種類の菌(黄色ブドウ球菌、大腸菌)を用いて抗菌性試験(フィルム密着法JIS Z2801)を行い、菌接種直後から24時間後の菌数の減少率を求め、以下の基準に従い評価した。
○:99%以上(菌数は1%未満に減少)
×:99%未満
b.色相評価
各フィルムを色差計(COLOR7x クラボウ社製)で測色し、それぞれ同じ樹脂を用いて得られた未添加物フィルム(比較例1、2の熱可塑性樹脂組成物より得られたフィルム)の色度との色差△Eの値を求め、以下の基準に従い評価した。
○:△E 5未満
△:△E 5以上7未満
×:△E 7以上
Figure 2005089676
本発明の成形物は抗菌性を有する熱可塑性樹脂成形物に適用できる。また、抗菌剤による色相変化が少ないので着色の自由度が高く、意匠性に優れた成形物が提供できる。

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂と、抗菌剤及びブリード促進剤とを含む熱可塑性樹脂組成物であって、抗菌剤が桂皮酸または桂皮酸誘導体である熱可塑性樹脂組成物。
  2. 抗菌剤がクマル酸、クマリン、コーヒー酸、フェルラ酸のいずれかである請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. ブリード促進剤が、グリセリンと高級脂肪酸とからなるエステル化合物、アルコール、界面活性剤のいずれかである請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. グリセリンと高級脂肪酸とからなるエステル化合物が、モノグリセライドである請求項3に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 界面活性剤がジエタノールアルキルアミンである請求項3又は4に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形物。
  7. 抗菌剤を0.01〜15重量%と、ブリード促進剤を0.01〜15重量%とを含有する請求項6に記載の成形物。
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